日記風覚え書き

2007年4月5月、6月

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 2007年1-3月


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2007年6月30日 ウサギにリンス

それが今日の仕事。さて何をしたでしょう。
答え、ウサギの皮の裏にリンスを塗った。

ウサギの皮は薄く、せっかく剥いで、なめしても、乾いてパリパリになってしまう。もちろん脂分を皮に塗り込めばいいのだが、リンスで間に合うとの情報を得た。
そういえば数年前にシャンプーと間違えて買ってしまったリンスがある(リンスは使わない)。というわけで、これ幸いと数年物のリンスを持ってきた。

目の前で、女の子が初めてのメジロの皮むき。周囲では臭ーいタヌキの皮むき。そんな臭ーい部屋の中で、一人モいい匂いモをさせて、乾きかけのウサギの皮にリンスを塗りたくって、皮をもみほぐす。なるほど柔らかくなるし、しっとり感がキープされてる感じ。そして、お風呂の匂い。

向こうの方から、ちょっと来て〜、と声を掛けられる。作業中のウサギの持って呼ばれた方に行ってみる。呼ばれて来たのに用事はなんや? と尋ねたら、そこにおってくれたらええねん。と言われる。タヌキの臭い消しに使われているだけらしい。

そんなわけでウサギの皮にはリンス。皮にリンスを塗るのではなく、リンス液で、ウサギ皮を丸ごと洗ってもいいかも。今度試してみよう。


2007年6月29日 西成潜入記

大阪で最もディープなイメージのエリアである。かつて同じ任務のために西成に潜入したエージェントは、大きな危機に遭遇したと聞く。
予想通り今日も多くの苦難に直面したが、それを乗り越え、無事に任務を果たすことができた。後に続く者たちのために、その記録を残しておこう。

潜入目的地に行くには、南海汐見橋線という路線に乗ることになる。大阪市内の路線はすべて知ってるの思いこんでいたのに、このような路線は初耳。岸里玉出から汐見橋まで、西成区と浪速区だけを走る短い路線。とくに他の路線への乗り換えに便利なわけもなく、地元民以外はまるで用がなさげ。
とりあえず、岸里玉出駅に降り立って、二つの事実に呆然とする。岸里玉出駅は各停しか止まらず、乗降客もあまりいないのに、南海本線、高野線、汐見橋線の3路線にまたがるため、駅がとても広い。無駄に広い駅リストに新たな駅が加わった。そして、もう一つ驚いたのは、汐見橋線は1時間に2本しか走っていないこと。25分も待つことになった。

なんとか汐見橋線という苦難を乗り越えて、ようやく西成公園にたどりつく。そしてまた呆然。目の前に目的地があるのに、どこに行ったらいいのかわからない。西成公園はきわめて複雑にフェンスが張り巡らされており、部外者が容易に潜入できない構造になっているのだ。我々のようなエージェント対策かとも考えたが、じつはこれには2派に分かれた地元民の対立が原因らしい。
2派を仮に、青派と白派と区別することにしよう。青派は、その住居に青色を用いることが多いことに由来する。白派は、公園外に居住し、服装が白っぽい。フェンスはこの2派の利用空間を厳密に区別しているらしく、驚くべき事に、どこにも破られている箇所がない。白派のエリアは、木はあまりなく、土が露出したオープンスペースが多い。一方、青派のエリアは、木が多く、その間に居住者の家が建ち並ぶ。家の前には楽しげな品々が所狭しと並べられている。

さて、今回のミッションは主に木が多い青派のエリアをターゲットにしている。そこで、さりげない風を装いながら、青派のエリアへの潜入を試みた。当初、何も問題はなかったのだが、ミッションが半ばを過ぎたあたりで、青派の住民にその正体を疑われる。

「何しとんのや? おまえ、どっちのもんや?」
どうやら敵方か味方かを確認されたらしい。確かに双眼鏡をぶらさげて歩き回り、画板を持ってなにやら書き込んでいるのは怪しい。そこで用意していた答えを返す。
「公園の鳥を調べに来たんですよ〜。」
とても反応がよかった。
「この先いったとこに鳥が多いで。シジュウカラとかいるで。」
けっこう鳥に詳しい方だったらしい。予想外の情報をいただけてしまう。

さらに進むとまた呼び止められる。
「バードウォッチングか?」
どうやら青派の住民にの中には、鳥に親しんでいる方が多いらしい。そういえば、青派エリアには、イヌやネコも多く、歩いていて楽しい。

とまあ、ミッションは無事終了。ちなみに5年前も青派の住民と、ほとんど同じやりとりがあったという。5年後に潜入する諸君、がんばりたまえ。


2007年6月28日 知ってるような知らない風景

毎月、約70ヶ所のため池をめぐっている。一日では回りきらないので、2.5日に分けて自転車でまわる。一日当たり約30ヶ所を、一筆書きのようにコースを決めて、自転車で走りまわる。1995年の終わりに始めたので、今年で12回目の夏を迎える。今月までで140回走った事になる。
今日は、140回目にして初めての変わったことをした。最初に寄りたい場所があったので、いつもとコースを逆にたどることにしたのだ。驚くほど新鮮で楽しかった。

いつものコースなら無意識にコースをめぐれる。意識しなくても体が曲がる角を覚えている。が、逆コースだと意識しないと曲がれない。やや自信のないままに曲がって、ドキドキしながら進むと、お目当ての池に着いてホッとしたりする。
自転車で走る時は、前は見てても後ろは見てないことがよくわかった。いつも右折してる角を、今日は反対向きに左折する。いつもは気付かない意外といい感じの水路があったりする。反対側から到着する池も、いつもとは違った雰囲気。

いつもと反対から見る風景は、どこか見覚えがあるけど、初めて見る風景。まるで鏡の国にでも迷い込んだような不思議な感じ。どうしても曲がり角に自信が持てない時は、後ろを見てみる。すると、よく知ってる風景が現れる。なんか不思議で楽しかった。


2007年6月27日 パラインフルエンザ

先週くらいから、喉が痛くなった。咳も出るようになった。咳をするとまた喉が痛くなる。夜、ひどくなるような気がする。おかげでただでさえ不眠症気味なのが、一層眠れない。
こんな症状がでたら、とりあえず風邪ひいたと考えるのが普通。本来なら、しばらくゴホゴホやって、そのうち風邪が治るという寸法。ところが、

気が付くと、職場の周りの人たちもけっこうゴホゴホしている。みんな風邪かぁ、と思っていたら、これは風邪ではなく、インフルエンザでもなく、パラインフルエンザである。おまえ達のもみんなパラインフルエンザに違いないとのこと。なんやそのパラインフルエンザとは? インフルエンザのパラって、どういうことや? そもそもなんでパラインフルエンザって断定できるんや! と言おうとしたら、医者に言って血液検査してもらったもーん。と自慢された。むむむ、医者が決めた病名となると反論しにくい。

そういえば、昨年だったか、同じように咳を繰り返していた時も、こやつは医者に行き、マイコプラズマ肺炎とかいう病名をもらってきていたっけ。
その後、自分が同じような症状になったとき、これはあのマイコプラズマ肺炎に違いないと思った。

マイコプラズマ肺炎に、パラインフルエンザ。医者好きが一人周囲にいると、色々と新しい病気になれる。
すなわち、医者好きがいることで、風邪が駆逐され、新たな病気が蔓延するってわけ。そのうち風邪って病気はなくなってしまうのかも。


2007年6月26日 実験計画

水槽の魚を使った実験計画を見せられて、コメントを求められる。求められたら、コメントしてしまうのが、悲しい性。

曰く、
一つの実験にいろんな要素を絡めすぎ。いくつかの条件が十分コントロールされていない。などなど、まあ偉そうに。

さらに偉そうに曰く、実験を始める前に、
1.何を明らかにしたいのかきちんと決めておくこと。
2.どのような結果になれば、どのような結論が出せるかを、考えておくこと。
3.その上で、余計な要因が絡まないように、実験デザインを考え改良すること。
とりあえず実験するんじゃなくて、実験前にきちんと考えておくことが大切。

うーん、偉そうに言いながら、自分では全然できてない。とりあえずやってみないと、どう改良したらいいか思いつかないし。というわけで、

4.とはいうものの、とりあえず思いついた実験をしてみて、うまくいかなかったら、改良してやり直したらいいよ。
とくに簡単にやり直せるような場合には。

と、付け加えるか否か、悩むところ。
実は2日前に1〜3で答えた。4を追加するか、2日経っても悩んでいるわけ。立派な研究者を目指すなら、4はない方がいいと思うけど…。
ちなみに自分の仕事は、研究もそうでないのも、4をベースに進んでいる。いいのか悪いのか。


2007年6月25日 論文書き

今日は論文書きに忙しい。残念ながら自分の論文ではないけれど。

学会誌などに投稿された論文の査読を依頼されることがある。来るのは国内の5誌ほど。幸い海外からは来ない。査読者の中には、問題点の指摘だけする人もあるけど、そんな査読をされるとむかつく。どうしたらよくなるか指摘せんかい! というわけで、自分で査読するときは、問題点を指摘しつつ、具体的にどうしたら改善されるかを提案するようにしている。つまり、他人の論文を読んで、どうしたらよくなるかな〜、と頭を絞る羽目になる。
あまりに時間がかかる時は、こんな暇があれば、自分の論文を書いた方がいいんじゃないか?と思ったりもする。さらに思うのは、指摘してもきちんと伝わるとは限らず、いっそ全面的にこっちで書き直した方が早いんじゃないか?ということ。
さて、この度、他人の論文を全面的に、好き勝手に書き換える機会を得たらしい。編集者も著者も了解してるらしい。なかなかにめったにない機会。

というわけで論文書き。自分のじゃないけど。好き勝手にできる満足感がある一方で、妙にむなしかったりもする。なかなかに微妙な心境。
しかし、データ自体に意味のある論文。スタイルや文章を直したところで、オリジナリティには貢献していない。つまり、共著というわけにはいかない。
論文書きとはなんぞやという、妙に深いテーマを考える機会になった。結局、まじめに査読してるのと同じってことで、好き勝手に書き換えられるという満足感があるだけましかも。


2007年6月24日 可愛いワニガメ

今日は雨が降って観察会が中止になった。中止になったら、とある集まりに出なくてはならなかったのだが、完全に忘れてた。という事以外、たいしたことはなかったので、代わりに一昨日の大ニュースを忘れないように書いておこう。

2003年6月から飼ってるワニガメがいる。最初は生き餌しか食べなかった。アメリカザリガニとか、ウシガエルのオタマジャクシとか、小さいブルーギルとかを採ってきては与えていた。採れなかったら、金魚を与えていた。
昨年、妙に食欲があって、金魚を買うとやたらお金がかかるようになったので、肉を入れてみた。食べた。驚いた。カミツキガメは最初から肉を喰っていたが、ワニガメは喰わずに肉を腐らせていたのにノ。
それでも、肉を喰う場面はほとんど見たことがなかった。夕方入れておいたら、翌日はなくなっているという程度。

一昨日、新鮮なイノシシ肉が手に入ったので、久しぶりに餌をあげることにした。餌を入れようとしたら、ワニガメが反応して近づいてきたので、まず驚く。いつもまるで反応がないのにノ。肉を入れると、目の前ですぐに食い付いたので、もっと驚く。こんなのは初めて。
肉を喰うのは下手で、自分の上嘴の先端に肉がひっかかって苦労してたりする。食べてくれると楽しいので、どんどん肉を入れてみる。どんどん食べた。こうして反応してくれると可愛いよな。

さて、4年かかってようやく懐いてくれたのか。よほど腹が減っていたのか。はたまた、新鮮なイノシシ肉が大好物だったのか。いずれなのか、知りたいところ。


2007年6月23日 ゴマとピーナッツとバター

香菜は苦手。味の強い料理に少し混じっているだけなら食べられるが、あっさり味の料理にたくさん付けられると閉口する。あの臭いは、ドクダミと同じ系の臭いだと思う。
ということを香菜好きに言うと、猛反論に遭う。香菜好きもドクダミの臭いは好きじゃないことが多いらしい。

ミントも苦手。デザートとかに付いてるミントも苦手だが、もっと嫌いなのは、ミントがいっぱい生えている場所に足を踏み入れること。足下から踏みつぶした生ミントの臭いが立ち上って、気持ち悪くなる。間違ってドクダミの群落に足を踏み入れた時と同じ。そう、ミントの臭いもドクダミ系だと思ってる。

というわけで、臭い臭いドクダミだが、乾燥させてお茶にするのはともかく、山菜料理に使ったりする事もあるとか。という話の流れ。
クサギという、その名の通り臭い木の葉っぱも、山菜として食べるんだとか。あり得ない! と言ってる横で、クサギの葉っぱの臭いを嗅いだ人曰く、

この匂いならおいしいかも。ゴマとピーナッツとバターを混ぜたみたいな匂いだし。

そんな表現は初めて聞いた。そこで改めてクサギの葉っぱの臭いを嗅いでみる。やっぱり臭い! でも、言われると確かにゴマやピーナッツやバター系の匂いかも。
そう思い始めると、食べれなくもないような気がしてきた。意外とうまいのかな〜?


2007年6月22日 イノシシが車に轢かれる話

先日届いたイノシシの皮を剥いた。内臓がはみ出しまくり。体のあちこちの皮が破れている。
骨の方は、下顎骨と頭蓋の吻の所が同じ辺りで折れている感じ。大腿骨も根元辺りで折れていて、寛骨辺りはけっこうバラバラになっている。腰椎もけっこう壊れている。肋骨が折れて内臓に刺さっている一方で、前肢の骨はあまり壊れていない。
ということで、こんな事が起こったのかも。

道を横切るイノシシに、車が横から衝突。さらに、倒れたイノシシの体の後ろの方を車が轢く。同じ車かもしれないし、別の車かもしれない。

イノシシは1歳のオスで、体重23kg。衝突した車もただでは済まなかったはず。というわけで、ひき逃げの車は近くの修理工場に持ち込まれた可能性が大。
車全面の凹みには、イノシシの毛が付着しているはず。イノシシの毛は、おもいっきり曲げてもポキッとは折れないのが特徴。一方、シカの毛はポキッと折れて、戻らなくなる。あと、イノシシの毛は枝毛が多いと言われるが、この個体の毛にはあまり枝毛がなかった。


2007年6月21日 ぴゅあウォーター

とある場所で、ペットボトル(大のふた付きアルミ缶だが)を渡された。ありがとう〜、と思ったら。

めっちゃえぇやん 大阪市の水
ぴゅあウォーター

と書いてある。なんじゃこれは? と裏を見ると、

大阪市の水道水は高度浄水処理水です。
本製品は大阪市の水道水をもとに加熱処理をおこなっています。

と書いてある。つまり水道水の湯冷まし? ミネラルウォーターですら買う習慣がないのに、水道水の湯冷ましをわざわざ買うかい。と心の中で突っ込む。

品名 飲用水
原材料名 水道水(高度浄水処理水)
内容量 490ml
賞味期限 容器上部に記載
供給元 大阪市水道局
製造者 兵庫県神崎郡福崎町…

わざわざ大阪の水道水を兵庫県に運んで、製造してるらしい。ちなみに賞味期限は、「101213」。意外と長持ちしない。

ちなみに蛇口をひねったら出てくる、生の”ぴゅあウォーター”は、10立法メートルまで3150円。490ml当たりだと、15銭ちょっと。水道水のペットボトルが150円だとすると、容器に詰めただけで値段が約1000倍になったことになる。 でも、ミネラルウォーターもジュースもそんなもんかな?

