日記風覚え書き

2014年10月11月、12月

(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2009年1-3月4-6月7-9月10-12月、2010年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2011年1-3月4-6月7-9月10-12月、2012年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2013年1-3月4-6月7-9月10-12月、2014年1-3月4-6月7-9月、10-12月)


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●2014年12月31日 この一年に買った本

大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。

2014年に買った本は、206冊。購入金額は307,024円+税。冊数は過去最高。購入金額も昨年の記録を塗り替えて、過去9年でダントツで最高。

購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:70冊、156,011円+税
・SF関連:89冊、130,210円+税
・ライトノベル:2冊、1,800円+税
・その他小説など:1冊、2,800円+税
・マンガ:44冊、28,605円+税

冊数は、マンガは昨年並みで、SFが少し増えた。圧倒的に増えたのは自然史関連本。冊数も金額も倍増。

今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本52冊、SF関連4冊、ライトノベル3冊、その他小説0冊、マンガ38冊(マンガの冊数は少し不正確)。合計97冊(マンガ抜いたら59冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、47%(マンガ抜いたら36%)。読破率が低い。過去最低を更新。

総括としては、自然史関連本は例年の倍買って倍読んだ。そのおかげで読んだ冊数合計は例年とあまり変わらないけど、全然SFが読めていない。マンガは読んだけどSFが読めていない。たまっていく一方。

<過去のデータ>
◆購入本
・合計
 2006年:145冊、188,207円+税
 2007年:144冊、197,299円+税
 2008年:106冊、132,534円+税
 2009年:131冊、181,830円+税
 2010年:181冊、196,027円+税
 2011年:127冊、172,199円+税
 2012年:166冊、147,826円+税
 2013年:164冊、201,353円+税

・自然史関連本
 2006年:42冊、83,087円+税
 2007年:56冊、96,431円+税
 2008年:37冊、72,764円+税
 2009年:56冊、99,396円+税
 2010年:52冊、103,247円+税
 2011年:46冊、104,819円+税
 2012年:49冊、80,138円+税
 2013年:38冊、83,039円+税

・SF関連
 2006年:60冊、74,240円+税
 2007年:61冊、78,780円+税
 2008年:52冊、60,470円+税
 2009年:56冊、66,230円+税
 2010年:38冊、41,140円+税
 2011年:50冊、45,627円+税
 2012年:62冊、65,320円+税
 2013年:69冊、81,750円+税

・ライトノベル
 2006年:14冊、9,282円+税
 2007年:12冊、8,740円+税
 2008年:7冊、6,494円+税
 2009年:5冊、4,440円+税
 2010年:6冊、4,564円+税
 2011年:7冊、6,004円+税
 2012年:5冊、4,378円+税
 2013年:5冊、5,150円+税

・その他小説他
 2006年:6冊、8,743円+税
 2007年:7冊、8,253円+税
 2008年:3冊、4,700円+税
 2009年:4冊、6,200円+税
 2010年:4冊、5,000円+税
 2011年:4冊、4,300円+税
 2012年:5冊、6,425円+税
 2013年:3冊、6,000円+税

・マンガ
 2006年:23冊、12,855円+税
 2007年:8冊、5,095円+税
 2008年:3冊、1,554円+税
 2009年:10冊、5,564円+税
 2010年:81冊、42,076円+税
 2011年:20冊、11,449円+税
 2012年:45冊、26,104円+税
 2013年:49冊、25,414円+税

◆読んだ本(冊数・読破率)
 2006年:84冊、58%
 2007年:101冊、70%
 2008年:69冊、65%
 2009年:76冊、58%
 2010年:106冊、59%
 2011年:74冊、58%
 2012年:81冊、49%
 2013年:96冊、59%


●2014年12月30日 2014年のまとめ つまり原稿書き以外は順調と

今年の1月にはこんな予言をしていた。
「おそらく、夏頃には『大阪の哺乳類』的な本が出版されるであろう。たぶん、同じく夏頃には、大阪で、都市の自然についての特別展が開催したりするであろう。もしかしたら、冷凍室の氷河は、さらに後退するであろう。」
冷凍室の氷河は後退した。都市の自然の特別展は開催された(その成否はともかく)。しかし『大阪の哺乳類』的な本は出なかった。そもそも、この年の瀬も年始もその原稿に追われている。来年こそは出版されて、穏やかな年の瀬を迎えたい。

今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査、播磨灘岸調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。
都市の自然調査プロジェクトは今年で終了したことになっている。最後の追い込みには、ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウの繁殖分布調査をした。ハッカチョウは兵庫県や香川県も含めたし、ムクドリとイソヒヨドリは大阪府内だけだけど、とても盛り上がった。春からネコの尻尾調査を始めた。ムクドリ類調査でいったん中断したが、秋から再開、なぜか今も継続中。3月までやろうかな。
9月からは、大阪鳥類研究グループでムクドリの集団ねぐら調査を始めた。これが思いの外面白い。でも、場所がコロコロ変わって手強い。来年も継続かなぁ。

<行事>
予定した行事はすべてクリア。全般的には、やっぱり鳥の観察会はあまり人気なく、カエルや哺乳類、夜の観察会は人気だった。
大物としては、10月のホネホネサミット2014。残念ながら台風に振り回され、2日目は中止になってしまった。とても心残りなイベントになってしまった。なんとしてもリベンジをはかりたい。

<サークル>
なにわホネホネ団、大阪鳥類研究グループ、ジュニア自然史クラブ、友の会読書サークルBooksの活動は例年通り。なにわホネホネ団は、通常活動日と鳥の日の月2回の活動を維持。西表島鳥類調査隊のキンバト処理は中断してしまった。

<標本>
冷凍室を空けるのは、ここ数年の大きな課題。一昨年末にかなりスペースを確保。昨年末もスペースを維持。今年末時点では、さらにスペースを広げ、6テンバコになった。
大物として、夏にアジアゾウがきた。ホネは東京大学が持っていったので、皮だけを処理。年末時点で頭以外の乾燥が完了。フタコブラクダやキリンといった大物のホネを砂場から引き上げて骨格標本として完成させた。砂場の残る大物はカバ。

<原稿>
某出版社から出すことになってる大阪の哺乳類の本がまだ出ない。いままさに書いてる途中。と昨年も書いていた。4月に一応テキストは完成したのだが、共同執筆者に原稿の確認をお願いして、その後特別展で中断。年末に活動再開。テキストを見直すとまた手を入れたくなってしまった。もちろん図表の作成はこれから。
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。懸案だった同じ大阪支部の某鳥類目録のデータだが、編集担当者さんと年末に打合せ。すでに半ば完成している分布図に手持ちデータを付け加える形で対応することとなった。とりあえず非スズメ目のチェックは完了。
まともな論文は今年も書けなかった。

<その他>
・大阪府RDB改訂が完了。担当の鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類の、生態系レッドリストに関わった。
・堺市RDB改訂の作業中。リストはほぼ完成し、総論のテキストもだいたい書いた。


●2014年12月29日 ヒヨドリが太る冬

年末は年に一度の鳥類標識調査。サザンカに来るヒヨドリを狙う。のだが、今年はまだサザンカが咲いてない。おかげでヒヨドリが捕れない。雑用が片付くのは嬉しいけど、データ的には残念な感じ。今年はたくさん捕れる予定の年だったのに。

