日記風覚え書き

2015年4月5月6月

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●2015年6月30日 本棚と共に片付け神降臨

本棚を買った。で、片づけモードに突入。

とにかく家には大量の本がある。マンガ、SF、自然史系の本。かつては、本棚をまったく持っていなかったので、箱に入れたり、床に平積みしたりしていた。数年前に、本棚を4本買って、マンガとSFを入れた。これでマンガとSFはすべて収納されたが、自然史系の本は箱詰めされたまま。持ってる本を見つけるのに、とても苦労していた。そのうち、マンガとSFまで再び平積みされはじめた。これはイカン。ということで、再び、本棚を4本買った。
本棚2本に自然史系の本が並んだ。これで見つけやすくなった〜。そして、残る2本はそれぞれマンガとSF。マンガとSFの本棚にはまだまだ余裕があるけど、自然史本はもう満杯。近いうちに、また買い足さなくてはならない気がする。
ただ、すでに本棚を並べる壁は残っていない。壁に垂直並べるとか、工夫が必要かも。そして、いつの日か床が抜ける…。


●2015年6月28日 たまご標本の作りかた実習

来月にせまった「たまごとたね」展にちなんで、卵殻標本をつくる実習を実施した。もちろん講師に、とり先生を迎えて。
たいして人気はないだろうと思ったら、想像以上に大人気。それも子どもに大人気。参加者の会話からすると、すでに気分は夏休みモード。夏休みの自由研究に関連づけて参加した子どもが多かった様子。
ともかく、定員を大幅に上回る申込みがあって、夏のホネの標本作りの実習と同じく、子ども優先にさせていただいた。親子連れは子どもだけ当選。そしてなぜか申し込んできたなにわホネホネ団団員は全員落選。それで何とか受け入れることができた。子どもだけ当選しても、保護者の同伴をOKにしているから、実質親子連れでの参加も多かった。ってゆうか、主流だった。

申込みを締め切った頃に、講師のとり先生と段取りを打ち合わせたのだけど、判明したのが衝撃の事実。すぐに終わってしまう…。一日日程は間が持たないのは確実なので、とにかく午後だけの日程に変更。とり先生のたまごコレクション自慢や、模範演技の時間を長くとって、ようやく3時間プログラムに。
たまごも1つだけではすぐ終わるので、3つ用意することにする。色のついたニワトリのたまごと、ウズラたまごと…、あと1つは、アローカナの青い卵! ということで。毎月淡路島に行くついでがあるので、「さくら」という品種のたまごを確保。毎月姫路に行くついでがあるので、そこで「アローカナ」も手に入るだろうと思っていたら、あいにく12個しか売っていない。慌てて、通販で20個買い足し。
結果的に言えば、桜色のさくら、もよう付きで小さなウズラたまご、そして青いアローカナ。3つ並ぶととても良い感じになった。

たまごの手配はともかく、道具類の手配は直前になってようやく始動。シリンジを一人1つ手配、穴を開けるドリルはテーブルに1つあればいいだろう。あとは、タオルに、卵液を集める容器、水を入れる鍋などなど。集めた卵液を実習後に食べるため、パンと牛乳を買ってくることになった。バターと砂糖は足りるだろう。
けっこうドリル待ちの時間が多く、あと2つでもドリルがあればよかった。ドリル待ちが少しでも減るように、最初のたまごが早く終わった子には、すぐに次のたまごを初めてもらった。これで少しはドリル待ち時間は減ったけど、実習全体がダラダラした感じに。最後も、まだ作業している子が半数くらいいる段階で、終わった子が退屈そうにしていたので、とりあえずまとめをして、流れ解散とした。

たまごを食べたい人に残ってもらったら、大部分の子どもが残った。とりあえずさくら卵で、フレンチトーストを急いで作って食べてもらった。続いてアローカナでフレンチトースト。両方味見した人の多くは納得して帰られた。追加で、ウズラ卵のフレンチトーストも作ってみた。
まだ作業している子どもと、たまご標本が気に入ったらしい子どもたちが10人ほど残った。希望した子どもがいたので、おまけで用意したチャボやプリマスロックのたまごの卵殻標本を作ってもらった。

いろいろ心配した点はあったけど、結果として大部分の参加者には満足してもらえる実習になったと思う。ただ、スタッフ3人でまわすのはギリギリ。もう一人いたらかなり楽だっただろう。


●2015年6月27日 あおりん召還

特別展への出演をお願いしていたアオリンさんが亡くなられた。5年前に来られてから、毎年フェスティバルに出演され、特別展への出演も2回かな。いろいろお世話になっていたのに、この冬眠明けから調子が悪く、昨日帰らぬ蛇になってしまった。ご冥福をお祈りいたします。
4代目を採ってこなくては。


●2015年6月26日 ネコの性格

最近知り合ったネコ。まだもらわれてきたばかりの子ネコなので、まだ本性を表していない可能性もある。でも、過去に知ってるネコと随分違うので面白い。といっても、過去に知ってる、拾われてきたばかりの子ネコは、3匹しか知らないけど。

まず触られるのがイヤじゃないらしい。抱き上げられても、ほとんど嫌がらない。これなら抱いて散歩に行けそう。
食べ物への執着があまる強くない。もちろん何でも匂いを嗅ぎたがる。そして、魚や肉や乳製品、そしてなぜかご飯を食べたがるのだけど、アカンといって遠ざけたら、割とあっさり諦める。あるいは忘れる。
そして、よく鳴く。何かを見つけて近づいていく時に、ニャニャニャニャと鳴きながら動き出したり。

とまあここまでは性格がよくて、愛想が良い感じなんだけど、
名前を呼んでもこっちを向かない。耳すら向けない。尻尾もふらない。自分が呼ばれてるってことが分かってない感じがする。そろそろ分かってもよさそうなのに。
そして、穴にあまり入らない。ネコじゃないみたい〜。

人見知りをしないことも含めて考えると、今までイヤなことをされたことがないってことかな。ただ、何かに入れられたイヤな思い出がありそう。そして、ちょっとお馬鹿?
お馬鹿でも可愛いから許す。


●2015年6月24日 アピールはディスらず

この夏の特別展は「たまごとたね」展。たまごとたねを仲良く並べるかと思いきや、その実態はたまごとたねの対決。23のテーマで、どっちが勝ってるか、ジャッジは来場者。で、来場者に向けて、たまご側とたね側それぞれがアピールする。その際のルールは相手をディスらないこと。でも、禁じられてるのは、文面ではっきりディスること。どうやら行間でディスるのはいいらしい。高度なレトリックが求められる…。


●2015年6月22日 ソクズ分布調査

今日は相生市や赤穂市の海岸に近いエリアを自転車で走り回った。水鳥調査なのだが、水鳥はあまりいない季節。ついでに、外来植物調査。とばかりに、アメリカオニアザミとビロウドモウズイカを探して見た。が、どちらもさっぱり見つからず、目立って気になる外来植物は、ソクズ。
大阪ではまだこんなに目立たないと思うが、播磨地域には多い。加古川、市川、揖保川、中川。大きな河川の土手にはいっぱい生えてる。赤穂市では、千種川の土手のみならず、漁港や道ばたにも多い。
近い将来、大阪にも拡がってくるのは間違いないだろう。というわけで、いない場所を含めて、ソクズの分布調査をしたらいいと思うのだけど、どうだろう? といっても、植物屋さんはすぐには乗ってこないだろうから、毎週うろうろしている播磨灘沿岸で、勝手に調査を始めてみようかな。


●2015年6月21日 雨は止んでも行事は中止…

行事の実施か中止の判断をするのは、行事が始まる3時間以上前なのである。必然的にある種の予想に基づいて判断することになる(だいたい午前10時集合の行事の雨天中止を、午前7時に決める)。予想は外れることもある。今年度、外れは2回目。

4月19日、午前7時時点では、現地は雨。我が家はまるで降ってないけど。昼まで雨は続くという予報。確かに降雨域の変化を見ると、まだまだ後から雨がやってくる感じ。昼から上がっても仕方がないし。これは雨天中止で間違いないだろう。
で、念のため集合場所に行くと、集合時間が近づくにつれて雨があがってきて、集合時間以降雨は降らず。実施できたやん〜。まあ、参加者が多いことが予想される行事だし、直前まで雨だったから、みんなで座って昼食食べるにも下は濡れてるし。と、自分に言い聞かせた。

6月21日、つまり今日。午前7時時点で、現地は大雨。我が家はまるで降ってないけど。雨自体は集合時間頃には止みそうなのだけど、今日はコースに山道や渓流がある。山道の足下は悪く、川は増水しているはず。少なくとも決断時点では、雷注意報まで出ている。これは中止にせざるを得ないだろう。
で、その後の展開はというと、やはり集合時間までには雨は上がり、雷注意報も解除。実施出来たんじゃないのか? という疑問を、足下と増水で黙らせる。

かくも、雨天中止の判断は難しいのである。たとえ雨が止んでも中止という判断になってしまうこともあるのである。ただ、少し思うのは、いまは降雨域がネットですぐに分かるから、決断時点の現地が雨って分かってしまう。そのせいで、雨天中止が多くなってるんじゃなかろうか? かつては、現地の様子は分からないから、担当者の内、一番現地に家が近い人が判断。自分の家で決断時点で降っているかどうかと、天気予報で決めていた。
もしかつての決め方なら、4月19日も6月21日も実施した可能性がけっこうある。そして、実際に実施できていたような…。文明の利器は必ずしも役立たない感じで。


●2015年6月20日 ケサランパサランが飛びまわり、カレーのスパイスが香る

来月にせまった特別展の仕様がどんどん決まってきている。そこで明らかになってきたのは、驚きの展示室なのであった!
まあ、「たまごとたね」展なので、タマゴとタネが大量に並ぶんだけど、いろいろ工夫をしたくなるらしい。とくにタネの方が。

天井近くまで滑車で持ち上げて、風散布のタネを飛ばしてみたり。電話ボックスみたいな中に風を起こして、大きなタンポポのタネみたいなのを飛ばしてみたり。タネが原料のスパイスの香りを嗅がせてみたり。
そういえば、引っ付き虫のダーツをするって言ってた気がするけど、どうなったんだろう? 海流散布のタネを水に浮かべて展示すると言ってた思うけど、どうなったんだろう?


●2015年6月19日 たまごとたねの本編集顛末

今日の夕方に初校の返し。最初の入稿に負けないくらい、もしかしたらそれ以上に初校の返しは大変。入稿段階では曖昧だった部分を確定させ、未入稿のテキストや図表を集め、再配置する。最初に割り付けるよりも、再配置の方がなぜかはるかに面倒。
で、それを全部整えて、今日の夕方返さないといけないのだが、作業は著者校正がそろわないと進みにくい。ので、ギリギリに一気に作業することになる。前日に出来れば良かったのだが、あいにく昨日は調査の日。調査が終わって帰ってきて、午後5時頃から作業開始。朝の5時前まで作業して、3時間ほど寝て、シャワー浴びて、午前9時に再び出勤。また作業を続けて、午前には少し会場設営の肉体労働を交えつつ、午後5時頃に初校返し終了。この24時間の間に20時間働いたことになる。初校返したら、気がゆるんで眠くなった。


●2015年6月17日 アメオニとビロモズの調査

今日は、淡路島の播磨灘岸沿いで、アメオニとビロモズの分布調査を実施した。我々通の間では、アメリカオニアザミをアメオニ、ビロウドモウズイカをビロモズと呼ぶのである。

どちらもけっこう大きい。そしてけっこう道路沿いに生える。というわけで、自動車で流しながら調査ができるという優れもの。というわけで、水鳥調査で漁港や河口をめぐる途中、車の助手席で道路の左右に目を光らせる一日であった。結果として、どちらも1株も見つからなかった。
まさかと思うけど、探し方が悪いってことはないよね?