とまあ、ぴゅあウォーターを自分で買う気にはならないのだが、高度浄水処理水自体はすばらしい。なんせカルキ抜きなどしなくても、魚が飼える。便利〜。
同じ調子で、他の市で、採集した魚の容器に水道水を入れたら、魚がすぐに死んでしまった。不便〜。


2007年6月20日 ヘビMさんに訊いてみた

一問一答。ただし、実際のやりとりとは微妙に違うかも。

日本でワニガメが繁殖したことってある?
「まだ子ガメが確認された例はないんとちゃうかな」
関西でカミツキガメの繁殖記録はある?
「まだないんとちゃうかな」
カミツキガメの繁殖ってどうやって確認するん?
「孵ったばかりの子ガメがたくさん見つかったら繁殖したと思う。でも1匹だけやったら、逃がした可能性もあるかも」
カミツキガメの生まれたての子ガメってまだ流通してるん?
「ようわからん」
一昨日、近所の公園の池で、このくらいの(指で直径5cmくらいの円を示す)カミツキガメの子ガメが捕まったと聞いたら、どう思う。
「逃がした可能性もあるけど、繁殖した可能性の方が高いんとちゃうかな」

というわけで、カミツキガメの場合、複数の子ガメが見つかれば繁殖したと判断してもよさそうな手応え。1匹だけでも繁殖の可能性を疑った方がいい。というのが、ハペトロ屋さん的見解であった。
近所の池でカミツキガメの子ガメを見つけた場合の参考までに。


2007年6月19日 高校生と剥製

とある高校に剥製を引き取りに行った。おそらく創立以来、理科室にあったのだが、邪魔になったらしい。よくあるパターン。そして歴史の古い高校の場合、貴重な標本を持っている事が少なくないので、捨てるのをみすみす見逃すわけにはいかない。というわけで、引き取りに行くことになる。

このような場合、大抵は埃だらけの理科準備室の片隅とかに行くことになる。すでにそこからは出されて、理科実験室みたいな場所に並べられている事もある。だが、今日は違った。
正門に門がなく、誰でも入れる今どき珍しい高校(おそらく周辺に不審者が出没したりしないのだろう)。指示されたとおりに、高校の敷地内にトラックを乗り入れると、前方の階段の上で手を振る先生らしき女性。と、思ったら、次から次へと女子高生が階段を下りてくる。その手には、鳥や哺乳類の本剥製。
なんと到着時間に合わせて、理科室から持って下りてきてくれたらしい。運ぶ手間がはぶけて、ありがたいな〜。

ありがたい上に、普通の女子高生の剥製へのリアクションが観察できておもしろかった。
「これ本物〜?」
本物に決まってるやん。レプリカ作る方がよっぽど金がかかるし。
「気持ち悪う〜。」
ボロボロになった剥製よりも、状態のいい剥製の方が気持ち悪いらしい。
「これ持って帰って捨てるん?」
誰が捨てるために、わざわざトラックで来るもんか!

剥製ってのは、とっても非日常的な存在で、捨てても惜しいものではないらしい。一方で、気持ち悪いといいながら、わざわざ寄ってきてながめたりもしている。興味がないわけでもないらしい。
きちんと剥製を使った授業ができる先生がいたら、そんなカリキュラムがあったら、この剥製達も本来の役割を果たせたはずだなぁ、と思った。ものすごい貴重な剥製も混じってるのにね。


2007年6月18日 ダチョウを食べた

道で死にたてのダチョウが落ちていたので、拾ってきて味見をした。というわけではなく、れっきとしたレストランで食べた。

どうやらダチョウ牧場直営のレストランらしい。きっとダチョウ肉や卵はいいものを使ってるんだろう。が、料理がいまいち。妙に味つけが濃くて、ダチョウの肉の味がわからん。甘くて固い卵焼きだけでは卵の味もわからん。
タレをかけまくったたたきではなく、あっさりと刺身。ソースかけまくったステーキではなく、塩胡椒だけでソテー。といった肉の味自体を楽しめる料理があればよかったのに。ふわふわのスクランブルエッグとか、プリンが食べたかった。

料理はともかく、店内には卵の殻に絵を描いたもの、産まれて間もなダチョウのヒナの本剥製(それでもニワトリ大!)、ダチョウのなめし皮などが飾られていて、それは興味深かった。
皮や肉をとった後に、大量の骨が残りそうだが、その骨はどうなるんだろう? 欲しいって言えばもらえたりするかな〜?


2007年6月17日 棘皮動物の魅力

中高生と一緒に和歌山の磯に行った。着いてしまえば、後は野放し。好きなように観察して、質問があったら尋ねるように。といういたっていい加減なスタンス。野放しにした後は、こっちが好きな物をながめたり、面白い物を探したりするのに忙しい。

さて、子どもを干潟や磯に野放しにすると、次から次へとカニを捕まえてきたりする。バケツにカニだまりを作って、それをどうするかと思えば、持って帰る〜とは意外といわない。少なくとも大部分は大人しく放して帰る。捕まえて、その成果をバケツの中に作るのが楽しいのだろう。
では、中高生を野放しにしたら何をするか。基本的には子どもと変わらない。一部の少数派は、潮だまりの魚を探していたり、珍しげな動物を探したりしている。が、多数派はやはりテーマを決めて捕りまくって、容器の中にその成果を築き上げて満足するのである。中高生に一番人気のテーマは、棘皮動物である。

イトマキヒトデ、ヤツデヒトデ、ニホンクモヒトデ、ムラサキウニ、バフンウニ、マナマコなんかを中心に、大量の棘皮動物を集めてくる。ムラサキウニやマナマコについては、食材集めというつもりも少しあるらしい。が、あとは食べる気はもちろんなし。手当たり次第に集めて、結局最後は放して帰ってきた。
間違っても大量の貝を集めたり、海藻を集めたりはしていない。ヤドカリやカニを集めまくっている奴もいなかった。打合せもしてないのに、圧倒的多数は棘皮動物を集めていた。大量に集めて無くても、かならずバケツの中に一揃いは入っている。棘皮動物にはかなりの魅力があるらしい。

付け加えるなら、アメフラシも見つかれば棘皮動物と同じ扱いを受ける。さらに言えば、クラゲとタコも似たような扱い。日常、あるいは普通の海水浴ではあまり出会わない、ちょっと珍しい気のする動物ってくくりだろうか。
ちなみに、ウミウシ類も見つかれば採集されるが、これは少しカテゴリーが違う感じ。小さくて可愛い、珍しい動物扱い。同様のカテゴリーには、綺麗なホヤも含まれる。

帰る時には、結局放されるというのも、子どもカニ集めと同じ。数時間バケツに入れられて、さぞかし迷惑なことだろう。さらに散らばっていたのに、狭いエリアにまとめて放されるのも迷惑な話だろう。
放す時に、ニホンクモヒトデを手の甲に載せてみた。ちょっとおしゃれなデザインの手袋をしてる感じ。たくさんのニホンクモヒトデを手の甲から二の腕にかけて載せてみた。斬新なデザインの入れ墨のよう。というわけで、一度お試しあれ。落ちそうになったクモヒトデがジタバタしているのも、ちょっと可愛い。というのも迷惑な話なんだろう。


2007年6月16日 カメの日

昨日まで雨が降ったり曇っていたり。そして気温も低めだった。今日は一転。晴れたし、気温も上がった。はっきり言って、かなり暑い。そうこんな日はカメの日。
わーい。夏だ夏だ。梅雨の晴れ間だ。お陽さんだお陽さんだ。とばかりに、カメが活動しまくる。池にいっぱい浮いてるし。人を見たら餌?餌くれるの?餌餌とばかりに近づいてくる。かと思うと、石の上に折り重なって日向ぼっこ。
まあ、アカミミガメがそうやって盛り上がるのは珍しくないが、カメの日に盛り上がるのは、アカミミガメだけではない。クサガメも、昼間っからたくさん活動する。イシガメすら、石の上で日向ぼっこ。イシガメって池中に数個体しかいないはずなのに。あとスッポンが出てきたら、池のカメが勢揃い。
アカミミガメのオスは、餌をもらうのと、メスに求愛するのとで大忙し。メスの方は餌にしか興味がないらしい。オスが付いてきても、前に回ってダンスしても無視。プイッとメスに横を向かれたオスが、また一生懸命メスの前に回ろうとジタバタするのは気の毒っていうか、見てて面白いっていうか。

とまあ、まるで本当にカメの日があるかのように、今日はたくさんのカメの色んな行動が見られた。カメの日だったのかもしれない。
鳥を見てるより、カメを見てる方が楽しかった。


2007年6月15日 ヤマモモ

近所の公園をウロウロした。この季節、公園で何か食べたくなったら、成ってるヤマモモの果実を食べる。近所の公園にはたいていヤマモモが植わってるし、たいていたくさん実を付けてる個体がある。
問題は、食べてる所を見られると、変人と思われかねないところ。他人の目を気にする常識人としては、変人と思われるのは耐えられない。というわけで、人の目を盗んで食べることになる。ヤマモモが実を付けてるのを見つけると、キョロキョロして、さりげなく、ささっと実を採って食べる。周辺にまったく人がいなければ、もっとも熟している果実、すなわち落ちてる果実を食べる。
うーん、この記述だけでも、ちょっと変人かもしれない。しかし、人目を気にしている辺りが常識人ぽいっと言えるかも。

ともかく、ヤマモモを食べるのにも色々苦労があるというわけ。そういえば、ここらのヤマモモの果実は小さめなのが玉に瑕。岸和田市の某公園にはでっかいヤマモモがなってたな〜。あれを食べに行きたいな〜。と、今年もまた思い出した。


2007年6月14日 セミの分布図

今日は、セミの分布図製作の最後の追い上げ。3日ほど前に残り6枚までに迫ったのに、追加発注が24枚も入って、突然やる気が減少。この2日ほどは別の仕事に浮気してしまった。いつまでも浮気できないので、ようやく重い腰をあげた次第。
ともかく、請け負ったセミの分布図作成は完成した。昨年も多くの分布図を作ったと思ったが、今確認するとわずか35枚。今回はなんと合計110枚もの分布図を作ったので、昨年を軽く凌駕する。

おかげで世界地理に、とても明るくなった。でも、しばらくセミの分布図からは離れていたい感じ。しかし、世の中は甘くない。この後、一旦完成したはずの分布図を、印刷物用に加工する仕事が待っている。さらに展示用に加工する仕事までいただいてしまった。
今月はセミの分布図で明け暮れることになるらしい。


2007年6月13日 本をもらった 象

砂本悦次郎著。箱入りの上下巻。発行年は、上巻1931年、下巻1932年。発行は、世尊普賢会出版部。と奥付には書いてあるが、実質的に自費出版。ちなみに限定出版らしく、番号062とある。何冊刷ったのかな?

というわけで、知る人ぞ知る象マニアの本を入手したのである。かなりの値打ち物だと思うのだが、タダでもらっていいのかなー。受取書類には個人名を書いたので、私個人がもらったと主張できるなー。などと、けっこう盛り上がる。もちろん個人の所蔵にする気はないんだけどね。

象マニアの象牙商のおじさんが、象について調べまくって書いたマニア向けの本。学術的な意味で中身がどうというより、骨董的価値の方が高いかもしれない。

さて、ここで問題。この本はある特徴で有名。さて、それは何だ?


2007年6月12日 巨大ワニガメ釣りのススメ

近所の公園事務所から電話があった。カミツキガメが届けられた。環境省に相談したら、殺処分するように言われた。なんとかしておくれ。採集データと一緒に持ってきてくれたら、処分と称して、標本にしましょう。と答えた。
反応は早かった。すぐに持ってきてくれた。よほど持てあましてしたらしい。車に積んであるというので、見に行く。たいそうやな〜。と思ったら、バカでっかいカメが荷台に載っていた。ただし、カミツキガメではなく、ワニガメだった。

カミツキガメなら、特定外来生物なので、生きた個体を移動させただけでも厳密には違法。受け取ってもすぐに殺すしかないかと思っていた。
でも、ワニガメは特定外来生物ではない。移動させてもかまわない。すぐに殺さなくてもいいはず。とたんに飼ってみたい気がしはじめる。

というのも、とても大きい。すでに1匹飼ってるけど、それより一回り大きい。けっこう大人しいので、測定してみた。
背甲長55cm(頭胴長なら55cm)、背甲幅35cm、体重16.5kg。
今飼ってるワニガメの体重が12kgなのでかなりでかい。池で釣り人が釣り上げたらしいが、よくまあこんな大物を釣り上げたもんだ。その時に使ったタモ網は壊れたままワニガメと一緒に届けられていた。竿も折れたんじゃなかろうか?

飼育するかどうするか、悩んだまま夕方まで放置。ふと気付くと脱走していた。脱走といっても部屋の中での事なので、とりたてて問題はない。けど、どこかに巨大ワニガメがいるかもと思うと、馴染みの部屋に入るだけで、ちょっとドキドキ。
件のワニガメ君は、机の下で大人しくしていた。とりあえず、処分は明日考えることにして、今日はこのままにしておこう。

>関係者のみなさま
向かいの部屋に入る時は気をつけるように。

>釣り人のみなさま
大阪市内の池にも巨大ワニガメがいるかもしれない(いや実際釣り上げられた)ので、釣りをする際は、充分太い竿を使いましょう。それから、間違ってもかまれないように注意しましょう。


2007年6月11日 舞島探検記

じゃなかった。舞洲探検記が正しい。
大正島の対極、大阪湾にできたばかりのとても新しい島。舞洲、夢洲、咲洲の3洲妹の長女(私には島の性別は区別できないが、名前からして女性であるのは明白)。
多くの住民が暮らし、独自文化を開花させた大正島と違って、舞洲には実質的に住民がいない。夜間人口は限りなく0に近いのではないかと思う。基本的に無人島で、昼間に対岸からやってくる人たちが、物流、焼却、運動といった活動のために利用している。

島に渡るとポップででっかいツインタワーがお出迎えしてくれる。よく見るとタワーの周囲にもポップな建物が建っている。そうそう、高速道路や周辺の海岸やフェリーの船上から見ては、物を知らない者たちが例の有名な遊園地と誤解しがちなあの構築物である。
遊園地と誤解するとは失礼なのであって、ここは大阪市民の生活に必要不可欠な作業をしてくれる重要な施設なのである。もっとも、その施設をこんなにポップに仕上げなくてはならない理由はよく分からないが…。ちなみに遊園地は、外からはほとんど中が見えないのである。

舞洲の入口である東部、そして南東部にかけては、人工構造物が多い。それに対して、南西部から北部にかけては、人跡未踏と思われる地が拡がる。南東部に森林地帯があり、北縁に沿っても帯状に林がある(なぜか林の高さは約6mと、驚くほどそろっている)。それ以外の大部分のエリアは、草原が占めている。おそらく現時点で大阪市内最大の草原地帯と言っていいだろう。

草原では、ヒバリとセッカが囀り、とてものどかな感じ。直翅類もけっこう生息している。当然カヤネズミが生息できそうだが、まだここまで分布を拡大してはいないだろう。陸生生物に関しては、まだ空を飛べる生き物しか、この島には到達していないのかもしれない。
と思っていたら、池(この島には発見した限りで3つの池がある)の一つにメダカを確認した。淡水貝は一切生息していない。この事実から察するに、淡水貝は空を飛べないが、メダカは空を飛べるのであろう。

【追記】
と思ってたら、メダカではなく、カダヤシであった。カダヤシは空を飛べるのであろう。


2007年6月10日 昼間のオオサンショウウオ

箕面に行った。よく知られているように、箕面川にはオオサンショウウオが生息している。でも、オオサンショウウオは夜行性。昼間はあまり見られない。というわけで、昼間に箕面に行ってもオオサンショウウオを期待することはない。ところが…。

箕面の滝にほど近い場所で、何人かが川の方を見て盛り上がっている。バードウォッチャーでもなさそうだし。と思いつつ近づくと、真っ昼間からオオサンショウウオが出現していた。ゆっくりと動いている。こちらが騒いでいるのは関係ないらしい。やがて、動向の子ども達が川縁に下りていって、数十cmの距離で写真を撮りだした。多少は気になる様子だが、相変わらずゆーっくりと動いていくだけ。長ーい時間をかけて、淵の方に消えていった。
妙に白っぽく、全体に紫がかった色合い。昼間に出てきたり、人間への反応の弱さ。合わせると、弱ってるンじゃないのか?とも思うが、オオサンショウウオには詳しくないので、断定は避ける。

一通り歩き回って、もうすぐ箕面川ともお別れ。という所で、またオオサンショウウオを発見。今度の個体は、茶色味のあるオオサンショウウオらしい色合い。でも、やっぱりゆーっくりと水中を歩いていく。やがて川岸の水の中に見えなくなった。

昨日は大雨が降って、水量は多め。水温も低め。今日も、気圧は低めで、雨が降りそうな雰囲気がある。こんな要因があって、昼間っからオオサンショウウオが出てきたんだろうか?
とにかく、野生のオオサンショウウオを見たのは初めて。じつはひそかに嬉しかった。そして、今日に限ってデジカメを持ってくるのを忘れたのを、おおいに後悔した。


2007年6月9日 えーそんなとこにヌートリア?