なんでかは知らんけど、この20年ほどの間、一年おきに果実の豊作と不作が繰り返されている。豊作といっても大豊作があればやや豊作もあり、不作といっても大凶作から少し裏作かなって程度までいろいろ。いろいろだけど、大筋では一年おきに交互にやってくる。そして、ヒヨドリの渡来数は、豊作年に少なく、不作年に多い。今年度は、果実が不作でヒヨドリが多い年。こんな年には、年末の標識調査でヒヨドリがたくさん捕れる。ってのが普通のパターン。
ヒヨドリの捕獲は意外に難しいらしく、関東でヒヨドリをやってる人が捕れない〜、とぼやいてたこともある。ところが、こちとらはけっこうコンスタントに捕獲してる。なんとなれば、ヒヨドリが大好きなツバキ園に網を張るという技を見出したから。というわけで、毎年、ツバキ園の中のサザンカ小径に網を張ってる。サザンカの花に来たヒヨドリが捕れてしまうって寸法。

ところが今年はサザンカが咲いていない。ツバキ園全体でもほとんど咲いてないし、サザンカ小径はまったく咲いてない。これではヒヨドリが集まらない。当然、ヒヨドリは捕れない。例年年末に同じ場所に網を張ってるんだけど、こんなにサザンカが咲いてないのは初めてではないかと思う。おかげで、他の雑用はどんどん片付く。でも、ヒヨドリのデータは寂しい。

ヒヨドリを狙って捕まえてる目的の一つは、体重を測ること。ヒヨドリは、果実が少なく、早めに食べ尽くしそうな冬、体重を増やす。日頃は70〜80g程度なのが、100gを超えてくる。
今日までに捕れたヒヨドリは、昨日2羽、今日1羽。その体重を見てみると、94g、99g、91g。100gは超えてないけど、かなり増えてるのは確か。皮下の脂肪はいっぱいつまってるし、そもそも手にしただけでも太さがわかるくらい。

というわけで、もうすぐ100g超えのヒヨドリが出現するはず。この冬、ヒヨドリが大きめな気がしたら、それはそのはず。太ってるから。


●2014年12月27日 瀬戸内海の自然と人との関わりの展示

と言えば、何がマストアイテムかなって相談をした。

やっぱり魚や海岸生物が主力。いろいろな魚や貝やカニなどなどは当然欲しい。人との関わりでは、さまざまな網を使った漁業、蛸壺漁は必要。海苔、牡蠣、ハマチ・ブリの養殖も重要。そして、干潟での貝採りも注目したいポイント。
と、同時に気を付けないといけないのは、漁獲対象以外の海の生きものをきちんと出すことかなと思った。とくに魚が心配。また海岸に重点を置くのはいいけど、海の中の展示も考える必要がありそう。

植物は、海浜物、塩湿地、磯物が並べば一通りな感じ。あとは島や海岸部の植生の展示はほしい。とくに気になるのはタブなどの照葉樹林の分布。
昆虫は、担当者の好みが強くでそう。砂浜のハンミョウやウスバカゲロウが主力かと。

で、陸上脊椎動物。島の両生爬虫類相、哺乳類相、繁殖鳥類相は出したいけど、それ以外は意外と多くない。
爬虫類は、ウミガメだけ。これはちょっと勉強がいるけど、東は大阪湾と播磨灘、西は別府湾辺りにしか産卵場所はないんじゃないかなぁ。既存情報をまとめれば良さそう。
哺乳類は、スナメリがメイン。西高東低な密度分布を出せればいいかと。これまた既存情報か聞き取りで間に合いそう。あとは、ストランディング関係。例のシャチ騒動とか。
鳥は、とりあえず個人的に興味があるカモメ類の分布は展示したい。あとオオミズナギドリやカンムリウミスズメの繁殖地の話に、ハシボソミズナギドリの入り具合。干潟のシギチドリ類は、あまりメジャーな渡来地は多くなく、干潟の展示に混ぜる程度かな。その他、海に浮いてる鳥はいるけど、まあ彩り程度。悩ましいのは、シロチドリやコアジサシの繁殖地。これはまずは文献探しからかと。

瀬戸内海の自然の展示だけなら、ここまででいいけど、人との関わりを出さないといけないなら、避けられないのはアビ漁。以前、淡路島の漁師さんの話を聞いた限りでは、どうも淡路島のアビ漁と、天然記念物にもなってる広島県のアビ漁は少し違うと言ってたような、だとしたら面白いけど、面倒。けっこう真面目に調べなくては。すでに本とかにまとまってたら便利なのに。


●2014年12月25日 今年の目標 第2弾

今年も残り1週間。ここでもう一度、今年の目標を立てておこう。ってゆうか年末年始の間にすることだな。

【調査系】だいたい終わった
・ため池(あと4ヶ所)
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】冷凍室は片付いたけど、
・ゾウの皮とキリンのホネを片付ける。
・なめし液に入ってるのを乾かす。
・ライオンとアシカとヒツジの皮をなめし液へ。
【原稿執筆】
・大阪の哺乳類の原稿執筆(過去5年毎年書いてる…。テキストに手を入れ始めたら終わらなくなった〜。図表も揃えなきゃ)
・堺市RDBの原稿執筆
【その他の雑用】これは手つかず…。
・最近見た鳥のサイトの更新(一昨年の夏と、昨年の7-8月、今年の7-11月)
・日記の完成(5-9月に未完成のが)
・購入本一覧作成
・ひよろり書店在庫調べ
・雑誌の整理
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備


●2014年12月24日 カキとユリカモメ

相生湾から坂越湾、千種川河口と水鳥をカウントして回った。カモが出揃って数えるのが大変。この地域のカモメ類、特にユリカモメは特定の場所に集まってる。相生湾では壺根漁港、坂越湾では大黒漁港、千種川河口にはいない。壺根漁港と大黒漁港は、カキの水揚げがあるんだな。ユリカモメはそれを狙って集まってる感じ。

壺根漁港は、大にぎわい。漁港に水揚げして処理したカキ殻を捨てる一画がある。そこに鳥たちが集まりまくっている。ユリカモメが多く集まってるのみならず、セグロカモメなども多い。ホシハジロやオナガガモなどのカモ類、そしてコサギも多い。みんな入り混じっておおにぎわい。じゃらじゃらじゃら〜、とまとめて廃棄されるところにダッシュしていく。頭からカキ殻をかぶってるんじゃないかと思うくらい。一番熱心なのはカモ。周りからユリカモメ。セグロカモメやコサギは、以前捨てられた山で採食している。
ここは昨年もこの季節大にぎわいしていた。

大黒漁港は、海の駅と銘打って、観光客向けにカキを食べさせてくれたりしている。ここでは、ベルトコンベアに載せて水揚げしているカキをユリカモメが狙ってる。近くで待ってたと思ったら、さっとかっさらって行く。ここでカキを狙ってるのは、ほぼユリカモメだけ。
ここは昨年は、ユリカモメのほとんどいなかった。どうして今年になってユリカモメに狙われるようになったのかな?


