日記風覚え書き

2016年10月11月、12月

(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
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●2016年12月31日 この一年に買った本

大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。

2016年に買った本は、246冊。購入金額は296,764円+税。冊数は歴代1位、購入金額は昨年に続く歴代2位。

購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:67冊、145,430円+税
・SF関連:90冊、98,575円+税
・ライトノベル:4冊、4,700円+税
・その他小説など:3冊、3,000円+税
・マンガ:82冊、45,059円+税

冊数は、SFは例年並みだけど、自然史関連本は多かった。マンガはここんところ最多。

今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本33冊、SF関連53冊、ライトノベル4冊、その他小説0冊、マンガ77冊(マンガの冊数は少し不正確)。合計167冊(マンガ抜いたら90冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、68%(マンガ抜いたら55%)。久しぶりに読破率が50%を超えた。タイプ別の読破率は、自然史関連本49%、SF関連59%、マンガ94%。

総括としては、買った冊数が多ければ、読んだ冊数も多かった。とくにSFをたくさん読んで、マンガをたくさん買った。そのことは本棚を見ても分かる。未読のSFの棚が今年はあまり増えなかった。来年もこの傾向を維持したい。

<過去のデータ>
◆購入本
・合計
 2006年:145冊、188,207円+税
 2007年:144冊、197,299円+税
 2008年:106冊、132,534円+税
 2009年:131冊、181,830円+税
 2010年:181冊、196,027円+税
 2011年:127冊、172,199円+税
 2012年:166冊、147,826円+税
 2013年:164冊、201,353円+税
 2014年:206冊、307,024円+税
 2015年:199冊、265,288円+税

・自然史関連本
 2006年:42冊、83,087円+税
 2007年:56冊、96,431円+税
 2008年:37冊、72,764円+税
 2009年:56冊、99,396円+税
 2010年:52冊、103,247円+税
 2011年:46冊、104,819円+税
 2012年:49冊、80,138円+税
 2013年:38冊、83,039円+税
 2014年:70冊、156,011円+税
 2015年:56冊、123,409円+税

・SF関連
 2006年:60冊、74,240円+税
 2007年:61冊、78,780円+税
 2008年:52冊、60,470円+税
 2009年:56冊、66,230円+税
 2010年:38冊、41,140円+税
 2011年:50冊、45,627円+税
 2012年:62冊、65,320円+税
 2013年:69冊、81,750円+税
 2014年:89冊、130,210円+税
 2015年:86冊、104,140円+税

・ライトノベル
 2006年:14冊、9,282円+税
 2007年:12冊、8,740円+税
 2008年:7冊、6,494円+税
 2009年:5冊、4,440円+税
 2010年:6冊、4,564円+税
 2011年:7冊、6,004円+税
 2012年:5冊、4,378円+税
 2013年:5冊、5,150円+税
 2014年:2冊、1,800円+税
 2015年:5冊、6,200円+税

・その他小説他
 2006年:6冊、8,743円+税
 2007年:7冊、8,253円+税
 2008年:3冊、4,700円+税
 2009年:4冊、6,200円+税
 2010年:4冊、5,000円+税
 2011年:4冊、4,300円+税
 2012年:5冊、6,425円+税
 2013年:3冊、6,000円+税
 2014年:1冊、2,800円+税
 2015年:2冊、2,530円+税

・マンガ
 2006年:23冊、12,855円+税
 2007年: 8冊、5,095円+税
 2008年: 3冊、1,554円+税
 2009年:10冊、5,564円+税
 2010年:81冊、42,076円+税
 2011年:20冊、11,449円+税
 2012年:45冊、26,104円+税
 2013年:49冊、25,414円+税
 2014年:44冊、28,605円+税
 2015年:50冊、29,009円+税

◆読んだ本(冊数・読破率)
 2006年:84冊、58%
 2007年:101冊、70%
 2008年:69冊、65%
 2009年:76冊、58%
 2010年:106冊、59%
 2011年:74冊、58%
 2012年:81冊、49%
 2013年:96冊、59%
 2014年:97冊、47%
 2015年:96冊、48%


●2016年12月30日 2016年のまとめ ショップ問題勃発

今年の1月の予言を思い出そう。
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おそらく、2月には高知へ、8月には宮城、9月には大分に行って宿泊するだろう。おかげで、経県値が上がる。
たぶん、11月には大阪で大きな自然史イベントが開催されるであろう。
もしかしたら、大阪府のソウシチョウの繁殖分布が明らかになり、瀬戸内海沿岸のカモメ類の分布も明らかにされるであろう。
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予言はほぼ当たってる気がする。まあ当たるように予言したんだけど。瀬戸内海沿岸のカモメ類の分布は、少し解明されていない地域が残ったので、来年1月に繰り越したけど。
予言しきれなかったのは、ショップ問題の勃発。要するに、求められるようなミュージアムショップを運営する能力のない業者が、ショップの運営者になってしまったんだな。改善を求めても、本質的にはさっぱり改善されないという、無駄に時間だけがかかる展開。いい加減にして欲しい。

今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。
瀬戸内岸の水鳥調査は、昨年12月に引き続き、今年の1月、2月、12月にも調査を決行。これで終わるはずだったが、別府湾岸が残ったので、来年1月に持ち越し。まああと2日もあれば終わりそう。
昨年始めた大阪府のソウシチョウ調査の続きを、5〜7月に実施して完了。大阪府のソウシチョウの繁殖分布が明らかになった。2月に大阪府でもリュウキュウサンショウクイが越冬していることに気付き。急遽、情報収集。11月からは自分でも調査を、と思ったのだけど、全然見つけられず。昨年始めたのは、カラスの枝落とし調査は、今年も継続。北海道から鹿児島県まで広く見られることが明らかに…。
大阪府のサシバの調査プロジェクトは昨年から継続しているけど、今年は参加できず。
科研費絡みの調査は、少しアンケートを追加した。来年2月に最後のイベントをして終了予定。論文化しなくっちゃ。
外来生物調査の鳥以外の部分では、10〜11月にムネアカオオクロテントウに目覚める。久しぶりにヒット。

<行事>
予定した行事はすべてクリア。ただ雨天中止が目立つ。カエルの観察会は3年連続の雨天中止。サルの観察会も雨天中止。ナイトハイクは箕面公園がいまいちになってきたので、他のコースを探して、下見の下見を繰り返して、それなりに楽しかったが、いいコースは見つからず。
大物としては、11月の大阪自然史フェスティバル2016。天気は微妙だったが、参加者数は多く、講堂プログラムも盛況だった。なにより寄付がそれなりに集まって、無事に開催できて一安心。来年も同じテンションで、寄付を集められるかが心配。
来年2月の第5回ホネホネサミット2017の出展者募集。過去最大規模が確定。

<サークル>
なにわホネホネ団、大阪鳥類研究グループ、ジュニア自然史クラブ、友の会読書サークルBooksの活動は例年通り。なにわホネホネ団は、通常活動日と鳥の日の月2回の活動を維持。ただ西表島鳥類調査隊のキンバト処理を12月に再会した。

<標本>
最大のできごとは、9月に冷凍室が壊れた事。冷凍車を借りてしのぐことができたが、2回の引越作業にかなりの時間がとられた。でも、その代わりに冷凍室の中が大幅に片付いた。思わぬ発見もあった。この時の整理のおかげで、とても片付いた状態で年末を迎えることができた。
昨年9月にきたザトウクジラは7〜8月に砂場から回収。無事に標本になって一安心。
一安心ではないのは、滋賀県の某博物館から送られてきた標本群。なんと某博物館は登録標本を廃棄するというんだな。関係者の努力で、一部だけでも引き取って守ることができた。
で、引き取った標本の内、ホネをあちこちに拡げて乾かしていたのだけど、アルバイトにお願いして回収して、無事に収蔵することができた。一部まだ干してあるけど…。

<原稿>
某出版社から出すことになってる大阪の哺乳類の本がやはり出なかった。この年末も手もつけれていない。
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。同じく大阪支部の某鳥類目録は、編集担当者さんの頑張りで着々と進行中。もう初校に突入。ここにも原稿を書かないと…。
来年夏の瀬戸内海展の解説の目次を確定。そろそろ書き出さないといけない。
某N大先生のヘビイチゴの本の出版に関わる。執筆はないのだけど、印刷屋さんとの調整と校正。けっこう分量があって時間がかかる。N大先生はいらちなので、頻繁に急かされるし…。
まともな論文は今年も書けなかった。

<その他>
・生態学会大会も鳥類学会大会も参加できず。


●2016年12月29日 今年ももちろん仕事納まらず

そもそも12月が終わるからって仕事に一段落つけなくてはいけないという考え自体、代の悪しき風潮に過ぎず、それに追随する必要はないわけだが、なんとなく周りが仕事納めと称して、1週間ほど働かなくなるのを見ると、自分も仕事が納まらないものかなと思ってしまうのは、人間の性。
で、半月ほど前に、今年中(残り15日時点)にすることを、今年の目標として並べてみたら、32項目にもなって今年もやっぱりショックを受け。ついに迎えた29日。今年中にするのが目標なので、今日時点で終わって無くても、今日を入れてあと3日もある!のだけど、世間ではすでに昨日が仕事納め。今日はとっくにすべてクリアされてなければならないような風潮。まあ、とりあえず今日時点で、残りがどのくらいかと、カテゴリー別に数えてみた。

行事系:5項目中4項目クリア。普通すべてクリアしてるもんなんだけど、今回はホネホネサミットの準備があるから、納まらない。
調査系:6つの内4つをクリア。残る2つの内、片方は現在進行中で年内には終了。どうしても残る1つは、瀬戸内海展に向けた文献調査。こら終わらん。
原稿系:予想通り、6つすべて残ってる。執筆4本、校正1本、査読1本。さらに年末に来て校正が1つ増えてしまった〜。
サイト系:2つとも残ってる。片方はなんとかしよう。
標本系:7つの内5つをクリア。手下も使ってけっこうはかどった。残る2つの内、片方は標本探しなのでなんとかなりそう。もう1つは年末年始の恒例行事。年内には終わらないけど、年明けには終わるはず。
雑用系(仕事):3つの内1つをクリア。残る2つも頑張ろう。
雑用系(個人):3つの内2つをおおむねクリア。残る1つもクリアできそう。

というわけで、仕事納めに必要な32項目の内、半分の16項目をクリア。今年中にできればあと8項目はクリアして、8つ残して年を越す感じかと。今回の年末年始は例年以上に忙しい。


●2016年12月28日 大阪市の生物レッドリスト?

なんでも大阪市の生物多様性保全地域戦略の策定の動きがあるとか。となると、希少種がどうこうという話になるのは必定。大阪市内の生物のレッドリストを作るかどうかはさておき、それっぽいものがないと、なにが希少種かも判断できない。そして、その辺りには何かしら関係することにも成りかねない。
ので、先手を打って、勝手に大阪市の生物レッドリストを考えておくといいに違いない。といっても担当は、鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類。鳥類で少し手間取る以外は瞬殺でできそう。

とりあえず大阪府レッドリストの選定に、判定基準とランクを合わせるなら、

【哺乳類】外来生物除いたら、2種だけかなぁ。
・タヌキ(絶滅危惧II類)→少なくって減少傾向
・アブラコウモリ(準絶滅危惧)→普通にいるけど減少傾向

【爬虫類】
・クサガメ(準絶滅危惧)→少ないけど変化なし?
・イシガメ(絶滅危惧II類)→極めて少ないけど変化なし?
・スッポン(絶滅危惧II類)→極めて少ないけど変化なし?
・ニホンヤモリ(リスト外)→多くて変化なし?
・ニホントカゲ(準絶滅危惧)→少ないけど変化なし?
・カナヘビ(準絶滅危惧)→少ないけど変化なし?
・シマヘビ(絶滅危惧II類)→極めて少ないけど変化なし?
・アオダイショウ(準絶滅危惧)→少ないけど変化なし?

【両生類】
・ニホンアマガエル(準絶滅危惧)→少ないけど変化なし?
・ヌマガエル(絶滅危惧I類)→極めて少なく減少傾向

種数は少ないけど、ニホンヤモリ以外はみんな少なかったり減っていたりで、軒並みレッドリストに載ってしまいそう。でもまあ、準絶滅危惧を除けば、タヌキ、イシガメ、スッポン、シマヘビ、ヌマガエル。なんとなく納得のセレクションではある。


●2016年12月27日 鳥類に関する質問です

この夏頃から、とある大学生の卒業研究につきあってるというか、つきあわされてるというか。質問されたら答えなければならない。それが鳥についての質問ならなおさら。
で、この卒業研究は、動物占い的な感じで、質問に答えていくと、何かしら鳥が出来ていくという不思議なもので、これで卒業研究になるの?という内容なのだけど、アウトプットがつまらないのはさておき、その過程では、鳥について色々調べて設問や選択肢を設定している。で、その過程でいろいろと鳥について質問されるわけ。繰り返すが、アウトプットは意味不明なのだけど、その過程での質問はけっこう奥が深い。まあだから、その質問を考えるのはそれなりに勉強になるし、面白くもある。だから、つきあいが続いているともいえる。
で、最新の質問は以下の通り。やはり難しい。

1:どうしてカモ類は、夜間に採食するのが多いのか?
草地や農耕地など陸上で採食する淡水ガモにとっては、夜間の方がタカ類に捕食される危険が少なく、人の邪魔も入らないというのが大きな要因ではないかと思います。水面で採食するハシビロガモは、昼間も熱心に採食している点も、この考えを支持します。
夜間採食は、淡水ガモに限らず、海ガモでも見られます。昼間は池で寝ていて、夜に河川や海に移動して採食するようです。これがどうしてかは、よく分かりません。

2:シギ類とツル・クイナ類の採食方法の違いについて。
シギ類をひとくくりにするのは間違っていると思います。脚の短い小型のシギは、確かにずっと下を向いて歩き回って、頻繁に嘴を突っ込んで食物を探しています。しかし脚の長い大型のシギ類、たとえばチュウシャクシギやオオソリハシシギなどは、どちらかといえば、歩いては立ち止まり、地面をつつくを繰り返します。あるいはカニなどを狙って捕食します。これはどちらかといえばツル類にも似た採食行動だと思います。

3:潜水する鳥で首が長い種がいるのはどうして?
潜水をする首の長い鳥は、大抵魚食性の鳥で、水中で折り曲げていた首を一気に伸ばして魚を捕る感じ。魚を捕る上では、水中でも首が長い方がいいのかもしれません。
この説明はペンギン類やウミスズメ類には当てはまりませんが、このグループは翼を使って泳ぐのが共通点。潜水能力に優れてるから、首が短くても魚を捕れるのかも…。

4:アホウドリ類とカモメ類の採食方法の違いは?
採食方法は、飛び方とリンクしているので、飛び方の違いと言えば飛び方の違いなのですが。
カモメ類は、より細かい動きができますので、細かく場所を変えて採食ができます。アホウドリ類は、一度着水するとあまり動きがとれないので、食べ物がある場所、魚が集まってる場所に突っ込んで行くしかないんじゃないかと。


●2016年12月26日 毛皮を干す

年末恒例、皮の処理の最終工程。なめし液に浸けていた哺乳類の皮を水洗いして、乾かすために新聞紙の上に広げる。昨冬の皮処理の成果を、一面にながめることになる。
今年は、例年より多い気がする。大物は、アルパカ、ヒツジ、ニホンジカ、ブチハイエナ、ウンピョウ、セグロジャッカルが各1匹。なぜか頭と手足の先だけのコアラが1頭。タヌキ12頭、テン2頭、ネコ1頭、アライグマ1頭、ハクビシン1頭、ヌートリア1頭、ノウサギ1頭、イノシシの子ども1頭。全部で27頭。ついでにフンボルトペンギン1頭。
例年一人で作業してるけど、今年は助っ人が二人。量が多かったので、助っ人がいて助かった。

これからの年末年始、毎日これの世話をしなくちゃならない。新聞紙を取り替え、乾いてきたら引っ張る。けっこう大変そう。1月3日に終わる予定なんだけど、終わるかどうかは皮次第。終わるかなぁ。昨年は10日頃までやってたっけか。
来年の年末に干すのは、この冬に処理してるの。今のところ3匹しか処理してないから、来年の年末は楽ちんかなぁ。その分、冷凍室が空かなくて困るけど…。


●2016年12月25日 ホネマラソン最終日

と言う訳で、年末恒例、というかクリスマス恒例のホネマラソンが今日で終了。3日間あるので、参加者が分散して、意外と作業が進まない気がするのは私だけ? 初日こそイタチ11匹とアライグマ1匹を剥いたけど。2日目は4匹剥いて、皮の処理を2匹しただけ。それも終わらず。3日目の今日は昨日の続きの皮の処理2匹分。あとは皮を剥いただけで、放ってあった中身の肉取り。確かに肉取り待ち行列は短くなったけど、冷凍室はあまり空かなかった…。
で、昨日は某団体の忘年会、今日はクリスマス会と終わってからのイベントが多いので、両日ともいつもと比べると早仕舞い。参加者少なめとあいまって、作業が余り進まない感じ。でもまあ、年末だからまあいいとしとこう。