●2015年6月15日 本棚

本棚を買った。というか届いたのは一昨日。今日ようやく組み立てた。組み立てて設置する場所を作るのに、片付け&掃除に2日かかった。2年越しの大掃除になってしまった。


●2015年6月14日 中高生と磯観察

毎年恒例の中高生対象の磯観察に行ってきた。毎年6月恒例の企画。中高生は入れ替わるけど、連れて行く大人は一緒。連れて行く場所も4ヶ所位をローテーションしている。
思えば昨年は、アメフラシを投げまくるかと思ったら、タコを捕まえて生きたまま食べるし。ウニも割って食べるし。アメフラシは解剖するし。イトマキヒトデを食べさせられるし。けっこう散々なようで、なぜか面白かった。

今年の行き先は、岬町豊国崎。例年、暑いのだが、今日は涼しい。むしろ少し寒いかも。そのせいか、いつもとちょっと違う。なんせウミウシが大量に見つかる。クロシタナシウミウシなんて大量にいるから、すぐに無視されるように。他に見せてもらったウミウシ系は、アマクサアメフラシ、ウミフクロウ、マダラウミウシ、アカホシウミウシ、アカエラミノウミウシ。中学生とウミウシ採り対決をしたが、量でも質でも負けた。タイトルはアカエラミノウミウシに。
他にもキョウノヒモ、クマノアシツキ、カスリオフェリア、クロシタウミウシ、エビスガイ、レイシガイ。ミールワームみたいなカスリオフェリア。と、いつも以上に不思議な生き物に出会えた。食欲から離れて充分満足な内容。
ちなみに中高生はいろんな事を引き起こしていた。水に水没した者3名。寒いのにねぇ。みんな着替えを用意してるからいいんやけど、一人はスマホとデジカメを水没させた。ウニのトゲが足に刺さったの一人。靴ごしでも刺さるのね。採集物を生きたまま小さな水槽に入れて持ち帰る途中、あちこちで水をこぼしていた。電車の中で大量にこぼさなかったのだけが救い。


●2015年6月13日 鳥卵の並べ方

夏の、ってゆうか、もう1ヶ月先に迫ったタマゴの展示について考えた。今頃になって、手持ちの鳥卵リストを作ったり。日本産の鳥を中心に約160種の鳥卵があった。借りてくるのを足して、約190種。200種には少し足りそうにない。


●2015年6月12日 フナムシはアラカシの葉っぱを食べない。知らんけど。

夏のタマゴとタネの特別展で、とり先生のタマゴコレクションを展示して頂くことになっている。で、今日は、とり先生にヒアリングをさせて頂いた。曖昧で謎がいっぱい残った。また改めてヒアリングだなぁ。


●2015年6月11日 二上山のソウシチョウ

大阪のソウシチョウ調査で、二上山に行った。奈良側から登って、大阪側に下る。
奈良側からの登りは、鳥的には静か。なによりウグイスが少ないし、ソウシチョウはいない。まあそうだろうなぁ。というのも、もっぱら暗い植林の中を歩くコース。林床にほとんどササは生えてない。
雄岳山頂を越えて、大阪側に入ると、様子は一変。ウグイスとソウシチョウがいっぱい鳴き出した。それもそのはず。植林は姿を消し、明るいアカマツ・コナラ林だらけ。林床にはササがいっぱい。
ソウシチョウが増えて、ウグイスは減ったのかという議論をする際、どんな環境のデータを使うか、慎重に見極めないといけないと実感する。二上山の奈良側と大阪側の比較では、ウグイスとソウシチョウの個体数には正の相関が出てしまう。同じような環境を好むのだから当然。でも、好む環境だけで個体数を比べたら、負の相関が出る可能性も充分ある。

ソウシチョウが増えて、ウグイスが減ったかという研究がいくつもなされているが、結果は、まちまち。みんなソウシチョウとウグイスの個体数に負の相関を見いだしたいのだけど、なかなかそうはいかない。その原因の1つは、上述のようなことなんじゃないかなぁ。


●2015年6月10日 大阪のヒメアマツバメ新繁殖地?

今日はソウシチョウ調査で、山に上っては下るを2回繰り返した。午前は生駒山系南部、午後は二上山。二上山は、奈良側の登山口は駅に近いのに、大阪側は降りてから駅までが遠いのが難点。
二上山から降りて、調査が終わってから遠いなぁと思いながら、太子町をウダウダ歩いてたら、山あいなのにツバメみたいなのが飛んでる。翼を小刻みに振るわせる不思議な飛び方。腹が黒い。ヒメアマツバメ!
よく見ると、バイパス道路の橋の辺りにコシアカツバメ。下に巣がいっぱい。辺りを20羽ちょっとのコシアカツバメが飛び回ってる。それに混じって、ヒメアマツバメが5羽飛び回る。
巣をチェックすると、20巣ほどあるコシアカツバメの巣の内、1巣の入り口に羽毛がいっぱい。ヒメアマツバメの巣や!
で、巣に出入りするのを待ったけど、結局入らず。でも、繁殖地の公算大。確認に行かなくては。


●2015年6月8日 本の割り付け

夏の特別展の解説書の編集。ってゆうか、ようやくテキストがまとまってきたので、割り付けをした。8時間かかって、70ページ。なんやかんやで10ページに1時間くらいかかるらしい。
で、一段落と思ったら、原稿の改訂依頼が殺到していた…。やり直しが、そこかしこに。


●2015年6月7日 金剛山のソウシチョウ

今日はサークルで金剛山のソウシチョウ調査に行った。きっとソウシチョウがいっぱいいて、ウグイスもいっぱいいて、他の鳥もいっぱいいて、調査は大変。かと覚悟して行ったのだけど、全然。生駒山の方が、ソウシチョウもウグイスも他の鳥もいっぱい鳴いていて、調査は大変だった。
考えてみれば当たり前で、生駒の尾根筋は、ウグイスやソウシチョウが好きそうなササがいっぱいなのに対して、金剛山の多くの場所はそこまでササだらけでもない。植林も多いしね。

●高安山〜十三峠(2015年5月24日):ウグイス37羽、ソウシチョウ33羽、キビタキ6羽、センダイムシクイ1羽、ヤブサメ3羽、ホトトギス6羽、コジュケイ1羽

●金剛山:金剛山ロープウェイ前バス停〜久留野峠〜伏見峠〜転法輪寺〜セト:ウグイス20羽、ソウシチョウ11羽、ミソサザイ12羽、キビタキ4羽、オオルリ3羽、ホトトギス1羽

距離が違うのだけど、一日コースは一緒。そしてむしろ距離は金剛山の方が長いくらい。だとしたら、金剛山のウグイスとソウシチョウの少なさが目に付く。ミソサザイがいるということと、何か関係あると面白いんだけど。


●2015年6月6日 昆虫の卵食

日々、タマゴやタネの勉強が続いている。今日は、昆虫のタマゴ食について、ずいぶん勉強した。昆虫のタマゴ食と言っても、昆虫がタマゴを食べるんじゃなくって、昆虫のタマゴを食べる話。


●2015年6月4日 動物散布のお勉強

ひっつき虫から始まって、被食散布に貯食散布。今日の午後は、なぜか種子の動物散布のお勉強をしていた。


●2015年6月3日 タネの起源

ここんとこ、タマゴとタネの本作りにいそしんでいる。ようやく構成がかたまり、だいたいテキストが集まったので、編集作業に突入。その最初のステップは、みんなの原稿を勝手に書き換えること。だってたいていの原稿は、グダグダ。ひどいのは何が書いてあるか分からない。本日のグダグダナンバーワンは、タネの起源についての原稿だった。全然何が書いてあるか分からないので、植物の先生のとこに通って、ようやく何となく分かった。で、理解した内容に勝手に書き換える。原型は少し残ってるだけ。


●2015年6月1日 2015年5月のまとめ 岡山に行った、タマゴとタネの展示を考えた

例によってあっという間に、また1ヶ月が終わった。そしてなんと1ヶ月半ほど先には、もう「たまごとたね」展が迫っている。困ったことに月日が過ぎるのは早い。早すぎる。

他の部分も振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘岸水鳥調査は無事完了。カモ類やカモメ類が減って暇なので、海浜植物調査がむしろメイン。
一足早く、外来生物調査プロジェクトスタート。ということで、大阪府のソウシチョウ繁殖分布調査を開始した。まずは、研修と銘打った行事。ソウシチョウの調査なんだけど、むしろ囀り研修として盛り上がった気がする。

普及行事は、ジュニア自然史クラブ、大阪鳥類研究グループ、なにわホネホネ団の活動。友の会の岡山県の干潟合宿へ参加。夏の特別展に絡めて、一足早くカエルのタマゴの観察会、そして図書館でのタマゴの講演会。

大阪のサシバの現状を把握しようというプロジェクトが先月からスタートしていて、その研修に連れて行ってもらった。


●2015年5月31日 2つのカエル観察会

今日のカエル観察会では、実質カエルは2種しか出なかった。でも、子ども達は楽しんでくれたよう。大人は口にしなくても不満だったかと…。
大人はそれなりに種数が出て、それなりの解説付きが良さそう。でも子ども達は、種数よりも個体数。アマガエルとトノサマガエルだけでも、大量に触れ合えたら楽しそう。
という訳で、子どもは田んぼに連れて行くに限る。

そう言えば、高槻でのカエル観察会は、けっこう種数が出て、楽しい観察会だと思うけど。子ども達が本当に盛り上がってるのは、最後のヌマガエルくらいしかいない田んぼだったりする。
ターゲットと目的を明確にして、2タイプのカエル観察会を設定した方が良さそう。


●2015年5月30日 ぐりとぐらの卵は何の卵?

図書館でタマゴの講演会をすることになった。だとしたら、『ぐりとぐら』ははずせないね。と言われ、気がついたらタイトルが決められていた。「ぐりとぐらの卵は何の卵?」。となると、ぐりとぐらに出てくる卵の正体について説明しないといけない。でなくても、正体を考えてみせる必要がありそう。
で、まずはネズミについて考えた。

前提は、
・『ぐりとぐら』の舞台は日本(それも本州、四国、九州辺り)。
・ぐりとぐらは、日本産の野ネズミ。

本をよーく見たら読み取れるのは、
・耳がけっこう大きく、立ってる。
・森の中で採食する。
・卵を食べる、つまり肉食もするネズミ(草食ネズミじゃない)。
となると、考えられるのは、アカネズミかヒメネズミ。目が小さめで、腹があまり白くなさそうなのを加えるなら、ヒメネズミっぽい。だとしたら、子どもの手のひらにも収まる小さなネズミ。

で、今度は卵の正体を考えてみる。
再び、本をじっくり見てみると、
・鋭端と鈍端があるので、鳥の卵。
・森の中に落ちているけど、真っ白な卵。
・ヒメネズミと同大ってことなので、長径8cm程度で充分。
国内に該当する野鳥の卵は存在しない。でも、野鳥じゃなければある。ニワトリの卵。

という話を得々と話した後の質疑応答の時間。会場から指摘を受けた。
『ぐりとぐら』は、作者が科博だかに行った時に研究室で見せてもらったエジプトのネズミがモデル。と、とある本に書いてあった。だから、舞台は日本じゃなく、エジプトでは?
なぜ、今その指摘をする〜。前提がひっくり返るやん。昨日ゆうてくれよ〜。というわけで、長々とした話は全て無駄であった。舞台がエジプトなら、卵の正体はたぶんダチョウの卵なんだろうなぁ。

どうりで、最後にカステラを食べにゾウやキリンが出てくるわけだ。と思いながら帰ってきた。


●2015年5月29日 ブックトーク&講演会企画

明日は、図書館で講演会。いつも一人で喋っているから、今年は司書にもなにかやってもらおうと、ブックトークを絡めることにした。初めての試みなので、果たしてうまくいくだろうか?
司書が卵に関連する本を紹介して、それを受けて、科学の立ち場から本に突っ込みを入れるという構成の予定。数年前に鳥を題材にした日本画で、絵の解説と、それに対する鳥屋からの突っ込みという企画が面白かったから、それをパクろうと思ったわけ。