●2014年12月23日 ホネマラソン4日の成果

成果は冷凍室のスペースとして評価される。なんと畳1畳分のスペースができた。テンバコにして、6テンバコ。過去10年なかった光景ではないだろうか? それでいて、周囲は絶壁ではなく、けっこう余裕がある。なんならまだまだ積み上げられる。どうよこれ。
ただこの成果はこの4日間の頑張りだけによるのではなく、この1年の成果がまとまった感じ。この4日間で処理したのは、ライオン1体、アシカとヒツジの皮、タヌキ6体、ハクビシン2体、腐ったアザラシ2箱、肉取りタヌキやウサギ1箱。ってところ。たくさん処理したけど、これではせいぜい2テンバコ程度(いやこれすべてをテンバコ2つには入れられないけど、積み上げると床面積的に2テンバコ)。じゃあどうやってスペースができたかと言うと、けっこう謎に満ちてる。

スペース自体は、この4日間に処理をする物を出した5日前に決まってた。その時の作業は、処理するものを出した以外にもいろいろある。箱に入ってるのを開けて、中身を確認。小さい鳥なら別のストッカーへ。小さい哺乳類は箱から出して、まとめて入れてあるスペースへ。箱詰めしてまとめて送られてきた鳥は、今月初めに処理した北海道からの海産物の箱が入っていた場所に詰め込んだ。棚や奥にすき間があったので、いくつかの箱を押し込んだ。
で、出来上がった畳み1畳。一年かけて処理してスペースは出来ていたけど、きちんと詰めていなかったから、それを詰めたら顕現したってところ。

毎年年末に詰め込んで、一年の作業の成果としてのスペースを確認してるわけだけど。ここ3年ほど、年々スペースは広くなってる気がする。来年はさらに奥まで空けられるかなぁ。


●2014年12月22日 夜のハイエナ洗い

今日の作業も一段落。今日は疲れたから、何か飲んで早めに帰ろう。その前にメールチェック。で、そのメールを見つけた。
明日、ブチハイエナのホネを借りに行きますと書いてある。何のこっちゃ? 少し考えて、思い出した。そう言えばブチハイエナのホネを貸す約束したっけ。そう言えば明日取りに来ることになってた! でも、まだ用意してない。慌てて収蔵庫に探しに行く。そこからが大変だった。

収蔵庫にはシマハイエナはあっても、ブチハイエナのホネはない。いやいやブチハイエナも処理した覚えがあるぞ。標本台帳を調べると確かにブチハイエナが載ってる。ってことは皮を剥いたけど、まだホネは完成してなくて収蔵庫にたどりついていないってこと。
水に浸けて腐らせたままのホネの山から発掘するのは面倒だなぁ。と思いつつ、砂場に埋めたホネをチェックする。埋めた場所をわすれないように、代々地図を作ってあって、古い地図も残してあるんだな。確かに随分前に砂場に置いたことを確認。でも、今はもう掘り起こされてるらしい。と言うわけで、砂場から収蔵庫までの間のどこかにいるってこと。
砂場から回収して、水洗いするのが面倒なとき、テンバコに入れて博物館の裏に積み上げる奴がいたっけ。というわけで、博物館裏に積み上がってるテンバコを探しに行く。4つめでヒット。ブチハイエナを発見出来た。

これで解決したかというと、さにあらず。砂場から回収されて、そのまま積み上げられていたので、砂まみれ、虫まみれ。ってことで、そこから2時間ほどかかってホネ洗い。けっこう綺麗なホネで楽しかったけど。なぜか疲れた。


●2014年12月21日 海驢と獅子

今日は、昨日に続きアシカの皮の処理をした。隣りではライオンの皮むき。どっちも盛り上がった。…。傍目には、ライオンばかり盛り上がっていたけれど。

ライオンの盛り上がり方は、単純。
肉球が大きい! これでネコパンチされたら大変〜。尻尾がライオン! 振り回したくなる〜。舌がザラザラ! これで舐められるのと、某I氏のヒゲでほおずりされるのと、どっちが痛いかなぁ。アンモニア臭い〜。これは死因の一つが腎不全だかららしい。
初心者やな。

アシカの方は、もっと高度な盛り上がり方である。
後足、爪が上側に付いてる! これ何のためにあるんだろ? 伸びすぎてもこすれないから、伸びたまんまなんじゃ? どうやって短くするんだろ? とか。中の3本指の爪は普通に伸びてるけど、小指は短め、親指は平爪みたいになってる。
耳が妖精! どうして耳朶が巻いてるんだろ? 耳に水が入るから? でも、これじゃあ聞きにくいだけなんじゃ?
皮の内側に謎の袋が…。これ乳首やん! 左右2対あるんやな。究極の陥没乳首。表に出したろ。あっ、戻らんようになった〜。どうしよ?
さすがは熟練者たち。


●2014年12月18日 昨日と今日の強風体験

この2日間は、爆弾低気圧とやらのおかげで、北日本は雪で大変なことになってるらしい。いや西日本でもあちこち雪でえらいことになってるらしい。この2日間、淡路島と四国の播磨灘岸の水鳥調査にあたっていた。幸い、雪には縁がなかったが、強い西よりの風を堪能できた。
とにかく昨日はすごかった。それに比べると今日はたいしたことなかった。午前中こそ風が強かったが、昼からは穏やかになった感じ。今日は四国側の播磨灘岸の調査だったので、浜は北向き。そして湾内になってることが多く、西風の影響の大部分は遮られていたのもあるだろう。いつもの同じ程度の波の高さで、同じような場所に鳥たちは分布していた。
というわけで、もっぱら注目は昨日の状況。

昨日は淡路島の播磨灘岸を調査した。浜は西向きで、湾にもなっていないので、西風の影響をまともに受けた感じ。そもそも車は風でハンドルをとられまくり。風速は20m/sを超えてた様子。海岸線を走る路上には、波の花が飛びまわっている。風力発電の風車はギュンギュン回ってる。3秒ほどで1回転し、1500Whrをたたき出している。どうやらこれが最高出力らしい。一方で、まったく回っていない風車も多い。風が強すぎたらストップがかかるんだろう。
海は波立ちまくりで、真っ白。沖合を通るフェリーを間の波しぶきのせいだろう、白くぼやけて幽霊船のよう。砂浜を見渡そうとすると、砂粒が飛んできて顔が痛い。

鳥の方はというと、河口や海岸線にはほとんどカモ類もカモメ類もカワウもいない。それもそのはず、いつも鳥たちが休んでいる突堤やテトラポットは、頻繁に波をかぶりまくり。あんな場所で休憩が出来るわけがない。波立つ沖合にウミアイサは浮かんでいない。
じゃあ、どこにいるかと言うと、みなさん漁港に避難している様子。いつもはろくにカモメ類があまりいない漁港にもカモメ類が避難してきているらしく、いつになく賑やか。何より、いつもは河口に浮いてるウミアイサが、漁港の中に入り込んでいる。ウミアイサがいたのは、富島漁港、浅野漁港、育波漁港、江井漁港、明神漁港、都志漁港、。それだけでなく、江井漁港にはハジロカイツブリ、浅野漁港にはアカエリカイツブリまでいた。いつもは沖に浮かんでいるのを見つけられてないんだろうなぁ。