●2016年12月23日 年末恒例ホネマラソン初日 イタチの日

毎年クリスマス辺りの連休に数日間のホネマラソンを実施している。今年は今日から3日間。最終日にはホネスマスなるクリスマスパーティが予定されているので、それを目指して頑張るのである。
で、初日の今日はイタチの日。イタチ11匹をみんなで剥いた。部屋中イタチ臭。おやじ臭いと評判が悪いのだけど、なぜかおいらは平気。おやじ臭は嫌いだけど、おかしいなぁ。香料屋さんに言わせると、これはアルデヒド系の臭いで、薄くすれば熱帯の果実のような芳しい香りになるとかならないとか。それはちょっと想像できない。
リクエストのあったイタチ8匹と、自分用のイタチ3匹を用意していたのだけど、リクエストなしにやってきて、イタチを剥く人がいて、結局1匹剥いただけ。3日連続の初日なので、あまり頑張りすぎない方がいいけれど、どうせならこの機会に処理を進めたかったので、リクエストしてから来てくれたらよかったのにと思ったりもする。
11匹用意したイタチの内、2匹だけがニホンイタチ、残り9匹はチョウセンイタチ。ニホンイタチは兵庫県姫路市と和歌山県紀の川市。大阪府産はすべてチョウセンイタチであった。いまや能勢町でさえ、ニホンイタチは稀になってしまった。レッドリストに載るのも当然であろう。っていうか、おいらが載せたんだけど。
当然ながら、ニホンイタチを選んで剥いた。驚いたことにホネホネ団の面々に、ニホンイタチとチョウセンイタチを区別出来る人は少数派なので、こっそりニホンイタチを確保できたりする。チョウセンイタチも可愛いけれど、短めで栗色の尻尾、灰色がかって少し大きめの頭、黄色味少ない胴体。配色と言いプロポーションと言い、ニホンイタチは可愛い。


●2016年12月22日 読書サークル 第89回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今日の課題本は8冊。2冊は次回へ持ち越しとなったので、6冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「ライチョウ 二万年の奇跡を生きた鳥」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 10年ちょっとに渡る調査に基づくライチョウの生態の紹介は評価が高く、地球温暖化などによる絶滅の危機も充分に伝わっている。が、古色蒼然とした文化論はいらなかった感じか。

●「ハエトリグモ」
(紹介文5つ、平均★数は3.2)
 家の周りハエトリグモの暮らしぶりを、綺麗な絵で紹介した内容は全員が好評価。もっとハエトリグモの絵を大きくすればいいのに、という意見あり。出てくる種数は少ないし、さらりとしたハエトリグモの紹介だけど、「かがくのとも」。小さい子ども向けだからこれでいいのだ。

●「世にも美しい瞳 ハエトリグモ」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
 タイトル通り、ハエトリグモの美しい瞳が素晴らしい。全員大絶賛。実際のハエトリグモの大きさが分かりにくいという声もあった。そもそもこの本ではハエトリグモの種名が分からない。けど、そんな人は今度出る「ハエトリハンドブック」を買いなさい。ということになった。

●「ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり」
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
 古琵琶湖層群の化石が一望できる点は評価されていた。でも、時代順に並んでいるのに、それが分かりにくい。産出した化石がどんな環境に生息していたかは、琵琶湖博物館でも展示があるはずなのに示していない。など、不親切な点に指摘が集中した。

●「むしこぶ みつけた」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 とにかく虫こぶが綺麗で面白い。子ども向けなので、それで充分。という評価。どうしてわざわざ色を付けるんだろう?という疑問が出て、鳥による散布の可能性が議論されてみたり。

●「分水嶺さがし」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
 評価が分かれた。ペットボトルの水を垂らしながら、分水嶺を探す著者の変人ぶりに、面白い自分もやってみたい!という人と、オタクの楽しみは意味不明!という人に分かれた。小学校中学年向けには、字が多いし、いくらふりがなを付けても説明が難しい。河川争奪は理解してもらえるのか? 地形図は読めるのか? といろいろと疑問が呈された。


●2016年12月20日 ホネホネサミット広報開始!

今日、プレス発表があったので、ようやくホネホネサミットの広報を表立ってできることに。じゃあ今までは?というと、こっそり出展者募集をしていたのでした。
とりあえず、イベントのアウトラインと、現時点での企画と出展者を紹介。というのもまだ、出展者は増えるかもだから…?

ちなみに今回のホネホネサミットは、2014年のリベンジ。だから、前回台風で大阪に来れなかったゲッチョを招待講演にすえた。前回出展者の多くも、再び出展してくださる。というわけで、今度は台風が来ませんように。
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1.名  称:「ホネホネサミット2017」

2.期  間:平成29年2月11日(土・祝)、12日(日)

3.会  場:大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール・講堂

4.入 場 料:無料 ※休館中のため常設展の観覧はできません

5.開催時間:9時30分〜16時30分(両日とも入館は16時まで)

6.開催内容
◆ブース展示(両日とも開催)
 ネイチャーホールで、出展団体による活動紹介や標本などの展示、自然をテーマとした参加体験型のゲームコーナーなど。

◆講堂プログラム
<2月11日(土・祝)>
・招待講演会「海のホネ拾い」
 海岸に打ちあがっている骨拾いから、どんな「世界」が見えてくるのかをお話ししたいと思います。特に沖縄の海岸で見つかるジュゴンの骨に焦点を当ててみたいと思っています。
 時間:13:30〜15:00
 会場:自然史博物館本館 講堂
 参加費:無料
 講師:盛口 満(沖縄大学人文学部)

<2月12日(日)>
・ホネ☆ホネ発表会
 出展者が、ホネ標本作りや皮むきの技や道具などのノウハウ、ホネを使った教育プログラムや活動展開を紹介します。
 時間:13:00〜14:30
 会場:自然史博物館本館 ネイチャーホール
 参加費:無料
 発表者:樹脂会、なにわホネホネ団 ほか

7.主  催:
なにわホネホネ団、大阪市立自然史博物館

8.出展者:北海道から沖縄県まで、日本各地のホネ関連の54団体・個人(予定)
アクア・トトぎふ「骨部」、あくあぴあ芥川(高槻市立自然博物館)、池田 鈴菜、岩手大学自然史探偵団、えぞホネ団Sapporo、愛媛県総合科学博物館 学芸課 自然研究グループ、認定特定非営利活動法人 大阪自然史センター、岡山理科大学 環境考古学研究会・富岡ゼミ、小木曽チエ、荻野慎諧、海洋堂ホネ同盟、神奈川県立生命の星・地球博物館、京都大学大学院 地質学鉱物学教室古脊椎グループ、棘皮屋(キョクヒャー)、近大ホネホネ団と(株)アクアテイメント、釧路市動物園ツル担当、倉敷市立自然史博物館友の会脊椎動物グループ、群馬県立自然史博物館、神戸芸術工科大学 ホネ・プロジェクト、魚の骨格標本、魚の骨格 骨じまん、魁!!骨塾、五月山動物園、佐藤寿哲・幹太、認定NPO法人四国自然史科学研究センター+高知みらい科学館、樹脂会、主婦と骨、素人魂〜特濃魚汁〜、株式会社Skeleton Crew Studio、STUDIO D'ARTE CORVO、駿河ほねほね団、たけうち かずとし、田辺高憲、畜大えぞほね団、deer bone "hai"、戸隠解剖団、鳥取県立博物館、豊橋市自然史博物館 脊椎動物ボランティア、なにわホネホネ団、鶏団、根津 貴博、能勢 峰、原島広至、平田 泰紀、琵琶湖博物館はしかけ「ほねほねくらぶ」、福井市自然史博物館 骨部、富士山環境展実行委員会、プロジェクトとっかり、骨好き中学校教師の会、松尾大輝、マンタム、三重県総合博物館、ミノル、盛口満(50音順)
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●2016年12月19日 ため池のカメの気持ち

今日は暖かいなぁ。目が覚めちゃったから、ちょっとひなたぼっこしちゃおう。今年の冬は暖かくっていいなぁ。でも、食欲は湧かないなぁ。こんな日が続くと、腹減って死にそう。

ってことで、今日は自転車でため池を巡ったのだけど、12月半ばだというのに、あちこちの池でカメが日向ぼっこしていた。今日は、というか今年は今のところ異様に暖かい。手袋いらないし、ダウンジャケット着て自転車こいでると暑いくらい。カモが少ないように思うのは、暖かくてあまり南まで渡ってこないとかあったりする?
とにかく、調査はやりやすいので、冬中こんな感じが続けばいいなぁ。毎年こんな感じならいいなぁ。地球温暖化万歳!
と思わなくもないけど、寒い冬を前提に適応して暮らしを成り立たせている生き物たちには、困った事態なんだろうなぁ。

で、目の前のカメくん達だが。飼育するときは中途半端な気温を保つと、冬眠できないで起きてるけど、食欲がなくって、結果として餓死する恐れがある。などと忠告したりするのだけど、野外でもこの考えは適応できるんだろうか? だとしたら、こんな暖かい冬には、冬眠失敗して餓死するカメが続出? でも、沖縄の冬はこんな感じやんね? でもカメはちゃんと冬を越してるね。
といろいろ不思議に思った。


●2016年12月18日 貝化石探し

今日は中高生と貝化石探し。近くのあまり化石が出ない場所と、遠くて電車賃かかるけど、貝化石がザクザク出る場所のどっちがいい? と訊ねたら、ほぼ全員が貝化石ザクザクを選択。まあ、交通費は親の金だからかもしれないが、なかには小遣いで参加してる子もいるはずだけどなぁ。
というわけで、今日は古琵琶湖層群の貝化石を掘るべく、三重県の伊賀上野辺りへ。到着した場所は、なんの変哲もない中位の河川。こんな場所に?と思ったら、柔らかめの地層を割ると、中から貝化石がザクザク。謳い文句は本当だった。圧倒的に多いのは、イガタニシという凸凹した巻き貝。さらに細身のイボカワニナ類とか、なんか大きな二枚貝の化石も出てた。イガタニシはすぐに厭きるほど採れるのでもっぱら完品の二枚貝を探したが見つからず。
一人が魚の咽頭歯を見つけて盛り上がったので、そこからはほぼ全員が咽頭歯探しに突入。大人げない地学担当の学芸員が立派なのを見つけてた。子ども達は小さいのをちらほら見つけてた。で、諦めかけた頃、1cm弱のなんやら丸っこくてツルツルした物を発掘。これはもしかしたら? と思って先生に見せに行く。期待して咽頭歯じゃないと言われて落胆しないように、きっと違うきっと違う。と思いながら見せたら、先生はコイの咽頭歯!と即答。やった!と思った、勢いで落としてしまい、慌ててみんなで探した。
化石は採るのは楽しいけど、持って帰ってもどうせどっかにやってしまうので、魚好き君に、咽頭歯はあげてしまった。もう少しじっくり見てからあげれば良かった、と後から思ったが、魚好き君はすぐに大切そうに梱包してしまってた。

化石採れなかった〜というハズレがないし、咽頭歯探しは楽しいし。また来てもいいかも。今度は少し古琵琶湖層群の化石の予習をしてからこよう。


●2016年12月17日 今年の目標

今年も残り15日。ちょっと早いけど、そろそろ今年の目標を立てておこう。

【行事系】まだけっこうあるなぁ。ホネサミ準備もあるし。
・18日、ジュニア自然史クラブ
・23日〜25日、なにわホネホネ団。
・22日、友の会読書サークルBooks
・24日、鳥類フィールドセミナー
・ホネホネサミットの配置案、チラシ発送準備
【調査系】今月の大調査、九州瀬戸内ツアーは終わったけど、ルーティンがまだぜんぜん終わってない…。
・ため池と大和川
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
・瀬戸内海の島の陸上脊椎動物相の文献調査
【標本整理系】冷凍室はすでになんとかなってる。むしろ片付けて、冷凍室へ入れて、探索しなくちゃ。
・手下を使って、乾かしているホネを箱詰めして収蔵庫へ。
・自分で、乾かしたなめし皮をまとめて冷凍室へ。
・その辺に転がってる本剥製を冷凍室へ。
・パックした鳥の仮剥製を冷凍室へ。
・なめし液に入ってるのを乾かす。
・データのそろってるスナメリ、ホネを削れるワニ標本さがし。
【原稿執筆関係】 大物の前2つ以外は何とかできるんじゃ?でも校正もけっこう大変。
・大阪の哺乳類の原稿執筆(過去7年毎年書いてる…。でもこの年末も無理) 。
・瀬戸内海展解説書原稿。
・ミュージアムショップについての博物館学的文章。
・大阪府鳥類目録改訂版の大阪府の鳥類相記事。
・大阪府鳥類目録改訂版の校正。
・KONCの査読1本。
【その他の雑用】これは手つかず…。
・最近見た鳥のサイトの更新(3年前の夏と、一昨年の7-8月、昨年の7-11月、さらに今年の…)
・日記の完成(バードフェス以降が未完成のが)
・購入本一覧作成
・いろいろ本の在庫調べ
・雑誌の整理
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備

年末の忙しさは例年並み。でも、書きだしてみたら、やっぱりいっぱいある…。


●2016年12月16日 研究者と市民を自然保護でつなぐ?

多くの研究者は、市民から遠い存在。それを繋ぐ場は、意味があるように思う。問題は、どのように繋ぐかと、その機能をどうアピールするか。
関西自然保護機構は、かつては自然保護に関心のあるプロの研究者の集まりで、アマチュアはもちろん大学院生も入会させてくれなかった。いまは性格が変わってきて、誰でも入会できる。でもまあ研究者が多いのは間違いない。自然保護の視点を持った、関西地域の生態学会的な色彩が強くなってる。というわけで、自然保護と研究に興味のある方なら、誰でもウェルカム。
という団体の主な目的は、やはり自然保護ではあるのだろうけど。研究者スタンスからの自然保護への取り組み自体は意義があるだろうけど。そういう場としては、日本生態学会の自然保護委員会がある。そんな中、関西自然保護機構の存在意義は、自然保護というテーマに関して、研究者と市民をつなぐことではないかと思って早数年。
参加者の少なかった大会に、ポスター発表などを付け加え、市民や研究者やその卵に発表してもらい、相互の交流を図る場にしようともくろんできた。少しは軌道に乗りつつあるけど、まだまだかなぁ。
他にも、会誌や見学会、講演会などを通じて、研究者と市民をつなごうと試みてはいるけど、こちらはさらにまだまだ。

すべてが軌道に乗って、存在意義が認められれば、経営面でも楽になるはずなんだけどなぁ。と、経理担当としては思う日々。


●2016年12月15日 瀬戸内岸水鳥調査九州編3日目

3日目にしてシーズン4最終日は、豊後高田市から国東市国見町をちょっと過ぎた辺りまでの54ヶ所。鳥が多かったのは出だしだけで、後はひたすら、ポケットビーチと国道の往復。
そのスタートは、宇佐市と豊後高田市の境界の桂川・寄藻川河口域。なんとなく双眼鏡を向けると、ヒシクイ14羽の群とクロツラヘラサギ1羽。ズグロカモメ22羽とツクシガモ16羽。そしてカモ類が4000羽超え。マガモとカルガモが多く、ついでヒドガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ。水鳥カウントではなく、普通に鳥見に来たい。
他に100羽以上のカモがいたのは、真玉川河口と小熊毛川河口だけ。50羽以上のカモメ類がいたのは、伊美川河口にウミネコ中心に約80羽いただけ。昨日と打って変わって、最初以外は鳥が少なかったのだが、昨日までと同じように小雨が降ったり止んだり、時々ザーザー降ったりの天気。でも、今日は鳥がいないので全然平気。

小倉まで戻ってレンタカーを返して、新門司港からのフェリーに乗らないといけないので、早めに調査を切り上げた。
残る国東半島の東側と別府湾岸は、1月回し。鳥が多いのは守江湾だけっぽいので、たぶんあと2日で終わりそう。今回5日日程がとれてたら、シーズン4で終えれていたなぁ。


●2016年12月14日 瀬戸内岸水鳥調査九州編 2日目

今日が今回のシリーズ4のメイン。とにかく鳥が多いと噂の中津市と宇佐市。1日で終わるかすら心配。なのに天候も悪く、朝は雨模様の中、スタート。雨模様だからか、朝方は潮が満ち満ちてたせいなのか、鳥は少なめ。カモはあちこちに数百羽単位でいるけど、数えるのが面倒なカモメ類とかシギチドリ類はさほどいないなぁ。と思ってたら、中津市の東の端の鍋島海岸に輪をかけて大量のカモ、そしてたくさんのシギチドリ類! 幸いなことにこの一番の大量の場所から雨が上がった。これで雨が降ってたらと思うとぞっとする。その後は雨も降らず、風もなく、快適に調査は進み、中津市から宇佐市のほぼ全域を調査することができた。調査地点数は29ヶ所。
カモメ類はあまりおらず、50羽以上のカモメ類は、ユリカモメ中心に約360羽が駅館川河口にいただけ。一方、カモはとにかく多い。17ヶ所に100羽以上のカモがいて、1000羽以上のカモがいたのも三百間浜、犬丸川河口、鍋島海岸、伊呂波川河口、駅館川河口、長洲海岸の6ヶ所。一番多かった鍋島海岸には、オナガガモ約2500羽を中心に、合計約3600羽。とにかくカモがいっぱい。
シギチドリ類は、中津市鍋島海岸に多く、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、ハマシギの合計約360羽。鍋島海岸のすぐ東の宇佐市宮熊海岸にも、シロチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、ハマシギが合計約70羽。宇佐市の東端の方、岩保海岸にはシロチドリ、ダイゼン、ハマシギが約70羽。黒川河口にはアオアシシギ1羽メダイチドリとかキョウジョシギが越冬するとは知らなかった。
面白い鳥としては、鍋島海岸にヒシクイ2羽、蛎瀬川河口にヘラサギ2羽、伊呂波川河口にシノリガモ1羽。ダイシャクシギは黒川河口に1羽、ツクシガモは長洲海岸に3羽と岩保海岸に14羽いた。ズグロカモメは少なく、住江海岸6羽と岩保海岸6羽。普通に鳥見が楽しい。