けっこうよく動物の死体や骨を届けて下さる方から、顔を見るなりお土産があると言われた。今度はどんなお土産かな〜。と思ったら、今度は情報だった。
ヌートリアを見たという。うんうん、最近、淀川では普通よね。とよく聞くと、豊能町で見たという。知ってる人は当然知ってるだろうが、豊能町は山の中。さほど大きな川もない。見たという場所は、先日も行ったばかりの登山口みたいな場所。川は幅2mもない。上流域の小川状態。えー、そんなとこにヌートリア〜? 話を聞くと、そのヌートリアは妙に小さいという。えー、大きなドブネズミを見たんじゃないの〜? などと思っていたら、画像があるという。今度それを是非見せて下さい、といって一旦解散。

問題の画像はすぐに届いた。画像ファイルを開けてビツクリ。本当にヌートリアだった。心の中でとはいえ、疑ってすみません済みませんスミマセン。
それにしても、川伝いにあんな上流部にまで上がってくるとは知らなかった。あそこにいるってことは、それより下流にはずっといるってこと? ヌートリアの分布調査は簡単に済むと思っていたが、かなり歩く必要がありそう。


2007年6月8日 高槻市北部の鰓脚類

高槻市最北部、といいたけど、その一歩手前のエリアに行った。両生類の多様性が高いエリアと聞いていたので、けっこう期待して行った。が、田んぼまわりはトノサマガエルだらけ。あとはアマガエルとシュレーゲルアオガエルばっかり。いまひとつおもしろくない。
多様性という意味ではさほど高くないけど、現存量は多い。田んぼの中は、アマガエルとおぼしきオタマジャクシだらけ(オタマジャクシを見分けるのは苦手なので断定は避ける)。

カブトエビ、ホウネンエビ、カイエビといった類を探してみたりするものの、さっぱり見あたらず。カブトエビは標高が100m越えるといないという説があるので、そんなもんかなとも思う。でも、カイエビ類とかはいてもいいのに…。
などと思いつつ、田んぼ周りを中心に歩き回り、雨に降られ、バスの時間を目指して大あわてで、バス停に戻ってきた。バスが来るまでのしばらくの間、一緒に行ったMさんがバス停の前をながめていた。おもむろにこちらに来て曰く。
ホウネンエビはいる? もちろんいる。
なーんだ、こんなとこにいたのか。Mさんから受け取った入れ物の中には、ホウネンエビと一緒にカイエビの仲間。まん丸。タマカイエビ!
今ひとつだったのが、最後になってとたんに盛り上がった。それもスタート地点でもあるバス停の前で。一日歩き回る必要はなかったのかもしれない。

大和川水系の調査では、さんざん探して、タマカイエビはおおむね1箇所でしか見つからなかった。ところが、淀川水系の調査ではいきなり出現。この調子なら、けっこうあちこちで見つかるような予感がする。
というわけで、妙にカイエビ熱が高まってきたのである。


2007年6月7日 大正島探検記

大阪湾には多くの島が浮かんでいる。その数はこの数十年でどんどん増加し、ようやく最近増加傾向に歯止めがかかった様子。その数ある島々の中でも、大正島は、その歴史の古さにしても、なぜか沖縄風の独自文化にしても特筆すべきものがある。以前から、一度行ってみたいと思っていたのだが、今日、ようやく大正島に上陸することができた。
いや、この表現は正確ではない。今までも何度も大正島を通過したことはあった。ただ電車に乗って通過するのみで、その地面を踏んだことがなかったのだ。私的には、福島県や栃木県と同じなのであった。そんなわけで、今日初めて大正島の地面を踏んだのであった。

大正島は、北を尻無川、東と南を木津川で、大阪本土と区分される。大正島というのは、実は4つの島からなる。今日はそのうち最大の大正本島へ渡った。
大正島へ渡るには、木津川を渡し船で越えるのが常識であるが、今日は時間もないことなので、環状線を利用することにした。

初めての大正島は、意外にも普通であった。もっと沖縄料理の店とか異国情緒にあふれているかと思ってたのに…。ただ、我々探検隊は、当然ながら人通りの多い商店街ではなく、人がほとんど足を踏み入れない林の中や、死にそうに暑いアスファルトの道を好んで歩くので、必ずしも大正島の文化に出会う機会は多くなかったかもしれない。
大正島の多くのエリアにはほとんど緑がない一方で、中小規模の林が点在している。よく言えば、緑の有無にメリハリが効いている。なかでも一番深い林は、昭和山の周辺に残されている。昭和山は標高33mで、大正島の最高峰である。その山頂からは大正島の多くが一望に見渡せる。

大正島に昭和山。あとは、明治川に平成池でもあれば揃うのだが、残念ながら見あたらなかった。今後の発見に期待したい。


2007年6月6日 オーストラリアへセミ旅行

オーストラリアには37種ものセミが生息している。そしてそのすべてが固有種。約50種ものセミが生息しており、多くの固有種をかかえている台湾と並んで、シカダー(セミマニアのこと)のメッカと言ってもいいだろう。ただオーストラリアにセミ旅行に行く時には忘れてはならないことがある。
東海岸に行くべし。西オーストラリアには2種ほどしかセミがいない。ノーザンテリトリーやタスマニアもダメ。南オーストラリアは、固有種もいて、南東部の海岸が入り組んでいる辺りは少しひかれるが、多様度はさほど高くない。
行くならやはりクイーンズランド、NSW、ヴィクトリアの海岸線。もしピンポイントでお奨めするなら、クイーンズランドとNSWの州境辺りの海岸近くが一番のお奨め。20種近いセミに出会えることだろう。あとは、海岸沿いに北に行くのもよし、南に向かうのもよし。もしライフリストを増やしたいなら、南に向かい、ヴィクトリアの南端辺りまで行くといいだろう。
それじゃあ、シカダーのみんな、検討を祈る。

【追記】
オーストラリアには37種ものセミが生息している。と思いきや、実は202種も生息しているらしい。さすがはシカダーのメッカ。シカダーはオーストラリアに足を向けて寝るわけにはいかない。


2007年6月5日 大阪のイタチは日本一?

大阪のイタチは増えたか? わかりません。
大阪の市街地は他の都道府県よりもイタチが多いのか? わかりません。
大阪では市街地にチョウセンイタチ、郊外にニホンイタチがいるのか? たぶんそうだと思うけど、きちんと調べられているわけではありません。
大阪の市街地のイタチは、近頃ネズミではなく、主に残飯を食べるようになっているのか? その可能性はあるけど、わかりません。

イタチって、ものすごく身近な哺乳類の一つなんだけど。大阪市内という大都市のど真ん中でも、ずいぶん昔から普通に生息してるけど。その生態はほとんど調べられていない。
そもそも日本にはイタチ研究者がほとんどいない。関西では一人だけ? とにかくイタチの生態は謎だらけ。たぶんそうだろうとは言えても、断言するのは難しい。
ところが、身近で家屋にも入ってくるから、質問は多い。でも、尋ねられても困る。

なんでも、日本中で、大阪府が一番イタチの駆除件数が多いらしい。大阪が一番イタチが多いのか、大阪のイタチが一番悪さをするからか、大阪人がイタチ嫌いなのか、大阪府が気軽に駆除の許可出しているからか。
他府県と比べて、群を抜いて多いらしいので、大阪にイタチが多いのだけは確かかも知れない。

イタチの死体はそれなりにがんばって集めている。これをちゃんと処理したら、チョウセンイタチとニホンイタチの分布くらいは答えられるようになりそう。今年中にできるかな〜?


2007年6月3日 木の上からスズメのヒナの声

木の上からスズメの声がしても当たり前。巣立ちビナの声がしても、別に変じゃない。でも、巣内ヒナの声がしたら、変。スズメの巣は、あまり木の上にはないから。

今日は、大阪市内のとある公園へ行った。池の北側のアオサギのコロニーの下でお昼ご飯。色んな魚やアメリカザリガニ、ウシガエルといった食べこぼしに混じって、卵の殻やヒナのミイラまで落ちていて、けっこう楽しい。
座って弁当を食べていたら、ヒナが2羽入ったハシボソガラスの巣まで見つかってとても楽しい。

アオサギの親鳥ややってきて、2羽のヒナが餌をもらおうと大騒ぎしているときに気付いた。スズメのヒナの声がする。親鳥が巣に飛び込んだら中から聞こえてくるあの声。別に珍しくないので、最初は気にも留めていなかったが、よく考えると変。声はマツの木の上から聞こえる。
そういえば、さっきからアオサギの巣の周辺を、やたらとスズメが行ったり来たりしている。てっきり何か虫でも食べていると思っていたけど、巣があるのか? そういえば猛禽類の巣にスズメが巣をするという現象が知られている。アオサギの巣にもスズメが巣をするのかもしれない。
と思って、今度はスズメを観察し始めた。白い羽毛をくわえたスズメが木の上に向かって飛んでいった。これはアオサギの巣に巣をつくっている最中に違いない。その行き先を追いかける。すると、スズメはマツの枝先の丸いものの中に入っていった。しばらくしたら出てきた。羽毛はくわえていない。でも、それはアオサギの巣ではなくはるかに小さくて、丸い物。枯れたマツの枝と葉っぱが丸まったと思っていたけど…。

残念ながら、その後は出入りは見られず。その丸い物は、マツの一番高い部分の枝先で、下からは詳細が見えず。
枝につくったスズメの巣というのを一度見たことがある。木の枝に巣をかけると、スズメの巣はボール状になるらしい。
あの枝先の丸い物はスズメの巣なんじゃないかと思う。採集してよーく見てみたいけど、届かない。本当のところはどうなんだろう? ということで、またもや夜は寝られないのであった。


2007年6月2日 睡眠障害なこの頃

もともと寝付きはいい方ではないのだが、ここ数年(いつからかは忘れた)は睡眠障害と言っていいレベルではないかと思う。夜の11時過ぎに帰って、飯を作って喰ったら、午前0時半くらい? 眠いのだが眠れない。午後2時頃に寝てる感じ。夜遅くに帰って、飯喰って、とある種興奮状態が冷めないと眠れないのかもしれない。が、早めに帰ってもあんまり変わらないし。で、朝は寝坊しがち。困った困った。
今年に入って、さらに悪化してる。ときどき意味なく徹夜をしてしまう。おもしろい本を読んでいて徹夜、というのではなく、眠れないから徹夜して、暇なので本を読む感じ。午前4〜6時頃に睡魔が来るが、それをクリアしたら、翌日は普通に動けるのでまあいいか(学生時代は、まったく徹夜ができなかったのだが…)。

さて、何故かわからないけど、昨日の夜も寝られなかった。本が2冊読めた。今日は朝から観察会があったので、午前3時を過ぎてくると、今さら寝て寝坊するわけにもいかない。無理にも徹夜にもっていく。
朝方、死ぬほど眠いがそのまま観察会の集合場所へ。途中の電車は爆睡してしまい、何度もあやうく乗り過ごしかける。
そして、観察会開始。徹夜明けにしては意外と元気。頭もむしろ冴えてるような気がするが、ちょっと全体にふわふわした感じ。妙なテンションだったかもしれない。

帰りの電車でまた爆睡。今晩はよく寝られそうな気がする。
二日に10時間とかのローテーションで寝たらいいかもしれない。


2007年6月1日 頭が二つあるトカゲ顛末記

電話がかかってきた。トカゲを捕まえたという。へぇ〜。頭が二つあるという。ええええー! 心の中で、見たい見たい、欲しい欲しいという声が響く。でも、そこはぐっと押さえて、それは珍しいですね〜。どんな感じなんですか? などと尋ねてみる。
前に頭があって。ふんふん。後ろにも頭があって。ここらへんでテンションが下がる。前の頭が二股になって、頭が二つあるのならあり得るけど、オシツオサレツみたいなトカゲがいるわけがない。珍しいかと尋ねられる。とりあえず無難に、見てみないとわからないですね〜。と答える。

数日後、持ってきて下さる事になった。おおかたどんなんかは予想がつくので、テンションは低め。しかし、周囲では妙に盛り上がっている。持ってきたら、絶対見せて下さいよ!と指切りげんまんまでさせられる。
そして数日後、頭が二つあるトカゲが到着。予想通り、尻尾が切れたヤモリだった。尻尾の付け根が膨らんでいるのが、頭に見えたらしい。たしかに尾っぽ側を膨らませて、頭と勘違いさせるというのは、ヤモリ類やトカゲ類が時々やってくれること。それに人間がかかったというだけの話で、まんざら大きな勘違いでもなく…。よくわからない話をして、慰める。

てなことがあったのは、先週の事。ふと見ると、机の上にそのヤモリが乗っている。いらないからと置いていかれた。採集データはきちんとしてるので、標本として頂戴した。
指切りげんまんをした相手には、まだ見せていない。夢をそのままにしておくべきか、それとも過酷な現実に直面させるか。今日、けっこう迷ってしまった。悩んだ末に、まだそのまんま。いつか本当に頭が二つあるトカゲを入手したら、それを見せるとか…。


2007年5月31日 史上2番目の危機

史上最大の危機は、世紀の変わり目の夏に起きた。
ツバメの集団ねぐらの観察会を企画した。場所は知っていたから、下見の前に参加方法をアナウンス。本番直前に下見に行った。ツバメがいなかった。ねぐらが移動してしまったらしい。どこに移動したのかわからない。近くに別のねぐらはない。集合場所を変えて別のねぐらを見に行くにも、もう連絡する時間が…。
雨が降った。観察会は中止になった。気象庁に御礼の電話をしようかと思った(ウソ)。

史上2番目の危機は、この5月に起きた。
モリアオガエルの卵塊の観察会を企画した。その後、有志でモリアオガエルの分布調査をしようと思った。調査期間の都合から、モリアオガエルの産卵の最盛期ではなく、産卵しはじめの季節を狙った。それがこの週末。
当初予定していた場所に行ってみた。モリアオガエルの卵塊がない…。知り合いに確認したら、6月後半でないと産卵しないとか…。手持ちのデータをチェックして、知り合いに尋ねてみた。尋ねた相手はいずれも1週間早すぎると言った。でも、手持ちのデータでは大阪の最北部では、6月頭のモリアオガエルの卵塊の記録がある。それに賭けてみることにした。
今日、現地に下見に行ってみた。まず6月頭にモリアオガエルの卵塊を見た場所に行ってみる。卵塊はかげも形もない。呆然とした。水田でシュレーゲルアオガエルの声はしているので、シュレーゲルアオガエルの卵塊を見せて、お茶を濁す。などといったプランを真剣に考え始める。しかし、シュレーゲルアオガエルの卵塊すら見あたらない…。
とにかく、できるだけモリアオガエルの卵塊を探してみようと、地図を片手に、山際をしらみつぶしに歩き回った。でも、さっぱり見つからない。もうほとんど諦めムード。楽しみにしてるんです〜、という申込者がいたっけ…。
ある谷の奥、もう使われていないらしい山道。それが途切れたところに小さな池があった。あまり期待せずに周囲の木の枝を双眼鏡でながめる。モリアオガエルの卵塊があった〜。

とまあ、斯様な具合。史上2番目の危機もなんとか回避された。観察会を企画するなら、充分に準備してからにしろよ。いい加減に学習しろよ。という話。


2007年5月30日 骨とダニ

昨日、イノシシの骨が届いた。以前、落ちてるのを見つけた、と伺った時に、拾ってきて〜。とお願いしたら、拾ってきて、わざわざ届けて下さった(ありがとうございます)。

拾う時にダニにつかれて、という話をされていた。骨を拾ったはずなのにダニ? 肉が付いてる死体なのか? と思いつつ中身を見せてもらう。すっかり骨。ハネカクシ、シデムシ、カツオブシムシの成虫やら幼虫が動き回っている。虫嫌いの人にとっては地獄のような光景かもしれない。
拾った時に、足についていたというダニもきちんと別に保存されていて、見せてもらった。5mm位ある立派なマダニ。確かに大型の哺乳類に付いていそうなダニ。それにしても、骨にダニは似合わない。