都志川河口と五色浜には、それぞれ大きなイノシシの死体が転がっていたけど、これは強風とは関係ないよなぁ。


●2014年12月16日 関西の残したい自然エリア

20ヶ所ほど選ぶんだそうな。関西と言っても、三重県や奈良県は入っていない。徳島県は入ってる。という流れなら入っててもよさそう、と事情通は思うのだけど、鳥取県は入っていない。おとなの事情はややこしい。
せっかくなら各府県単位では保全しにくい場所や、対象の生息地をリストアップしたい。広域な感じが欲しい。それでいて、各府県に点在する場所も理由を付けてあげたらいいかも。希少種の生息場所だけでなく、人と自然の共存のモデルのなる場所も。みんなが親しんでる自然環境も。だんだん何をしたいのやら分からなくなる。そう、選んで結局何をしたいのかは、これから考えるんだな。おとなの事情はほんややこしい。

で、いまひとつよく分からないけど、どんな場所を残したいかと問われたので、答えてみる。これまた関西全域なので、大阪府だけで選ぶのと勝手が違う。大阪府だと貴重だけど、関西全体ではさほど貴重ではない環境はけっこう多い。そんな場所を選んでもなぁ。と思うと発言しにくい。関西の他の府県の方々の意見をまずは聞くことになる。
で、驚いたことに意外と大阪府で貴重な環境は、関西全体でもけっこう貴重らしく選んでもらえるってこと。北摂の里山、淀川、河内や和泉のため池群、金剛山や和泉葛城山などのブナ林。南港野鳥園のような人工干潟まで遡上にあがりかけて、けっこうびびる。

大阪人からすると、ため池は兵庫県にいっぱいあるだろうし。里山環境は、兵庫や滋賀なんかにいっぱいあるんじゃないの? ブナ林なんか京都や兵庫の北の方や紀伊半島にいっぱいあるでしょう。とぼんやり思っていたけど、関西全体を見渡しても驚くほど残ってないらしい。
大阪の自然はけっこういけてるかも!と胸を張るよりは、関西全体でそんな状態か〜と思うべきっぽい。


●2014年12月14日 展示改装の企画

常設展は、もうつくられて20年以上経ってるコーナーが多い。もう全面的に展示更新したいけど、お金がない。仕方がないので、学芸員手作りで少しずつ更新することになってる。今日なんとなく、展示室を回る機会があったので、学芸員4人でなんとなくその話。

■第1展示室のわんどコーナー
わんどの展示は地域自然誌展示室にできたので、こちらは外来生物の展示に更新することが決まってる。でも、わんどのイラストの背景に、断面の造作。これを全部つぶして作り替えるのはけっこう大変。となかなか手つかずにいる。
でも、今日見て思ったのは、大阪府で問題になる外来生物は、山手の林にいるんじゃなくって、むしろ開けた場所にいる。水草、淡水魚、淡水貝など淡水の水辺物が多い。それなら、淀川のわんどの舞台は変えずに、展示内容を外来生物に差し替えたらいいんじゃないの? 大阪府にいる植物の特定外来生物は、すべて淀川にいるでしょ。ブラックバスやブルーギルやスクミリンゴガイ、カミツキガメ、ヌートリア。だいたい淀川舞台で登場させられる。アライグマだっているだろう。外来生物の侵入が一番問題になるのは淡水環境といっても間違いじゃなかろう。
淀川わんど周辺を舞台にしたら登場させられない大阪府の外来生物で、是非とも登場させなくてはならないのは、タイワンリス、ソウシチョウ、タカサゴユリ…。その程度なら、端っこに山手の外来生物コーナーをつくれば充分。

■第3展示室の種子散布のコーナー
第5展示室に種子散布の展示を作ってしまったので、こちらはかぶり気味。でも、水散布と風散布はないから、ここに種子散布をまとめておくのはいいかも。だとしたら、手書きの文字パネル、白くなってしまった画像、全体的に汚い感じを更新したい。
来年夏のたまご展では、タネの展示もする。そこでは主に種子散布な展示にする予定。なので、来年夏の特別展が終わってから、その展示をここに持ち込む方向。問題は、たまご展開催中のこの展示コーナーの扱い。一部の展示を持っていったらいいのかなぁ。だとしたら、コーナーまるごと「特別展に出張中」とするとか?

■第3展示室のハナバチと花のコーナー
第5展示室に展示物を持って行かれたんだな。コーナー自体かぶりぎみだけど、それを変えようとすると大変なので、ハナバチの展示を追加かなぁ。

そもそも第3展示室の種子散布から捕食、擬態にいたる種間相互作用のコーナー自体、第5展示室にかぶりまくり。本当は、この一角を全面的に更新したいなぁ。でも、そうなると学芸員の手作りの範囲を超えるなぁ。お金が欲しいなぁ。結局、そこに落ち着く。


●2014年12月11日 動かない卵の展示、動くタネの展示

今日も卵展の展示のことを考えている。

動かないたまごは、産卵場所とそのケアが大切。巣や卵嚢とセットの展示が必要。親もセットで欲しい。単にたまごを並べるより、産卵場所の造作が欲しい。

動くタネの展示は、種子散布のタイプごとに。単にタネを並べるのではなく、散布タイプに合わせた仕掛けが欲しい。
風散布はぶら下げよう。一部は、風で動かしたり、投げられると楽しい。
水散布は、海岸などに打ち上がった感じの造作を。一部は水に浮かべよう。
引っ付き虫はもちろん引っ付いてないとね。投げて引っ付けられると楽しい。
周食散布は、果肉がある時と無い時の比較はマスト。散布者とセットで展示かな。タネの入った糞とか?
貯食散布は、貯食者とセットで展示かなぁ。


●2014年12月10日 大きい卵、小さい卵

卵を展示するなら、その多様性を押さえたい。色や模様はともかく、形はだいたい卵形。あとは大きさくらいしかないような。となると、一番大きい卵と、一番小さい卵は押さえたい。

一番小さい卵は、やっぱりハチドリかなぁ。某昆虫館がかつて飼育していて、いっぱい産卵させていたはず。卵を残してるといいなぁ。
それがなければ、国内最小を展示するしかない。ミソサザイかキクイタダキか。これなら持ってるはず。

一番大きな卵は、現生ではダチョウ。これは簡単に手に入る。でも近い過去まで遡ると、エピオルニスの卵が欲しいところ。大きさもダチョウとは桁違い。国内にも数個あるはずだけど、借りれるかなぁ。

などと考えていて、ふと気づいたのは、手持ちの卵にどんなのがあるのかをきちんとは把握していない。リストはあるけど、ちゃんと見てない。まずは手持ちのチェックから。だな。


●2014年12月9日 葉っぱが落ちたら塒は

そら、どっか行くわなぁ。

JR茨木駅前で、夕方ムクドリの集団がいた!という情報を頂いた。今年1発目の忘年会の席にて。そういえば、いつ確認したかを聞くのを忘れた。ネットでチェックしてみると、確かに10月にムクドリが大量に集まっていたという情報が見つかった。
というわけで、教えてもらって4日後に、いそいそと確認に出かける。が、現地に着いて衝撃の事実に気付く。教えてもらった場所に生えているのはイチョウの樹。高さは充分。確かにムクドリが集まってもよさそう。いかんせん、もう落葉して葉っぱがない…。こらムクドリは集まらんわ。10月には木の下は踏んだらけという話だったが、今日は糞の影もない。もう絶対アカンわ。
一応、日没まで待ったけど、予想通りムクドリは集まらず。同じ場所には集まらなくても、近くの別の場所に入るかなぁと思って、ムクドリの小群が通過するのを探して、上を見上げていたけど、まーーーーーったくムクドリは影も形もなし。予想通りの空振り。覚悟してたからええねん。