とりあえず、司書さんに絵本を中心に本を選んでもらった。カエルの卵、カメの卵、ワニの卵、鳥の卵の4パートに分けて。それぞれのパートに何冊か選んでくれているので、その中からさらに話を拡げやすいのを選んで、何を話すか考えた。

・カエルの卵:『ゆかいな かえる』『999ひきのきょうだい』
産卵場所と一腹卵数の話かなぁ。絵本からも読み取れるし。

・カメの卵:『おおきくなあれ うみがめ』『たまごって ふしぎ』
温度依存の性決定の話で。ついでに哺乳類の卵の話や、胎生爬虫類の話を。

・ワニの卵: 『とことん・ワニ』『ズーブック ヘビ・ワニ』
親による卵の保護ってとこかな。

・鳥の卵:『あひるのたまご』『たまごのはなし』
孵化に必要な温度の話の後は、鳥の卵の色と形の話でもしよう。

これで盛り上がるか不安〜。


●2015年5月28日 動物園の動物の歯のすり減り

野生状態ではありえないほど長生きする動物園の動物。その場合、野生の時の食物を与えていればいいとは限らない。ってことに今日気づいた。

動物園の獣医さんと飼育員さんから、死体を寄贈したキリンやカバの頭骨を見せて欲しいと頼まれた。なんでも歯のすり減り具合を見たいんだそうな。なんか分からんけど、調べ物のために所蔵しているんだし、ましてや寄贈者から依頼なので、断るわけもない。
で、3人連れでやってきた動物園のみなさん。キリンやカバの歯を、怖い顔で見ている。なんか怒らすようなことをしたのかと、少し不安だったけど、そうじゃないらしい。動物たちに与える餌について悩んでいるんだそうな。

イネ科植物の葉っぱは、双子葉植物の葉っぱに比べると硬い。そのため、イネ科植物を食べる動物は、それ用の硬い歯を持ってるんだそうな。イネ科用の硬い歯を持っていない動物に、イネ科植物を与えてしまうと、機嫌良く食べはするし、消化もできるんだけど、歯がめちゃめちゃすり減ってしまうんだそうな。なるほどねぇ。
で、例えイネ科植物用の硬い歯を持っている動物であっても、イネ科植物を食べ続けていると、歯は徐々にすり減っていく。野生状態では比較的早く死ぬから問題なくても、長生きの動物園動物では話が違う。やっぱり歯がすり減って無くなってしまう。野生でイネ科植物を食べている種であっても、イネ科植物をやり続けていてはいけないんだそうな。

で、ここ数年、草食動物に与える餌を変えたから、その影響はどう出ているかを確認しに来られたらしい。カバもキリンもかなり歯がすり減っている。餌がまずいって結論になったんじゃないかな。


●2015年5月27日 カメの飼育始めました

この日曜日からカメの飼育を始めた。近所のKさんに頂いたクサガメ。まだ卵なので、湿度を保っておけばいいだけらしい。鳥のタマゴのように暖める必要もないし、転卵の必要もない。めっちゃ飼いやすい。無精な私にぴったり。と思ったら、忘れていて、気づいたらカラカラに乾いていて、慌てて水をかけるとか。やっぱり動物の飼育は向いてないわ〜。


●2015年5月25日 タンポポ調査

今年は5年か10年に一度のタンポポ調査の年らしい。調査の存在は初期から知ってるけど、参加したことはなかった。というのも、大阪府のメッシュはすでに充分埋まってるし。
近頃は大阪府だけでなく、近畿から中国・四国、九州北部の西日本の府県が同時に調査してる。今年が本調査らしいのだが、昨年からプレ調査をしていて、昨年集まったデータを見せてもらった。
昨年時点で、大阪府はすでに埋まってる。でも兵庫県はスカスカ。南東部は埋まってるけど、淡路島とか播磨の海岸部はデータがない。…毎月行ってるとこやん! ってことで、初めてタンポポ調査に参加することにした。なぜか兵庫県のを。


●2015年5月24日 鳥の声を聞く観察会

もう何年も鳥の観察会を行っていて、ついでに鳥の声について解説することはあったけど、なぜか鳥の声中心の観察会は初めてだった。今回は、ソウシチョウを紹介する企画。姿はなかなか見れないので、囀り中心の紹介。ソウシチョウの囀りとの違いを紹介しないといけないので、必然的にこの季節に囀っている鳥の解説をすることになった。
というわけで、想定外に開催することになった鳥の声の観察会(?)。いつもと違ってけっこう面白い。そして、思いのほか参加者にも好評。ソウシチョウに関わらず、来年もやろうかな。


●2015年5月23日 落ち葉の下からタウナギ

今日、鳥の皮剥きをしていると、キノコ組がやってきて、言った。大泉緑地の落ち葉の下から、ミミズみたいなヘビを捕った。ミミズヘビ?
驚いた。大阪でミミズヘビって。本当なら新記録。で、とりあえず見せてもらった。遠目にもミミズじゃない。でもヘビってのはあまりありそうにない。あとミミズに似たものと言えば、クガビルとか? ほかになんかあったっけ? 手渡しされたそれは、ちょっとベタベタする。クガビルじゃない。でもヘビにしてはなんかちょっと…。顔をよーく見ると、なんか見覚えがある。これ、タウナギやん!
正確にどこで採集したか問いただしたけど、なんか曖昧。川か池の近くだったんじゃないの? と訊ねると、すぐ側じゃないと言い張る。ほんとかなぁ。と、そう言えば、タニシの殻も一緒に落ちていたことを思い出してくれた。
ってことで、川か池の泥を捨てた際に、タウナギも一緒に連れてこられたんじゃないかという結論になった。タニシは死んでしまったけど、タウナギは林床の落ち葉の下で生き残ったってことになる。水から出てもけっこう生きてる魚だとは思っていたけど、けっこう長期にわたって落ち葉の下で暮らせるとは驚き。

大きくなると、けっこういかつい顔つきになるけど、小さいタウナギはとても可愛い。ブクブクもいらないし。ってことで、とりあえず瓶で飼ってみようかと思う。
ってゆうか、捕まった経過からすれば、植木鉢で飼えるのかも。


●2015年5月22日 大阪バードフェスティバル2015始動

担当者2人にデザイナーさんを交えて、最初の打合せをした。まあ例年通りのスケジュールで進めようって決めただけだけど。


●2015年5月21日 たまごとたね展の準備 知らんけど

約2ヶ月後から始まる特別展「たまごとたね」展。で、今日はその準備のための会議。展示のパース図を検討し、解説パネルの読み合わせも始まった。2ヶ月前にこんなに展示について考えてるなんて、遅いと思う? いやメッチャ早いのである!


●2015年5月19日 高州調査隊探検記

岡山県倉敷市の東の端っこに高州と呼ばれる地がある。なんでも、春から初夏の大潮の時にだけ姿を現す謎の場所だという。これを聞きつけた我々は早速調査隊を組織し、調査に赴いた。最初に調査を試みたのは、先の4月の某日。雨天の上に船のエンジントラブルのため、調査はあえなく断念。そして、今日2回目にしてついに高州の地に降り立つことに成功した。その成果をここに報告しておく。

潮が引くに連れて、高州は徐々にすがたを現す。今日の潮の引きだと、一番大きな時で、南北30m、東西1.5km程度の細長い陸地になった。陸になった部分は砂地で、その上にはさほど生き物姿は多くない。その北側と南側には、アマモ場が陸地の2倍くらい広がっている。最初に東に進む。アケガイという貝が多い。初めて見たが、なかなか綺麗な形の二枚貝。小さいバカガイも転がっている。干出した砂地には、イカナゴがけっこう打ち上がっていた。6cm程度の新子で、文字通りピチピチ。丸ごと踊り喰いしてみる。頭は柔らかく、内臓は苦くなく、身は歯ごたえあって、とても美味しかった。以前食べた生イカナゴ丼は苦かったが、何が違うのかと思う。
アマモ場の中には、所々にトゲツノヤドカリ。その貝殻には必ずイソギンチャクが付いてる。殻に付いてるのがヤドカリイソギンチャク、はさみに付いているのがヤドカリコテイソギンチャクという別種なんだという。
一旦戻って、今度は西へ進む。アマモ場のはずれの浅いところに、大量のハスノハカシパン。スカシカシパンをがんばって探すも見つからず。

陸を遠目に見ながらの不思議な潮干狩り。高州の非日常感はとても楽しい。今度はみんなを誘って来てみたい。


●2015年5月18日 ヒナが育ち、カメがうろつく季節

自転車でため池巡って、水鳥調査。もうカモはいないので、とても楽チン。
もう15年以上も毎月巡っているため池群。今更新発見はなさそうでいて、けっこうそれなりに新発見がある。
松原市の小さなため池。かつては周りに田んぼがあったが、今はもう学校と住宅地と車道に囲まれている。数年前に道路工事が行われて、一年ほど水がなくなっていた。おかげでカメ類は絶滅。ずいぶんため池の生物相が変わった気がする。
そんな池なのに、ふと見ると、沈水性の水草が生えてる。よく見るといっぱい!花まで付けてる。イトモとかホソバミズヒキモとかに似てるけど、こんな富栄養な池に生えないような…。で、採集してみた。久し振りに、ズボンのまま池に入った。イトモだったらいいなぁ。


●2015年5月15日 渡り途中のメボソムシクイ囀り調査

メボソムシクイの囀りには、チョリチョチョ、チョリチョチョ、チョリチョチョ、チョリチョチョの4声のと、ジジロ、ジジロ、ジジロ、ジジロの3声があるというのは、昔の話。ジジロはオオムシクイという別種になってしまった。ってことで、今さらメボソムシクイの囀りを調べてもと思いたくなるが、そうでもない。

高校教師の某Nさんは、メボソムシクイの囀りが地域、というか山塊ごとに違ってたりすることを見いだしている。メボソムシクイなのに3声とか、時には5声のときとか、けっこうなバリエーションがあるらしい。
いわば方言があるってことだけど、方言があるなら、春の渡りの時に囀りのタイプを調べれば、少なくとも特徴的な囀りの地域のメボソムシクイの移動経路を明らかにできる可能性がある。

ゴールデンウィークが終わったいま、どんどんメボソムシクイが関西を通過している。さあ、メボソムシクイの囀りを聞いてみよう。で、どんな囀りをしているか記録してみよう。チョリチョチョかな? それとも、ちょっと違った鳴き方?

ちなみにチョリチョチョという言い方は、某Nさんの言い方を拝借している。いろんなメボソムシクイの囀りの仕方を、ソナグラムで示しながら、”チョ”と”り”で表現してくれてて、これがまたはまってて覚えやすい。みんなも、これを拝借しよう〜。


●2015年5月14日 子猫の季節

淡路島から四国の漁港をめぐって水鳥調査。ついでにネコも調査。なぜか、乳が大きなお母さんネコが目立つ。


●2015年5月13日 ウンランは?