さっするに、骨になったイノシシに元々ついていたマダニ君たち。イノシシが死んでしまったので、イノシシの体からは退避。でも、死体の近所にずっと待機していたのだろう。そこに、生きたヒトがノコノコやってきたので、飛んで火にいる夏の虫とばかりにとりついたんじゃないかと思う。

骨にダニがいるわけはないが、骨の周囲にはダニがいるかもしれない。ってこと。骨を拾う人は要注意。


2007年5月29日 サクラの果実をめぐる鳥たち

果実を付けてるサクラの木を観察して、どんな鳥がやってきて、どのくらい食べているのか調べている。といっても、1時間のセッションを4回しただけ。それでもけっこう色んな様子が見られて楽しい。

やってくるのは主にヒヨドリとムクドリ。まれにキジバトとスズメも来たが、スズメは果実を食べず。観察してる木ではないが、周辺の木にはメジロも来ていた。

ヒヨドリはこの時期、2羽でやってくることが多い。つがいらしい。観察木の周辺になわばりを持っているらしきつがいの場合、他の個体を見つけては追い払う。時にはムクドリすら追い払う。
なわばり個体でないのもけっこうたくさん来ているらしい。標識した個体も2羽やってきていた。少なくとも6羽以上は関与しているもよう。

ムクドリは、巣立ちビナ連れでやってくる。枝にとまったヒナの口に、どんどんサクラの果実を入れていく。虫を与えるよりも、サクラの果実の方が、どんどん給餌するのに適している感じ。
ようやく独り立ちしたばかりの幼鳥もやってきた。果柄から果実をもぎとるのは、コツがいるらしい。何度も何度も失敗した末に、ようやくもぎとって食べる。枝にとまる位置も悪くて、すぐ足下にある果実がうまく食べられなかったりもする。鈍くさくて可愛い。やがて疲れたのか、そのまま枝で寝てしまった。可愛い。

枝で寝てしまうのはキジバトも同じ。やってきて、パクパクパクと盛んに食べたかと思うと、枝に座り込んで寝てしまった。ずーっといたのが、ふと気付くといなくなっていた。昔、キジバトの研究をしていた時、追跡するのに苦労したのを思い出した。

メジロにはサクラの果実は大きい過ぎるらしい。果実をくわえようとするが、くわえられず。何度かチャレンジした後、諦めて飛び去った。以前、果実をつけたウワミズザクラを観察していたときは、メジロが果実を食べていた。微妙な大きさか、形の違いがメジロにとっての分かれ目らしい。

1時間座り込んでサクラの木を見ていると、アリやハチやネコもやってきて、なかなかにぎやか。人も近くまで何度もやってきたが、誰も話しかけてこなかった。座り込んで、ずーっとサクラの木を見上げているお兄さん。かなり怪しかったのかもしれない。


2007年5月28日 ササゴイって実はあちこちで…?

かつて大阪でササゴイといえば、淀川名物。そして、淀川に近い市街地の小さな社寺林、公園、街路樹などで繁殖していた。その上、各年に見つかっている営巣地は、せいぜい数カ所。比較的珍しい存在だった。
2001年に藤井寺市と岸和田市での繁殖が確認されて、驚いたがやはり珍しめの鳥なのは間違いなかった。

ここ数年、大和川河口でよくササゴイを見かけるようになり、近くに繁殖コロニーがあるに違いない。と思っていたら、昨年、大阪市住之江区の公園でササゴイが繁殖しているのが確認された。
とまあ、大阪のササゴイは、川沿いの木か市街地の緑で繁殖して、その近くの川などで採食するらしい。

昨日、高槻市の淀川でササゴイを見た。今日、堺市のため池でササゴイを見た。渡りの途中に立ち寄っただけの可能性もあるけど、実はあちこちで繁殖してるんじゃないかな〜?


2007年5月27日 ヒバリの繁殖生態?

淀川の河川敷のヨシ原に行った。オオヨシキリやセッカはよく調べられているので、その繁殖生態について色々と話ができる。でも、ヒバリはあまり調べられていないので、話がしにくい。

ヒバリが飛びながら囀っている。当然、囀っているエリアがなわばりなんだろう。けっこう飛びまわりながら囀っていたりする。あの下、全部なわばりかな〜?
だいたい、なんで飛びながら囀るの? 地面で囀ることもあるくせに!

オスが空中でほぼ停止飛行しながら囀っている。だんだん高くなっていく。いわゆる揚げヒバリ。
その下で、ヒバリが1羽ウロウロして、地面の虫を採食中。囀ってるのがオスで、そのなわばり内にいるから、つがい相手のメスかな?
と思っていたら、オスが地面に下りてきた。とくにメス(?)を追尾するわけでもない。繁殖期に、つがいのどちらも巣についてないのに、一緒に行動しないというのも変。つがいじゃないのかな? じゃあ侵入を許されてるのは何故? 気付いてないとも思えないけど…。誰かヒバリをきちんと詳しく調べてくれたらいいのに。

いずれにせよ、繁殖期の鳥の行動は面白い。わからないなりに、行動を見ながらあれこれ考えるのも面白い。


2007年5月26日 コゲラとスズメの面白い行動

大阪城公園に行った。繁殖してる鳥探し。身近な鳥も改めて見ると、いろいろと面白い行動に気付く。

地面に何か鳥がいる。近づくと飛び立って木の幹に縦にとまった。コゲラだった。で、立ち止まって見ていると、また地面に下りる。距離は2メートル位しかないのに。下りたと思ったら、また木に戻る。でもまた地面に下りる。ものすごく近くにいて離れないので、可愛いな〜。とはいうものの、よほど地面で何かしたいらしい。気の毒なので離れてみることにする。またすぐに地面に下りる。で、水たまりの中に入った。水浴びがしたかったらしい。腹の先しか浸からない浅すぎる水たまりに座り込んで、翼を動かしてはいる。でも、水浴びになってないような〜。やがて納得したらしく。木の上に戻る。そこにはもう一羽いた。二羽で長い間、ボヤーとしてる。葉っぱのない枯れた木のてっぺん。あんなところでボヤボヤしてて、カラスに襲われないんだろうか?
全体に押さない感じの残る2羽。巣立ちビナの兄妹ではないかと思う。最初から木の上にいた方の頭には、はっきりと赤い部分があった。

スズメがなんか変な事をしてるという声を聞いてみてみる。2羽のスズメが追いかけっこをしているらしい。後ろのスズメが、前のスズメの上に乗ろうとする。前のスズメは逃げ回る。後ろのスズメは、前のスズメの首辺りを突いたり、捕まえたりしている。ようやく上に乗る。乗られたスズメは、上のスズメを突いて落とす。以下繰り返し。やがて、下のスズメは飛び去った。
最初に見つけた人によると、初めのうちは前のスズメは枯れ草をくわえていたという。察するに、巣材集めをしているメスに、つがい相手でないオスが交尾しようとしていたのではないだろうか?
いずれにせよ、スズメで強制交尾の試みを見たのは初めて。水面でマガモが強制と思えるような強引な交尾をしているのはよく見るが。乗られた個体が、上の個体を突いて落とすというのも初めて見た。オオミズナギドリでオスがオスに乗ってしまうと、さすがに下の個体の拒否反応が強くて、突きに行くことはあるけど…。

シジュウカラも巣立ちビナを連れていた。ヒヨドリも巣材を運んでいた。みんな繁殖シーズンで忙しそうだった。


2007年5月25日 大阪でハッカチョウ増加か?

先週、堺の公園にハッカチョウがいるという情報をもらった。それも2羽で一緒に行動しているという。繁殖するかもしれない! 繁殖するか是非気をつけて観察して〜。と返事した。
昨日、今度は泉佐野で、ハッカチョウを見たとの話を知った。これまた2羽。繁殖するかもしれない! 繁殖するか是非気をつけて観察して〜。と、まったく同じ返事をした。もしかして、同じつがいだったりして、と思いつつ。

大阪でのハッカチョウの繁殖といえば、1983年に豊中市で一度だけ繁殖した記録がある。ちなみに、繁殖したのは家の近所の公園だった。そのハッカチョウも見てた。当時は、繁殖がどうしたとかあまり気にしてなかったなー。
それはともかく、その後、大阪にハッカチョウは定着せず。観察記録すらほとんどなかった。

ところが数年前から、淀川周辺でパラパラと観察されるようになり、2005年についに長柄橋で繁殖した。2006年はどうだったっけ?
そして2007年。やにわに大阪の各地でハッカチョウが繁殖しそうな雰囲気。これからどんどん定着して、大阪で普通にハッカチョウが繁殖しまくる日が来るのかもしれない。そうなったらムクドリはどうなるんだろう?

というわけで、これから2ヶ月ほど、ハッカチョウに要注目。ムクドリ大、真っ黒で、嘴と脚だけ黄色い。飛ぶと、両翼に白いマルが目立つ。そんな鳥がいたら、ぜひお知らせを。


2007年5月24日 砂浜で死体回収

団長から連絡が入る。台車を用意して門のところまで来るように。もちろん言われた通りに、門のところに出頭する。やがて到着した団長の車から、怪しげな荷物が台車に運ばれる。ブルーシートにあめ玉包みされた長さ1mちょっとくらいの細長いもので、グニャッとしてる。
「これって、人の死体みたいなんだよね〜。」
団長が大声で話す。なんて怪しい二人組。真っ昼間なのに。

受け取った物を、台車で運んで、冷凍庫に入れる。ブルーシートに包んだまま測ってみたら、約18.5kgだった。死体を抱いて運ぶと確かに、人間の子どもっぽい。
もちろん人の死体ではないけれど、死体は死体。スナメリの死体。

白昼、多くの人が行き交う中で、死体を運んでいても、堂々としていれば、誰も見とがめないものらしい。まあ、ここら辺の人たちは、あそこには怪しい物がいっぱいあって当然と認識してくれているのかもしれないが…。

このスナメリ、一昨日の夜にIさんから情報をいただいたもの。泉南の砂浜に打ち上がっていた謎の死体。それを撮影して送ってくださった。すかさず団長に転送。しばらくして、スナメリ!という返事。あわてて、今日拾いに行ったもの。情報をくれたIさんもかり出されたらしい。
Iさんありがとう〜。で、平日の午前中なんだけど。二人とも仕事は大丈夫なんだろうか??


2007年5月23日 大阪バードフェスティバルまとめ

という集まりがあった。事務局が顔をそろえた。とりあえず、収支とか入場者数のペーパーを見ながら、感想戦。
小さなトラブルはあったし、問題点もあっただろう。でも、初めての試みとしては、成功であったと言っていいだろう。ということで一致。またやりたいね〜。ということで一致。

一致しないのは一点だけ。来年? いやー、毎年ってのはちょっと大変だなぁ〜。隔年とか、3年に2回とかでは? バードフェスティバルだけでなく、自然史フェスティバルも交えては? などといった意見を交わして終了。あとは打ち上げ。

さて、でも毎年、関西でバードフェスティバルをしたいのなら、別の会場を見つけるというのが一つの方法。京阪神エリアからのアクセスがよくって、バードフェスティバルにふさわしい場所。フェスティバル事務局を運営するノウハウを持ってる人材がいる場所。
一つだけ思いついた。あそこは鳥の施設ではないが…。まあでもイベントは得意なはず。大阪からのアクセスも悪くない。関西の鳥屋はみんな知ってるし。
さて、どーこだ?


2007年5月22日 マムシをもらう

Tさんから電話があった。マムシを捕まえたけどいるかとのこと。もちろん欲しいと返事する。持ってきてくれるという。少しドキドキ。
Tさんは御歳85歳だそうなのだが、山歩きが大好きで、頻繁に大阪府南部の山に行っておられる。ヘビも大好きらしく。ヘビを見つけたら捕まえてきて下さる。ただし、必ず生きたまま持ってくる。マムシももちろん生きているに違いない。前回は一升瓶に入っていた。取り出すのに苦労した。噛まれないかとドキドキした。今回は果たしてどんな入れ物に?
今回はいわくいいがたい透明なプラスチックの入れ物に入っていた。何かの工具が入っていたのかな。とにかく二つにパカッと開く柔らかい透明の入れ物に生きたマムシを入れて、紐で軽くしばった状態で、ビニール袋に入れてぶら下げてきたらしい。
よく見ると、あちこちに微妙なすき間がある。時間があればマムシはきっと脱出しただろう。そんな状態で電車に乗って??
ともかくそこから出して、標本瓶に移すことにする。でもどうやって? Tさんは気軽に紐をほどいてマムシを捕まえて入れ替えようとする。えー、いやいや、万が一にもここでマムシに噛まれてもらっては困る。もちろん大丈夫やと思うけど。などとやりとりをしつつも、小さいすき間からマムシを出して、容器の入れ替えは完了。
しばらくTさんとお話し。小さい頃から、平気でマムシを捕まえていたらしい。東北出身のTさんにとって、子どもの頃マムシと言えば、赤いヘビだったそうな。大阪では赤マムシは見ませんね〜。さらに、小さい頃はシマヘビをよく喰ったという話を聞いたりしてから解散。

残されたマムシをよく見てみる。マムシは可愛い。ネコのような縦長の瞳。それが、けっこう動く。暗くすると開いたりする。あと、前後に目玉を動かせるらしい。他のヘビも動かしたっけ?
ともかく、前後だけとはいえ、目玉を動かせる動物って珍しい気がする。ネコは動かさないし、鳥も動かさない。カメ? カエル? 動かんよな〜。

【追記】
と書いたら怒られた。ネコとカメは目玉を動かすらしい。そういえば、飼ってるカミツキガメはよく目玉を動かしてる。ネコ? ネコって動いたっけ? 長年飼ってたけど…。
ところで、もらったマムシは死んでしまいました。胃の中からでっかいニホントカゲが出てきました。


2007年5月21日 大阪の新干潟の発見

発見とは、常に視点の問題にすぎない。他の誰かがすでに知っていたとしても、自分が初めて知ったなら、それは発見なのである。

今日は、島本町方面へ出かけた。往復は阪急京都線。今年度から淀川水系の調査プロジェクトが始まったので、車窓の景色を見る目が違う。今までも鳥がいそうな川や田んぼはチェックしてたけど、今日は小さな水路、大きめの溝までが気になる。水路を横切るたびに、水草がありそうとか、どんな貝がいるかな?とか思ってしまう。ぜんぜん鳥屋とは違う視線。

大阪で干潟と言えば、大堰より下流の淀川にはけっこうある。あと、男里川、樫井川、近木川、大津川など大きめの河川の河口にも小さいのができる。あと、南港野鳥園には水路で海につながった人工的な干潟がある。大和川河口にも干潟らしきものが出るけど、ベントス相は貧弱。

で、阪急京都線に乗って、帰りのこと。ちょうど干潮の時間にあたっていたらしい。相川駅のすぐ北で、電車は安威川を横切る。その時、線路の上流側に干潟があるのを発見! ヨシなどの植生は伴っていないものの、干潮で干出したのは間違いなさそう。

こんなところに干潟があるとは知らなかった。ぱっと見た感じでは、鳥はあまり期待できそうにないけど、ベントスは何かいるはず。淀川水系なので、ぜひ調査に行かねば!