それにつけても惜しむらくは、11月に一度確認にしに来てたんだな。ただ、阪急南茨木駅の塒入りが終わってから、JR茨木駅方面に抜けていった群れがいるので、一応確認に来ただけ。おのずと真っ暗になってからの確認。問題のJR茨木駅西側ロータリーはチェックしたのだけど、あいにくムクドリが集まっていたはずの通りは見逃した。ムクドリが騒いでいたら気付いただろうけど、もう寝静まった後だったんだろう。ムクドリの集団ねぐら探しは難しいなぁ。

ちなみに、仙台市のハクセキレイは、落葉した後の街路樹にも集団ねぐらをつくるらしい。その画像を見せてもらったが、枯れ木に白い花が咲いているようで美しかった。大阪でもハクセキレイは落葉後の樹に集まるんだろうか?
今日、少なくともムクドリは集まらないらしいことが分かった。そういう意味では意義があったのかも…。


●2014年12月8日 今日は名古屋コーチンの卵

先月はプリマスロック、今月は名古屋コーチンの卵を買った。

知り合いのニワトリ卵コレクターさんに、卵を見つけたら献上するという習慣がいつの間にか形成されてる。さすがに家の近所の卵は献上済みなので。珍しい場所に行ったら探す感じ。とくに地卵を扱ってる場所が狙い目。昨年から毎月播磨灘岸の水鳥調査に行ってて、昨年から行ってるから地卵を扱ってる場所はすでにチェック済み。
それでも、道の駅とか産直には毎回のように、調査後に立ち寄る。立ち寄っても新たな卵はないのに。と思ったら、姫路市の産直で先月プリマスロックの卵を発見! この1年、一度も新たな卵はなかったのに何故? そして、何故か今月は名古屋コーチンの卵を発見!

プリマスロックも名古屋コーチンも作ってるのは同じ生産者さん。この方は、この1年、アローカナとか、烏骨鶏とか、面白い卵を出してる方。なんかニワトリマニアなんだろうか? そして、この方が生産する卵は、いつも不思議なくらい小さめ。どんな飼い方をしたら、各品種の卵を小さく作れるんだろう?
というわけで、来月はどんな品種の卵を出してくれるのか楽しみ。比内鶏とか天草大王とか来ないかな。異様に小さい天草大王の卵とか面白いなぁ。


●2014年12月7日 残骸処理のスキーム

昨日と今日で、いっぱい海岸で拾った鳥の残骸を処理した。基本は全身の骨格標本を作る方針なのだけど、皮や羽根の確保については、ケースバイケースで少しバリエーションができる。流れをみてみよう。

1.まずは多少痛んでいても、ほぼ全身の皮が保ちそうかどうか?
 →はい:なら、多少無理矢理でも仮剥製にする(汚れがひどいなら洗う)。仮剥製に残す以外の部分はホネを保存(内臓が残せそうなら液浸、残せそうにないなら骨格標本)。
 →いいえ:2へ。

2.全身の皮は保たないけど、翼や背中や尾など一部でも皮が保ちそうかどうか?
 →はい:なら、その部分の皮を剥いて乾燥の皮の開きとして保存する(基本的に皮は洗う)。ホネは全身を確保して、骨格標本として保存。
 →いいえ:3へ。

3.皮はもたないけど、一部なりとも羽根は残せそうかどうか?
 →はい:なら、羽根を抜いて洗って乾かして保存。ホネは全身を確保して、骨格標本として保存。
 →いいえ:適当に羽根と皮を剥いて、ホネを確保して、骨格標本として保存。

昨日と今日の作業でもう一つ重要なのは、「3.→はい」の場合の確保した羽根を洗ってから乾かす際の、標準的な手順が確立したこと。必要なのは、タオルとドライヤーと透明で大きなビニール袋。
今までは選択ネットとか、ダンボール箱とかに入れてドライヤーを当てて乾かしていたけど、透明な大きなビニール袋がベストらしい。風が抜ける入れ物では、羽根が動かないので、うまく乾かない。ダンボール箱は羽根が逃げまくる。中が見えて、中で羽根が踊れるビニール袋がベストっぽい。


●2014年12月6日 北海道の海の幸

冷凍室から北海道の海の幸を発掘して、今日と明日で処理。と書くと、カニやウニを食べるかのようだけど、現実はそう甘くない。なんせ2005年に入手して、冷凍したままの海の幸。海岸で拾った海の幸。送る時、穏便でかつ嘘にならない書き方を思いついたんだな。
入っているのは、鳥や哺乳類の死体や骨。今日と明日処理するのは、鳥の死体。海岸で拾った鳥の死体は、すべて腐ってる。可能な範囲で計測し、可能な範囲で羽根を確保した上で、ホネにすることに。普通に皮を剥くより、処理は速く進むような、なかなか進まないような。
意外と、意外でもないけど、ネックなのは、鳥の種名が分かるかどうか。頭が付いてるから、たいてい分かるんだけど。頭のないウミスズメ類は、自信がないのでウミスズメの一種とすることに。さっぱり、分からないホネも出てきた。これは標本にはできないなぁ。片方だけの翼も出てきた。ハシボソミズナギドリっぽいけど、片翼だけじゃあ標本扱いするほどじゃないなぁ。せっかく拾ってきたのに残念だけど、ある程度取捨選択もやむを得ず。


●2014年12月5日 鳳駅前情報を確かめに行く

一昨日、2人から相次いで、鳳駅前にムクドリが集まってる情報が舞い込んだ。すぐに確認に行こうと思ったが、昨日は雨だったので、今日確認に。
駅北側の踏切から小学校にかけての電線にムクドリが集まると聞いたので、とにかく言われた場所へ。まだムクドリはいないなぁ、と思ったらムクドリが6羽飛んできた。来た来た。そして今日はハズレはなさそう。と思ったのが日没45分前。で、待ってたのだけど、なんか変。電線を通りすぎて、北に飛び去る群れがいる。北にも塒前集合があるのかなぁ。と見に行くけど、見当たらない。おかしいなぁ。と思ったら、北に300羽ほどのムクドリの群れが出現。空中を舞い始める。さらに電線にとまっていたムクドリも一斉に飛び立って、その群れに合流。そこにさらに300羽ほど加わり、約600羽の群れが鳳駅北側の上空を乱舞。
次々とムクドリの小群が飛んできて、群れに加わっていく。3000羽近くに群れがふくれあがった日没前25分。群れが鳳駅北側の電線やグランドのネットの上におりた。そこにもちゃくちゃくと小群が加わっていく。日没前20分、群れが一斉に飛び立ち、再び乱舞を始める。で、日没前15分、ねぐらに降り始める。下りたり飛び立ったりを繰り返した後、日没前10分にねぐら入り終了。日没前に終了するのは初めての体験。へんな感じがする。一応、日没まで待ったけど、もう飛び立たなかった。

昨日まで、そうでも無かったのだけど、めっちゃ寒かった。

【追記】
夜、今年最初の忘年会。その席で、JR高槻駅前のムクドリの集団ねぐら情報を頂く。次は高槻だ!