今日は淡路島播磨灘岸の水鳥調査。だけど、もう実質たいして鳥はいないから、密かな主目的は海浜植物調査。この一年の修業の成果でもって、四天王を見つける目論見。で、鳥の調査ポイント近くの、よさげな浜をすべてチェック。チェックしたのは、8ヶ所。

確認したのは、自信をもって同定できるので、ハマヒルガオ、コマツヨイグサ、ハマボウフウ、コウボウムギ、コウボウシバ、ツルナ、オカヒジキ、ハマゴウ、ハマボッス、ハマナデシコ、ハマダイコン、ハマエンドウ、ハマウド(ほぼ出現頻度の高い順)。ほかにアメリカネナシカズラ、ホコガタアカザ、ホソバハマアカザ。ちょっと自信がないので、タイトゴメ、なんかオニシバちっくなの。
大阪湾にも出るのばかり。四天王はでない。

一番期待したのは慶野松原なのだけど見つからず。たしか記録あったと思うのに。探す場所が違う?見逃したのかな? 来月、予習して再挑戦。


●2015年5月12日 たまごvsたね展 オープニングアクト

互いにマイクパフォーマンスをして、顔近づけてにらみ合ってから、ダチョウ倶楽部ごっこをしてはどうか。というような事を、会議で話し合った。こういう話は盛り上がる。


●2015年5月11日 今年度の博物館実習

昨年度から、でも実質的には今年度から、博物館実習の受け入れ担当になった。これがけっこう面倒くさい。でも、たくさんの学生を抱えている大学の担当者はもっと面倒くさいに違いない。

今年度の博物館実習は、夏15人、秋10人、冬2人の合計27人。年間30人受入を謳っていて、とくに調整していないのに、だいたいそのくらいの数になるのは不思議。
その27人はなんと18大学から来る。1大学当たり5名までというしばりをしているので、大学数が増えるのは当然なのだけど、1人にしろとは言っていない。1人ずつ送り込んでくる大学はどういう経緯で1人にしたのか不明だが、そんな大学が13大学にのぼる。あとは、2人が3大学、3人が1大学、5人が1大学。
18大学の分布は、関東1大学、東海1大学、関西14大学(滋賀2大学、京都6大学、奈良2大学、大阪3大学、兵庫1大学)、九州1大学、沖縄1大学とけっこう幅広い。遠方の大学は、実習生の実家が大阪ってことらしい。

学生一人一人を別の博物館に送り込もうとしたら、それだけ手間がかかるので大学側も大変だろうに。もちろん受入側も面倒。
大学ごとに処理の仕方も様式も違うので、ある意味18大学とのやり取りは、18パターンのやり取り。とても面倒。まあ受付段階は、博物館側主導で、こちらが求める書類を先方が用意してくるだけだから、少なくともこちらは面倒じゃない。実習後に実習ノートや成績のやり取りの時は、大学側が要求してくるので、こちらが面倒。
そんな面倒を避けるべく、
・1つの博物館にできるだけ多くの学生を送り込む。
・どの大学も、どの博物館も、同じ様式を使う。
てな申し合わせが出来れば、お互い随分と手間が減りそうなんだけど、そんな展開はしないんだろうなぁ。

ちなみに、一番やり取りしていて盛り上がったのは、京都精華大学。なんせ学長が竹宮恵子!


●2015年5月10日 ウサギ祭り第2夜

あっ、夜じゃなかった。というのはさておき。先月の第1夜は参加できなかったウサギ祭りに、今日の第2夜は参加した。午前中はクジラの骨で悩んでいたので、参入は午後から。このゴールデンウィークに岡山で拾われたばかりのノウサギを担当した。一見皮はびりびりかと思ったのだけど、腰辺りが少し破れていただけで、きれいな皮だった。もちろん上手に剥けたからきれいな皮だったということも否定しない(むしろ自慢してみよう)。


●2015年5月9日 囀り研修 ソウシチョウversion

本当は、外来生物の、とくにソウシチョウの研修だったのだけど、実態は、というか受けたのは、むしろ囀り研修。とりあえずソウシチョウの囀りを覚えてもらうべく、ソウシチョウの囀りを説明。説明って言っても、ほらソウシチョウが鳴いてる!と叫ぶだけなんだけど。ついでにウグイスの囀りも解説。ってゆうか、ホーホケキョは知ってますね!と決めつけるだけなんだけど。
で、ソウシチョウの囀りは覚えにくいだろうから、メジロの囀りがあったら、ソウシチョウの囀りとどう違うか説明。
あとは、キビタキ、センダイムシクイ、イカル、ホトトギス、コジュケイ、アオゲラ、ヤブサメと手当たり次第。キビタキの囀りでは、パターンの多さを説明し。ヤブサメでは高すぎて年取ったら聞こえなくなると説明。
前半で出てきて説明した後は、後半では問題を出題。この囀りはなーんだ? とりあえず今日のところはけっこう分かるようになった人も多かったが、ずっと覚えていられるかは謎。とくにソウシチョウの囀りはやたら聞けたから、たいていの人は、今日、生駒では分かるようになった様子。でも、この囀りは覚えにくいよね〜。そして、けっこう地域差もあると思う。
いったい何人がソウシチョウ調査に参加出来るレベルになったのかは分からない。それが分からないと困るけど。


●2015年5月8日 サシバ調査の研修

今日は、能勢町方面へ、サシバ調査の研修に連れて行ってもらった。今年度から、大阪府のサシバの棲息状況を明らかにすべく、サシバプロジェクトが始動。で、なぜか関係してるので、少しは調査に参加しようという訳で、調査に引っ付いていった。サシバどころかタカ類の調査もろくにしたことがないので、事実上研修みたいなもん。いろいろ勉強になった。
ここんところ、ため池、川沿い、海岸の水鳥の調査はよくやってるけど、山の鳥はあまり調べていない。能勢町辺りに調査に何度も来てるけど、主なターゲットは水辺の動物であったり、田んぼや河川の鳥だったり。考えてみると、能勢の山の鳥自体あまり調べてこなかった。というわけで、山の鳥を調べるだけでも新鮮。さらにタカの調査は一層新鮮。

サシバの調査なので、よさげな田んぼと林のセットがありそうな谷筋を狙う。
最初の場所では、谷沿いの道を歩いて行く。こちらはなんとなく囀っている鳥を記録してしまう。しかし、タカ屋はひたすら前方の空を見ていたらしい。あれだ!という声で見上げると、道を横切るタカらしき影。それを見つけるだけでもすごいのに、それだけでサシバと見分けるのはもうマニアック過ぎる。
次の場所では、空の視野が狭いからタカは見つけにくそう。と思ったら、アカマツの上にある小さめカラスの巣みたいなのを見つけて、サシバの巣っぽいと。巣でも見分けるとは!
次の場所は複数の谷が出会う場所。空が広くて、みんなであちこちの方向の空を見上げる。タカの渡りの調査風。と、実際にタカが渡っていく。それもめっちゃ遠くを。ハチクマっぽいとのこと。あんなん見つけて、見分けるか〜? と、待機している真上もハチクマが通過。それも複数。この動きは渡りではなく、地付きのハチクマっぽい。と、その根拠を説明してくれる。たしかにそんな気もする。
次はかなりいい感じの棚田が並ぶ、深い谷。普通にいい感じだなぁ。と思っていたら、遠目からタカらしき鳥がこっちに飛んでくる。今度は一番に発見した! でも、種名は分からん。でも、サシバっぽい!と即答。そして、その動きをずーっと追いかける。タカ調査ベテラン二人が、アセスの調査ばりに一人が観察、もう一人が記録と分担。こうしてタカ類のアセス調査の飛翔軌跡を押さえてたのかぁ。
最後の調査地にお気に入りの谷を紹介した。ここまで説明を受けた感じだと、あそこはサシバの生息に向いてるイメージっぽい。到着したとたん高評価。なるほどこういう感じがサシバがいそうな感じなんだな。なんとなくサシバ生息地のイメージはできた気がする。だがベテランはそれに留まらない。この地形だと、あの樹とか、あの樹とかにとまってる可能性が高い。と指摘しながら探している。そういうことが分かると、効率よく見つけられるんだな。

というわけで、サシバ調査には参加したいけど、ベテランさん達に比べると、発見効率は大幅に落ちることが判明した一日だった。研修とは、自分の至らなさを知る機会と見破った。


●2015年5月7日 タンポポ探してブタナを見つける

今日は、播磨灘岸の水鳥調査。もうカモメ類もカモ類もほとんどいない。調査は規定時間内に楽勝で終わる。ってことで、水鳥調査のついでにタンポポ調査もすることにした。で、黄色い花を探しながら自転車を漕ぐのだけど、やたらと目に付くのはブタナの花。そしてよく見てみても、ブタナの花はタンポポに似てる。タンポポ調査で大量のブタナの報告が届きそうだなぁ。


●2015年5月6日 カエル人気

中高生向けのカエルと水生昆虫の行事に行った。カエル人気のせいか、予想以上の参加者が集まった。いつも少人数でゆるく運営してるのに、いつもと勝手が違う。
人気の割には、アマガエルとトノサマガエルとシュレーゲルアオガエルしか見つからない。他にイモリも出たけど、カエル好きのみなさんに満足頂けたかは、ひたすら心許ない。
大きな敗因は、よく知ってるコースなのだが、コースの後半の田んぼがなぜか手が入ってとてもカエルが棲むような場所じゃなくなっていたこと。もうこのコースは使えないな。と、ちょっと残念な気持ちで帰ってきた。


●2015年5月5日 3日目にはお友達

3日から博物館友の会の合宿に来てる。実は2日からのオプションにも参加しているので、今日で4日目なんだけど、4日目から一緒にいる人は顔見知りばかり。そして3日目からは、初めて会う子ども達も加わった。

3日は、以前から知り合いの子どもは話をしてくれるけど、初対面の子どもは話をしてこない。知り合いの子でも、久しぶりだとまだ話をしてくれない。
4日、以前からの知り合いの子はだいたい話をしてくれる。初対面の子とも話をポツポツするようになってきた。
そして今日。初対面の子も普通に話をしてくれる。ってゆうか、パンチや蹴りまでやってくる。

合宿は3日でちょうどいい。
ただ、何人か3日では友達になれない子もいる。この次に会った時には、話をしてくれるかな?


●2015年5月4日 初めてのユムシ掘り

今日の干潟では、ユムシを掘れ。という指令と共にシャベルを渡された。干潟では、潮上帯とか、浜とか、打ち上げの海藻・海草の下とか、転がっている石の下とかを観察していることが多い。あるいは干潟の表面に転がっているものを見て歩いている。同行のおかんとか、萌蔵は必ずシャベルを持って、掘って歩いているけど、あまり掘りまくったことはない。というわけで、初めてのユムシ掘りな上に、初めてにちかい干潟掘りなのである。
どんな場所を掘ればいいのか分からないので、数打ちゃ当たる方式。ひたすら掘って何が出てくるか見て、移動してまた掘るを繰り返す。こんなんで取れるのかなぁ、と思っていたら、取れた。なんかフニャフニャの妙なものが出てきたと思ったら、それがユムシだった。なるほど、男の子のアレみたいだ。
結局、大物2匹、中物1匹、小物数匹をGET。かつて、ユムシがいっぱいと言って期待させて連れて行った愛媛県の干潟で、まったくユムシが取れなかったって事件があった。今回は違う。本当にユムシがいっぱい。前で懲りて、今回はあまりユムシを謳っていなかったけど、ここならプッシュしてもよかったなぁ。


●2015年5月3日 イトゴカイ採集入門

今日は干潟で、事実上、日本で現在唯一と言って過言ではない方によるイトゴカイ採集講座に参加した。
イトゴカイ採集は2回目。前回はイトゴカイぐらいしかいないと言って過言ではない淀川の汽水域だったので、あまり思わなかったが、今回はイトゴカイのようでイトゴカイじゃないのがいっぱいいるので、イトゴカイ以外を如何により分けるかが肝心。そこでイトゴカイ先生の人間ばなれした、というか不思議眼力を堪能させて頂いた。