●2016年12月13日 瀬戸内岸水鳥調査シーズン4 九州編

復習しておこう。昨年12月のシーズン1が四国編。今年1月のシーズン2が中国編1で岡山・広島編。そして、2月のシーズン3は中国編2で、山口編。と言いつつ広島を少しと、福岡県も北九州市と苅田町はやっつけた。
で、シーズン4である。今まで通り、5日日程で、最後までやっつけるつもりだったが、5日日程がとれず、3日日程。3日では最後までやっつけられないので、まあ続きは1月に持ち越し前提の気楽な調査。とは言え、瀬戸内有数、もしくは瀬戸内随一の鳥の宝庫、中津市と宇佐市が控えてるので、ドキドキしながら、久しぶりに九州上陸。

スナメリを見たいので、フェリーの遅い便で新門司港到着。自ずと調査スタートは、平常の2時間半遅れの午前10時。調査は予想通り進まず、鳥の宝庫、中津市の手前で終了。小雨が降ったり止んだりするあいにくの天候で、時にはザーザー降ったけど、鳥の多い場所では幸い止んでくれていたので、調査にとくに支障はなかった。
概ね行橋市から豊前市までの24ヶ所を調査した。とばっかり思っていたが、最後は吉富町だった。というわけで、福岡県の調査は終了。
あまり鳥の多い場所はなくって、50羽以上カモメ類がいたのは山国川河口のみ。セグロカモメ中心に60羽ほど。ズグロカモメは山国川河口に1羽いただけ。
100羽以上カモがいたのは、祓川河口、中川河口、宇島港、佐井川河口の4ヶ所。全体にマガモとヨシガモが多い。ただ宇島港に多かったのはウミアイサ。あとここはカンムリカイツブリも約100羽。
シギチドリ類は、音無川河口にシロチドリ、コチドリ、ダイゼン、ハマシギが合計10数羽いた程度。


●2016年12月12日 聞きなしの言語学的?研究?

鳥の声の聞きなしについての質問を受けた。聞きなしは、元の声とどの程度似ているのか調べたい。なにか参考になる図書はあるかといった感じ。
あまりピッタリくる本は思い当たらない。取りあえず思いついた『小鳥の歌からヒトの言語へ』はすでに持ってるらしい。後から指摘されたけど『鳥の歌の科学』は思いつかなかった。
どうやら言語学の立場から、鳥の声の聞きなしを研究してみようと計画を練っているところらしい。むしろいろいろ教えてもらった。
聞きなしを無作為に集めまくってるサイトがあるらしい。海外の聞きなしも少し調べているけど、日本ほど豊富じゃないらしい。

あまり質問には答えられなかったけど、聞きなしの意味について考えることが出来たのはよかったかも。
個人的には、聞きなしとは、元の声と似ている必要はまったくなくって、元の声を思い出すきっかけになるのが重要。もちろんそっくりなら、そのまま思い出せるけど、キューを与えてくれるだけでも充分機能していると思う。たとえば、ソウシチョウのあのややこしい囀りは、「カエルピョコピョコ、ミピョコピョコ」と唱えるとだいたい思い出せる。


●2016年12月11日 クモ展企画

昨日、クモの大先生を迎えてのブックトークの後、大先生を接待する中で、クモ展をしよう!と盛り上がった。
先の自然史フェスティバルのクモシンポジウムは大入り満員でとても盛り上がった。さほど広報しなかった昨日の著者によるブックトークもそれなりに参加者がきた。けっこう多くの人にとってクモが気になる存在なのは間違いないらしい。そしてクモ界のアイドルであるハエトリグモくんの人気は絶大。
さらに言えば、クモシンポの講師のお二人も、またクモ企画でなにかあれば協力しますよと言ってた。昨日のクモ大先生も解説書の原稿でもなんでも引き受けると言ってた。それならもうクモ展解説書はできたも同然。あとは展示を考えるだけ。

・クモとは?
・クモの暮らす場所:造網性と徘徊性、家の中のクモ、ミズグモ、居候
・クモの巣のいろいろ
・クモの網のふしぎ
・クモの求愛:動画を多様。ミットとグローブ
・クモの生態:卵嚢、子グモの分散、食性、繁殖
・ハエトリグモの世界。
・クモの寄生者、クモの捕食者:ヒメバチと狩りバチ
・日本のハエトリグモ全種。

面白い話題はいっぱいある。問題はクモは小さいってことくらい。動画と拡大した画像を多用するとしよう。


●2016年12月10日 クモの大先生のご講演

クモの大先生をお招きして、お話をうかがった。本の宣伝を兼ねて。
クモの話それなりに面白かったけど、本の紹介の部分は今ひとつ。と、お付きのマネージャーさんに怒られていた。マネージャーさん厳しい。

クモの雄が交接器を、雌の交接器に入れる部分を、前に出て実演させられた。ワンツーパンチだというから、先生の腹を殴ってたら、もっとクロスに打てとの指令。ってゆうか、雄の交接器の外側を、雌の交接器に接触させないといけないので、クロスにパンチというより、えー加減にしなさい!と突っ込んでる感じ。
雄の交接器を模したグローブと、雌の交接器を模して首からぶら下げるミットを作れば、より理解しやすいに違いない。そんなんなくても、舞台で突っ込んだ方が、画像を見せられるよりよほど分かりやすいと評価された。

ちなみにアリの研究者だったはずの大先生が、クモの研究者に転身したのは、当時アリの世界は、行動生態学の最先端で、怖い先生方がいっぱいいて、怖かった。それに引き替え、クモの世界は怖い先生がいなくて、そもそも行動生態学的研究があまり行われてなかったかららしい。逃げるは恥だが役に立ったんですね。


●2016年12月9日 来年度の行事予定

鬼が笑うどころではなく、再来年の3月までの週末の予定が今日決まった。すべて決まったわけではないけど、大部分は決まった。ここんところ、行事のシェイプアップが議論になっていて、それを意識して予定を決めたのだけど、シェイプアップした以上に新たな要素が加わって、結局減ってないという結果にしかならない。減らしても別ので埋まるなら、減らさなくても一緒やん。

とりあえず、ルーティンに近いのは、
・ジュニア自然史クラブ:月1回
・なにわホネホネ団:月2回
・大阪鳥類研究グループ:月1回
これだけで毎月の週末の半分近くがうまる…。

そして毎年やってるのは、
・植物園案内・動物編:年間8回ほど
・カエルの観察会:年1回
・哺乳類の観察会:年1回
・鳥の観察会:囀りとツバメのねぐらの年2回
・鳥類フィールドセミナー:年間10回ほど
・鳥の調査の勉強会:年間3回

毎年参加することになる大きめイベント
・活動報告会
・教員のための博物館の日
・標本同定会
・友の会秋祭り
・自然史フェスティバル
・はくぶつかん探検隊
・友の会総会
・バックヤードツアー
・地域自然史と保全研究発表会
・子ども祭り
全部で合計14日。

ここまでで合計87日。なんにも考えなくても週末+祝日のおよそ2/3が埋まってる計算。


●2016年12月8日 大阪府のコブハクチョウの分布

大阪府鳥類目録改訂作業の中で、分布図の更新をしているのだけど、今回は移入種の分布図も作ろう!ってことになった。ソウシチョウやハッカチョウはけっこう調べてるし、コジュケイなら探鳥会の記録にも出てくる。ドバトはまあまあどこにでもいるから簡単。あとは現在大阪府で繁殖していないし、そもそも大阪府での記録もほとんどないから、まあ一通りチェックして出てきた記録を拾えばいいか。と話し合っていて、1つ気付いた。コブハクチョウも扱わないとだねぇ。
でも、コブハクチョウはいろいろと面倒。
・探鳥会の記録には出てこない。
・羽根を切っての放し飼いから、羽根を切らないで(つまり飛べる!)放したの、勝手に飛びまわってるのと、けっこう色々でややこしい。
・それでいて、人間の管理下を離れた形で繁殖することがある。生まれた子どもは当然飛べるし、どこかに行ってる。

というわけで、放し飼いと野生化した個体を区別できないので、まとめて扱うしかない。でも、普通に鳥見の記録を見ても、なかなか出てこない。仕方がないから、自分の観察記録(自分で見たのは記録してる)を漁って、さらにサークルのみんなで調査したの(白アヒルもすべて記録することになってる)をチェックして、あとはネットサーフィン。
断片的ながらも全容が見えてきたかな?


●2016年12月7日 韓国からの客人

なんか鳥の剥製の作り方について質問があるとかで、呼び出された。韓国の方って、日本人よりはるかに上手に英語を話すイメージがあるのだけど(でなけりゃ日本語が話せたりする)、なんと韓国語しか話さないご一行だった。で、博物館関係ではなく普通の通訳の人を連れてきていた。で、向こうの人が、こっちに向いてペラペラと韓国語で話されるのだけど、全然分からん。次いで通訳の人がこっちに向かって日本語で話す。韓国の方に日本語で答える。通訳の人が韓国語で説明する。日本語の通じる通訳の人を見て話を聞き、通訳の人に向かって話してしまいそうで、なかなか難しい。
で、訊ねられたのは、結局
・鳥の剥製は誰が作ってるのか?
・鳥の死体はどうやって集めているのか?
・天然記念物の扱いは?
・鳥の剥製作りの本はあるか?
といった内容。向こうの博物館でも、一般向けに鳥の仮剥製実習を考えているらしい。韓国の天然記念物の扱いは、日本とちょっと違うようだったが、通訳の人を経由してなので、よく分からなかった。

おみやげには、なんと化粧品を頂いた。キムチの乳酸菌で、ヨシを発酵させてつくった化粧水とからしい。つまりヨシのキムチ? お肌が荒れてるという指摘? もらったはいいが、使う気もなく、どうしたもんかなぁ。


●2016年12月6日 大人のためのワークショップ

夏の特別展では、夏休み中のほとんど毎週末、子ども向けのワークショップを実施する。ってのが、ここ数年の決まりみたいになっている。いわば、子どもが特別展に来たら、展示+αが提供されるのだけど、大人がお金を払って入っても展示以外には提供されない。
というのとは別に、特別展の会場には、夏休みの週末の子どもワークショップのためのスペースを確保するのがここんところの慣例。だけど、そのスペースを平日どうするか、夏休み以外の週末どうするかは、ちょっとした課題。できれば、ここを活用して、もっと来場者が増やせるとありがたい。
ここ数年、毎週末に展示解説は行っているが、さらに踏み込んだ展示の理解につながる企画があってもよかろう。
で、こうした問題意識を合わせて浮上したのが、大人のためのワークショップ。

と、タイトルは思いついたが、大人のためのワークショップとして何をしたらいいのか分からない。研究者でワークショップといえば、パネルディスカッション多めのシンポジウムみたいなもの。でも、ここでいうワークショップは、子どもワークショップの大人版。何かしら作業するとか、展示に何か追加して解説するとか。
で、何を思ったら、来年の夏の瀬戸内海展で、ホネをテーマに大人のためのワークショップをすると手を挙げてしまった。しまった〜。仕方がないから、何か考えなくては。骨取りは無理だから、ホネを見ながら何かする感じかな。でも、瀬戸内海の自然の理解に繋がらないとな。となると、どうしよう?


●2016年12月4日 冬にさえずる鳥

今日はサンショウクイを探しに妙見山に登った。サンショウクイはいなかった。他の鳥も少なめ。比較的暖かく、風もなくて、穏やかだった。と言っても冬なのに、さえずっている鳥がチラホラ。ヒガラ、イカル、ルリビタキ、ソウシチョウ。そう言えば、お目当てだったリュウキュウサンショウクイも冬でもさえずる。留鳥が冬にさえずるのは、冬からなわばりを確保して、繁殖につなげるのかな。とも思うけど、冬鳥が越冬地でさえずる意味は、もひとつ分からない。春先なら練習かなとも思うけど、まだ12月。練習始めるには早過ぎない?


●2016年12月3日 オオバン増加2ndインパクト

年度の冬から大和川下流部でオオバンが増えた。今年もすでにたくさん来ている。昨年はいなかった桂川にも今年はオオバンがいる。今年初めて鴨川にも入ったらしい。昨年や今年オオバンが増えてるのは、大和川だけの減少ではないらしい。いったい何が起きてるんだおる? そしてオオバンは、いったいどこから来たんだろう?

かつてオオバンは関西ではあまり見られない鳥だった。それが増えたのは、1980年代。1980年頃、琵琶湖でのオオバンの繁殖が始まって、しばらくして大阪府や京都府でも繁殖が確認されるようになった。大阪府のため池でも冬にオオバンを見かけるのはさほど珍しくはなくなった。
いつ頃からだろう。ふと気付くと琵琶湖のオオバンは激増していた。近江今津辺りにはオオバンの大きな群れが浮いてるし、琵琶湖博物館のまわりには数千羽(もしかして一万羽超えてる?)ものオオバンがいて、湖面が真っ黒といったら過言だけど、それくらいのイメージでオオバンがいる。

そして、ここにきての大阪府や京都府でのオオバンの増加である。その供給源としてまず思いつくのは琵琶湖。琵琶湖のオオバンが飽和して、溢れてきたとか。オオバンを追い払うようなことをしたから周辺に散らばってるとか。そんなことではないだろうか?
ともかく、オオバンがもう一段階増えつつあるらしい。冬に増えれば、そのうち夏にも波及する。あちこちのため池や河川で、オオバンのヒナが見られる日は近そう。


●2016年12月2日 カラ類の群に混じる鳥

大阪市内の某公園にカラフトムシクイが混じってたとか。そんな話を聞いたので、今日長居公園で鳥を見てて、シジュウカラに出会ったら周囲になんかムシクイがいないか探してしまった。
そういえば、昨年度から関西で越冬リュウキュウサンショウクイが増えてるらしく。それがなぜかエナガの群れと一緒にいることが多いという。というわけで、先日、箕面公園ではエナガの群に出会う度に、周囲にサンショウクイを探してた。
どうやら、カラ類に混じる鳥を探すブームが倒来したらしい。どこまで広がってるかしらんけど。

そもそもカラ類の混群はなかなか奥が深く。日本ではなぜか東日本でばかり調べられている。そこではヤマガラはいつも少数派だし、メジロはほとんど混じらない。西日本でメジロが混じる混群の研究といえば、西表島で少し行われたことがある程度。西日本の多くの人が目にしているメジロが中心でヤマガラがけっこう混じる混群の実体は謎に包まれていると言ってもいいくらい。
そもそも東日本ではエナガがたいてい混群の中核種として振る舞うようだが、西日本ではメジロもまた混群の中核種として振る舞う。エナガもメジロもいる場合、いったい誰が混群の中核を占めるのか? 果たして両雄は並び立つのか? というのは、なかなか面白いテーマのはず。

というわけで、混群を真面目に見るのは興味深いはずって話でした。


●2016年12月1日 夢洲の夢

今日は、カワウの調査に夢洲へ。ここ数年、年間3回、カワウの調査で夢洲に入ってる。滅多に入れない場所なので、入ったらついでに他の鳥もチェック。
今年の冬は、カモは少ないけど(といっても2000羽ほどはいる)、ツクシガモの群れはいるし、ホオジロガモやミコアイサ、ウミアイサも浮いてる。ミサゴが数羽にチュウヒが2羽飛んでる。岸に脚が長めで真っ白な鳥が寝ている。胴体が横長なのでサギ類ではなく、ヘラサギ類では?と思って見ていたら、一瞬顔をあげてくれた。ヘラサギだった。という具合に相変わらず、鳥の種数個体数ともに多くて良い場所。広い浅い水域や、広い草地・裸地は大阪湾岸ではとても希少になっているので、鳥の生息地としてとても重要な場所になっているんだと思う。
ここがずっとこのまま維持されるといいと思うのだけど、南の水域の埋め立ては進行している。北側の草地もどんどん整備されつつある。さらにここでの大型イベントやレジャー施設建設も取りざたされている。この一画で良いから、鳥の生息地としての水域と草地・裸地を残して欲しいなぁ。と、祈らずにはいられない。