●2014年12月4日 会誌の校正

関西自然保護機構ってのがあって、年に2回会誌を発行する。編集委員の一人として、投稿論文の査読をしたりして関わる。それはもうめっちゃ関わる。鳥の論文のみならず、哺乳類や両生類の査読も回ってくる。のみならず、近頃は魚やカニやクモの論文まで回ってくる。ほかにも編集委員はいるやろ、と思うのだけど、どうやら編集長的には頼みやすいらしい。知り合いってだけでなく、比較的すぐに返事をするかららしい。
編集委員の関わりは、本来査読以外には、編集・出版方針を考える程度だと思うのだけど、なぜか校正が回ってくる。ほかの編集委員にも回ってるのだろうか? 確かめたことはないのだけど、どうも他の編集委員には回ってない気がする。どうして特別扱いしていただけるのか謎である。これまた頼みやすいからだろうか?
まあ、他人の原稿にダメ出しをするのは、大学院生時代からの趣味だからいいのだけど。それなりに楽しいのだけど。時間がかかるのである。そして、なぜかタイトな締め切りを守ることを要求される。今回は5日で見ろと言われた。というわけで、休みの日に出てきて、会誌80ページほどの校正。6時間ほどかかった。

学名をイタリックにするという初歩的なのから、カンマやピリオドが半角になってる!といった編集上のミスはもちろんチェック。大阪府の地名には詳しいので、調査地名の間違いを指摘したり。論文のページが間違ってるという高度な指摘まで。中身に踏み込んだ明かな間違いを指摘できると、けっこう嬉しい。どうだ!誰も気付かなかったろう!てなもん。
調子に乗って、あまりにおかしな日本語には手を入れてしまった。これを採用するかどうかは、編集担当さんが著者に確認して決めるだろう。たぶん。英文要旨には校閲が入ってないらしく、英語が得意でない日本人からみても、変な文章が散見される。でも、こちらは正しい英語にするのは面倒なので、華麗にスルー。スペルミスを捜すに留める。

おかげさまで、毎号すべての論文・報告を読ませて頂ける。今回一番楽しかった論文は、マメアカイソガニの分布調査の報告。礫浜の満潮線の小石の下にいるらしい。礫浜って生物相が貧弱なイメージで、あまり楽しくないと思ってたけど、小石の下には色々隠れてるもんだな。今度、礫浜に行く機会があれば、探してみよう。


●2014年12月3日 来年度の予定

今日、来年度の行事の予定を決める会議があった。毎年書いてるけど、来年どころか再来年の予定の話までしてるんだな。そして、翌年度の大部分の土日祝日がうまる日でもある。自分だけで来年度の予定を組むと、すべての土日祝日がうまってしまって焦っていたが、他の人の日程や企画との調整の結果、いくつかの企画は断念。まだ少し調整が入るかも知れないけど、現時点で年間6日も埋まってない土日がある! 画期的だなぁ。

【追記】
翌日もさらなる調整。とにかく難しいのは、なにわホネホネ団の日程の設定。部屋が空いていることと、担当学芸員の存在が必要。でも、担当学芸員だけではできない。翌日にある種のイベントが控えている日は避けなければいけない。一見部屋が埋まっていても、交渉次第であけてもらえることもある。できれば今後、友の会行事が入りそうな日はあけておきたい。
いろんな要素をかんがみて、日程をとりあえず決めてみる。その結果を関係スタッフに回して都合を確認。いくつか未定の要素が決まったら、対応可能なようにという配慮もして。ある程度プランを固めるのに、なんと3時間ほどもかかってしまった。なんてこった。
もちろん、これから変更もありうるので、一応決めたけど公表はもっと近づいてから。


●2014年12月1日 今年の目標

今年も残り1ヶ月。そろそろ目標を立てよう。今年はいつになく目標を立てるのが早い。いつもはあと2週間もしてから立てるからなぁ。

【行事系】もう気楽なもん
・ジュニア自然史クラブ(化石さがしについていくだけ〜。行きの乗り換えを失敗しなきゃ大丈夫)
・友の会読書サークル(本が読めてない!)
・なにわホネホネ団活動日(例年通りクリスマスはホネホネ)
・子ども祭キックオフ(今年は2班?)
【調査系】
・大和川、ため池、播磨灘岸の水鳥調査
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】たぶん大丈夫
・年末恒例の冷凍室片付けミッションを、なにわホネホネ団前日に。例年になく片付いているので(たぶん)、なんとかはなりそう。
【原稿執筆】
・大阪の哺乳類の原稿執筆(過去5年毎年書いてる…。テキストは一段落してるので、図表を揃える)
・堺市RDBの原稿執筆
・野鳥の会大阪支部の連載
【その他の雑用】
・最近見た鳥のサイトの更新(一昨年の夏と、昨年の7-8月、今年の7-11月)
・日記の完成(5-9月に未完成のが)
・購入本一覧作成
・ひよろり書店在庫調べ
・雑誌の整理
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備

まあ、だいたい例年並みなはずだけど、目標を立てたのが早いのでちょっと多め。


●2014年11月30日 2014年11月のまとめ 二度目の祭

11月のメインイベントは、やはり自然史フェスティバルだろう。先月不発に終わったホネホネサミットと違い、2日続けて快晴で暖かい。おかげで、過去最高の来場者数を記録した。出展者数も過去最高の108団体。事務局は大変だったろう。と他人事なのは、主担者ではなく、シンポジウム一つとアルバイト対応だけという比較的気軽な分担だったから。その割には、あまり会場を回れなかった。何をしてたのかあまり覚えがない。でも、今年も色んな人に色んな事を頼まれ、その対応をしているだけで終わった感じ。来年は、がんばろう。

一応、他の部分を振り返っておこう。
まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘岸水鳥調査は無事完了。そろそろカモ類やカモメ類が増え始め、ちょっと時間がかかるようになってきた。
都市の自然調査プロジェクトの名残、大阪府のムクドリ集団ねぐら調査が、今月一番盛り上がっていた調査。あちこちにムクドリの集団ねぐらを見に行くのだけど、しばしばハズレ。ムクドリのねぐらの位置は、かなりの頻度で動くらしい。ノートを見返してみると、17回行って、ハズレが9回。勝率は5割を切っている…。
密かに、ネコの尻尾調査も継続中。都市の自然展はまだ終わらない。