とにかくイトゴカイはたいていとても細い。干潟の土をブロックで取り出して、割った時に、すき間にビヨヨ〜ンとのびる糸。それがイトゴカイだったりする。でもイトゴカイ以外のゴカイだったりもするし、ヒモムシというまったく別の生物だったりもする。
イトゴカイ先生は、イトゴカイが目的なので、その他のゴカイにはあまり興味はない。訊ねたらどんなグループか答えてくれるけど、褒めてはくれない。これはイトゴカイ?と訊ねると、違います。冷たく言われたり。ヒモムシも、パッと見にはゴカイとさほど違わない細長い動物だけど、かなり冷たい。イトゴカイ先生の先生はヒモムシ屋さんなので、珍しそうなのはサンプルを持って帰るようだが。
最初は、どれをイトゴカイと言って、なんでこれは違うと言ってるのか分からなかった。説明してくれてるのに理解できなかった。でも、何度も見て、何度も訊ねる内に、なんとなく分かってきた。イトゴカイはとにかく赤い。血のように赤い。他のゴカイ類もヒモムシもそこまで赤くないのが普通。そして、なんかイトゴカイは赤が濃くて黒っぽいところと、ちょっと赤が薄いというか鮮やかなところのマダラになっている。この特徴は他のゴカイには絶対にないみたい。

というわけで、イトゴカイが見分けられるようになった後半は、かなり効率よくイトゴカイ先生に献上することができるようになった。イトゴカイ採集の終わり頃。やけに太いイトゴカイを見つけた。太い上に、とても長い。本当にこれイトゴカイかなぁ?と思いつつ、イトゴカイ先生に見せると、大興奮。これは珍しい。これ欲しかったんです! でもすぐに熱は下がる。頭が付いてない〜。残念。
イトゴカイは頭が命。頭がないと同定も記載もできない。長いのを切らないように頑張って採集したのに、端っこを取り逃していたとは〜。あまりに残念なので、採集した辺りをもう一度念入りに探したが、頭は見つけられなかった。めっちゃ褒めてもらえるチャンスだったのに、とても残念。

この敵はいつかどこかで! とも思うけど、イトゴカイは採集した後、なんやかんやで、上手に固定して、なんやかんや。採集してからがけっこう面倒そう。イトゴカイ先生がいないと、採集しても仕方が無い感じなのが、なんか残念。
また、いつかイトゴカイ先生とイトゴカイ採集に行きたいところ。


●2015年5月2日 白石島探検記

千鳥のダイゴの故郷が北木島。その北にある白石島に行った。
フェリーは笠岡市伏越から出てる。1時間に1便。島には45分弱で着く。片道大人480円。地元の足だから便利で安い。行きの便の出航は10分近く遅れた。いったん動き出したのに、止まったまま数分。車が1台滑り込んできた。ちょっと待って〜、と連絡したら待ってくれるらしい。出だしから島らしい感じが漂う。
島に着いても、期待に違わぬ島らしさ。車は誰もシートベルトしていない。バイクでヘルメットしてるのは警察だけ。前触れなく、島を一周する道路を通行止めにして、工事。なぜか地元の婆ちゃんが仕切ってて、怖い。
でも、一番は浜で出会った爺ちゃん。

砂浜に腰を下ろして、昼食を食べていたら、浜の端っこから波打ち際ちょい上を、爺ちゃんがこっちに歩いてくる。時々何かを拾っている。ビーチコーミング? なんか良い物が落ちているのかな? ちょっと興味を持って見ているうちに近づいてくる。近づいた爺ちゃんを見て、ようやく何を拾っているのか分かった。打ち上がった海藻を拾ってるんだ!
ちょっと前に読んだ本にあった。瀬戸内海では、打ち上がった海藻や海草を拾い集めて、広く肥料に使われていた。ときには取り合いになったり、揉め事を避けるために、いつどこの海藻・海草を拾っても良いか決まりを定めたり。とにかく、かつて打ち上がった海草はとても大切な資源だったのだ。
あれって、もしかしたら肥料にする海藻を採ってるんじゃ? と思っていたら、となりで一緒に昼食を食べていた水草兄ちゃんが、爺ちゃんのところに飛んでいって、矢継ぎ早に質問をぶつける。爺ちゃんは驚いたようで、ビクッとして答えたくなさそうだったが、少し答えてくれた。打ち上げの藻を採ってるらしい。それを畑に入れて肥料にするらしい。

え〜、その習慣がまだ残ってたとは!  てっきり高度経済成長期頃になくなったと思っていた。これは瀬戸内海展的にとても重要。あわてて萌蔵を探しにいって、ご注進。
その後、浜の向こうに遠ざかっていく爺ちゃんをつかまえて質問していた。水草兄ちゃん相手とは違って、いろいろ教えてくれた様子。でも結論は一緒。まだ打ち上げの海藻・海草は利用されていたんだなぁ。本で読んだことを確認しただけなのだけど、なぜか感動。


●2015年5月1日 ヒヨドリグッズ

ヒヨドリグッズコレクターとしては、ひよろり書店はありがたい。ひよろり店長のグッズは自動的に、ヒヨドリグッズなのだから。先月もそれで、ヒヨドリバッジを入手した。
そして、昨日。ミュージアムショップのカウンターをふと見ると。なんとヒヨドリグッズがあるではないか! こんなんが入荷してるとは知らなかった。買わねば。でもちょっと高い。でも買わねば。買おうかどうしようか?


●2015年4月30日 2015年4月のまとめ たまご展準備本格化

4月に入って新年度。あんまり学芸員に新年度は関係ないけど。ただ夏のたまご展の準備は本格化した。同時に新たな仕事もちょこちょこ増えた。

とにかく夏の特別展オープンまでは、その準備が最優先。
今月は解説書執筆が最高潮。先月末が前半の締め切り、今月末が後半の締め切り。例年になく原稿締め切りが早い。そして驚いたことに早めに実際集まっている。で、編集担当的には、編集の仕事モードになってきた。
同時に展示品の手配も本格化。外部資金が獲得できずに東の国から大きな卵を借りるのは断念。代わりに西の国にお願い中。動物園に借りる卵の下見。借りる巣の交渉もした。だいたい展示品はなんとかなりそう。
展示の配置案もおおむねかたまった。プレス原稿もそろった。合わせて関連行事もそろってきた。広報戦略の検討も本格化。
どうやら、夏の特別展は開催できそうだ。

一応、他の部分を振り返っておこう。
まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘岸水鳥調査は無事完了。カモ類やカモメ類が減って、調査はらくちん。
3月に起動した地元公園の巣調査はけっこう一段落。
今年度からスタートする外来生物調査プロジェクトの相談。来月から本格スタートとなる。

普及行事は、例年通りジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、鳥の調査の勉強会がスタート。活動報告会、地元公園での鳥の観察会2発。この辺りはすでに恒例化。

研究関連では、先月後半に本格スタートした博物館学的アンケート調査が本格化。けっこう回答もたまってきたので、アルバイトさんに入力をお願いした。
今年度から博物館実習の受け入れ担当になったので、受け入れ伺いに対する対応の仕事も。

とまあ、再び忙しい日々に入ってしまい。懸案の大阪の哺乳類本の編集執筆は滞ってしまった。どうしたもんだか。


●2015年4月29日 プロジェクトAスタートアップ

AはAlianのA。今度のプロジェクトは外来生物がテーマ。分類群横断での調査地設定しての調査企画あり、分類群横断で大阪府全域の分布調査をする環境を選定し、そして分類群ごとの調査企画あり。と、今まで以上に盛りだくさん。
5月15日がプロジェクト本格スタートの日。その日以降には、ウェブサイトを立ち上げて、調査の告知、調査メンバーの募集もあるので、よろしく〜。

最終的には、大阪府周辺の外来生物一覧めいたものを作り、それぞれの生息状況を把握したいところ。だけども、他の機関や研究者が調査してるのでそのデータを使えばいいもの、すでに博物館での情報収集が進んでいるもの、とりあえず情報や死体を募集するにしてもプロジェクトとしてさほど取り上げないもの、そしてプロジェクトとして取り上げるもの。いろんなパターンがありそう。プロジェクトとして取り上げるのは、多くの人が調査に参加しやすく(身近だったり識別しやすかったり)、調査して面白く(すでにすべての場所に広まりすぎておらず、かといってさっぱり見つからないくらい少なすぎず)、あるいはみんなで調査することで外来生物問題に目を向けてもらう効果があるもの。
そして、プロジェクトとして取り上げるとしても、大阪府で調査するか、関西、西日本、日本全体と色んな調査エリア設定がありうる。

で、とりあえず担当分野の調査について軽く考えてみた。
【哺乳類】
・ノネコ:都市の自然調査プロジェクトから継続 →★プロジェクトで!★<調査域:西日本>
・ノイヌ:大阪ではあまり見つからない。
・アライグマ: →大阪府や市町村の駆除のデータが一番信頼性が高く、データ量も多い。
・チョウセンイタチ:識別が難しい。 →死体を募集
・ハクビシン:見つけるのは難しい。 →死体を募集
・ヌートリア:すでに情報募集をしてる。 →★プロジェクトで!★<調査域:大阪府>
・家ネズミ類:すでに広まりすぎてるしなぁ。 →死体を募集。
・タイワンリス:生息地は限られるけど、注目したい。 →★プロジェクトで!★<調査域:関西>
・カイウサギ:見つけるのは難しい。
・イノブタ:識別が難しい。

【鳥類】
・カモ類(コブハクチョウ、アイガモ、アヒル、マルガモ、ガチョウ、バリケン) →★プロジェクトで!★<調査域:大阪府のため池>
・コジュケイ:うーん。どうしよう?
・ドバト:すでにどこにでもいる。
・ハッカチョウ:都市の自然調査プロジェクトから継続 →★プロジェクトで!★<調査域:西日本>
・ソウシチョウ:過去に調査経験有り →★プロジェクトで!★<調査域:大阪府>
・ベニスズメ:興味はあるが、もうあまり見かけない。

【爬虫類】
・アカミミガメ:すでにどこにでもいる
・カミツキガメ:見つけるのは難しい →情報募集
・ワニガメ:見つけるのは難しい →情報募集
・その他外来カメ類:識別が難しい →情報募集(or種をしぼってプロジェクトで?)

【両生類】
・チュウゴクオオサンショウウオ:識別も見つけるのも難しい →京都大学にお任せ
・ウシガエル:すでにどこにでもいる


●2015年4月28日 古きを訪ねる活動報告会企画

昨年は、大阪市立自然史博物館開館40周年。今年は、大阪市立自然史博物館友の会設立60周年。この調子で毎年、チョメチョメうん周年で毎年続けられるんじゃないかなぁ。

たとえば、
2014年:大阪市立自然史博物館開館40周年
2015年:大阪市立自然史博物館友の会設立60周年
2016年:大阪市立自然史博物館が直営から指定管理になって10周年
2017年:大阪バードフェスティバル初回から10周年
2018年:大阪市立自然科学博物館 靱公園移転60周年
2019年:初代館長筒井嘉隆 没後30周年
2020年:大阪市立自然科学博物館展示開始70周年
2021年:情報センターオープン20周年、NPO法人大阪自然史センター設立10周年
2022年:大阪市立自然科学博物館 登録博物館に登録70周年
2023年:なにわホネホネ団結成20周年
2024年:大阪市立自然史博物館開館50周年

ちょっと不思議なのも混じってるけど、あとは永遠にまわすだけ!