2007年5月20日 ウサギになった私の不満

今日はちょっとウサギになってみたんやけど、あんまりええもんやなかった。ウサギになってみよかなという人に忠告をしておこ。

ウサギといえば、あの柔らかい毛並み。ネコと並んで、触り心地抜群。でも、ウサギになってみてはたと気付く。ウサギは足の先まで毛が密生してて、肉球とかがない。つまり自分の柔らかい毛並みを自分で触っても、触り心地がよくないねん〜。
その上、(ウサギなのに)ネコっ毛なので、手入れが大変。さらに、密生してるから、これからの季節はめっちゃ暑い…。

ウサギと言えば、皮が薄い。どのくらい薄いかというと、鳥と同じくらい。ほんでもって、メスを使わんでも、指でけっこう皮が剥ける。ほんまに鳥みたい。そやから、1羽2羽と数えるらしい(ウソ)。
皮が薄いんは知ってたけど、ここまでとは思わんかった。今日うっかり、お尻をなんかに引っかけたら、お尻の皮が大きくずる剥けになってしもた…。尻尾の皮も綺麗に剥けてるから笑える。人ごとなら笑えるけど、自分が因幡の白ウサギ状態になると笑えん。
聞くところでは、腹膜も薄いらしい。今度うっかり、腹をなんかに引っかけたら、腹が割けて、腸がはみ出てしまうかもしれん。そんなん考えると、うっかり走ることでけへん。

あと、ウンコばっかり出るの。腹の中もウンコだらけ。そのウンコを食べたりせなあかんし。あれ臭いねん! もっとうまいウンコを喰いたい…。

そやから、ウサギになるのは止めた方がええと思う。


2007年5月19日 大阪のヨシ原で繁殖する鳥

高槻市の淀川右岸のヨシ原に行った。短く言えば鵜殿に行った。少なくとも鳥屋は、鵜殿に行ったと聞けば、ああ淀川のヨシ原やな、と理解することになってる。たぶん。

毎年冬には行くのだが、そして時々春先にも行くのだが、こんな季節に行ったのは久しぶりか、初めてか。けっこう伸びてきているヨシの緑が鮮やかで美しい。そして、ヨシ原はオオヨシキリの囀りで満ちあふれている感じ。
オスがなわばりを張りまくって、メスの到着を待ちわびているといったところか。まだ、ヨシが伸びきっていないから、巣作りはもう少し先になりそう。でも、今がオオヨシキリのオス的には一年で一番のがんばりどころなのかもしれない。

ヨシ以外の植物が生えているところでは、ヒバリ、ウグイス、セッカ、ホオジロの囀りも聞こえる。遠くからはキジの声もする。だいたいこんなところが、大阪のヨシ原周辺で繁殖する面々らしい。

昔、大阪のホオジロは山手には多いけど、河川敷にはいないな〜、と思っていて。三重県の櫛田川に行ったら、干潟の後背地のヨシ原でホオジロが囀っていて、三重県は違うな〜、と思った気がする。
今日、ヨシ原でけっこうホオジロが囀っていて、少し驚いた。昔から鵜殿のヨシ原でホオジロは繁殖してたっけかな〜?


2007年5月18日 ベランダに卵

近所の3階のお宅のベランダの植木鉢に卵があったという話。とりあえずドバトに違いない。もしかしたらスズメかムクドリの卵でも落ちてきたとか? と思って聞いていたら、ニワトリの大きめの卵くらいの大きさという。今までの仮説はすべて却下。とたんに何の卵がわからなくなる。
そのバカでっかさは、カラス以上の鳥。大阪市内で卵を産んでも許せそうな鳥は、大きさを考えると、カワウかアオサギくらいしか思いつかない。色は汚れた感じの白で、少し模様が入っている気がするという。じゃあ青い卵のアオサギは却下。カワウかな〜?というところまで。
実物を見ていないので、それ以上は何とも言えない。

実物を見て、ものすごーくカワウの卵に似ていても、やっぱり疑問は残る。どうしてベランダの植木鉢に??
ほんのり巣を作ろうという気配はあったとかなかったとか。そこで繁殖する気だったんだろうか?

昔、キジバトを観察していた時に、巣も何にもないのにキジバトが卵を産んでしまって、卵が落ちて割れたことがあった。トイレと一緒で、産卵も生みたくなるとどうしても我慢できない時があるんじゃなかろうか?


2007年5月17日 ヒグラシとアブラゼミの分布

セミの分布図作り。おかげで、セミの分布と地理に詳しくなる。そして、セミの分布はなかなか面白い。

ヒグラシとアブラゼミは日本固有種らしい。で、どちらも北海道の渡島半島と本州以南に分布している。でも、周辺島嶼での分布が微妙にずれていて面白い。

ヒグラシの分布の南限は、奄美大島。でも、屋久島と種子島は抜けているらしい。
アブラゼミの分布の南限は、屋久島と種子島。

対馬にはアブラゼミはいるけど、ヒグラシはいない。
隠岐にはヒグラシはいるけど、アブラゼミはいない。
佐渡島や伊豆諸島、壱岐には両方いる。

小さい島では、どちらか片方の種しか生息できないってわけでもなさそうだし。かといって飛翔能力がそんなに違うとも思えない。いない島には近年の別種がいるってわけでもない。セミの分布の理由は奥が深そう。

【追記】
アブラゼミは、韓国にもいるらしい。だから日本固有種ではないそうな。じゃあ準固有種ってことで。


2007年5月16日 大学訪問 大阪産業大学

JR片町線(と以前は言ってた)野崎駅から外環状線沿いに南に歩いて約15分。茶色い背の高い建物に、でっかく「大阪産業大学」と書いてあるので、迷い心配はまずない。JRの電車からもよく見えるし、かなりの存在感。
東西に細長い中庭のような空間の周りに、背の高い建物が十数棟並んでいるらしい。デザインも色合いも統一されていて、建物間がつながっているので、でっかい一つの建物のようになっている。全体に新しくて、こぎれいな感じ。で、この狭くコンパクトにまとまった空間に1万人以上の学生がいるらしい。すごい人工密度。
敷地内に入ってみると、若い今どきのお兄ちゃんがたくさんいる。お姉さんはあまりいない。性比はかなり男に片寄っているらしい。
建物の中には、ローソンがあったり、紀伊國屋書店があったりする。コンピュータ室はガラス張りで中の様子がよくわかる。学生控え室っぽい部屋も、ガラス張りになってるところが多い感じ。廊下に物が並んでいる様子はない。
小汚くて物だらけの研究室に馴染んでいる者としては、かなりの違和感。最近の大学は落ち着かないな〜。

一番東の建物の6階にある大講義室に行った。生駒山が真正面に見える。山頂から麓までの様子が見渡せて、ものすごく眺めがいい。講義するより山を眺めていた方が楽しそう。

男子学生が多いせいだろうか、レストランのメニューは、想像以上にヴォリュームがあり、脂っこいものが載っている。気をつけるべし。

帰りは、住道駅の方まで歩いてみた。それっぽい学生について歩くと、20分ちょっとで着く。
なんだかんだで、川や水路が多いエリア。でも、ただの溝のようになっていて、生物的にはあまり面白くない。このエリアも淀川水系だから調査範囲なんだけどなー。


2007年5月15日 ヤマカガシの幼蛇と老蛇

初めに断っておくと、老蛇という言葉はないと思う。でも意味はわかるから許すことにしよう。

舞鶴土産をもらった。ヤマカガシとカナヘビとタゴガエルと鳥の死体。鳥は腐ったアビの死体。海産物と言ってもいいだろう。でも、食い物はなかった。

ヤマカガシは、なかなかの大物。太くてびっくり。そして、大物のヤマカガシらしい顔つき。可愛くない。
考えてみると、ヤマカガシの幼蛇は綺麗で可愛い。赤や黄色に彩られて、黒目がちの大きな目。可愛い〜。
それに引き替え、ヤマカガシの老蛇は、茶色いだけ。目は小さく、目の上に出っ張りがあるから一層可愛くない!

幼蛇が、成長すると色・模様が変わるというのはよくあるけど、顔つきがあそこまで変わるというのも珍しい気がする。日本の他のヘビではないんじゃ?
幼蛇が、目立つ色彩や模様を持つのは、毒蛇にでも擬態してるんだろうか? よくわからんが、それはおいといて。
ヤマカガシの幼蛇が可愛い顔をしてるのは、どんな意味があるんだろう? 哺乳類で子どもの目が大きく、上寄りに付いているのは、可愛く見せることで成体の保護意欲を誘っている。などといった話がまことしやかに本に載っていたりする。この伝で行けば、ヤマカガシの幼蛇も、保護してもらうために可愛い顔をしてるのかもしれない。ヤマカガシの親が幼蛇を保護するというのは聞いたことがない。だいたいヘビが可愛いと思う顔が、哺乳類の我々と同じとは限らない。ということは、

ヤマカガシの幼蛇は、哺乳類の保護意欲をかき立てるために、可愛い顔をしているのである。

すごい仮説だなぁ〜。などというお馬鹿なことを、今日は一日考えてた。だって、明日の準備にすぐ疲れてしまうから。


2007年5月14日 ムカデが噛んだ足指が痒い

悲劇が起きたのは、2007年5月6日午前7時45分のこと。
前日は雨の中の干潟観察。牡蠣の多い干潟なので、草履で歩くと危険。仕方なく、運動靴のまま歩き回った。足下はずぶ濡れになった。宿舎に帰ってきて、草履に履き替えて、運動靴は屋外に干しておいた。といっても壁に立てかけて置いておいただけ。
朝になっても運動靴は乾ききっていなかったが、化石採集に草履というわけにもいかないだろうと、濡れた運動靴に足を突っ込んだ。左の指先に何かが刺さった。痛っと言って、足を引き抜いて振る。後ろに何かが飛んでいく。最初はちくっとしただけなのが、じんじん痛み出す。海の側なので、てっきりカニが入っていたと思ったけど、後ろを見て驚いた。ムカデだった。
ムカデに噛まれたのは初めて。全身腫れ上がるとか、数日間痛いとか、病院に以下なあかんとか。みんなに脅される。とりあえずイソジンを塗って、消炎剤の付いた絆創膏を貼ってもらう。
とりあえず迎えのバスに向かって歩き出すが、左足を引きずらないと歩けない。化石採集に行く途中のバスの中では、とても噛まれた場所がじんじん痛くて、他のことが考えられない。1時間ほど経って、バスから降りたら、左足の先が全体的に赤く腫れ上がっていた。右足と並べると違いがよくわかる。並べて記念写真を撮影した。
さらに1時間後、化石採集の場所に到着。まだ左足は腫れていたが、痛みはかなりひいた。さらに30分すると、ほぼ復活。普通に歩けるようになった。結局、噛まれてから回復まで約2時間半。驚異的な回復力と、みんなに誉められる。

というわけで、一件落着したと思っていたのだが。昨日の夜、布団に入ってから、ムカデに噛まれた指が猛烈に痒くなった。寝にくかった。今日の昼過ぎになって、ようやく痒みが引いた。
思えば、昨日は運動靴を履いたまま川に入って、じゃぶじゃぶ歩き回った。そして、濡れた足のまま帰ってきた。あれが原因に違いない。

当分は、靴を履いたまま、水の中に入るのは控えようかと思う。草履で入るのはどうなんだろう??


2007年5月13日 プロジェクト・アブラ始動

大阪の哺乳類全種の分布図を作ろう。などと思ったのだが、とっても普通にいるのに、生息情報がとっても少なくて困るのがアブラコウモリ。
コウモリが飛んでるのはよく見る。たぶんアブラコウモリなんだろうな〜。と思いつつ、断言するのは難しく、観察情報を集めにくい。かといって、許可なく採集はできないし、死体を拾う機会もあまりない。あんなに飛んでるみたいなのに…。
そんなことも言ってられないので、市街地周辺で飛んでるコウモリは、きっとたいていアブラコウモリ!と大胆に割り切って、「飛んでるコウモリ」情報を集めて、その分布図を作ってみることにした。これなら情報も集まるだろう。

というわけで、プロジェクト・アブラが始動した。本当は、プロジェクト・アブラムシとしたかったけど、勘違いする人に説明するのが面倒。という理由で却下された。
集める情報・条件はいたって簡単。以下の通り。
───────────
・調査範囲:大阪府周辺
・調査期間:2007年
・調査対象:飛んでるコウモリ

◆飛んでるコウモリについて、以下の情報をお知らせ下さい。
・観察者名
・観察日
・観察時間(時間帯でok)
・観察場所(できるだけ詳しく。数年後にもう一度同じ場所で調査できるように)
・飛んでるコウモリの個体数(概数でok)
・その他気付いたこと(アブラコウモリにしては大きい気がするとか、大きいコウモリが混じっていたとか、声が聞こえたとか、人工建造物や樹洞や洞窟に出入りしたとか)
───────────
たとえば、10年前と比べると、家の周りを飛んでいるコウモリはすっかり少なくなってしまった。いま情報を集めておけば、数年後にコウモリが減ったかどうかという評価も可能になるかもしれない。などと夢だけは広がる。

とりあえず、夕方になったら空を見上げてみよう!


2007年5月12日 今年の春の小鳥の渡り

植物園で観察会。この時期に設定したのは、遅めに渡る小鳥が見られないかな〜、と思って。すなわち、サンコウチョウ狙い。まあ予想通り見られなかった。メボソムシクイはさえずっていたので、一応遅め設定の意味はあったかも。
それはさておき、今日はキビタキとオオルリが見られ、アカハラも見られ、センダイムシクイも見られた。キビタキはけっこう黄色いのが見られたし、センダイムシクイにいたっては、今が渡りの最盛期なのか? と思うくらい個体数が多かった。よくさえずっているし、姿もあっちにもこっちにも見られた。

例年の感覚で言えば、キビタキ、オオルリ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、アカハラといった小鳥類は、春の渡りの早い組。ゴールデンウィークまでにピークをすぎて、今頃になればほとんど見られないと思うのだがノ。今年の春の渡りは遅めなのかな? と思ったりする。

週に1度程度の頻度(秋から冬以外はけっこうさぼってるが)で、センサス調査をしているものの、この程度の頻度では、日々変化する渡りの途中の通過鳥の変動はうまくとらえられず。過去のデータをふまえて語れないのが、残念なところ。

そういえば、今日は池にコアジサシがたくさんきていた。少なくとも10羽はいたと思う。見た目も綺麗し、声も特徴的だし、ダイビングも面白いので、観察会アイテムとしてはコアジサシはとってもありがたい。
コアジサシを見ると、そろそろ初夏だな〜、って感じ。実際、今日は暑かった。


2007年5月11日 筋肉フェチ

今日、出会った筋肉フェチな方を紹介する。筋肉フェチと言えば、マッチョ好きの女性とか、マッチョ好きのゲイの方とか、マッチョ自身とかを思い浮かべるが、この筋肉フェチはちょっと変わっていた。

今日は、シカの解剖&皮むき&骨格標本作りをした。それなりに大きいので、皮を剥くにもそれなりに時間がかかる。4人がかりで1時間以上かかってたに違いない(いろんな発見をして感心してながめたりしてるから一層時間がかかっている)。皮を剥き終わると、皮の裏の除肉とか、骨の周囲の除肉とかに移る。顔の周りのいらん肉をせっせと取り除いていると、目の前で筋肉フェチが楽しそうに筋肉を見ながらつぶやいている。気になるので、大きな声でつぶやいてもらうことにした。だいたいこんな事を言っていた。

大腿二頭筋でっかい〜。うわぁ、きれいにはずれた〜。
おお、座骨神経が出てきたー。
そして、下腿三頭筋腱。

こっちが三角筋で、こっちが棘下筋。
ぐにゃっと曲がった※※筋がかっこいい〜。

どうやら、名前を確認しながら、筋肉や腱などを綺麗にはずしていくのが楽しいらしい。筋肉フェチって変わってる。
まあおかげでいくつか言葉を覚えた。下腿三頭筋腱っていわゆるアキレス腱のことらしい。なんやら、一子相伝の必殺技のようだ。

※※に何が入るのかは忘れた。上腕の表面の筋肉の下に隠れてる筋肉だった気がするが…。


2007年5月9日 大阪の川と熊本の川

熊本帰りなので、大阪をついつい熊本と比較してしまう。
今日は、大和川へ行った。自転車で河口から12kmくらい範囲を自転車で走る。熊本の川と違うな〜。

熊本では、もっぱら海岸でウロウロしてたけど、八代市の球磨川と、玉名市の菊池川を、河口から川沿いに歩いた。球磨川は河口から約6kmの潮止めの堰まで。菊池川も河口から約5km。どちらの川もちょうど大和川くらいの川幅で、比較するにはちょうどいい感じ。

大阪でも熊本でも、堤防-高水敷-低水敷という構造で、堤防の上に車道、斜面から高水敷にかけて草が生えて、高水敷-低水敷はコンクリートでおおむね固められているのは同じ。でも、低水敷の様子がぜんぜん違う。
熊本の2河川は、少し潮が引くと、河川の両側に干潟で現れる。河口から数km離れても、感潮域で、カニや貝などのベントス相が豊富。シギ・チドリ類も多い。でも、ヨシ原や中州が少なく、潮が満ちると、ただの水路のように見える。
一方、大和川は、潮が入っていてもよさそうなエリアでも、ほとんど干潟が出ない。潮間帯のベントス相はほとんど見あたらない。シギ・チドリ類はあまりいない。今日は、コチドリとイソシギがいた以外には、チュウシャクシギが河口に1羽いただけ。ただ、中州が発達していて、けっこう草も生えている。
この違いは、河川の深さや底質のせい? 海水の影響の受け方、潮間帯のベントス相の豊かさの違いは何のせい?