●2016年11月30日 2016年11月のまとめ とにかくフェス

とにかく大阪自然史フェスティバルがあった。その準備と本番に上中旬は追われた感じ。で、下旬はというと、無事に終わった〜、と余韻で終わった気がする。ってゆうか、こうした大型イベントが迫ると他のことは後回しにするので、後回しにしていたののフォローで11月は終わってしまった感じ。
とにかく資金難で開催すら危ぶまれたフェスティバルが無事にというか、かなり成功裡に終わったのは目出度い。これで今年の仕事は終わったも同然。のはずなのに、なぜかまだ忙しい。不思議だ。そんな1ヶ月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。カラスの枝落とし調査は継続中。鳥のセンサスと木の実チェックはちょっとさぼり気味。
先月から個人的に盛り上がってきたムネアカオオクロテントウ探しは、前半にけっこう調査した。リュウキュウサンショウクイ探しを始めるつもりが、うまく見つけられず不発に終わりそう。

普及行事は、フェスティバル以外は、ジュニア自然史クラブ程度。サルの観察会は幸か不幸か雨天中止になった。

とまあ忙しい中、
読んだ本は、SF6冊のみ。自然史関係は読んでない。原稿は1本だけ。講演は学芸ゼミでソウシチョウの話をしただけ。頼まれてる査読1本は保留中。


●2016年11月29日 大阪府の外来鳥類

今日は、大阪府のソウシチョウの分布の変遷の話をした。といっても過去に整理したソウシチョウ情報を見せた以外は、昨年と今年実施した大阪府内のソウシチョウ繁殖分布調査の結果の地図を見せただけ。それだけではあんんまりなので、ソウシチョウの周辺状況とか、大阪府に定着している外来鳥類の話とかをした。
過去には他にも大阪府内で繁殖した外来鳥類はあるけど、現時点で繁殖しているのは、コジュケイ、コブハクチョウ、ドバト、ハッカチョウ、ソウシチョウの5種だけ。ハッカチョウはすでに調査しているし、ソウシチョウの分布は調べたし。コジュケイの分布は過去にだいたいおさえてるし、今更ドバトを調べなくても良さそう。となると、あと調べないといけないのは、コブハクチョウだけ?
次々と新たな外来生物が見つかり(それが外来か単に分布が拡大してきただけなのか分からなかったりもするけど)、話題にことかかない昆虫や植物がちょっとうらやましくもある。陸貝や淡水魚もなかなかやるし、カメ類はむしろ外来生物の方が多い。哺乳類でもアライグマやヌートリアというのが目立っている。そんな中、どうして鳥類だけはこんなに外来生物と呼ばれるものが少ないのか、けっこう不思議。あんなにかご脱けはいるのにねぇ。


●2016年11月27日 さまよえる学会員、それはホネサミの予感

今日は、館内で日本甲虫学会の大会をしていた。講堂がメインの口頭発表の会場で、会議室や集会室が休憩室で、ネイチャーホールがポスター発表会場。というわけで、講堂とネイチャーホールを行き来するわけ。これって、来年2月のホネホネサミットでも起こりそうな展開。ネイチャーホールでは標本同定会もやっていて、それには大会参加者以外の一般の参加もあるんだけど、これまたホネホネサミットと似てる! という訳で、興味深く大会参加者の動きを見ていた。
簡単に結論を言えば、講堂からネイチャーホールへの移動は、かなり丁寧な、ハッキリ言ってくどいくらいに、あちこちに方向指示を出さないと、館内をみんながさまよう事態になる。でもまあ、それなりに何とかなるようでもあった。
とりあえず、大会参加者は、いわばフェスの出展者と同じように、管理棟を経由して講堂とネイチャーホールを行き来させられそう。ってことは、ホネホネサミットでも使えそう。ただしホネホネサミットは、本館閉館中に開催するので、一般参加者は表から入れない。一般参加者を講堂に通す際に、通用口から入れるかどうかが悩みどころ。他の行事のやり方にならえば、管理棟1階を通す手がある。だとしたら、出展者もそのコースかなぁ。


●2016年11月26日 越冬リュウキュウサンショウクイの探し方

この冬は大阪府の山で、どのくらいリュウキュウサンショウクイが来ているか調べようと思っている。で、今日は、サークルでリュウキュウサンショウクイ探しの研修。と称して箕面公園を歩いてきた。でもリュウキュウサンショウクイは見つからず。ぜんぜん研修になってない…。
今日は研修にはならなかったけど、ある意味、リュウキュウサンショウクイ探しのマニュアル作りには役だったかと思う。

【越冬リュウキュウサンショウクイ探索マニュアル】
0:地図を用意。
1:山の方に行き、日付とスタート・終了時刻、歩いたコースを地図上に記録。
2:鳴き声を中心にサンショウクイ類を探す。
3:エナガの群れを見つけたら、周辺にサンショウクイ類がいないかを探す。エナガの群れの周辺をチェックした場所を地図上に記録。
4:サンショウクイ類を見つけたら、個体数と確認した位置を地図上に記録。可能なら亜種を見分ける(必ず判断根拠も記すこと)。
5:地図を、和田(wadat@omnh.jp)に送付。

本日の調査は、
時刻:10:00-15:16
コース:箕面駅〜一の橋〜桜広場〜野口英雄像〜赤い橋〜風呂谷〜雲隣展望台〜才ヶ原林道〜才ヶ原池〜みのお山荘〜聖天展望台〜みのお聖天〜箕面駅
エナガチェック:昆虫館裏で1群、野口英雄像〜赤い橋で3群、みのお聖天で1群をチェックしたが、サンショウクイ類は確認出来ず。
サンショウクイ類確認個体数:0羽

となった。まあ、だいたいテキストでも報告できるなぁ。


●2016年11月24日 モンキーパークの歩き方

今度の日曜日にサルの観察会をするので、嵐山のモンキーパーク岩田山へ下見に行った。何度行っても、と言っても3回目だけど、間近にサルが見られて楽しい。
この季節、京都は観光シーズンまっただ中、こんなシーズンにわざわざ京都で観察会しなくてもよさそうなものだけど、今がちょうど交尾期で、繁殖に関連したいろんな行動が見られて面白い。と講師先生がおっしゃるのである。

かつての箕面公園と違って、サルが人を襲ってこないし、間近にサルの形態や行動を見られるので、それだけでとても楽しい。あまり見つめすぎると、サルが怒り出すので注意が必要だけど、威嚇の顔を覚えておいて、威嚇されたら目を逸らせば大丈夫。あまりサルに近付くと(あるいは近付かれると)スタッフの人に怒られるけど、とりあえずサルが勝手に近寄ってくる分には、ジッとしてれば大丈夫。
あとは、何となくサルの行動を見てるだけで楽しいのだけど、観察する視点が分かるともっと楽しい。

性別と大ざっぱな年齢が分かると、サルたちの行動がますます見えてきて面白くなる。子どもが、他所のおばちゃんに怒られてるとか。若い雄と雌がいちゃいちゃしてるとか。立派な雄が、若い雄を追い回しているとか。ばあちゃんが、おばちゃんにグルーミングされてるとか。
サルの社会が分かってるとさらに面白い。雄は、ある程度大きくなると群れを離れ、うまくいけば他所の群れに加入する。だから立派な雄は、この群れ生まれではない。逆に雌は群れに残るので、母と娘の関係は継続する。子どもは、油断すると雄に襲われる恐れがあったりする。年齢差のある雌が仲良くしているのは、親子かも。中には親子三代でグルーミングしてたりも。小さい子どもは常に母親と一緒。雄同士は、とくにこの交尾期には、追いかけ合ったりしている。

ここまでは、一人でサルの群れを観察してても楽しめるのだけど、さらに楽しむにはスタッフさんと話をするといい。ベテランのスタッフは、すべての個体を遠めに見ただけで名前が分かる。何歳かも覚えてたりする。こちらから話しかければ、個体の名前、今起きた行動の意味なども教えてくれる。
スタッフさんは忙しいからあまり話しかけると迷惑だろうけど、数個体の名前を教えてもらうと楽しさ倍増。お奨めは大人の雄。名前を教えてもらったら、頑張ってその雄の外見の特徴を覚えよう。年齢を重ねた雄にはけっこう特徴があって、それなりに覚えられる。

順位1位は、シラユキ32歳。胴体が介せんではげているので、素人にも見つけやすい。顔つきもどこかで見たおっちゃんのような感じ。
順位2位は、クロ。右目が半目になってるので、顔を見たら見分けられる。
順位3位は、オプレス。いかつさではナンバー1だと思う。左目下にホクロがあるので分かるけど、いかついので近くから見るのはちょっと怖い。遠めに見よう。
順位は聞きそびれたクーパー。眼の下辺りで、顔の幅がやたら狭い。スタッフさんに催促してリンゴをもらってたけど、リンゴの皮を喰わん! 落花生もらってたけど、茶色い薄皮を喰わん! かなり贅沢な奴。

雌は見分ける特徴が少なくて、そして数が多くて難しい。スタッフさんに訊ね損なったので、自分で勝手に見分けてみた。毛がすっかり白くなってるばあちゃん。鼻の下の皮膚がつんと飛び出している鼻糞くん。胴体が短くて、腕の筋肉がごつい感じがする寸結りくん。寸詰まりくんが、とても可愛かった。
また、今度行ったら、探してみよう。


●2016年11月22日 来年のシンポジウムの企画方針

自然史フェスティバルが終わって、ホッとしているまもなく、明日のホネホネ団、週末の行事、サークルの会報、頼まれている原稿などなど、することが山積みなんだけど、なんとなく自然史フェスティバルを振り返ってみたりもする。
今回の自然史フェスティバルは、反省点も数多いけど(昨日とかの日記を参照)、総じてはおおむね成功といってもいいんじゃないだろうか。なんせ天気が微妙だった割には来場者数が多かったし、講堂プログラムへの入場者数は軒並み200人越え、観察会や講座への参加者も多かった(1つを除いて…)。中でも2日目午後のクモのシンポジウムの反応が良い。
200人越えの満員御礼なだけでなく、途中で抜け出す人がほとんどいなかったから、すごい反応がいいなぁ、と思ってたけど。SNSでの反応を見ても、評判はとても高い。淡路島の海浜植物な人が書いてたけど、

「興味がない訳ではなかったけど、入口が狭くて入れなかった世界だったと思います。今回のシンポジウムを聞きに行ったことが入口になりそう」

これ以上の褒め言葉はないと言っていいんじゃないだろうか。できれば、来年もそう言ってもらえるシンポジウムを企画してみたいもの。そして、今後の企画の際にも、常にこれを念頭に置いておけば、大きくは外さないんじゃないだろうか。できれば、身近なテーマだったらなおよし。

で、来年だけど、多くの人が気にはなっていて、でも、きっかけがない対象や分野って何だろう?


●2016年11月21日 大阪自然史フェス2017の反省

今回のフェスティバルは、2日日程になって歴代3位の来場者数(自然史フェス2014の23300人、自然史フェス2006の19300人に次ぐ19100人)。講堂でのプログラムは3つとも200人越え。天気が両日とも微妙だった割には好調。
が、主催者側のミスも目立つフェスにもなってしまった。新たな試みをいくつか始めたこともあるけど、初歩的ミスも多かった。反省点を覚えている内に、記録して、次回につなげたいところ。個人ブース関連は昨日書いたので、残る部分を記録しておく。

来場者でも気付いたかもしれないミスは、
まずは当日配布パンフレット。今年は実施しない昨年のプログラムが一つ載ってる! 今年は同時開始阿じゃない植物園のイベントの名前がある! 協力団体の名前が尻切れ蜻蛉! いずれも校正段階ではなかったミスなので、デザインから印刷の最終段階でのミスっぽい。
そして、最大のミスは、「大阪自然史フェスティバル」の“然”の字が間違っていて、左上が「タ」になっていた…。確認したら、2年前から間違ったまま。何回もの校正をくぐりぬけ、今回来場者に指摘されるまで、スタッフは誰一人気付いていなかった…。ちなみに指摘くださった方は、以前から気付いていたらしい。
A会場では、JBFの写真コンテストの入選写真の展示をしていたのだけど、それぞれが何賞を受賞したかの表示をすっかり忘れていた…。

出展者に迷惑をかけたミスは、
屋外に回した方がよかったブースを室内にしてしまったり、その逆だったり。ワークショップをすると言って下さっていたのに忘れていたり。背後は壁ではなく、ガラス面だと伝え忘れていたり。電源の準備が当日朝になってしまい、ブース設営に迷惑をかけたり。
いずれも、出展者のみなさんの大らかな心で乗り切った感じ。迷惑をかけたみなさん、申し訳ありませんでした。

ミスじゃないけど、改善ポイントとしては、
・背後には壁があるけど、横には壁はない!と宣言しておいて、どうしても必要なブースにだけ横壁を用意する方がよさそう。
・無駄に多くの机や椅子を用意しなくて済むように、貸し出し数の上限を決めた方がいい。どうしても必要と判断できる場合のみ、適宜追加。
・来場者を対面に座らせるブースでは、来場者向けの椅子は丸椅子の方がいい。これはセッティング中で判断して、主催者側で入れ替えていくのがよさそう。
・A会場の入口はどうしても狭くなるので、あまり広がらない団体のブースを選んだ方がよさそう。
という反省にたって、可能な範囲で、さっさと来年の出展者募集や出展者とのやり取りの文面などを作っておけば、いいんだろうなぁ。


●2016年11月19日 フェスティバル初日 個人ブースアレコレ

今回初めて、個人ブースをありにしたのだけど、出展者とのやり取りが団体向けがデフォルトになっていて、個人出展者とのやり取りにけっこう失敗していたことが判明。来年に向けて、反省して、それを覚えておかないと。
たとえば、背後に壁はないならないでいいけど、壁はありません!とはっきり伝えないといけないらしい。
ブースサイズ90×90cmと伝えると、こちらはそのサイズの机を用意するつもりなのだけど、いろんなイベントに出展している作家のみなさんは、90×90cmの床面積内に自分で机を持ってきてセッティングして、椅子もその中に収めないといけないと思うらしい。机はないと思って持ってきたのに、机があった〜。そして、思ったより広い〜。となったらしい。
個人ブースをセットした場所は、奥まった室内だった。ちょっと人通りが少なかったのは反省点。屋外に出せると、もっと人通りが増えるのだけど、そこは室内がいいとのこと。来年は、屋外から入ったすぐのエリアに個人ブースを並べて見ようかと検討中。
室内でちょっと薄暗くなってる点については、歓迎してくれる人と、もっと照明が欲しいという人に分かれた。これは希望を聞いた方がよさそう。

【追記】
今回、個人ブースが10あったのだけど、おおむね4ブースはお客さんも来てくれて
(とくに日曜日は)満足頂けた感じ。2ブースは盛り上げるために、付き合いで出展してくださった面が強いのでまあいいとして。問題は残る4ブース。ちょっとお客さんが少なかったかも。
と心配してたのだけど、2ブースは楽しかったと言って下さった。お客さんは少なくとも出展した意義はあったと思ってもらえてるよう。1ブースは現場では反応が読めなかったが、SNSを見る限りでは、客層を読み違えたという感想を持たれた感じ。残る1ブースは、もう来てもらえないかなぁ。


●2016年11月18日 自然史フェスティバル前夜

いよいよ明日と明後日は、大阪自然史フェスティバル2016。今日は、会場設営やらアルバイトの研修やらを中心にその準備で大忙し。のはずなのだけど、会場設営が本格的に動き出すのは、午後から。アルバイトのみなさんが来るのも午後から。なんか気ぜわしい割には、午前中はポッカリと時間がある。なんとかくスタッフと気になってる点を一通り打ち合わせたら、暇になった。とりあえず、フェスティバル後の行事や活動の準備をしておこう。

で、午後2時、なんにんかアルバイトも来たので、ポーチに壁の設営開始。少人数なので手間取るといえば手間取るけど、下準備してあったので、そこそこスムーズ。そして幸いなことに、追加の壁が借りられたので、古くて重い壁を出さなくてもよくなり、そして壁の数にも余裕ができた。とても有り難い。
ポーチとナウマンホールの壁立ては、午後4時には完了。引き続き、机運びに移るが、これは机担当に譲り、壁担当は暇になった。かと思ったけど、ケース類を出したり、細々と手配している内に時間は過ぎる。でも、まだ机は並び終わらない。
ここまではアルバイト数名と学芸員2名で動いていたが、午後5時頃から追加で学芸員4名が参戦。椅子とかを並べ始める。何だかんだで、壁、机、椅子が一通り並んだのが、午後8時。いつもより段取りが悪く、アルバイトが少なく、学芸員の参加も悪かったので、時間がかかった感じ。
それから、自分が関係しているブースの展示の準備。なんやかんやで、午後10時終了。

反省点は、出展者にはやはりブースのレイアウトを多少なりと考えてもらってから、必要な机と椅子などを判断してもらった方が良い。多少はみ出るのは構わないとしても、ブースサイズは、270cm×120cmとしてるんやで。演台が2台も入る訳がない、机が4台も使える訳がない、椅子が10脚もいるはずがない。レイアウトが書かせれば、少しは考えてくれる人も増えるだろう。
あと、上限を設定しよう。机は2台、椅子は6脚までとか。よほどの必要性がなければ、それ以上は認めないって感じ。もちろん演台2台なんてあり得ない。


●2016年11月17日 ゾウが踏んでも壊れないソーラーパネルを

原子力発電も火力発電も水力発電も、いろいろ問題を抱えている。っていうか環境への負荷が大きい。そういう意味では風力発電とか太陽光発電とかにもっと頑張ってもらう事自体には賛成なのだけど、大規模な風力発電やメガソーラーには、やはり環境への負荷がつきまとう。風力発電や水力発電は小規模分散型で対応したら、環境への負荷がとても軽減されると思うし、太陽光発電もまたすべての建物の屋根への設置を義務づけるとか、インセンティブを設定するとかすべきだと思う。まあ、メガな発電施設がなくなると、電力会社のうまみがなくなるので、それに支えられているマスコミも政治家も歓迎しない。って構造が見え隠れする。
で、太陽光発電に関しては、メガソーラーによって、草地や湿地が大規模に失われるコストがとても心配だけど、小規模であっても、農耕地や里山がどんどん太陽光パネルの設置場所にされていくのにも危機感を覚える。今日、ため池にソーラーパネルを浮かべる画像を目にした。ただでさえため池は減っていて危機的なのに、残されたため池までもがこんなことされたら、ため池で暮らす生き物は壊滅的。拡がらないで欲しい。
環境負荷のない場所に太陽光パネルを設置して欲しい。屋根や屋上が一番いい! あと、お勧めは駐車場とか。思うに、ゾウが踏んでも壊れない太陽光パネルを開発して、駐車場に敷き詰めればいいんだと思う。ゾウが踏んでも壊れないなら、道路もそれを敷き詰めればいい。アスファルトではなくソーラーパネルの道路。めっちゃいい感じ。滑りそうな気もするけど、雪国ではちょっと暖めて凍結防止もできそう。ぎゃくにいいかも。


●2016年11月16日 もっとブースを! そして机と壁を!!