●2015年4月27日 動物園で卵あさり

夏の特別展で借りる卵の下見に、某動物園に出掛けた。たった1時間だったけど、面白かった。1日楽しめるなぁ。

卵を借りに行ったら連れて行かれたのは、とある建物の奥。剥製がいっぱい詰まっている狭い部屋。ここに剥製がたくさんあるのは知ってたけど、卵もここに隠されているらしい。
で、引っ張り出されてくる段ボール箱の数々。貸し出し用にセットされている卵もあるけど、大部分は卵を箱でまとめ買いしたときについてくる、卵形にボコボコの凹みがある紙に乗っかってる。それが段ボール箱の中に何段も入ってる。なんとなく、どんな卵が所蔵されているかのリストはあるけど、どこにあるかは曖昧。そして個々の卵にはラベルはなく、卵自体に種名が書いてある。
というわけで、借りたい卵を段ボール箱の中の卵を1つ1つチェックして見つけていく。リストにあっても見つからないのがあったり、リストにないのになぜかある卵の数々。そして、リストにあっても割れていて展示に向かなかったり、思った色合いでなかったり。やはり現物を確認しないと、展示に使えるかどうか分からない。

卵への愛が少ないのか、とても信頼されているのか。一人で卵の入った段ボール箱の山の中で、半日戯れた。戯れ終わって思ったけど、今日は借りる卵のリストを作るために来たけど、借りる時は再び同じような作業を繰り返すのかぁ? リストにあって、どうしても借りたい卵がいくつか今日は見つからなかった。借りに来たときに、もう一度探さなくては。見つかればいいなぁ。


●2015年4月26日 館長 7代目・8代目

昨日、とある高座の司会をさせて頂いた。前座は、新人コンビの「館長 7代目・8代目」。のっぽと小柄なおじさん二人のコンビ。
スタンドマイクを1本用意しておいたら、立ってのネタは嫌だという。ちょっと年配だからだろうか。椅子と机をもってきて、ハンドマイクを互いに渡し合いながらのネタ披露。変わったスタイルだ。

新人コンビを盛り上げてあげようと、二人のどちらが面白いかを、司会役がジャッジするという趣向を、突然ぶつけてみた。客席のみなさんのリアクションを司会が観察してジャッジすることにする。より多くのリアクションを引き出した方が勝ちである。
それを予測していたのだろうか。7代目は、姑息なことにスライドを用意してきていた。一方、8代目は手ぶらでの挑戦。経験の違いがあらわになったというべきか。

で、ジャッジシートは、
笑い:9対5で7代目
頷き:1対2で8代目
驚き:4対3で7代目

という訳で勝者7代目。8代目の今後の頑張りに期待しよう。


●2015年4月24日 歴代館長 +友の会初代会長の謎

明日、新旧館長対決の仕切り役をしなくちゃなので、歴代館長を復習してみた。

初代:筒井嘉隆(1952年10月〜1965年7月)→在任12年10ヶ月
二代目:千地万造(1965年8月〜1986年3月)→在任20年8ヶ月
三代目:小川房人(1986年4月〜1991年3月)→在任5年
四代目:柴田保彦(1991年4月〜1995年3月)→在任4年
五代目:宮武頼夫(1995年4月〜1998年3月)→在任3年
六代目:那須孝梯(1998年4月〜2004年11月)→在任6年8ヶ月
七代目:山西良平(2004年4月〜2015年3月)→在任10年
八代目:谷田一三(2015年4月〜)     →在任1年目

ちなみに那須孝梯は、2004年11月は死去。その後、4月までの間、館長は不在だった。館長って不在でもとくに問題ないんだなぁ、と思わなくもなかった。まあ、いざと言う時に必要な存在だからね。
山西は、千地と筒井につぐ長期政権だったんだなぁ。

この間の大きなイベントを仕切った館長は、
・靱に開館させた筒井館長
・長居への引っ越しを実現させた千地館長
・情報センター増築を実現させた那須館長
ってところだろうか。千地館長の背後には日浦学芸課長が、那須館長の背後には山西学芸課長がいたってことは、付け加える必要があるかと思うけど。

ちなみに個人的に館長として知ってるのは、四代目以降。三代目も見たことあったはず。二代目は、なんやかんやで会う機会があったけど、元館長というより気の良いおじいちゃんイメージ。初代は、まったく知らん。息子は本も読んでるし、テレビで見かけるけど。

【追記】
ついでに、友の会会長も復習しておこう。博物館友の会の前身は自然科学研究会で、さらに前身は博物館後援会。後援会ができたのが1955年なので、今年が60周年。なのだが、後援会ができて3年後に自然科学研究会になるまでの間、会長はいなかったらしい。規約には会長を決めるかのように書いてあるのに不思議だ。代わりに博物館館長が、後援会会長として機能していたらしい。1958年に自然科学研究会になってからも2年間は会長不在で、1960年にようやく初代会長が就任している。

初代:和邇俊二郎(1960年4月〜1968年7月)→在任8年3ヶ月
二代目:三木茂(1971年3月〜1974年2月)→在任3年11ヶ月
三代目:粉川昭平(1974年10月〜2001年10月)→在任27年
四代目:西川喜朗(2002年1月〜2015年1月)→在任13年
五代目:鍋島靖信(2015年1月〜)→在任1年目

ちなみに初代から三代目までは、すべて逝去して会長を退いている。生きて会長を辞めたのは四代目のみ。てっきり四代目も死ぬまで会長だと思ってたなぁ。
こちらも三代目以降とは面識がある。

【追追記】
なんと、和邇俊二郎さんの前に、初代会長として北川久五郎さんがいたことが判明! なぜか、Nature Studyの創刊号から1959年までながめても、北川久五郎さんの名前は出てこない。これを友の会初代会長の謎として記憶にとどめておこう。

ともかく初代会長が北川久五郎さんなので、以降の会長の代は一つずつずれることになる。


●2015年4月22日 真珠さがし

岡山県で入手したタイラギを処理していた萌蔵が、真珠だ!と叫ぶ。どれどれと見てみる。散弾にしか見えない。でも、拡大したのを見ると、表面はつるつるでいて、ちょっといびつ。確かに貝が関与して作ったものらしい。小さいけど、黒真珠やな。


●2015年4月21日 干潟で子牛を拾った

岡山県に干潟調査。とある干潟に着いて、最初に目に付いたのは、漂着した子牛の死体。これは持って帰らなくてはなりますまい。
というのは建前。干潟調査に来てるんであって、骨拾いに来てる訳ではない。ウミガメやスナメリの骨格が落ちていたら、もちろん回収する。鳥の死体も拾って帰る。でも、子牛って〜。丸ごと持って帰れないし、丸ごと送ることもできない。解体しろってか〜。

もし他に誰もいなかったら、見なかったことにしたかも。でも、今日は他に学芸員がいるのみならず、ホネホネ団の中心メンバーが他に3人もいる。これでは子牛を無視したらバレてしまう。
子牛の死体を見つけた時、不思議な空気が流れた。他のメンバーも似たようなことを考えたのかもしれない。まあ、団長だけはためらいなく回収を決意したようだけど…。

で、とりあえず子牛の解体に使える道具に何があるか、各自が手持ちの道具を出してみる。カッターナイフが4本ほど。まあなんとかなるか。
皮はすでにどうしようもないので、ためらいなく切り離す。内臓を取り出して、大きめの肉もはずして、いくつかのパーツに切り分け。ってことで、4人がかりで小一時間で解体完了。
植物屋さんは、あっという間に解体!と感心してくれたけど、そんなに手際が言い訳では無かった。こういう時、カッターナイフは使えるようで、使えない。折って新しい刃に出来るノアいいけど、頼まない場面で折れまくる。しっかりしたストッパーがあればいいけど、なければ力を入れたら引っ込んでしまったり。

今度から出かけるときは、メスか解剖刃を持っていきたいところ。だけど、手荷物検査されるとまずいしなぁ…。


●2015年4月20日 はじめてのナミキソウ

今日と明日は岡山県で干潟調査。今日は船で渡って春の大潮にだけ現れる干潟を調査、の予定があいにくの雨で断念。代わりに干潟を2ヶ所巡った。
最初は地図には養魚場と書いてある。それが埋め立てて開発されかけで止まり、干潟になったって感じの場所。あまり生物は豊かではなかった。
2ヶ所目は、前浜干潟。海岸線はそこそこ続くが、干潟は小さめ、浜と陸側の植生帯の幅も狭い。あまり期待できそうにない。でもここに、初めてのナミキソウがいた。

浜に出てとりあえず左へ。なんか陸側に植物が生えてるから。歩きだしたけど、あまり面白くない。ハマダイコン、ハマエンドウ、ハマヒルガオ程度しか生えてない。つまらないなぁ。と思っていたら、ハマボウフウが見つかりだした。まあまあだな。と、とある一画に、見たことあるような、あまり見ないようなのが生えてる。しょぼいハマボウフウ風だけど、これって、あれじゃ? そばにいた植物の先生に見てもらう。ハマニガナだった。やったー。瀬戸内ではけっこう珍しい。
植物の先生が勝手に決めた「瀬戸内の砂浜で見つけたらエライ」の四天王の一つ。でも、四天王の中で最弱。と言いながら喜んだ。この調子で、他の四天王のウンラン、ナミキソウ、スナビキソウが出ないかなぁ。と、冗談で言っていた。
で、再び砂浜を進む。しばらくして、今度は植物の先生が大きな声を上げた。ナミキソウだ! 近寄ってみると、その辺り一帯にナミキソウの芽生えが生えていた。初めて見た。まさかこんなしょぼい砂浜で出会うとは…。これならあちこちに生えていて良さそうなのに。

四天王の内、2つが生えてるとは、この砂浜はなかなかやる。干潟でもウスバシャミセンガイやウミサボテンが見つかり盛り上がった。浜は見かけによらないもんだ。
そして、ナミキソウとハマニガナが生えてる場所のイメージが少しできた。これを活かして播磨灘で四天王を見つけるぞ〜!


●2015年4月19日 タマゴのプレ展示

夏のタマゴの特別展に向けて。本番の展示の前に、プレ展示がいくつかある。例年、大阪市立図書館での展示が入り、市内の地域館での展示はすでに2館で始まっている。で、今度の水曜から大阪府立中央図書館での展示がはじまる。地域館は展示スペースが小さいから準備も簡単なのだけど、中央図書館はちょいと展示スペースが大きいので、ちょいと面倒。
で、展示を作成中。というか、考え中。夏の本番には使わないタマゴで展示を作らないといけないから使えるタマゴは限られる。一押しの自慢の逸品は、本番にとっておきたいし。で、何を並べるか悩む。大きなタマゴと、身近なタマゴの2本立てかなぁ。地域館と同じテーマだけど、少し分量増やして。

地域館巡業で並べたタマゴは、
・大きなタマゴ:エミュー
・身近なタマゴ:ハシブトガラス、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、ツバメ、スズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、メジロ

中央図書館で並べるタマゴは、
・大きなタマゴ:ダチョウ、エミュー、コハクチョウ、シチメンチョウ
・身近なタマゴ:カワウ、アオサギ、ゴイサギ、バン、ハシブトガラス、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、モズ、スズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ

全部並べるスペースがあるか、ちょっと心配になってきた。説明をいっぱい付ける余裕はもうなさそう。
ちなみに中央図書館でツバメがないのは、バックアップが見つからなかったから。大きなタマゴでは、ヒクイドリもあるんだけど、別の場所に出張中。クマタカとかアホウドリとかもあるんだけど、出し惜しみ。


●2015年4月18日 ミゾゴイ調査不発

数年前、岩湧寺の近くで、ミゾゴイを見たという画像を見せて頂いた。あー、この辺りにもミゾゴイがいるんだなぁ。と、当時は思っただけ。
でも、大阪府レッドリストの改訂に関わるなどして、希少種ミゾゴイの大阪府での棲息状況が気になってきた。と、昨年秋のフェスティバルで、ミゾゴイの話を聞いた。そうか、4月半ばに繁殖地に渡来。その頃が一番よく鳴くのか。
というわけで、4月半ばの今日、ミゾゴイ調査に出かけてみた。一人で行くのは寂しいので、鳥のサークルの観察会として。

日暮れ時に、天見駅に集合。流谷を通って、軽く峠を越えて加賀田川沿いへ。加賀田川を遡って岩湧寺。岩湧寺でムササビを観察して、同じ道を引き返してきた。
えっ? ミゾゴイ? なんのこと? その鳴き声を探しにいったんじゃないかって? カケスは鳴いてたけどなぁ。フクロウらしき鳥が飛んだらしいけどなぁ。夜の鳥はなんにも鳴いてなかったなぁ。