ともかく、渡りの季節に関しては、熊本の河川はいろんなシギ・チドリ類が豊富でとても楽しい。のに対して、大和川は楽しくない。
不思議なのは、その大和川でも、1980年代の初め頃は、けっこうシギ・チドリ類が見られて面白かったこと。今と何が違うのか不思議。ただ、今日思ったけど、1980年代の初め頃までは、大和川河口の先の埋立がまだ完成してなかった。(埋立作業のせいなのか)当時は海から泥やベントスの幼生が供給されていたのに、(埋立完成のせいなのか)今は供給されなくなったってことではないだろうか?

そんなわけで、熊本の河川下流部は楽しい。大阪と違って、アオアシシギがたくさんいたのが印象的。大和川どころか大阪にはあんなにいないよな〜。チュウシャクシギとソリハシシギの次くらいに多かった。
あと、カワウがいなかったのも印象的。6日間ほど、海岸や大きな河川沿いをウロウロしたが、水辺では一切出会わなかった。唯一見たカワウは、八代駅の上空を8羽が北へ飛んでいったのだけ。少しはいるらしい。

河川敷の植物も大阪と熊本では違っていた。大和川の河川敷で今の時期に目立つ花は、黄色いセイヨウカラシナと紫のナヨクサフジ。でも、熊本ではナヨクサフジは一切みなかった。熊本の高水敷では、見慣れない黄色い花が目立っていた。いたるところに群生していた。
あの花はなんという花かなー。と思っていたら、大和川にも似たものが、少し生えてるのを発見。採集してきて、植物屋さんに見せた。セイヨウヒキヨモギという帰化植物らしい。もちろん熊本で見たのがこれとは限らないけど…。


2007年5月8日 淀川の先端を極める

淀川という川は、木津川、宇治川、桂川の三河川が合流したもの。三河川の合流地点が淀川の上流側の端っこになるわけ。そのエリアを、その筋の人たちは三川合流と呼ぶ。最初に聞くと、3つの河川が合流するという現象を指しているようだが、じつは淀川のスタート地点を指しているのである。
といっても厳密な淀川のスタート地点は、なかなかに難解である。まず、なぜかわからないが、まだどの河川とも合流していないので、宇治川と呼ばれるべきであろうと推測される河川に、堂々と「淀川」という表示がある。一方で、「宇治川」という表示もあるからややこしい。どっちかにしてくれ。
もう一つ難解なのは、三河川は同時に合流しない点である。まず木津川と宇治川が合流し、それから桂川が合流する。木津川と宇治川の合流した河川をなんと呼ぶのかわからないが、もし仮にこれを宇治川と呼んだならば、結局、宇治川と桂川が合流したのが淀川ということになり、三川合流のお題目が崩れるのである。
というわけで、境界問題は残されているものの、一般的理解としては、木津川・宇治川合流の後、桂川が合流した地点が、淀川の上流側の起点と考えるのが普通であろう。

今日は、三川合流に行った。桂川と宇治川の間の細くなっている場所を、延々と歩き、ついに先端までたどりついた。御幸橋から約1時間。目の前にあるのが淀川の先端かと思うと、妙な達成感がある。
以前、何度か先端を極めようとして挫折した。どうやら理由は草の茂る季節に挑戦したかららしい。草丈のあまり高くない今の時期だと、踏み跡をたどって先端に到達するのは、さほど難しくなかった。

先端を極めたのは、もちろん今年から始まった淀川水系の調査プロジェクトのため。4月には淀川の河口も極めた。あとは間を埋めるだけ。


2007年5月7日 干潟における鳥屋とベントス屋

ようやく熊本から帰ってきた。到着初日と最終日だけは晴れて、あとはあいにくの雨模様。降ったり止んだりする合間に、干潟観察などをしていた感じ。
熊本にはとにかく干潟が多かった。海や河口部には干潟が付いてるのが普通であった。小さい干潟ですら珍しい大阪と比べると全然違う。その割には広いヨシ原はあまりない。満潮時には、堤防があるだけの殺風景な海岸や河口が、ちょっと潮が引くだけで、生き物だらけになる。
というか、鳥屋的には、干潮前後はあまり鳥見ができない。干潟がはるかかなたまで広がり、鳥なんか見えない。満潮前後の方が鳥が近くて楽しい。というわけで、ベントス屋と一緒に行動してもあまり楽しくない。
ついでに言えば、ベントス屋や潮干狩りの人たちが喜んで入る砂質の干潟には、シギ・チドリ類があまりいないように思う。人が入れない泥干潟にシギ・チドリ類が多い。人の立ち入りの有無なのか、ベントス相の違いなのか。ともかく、この点でも、鳥屋とベントス屋の行動様式はずれる。

というわけで、ベントス屋と一緒の行動の時には、おとなしくベントスを堪能し、その前後でシギ・チドリ類を楽しむ事になった。こんなにたくさんのシギ・チドリ類を見たのは久しぶり。楽しかった。


2007年5月1日 そんなわけで熊本行き

なんとか行く前にこなす仕事も一段落した(ような気がする)し、これから予定通り熊本へ出発。

スッポンやワニガメたちには餌をあげたし。ポンプも掃除した。
食材は全部食べたし、ぬか床は塩を大量にかけて冷蔵庫に入れた。

なんとか行く用意も完了。おやつも買ってしまった。
ふとみると、助成金申請の審査結果が来ていた。不採択だった。


2007年4月30日 熊本行き前夜

そんなわけで明日から1週間、熊本行き。その間は、ほぼすべてのリアクションが止まるので、ご容赦を。

そして、ここ数日は行事をこなしつつ、1週間の留守の準備に忙しい。ようは締め切りのあるのとか、返事のいるのとかを、片っ端から処理してる感じ。この段階で、処理しきれず、遠征を断念しかけた事は数えきれず、断念したことも数回。今回は何が何でも熊本に行くべく、忙しい。

バードフェス直後に作成した、熊本前に処理する仕事リスト(ちなみにバードフェス前には、バードフェス前に処理する仕事リストがあった)は順調に消化され、なんとか熊本に行けそうな気配。と書いていて、一つ思い出したので急いで処理。きっと忘れたまま放っておかれる仕事もあるに違いない…。

などと、直前まで仕事に追われているので、熊本に行く準備がまだできていない。果たして無事に熊本にたどり着けるんだろうか?


2007年4月29日 吉野川の橋

今日は日帰りで、徳島県の吉野川河口へ行った。難波発7時10分の特急サザンに乗車。すると、和歌山港発午前8時半のフェリーに間に合って、午前10時半には徳島港に付ける。タクシーで吉野川河口まで行けば、ゆっくりシギ・チドリ類を観察して、大阪から日帰りできるというわけ。難点は、早朝5時起きってこと。今日はなんとか起きられた。

吉野川河口に来るのは、1999年以来の8年ぶり。久しぶりの吉野川河口は、たくさんのシギ・チドリ類がいて、昔のまま。と言いたいところだが、急激に変わりつつあるらしい。今まで一番下手にあった橋の下手に新たな橋がかかるそうで、橋脚工事が進んでいた。さらに河口でも埋め立て工事が進んでいて、ここにももう一つ橋をかけるらしい。
そんなに橋ばかりかけるとは、よほど徳島の人たちは、吉野川を渡りたいと欲しているのだなと思ったら、さにあらず。タクシーの運転手さん曰く、橋の利用者数で割ったら、日本一コストの高い橋を架けようとしてるんだとか。徳島県は、よほど金が余っているらしい。それとも国土交通省に金が余っているのか? いずれにしても金が余っているとは羨ましい。

そういえば、8年前に来た時も、第十堰でもめていた。吉野川って、よほど金を使いたくなる川らしい。
吉野川がダメになったら、代わりに大阪にくるシギ・チドリ類が増えるのかもしれない。素直に喜びにくいが…。


2007年4月28日 エナガvsヒメネズミ

池に落ちていました。というメモとともに、鳥の死体が届けられた。エナガの巣立ちビナだった。めっちゃ可愛い。それにめっちゃちっちゃい。ただでさえ小さいエナガの、さらに巣立ちビナ。日本で期待できる一番小さな鳥の死体かもしれない(これを上回るのはキクイタダキのヒナくらい?)。

めっちゃ可愛いのを見せてやる! と、大阪哺乳類調査隊(仮称)隊長に自慢した。すると、隊長曰く、
ネズミホイホイに貼り付いているヒメネズミの方が可愛い。
比較対象として、ヒメネズミを出してくるのは、かまわないが、そのヒメネズミがネズミホイホイに貼り付いてなくてもいいだろう。と思いつつ、それはさておき。

ここに、エナガの巣立ちビナと、ヒメネズミのどっちの方が可愛いかという論争が勃発した。生きた状態ではなく、死体で比較するとしよう。隊長が言い出したんだから、ヒメネズミはネズミホイホイに貼り付いていることにしよう。
そら絶対、エナガの巣立ちビナ! ヒメネズミ! 両者譲らず、論争は平行線をたどり、物別れに終わった。まあ、論争とは平行線をたどるもの。あとは、他の人に意見を求めるしかない。

エナガの巣立ちビナは、めっちゃ可愛いねんけど、どっちの方が可愛いと思う?


2007年4月27日 「大阪の哺乳類(仮称)」第1回編集会議記録

T-serow原稿をベースにしつつも、その後の情報を付け加え、さらに各種の分布図を作成するために、手持ちの標本・情報の整理を進めつつ、新たな死体・情報の募集を行う。さらに標本・情報が欠けているエリアを中心に調査を行う。

◆標本化:食虫類、コウモリ類、ネズミ類、食肉類
◆情報整理:ノウサギ、リス類、ヌートリア、食肉類

◆死体募集:食虫類、コウモリ類、ネズミ類、テン・イタチ類
◆情報募集:コウモリ類(アブラコウモリ中心)、ノウサギ(特にフン)、リス類(特にエビフライ)、ムササビ(特にフン)、ヌートリア、アナグマ、ハクビシン

◆調査:ムササビ(特に北摂)、カヤネズミ(南河内以外)、ヌートリア(淀川本流以外)
 →その他のネズミ類は、手持ち情報と文献情報を確認してから、抜けている地域を秋に
 →アナグマとハクビシンなどは、手持ちの標本・情報を確認してから自動撮影装置付きのカメラでの調査を検討

一年でできるのかな〜? と考えていても仕方がないので、とにかく動くことに。
>Nさん、とりあえずカヤネズミとヌートリアの調査をよろしく。
ほんでもって、
>みなみなさま、大阪府周辺で死体を見つけたら、是非ください。とくにモグラ、コウモリ、ネズミといった小さいのを歓迎!

てな呼びかけをMLなどで本格的に行うのはゴールデンウィーク明けに。なんせ、それまで不在で対応できないので。


2007年4月26日 熊本の醤油

このゴールデンウィークは熊本に行く。博物館友の会合宿に参加するけど、せっかくなので前後もフラフラしてくる。題して、熊本の海岸を歩き倒そう! ほんとは倒すほど歩かないけど、あちこち見てくる予定。大阪ではほぼ絶滅状態の干潟が、熊本にはまだたくさん生き残ってるらしい。どんなんなのか、楽しみ。
そんなわけで、5月の第1週は、大阪にはまったくいないと言って過言ではないので、用事がある方は、その後でお願いします。

さて、先日、熊本に行くにあたっての注意事項を聞かされた。醤油を持って行くべし。福岡でもうどん・そばの汁が甘くて困る時があるが、熊本はさらにすごいらしい。対馬でも煮物がちょっと甘すぎるよな〜、と思ったが熊本はその上を行くらしい。
刺身に甘い醤油はイヤなので、他の醤油をと頼んだら、もっと甘い醤油が出てきたとか。仕方がないので、刺身に塩をかけて食べたとか。熊本の普通のスーパーには、甘くない醤油は売っていないとか。甘くない醤油は、熊本では高級食材で、醤油ではなく、モキッコーマンモと呼ばれるとか。
すべて伝聞なので、どこまでほんとかは知らない。でも、これを聞くと、醤油を持っていかねば!と思う。

てな話を、先々々々々代の館長にしたら、儂が熊本におったときには、そんな事なかったけどなー、と言ってた。よく聞くと、終戦前後の数年間、熊本にいたそうな。そのころは砂糖がなかったから、甘い醤油が手に入らなかったのか。それとも熊本(九州の?)の甘い醤油文化は戦後しばらくしてから成立したのか。

とにかく醤油を持っていかねば!


2007年4月25日 ヒキガエルとアカガエル

この2〜3月は、ここ3年は恒例となったアカガエルの卵塊調査をした。といっても忙しかったので、自分では調査にほとんど行けず、卵やオタマジャクシを見つけたら採ってきて〜(10匹程度だけ)。と呼びかけただけ。それでも、けっこうオタマジャクシは集まって、机の上はオタマジャクシの入った容器が占領する。これまたここ3年の恒例の風景。

そんなアカガエルのシーズンも終わったのだが、シーズンの最後の方で採集されたオタマジャクシがある。アカガエルアカガエルと思っていると何でもアカガエルに見える。でも、このアカガエル、妙に黒いなー、と思った。しばらく考えて、ヒキガエルのオタマジャクシであることに気付く。しばらく考えないと、ヒキガエルと気付かないところが、にわかカエル屋たる所以。

ヒキガエルのオタマジャクシも、アカガエルと同じように飼育。
毎年思うのだが、暖かくなってくると、アカガエルのオタマジャクシは発生が進まなくなるように思う。餌を与えれば、あるサイズにまで大きくなるのだが、足があまり生えてこない。
一方、ヒキガエルは順調に育つ。今日見たら、軒並み後ろ足が出ていた。食欲もすごく旺盛で、餌を入れると大騒ぎで熱心に食べる。とても可愛い。
暖かくなってくるとアカガエルのオタマジャクシは、餌にあまり反応しない。あげた餌をパクパク食べるというのは、可愛さの基本。ヒキガエルの方が可愛いな〜。

実は、採集したものの標本にしがたくて飼育中の大人のヒキガエルもいる。ミミズを入れるとパクパク食べる。これまた可愛い。ヒキガエルは小さくても大きくても可愛い。


2007年4月24日 論文の査読 リジェクトの基準

とある雑誌への投稿論文の査読を依頼された。とりあえず一読。うーん、微妙。今まで、雑誌への投稿論文を査読して、リジェクトしたことがない。多くの場合、編集者から、リジェクトせずにどうしたら掲載できる内容になるかコメントせよ、てな指令がくるのである(そういう敷居の低い雑誌の査読が多い)。まあ、指令がなくても、この辺りを書き直せば・分析し直せば・データを補えば、掲載可能と判断できるので、その点を指摘することになる。最終的に、投稿者が断念したり、編集者の判断でリジェクトという事態もあっただろうが、自分ではリジェクトという判断はしていない。

と書いて思いだした。そういえば、一度だけリジェクトしたことがある。分析自体にかなり不備があったし、そもそもデータ量が不充分で掲載可能なレベルには達しないと判断した。
でも、今回のはちょっと違う感じ。

データ量自体は、ある意味たくさんある。スタイルは整っている。分析もかなりがんばっている。そういう点であんまり文句を付ける気にならない。が、すごい労力をかけてるのに、あんまり面白くない。何が面白くってこの論文を書いたのだろう? そこにデータがあったからか?
必ずしも公表に価しないデータというわけではないので、さらに困ってしまう。でも、この雑誌に掲載する論文ではないよなー。

って時、あなたならどうする?
査読者的には、「受理しない」を選択すればいいだけだけど、それだけでは冷たいような。何より自分の中で、リジェクトの理由を客観的に説明できないのは気持ちが悪い。が、内容がこの雑誌にふさわしくない、では曖昧すぎるし。雑誌にふさわしいって何なん?