今週末、大阪自然史フェスティバルがある。で、先日のA会場に続き、今日はB会場のブースを配置するところをバビるというお仕事。で、お仕事しながら思ったんだけど、ブースは、
まだ詰め込める。
A会場(ネイチャーホール)は、可動壁の形を変えれば、絵画展をしつつもあと4ブース。
B会場(ポーチ)は、雨のあたらない場所で、あと6ブース。
C会場(本館)は、1階のナウマンホールだけで、団体ブースをあと5ブース。

ただし、B会場とC会場は、壁をどうやって確保するかが問題となりそう。そこは、A会場のブースは横壁なし!って宣言すれば足りる。
となると、問題は机の数。今回も机を館内からかり集めて、お隣さんから借りて、ようやくなんとかなった。これをなんとかしないと、ブースは増やせない。プランは2つ。1ブースにつき机は2つまで!宣言をする。そして、それでも足りなければ、レンタル。

長机は3日レンタルで1台1000円ほどらしい。30台借りても3万円。融通できない金額ではない。一方、壁は3日レンタルで机の3倍ほどと高い上に、1ブースに3枚はいる。壁をレンタルでまかなうのは、あまり現実的ではない。それなら新たに中条壁とか石田壁を投入する方が現実的かもしれない。


●2016年11月13日 羽根しおり作り

年に一度の羽根しおり作りの日。いつもの年は、葉脈標本しおりも作ってるけど、今年はさりげにスルー。あまり羽根が持ち寄られなかったので、植物園を一周してさがしたけど、ヒヨドリの羽根をいっぱい拾った以外は、アオバトの体羽を数枚拾っただけ。しょぼい。
と思ったけど、昨年の売れ残りとか、一昨年の売れ残りとかまで見つかって、全然作らなくってもよかったんちゃう?って感じになって終了。
作った羽根しおりは少なかったのに、それに使ったテープは、2mほどの半端物に加え、狩ってきた4m2巻。それでも足らなかった。10m以上必要だったことになる。例年はいったい何m使ってるんだろう?


●2016年11月12日 日本産水鳥の主要グループの検索表

今日受けた卒論の質問は、目的はまるで鳥占いなので、そんなんで卒論になるのかなぁ。なのだけど、そのプロセスは事実上、水鳥の主要グループの検索表を作ること。それもややこしい解剖学的特徴ではなく、ぱっと見の形態と生態、行動などで。まあ、本人が理解して進めているかはさておき。
ターゲットとなる水鳥は、カイツブリ類、アビ類、ミズナギドリ類、ウ類、コウノトリ類、サギ類、ハクチョウ類、ガン類、カモ類、ツル類、クイナ類、チドリ類、シギ類、カモメ類、アジサシ類。ちょっと多いから多少減らしてもいいと思うけど。

いろんな特徴を提案したけど、ぱっと見で分かりやすい首の長さと脚の長さでまず分けるのがいいんじゃないかなぁ。
A:首長い、脚長い:コウノトリ類、サギ類、ツル類
B:首長い、脚短い:ウ類、ハクチョウ類、ガン類、(カモ類も?)
C:首短い、脚長い:チドリ類、クイナ類、(シギ類も?)
D:首短い、脚長い:カイツブリ類、アビ類、ミズナギドリ類、カモメ類、アジサシ類

その後の分岐は、
Aは、足指で3つに分けて良いかなぁ。
Bは、水かきでウ類を分けて、あとは難しいなぁ。もう大きさとか。
Cは、足指でクイナ類を分けて、嘴でチドリ類を分ける?
Dは、飛び方あるいはコロニーかどうかで前2つと後ろ3つを分けて。カイツブリ類とアビ類は尾の有無で分ける。後ろ3つは、飛び立ちと地上を歩くと得意かとかで分けてみるとか。


●2016年11月11日 阪南2区埋立地にある干潟の意義

ほんとかどうか知らないけれど、そんな埋立地の干潟に意味はないという人がいたらしい。これ自体は、たぶん曲解されて伝わってきていて、埋立地はどんどん沈下するので、そこに作った干潟は沈下を抑え、沈下したらそれに対する対応をしないと意味がないと言ったみたいではある。でも、曲解された話を聞いて、阪南2区の埋立地にある干潟が、大阪湾の生物多様性にどのような意味があるのか、少し考えた。

かつて大阪湾のとくに湾奥部には広い干潟が広がっていた。それがほぼすべて埋め立てられ、代わりに人工的な小さな干潟がつくられたり、埋立地に似たようなのができたのが、今の大阪湾の干潟事情。
そんな中、どんな形であれ、広さであれ、どこであれ。大阪湾に少しでも干潟っぽい環境ができるのは、かつて大阪湾に生息していた干潟の生き物の生息環境を少しでも取り戻す意味で重要。
阪南2区は、泉南の河口干潟と、湾奥の人工干潟や河口干潟の間に位置していて、周囲は本当に埋立地だらけ。すぐ北の大津川河口干潟と南の男里川河口干潟(いや直近は近木川河口干潟?)をつなぐという立地は、干潟の生き物を順繰りに供給する意味もあるように思う。できればこんなに奥まっていない方がいいかもしれないけど。
そして干潟とは少し関係ないけど、大阪湾で一番南の湾奥的環境でもある。スズガモの群れの大阪湾最南の渡来地。これは意味があるのかどうか知らんけど。

なんにせよ、阪南2区埋立地の干潟は、ないよりはあった方が良い。沈下してなくならないようにケアをよろしく。


●2016年11月10日 壁担当の仕事

来週末に迫ったフェスティバルに向けて、会場設営を始めている。今年は壁担当なので、壁を固定して、並べていく。っていうか、壁が足りるように並べ方を考えるのが主な仕事。
思うんだけど、背後には壁を用意するけど、横には原則壁はありません!と最初から宣言したらいいんじゃないかなぁ。それなら、少なくとも壁計画はとても楽になる。
残る難点は机計画。壁は3日間借りると1枚3000円からするらしいので借りるのは難しいけど、机は3日で1000円ほど。これなら20台借りても20000円。足りない分は充分レンタルでもいけそうな気がする。


●2016年11月9日 長電話

今日は、海の向こうで残念な出来事があったけど、身の回りでは目出度い出来事が2つ。そういえば、大阪府産の在来哺乳類も1種増えたそうだし。いろいろ目出度い。
中でも一番目出度い話は、夕方、電話でやってきた。話の長い奴で、1時間以上しゃべっていた。愛されキャラだからかどうか知らないけど、入試の時も、この後に及んでも、2つの選択肢を与えられ、どっちにするか悩めるという幸せ者。おそらく結婚の際も、どっちと結婚するか迷うという贅沢をするんだろう。
中学生の時に知り合って、妙に影響を与えてしまったらしく、親の期待に反して生き物関係の道に進み。大学になんとか合格したら、まあもう責任はないようなものなのだけど、それでもその後、ちゃんとやっていけるのかは気にはなる。それがパーマネントな仕事に就けそうというのだから、とても目出度い。今度こそ、もう責任はないはず。やっぱりご両親にはあまり会いたくないけど。
就職は1つのスタートに過ぎず、きっと大変な仕事だけど。まあ、例によって愛されキャラなので、軽く乗り切っていくんだろう。そして、同業者になるので、なにかと長電話は今後もかかってくるような予感。


●2016年11月8日 上町台地のタヌキ

11月に入って、上町台地から相次いで、タヌキの情報。1つは難波宮跡のすぐ南の学校。もう1つは生玉神社。前者はすぐ北に大阪城公園、後者は少し南に天王寺公園。これでなんとなく、天王寺公園から大阪城公園までつながった感じがする。
そもそも上町台地には、縦に公園やお寺が並び、崖の上には木も生えている。大阪市内でも一番連続して緑のある場所。それに沿って移動できるし、実際にタヌキは普通に行き来してるんじゃないかと思い始めた。


●2016年11月7日 クズのライバル

休みだったので、またテントウムシGOに出かけてしまった。今度は歩いてテントウムシGO。やはり河川沿いが線上にクズ群落が分布していることが多く狙いやすいので、JR阪和線から泉北高速鉄道まで石津川沿いを歩き、和田川沿いに戻ってくるというコース。石津川沿いには、めっちゃ普通にムネアカオオクロテントウが生息していることが分かった。

それはさておき、電車でテントウムシGOの時もそうだったけど、電車の中からや、遠目に喰うが生えてる!と思って喜んでいったら、クズじゃない…。という残念な展開が繰り返される。
一番気に入らない相手は、アレチウリ。クズかと思ったら、アレチウリ。何度も騙された。遠目にはかなり似ている。クズは複葉で、アレチウリは単葉なんて遠目には分からない。この季節なら、白っぽいヒョロッと立ち上がった花があるので、それに気付けば見分けられる。が、結局は近付くか遠目には双眼鏡で見分けるしかない。アレチウリは、河川沿いに多く、休耕田とかにもはびこっていることが多いので、郊外では要注意。
一方、市街地でクズに似て迷惑なのは、アサガオみたいなあれ。近頃あちこちにはびこっている大きめの紫の花をつけて、でもタネは付けない感じのあれ。市街地ではクズがはびこったら、きっとすぐに抜かれるんだろうけど、このアサガオモドキはきっとむしろ可愛がられてるんじゃないかと思う。でも、意外と河川敷に進出していることもあって、特定外来生物アレチウリと立派に張り合っている。
郊外だと、他にカナムグラやヤブガラシなどがクズの群落に混じってることがあるけど、この2種は、単独で広い面積を覆っていることはまずないって感じ。テントウムシGO的には全然迷惑じゃない。

アレチウリにアサガオもどき。どちらも外来生物で、それでいて色んな物を覆って目に見えて迷惑な感じ。当然駆除してしまえ!な感じなのだけど、同じようなことをしているクズは、在来種なんだけど、なんとなく勢いで一緒に駆除されているようで、あるいはアサガオモドキ以上に駆除されているようで、なんとなく腑に落ちない感じがなくはない。


●2016年11月6日 河川敷の若猿の群

今日は、中高生と一緒に、木津川の河川敷に石拾いに行った。お目当ては、コウチュウ石だのキンセイ石だのという、虫だか星だか石だか分からないもの。コウチュウのコウは紅だというから、赤いのかと思ったら、白いだけだし。と、けっこうマニア度が高い石拾い。一部の鉱物マニアさん達は楽しく石をさがしているけど、そうでもない一般ピープル(私を含む)はすぐに飽きて、水際の石の下の虫探しをはじめる。小さいゲンゴロウが見つかったり、テナガエビが見つかったりけっこう盛り上がる。ミズギワゴミムシもいて、それなりに楽しい。やがてそれにも厭きた奴らは、水面に向かって石を投げ始める。
昼食も食べたし、みんな厭きてきたからそろそろ帰ろうか。と思った頃に、石に小さなザクロ石が混じってることに気付いた鉱物マニアさんがいた。格好良く言えば、ガーネット。ガーネットと言えば、宝石、それがタダで拾える!という思考なんだろう。一般ピープルもガーネット探しを始めた。やがて、砂の中にツブツブの小さなガーネットが混じっていることに気付き、それを探し始める。礫だらけの河原の中の砂のたまった一画に、十数人が集まって、しゃがんで砂に混じる小さなガーネットを探している。遠目に見ると、ニホンザルの群れにコメとかのツブツブの餌をやった時に、チマチマと地面から拾って食べている姿にそっくり。
ガーネットが拾えるといっても、直径1mmにも満たない小さなもの。こんなにガーネットが好きなら、今度もっと大きなのを拾える場所に連れて行ったら喜ぶんだろうなぁ。と、若猿の群れを見ながら、親猿たちは相談した。


●2016年11月5日 カラーの鳥拓

テンのオレンジ色は、洗うと溶け出してくる。ので、洗う時はドキドキする。が、鳥でもそんなのがいるとは思わなかった。

今日は、ムジエボシドリを剥いた。頭緑で、胴体紫色、初列風切が赤くて綺麗な鳥。解凍した時、新聞紙にワインレッドの色が付いたので、初列風切の赤は水に溶けるんだ! と思いながら剥いて、洗うときは初列風切を水に浸けないように。と思って胴体と首を付けたら、水がワインレッドと緑色に染まった。慌てて取り出して、タオルを当てたら、タオルにも色がついた。カラーの鳥拓を取っているかのよう。あるいは鳥染めができそう。ワインレッドは紫色が溶け出した色だったんだな。と思ったけど、初列風切の赤も濃いところと薄い所のまだら。そして左右非対称。どうも薄いところは色が抜けたんじゃないかと…。水浴びできないし、雨の日は隠れてないといけないし、それでも換羽の直前には薄い色合いになってそう。

その後、コバタンも洗った。水に浸けたとたん水が黄色くなった。おまえもか…。


●2016年11月4日 鳥剥きマラソン2日目

なにわホネホネ団鳥剥きマラソン2日目。平日だというのに6人の集まっている。みんな仕事は大丈夫なんだろうか? と思いつつ、午前中は、ナベヅルを乾かして終わった。乾かし作業だけだとザッと1時間。足の裏が黄色いなぁ、とか。頭のてっぺんは羽根が短くてすぐ乾くなぁ、とか思ってるとすぐに出来上がった感じ。
午後は、ハクガンを剥いた。ハクガンって信じられないくらい白い。とても綺麗。そしてとても可愛い。となりのサカツラガンと比べてだけど。サカツラガンの嘴は異様に長くて、サイドがギザギザしていて、とてもいかつい感じ。同じ属にするのは間違ってる気がする。
というわけで、なにわホネホネ団鳥剥きマラソン。2日目を終わって、完成したのは、コクチョウ1羽、ガン1羽、ツル2羽、フラミンゴ1羽、ハゲコウ1羽。手を付けていないのは残ってなくて、浸け置き洗いにされているのがハクガンとフラミンゴの2羽、脂肪除去作業中なのが、フンボルトペンギン、サカツラガン2羽、ハクガンの4羽。脂肪の少ないのが一通り完成して、多いのが残ってる感じ。全部脂肪が多かったら、とても全部終わらなかったなぁ。
明日最終日にすることがなくなる人が出そうなので、小さい動物園物を3羽追加した。紫と黄色と緑。なかなか綺麗。


●2016年11月3日 鳥剥きマラソン初日

動物園から受け取った鳥が冷凍室に大量にあることが発見されたのは。というか、自分で入れたんだから、思い出したのは、冷凍室が壊れて大引越作戦を実行したから。動物園からの鳥は大物が多く、大抵水鳥で、そして脂肪まみれで脂肪除去に時間がかかる上に、血まみれで洗う必要まである。かなり面倒なので、冷凍室奥深くにしまいこんで、忘れていたんだな。
しかし、動物園からの鳥の大物たちが占める場所は馬鹿にならないから、重い腰を上げて、処理することに。一人では大変なので、みんなを巻き込もう。きっと一日で処理仕切れないだろうから、3日連続で設定しよう。
という訳で、今日から3日間、なにわホネホネ団で鳥剥きマラソンを決行することになった。

初日は、12羽準備した鳥の内、11羽に手を付け、剥き終わったのが9羽、洗いまで終わって完成したのが2羽。思ったより、みんな時間がかかってる。が、まあ、予想の範囲内。でも、残る2日ではやして終わるだろうか?