来年度の普及行事の計画を立ててみた。現状では、すべての土日祝が埋まってる。どこか隙間あけれるかなぁ。


●2014年11月27日 3日前にはいたのに

3日前の夕方ムクドリが集まってたというので、今日の夕方見に行ってみた。集まらなかった…。

場所は博物館からほど近い、自転車で10分ほど、大和川にもほど近い、我孫子筋沿いの高圧線の鉄塔。ってことは、大阪市大にもほど近いことになる。
例年、大阪市大には規模の大きなムクドリの集団ねぐらが出来る(と聞く)。その数は、1万羽にも届くかというくらい(らしい)。で、この秋〜冬は大阪府内のムクドリの集団ねぐらを調べよう!となったとき、ねぐら観察会を考えたほどの老舗。大阪市大のねぐらは、10月後半にならないと集まらないという話を聞いて、観察会は断念。それでも、10月後半にもなってたくさん集まったら見に行こうと思っていた。なのに、数十羽程度が集まったという話を聞くだけ。業を煮やして、11月初めに一度見に行ってみた。たまたま、その日は学園祭の日だった。ムクドリは影も形もない。学祭の時はどこかへ行ってしまうという情報も頂いたのだが、そもそも学園祭の前も大集団の情報はなかった。そして、ムクドリがほとんど集まらないまま11月も終わりかけ。
そこに舞い込んだのが、大阪市大にほど近い高圧線の鉄塔の情報。どんどん集結しているという話。大阪市大に集まらなくても、周辺には大群が集まってるんだ! よし、その場所を見つけるぞ! と、現場に駆けつけたのであった。話を聞いて3日後に行ったんだから、反応は早かったと言っていいだろう。それなのに…。

日没30分ほど前に、件の赤白鉄塔に到着。見上げると、カラスの巣がいっぱいある。数えて見ると5つもある。マンション状態。そして、どれも針金ハンガーだらけ。
鉄塔の下を見ると、ムクドリのペリッとか糞とおぼしき果実の残骸が多数。これは期待できる。すぐにムクドリが数羽、鉄塔にとまった。ますます期待できる。
でも、期待できたのはここまでだった。20羽ほどまでしかムクドリが集まらない。集まったムクドリもパラパラと、北東方面に飛び去ってしまう。そして鉄塔には誰もいなくなってしまう。北東方面に見に行ってみると、学校のグランドのネットの上に並んでいる。それが再びバラバラと飛び去る。北東へ行くものがいれば、南へ向かうものもいる。ねぐらは、いったいどこや!

ムクドリが去った、鉄塔に残り、カラスが南西に飛んで行くのをながめた。いま日没が来て、ムクドリの集団はいない。3日前はいたらしいのに、今日はいない。


●2014年11月26日 行事計画パズル

1週間後に、来年度の普及行事を決める会議がある。というわけで、そろそろ自分が担当する行事の企画を考えないと行けない。言うは易く行うは難し。毎年、めっちゃ悩む。なんせサークルの活動を含めて、実施予定のをすべて盛り込もうとすると、条件設定がとても難しい。気分はとても複雑なパズルを解く感じ。

毎月あるのは、
・ジュニア自然史クラブ 月1回(長期休暇以外は日曜か祝日)
・大阪鳥類研究グループ 月1回
・なにわホネホネ団 少なくとも月2回

シリーズ物は、
・植物園案内動物編 年間7回
・それに対応して、鳥類フィールドセミナー
・鳥の調査の勉強会 年間4回

毎年定例の博物館行事:標本同定会、標本作成祭、教員のための博物館の日、博物館たんけん隊、博物館活動報告会、子ども祭
毎年恒例の友の会行事:友の会総会、ナイトミュージアム、秋祭、海の向こうの報告会、ナイトハイク、バックヤードツアー

夏の特別展関連で
・卵の標本作製講座
・子どもWSたまごハカセ
・オープンセミナー
・たまご絡みの観察会を2回ほど

人気行事なので、カエルの観察会、ツバメのねぐら、ホネの標本講座2回
哺乳類の観察会も2回
4月からの新プロジェクト関連で、哺乳類・鳥の2回
科研費関連で、鳥の仮剥製作成講座2回

植物園との連携行事も2つあるらしい。
新たに高校生のための博物館の日もあるのか?
春の干潟合宿と、夏の友の会合宿にも参加したい。
秋の鳥学会大会と、早春の生態学会大会にも参加したい。
そして、大阪バードフェスティバル。

もう週末はあいてない。


●2014年11月25日 レッドリストのPDCAサイクル

レッドデータブックやレッドリストは作ったものの、改訂したものの、それで終わりじゃダメだ! というシンポジウムの企画を相談。方向性を決めるのがけっこう難しい。でも、尻尾くんが言った事が要点を突いてると思う。

レッドデータブックは、絶滅のおそれのある生物種のリスト。当然ながら、絶滅危惧種は、保全される必要がある。そのためには、絶滅危惧種の生息環境を守ることが重要。
できれば、法的枠組みで絶滅危惧種やその生息環境が保全されるのが望ましい。でも、なかなかレッドデータブックの次のステップにはつながらない。聞くところによると、関西では大阪府と和歌山県にはレッドデータブックはあるが、その次の保全のための枠組みはまったくないんだそうな。なんてこった!
関西の他の府県には、絶滅危惧種を保全する枠組みがある。ってことではあるけど、すべてのレッドリスト種がその対象とされているわけではない。種の捕獲を制限しても、生息地や生息環境の保全は不充分というのもよくある話。
しょせん、レッドデータブックは飾りなのかもしれない。作成したら、改訂したら、役所的にはそれで満足。って雰囲気もただよう。役所側だけでなく、作り手でもある研究者サイドにも漂う。

それじゃあ意味がない!と尻尾くんが叫ぶ。保全につながっていかないのなら、苦労して時間をかけてレッドリストを作成・改訂する意味がない! 尻尾くんはいいことを言うなぁ。
で、思うに、レッドリストの改訂に応じて、修正されて、絶滅危惧種の保全対策を打たれるようなシステムが存在するのが望ましい。望ましくはあるけど、そこが直結していると、レッドリストの改訂の議論はもっとシビアなものになる。よほど根拠がはっきりしないと、ランクを上げられないような。それでは一層レッドリストの改訂が大変なことになる。
だから思うに、レッドリストの改訂は、その前のレッドリスト以降の保全対策の評価書と見なすのが正しいと思う。そして、レッドリストの改訂の度に、次の改訂までの保全対策も目標設定、行動計画をセットで行う。そして次のレッドリスト改訂時にその目標が達成されたかを評価する。以下、繰り返し。
一度に、すべての絶滅危惧種に対策するのは難しい。ってか無理。絶滅の危険性が極めて高い種、絶滅危惧種の多い環境・地域に重点的に保全対策を集中し、それが一定の成果を上げたら、次に進む。改訂の度に少しずつでも計画的に、そして効果が高そうなところに投資していき、より効果的な方策をさぐる。ってのはどうだろう?
そんな悠長なことをしている余裕はないかもしれないんだけど…。でも何も手がつかない現状よりは、よほどいいんじゃないかと思う。


●2014年11月24日 編集長来襲 大阪府鳥類目録改訂作業

昨日は、編集長が来襲した。いろんな編集長に追われているので、とても焦った。焦ったけど、なんとか切り抜けられた。それどころか、編集長一人を倒す目処が立った。ありがたい。