●2015年4月17日 貯食散布の分布

植物屋さんと、いろんな散布形態の話。

貯食散布する動物には、ネズミ、リス、カケスとかが思いつくけど、他にはどんな動物が関与するの? と訊ねると、思い当たらないという返事。え〜、そうなん?
でも、熱帯とか色んな動物がいる場所で、なんか貯食する動物とかいないの? 年中タネが供給される環境で貯食する動物なんていないんじゃ? と逆に問い返される。なぁるほど、確かに。タネの供給に季節性があってはじめて貯食をするのは、動物側から考えれば、その通り。

ということは、貯食行動というのは、食物供給に季節性があってはじめてある訳で、季節性の少ない低緯度域にはあまり見られず。必然的に貯食行動も、低緯度域ではあまり存在しないということになる。
貯食散布される種子になにか特徴があるなら、その特徴をもったタネも低緯度域には分布しないことになる。

でも、低緯度域でも、気温の季節性は少ないとしても、降雨量の季節性はありそう。そんな季節性に応じた貯食行動はないのかなぁ。


●2015年4月16日 ネコのいる漁港

四国の播磨灘岸の漁港よりも、淡路島の播磨灘岸の漁港の方が、ネコが多い気がする。気がするというのも曖昧だけど、ネコがいても必ずネコに出会えるわけじゃないので、どうしても少し曖昧。
とはいえ、何度も通っていると、淡路島のたいていの漁港であれば、一度はネコに出会ったと思う。しかし、四国の漁港ではネコに出会ったことのある漁港の方が少ない。どうしてかなと思って、1つ気づいた。
淡路島に野良犬はいないけど、四国には、けっこう野良犬がいる。徳島県から香川県まで、四国側の海岸線には、しばしば数匹の野良犬の群れを見かける。とくに攻撃的ではなく、人を見るとさりげなく避けていく。また漁港に野良犬がいついている所もある。これがネコに影響するんじゃないか?

小さい頃を思い起こせば、大阪にも多くの野良犬がいた。その頃、野良猫を見た記憶がない。野良犬がいると野良猫がいないとすると、過去と現在の大阪のパターンも、現在の兵庫と四国のパターンも説明がつく。どうかな?


●2015年4月15日 淡路島でタンポポ調査

今年はタンポポ調査の年。といっても、昨年の予備調査で、すでにけっこうデータは集まってる。すでにプロットが山のようにある大阪府とか、香川県とかを今更調査する気があまり起きない。とこどが、予備調査のプロットを見ると、淡路島にあまりプロットがない。毎月回っている播磨灘岸には、さっぱりプロットがないといっても過言ではない。それじゃあという事で、今日の淡路島播磨灘岸の水鳥調査のついでにタンポポ調査もする事にした。

あんまり頻繁に採っても褒めてもらえそうにないし。そもそも頭花を1つ採集するたびに、報告用紙にいっぱい書き込まないといけないので、かなり面倒。面倒なだけでなく、肝心の水鳥調査にも支障がでかねない。1/25000地形図1枚につき2ヶ所ずつくらい採集することにしよう。
と思ったのだけど、意外なことに、タンポポがそんなに見つからない。タンポポなんて道路沿いや海岸にいくらでもありそうなのに…。海岸にはあまりないし、道ばたにもまばら。結果として、見つけるたびに採集するようなことになった。
一番見つけやすいのは道路沿いの造成地みたいな場所。なので当然のように採集できたタンポポの多くはセイヨウタンポポか、セイヨウタンポポ系の雑種。
調査に参加してはじめて、タンポポがどこにでも生えているわけではないことに気づいた。なんでも思い込みはいけないなってことかと。


●2015年4月14日 姫路市〜たつの市でスーパー調査をやってみた

海岸の水鳥の調査の帰り道。スーパー調査を試みてみた。いろいろ課題もありそうだけど、いろんな可能性もあるように思う。もう一つ判ったのは、値段を記録するのはなかなか面倒。

◆道の駅みつ
室津産牡蠣、アサリ、チヌ、カワハギ、舌平目、ガシラ、スズキ、天然マダイ、マダコ、コチ、オコゼ、シャコ。
兵庫県産天然マダイ、タチウオ、イサキ、本庄貝、サザエ。
瀬戸内海産アナゴ、シラス、カナギ。

◆マックスバリュ御津店
室津産メイタガレイ、コチ、赤舌ビラメ、 スズキ。

◆マルナカ広畑店
兵庫県産黒めばる、タチウオ、白さばふぐ。
明石産スズキ、メイタガレイ、天然マダイ。
瀬戸内海産赤舌。
愛媛県産天然真鯛、養殖シマアジ、養殖ハマチ。
鳴門産わかめ。

◆ボンマルシェ姫路店
兵庫県産青なまこ、地物あかした、地物こち、地物てんこち、いかなご、釜上げシラス。
愛媛県産養殖はまち、養殖真鯛、イトヨリ、サザエ。
香川県産養殖はまち。

◆パントリィ姫路店
兵庫県産地物赤舌、あんこう、サヨリ。
徳島県産いさき。
香川県産天然桜鯛。
愛媛県産養殖桜鯛。

店舗や系列による偏りはありそうだけど、地域によってどの産地の魚が流通しているかは、ある程度わかるような気がする。


●2015年4月12日 昔のケリの分布

ケリの分布って、時代と共に、随分移り変わってきた。と思う。ただ、それは戦後の話をしてるだけ。せいぜい50年程度の間のこと。
万葉の頃、関西のケリの棲息状況は?ってな話を、ネットで目にした。そんな昔の事は判らない。けど、判れば面白いな。なんとか判る方法はないものか?
で、ふと昔の大阪のケリの棲息状況なら判ることに気づいた。ほうほうと思っていたら、尻尾がさらに昔の日本の鳥の本のコピーを持ってきた。
メジャーな鳥ならば、文献を探っていけば、ある程度明らかにできるかもと思ったりし始めた。

ちなみに大阪の昔の鳥の話といえば、榎本佳樹さん。榎本さんによると

●「大阪府の鳥類に就いて」(1934)in「大阪府郷土博物誌 第一号」: 38-51.
 ケリは確認記録はあるが、けっこう稀な鳥で、旅鳥とされている。

●「大阪市内で繁殖する野鳥に就いて」(1939)in「百田博士祝賀記念誌 論文篇」(岩田正俊編.大阪博物学会,大阪): 876-881.
 大阪市内で繁殖している鳥として、ヒバリ、オオヨシキリ、セッカ、ヨシゴイ、カルガモ、シロチドリ、コチドリは出てくるけど、ケリは出てこない。当時大阪市内には田んぼがいっぱいあったはずだけど、ケリは繁殖していなかったらしい。

そういえば1980年代前半、岸和田市で初めてケリが繁殖した。日本全体でも最南端記録だ!と観察会で盛り上がっていたことがあったっけ。


●2015年4月10日 スーパー調査拡大版

先月辺りから密かに実施してきたスーパー調査だが、今日の会議で拡大して実施することが決まった。と思う。まずは身内で試して、調査の仕様をかためてから、広く情報募集に転じる予定。その折りには、是非ご参加を〜。

【追記】
と書いてから、半年。いまだに身内で試している段階。ってゆうか、試しているのは一人だけ? みんなスーパー調査しようよう〜。


●2015年4月9日 ヘラサギ観察記

今日は、明石から姫路の海岸の水鳥調査。もう海ガモの大群はほとんどいないし、カモメ類の群れも小さくなってるはず。楽勝ですぐ終わるはずだったのだが、思わぬ伏兵が出現した。
場所は加古川の河口。相生橋の下流側の中洲。ホシハジロの群れは見当たらず、ヒドリガモすら数羽だけ。ここまでは予定通り。でも、中洲に1羽見慣れない大きい鳥がいるのに気がついた。
白いサギにしては、脚が少し短いし、胴体が太いし、何より胴体が横長になってる。これって、嘴が平たいあの鳥では? と思うのだけど、肝心の嘴が見えない。しばらく待つけど、寝たまんま。嘴の平たいのであれば、昔ほどでないにせよ、それなりに珍鳥。ちゃんと確認したいけど、ぜんぜん起きない。制限時刻前に調査を終えないといけないから、いつまでの待つことはできない。うーん。嘴の平たい鳥のどっちかなのは確かだと思うけど、どっちなのかは、頭見なくて判断するにはどうしたらいいのか…。
とりあえず調査の続きで河口の先端まで行って戻ってきたら、ヘラサギ系くんが、起きていた。首を左右に振って採食してる。と思ったら飛んだ。グルグル回ってから、上流へ飛び去った。ツラは黒くない感じ。同定できてよかった。

一通り調査して、自転車で同じ道を引き返す。三度通りかかった相生橋。最初に見つけた場所でヘラサギが採食中。首を左右に振りつつ、けっこうな速度で前進しようとする。ヘラが邪魔。で、首をひねって、ヘラを横向けて強引に前進。首を痛めそう〜。
いっぱいじっくり観察できて、得した感じ。


●2015年4月8日 大阪府鳥類目録改訂版の打ち合わせ

すでにえらく時間がかかっているのだけど、出版は、来年の後半になるらしい。なーんだ。まだ一年半あるやん。余裕余裕。と言いながら、編集担当の2人は打ち合わせをしたのであった。

とにかく今回の鳥類目録は、ちゃんとデータに基づいて、季節毎の分布図を作ろうとしている。渡りってものがある鳥では、一年をひとまとめにした分布図には何の意味もない。意味のある分布図にするには、繁殖期や越冬期などに分けないとしかたがない。のだけど、これがとにかく面倒。
1種につき4つの分布図。1/25000地形図を4分割したメッシュで作るという粗い分布図なのだけど、どうしてもいるはずなのにデータが足らなくて、何故か抜けているメッシュが出てくる。抜けメッシュを埋めるにはどうしたらいいかが、打合せの一番大きなテーマの1つ。
もう一つは逆で、ぜーったいこんな場所に、こんな時期に、この種はでないだろう? という情報をピックアップして、情報の確度を議論し、採用するか再確認するかを判断する。とにかく、やたらと珍しい鳥の情報を連発する人がいたりして、その人の情報が信頼できるか悩まされる。

2人それぞれが宿題を頂いて、今日は解散。また夏頃に続きをしなくっちゃ。それまでに抜けてるメッシュの調査も少しは出来るかも。


●2015年4月7日 教員向け常設展ガイドツアー顛末

4月初めは、春の遠足の下見に、大勢の教員が来館する。それに合わせて、常設展の展示ツアーが企画された。今日と明日の2日間、それぞれ午後3時から40分間のプログラム。で、なぜか今日の担当がふられた。
今日は、遠足の下見の教員はあまり多くない。これは参加者いないかな、と思ったら、9人集まったので、スタート。教員と言っても、小学校と中学校では、ニーズは違いそう。もしかしたら幼稚園の先生も混ざってるかもしれない。うかつな事に、そこんところを確認するのを忘れた…。
遠足のピーク時は、子ども達がゆっくり展示を見る暇はなく、列を作ってぐるぐる巡って歩くだけ。せっかく展示を目にしてるのに、あまりに残念。せめてポイントポイントの見所だけでも、先生の方に知ってもらって、要所で少しでも説明してもらおう。
というのが、この企画の本来のコンセプト。出だしでは、そうした前振りをしてスタートしたのだけど、ガイドを始めるとそんな事はすっかり忘れてしまった。で、もっぱら喋ったのは、展示の裏話。展示の作り方、どのくらいコストがかかっているか、メンテナンスがいかに面倒か、てな話。
とりあえず、話した内容を記録しておこう。次の機会には、もう少し賢くなる話をしよう。