●2016年11月2日 クズにいる虫

なんと3日連続の休みをすべて費やして、3日連続で電車でテントウムシGOをしてしまった。3日目の今日は、JR阪和線でGO。三国ヶ丘駅から和泉鳥取駅まで11駅で乗降して、8ヶ所のクズをチェックしたがターゲットは見つからず。探してまったく見つからなかったのは、初めて。まだ阪和線沿線には拡ってないのかも。
JR阪和線沿いは、けっこう市街地化が進行していて、堺市から泉南市辺りまで駅の周辺でクズ群落を見つけること自体が見つからなかった。三国ヶ丘駅から津久野駅まで、久米田駅まら下松駅まで歩いたけど、まるでチェックするクズが見つからずなんてことまであったりして。当てもなく歩いても全然見つからないので、そして農耕地周りや古墳や公園でも見つからないので、電車の中から当たりを付ける方針に変えて、ようやくチェック自体ができた感じ。
で、せっかくクズを見つけてもさっぱり見つからず。まだJR阪和線沿線には拡がっていないのかもしれない。

というのはさておき、新参の外来テントウムシを探して、クズをいーっぱい見てまわっているので、ターゲット以外の虫にも目が行く。いくつか気になる傾向がある。
ほぼ必ずいるのは、マルカメムシ。ただ、地面を這っているクズには、マルカメムシがあまりいない感じ。そして、マルカメムシはつるに引っ付いていることが多い。
エリアによっては、マルカメムシの次に多く見られるのがムネアカオオクロテントウな気がする。ってゆうか、ムネアカオオクロテントウは、他にマルカメムシくらいしかいないクズ群落によくいる。生物多様性の高いクズ群落(昆虫相としても、つる植物相としても)ではあまり見つからない。
テントウムシでは、ちょくちょくダンダラテントウが見られる。まれにヒメカメノコテントウやナミテントウもいる。1回だけチビタマムシも見つけた。このあたりはムネアカオオクロテントウと共存できるらしい。
クズにいるといえば、オジロアシナガゾウムシをすぐに思い浮かべるけど、意外と限られた場所にしかいない。そして、まだ一度もムネアカオオクロテントウと一緒に見つけたことがない。
他には、ヘリカメムシの仲間、もう少し幅広のカメムシ、ヒメバチっぽいハチなんかをよく見かける。これは今のところムネアカオオクロテントウと共存してたことがない。
あと、ウスカワマイマイがちょくちょくくっついている。湿った感じの、地面に近いクズ群落に多いイメージ。ここにもムネアカオオクロテントウは出ない。

総合して考えると、ムネアカオオクロテントウは、種間競争か何かに弱いんじゃないかと思う。そして、マルカメムシはいるけど、他にはあまり何もいないクズだけに侵入出来てるとか。


●2016年11月1日 電車でムネアカオオクロテントウGO

ムネアカオオクロテントウ探しにはまったので、昨日3回目の探索に出かけた。今度は鳥の調査のついでではなく、ムネアカオオクロテントウ探しが主な目的(ついでにカラスの枝落としやアカハネオンブバッタも探すけど)。とりあえず、駅で降りては、クズを探して歩き、見つけたらテントウムシチェック。見つからないと延々と歩く。の繰り返し。なんか納得したら、駅に戻って次の駅への繰り返し。名付けて電車でムネアカオオクロテントウGO。
昨日は、泉北高速鉄道でテントウムシGO。泉ヶ丘駅、光明池駅、和泉中央駅で探して、2駅で見つけた。2勝1敗と、なかなか効率ええやん。
と調子に乗って、今日は4回目の調査。南海高野線でテントウムシGO。萩原天神駅、狭山駅、滝谷駅、千代田駅、河内長野駅、三日市駅、美加の台駅で、降りて、チェックして、駅に戻るを繰り返した感じ。結果は、3勝4敗と負け越した。河内長野駅以南の3駅では見つけられなかったので、まだそこまで分布が拡大していないと考えていいのかもしれない。

この調査、テントウムシが見つかるとすぐに終わるのだけど、見つからないと駅の周辺を時には近鉄沿線までウロウロするので時間がかかる。一駅にかかる時間は、瞬殺で終わった狭山駅が14分なのに対して、延々と探して回った三日市駅は約1時間。ちゃっちゃと見つかれば天見駅まで行くつもりだったのになぁ。
電車でテントウGOは、駅でおりる前に、地図であるいは電車の中から、クズの生えている場所に目星を付けられるかが、けっこう重要。街中には意外とクズが生えていない。河川沿いやため池周り、田んぼ、線路沿いなどが狙い目だけど、思わぬ車道沿いにいっぱい生えている時もある。そして、以外と車道沿いのクズ群落に、ムネアカくんはよくいる気がする。


●2016年10月31日 2016年10月のまとめ いよいよフェス準備

なにがあったか知らないが、あっという間に終わった。とりあえず、前半は博物館実習に忙しく、後半は科研費に忙しかった印象。末日に科研費の申請書を提出した。
そういえば月初めに冷凍室がなおって、冷凍車から中身を戻した。最後はフェスモード。そんな1ヶ月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。カラスの枝落とし調査は微妙に継続中。遅ればせながら、この冬の鳥のセンサスと木の実チェックをスタートさせた。
月末になってムネアカオオクロテントウ探しにはまり始めた。

普及行事は、ジュニア自然史クラブと植物園案内、大人のホネ実習、鳥の調査の勉強会。そして友の会秋祭り。秋祭りは、当日少し関わっただけだけど。
11月の大阪自然史フェスティバルに向けて、アルバイトを集約。壁担当として、壁の配置計画をとりあえず完成。

冷凍室が直り事件は一段落したが、その時に発見された大物を処理すべく、哺乳類の大物を中心に処理。

とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史関係2冊とSF2冊。と少ないが、原稿は書いてない。講演は中学生向けに1本。頼まれていた査読1本を完成させた。
健康面では、大きな支障は出なかったけど、健康診断の結果を気にして、ゆるく糖質を減らし中。


●2016年10月29日 カピバラは巨大なヌートリアではない。

カピバラを剥いた。というのはウソで、剥くのには参加できなかった。でも、剥いてるのを見た。剥く前も見た。カピバラって、巨大なネズミ。顔つきからして、ヌートリアを大きくしたようなものだと思っていたのだけど、全然違う動物だった。
まず足が変。前も後ろも5本指で、指は長め、水かきが突いてるヌートリアに対して。カピバラは、前足が4本指、後ろ足が3本指。爪がネズミっぽくなくて、むしろ蹄みたいになっている。足だけ見せられたら奇蹄類だと思いそう。
ヌートリアと違って、門歯がオレンジいろじゃない。ヌートリアと違って、鼻が閉じている。ヌートリアと違って、尻尾がほとんどない。ヌートリアと違って、上の臼歯が外向きに、下の臼歯が内向きに傾いてる。鎖骨は痕跡的なのが肉の中に浮いてるだけ。ヌートリアはどうだったっけ?
こうしてみると、ヌートリアと似ているのは顔だけ。水の中が大好きな南米の巨大ネズミっていうのは同じなのに、不思議。こうなってくると、顔が似ているのは、この部分だけ収斂ってやつかもしれない。


●2016年10月28日 読書サークル 第88回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今日の課題本は8冊。さらに前回以前からの宿題となっていた本2冊というわけで、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「カッコウの托卵」
(紹介文3つ、平均★数は4.0)
 全員絶賛。カッコウ研究の最前線がわかるだけでなく、イギリスでのカッコウ研究の歴史や文学における扱い方とか、幅広くカッコウが紹介されている。「フィンチの嘴」と同じくクラシックになるとの意見も。

●「クマゼミから温暖化を考える」
(紹介文6つ、平均★数は3.0)
 全員が★3つ。悪く言う人はいないけど、絶賛する人もいない。面白かったけど。あと一致した意見は、著者は真面目な人なんだなぁ、であった。

●「海生物テヅルモヅルの謎を追え!」
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
 フィールドの生物学シリーズらしい1冊だけど、このパターンは少し厭きられてきたか? 結局、テヅルモヅルが何なのか、よく分からなかったとの感想には驚いた。

●「ちっちゃな科学」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 読んだ人は全員かこさとしさんのファンらしく、もう一人の著者に不満があるらしい。端的に言えば、かこさとしさんだけの本でよかった。かこさとしさんの他の本の方がお勧め、ってことらしい。

●「なぜ蚊は人を襲うのか」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 みんな小ネタを楽しみながら読んだ様子。評価の低い人は、全体としてのストーリーの不在が不満だったとのこと。

●「ブッポウソウは忘れない」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
 鳥の研究室を舞台にして、鳥の生態・行動のネタを混ぜこんだ青春恋愛ミステリー。ミステリとして読むと、評価は低めになるんじゃないかと。

●「そもそも島に進化あり」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 ふざけまくっているようで、著者はかなり真面目。っていう点で、読んだ人の意見は一致した。島の生態学の本として、高く評価されたが、無駄なおふざけで減点。

●「うんちみたいなむしがいた」
(紹介文1つ、平均★数は3.0)
 ★3つの割には、紹介者はとてもけなしていた。同じパターンを3階繰り返してからの解説。という定石通りの構成がつまらないというのだけど、子ども向けにはそれのどこか悪いのか、今一つ分からない。

●「地形探検図鑑」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 小学生向けなのか総ルビなのに、一方で中身は妙に難しい。いったい誰に向けた本なのか?との指摘あり。

●「大地の5億年」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 土の普及書は少ないので、評価は高めになっているが、著者は自分の専門外の部分について、いい加減な記述をしてる部分があるんじゃないかとの指摘があった。


●2016年10月27日 大和川下流部でクズをチェック

3日前、ため池巡りのついでに堺市北東部でクズをチェックしたら、次から次への話題のムネアカオオクロテントウが見つかって、一気にムネアカオオクロテントウ探しに目覚めてしまった(この名前長すぎてノートに書くのが面倒なのが難点)。で、今日は大和川沿いを自転車で走って水鳥調査。なのでついでにクズをチェックして回った。
大阪市域に当たる大和川右岸沿いのクズをすべてチェック。とまでは行かないけど、まとまったクズ群落があれば一通りチェックしてみた。マルカメムシはたいていいるけど、あのテントウムシは見つからない。意外と手ごわい。堺市北東部ではあんなに簡単に見つかったので、探し方が根本的に間違ってる訳ではないと思う。もちろん見逃しているのはあるだろうけど(すでに確認されている行基大橋周辺でも見つけられなかったし…)、密度がとても低いか、多くの場所ではいないと結論してもいいと思う。

大和川下流部は毎月自転車で走るので、毎回、チェックしていつからムネアカくんが入り込んでくるかをモニターすると面白そう。ただ、一つ懸念は、そもそも大和川沿いのクズにはムネアカオオクロは入らないんじゃないかという疑いが…。
というのも、3日前、堺市北東部であのテントウムシを見つけた場所は、
・金網などに絡んで立ち上がってる場所で、地面を這っていない。
・アレチウリやヤブガラシやカナムグラといった他のつる植物は混じっていない。
という一貫した傾向があった。
大和川沿いのクズはたいてい地面を這ってるし(柵や金網に巻き付いて立ち上がってるのはごく一部)、他のつる植物もよく混じってる。
大和川沿いで、ムネアカオオクロテントウのモニタリングするなら、いそうなクズ群来に目星を付けておく必要があるかも。


●2016年10月25日 鳥のミイラの標本の作り方

鳥のミイラを処理する時は、羽根を引っこ抜いて羽根は羽根で保存。で、残りは骨にするのが普通。でも、どうしても仮剥製っぽい形で残したい時がある。
鹿児島県から届いたミイラは、トウゾクカモメ類だった。かなり貴重な記録のはず。幸い翼や尾羽は残ってる。胴体はほとんど骨になってるけど。羽根を引っこ抜いたら、証拠標本にならない。ここは何とかして仮剥製、にはできなくても、翼と尻尾などがわかる開きででも残したい。ということで苦労することになった。

とりあえず一晩、水に浸けた。これで軟化完了。ミイラがったのが剥けそうな感じになった。
胸から腹はぐちゃぐちゃで羽根もなく、皮もつながっていない。でも、背中から腰、そして首は羽根も皮も残ってる。そして何より翼と尾の周辺、頭という肝心な場所は残せそう。
ということで、無事?に羽根付きの皮の開きが完成。そういえばかつてのマダラシロハラミズナギドリの仮剥製と称したものもこんな感じになった。腐ってないからまだましって感じ。

で、開きの皮ができてから、種の同定。測定値はクロトウゾクカモメとシロハラトウゾクカモメの間くらいのサイズ。初列風切の羽軸は全部白く、嘴長めかなぁ、ということで暫定的にクロトウゾクカモメ幼鳥とした。上嘴の付け根に白斑があるのは特徴なのかな?だとしたら、この特徴もクロトウゾクカモメを支持する。
野外で見たら同定できる自信がない…。


●2016年10月24日 ムネアカオオクロテントウの探し方

今日は自転車でため池巡り。ついでに、堺市北東部の6ヶ所のクズをチェックした。内4ヶ所でムネアカオオクロテントウを確認。すでにかなり広く定着してる感じ。
で、なんとなく見つけ方が分かってきたと思う。
・当たり前だが、マルカメムシのいるクズに付いてる。
・それもマルカメムシの多い辺りに、よくいる気がする。
・日陰ではなく、陽向のクズに付いてる気もする。
・でも、陽の当たってる場所ではなく、茂みの中にいる感じ。
・でも、付いてるのは、葉の裏ではなく、葉の表。蔓にはついていない。

なんて事を考えなくても、黒と赤の目立つカラーリングで、けっこうデカい虫なので、割と簡単に見つかる。でも、密度はあまり高くない。
探す場所がはっきりしていて、ちょっと探せば見つかって、それでいてどこにでもいる訳ではなく、現在分布拡大中で、分布域の把握とその変化に注目。とっても楽しい要素がそろっている。昔のブタクサハムシ以来、久々にムネアカオオクロテントウ探しにはまりそう。


●2016年10月23日 ブースの配置を考える

1ヶ月弱に迫ったイベントのブース配置を決めた。
・担当者がかぶるので隣同士にして欲しいという要望がけっこうある。
・屋外希望の団体もあれば、室内がいいという団体もある。
その他にも言われなくても配慮しなくちゃならないポイントがいくつかある。いろんな条件を組み合わせるパズルみたいなもので、かなりの熟練度を要する。気がする。たとえば、
・言われなくても仲の悪い団体を遠ざける
・ブースで面白い企画をしてくれるかを見極める
・企画のためにブースからはみ出しそうな団体を判断する
・電気やケースを使うかどうかを判断する
・ウォールケース使いたいだろう団体を見極める
などなど。それは申込み用紙を読んだだけでは分からない。今までの出展の様子を思い起こし、日頃のつきあいの中から判断する。
そして、配置の目標は、
・文句がまったく出ないとなならないが、出来るだけ少なくする
・なんとなくコーナーごとにテーマ分けして、来場者に分かりやすくする
などとなる。
なかなかの難題。今回はうまくいったかなぁ。

【追記】
屋外のブースはイヤだ! というクレーム到来。仕方がないので、急遽他のブースと入れ替えて室内へ。代わりに屋外になった団体さんは、むしろ喜んでくれたので結果オーライ。


●2016年10月22日 キツツキの舌の出し入れ

今日は、アオゲラの皮を剥いた。キツツキの皮剥きは初めてじゃないけど、珍しいので、毎回盛り上がる。もちろん盛り上がり一番のポイントは、長く伸びる舌。
鳥の舌の付け根には、舌骨があって、ご存じの通り、鳥の舌骨は二股に分かれて頸椎をはさんで左右に伸びている。普通の鳥の舌骨は後頭部辺りまでしか伸びていないのだけど、舌が長く伸びるキツツキの舌骨は長く、後頭部から左右が一つになって頭頂部に届き、さらに前に向かって嘴の付け根、というか鼻孔にまで達する。で、嘴を伸ばす時、舌骨がスライドして出て行って舌を支えるという仕組み。
アオゲラの舌を引っ張り出すと、嘴の先にさらに45mmも出てくる。出したり引っ込めたりしてると、とても楽しい。舌の出入りに合わせて、舌骨がスライドする辺りの頭の羽根が動く。野外でもそのつもりで観察したら、舌を出し入れしているのが分かるんじゃないだろうか?
剥いてみると、舌骨の弧の間に見慣れない筋肉がある。けど舌を動かしてみても、出し入れには関係してないような感じ。じゃあ、なんのための筋肉? 長い舌と舌骨を支える? あおして、そもそもどうやって舌を動かしてるのかな? 舌骨は筋肉っぽい筒に包まれているので、これを使ってるの?