査読者ってそんなところでも悩まなあかんのか〜。


2007年4月23日 今日のビツクリ 郵便物の山からの発掘物

大きなイベントが終わって、その後始末もおおむね一段落。直後の行事も終わり、ようやくホッとした今日。久しぶりにたまっていた郵便物をチェックしてみた。
そう、あまりに忙しい時には、郵便物を開けないのである。開けて、あらたな仕事を押しつけられても、対応できない。知ってしまうとストレスがたまるだけ。
だが、たまにチェックをするのは、心臓に悪いことがわかった。

ふととある雑誌をながめていると、その団体が発行している研究誌の新刊の案内が載っていた。へー、ようやく出版されるんだ。と思って掲載予定の論文リストを見て驚いた。自分が投稿した論文が掲載予定になってる。でもでも、編集者からも査読者からもなんの連絡もないぞ?
慌てて、メールボックスをかきまわすが、やっぱり何の連絡も来てない。メールも来てない。連絡なしで掲載されるの? せめて著者校正はないの? 慌てて編集者にメールを送る。
とまあ、慌てるのには理由がある。どうせ査読者からいちゃもんが付いて、書き換えさせられるに違いない。その時に、ついでに差し替えようと思っていた場所があるのだ。どうせ書き換えるんだからと放ってあったが、それがそのまま掲載されるのはまずい!
幸い、すぐに編集者から返事が来て一安心。まだ査読者からの返事待ちらしい。予告広告はダミーらしい。あーよかった。

某研究所からの封書も開けてみる。鳥獣捕獲許可証が出てきた。あー、昨年度の許可証を返納しなくては! あわてて、報告書を書いて返納の準備。付いていたお便りには4月23日必着とある。消印で有効でありますように〜。

とある出版社からの郵便も開けてみる。「Handbook of the Birds of the World Vol.12」の案内が出てきた。秋に出版だが今予約すると、かなり安くなる。さっそく予約する。
その案内の裏に「Handbook of the Mammals of the World」という本の案内が出ていた。こんな本あったっけと思ったら、2年以内に出版予定とある。よく見ると「Volume 1 Carnivores」と書いてある。鳥と同じく何巻も出るらしい。きっと全種のカラーの図版が付いてるに違いない。これは買わねばならない。が、食肉目で1巻使うとなると、全部で何巻になることやら。種数は鳥の半分弱なので、9巻くらい? ともかく、またもやかなりの出費が予告されたことになる。置く場所も問題…。


2007年4月22日 歩く広告塔 増産計画

今日は、鳥関連の行事。もちろん鳥偏Tシャツを着ていった。一言も宣伝はしてないのだけど、宣伝効果はあったらしい。ショップ担当から、今日は鳥偏Tシャツがたくさん売れたとのお褒めの言葉があった。どうだ見たか〜!

次の土曜にも鳥の観察会があるから、忘れずに鳥偏Tシャツを着るとしよう。昨日は茶色、今日は緑を着たので、今度はグレイか? そのためにはもう1枚買わねば。実は身内に売りつけているのが一番多いのでは? という気がする。

そういえば、この春はTシャツの新商品が多く、いずれも鳥が関係あるので、せっせと買っている。あと2アイテムくらいあれば、オリジナルTシャツだけで、着回していけるかもしれない。関係者がみんなそうなら、ほとんどユニフォーム状態。宣伝効果も抜群! というわけで、身内消費を含めて、効果的な販売戦略だと思うんだけど、どうかな〜?

毎日着るとか、ユニフォーム化はともかく、たとえば観察会には必ず着ていくと決めるとか…。館の宣伝にもなるし。
問題があるとしたら、きっと参加者もけっこう着てくるから、ただでさえ怪しい集団なのに、怪しさが倍増することか。ほとんど全員が鳥偏Tシャツを着ている鳥の観察会御一行。インパクトあるな〜。

ホネホネTシャツを作ったら、きっとホネホネ団関係者だけで、かなり売れる。元手の回収はすぐに可能なはず。充分商品化の余地がある。
そして、みんなホネホネTシャツを着たホネホネ団がイベントに出かけていく。近寄りがたいかもしれない。


2007年4月21日 鳥偏Tシャツ

バードフェスティバルに合わせて、Tシャツの新製品が二つ。一つはバードフェスTシャツ。バードフェスのポスターのデザインをアレンジしたもの。もう一つが鳥偏Tシャツ。鳥偏で、ある種の鳥を指す漢字を82も並べた物。類似商品に虫偏Tシャツというのがあるが、漢字の数は鳥偏の方がはるかに多い!

日本の漢字だけでは数をかせげないので、中国で使われている漢字(簡体字は嫌いなので、どっちかと言えば台湾で使われているというのが正しいかも)も収録してある。鶺鴒や鷦鷯など、二文字で一つの種類を意味する漢字も含めている。鳥を意味する漢字であっても、鳥という字を含んでない漢字は採用していない(隼、雁、梟、烏など)。とまあ、そんな具合になかなかのこだわりの一品なのである。

バードフェスの時から売り出したけど、バードフェスの時はスタッフTシャツを着ないといけなかったから、着られず。今日、初めて着てみた。なかなかいい感じ。電車の中では、前の人が漢字を熱心に見てた。どこで売ってるか教えてあげたらよかったかな。

明日も着よっと。


2007年4月20日 骨のひみつ

今日はなぜか一日中、骨に関わってばかり。関わっていると骨についていろいろと気付くこともある。せっかく気付いたのでメモっておこう。

アホウドリ類の骨が次々と梱包されていくのを見ていた。翼の第一指の骨がとっても長い。あの調子だと、さぞかし小翼羽が長いに違いない。で、そんな長い小翼羽はなんの役に立つんだろう? ダイナミックソアリングに必要なの?

ペンギンの骨を見ていると、団長が背中側に妙な骨が出ているのに気付いた。肩胛骨は隣にちゃんとあるし、どうも鎖骨の続きの骨のような…。と、よく見たら、鎖骨が間接する場所が間違っていて、あまりのように背中側に骨の一部が突出していることが判明。おいおい。でも、手直しをするのは難しい…。

サイチョウの頭骨の写真を見て、鳥の頭の骨ってスカスカですね、といわれる。いやいやサイチョウのように嘴の上のでっぱりがあるのが特殊で。と言ってて気付いた。でっぱりの部分だけでなく、嘴の部分もスカスカなのだ。いやいや、他の鳥の嘴の中はこんなにスカスカではないのです。じゃあサイチョウがスカスカなのかと問われるとよくわからない…。


2007年4月19日 囀りと言えば

今度の日曜は、囀りについて一席ぶつことに決定。まあ30分程度話をするだけなので、簡単。たぶん。

出だしとしては、やはり囀りの定義。囀りって定義が曖昧なのね。鳥の鳴き声の内の一つのカテゴリーではあるんだけど、
・複雑であったり、綺麗な声
・つがい形成やなわばり防衛の機能を持つ
・繁殖期にもっぱらオスが鳴く
てな具合に、鳴き声の構造、機能、季節などをからめて説明されるけど、境界はいたってあいまい。複雑とか綺麗な声って事実上線引きはない。非繁殖期に、あるいはメスが囀ることも少なくない(この文章自体が矛盾してる気もするが、繁殖期の誰もが囀りと呼ぶ声を非繁殖期にも出すってこと)。まあ、どの要素が重要かと言えば、機能面かな〜、と思う。が、機能なんてかなり調べてみないと、本当のところはわからない。

というわけで、囀りという言葉を、どこからどこまでの鳴き声に対して使うかは、けっこう自由なのだ。キジバトのデデーポーポーという声を囀りと呼んでもいいのである(なわばり防衛の機能があると思う!)。いたって単純な声だけど、アオバズクのホーホーも囀りと呼びたい。
でも、ケリがケッケッケッケッと言ってる声は、囀りと呼びたくない。なわばり防衛の機能がありそうだけど、あれは警戒音と呼びたい。じゃあ、警戒音と囀りの違いは? 他者の(なわばりへの侵入といった)行動に応じて出す声は警戒音かとも思ったけど、囀りだって他者の行動に反応して出すこともあるし。奥が深い…。


2007年4月18日 大阪の哺乳類

むかし、2000年から2003年にかけての3年間ほどの間、T-serowさんが、大阪近郊のほ乳類というのを連載していた。クマやシカにはじまって、ネズミまで、陸産哺乳類を一通り登場させていたと思う(もしかすると食虫類と翼手類はなかったか?)。この連載をお願いするときの売り文句の一つに、連載が終わったら本にして出版するというのがあった。連載が終わって、はや4年。まだ本になっていない…。

本を出版する際の大きなネックは、印刷にかかる初期コスト。そして在庫を抱えるリスク。とくに販路を持っていない場合、いかにして売りさばくかというのが問題になる。ネットショップを立ち上げてみても、そんなに飛ぶように売れるわけでもなし。
しかし、流通経路を持ってる出版社から出してくれるとなると話は違う。売れた時の利益は圧縮されるものの、コストとリスクがほとんどなくなる。ありがたや。

とはいえ、連載から4年も経つと、大阪の哺乳類の状況も変わってきている。アライグマは増加し、ヌートリアの分布も拡大した。情報が不足していたテンやアナグマ、キツネの生息情報は少しは充実した。ヒナコウモリの確認例は増えたし、ヤマコウモリの標本の存在も知った。いろいろ書き加えなくてはならないだろう。

カワネズミは探せばまだ見つかるかもしれない。北摂のムササビの生息状況も明らかにせねば。ニホンイタチとチョウセンイタチの分布はまだ不明な点が多い。カヤネズミの分布ももっと調べておかないと。というわけで、もっと調査もしないとね。

完璧を期していてはいつまで経っても完成しない。改訂作業を進める方向で考えようかと思う。とりあえず、編集委員会を立ち上げてみようか。あるいは調査委員会?

そんなわけで、数年後にこんな感じのタイトルの本が出るかもしれない。出たらぜひ買ってね。


2007年4月17日 ナガエツルノゲイトウと初対面

いやー、お名前はかねがね。今までもお目にかかっていたのかもしれないのですが、お顔がわかりませんで。みたいな。

今日は淀川河口に行った。テトラポットのさらに岸側に、なにやら細長い植物がたくさん打ち上がっているのが見える。水辺でカニを探してる奴に向かって、それ取ってきて〜、と叫ぶ。叫んでから気付いたけど、すぐ近くにも大量に落ちていた。片手につかめるだけつかんで、植物屋に見せる。

まさか芽が出たりしてませんよね〜。

植物屋は、植物名も告げずに、意味不明の発言をする。ほら、ここに芽が出てるし。

まずいな〜。

やはり植物屋はわからない発言をする。例によって人の話を聞いてないのか? と思っていたら、

これはナガエツルノゲイトウです。わんど辺りから流れてきたんですねー。

とのたまう。あの特定外来生物の?
名前は知ってたけど、見たのは初めて。へーこんなのか〜、って葉っぱがほとんどないので、今度生えてるのを見てもわからん公算が大。
気付いてみると、あっちにもこっちにもナガエツルノゲイトウがたくさん打ち上がっている。相当量が流れてきたに違いない。きっと流れ着かずに、海に流れていったのも多いだろう。耐塩性はどの程度あるのだろうか? もし海でもしばらく生きているなら、海を経由してあちこちの海岸や河口に散らばるかもしれない。

この困ったナガエツルノゲイトウ。茎の中は中空で、ポキッと気持ちよく折れる。空芯菜みたい。ぶつ切りにして油で炒めて塩胡椒でもふったら、うまいんじゃないだろうか? ためしに囓ってみた。適度に塩味が効いていて、割とうまかった。サラダでもいいかも。でも、毒があるかどうかはよく知らないので、よい子は真似しない方がいいかも。


2007年4月16日 祭りの後

祭りが終わった。準備に約半年。設営1日、開催2日。最終日の閉館時間30分ほど前からは撤収作業。閉館時間2時間後にはほぼ撤収がすべて完了。準備には時間がかかるが、撤収は早い。とはいえ、祭りの後始末はまだ続く。

さすがにこの一週間は祭りの準備が忙しく、他の仕事はほとんど後回し。来週の月曜になんとかします!が決まり文句であった。で、今日が月曜日。何をどうなんとかするのか、あまり覚えていない。そもそも今日は昼過ぎまで寝ていたし。仕事を後回しにされたみなさま、催促して頂けると有り難いです…。

他に後始末と言えば、祭りの反省とまとめがある。今後のことを考えると色々反省しなくてはいけないんだろうけど、今はまだ反省する気にならない。とりあえず一度忘れたい。そんなわけで、反省ではない気付いたことをあげておこう。

・自然史フェスではなく、バードフェスとテーマを絞ったので、出展団体も入場者数も減少すると思っていた。確かに出展団体は自然史フェスの約2/3(企業系を除けば約半分)だったが、入場者数は自然史フェス並だった。
・つまり出展団体数と、入場者数は直結しないらしい。
・入場者層を見ると、近所の人は自然史フェスと同様に来て下さったらしい。友の会関係者の参加は、やはり化石屋、植物屋、昆虫屋はほとんど見かけなかった。かわりに鳥屋は自然史フェスより多かった。そして、自然史フェスには来ない鳥好き層がけっこうきていたらしい(ペット好きとか、カメラ屋さんとか)。
・自然史フェスには来なかった層の開拓には、マスコミの報道が大きく効いていたように思う。NHK総合での生中継の他にも、マスコミの食い付きは、自然史フェスよりもはるかによかった。
・自然史フェスよりもバードフェスの方が、中身のイメージがしやすく、マニア度が低く、逆にポピュラーな雰囲気が漂っているのかもしれない。

ってことで、同じ調子でインセクトフェスやプラントフェスをしてみたい気もするが、よーく考えた方がよさそう。化石フェスは、もしかしたらいいかもしれないけど、化石コレクターを集めるのはけっこう面倒なこともありそうな…。
1万人規模のイベントではなく、せいぜい数千人程度のイベントで、いろんな種類を設定した方がいいのかもしれない。その際はセミクローズな設定もありだろう(主眼を関連団体の交流に置く)。というわけで、次は2年後に骨サミットを。

で、次のバードフェスは、少なくとも3年後か4年後でいかがなもんでしょう?