オリエンテーションホール
・ナウマンゾウ:あれはマンモスではなく、ナウマンゾウ。日本でマンモスがいたのは北海道だけ。
・古い地図:明治から最近までの地図が並んでいるので、自分の家の周りが昔どうなっていたかを調べると楽しい。各地図を手元で比較するシステムもある。

第1展示室
・大きなゴキブリ:つかみです。キャー気持ち悪い!と言ってもらえれば成功。
・照葉樹林ジオラマ:なんやしょーむない展示に見えるけど、これにはコストがかかってる。緑色の植物は全部レプリカ。植物のレプリカはとても高価。手前の落ち葉が粉粉してるのは、電球を変えるとき…。
・淀川わんど:イタセンパラをはじめ、大阪を代表する自然がある。といったら、イタセンパラを知ってる人が少数派。
・干潟:ここのカニは本物。このカニを踏まずに電球を変えるには、足を下ろせる場所が決まってる。手前にあるキノコみたいなのは、カニの巣穴をかたどったもの。

第2展示室
・大阪市の地下からでたクジラホネ:昔の大阪は海だったので、地下には海の生き物の死体が埋まっている。このクジラのホネは、地下鉄工事の際に出てきたもの。
・アロサウルスなど中央展示台:全部、実物ではなくレプリカ。レプリカというと、な〜んだ偽物か、とよく言われるけど。実物を精巧にかたどったレプリカは、それ自体が研究対象にもなるもので、偽物とは違う。
・触れる恐竜化石:この展示室で実物の恐竜化石は、この触れる恐竜化石だけ。
 →化石にライトを当てて、天井や壁にその陰を作っている。自分で強力ライトを持ってきて照らしても面白いかも。

2階ギャラリー
・カエンタケ:他の毒キノコは触っても大丈夫だけど、カエンタケだけは触るだけでも危険。
・セミの抜け殻:うつぼ公園で20年以上にわたって、9月にセミの抜け殻を全部集めて数を数える調査を、行事として行っている。その成果の抜け殻の山。
・黒水晶:大阪の人は、他都道府県とは大きく違うところがある。触れるものは何でもさわり、それが外れると持って帰ってしまう。黒水晶も随分減ったらしい。
・キャベツの仲間:ケールも、芽キャベツも、コールラビも、みんな生物学的にはキャベツと同じ種類。

第3展示室
・ナガスクジラのホネ:寛骨は後脚の名残。短いけど首があって、頸椎の数は、人と同じく7つ。
・リュウグウノツカイ:昔は随分貴重なものだったのだけど…。

第5展示室
・ドングリコースター、島の生物地理学スマートボール:アナログゲームは人気があるけど、すぐに壊れる。
・ハチ擬態のゲーム:鳥になったつもりで、虫を捕ってハチ擬態の有効性を実感。
 →この展示室は全体的に、子どもに遊んでもらおうというコンセプト。たぶん子どもは遊ぶだけで、その背景の説明は読まないだろうけど、それでもいいかと。ゲームをして、それの攻略を考えれば、なにかしら生態学的な内容に気づくはず。何度も遊んでいる内に、子どもの中に何かしら残ったらそれでいい。


●2015年4月6日 里山と里海

『里海の生活誌』という本を読み中なんだけど、里山と里海の違いが気になって仕方がない。近い過去に人が利用してきたのは、価値ある環境だったのは同じかもしれないけど。人の利用がその環境を維持してきたかと言えば、里海は当てはまらない。生物多様性の視点からは、同列に語れないと思う。


●2015年4月5日 今年も研究計画の日

今日はここ数年の恒例行事。鳥の調査研究をしてみたいみんなが集まって、研究計画を言い合う日。午前は植物園で鳥を見ながら、どんな研究ができそうかを考えてウォーミングアップ。今年は初心者が多いので、指導的なコメントを中心に。で、午後は、各自が実際にするはずの調査の研究計画発表会。及び、昨年の参加者からは、この一年の調査成果の報告。

集まったのは10人。内、5人は昨年からの参加者。で、昨年のこの場で宣言した調査のその後の展開とか、今年の研究計画を発表。5人は今年初めての参加者なので、これから夏くらいまでの間に、どんな調査をしてみるかを発表。

基本的には各自が何かしら考えたり、調査したりしてきてもらう。それを披露してもらい、コメントするというスタイルの行事。大学院のゼミみたいなイメージでいいかと。はるかに優しいけど。

例年は、場所を決めてセンサス的な調査をするという企画が多いのだけど、今年は単に数を数える以外の調査企画がメジロ押し。そのぶん初心者には難しくなるけど、大丈夫かちょっと心配。
調査結果の報告を含めて、調査対象の鳥は、スズメ3人、ツバメ2人、カラス1人、ムクドリ1人、セキレイ1人、ヒバリ1人、河川の鳥1人。身近な鳥に偏っているのは、コメンターの好みが反映されているのかなぁ。ともかく、どんな調査データが出てくるか楽しみ。


●2015年4月3日 中高生向け行事のこの一年

昨日のミーティングで、中高生向け行事シリーズ、ジュニア自然史クラブのこの一年の活動予定がだいたい決まった。毎年4月はミーティングで、その時にリクエストを聞いて、一年の活動予定を決める。
リクエストしたからと言って採用されるとは限らない。でも、リクエストされたら、できるだけ実施の方向で検討する。ってのが関係学芸員の間での了解事項。どのリクエストを採用して、どれを不採用にするか。子ども達に不公平感や不満感がでないように、ダメな場合はできるだけ理由を説明したい。勢いで言ってるだけのと、真面目にやりたがってるのを見極めて、真面目に取り組みたがっているのは出来るだけ採用する。さじ加減がなかなか難しい。
なにより例年、定番行事もいくつか決まっている。その合間にリクエストをどのようにねじ込むのか。本当に悩ましい。のだけど、時間の都合で、1時間弱でえいや!と決めてしまう。

とりあえず昨日のミーティングで出たリクエストを並べてみよう。

キノコ、カエル →これは好きな子がいるので、予想の範囲。すでにキノコ狩りは予定にくんでいるのだ。
水生昆虫、カタツムリ、バードウォッチング →これは出来るだけ組み込もう。
甲山でタカの渡り観察 →そのまま採用?
シカ、ムササビ →去年、奈良公園で見たやろ! で、却下。
水族館の裏方見学、動物園の裏方見学 →昨年度も琵琶湖博物館に行って裏方見せてもらったけどなぁ。保留。
大和葛城山 →組み込む方向で。
雪合戦 →雪合戦は、このクラブの活動目的とちゃうし。雪がある場所に行きたいなら「動物の足跡探し」というような言い方をしろ!(どうせ雪合戦するにしても)
鉱物採集、化石採集 →はいはい。毎年出てくるリクエストなので、想定内。何を採りたい?
黄銅鉱を採りたい →OK
恐竜化石を採りたい →無理!

その他、日帰りで行けない、もしくは新幹線や飛行機を利用しないと日帰りできないリクエストは却下。

合宿したい →いやだ!


●2015年4月2日 サイのホネを洗う

中高生向けの行事で、サイのホネを洗った。砂場に14ヶ月。ちょうど頃合いの洗い時だった。

サイの皮を剥いて、肉をとって、砂場に設置したのは、2014年2月4日。そこまでの作業で力尽きていて、砂場に完全に埋めるのは断念して、浅く掘って並べて、軽く砂をかけて、上からブルーシートをかぶせて、石で押さえた。
それから一年ちょっと。ときどきブルーシートがめくれてないかチェック。めくれてたら、かぶせなおした。夏前に、角だけは回収した。蹄も回収しようと思ってたのだけど、面倒になって結局放置していまった。
一年経って、少しブルーシートが破れたり、ホネの一部(仙椎とか)が露出したりしたけど、おおむねブルーシートに包まれて、問題ない感じ。

昨日の夕方、掘り出した。一年経って、思ったより砂に埋もれていた。肉がとれて包みがゆるくなってるので、細かいホネがこぼれないように、発掘はけっこう注意が必要。で、中高生にはやらせられないので、作業は一人で。掘り出してテンバコなどに入れて、ざっと水をかけて主だった砂を落としておいた。

朝、中高生と一緒に掘り出したサイのホネを運び、洗ってもらった。まずは、参加した中高生は8人。2人ずつの組になって、まずは4本の足先を洗ってもらった。その後、大物希望の男子2名を太い脚のホネ、寛骨、頭骨を洗わせる。残る6人に椎骨をどんどん洗ってもらう。自分で下顎骨を洗ってタイムアップ。行事の後、暗くなりつつある中、肋骨を一人で洗って、洗い残しのある頭骨を洗い直して、サイのホネ洗い完了。

なぜか判らんけど、ホネがやたらと赤茶色かった。あまり脂肪のないお婆ちゃんのサイだったので、脂肪が原因ではないはず。なにか鉄分をいっぱい含んでいたのか?
お婆ちゃんだけあって、ホネの癒合が進んでいる感じ。寛骨と仙椎が癒合してるのはデフォルトかな?
最大の謎は歯。下顎骨の歯はそろっていて、1本だけひどい虫歯でものすごく穴が開いていたり、歯石が大量にひっついていたけど、まあそれだけ。上顎の歯はすごかった。処理したときは、歯は揃ってると思っていたのだけど、洗ってみると上顎の歯は1本を残してすべて抜けてしまった。ほとんど歯根がない感じ。それどころか、歯は薄く、どうもその下に小さい粒状の歯のような歯石のようなものが大量に付いている。洗うと小さいつぶつぶがいっぱい落ちてきて驚いた。回収は面倒だった。5mm以上はだいたい回収したけど、それ以下の回収は断念せざるを得なかった。そのつぶつぶは、歯の取れた上顎に埋もれているのが、いくつも残っている。元々は歯の下にひっついていたんだと思う。こんなん初めて見た。


●2015年4月1日 科研費当落予想屋の初仕事

結果は上々。華麗なスタートを言っても過言ではないだろう。単なる予想屋ではなく、アドバイザーとして相談業務に進出するという噂も。

科研費こと、学術振興会の科学研究費助成事業への申請は、毎年11月の頭に行われ、4月1日にその採択結果が発表される。科研費の採択結果の発表まで、あと何秒。というサイトもあるくらい。

その手の担当に当たっていて、館内からの申請を取りまとめたものを、チェックさせられる。せっかくチェックするのだから、実際の一次審査の手順に基づいて、申請を採点してみた。それが昨年の11月。
科研費の採択結果が出たので、自分の採点と採択予想を合わせてみた。かなりの好成績。採択の可能性大とした2件は、予想通り採択された。採択不採択の境界線上と評価した3件の内、2件が採択された。
ってことは、この評価方法は有効ってことになるんじゃないか? それに基づけば、不採択の申請のどこが悪かったのかも指摘できる。この指摘もけっこう的を得ているのかも?

ちなみに評価方法は、学術的重要性など5つの項目について4段階評価。それに基づいて5段階の総合評価を行う。総合評価の際には、個別の項目評価の結果に、研究種目と申請分野を加味した。つまり、総合評価を理由づけできるようになってるわけ。

で、不採択の申請をみてみると、3つは採択される可能性があったんじゃないかと思う。研究テーマ自体は充分面白い。採択されてもおかしくない。問題はテクニカルな部分にある。
・一つは、研究計画が弱い。ここをもうちょっと考えて上手く書いていたら、採択されたんじゃないかと思う。
・もう一つは、研究規模の割に申請金額が高い。もっと研究体制を整えて、さらに大きな研究計画にするか、規模を小さくしておけば採択されたんじゃないかと思う。
・残るのは、今までの研究の続きみたいな書き方がダメなんだと思う。この研究の独創性を強く打ち出せれば採択の可能性はありそう。

この3つまで採択されていたら、学芸員のほとんどが科研費に当たってるという、ちょっとした異常事態だったけど…。


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