そして、舌が短い鳥でも、後頭部辺りをじっと見てたら、舌の出し入れが分かるんじゃないかなぁ、と思った。


●2016年10月21日 大阪市内の保全すべき自然

大都市なので、全体に開発されきってる。けど、それはそれなりに保全すべき自然はありそう。というわけで、遅まきながら大阪市も生物多様性の地域戦略を策定する動きがあるらしい。で、なんとなく大阪市内のどんな自然を保全すべきかを考えた。
もちろん希少な生物が生息する自然は保全してもらわないといけない。大阪市内で筆頭は、淀川。人がつくった環境ながら、大阪市の場合は、鳥を中心に埋立地に希少な生物が生息している。南港野鳥園や夢洲は当然ながら保全対象だろう。
日本全体や大阪府ではさほど希少でなくても、大都市大阪市では希少な環境は数多い。当然ながら、大阪市内では希少な生物が生息している。たとえば、いまやいくつかの公園にしか残されていない池とか、すでに絶滅危惧環境となった田んぼとか。大阪府全体レベルの目立った希少種はいないけど、大和川とか。
そして、現時点では全然たいした環境ではないけど、今後の環境再生を含めて保全を考えていくべき環境として、都市公園や都市河川があげられそう。
大阪市内の環境ではないけれど、大阪市内の人たちの消費行動の影響を受ける他府県や他国の自然も、ある意味、大阪市民にとっての保全すべき自然ではないかとの議論もあった。

などという会話をしていて、気になったのだけど、大阪市内の生物多様性を守っていこう。あまつさえ環境を再生して多様性を高めよう。ってことは、人と生き物が接する機会を増やすことに他ならない。
理念的には賛成してくれる人も多いだろうけど、実際にさまざまな生き物と接した時、多くの人は不快なんじゃないかと心配。生物多様性の保全は、すなわちトラブルを増やす事にほかならない、住民の幸せを減少することにつながる、なんてことになっては、とても残念。
大都市での生物多様性の保全は、同時進行で、人と自然の付き合い方の提案・教育が欠かせない。


●2016年10月20日 大阪のサシバの分布の不思議

少なくともこの15年くらいの間に関して言えば、大阪府のサシバの繁殖分布は、北部の能勢町から茨木市と、南部の河南町から泉南市辺りと、南北に2分される。阪南市や岬町、太子町とかにはいないのかなぁ、ってことはさておき。高槻市や枚方市もかつてはサシバが繁殖していたのだけど、その記録は1990年代までらしい。
不思議で仕方がないのは、どうして高槻市のサシバがいなくなってしまったのか。高槻市最北部は、けっこう良い感じの里山環境が残ってる。充分サシバは繁殖できそうに思う。なのにいない。いやいないことないでしょう。と、高槻関係者に何度も確認したけどいないって。とっても不思議。
田んぼ周辺の開けた環境で採食するサシバにとって、シカ柵の影響が大きいのではないかという指摘がある。確かにあるかも。そして例えば茨木市でのサシバの減少のタイミングと、シカ柵が設置されたタイミングが妙に合ってる気がするのも、シカ柵の影響説を補強する気がする。
が、しかし。大阪府南部や能勢町では水田に関わりなく採食して暮らしているサシバもいるという。それができるならシカ柵の影響はあるにしても、決定的ではないはず。なぜ高槻市のサシバは山で生き延びなかったの? シカ柵だけではなく、シカによる林周辺の改変がサシバの採食対象や採食環境を減らしているなら、分からなくはない。
鳥類相がシカの増加の影響をどう受けているかは、昆虫や両生爬虫類を含めて、もっと真面目に評価しないといけない気がする。


●2016年10月19日 イラガが溶ける

毎年、秋スタートの植物園の果実チェック。9月にはスタート出来ずに、10月13日にようやくスタート。つつじ山のところのエノキもチェック対象なのだけど、その低い枝の一画の葉っぱがけっこう喰われてるなぁ、と思って近付いたら明らかにイラガ類の幼虫があっちにもこっちにも付いてる。これは危険だぁ。という訳で、以降、植物園をウロウロするたびに気になってイラガチェックをしていた。
最初に見つけた時にも、なんかこのイラガ類の幼虫には緑色っぽいのがいれば、黒っぽいのもいるよなぁ。と思っていた。翌日見に行った時に、黒くて溶けたようなものがあるのに気付いた。さらに翌日見ると、なんか黒く溶けてる幼虫が増えてるような。
そして、今日。チェックすると、もう生きた痛そうな幼虫はいない。全部溶けてしまったらしい。その溶けた黒いのもいくつか残ってるだけ。みんなどうしてしまったんだろう? 捕食者や捕食寄生者にやられたというよりは、菌類や細菌、ウイルスにやられた雰囲気。イラガ類を溶かすウイルスなら、生物駆除剤として利用されそうな…。


●2016年10月18日 オオタカが食べていたもの

大阪府内の某所、というか北河内方面のオオタカの巣の周辺で拾った物を見せて頂いた。
すごいデッカイ鳥のホネがある!と思ったら、オオタカのヒナが1羽死んで落ちたらしい。けっきょくホネと羽根の大部分はそれ。あとはハトの骨とムクドリ頭骨。ドバトとムクドリの羽根。市街地に隣接する林の巣なので、市街地で狩りをしてたんだろうな、って感じの構成。

そういえば、今までに何度かオオタカの巣で拾ったホネとかを見せられたっけ。と過去に見せてもらったのをSNSで探してみた。

2012年9月25日
大阪の某公園で繁殖したオオタカ。巣の中に残っていたというホネを見せてもらった。カラスとハトが半々位。バラバラなので判りにくいが、6羽分ずつくらいだろうか。どちらも種までの同定は面倒なのでパスしてっと。一つだけゴイサギが混じっていた。ハヤブサと違って、大物に偏る感じ。

吹田市の某公園での話。これ以外に京都府南部のどっかのオオタカの巣の下で拾われたのを見せられて、カラスだらけだったことがあったと思うのだけど、見つけられなかった。こうした情報が小まめに発表されると、オオタカの生活の一端が見えてきていいんじゃないかな。と思うんだけど、見せてもらって同定して、その後はちゃんと公表されてるのかな?


●2016年10月15日 エンジュタネオナガコバチ? 残念

今日、長居植物園で鳥を見ながらウロウロしていたら、ふとエンジュの実に孔が開いてるのに気付いた。シャクヤク園の端っこのエンジュ。低めの枝の一画に孔の開いた実がいっぱい。中のタネを出してみると、タネの中が喰われていて、タネにも脱出孔が開いている。
タネの中で育つ虫といえば、植物園内ではモチノキやイスノキにもいる。いずれもオナガコバチ。エンジュに入ってるのもオナガコバチ? だとしたら、脱出孔からすると随分と大きなコバチってことになりそう。どんなハチが出てくるかな? と楽しみに実に孔がいっぱい開いてる枝のまだ孔のない実をいくつか採取してきた。
ついでに竹林南側とか博物館北東角とかのエンジュの木も見たけど、実に孔は開いていない。そして、昨年以前にこんな孔を見た記憶もない。ってことは、今年入ってきた新しい昆虫? もしかして新しい外来昆虫?
どんどん盛り上がってきた〜。

で、研究室に帰ってきて、採ってきたエンジュを密閉容器に入れて。で、念のためハチ屋に正体を訊ねてみた。もちろん、知らないという答えを期待して。が、速攻で答えが返ってきた。エンジュマメゾウムシというらしい。ネットで調べるといっぱい引っかかった。でかいハチでなかったとは少し残念。
で、外来昆虫? と訊ねたら、在来昆虫でしょうとの答え。これで外来生物なら、いまやってる外来生物調査プロジェクトの調査対象に!と思ったのに残念。エンジュの実のでかい孔はとても目立つから、市民参加で探すのにちょうどいいのになぁ。

でも、エンジュって中国原産の植物で、それのみを食べているんだとしたら、エンジュマメゾウムシも外来生物ではないんだろうか? なんか不満。日本在来で別のものを食べていたけど、エンジュが入ってきたので、エンジュ専食にシフトして今日に至る。とかあり得るの?
勝手に外来昆虫認定して、勝手に分布調査してみようかな。


●2016年10月14日 昔のケリの分布と生息環境

ケリの報告を書いてる方に文献を教えて欲しいと頼まれて、調べたら面白かったので記録しておこう。

> 古い文献では東北地方でおもに繁殖しており,当時の
> 最南の繁殖地は栃木県であった.

この一文の出所はなんだろう?と問われたわけ。たぶん以前やり取りした中で、こちらから書いたんだと思う。その出所は、

財団法人日本野鳥の会(1980)第2回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書(鳥類)全国版 鳥類繁殖地図調査1978.財団法人日本野鳥の会,東京.560pp.

そのまま抜き出すと、
「古い文献によれば、主に東北地方で繁殖するということで、我国最南の繁殖地として栃木県が知られていたが、その後1956年に近畿地方でも繁殖が確認され、それから後は次々と繁殖が確認されて今日に至っている。」
とある。

今回、そのさらに元の“古い文献”を探したら、たぶん見つかった。

清棲幸保(1952)日本鳥類大図鑑 第II巻.講談社,東京.785pp.

この776ページのケリの項にこうある。
「主として東北地方で繁殖し、秋田県仙北郡花館村付近の玉川の河原や雄物川流域の高野、強首野の原野等は著名な繁殖地である。本邦最南の繁殖地としては栃木県那須郡金丸原の原野が知られている。」

分布のみならず、当時は田んぼの鳥ではなく、原野の鳥だったのが意外。

ちなみに財団法人日本野鳥の会(1980)によると

「その後1956年に近畿地方でも繁殖が確認され、それから後は次々と繁殖が確認されて今日にいたっている。」

つまり1950年代に、西に分布を拡大すると同時に、水田という繁殖環境を発見したということかな。


●2016年10月13日 市民参加な調査の変遷

なんとなく生物系の学芸員が市民参加型調査にどの程度関わっているかを調べている。って訳ではないのだけど、とある申請書を書くために関連業績の一覧を請求することになって、ここ10年くらいの市民調査型調査との関わり(業績に反映されてるのだけだけど)をリストアップしている。
なんというか、2000年代に入った頃から、市民参加型調査のプロジェクトを、ほとんど途切れなくやってるけど、初期は盛り上がりまくっていた割には、近頃はさほど盛り上がらなくなってる気がする。飽きてきたのか疲れたのか、それとも安定期に入ったのか。
それが関係しているのか、2000年代にはどの学芸員もけっこう市民参加型調査の業績を持ってるけど、2010年代に入るとその数が減ってしまう。なんとなく自分の中でも、かつての盛り上がりがなくなってる感がある。
一方で、市民参加型調査は普及教育の一環として、意味はかなりあると思う。だとしたら、今後も展開した方がいいだろう。となると、どうしたら盛り上がるか真面目に考えた方がいいように思う。

学芸員と参加者双方に新鮮味がなくなっているなら、どのように対策したらいいのかな?


●2016年10月12日 ヤスデの毒で死んだりする?

ヤスデは青酸系の毒を出す。だから捕まえていじって嗅ぐと、モモを思わせる甘いアーモンド臭。この匂いけっこう好き。観察会で見つけたら、ちょっといじめて、観察舎にもかがせてみる。毒ではあるけど、少量なので害はない。甘くていい匂い。
少量なら問題なくても、大量だと毒のはず。だとしたら、キシャヤスデとかが大発生したときに、その上でゴロゴロしたら体に悪いのかな? 小動物なら死ぬのかな? っていうのがちょっと気になる。
あと、外国産のでっかいヤスデなら、大量の青酸毒を出して、それで殺人とか。…。無理かな?


●2016年10月11日 4年目の供養

先月、職場の冷凍室が壊れ、中身を片付けるのに追われた。冷凍車に避難させ、冷凍室がなおったら、今度は冷凍室に整理しながら戻す。すっかり片付けモードになってしまい、勢いで、家の冷凍庫を片付け始めてしまった。
たくさん発掘されたのは、4年前、冷蔵庫を引き取る時に、一緒に引き取った小さなタッパーに小分けされた食べ物。4年以上冷凍されていた物が食べられるか心配だったけど、試してみると大丈夫そう。で、せっかくなので、それを順に食べていってる。

何が入ってるのかは解凍してみないと分からないので、ある意味不安で、ある意味楽しい。出てきた物は、そのまま食べられるとは限らず、いかにアレンジして美味しく頂くかというのも重要。凍った状態で中身の様子を見ると、同じのが入ってるタッパーもいくつかあって、それは同じアレンジで食べられる。が、同じと思って解凍したら違ってたり、なかなか手強い。
レシピを記録しておこう。

・カボチャが入ってるのは確実。ご飯粒とみじん切りのなんか野菜も入ってるような。で、全体的にはピューレ状のもの。
 →味がほとんど付いていない。最初はそのまま食べて美味しくなかった。コクと塩気を足せば美味しそう。ということで、バターを混ぜて牛乳で伸ばしてみた。ポタージュみたいなのになる。とても旨い。

・トマトとニンニクベースで、パプリカやナス、豆が入っている。パプリカ味が全体の味を引き締めてる感じ。そしてそこそこ塩味が付いている。
 →刻んだ鶏肉を入れて、トマトジュースでのばして暖めると、とても美味しかった。辛くないチリのような感じ。

・最初はサツマイモ?と思ったけど、クリのピューレ。砂糖を足しているのか、とても甘い。
 →牛乳でのばしてみた。とても美味しいデザートの出来上がり。

・タマネギか何かをみじん切りにして炒めた感じのもの。味見しても美味しくない。味は付けてないらしい。
 →豚肉、ナス、マイタケと一緒に炒めた。味付けは塩胡椒。うまい。

・なんか白いもの。解けかけでなめても、あまり味がない。凍らせた牛乳ではないにせよ、乳製品っぽい。
 →で、鶏肉とネギとキノコをポトフ的にたいたのに入れてみた。ついでに牛乳も足した。美味しかった。やっぱり牛乳だったのかな?

タッパーに入ったもの以外にも、冷凍ちりめんじゃことか、冷凍鶏肉とか、冷凍剥きエビとか、随分食べた。冷凍室が整理されて、これからは普通に使えそう。とても有り難い。
冷蔵庫とタッパーをくれた奴は、食べ物を粗末にすることをとても嫌う奴だった。捨てずにちゃんと食べられてよかった。墓をたてるより、よほど供養になったはず。


●2016年10月10日 初めてのタカ渡り観察サイト

今日は岬町にタカ渡りを見に行った。タカの渡りが見られるかどうか分からないので、かなりドキドキ。そんな場所にタカの渡りを見に行こうと思い立ったのは、7月のこと。ソウシチョウ調査で岬町の山を彷徨っていたら、とある尾根筋に地図には見あたらない展望台があるのを発見。地図で見ると、よくタカの渡りを見に行く人がいる四国山の展望台のちょうど東に当たる。ってことは、当然タカの渡りが見れるはず。
ってことで、今日サークルの行事として行くことになった。ただ不安材料がいっぱい。

まず登り口が分かるか自信がない。7月はぜんぜん別ルートから彷徨った末に尾根筋に登っている。が、今日は駅からすぐに登る必要がある。でも、ハイキングマップはないし、ネットにも誰もルートをアップしてくれていない。地図をにらんで、7月に分かれ道があった辺りに登りそうな谷に行ってみることに。結果的には、そのルートで予定通りの峠に出られて、ちゃんと目的地にたどりつけた。
ただ、帰り道、別のルートを見つけたのでそっちから降りたら、そっちの方が近道だった…。トイレもあった…。もし今度来ることがあったら、こっちから来よう。

もう一つの不安は、そもそもタカが飛ぶかどうか。ってゆうか、西に3-4km行った場所では東から飛んでくるタカが見られるんだから、近くを飛ぶのは間違いない。でも、それを見つけられるかは別問題。真上の間近を飛んでくれるなら見逃しようがないけど、南北にずれたら、見張る方向を間違えると見逃す可能性大。真上を飛んでも、高度がとても高かったら、その気で見てないと見逃す可能性大。とにかく東の方向を中心に、北の方も、南の方も、そして真上の高高度も。あちこち一生懸命見張るのは、けっこう緊張するし疲れた。
やがて、すぐ近くを手頃な高度で飛んでくれて、なんとなくどっちから飛んでくるか分かり、昼前から少し動きが変わったようなのにも対応できて、少し南に観察ポイントをシフトされたら、けっこう真上を高高度で通過するのも捕捉できた。
もしかしたら、この場所でのタカ発見の要領をつかみきっていなかった朝方には、見逃しているタカもいるかもしれない。もし今度来ることがあったら、もっと最初から要領よくタカを探せそう。

で、今日、午前9時から4時間ほどの間に確認できたタカは、トビとミサゴを除いて、ノスリ8羽、サシバ5羽、ツミ3羽ってとこ。
この場所のさらに東のポイントで観察していた人の情報でも、今日同じ時間帯に飛んだタカは似たようなもの。ってことは、予想通り、そこそこタカの渡り観察場所としていけそうってこと。できれば来年、もっとサシバやハチクマがたくさん飛ぶ季節に来てみたい。


●2016年10月9日 海藻を楽しむ行事と博物館実習生の感想

今日は、友の会秋祭りで、海藻を楽しむ行事。海藻押し葉を作って、ところてんを試食する。むしろ、ところてん作りの実演に、煮るとか冷やすとかの時間がかかるから、時間をつぶすのに海藻押し葉作りを挟み込んだというのが実情ではある。
で、博物館実習の最終日でもあって、実習生たちに行事を手伝ってもらった。ってゆうか、海藻のことは知らず、行事初心者の実習生は事実上お客様。ネコの手程度に役立ってもらった。ってゆうか、そもそも18人も働かせるほどの作業量がない…。というわけで、大部分の時間は、ただ行事に遠巻きに参加している人たちとなっていた。