2007年4月15日 紫外線の見える世界

上田恵介さんの講演会を聞いた。チュウシャクシギのかぶりものをしながら聞いた。聞くだけでなく、その格好で司会進行をしたのだが、その話はおいておこう(念のために言っておくが、上田さんがその格好でやれと言ったのである。決してうれしがってチュウシャクシギになっていたわけではないのである。たぶん)。

陸上世界が、これほど綺麗な色彩に満ちているのは(とくに植物、昆虫、鳥)、鳥の存在の影響が大きいという話。大部分の話は、まあ知ってることばかりだが、そういう鳥中心主義的な見方があるのか〜、というのが新鮮。が、その話もおいておこう。

京都大学のAさんが、いろんな物の紫外線反射を撮影した画像が紹介されていた。赤い果実が紫外線を反射しないのに、黒い果実が反射するのって面白いな〜。
そしてもっと面白いのはヒヨドリの紫外線反射。頭の部分だけが紫外線を反射するらしい。紫外線反射を撮影した画像のヒヨドリは、なんかシロガシラに似ている。なるほど同じ科だわって感じ。
ついでに面白かったのは、たいていの鏡は紫外線を反射しないらしい。つまりヒヨドリが鏡で自分の姿を見ても、自分と認識できなくても無理もないって事。まあ、紫外線反射が見えてもヒヨドリに自己認識ができるとは思えないが…。


2007年4月14日 祭り前夜

今日ほど多くの人に、似合ってると言われた日はなかったに違いない。会う人会う人、こっちを見るなり顔がほころび、何か言ってくれる。一番多いのが、お似合いですよ、という言葉。そのまま聞けば誉め言葉のようだが、今回は違うと思う。なんせチュウシャクシギの頭をかたどった紙粘土製の帽子をかぶってるんだから。前に50cm以上も嘴が飛び出しているんだから。その上、チュウシャクシギの翼から背中、尾羽を模したマントのようなものをはおってるんだから。
かぶり物がよくできてますね〜、と言われるなら嬉しいのだが(製作はK氏だが、監修したから)。似合ってますよと言われるのはちょっと…。だいたいみんな笑いながら言ってるし。

その他に、アオサギ、アヒル、カエル、シラサギ(といいつつラドンにしか見えない)、フクロウの顔になってる頭巾などを試着。Nさん専用のアヒル以外はどれも似合ってると誉められる。かぶり物はなんでも似合うらしい。

今日はイベントの事務局だったので、いろんな人と挨拶することになった。名刺を持っていないので、一方的に名刺をもらう。それはいいとして、よろしくお願いします。と頭を下げようとすると、チュウシャクシギの嘴が相手に当たりそうになる。それはまずいので、やや角度をそらせて頭を下げる。ちょっと感じが悪い。
今日は、羽根や骨の同定など、鳥についての質問をたくさん受けた。ちゃんと調べてちゃんと答えてるのに、チュウシャクシギの格好をしてると、どうもいい加減なことを言ってるようで、都合が悪い。

というわけで、チュウシャクシギのかぶりものは、あまり仕事には向かないということがわかった。


2007年4月13日 祭り前夜

明日は、いよいよ大阪バードフェスティバル。今日も一日その準備に明け暮れる。とくに前日は会場設営、展示のセッティング、アルバイトの研修、マスコミの対応、うにゃうにゃうにゃうにゃ。とにかくやることが多い。どこにいても呼び出される。結局たいしたことはしていないのだが、忙しかった気がする。

なんてことをしてると、昨年のフェスティバル前夜を思い出す。そういえば、昨年のフェスティバル前夜も、その前のフェスティバル前夜を思い出してたな〜。
毎度おなじみのフェスティバル前夜ってわけ。


2007年4月12日 本をもらった「密猟対策マニュアル」「第14回 野鳥密猟問題シンポジウムin群馬」「世界のメジロ図譜」

密対連のNさんに頂いた。フェスティバルでは希望者がカンパしたらもらえるらしい。ただもらうのは申し訳ないので、カンパしようと思う。思うけど、今日はまだカンパ箱がなかったので、明後日にでも。

「密猟対策マニュアル」には、もちろん密猟者を見つけたらどうするかという事も載ってるけど、関係法律や密猟の実態も紹介されている。トラバサミにかかったコサギや、とりもちにかかったシジュウカラの写真が、みるも無惨な感じ。ついでに、国産と外国産のメジロやウグイスの見分け方の解説もある。写真だけでなく、計測値による区別点も図示されていて、バンダーも勉強になりそう。

「第14回 野鳥密猟問題シンポジウムin群馬」の内容は、「密猟対策マニュアル」と重なるところが大きい。この冊子のうりは、なんといっても、国内で記録のあるキビタキ3亜種、マミジロキビタキ、オオルリ2亜種のカラー写真を使った解説が載っていること。バンダーのみならず、バードウォッチャーも欲しくなるに違いない。

「世界のメジロ図譜」は、A3二つ折りの可愛いもの。が、中身は濃い。その名の通り、世界中のメジロ類(Zosterops属)が全種載っている。それもカラーのイラストで。地図の上に並べてあるので、分布もなんとなくわかる仕組み。
いやー世界にはいろんなメジロがいること。セレベスマカッサルメジロ、ウォーレスメジロ、オグロメジロ、マスカリンメジロ、ソロモンメジロ、リフメジロ、レンネルメジロ、マライタメジロ、サンタクルーズメジロ。メジロとは名ばかりで、目の周りが全然白くないメジロもけっこういる。ぜんぜんメジロに見えない。
逆に、アフリカヤマメジロは、これでもか!というくらい目の周りが白い。ちょっと気持ち悪い。

実物は、この14-15日に大阪市立自然史博物館で開かれる大阪バードフェスティバルに行って、密対連のブースに行けば見せてもらえるはず。買えるかどうかはしらないけど。
このブースでは、落とし籠、かすみ網、といった密猟に使われる道具も展示されている。名前を聞いたことはあっても見たことがない人が多いはず。一度見ておいたらいいかも。
というわけで、やっぱり大阪バードフェスティバルに行くべきであろうということで。


2007年4月11日 早朝出勤確定

今週の土曜日、午前6時に出勤する羽目になった。朝のテレビの生中継。
午前9時ですらギリギリなのに、そんな事が可能なんだろうか? まあ、たとえすっぽかしても、出演するわけではなく、立ち会うだけなので(責任者的な立場ではあるがノ)、それなりに中継は何とかなるんじゃないかとも思うのだが。

むしろ出演者の確保が重要。出演時間は2分以下なのに、打合せとリハーサルをするために、出演者にも午前6時40分入りが求められている。いったい誰に頼めばいいんだ〜!
仕方がないので、日頃よく顔を合わせる身内のような団体の方々に頼んでみる。N団長GET、KさんGET、FさんGET。いきなりの早朝の動員なのに、みなさん快く引き受けてくださる。ありがたやりがたや。

というわけで、張本人が寝坊して顔を出さないでは、洒落にならない。でも、早起きの自信はないし。泊まり込みか??


2007年4月10日 大阪アヒルと新大阪アヒル

アヒルについてのお勉強をした。まだまだ知らないことがいっぱいだけど、けっこう勉強になった。

大阪アヒルというのは、昭和20年代に、日本産の青首系のアヒルと、北京系のアヒルをかけあわせて作り出されたものらしい。その後、日本中で広く飼われ、国内シェアの80%を占めた頃もあったとか。しかし、小柄な品種であったこともあって、その後衰退していく。
1990年代終わり、大阪アヒルの大型化を目指して、大阪アヒルと北京系のアヒルをかけ合わせて作り出されたのが、新大阪アヒル。この名前を聞くと、だれもが新幹線との関連を思い浮かべるらしい。

それだけ北京系のアヒルとの交配を繰り返したのなら、大阪アヒルと称するものは、ほとんど北京アヒルなんじゃないかとも思うのだが、そこはさておき。
大阪アヒルは、大阪が誇る特産品種。いわば地アヒルなわけ。大阪人としては、日頃から賞味して、他府県の人にその味を含めて説明できるようにしたいのだが、未だに食べたことがない。どこに行けば食べられるんだろう?

ちなみに、その他にも色々と知らなかったことがあった。
・アイガモと称して販売している肉は、すべてアヒルのもの。
・鳥の肉と言えば、ニワトリの肉だと思うけど、かつて(昭和初期か?)は、むしろアヒル肉の方が主流だったらしい。

アヒルの世界はなかなかに奥が深い。


2007年4月9日 春の川:河口周辺

毎月行ってる川に、水鳥の数を数えに行った。カモの数はすっかり減って、オナガガモやカルガモの姿がさっぱりなくなっていた。代わりに多かったのはコガモ。ヒドリガモもけっこういるけど、数は減っている。

カモメ類は、河口にどっさりいた。この冬はユリカモメが少なくて、毎回1000羽弱が散らばっているだけで、とっても数えやすかった。それなのに今日は河口に2500羽がまとまっていた。1羽ずつカウンターで数えていくのはかなり大変。指がつかれる。この時期なので多くのユリカモメの頭は黒くなってきている。黒い頭を順に数えている感じ。結局数えるのに20分ほどかかった。数え終わってすぐに、全部が飛び立った。危なかった〜。
セグロカモメはまだいるけど、カモメは少なくなってきた。代わりにウミネコの姿がちらほら。
まだ、コアジサシは来ていない。コチドリもまだあまり騒いでいない。

河川敷は、セイヨウカラシナの黄色と、ナオクサフジの紫で綺麗。2年ほど前は、ナヨクサフジだらけだったが、独占状態は長くは続かないものらしい。


2007年4月8日 羽根資源の枯渇

次の週末は、いよいよ大阪バードフェスティバル2007。いま一番心配なのは、お天気だったりする。土日ともに雨が降りませんように〜。これからの1週間は天気予報を見て一喜一憂しそうな予感。

さて、そのバードフェスの準備が着々と進んでいる。関係団体のブースの準備もそれなりに進んでいる。で、バードフェスだけに鳥の羽根を使った企画を考えている団体が多い。必然的に植物園をウロウロして羽根集めをする。この1ヶ月くらいの間に、4回は羽根を求めて歩き回った。別行動で植物園の羽根を拾っている人もけっこういる。
植物園には、ドバトとキジバトを中心にたくさんの羽根が落ちているのだが、さすがにこんなに繰り返し羽根を拾われると、羽根資源の枯渇感が否めない。

今日は、カラスの羽根を中心に大きめの羽根を求めて、植物園を2周もした。が、カラスの羽根は汚いのしか見つからず。その上、少ない。カラスどころかハト類の羽根もあんまり多くない。無限にあるように思える資源であっても、繰り返し高い採集圧にさらされると、枯渇してしまうもんなんだな〜。


2007年4月7日 タヌキにおけるダニとノミの生活について

タヌキの皮むきをした。3頭中2頭には、ダニがたくさんついていて、ノミも何匹か見つかった。タヌキの体の表面は、多くの節足動物の生活場所になっていることがわかる。

ダニやノミの体の大きさを、2mm弱とすると、ダニやノミにとって、タヌキの体はどの位の広さだろう? タヌキの頭胴長は約60cmだった。胴回りは30cmくらいか。だとするとタヌキの体表面の面積は、18万平方mm程度? 単純に比率で考えたら、身長2m弱の我々にとって、18ha? 広めの都市公園くらいのもんか。この程度の広さにあの個体数は、ちょっと過密かも。

ダニやノミがタヌキの血を吸って生きているとすると、体表面のどこででもと言っていいくらい、採食できることになる。もしかしたら血が吸いやすい場所とそうでない場所があるかもしれないが。そうした点を含めても、イメージはサバンナで草を食べる有蹄類って感じか。あんな風に群れで暮らしてるんだろうか? オスが複数のメスを引き連れてハーレムを維持してたり、あぶれたオスの集団がいたり、はたまた群れの乗っ取りがあったり。はたまた、個体ごとに分散してなわばりを持っているとか。

などとお馬鹿な事を考えながら、ダニやノミを採集した。

ダニにはシロアリみたいな社会構造を持ってる例があったように思うけど、ノミの社会構造ってどうなってるのかな? 大きな寄主に付く外部寄生虫って、けっこう広い空間に生息しているから、その空間的広がりを考慮して、分散や移動を研究したら楽しそう。ただ毛が邪魔で見えないのが問題…。


2007年4月6日 植物園のようす ソメイヨシノが満開

暖かで、お天気もいい。というわけで、昼前から人がどんどん増えてきて、あちこちでお花見が始まる。お花見気分に誘われてか、いろいろと面白いものが観察できる。

ヒヨドリは、今とっても幸せなはず。サクラの花にむらがり、ケヤキの花も食べ。モチノキやツバキやカエデの花にもやってきていた。食べ物だらけ。

カワラヒワは巣づくりに忙しそう。キジバトが襲われたらしく、羽根の散乱していた。そこにカワラヒワのつがいがやってきて、熱心に羽根をくわえていく。どうやってるのかよくわからないが、口一杯にすでに羽根をくわえているのに、上手にさらにくわえていく。ちなみに熱心に巣材である羽根を集めているのはメスだけ。オスは近くでボーッとしてる。メスが飛び去ると、慌てて後を追っていった。メスは大変だな〜。

シジュウカラが3羽いた。繁殖期に3羽でいるって…、と思ったらオス2羽がメスを1羽をめぐってケンカしてるらしい。盛んに追いかけ合っている。あっちに行ったり、こっちに行ったり忙しい。少し離れたら囀ってみたりして。その間、メスはボーッとしてる。オスは大変だな〜。

スズメの巣がたくさんあるところの前で、スズメが2羽転がっていた。互いに相手をくわえていて放さない。2羽でコロコロとあっちに行ったり、こっちに来たり。そーっと近づくと50cmまで近寄っても逃げない。がんばれば手づかみ出来たかも。スズメなので、オスかメスかよくわからんけど、とっても忙しそう。

午前11時過ぎには、池の近くを、1匹のアブラコウモリが飛んでいた。グルグル飛びまわって、飛んでる虫を食べているらしい。真っ昼間なのに採食するとは、よっぽどお腹が減っていたんだね〜。あるいは、陽気のせい?

ともかく春はいろんな動物の活動が活発になってきて楽しい。


2007年4月5日 初生ひな鑑別師

孵ったばかりのニワトリのヒナの雌雄を見分ける。という職業があるのは知っていたけど、こういう呼び名とは知らなかった。鑑別士ではなく、鑑別師というのは、なにか奥義を身につけた人という意味合いでもあるのかもしれない。

今日は、なぜかネットで検索して調べ物をする羽目に。その途中で、この関連サイトに行き着いてしまった。

ヒナの総排泄口附近をめくって、ヒナの雌雄を見分けるのは知ってたけど、他にも見分ける方法があるとは知らなかった。総排泄口を眺めて雌雄を見分けるのは、なぜか「肛門鑑別法」と呼ばれるらしい。肛門ではないのに…、ということはおいておくことにしよう。その他にも、ヒナの羽毛の伸び方の雌雄差を利用した「羽毛鑑別法」というのがあるらしい。

初生ひな鑑別師の資格をとったら、鳥の調査の時にも役立つかもしれない。とは思ったことはあるけど、それなりに時間と手間がかかるらしい。そこまでするのは面倒。だれか資格を取って、奥義を教えてくれないものか。


2007年4月4日 平地のゴジュウカラ

山でしか繁殖してない鳥でも、冬には山から下りてきて平地で見られることがある。一方で、山からあまり下りてこない鳥もいる。
大阪では、ヒガラなんかが冬になるとよく山から下りてくる鳥の代表格。アオバトも降りてくるかもしれんけど、こちらは冬鳥として渡来する鳥との違いがいまいちわからない。
ミソサザイも冬になるとけっこう下りてくるけど、低山かせいぜい丘陵どまりで、平地にまではなかなか来ない感じか。
そして、ほとんど山から下りてこない代表がゴジュウカラ。だと思っていた。

大阪でゴジュウカラを見たければ、金剛山に行くのが普通。大和葛城山にもいると聞くが、何度言っても見られないノ。和泉葛城山でも繁殖期の記録があるようだが、繁殖してる可能性は少なそう。まれにもう少し低い山にも出現するらしいが、山からは下りてこないと思っていた。
今日、堺市の都市公園で撮影したというゴジュウカラの画像を見せてもらった。まさしくゴジュウカラ。平地の都市公園にやってくるとは驚いた。平地でのゴジュウカラの記録って、大阪では初めてなんじゃ? 関西でも他にあるのかな〜?

平地のゴジュウカラで思い出すのは、数年前のこと、大阪市内の公園で繁殖する鳥をみんなで調べた。とある公園の調査結果にゴジュウカラが出ていた。担当者と話をして、自信がなさそうだったので却下した。もしかしたら、あれは本当にゴジュウカラだったりしてノ。
まあ、考えてみれば、ゴジュウカラが平地の都市公園で繁殖できない理由も思いつかない。どうしてブナ林にばかりいるんだか。


2007年4月1日 カヤネズミ、カワネズミ、カワネジガイ

今日、とあるプロジェクトの結団式があった。各班が高らかに何をするか宣言。カエル調べます。サンショウウオ調べます。カメ調べます。鳥調べます。ヌートリア調べます。もちろんカヤネズミも調べます。などと、大胆な発言をした。

さらに大胆な事に、カワネズミを見つけたいです! という大胆発言。渓流の哺乳類といえば、やはりこれ。水生昆虫のトラップにけっこうひっかかるとか。めぼしい場所を選んで、水生昆虫屋さんを巻き込んで、トラップかけて調べてみたいな〜。

その後、なぜかカワネジガイの話もした。前のプロジェクトの時も密かに探していたカワネジガイ。和歌山県の産地の話を聞くに、水草の豊富なよさげな池の、カンガレイやヒメガマに引っ付いていたらしい。けっこう下の方、泥の中に潜っていたという。そんな場所をさがさなあかんかったとは…。水の中の落ち葉とか枯れ枝とかを見てたけど、探す場所を間違えていたかも知れない。かつては、四条畷とか鶴見緑地の近くにもいたとか。真面目に探せばきっと見つかるに違いない。 きっと見つけて自慢するぞ!

そんなわけで、またフィールドを歩き回る4年間が始まろうとしている感じ。


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