大人と子ども合わせて100人ちょっとした行事。進行はなにかとグダグダで、トークは散漫で、いろいろ反省点はあるけど、そこは慣れた参加者たち、それぞれ自分なりに楽しんでくれていた。海藻押し葉は予想外に楽しげであったし、ところてんは美味しく頂いた。ところてんにかける物を工夫してきてねってアナウンスを受けて、さまざまな物が持ち込まれていた。
・梅ジュースと梅セットは、それ自体とても美味しかった。
・甘酢ミソというのは、ミソと酢と砂糖を合わせたものだそうだけど、とてもさっぱりとしていて美味しく、団子やお餅に付けたい感じ。
・自分では、果物の缶詰を買ってきてて、果物とシロップをかけた上にさらに練乳をかけたのが、ものすごく旨かった。
・ジュース系をかけたのは、まずくはないけど、味が薄まっていまいち。
・トーストに付ける抹茶クリームというのを持ってきてる人がいて、まずそうだった(甘い抹茶が嫌いなので)。
お椀に入れたところてんに、何かをかけると1つの味しか試せないので、トッピングは小分けのお皿に並べ、そこにつけ麺のように浸けて食べるというのが、頭よかった。

てな、行事を体験した博物館実習生達の感想は、
・大人も子どもも楽しそうでよかった。
・学芸員と友の会会員が仲が良かった。
・自分でもところてん作ってみようと思った。
・学芸員の仕事は多岐にわたるなぁ。
というありきたりのが多かった。
が、今回は感想だけでなく、問題点の指摘も行えとの指令を出していたので、意見をくれてる学生もいた。その意見は、
・もっと机を出した方が、混雑せずにスムーズに進行できたと思う。
・トークが散漫で、ターゲットが曖昧。言葉が難しかった。
の2点に集中した。
まあ、分からんでもないけど、
・混雑というのは、必ずしも問題じゃないと思う。むしろ海藻を並べる机とかは、集中させた方が説明がしやすい。そして盛り上がった感がある。
・トークが散漫だったのは認めるけど(そういう人だから)、内容の難しさやターゲットが曖昧なのは、参加者の年齢層や知識量の幅が広い博物館行事では、やむを得ない(大学とは違うのだよ)。むしろ聞き手側が自発的に取捨選択してトークを楽しむ場ではないかと思う。むしろ大切なのは、話者が自分が興味を持っていることを楽しげに話すことではないかと思う。
でも、学生達がいろいろ考えてくれたのは良いことだろう。どこに注目したらいいか分からん場面が多かったので、手旗とか位置を示す工夫があったら良かったという指摘をしてくれた学生が一人。これは、今後参考にしたらいいんじゃないかと思う。


●2016年10月8日 博物館実習生のリアクション

現在、5日間日程で博物館実習生を受入中。なぜか5日間の内、4日もなんやかんやと実習生の相手をする展開。初日のオリエンテーションで、実習日誌には質問とかを書け!と言い渡したら、素直にけっこう質問を書いてきて、返事するのが面倒だけど、それはそれで面白い。つまらない質問を繰り返す奴がいる一方で、業界人ですか?って思わせる鋭い質問をする人も。
例えば
・入館料以外の収益が出た場合、それは博物館の運営費に充てられるのですか? それとも大阪市に持って行かれるのですか?
とか。

2日目に担当した中には、バンダーがいて、せっかくなので鳥の仮剥製へのラベル付けをさせてみた。作業中はけっこう無反応で、面白くないのかな。と思っていたら、日誌はとても盛り上がっていて、アメリカヘラサギ×クロトキの交雑個体! カワリシロハラミズナギドリ! ミゾゴイ! とまあ、珍しいのに触れて嬉しかったらしい。
一方で、大阪府だけでなく、沖縄県や北海道、石川県の鳥の仮剥製があることにも気付いており。限られたリソースしかない中で、地元大阪の標本を集めるだけでなく、日本各地や動物園のまで標本として集めるのは無理があるんじゃないか。どのように方針を立ててるのか? と当然の疑問。
さらに、たとえば石川県の鳥の標本が、石川県ではなく大阪府にあるのは良いのか? と問いかけつつ、仮剥製を作れる人は限られるから、やむを得ないかも。などと、なかなか色々考えてくれていた。
これだけ色々考えてくれたら、実習は成功と言えよう。

一方で、イヌのホネを洗わせたら、虫の死体や蛹がいっぱい〜、と騒いでいた面倒な奴は、髪の毛に変な臭いが付いた〜、と不満を述べている。だれもそれが虫に喰われたイヌのホネの臭いとは分からないから、大丈夫!と返事を書いてみる。
ちなみにこやつのTwitterを捕捉しているのだが、博物館実習辛い、と書いていた。面白い。

イヌのホネ洗いは、頭骨は良い感じだったのだけど、胴体はもう少し砂場に放置した方がよかった感じで、肉や筋がけっこう手強く残っていて、ザッと洗って、再び水漬けとなった。頭骨のベストと思しきタイミングで少し早めに回収したことを説明したのだけど。とある一人は、もっと放置しておけば洗いやすかったのに!と思ったけど頭骨のベストのタイミングを選ぶと説明を受けて納得したと書いてあった。説明してよかった〜。

ちなみに、今回の実習生の中に一人だけ、とてもホネホネに興味のある子がいるのだけど、事前に分からなかったのでホネホネをさせる班に入れれなかった。でも、興味があるらしく、自分の実習が終わってから、洗ったホネを見に来たり、あちこちに置いてあるホネや皮を見ているらしい。申し訳ない感じ。
事前に伝えてくれたら、ホネホネ班に入れたのになぁ。そこが事前にバンダーと分かった奴と、ホネホネと分からなかった子の差。

というわけで、今後うちで博物館実習を受けようとするなら、自分の興味の対象を何かに書いてお知らせ下さい。可能な範囲で配慮します。


●2016年10月6日 ほら、あのクズにつくマルカメムシの幼虫を食べるという新参の外来テントウムシ、ついにそれに出会った!

そうそう、そいつの名は、ムネアカオオクロテントウ。この春からWANTED!がかかっていて、気が向いたらクズをチェックしてたんだけど、ぜんぜん見つけられなかった。そもそも探していると、マルカメムシが意外といない。で、ちょっと探すのも飽きてきていた。
が、ルイルイが秋になって、ぼつぼつムネアカオオクロテントウ情報が少し集まりだした。と言っているのを見かけた。サイトを見ると、
http://www.omnh.jp/shiyake/Synona-consanguinea.html
松原市辺りで見つかってるなぁ。ちょうど自転車でため池巡りをするエリアの中やん。

で、9月30日、自転車で松原市西部から堺市北東部のため池をめぐった。たくさんのため池を制限時間内にめぐらないといけないので、のんびりテントウムシ探しはしていられない。でも、だいたい時間内に終わる目処がついた頃合い、堺市中百舌鳥町のとあるため池の周りにクズがいっぱい繁茂している。で、マルカメムシの姿が目立つ。ここに例の外来テントウムシ(いまだにムネアカオオクロテントウの名前はおぼえられていない)がいるに違いない! で、自転車を降りて探したのだけど、ぜんぜん見つからない。やっぱりアカンわぁ。と思った時に、ふとクズの葉っぱの表の真ん中に、妙にカラフルなテントウムシ類の蛹が付いているのに気付いた。たいした根拠はないんだけど、これがあの外来テントウムシの蛹に違いない!と決めつけて、採集して帰ってきた。
て、容器に入れて、放置すること5日。朝、容器の中を見ると、蛹が羽化して、あの外来テントウムシになっていた! 本心ではなんか普通の在来テントウムシの蛹だろうと思っていたし、むしろ蛹死んでるんとちゃうかな、と思っていたので、とても驚いた。とても嬉しい。さっそくルイルイに自慢を!と思ったけど、見あたらない。
で、その翌日の今日、ルイルイに自慢。その前に手近にいたハチ屋に自慢。予想以上に褒めてもらえた。ハチ屋は自分で採ったことがないらしい。勢いでルイルイにも自慢。やっぱり褒められた。ルイルイも連れて行ってもらって採っただけで、自分で産地を見つけてないらしい。この時点で、虫屋二人を凌駕しているってことになるなぁ。

虫など畑違いの生き物を探して採ってくる大きな理由は、褒めてもらうため。たくさん褒めてもらって、またムネアカオオクロテントウを探す気がまんまん。任せてくれたまえ。そして、また褒めてくれたまえ。


●2016年10月5日 博物館実習 2016年秋期一般コース オリエンテーション

今日から5日日程で博物館実習の秋コースがスタート。大学生が18人。初日の今日はオリエンテーション。オリエンテーションもこれで6回目。でも、毎回段取りを忘れるので、次回のために今日のスケジュールを記録しておく。

09:30 博物館実習スタート 資料を配って、出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。遅刻者はいない。友の会会員が二人いた。
09:55〜11:40 実習を受ける際の心得(大切な標本を扱うので丁寧に、学芸員の注意事項をよく聞くこと、分からない事があればすぐに質問すること)。ブログの書き方の説明。博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:40〜12:05 管理棟の案内・解説。学芸員の部屋姿を紹介。あちこちに置いてある標本などについて言い訳。
(12:05〜13:00 昼休み)
13:00〜14:10 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。通路がうまってるとか、なぜか本があるとかにも注目。
(14:10〜14:25 休憩)
14:25〜16:05 展示室見学ツアー(常設展+特別展)。メンテナンスやハンズオンがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケースを紹介し、壊されやすい展示を説明して歩く感じ。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けの難しさも解説。 ミュージアムショップ問題についてもふれた。
16:05〜16:10 まとめ
16:10〜16:30 実習ノートの記入・提出。

実習ノートを書く際に、納得したとか、勉強になったという文言をNG宣言した。学芸員とのコミュニケーションツールとして、質問をぶつけたりするのに使うようにとも。
暴風警報が出たら途中でも中止と考えていたが、幸い台風は遅れてくれて影響はなかった。


●2016年10月4日 図書のアルバイト

昨日から図書にアルバイトさんが来た。で、この2日間はその対応のお仕事がけっこうある。アルバイトさんが来る前から準備しておけばいいのに、来てから使ってもらうパソコンのセッティングをして、作業する部屋を片付けてる。さらに書庫整理の作業の段取りの相談を、学芸員の間ではじめる始末。
で、思ったのだけど、自分は何かを教えるのに全然向いてない。それに引き替え、体調悪いのに出てきてくれたルイは頼りになる。館内の案内も、仕事の説明も丁寧。ゆっくり考えながら繰り返し教えるってのがいい気がする。ってのは見てたら分かるんだけど、すぐイライラっとするんだな。一回聞いたら覚えろ、とりあえずさっさと手を動かせ、みたいな。
ルイルイが説明、指導するのを、ときどき補足したり、迷ってるのを勝手に決めたり、さっさと荷物を運ぶという簡単なお仕事になっている…。
でも、二人が付きっきりでないといけない状態を脱しないと、なんのためのアルバイトか分からないので、一刻も早く任せられる状態になってほしい。

ともかく、これでグチャグチャになってる書庫が少しでも片付くと嬉しい。なんせ、片付け作業を始めるに当たって最初にすることが、作業できるように空いた棚を作り出すことであったり、動けるように通路の段ボール箱を放り出すことだったりするんだから。


●2016年10月3日 冷凍室に戻す

冷凍室は、コンプレッサーを9月29日に入れ替えて、その日の夕方には復活。でも30日はまだ点検とかクリーニングとかがあるので使うなと言われた。で、10月1日に晴れて冷凍室が復活してから早3日。ようやく冷凍車から冷凍室への大移動を開始した。

・第1クール:15:30-17:30 →ほぼ1/3ほど戻せたと思う。
・第2クール:18:00-20:00 →約85%は運んだと思う。遠方の海鳥、西表島の鳥、動物園の鳥、爬虫類のすべて、剥いた皮などまとまったユニットはだいたい運んだ。
・第3クール:20:30-22:00 →冷凍車は空に。冷凍ユニットの電源を切った。

冷凍車へ運び込む時は、実働で12時間かかった。整理が必要だったから時間がかかったんだけど、その時に整理したから戻すのはかなりスムーズ。合計5時間半で終わった。
作業はスムーズだったのだけど、わずか1ヶ月前に冷凍車に入れたのに、どこに何を入れたのか、かなりうろ覚えだったのは、少なからずショックだった。そして、意外と冷凍車の中は整理されておらず、あちこちから剥いた皮が出てきたり、水鳥の箱が散らばっていたり…。
冷凍車に運んだ時に、おおむね量を把握したはずなので、それに基づいて冷凍室に戻したときの配置図を作った。で、それに基づいて戻そうとしたのだけど、今一つ予定通りにいかない。作業しながら、かなり変更が必要だった。とくに、思ったより両生爬虫類が場所をとってる。思ったよりイタチとウサギboxが多い。やっぱり動物園の鳥が多い。いっぱい処理しなくっちゃ〜。


●2016年10月2日 コリドーの効果の検証

とある論文の読まされる羽目になって、面倒だなぁ、と思って放ってあったんだけど、催促が繰り返されて、仕方なく読んだとしよう。読んだら読んだで、いろいろ考えてしまう。未公表の論文なので、内容は書けない訳だけど、そこでインスパイアされた事を書くのはいいだろう。

ってことで、コリドーである。生態学でコリドーって言えば、点在する都市緑地をつなぐ緑道とか、ため池とため池をつなぐ水路とか。島状の環境を似たような環境でつなぐ、細長い“通路”。孤立した田んぼもまた水路がコリドーになってることがありそう。
線状の環境は、そこに緑や水があれば何かしら環境をつなぐコリドーとして機能するかもしれない。高速道路の法面緑化とか、河川敷とかも、コリドーとして昨日する場合があるかも。大型獣なんかにとっては、歩きやすい林道も、ある意味コリドーとなってるのかもしれない。この場合は、島状の環境をつないでいるというよりは、移動を促進しているってだけだけど、それもまたコリドーの効果。

で、気になってるのは、コリドーの効果をどうやって検証するか。
2つの島状環境が、いまコリドーでつながった!って場合なら、
 ・その後、2つの島状環境の生物相の類似度が高まっていく
 ・コリドーを利用して、実際にそれなりの頻度で生き物の移動が観察される
といったことが確認され、他の条件の変化を考えなくていいなら、コリドーの効果があった。てな結論はできそう。
でも、最初から2つの島状環境がつながっている場合は、どうやったら検証できるんだろう。それも、コリドーを遮断するというのは難しいから断念するとしたら(そもそも遮断してもそうは簡単に、コリドーの影響は検出されなさそうだけど)。思いつくのは片方の島状環境におきた変化(新たな種の追加や、既存種の絶滅)が、他方に波及するか、あるいは他方で補われるかを観察する方法。でも、実験的に操作しない限りは、偶然起きるのを待つしかない。
あらゆる実験的操作は抜きにして、短時間でコリドーの効果を調べるなら。コリドーでつながっている、つながっていない取り混ぜて、たくさんの島状環境を用意できれば、コリドーでつながった島状環境の組み合わせと、つながっていない島状環境の組み合わせで、生物相の類似度を比較しても上手く行くかもしれない。
じゃあ、実験的操作は行わず、短時間で、1組〜数組程度の島状環境しかない場合は? もう遺伝子レベルでの研究を行わないと無理っぽい。今度はお金がかかりそう。


●2016年10月1日 冷凍室復活

実は一昨日の夕方には復活していたのだけど、その後クリーニングやら何やらがあるとのことで、まだ使うなとのお達し。今日、ようやく冷凍室が使えるようになった。
さっそく冷凍車に避難させた物を戻さないといけないのだけど、この機会にきちんと整理して入れたいところ。この機会に処理するものは処理しておきたいところ。ってゆうか、奥に詰め込んで行方不明にならないようにしないといけない。ので、こんな方針を立ててみた。
・手前に空きスペースを確保。ここで常時冷凍燻蒸。
・他の分野でよく使うのは植物なので、植物の棚を手前に広く設定。
・逆に昆虫分野はあまり使わないので、植物スペースに間借り。
・なかなか処理に手が回らない
  剥いた皮
  大型爬虫類
  大型動物のパーツと肉
 を奥に。最低限の作業でアクセス可能に
・棚は、右手を哺乳類、左手を鳥類にあてる。
・まとまった分量があるものは奥から手前へのラインに配置して、その一端にはアクセスしやすく。
  剥いた皮
  動物園の鳥類
  海鳥
  西表島の鳥
・小物は手前
・すぐに処理する予定のも手前

で、冷凍室内の配置図をつくってみた。配置図は、2001年に稼働を開始した冷凍室がけっこう一杯になった2006年10月に最初に作って、2009年3月に改訂。たぶんこれが前回冷凍室が壊れた時のだと思う。で、今回の改訂。
前回作った配置図は、1年ももたずに有名無実になってしまったので、今度はもう少し長く配置を維持したい。


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