大阪府鳥類目録は、日本野鳥の会大阪支部が発行している出版物で、過去に2回ほど改訂されている。直近の改訂版は、2001年版として、2002年3月に発行された。
それから10年。やはり10年に一度は改訂しないとということで、改訂版の発行が企画された。たしか最初に動き始めたのは、2010年頃の事だったと思う。でも、改訂作業は遅々として進まず、2012年を過ぎ、2014年、つまり現在に至る。
改訂作業の何が面倒って、大阪府内での各種の分布図を作ろうと思い立ったのが運の尽き。2002年以降のデータで分布図を。というわけで、2002年以降のデータを掘り起こさないといけない。分担してデータを掘り起こして、分布図に反映。という話をして早5年ほど。どうも他の人は作業を進めていたらしい。で、最後は御前だけだ!というわけで、編集長が他の人のデータで作成された分布図を抱えて来襲したというわけ。

編集長が持ってきた分布図を見せてもらい、手持ちのデータで補えそうなものを探し、データを発掘。抜けてるメッシュを埋めていく。他の人のデータでけっこう既にメッシュが埋まっているから、このやり方は効率的。
海岸部の鳥、冬のホオジロ類、サギのコロニー、ツバメ類の繁殖分布などなど、サークルなどで近年調べたデータを確認。ヤマシギ、アオバト、オオコノハズク、アオバズクなどは、標本データを発掘。まとまった調査をしてる場合、標本がよく入手される鳥はけっこう貢献できる。ただ、バラバラと持っているデータを発掘するのは難しい。自分の観察については、記憶をたどって自分のサイトを検索して探してみたり。博物館にバラバラに届けられた情報の発掘はさらに難しい。結局、完璧にはデータを発掘できていない可能性が高い。

4時間かかって、非スズメ目とツバメ類が完了。残るスズメ目は後日。つまりあと1回で、この作業からは解放される。ここ数年の懸案の目処が立ってきて嬉しい。
でも、終わったはずの非スズメ目も、さらに補うデータがないか探さないと。気になるのは、ヨシゴイ、ミゾゴイ、クイナ、ヒクイナ、タマシギ、タゲリ、クサシギ、アリスイ、アカゲラなどなど。ちょいと珍しく、バラバラとデータがありそうな鳥かな。


●2014年11月23日 バードセイバーを普及させるには

バードセイバーの普及活動をしている方から、バードセイバーを貼る運動を広めるにはどうしたらいいか、コメントを求められた。バードセイバー貼ったことないのに、コメント求められても困るような気もするけど、とりあえず日頃思っていることを返事してみた。せっかく頑張って書いたので、ここにも書いておこう。
事実誤認があれば、こちらはこっそり書き換えよう…。

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バードセイバーの運動があまり広まらない理由はいくつか考えられると思います。思いつくままに挙げると、
・鳥が窓ガラスに衝突して大量に死んでいることがあまり知られていない。
・その対策としてのバードセイバーの存在は、さらに知られていない。
・市販のバードセイバーは高価である(数多く貼らないといけないことを考えると特に)。
・バードセイバーを貼って、維持するには手間がかかる(数多く貼らないといけないことを考えると特に)。
・バードセイバーの効果が明らかでない。

たとえば※※※※※ビルでバードセイバーを貼ることで、どの程度、鳥の衝突が減ったかは分かっていません。海外にはいくつか効果を測定した例がありますが、日本では知る限りありません。
鳥の衝突が多い窓ガラスの多い建物は、個人の住宅よりは、公共の建物か、企業の建物が大多数です。それぞれにバードセイバーを広めるには、方針を変える必要があると思います。公共は市民の声に弱いので、世論を高めるのが効果的です。こまめに訴えるのもいいでしょう。企業は、究極的には対策が利益につながる(たとえば企業イメージのアップ)ことを納得させる必要があります。
いずれにしても、問題の存在を知らしめ、バードセイバーによる効果を示す必要があります。どちらの取り組みもまだまだというのが、現状です。

バードセイバーの効果を示す場合には、単に効果がある!というだけでなく、どういう環境で、どのように貼れば効果があるのかをきちんと示し、バードセイバーを貼ることのコストパフォーマンスを具体的に考えられるようにする必要があります。
たとえば、オープンな窓ガラスだらけの場合と、建物の側に緑が多い場合では、バードセイバーの効果は違うんじゃないかと思っています。たとえば、すべての窓ガラスに貼るのと、一つおきの窓ガラスに貼るのとで、バードセイバーの効果がどのくらい違うのかは、維持管理のコストを考えると大きな違いです。

短期的には、バードセイバーで鳥の衝突を減らすというのは、大切だと思います。でも、長期的には空や緑が映り込まないガラスを普及させるべきだと思っています。そのためにはガラス製造会社への働き掛けも重要だと思います。

ちなみに大阪市立自然史博物館では、かつては多くの鳥がガラスに衝突していたのですが、近年はほとんど衝突しなくなりました。大きな要因は、窓の前に屋根を付けたこと、窓の前の木を切って明るくしたことにあるようです。バードセイバーを貼る以外にも、窓ガラスへの衝突を軽減する方策はあるんだと思います。
データを集めて、どういう条件でどういう対策を行うべきかを、考えていくことが必要ではないかと考えています。

とりあえず、バードセイバーを貼ってもらった施設において、その後、鳥の衝突があるのかどうか。もし衝突したなら、どんな鳥がどこに衝突したか。バードセイバーを貼る活動だけでなく、そうしたアフターケアによって、データを集められてはどうでしょうか?
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●2014年11月21日 この冬はカモの羽根を見分けられるようになりたい

長居公園で、羽根拾いの行事をするようになって、2年。いや3年かな? 4年だったりして。ともかく、羽根拾いの行事をしているのだけど、正直分からん羽根は分からん。現場で分からん羽根は、スタジオへ!と叫んで、持ち帰って図鑑で調べる。それでも分からないのは、ゴメンナサイする。何度もやってるから、普通種はだいたい分かる。中くらいのサイズならたいてい分かる。ムシクイ類とかヒタキ類とか、小さい鳥は分からないけど。小さい鳥は分からないといっても、けっこう許してもらえる。それに野外ではなかなか見つからない。
大きい鳥なのに、よく見つかるのに、分からない鳥がいる。それがカモ。持ち帰って図鑑で調べてもどうせ分からないので、羽根拾いの行事では、カモの羽根を拾うのは禁止!と宣言する。宣言すると、面白がって拾ってくる子どもがいるけど、もちろん分からない。まあ、カルガモは分かるし、他に長居公園の池にいるカモの種類は少ないので、2択にはなるんだけど…。

カモの羽根の識別が難しいのは、体の各部で模様が全然違うから。雄と雌でも違うから。けっこう模様があるので、標本と比べれば分かるはずなんだけど、メッチャ面倒。
とはいえ、いつまでも分からんと言うのは格好悪い。そもそも分からんと繰り返すのは、悔しい。というわけで、この冬の一つのテーマは、カモの羽根を見分けられるようになること。
間近に実物と羽根を比較すれば、とりあえず分かるだろう。比較しまくれば、主だった陸ガモの羽根くらい見分けられるようになるんじゃないだろうか? ってことで、鶴見緑地に行く事にした。まずはヒドリガモの羽根を覚えよう!


●2014年11月20日 友の会会報に記事を書かなきゃ

来月号の会報の記事の担当だったらしい。全然覚えてなかった。決めたのは半年以上前。決めた時は、なんか書く当てがあって書くと名乗り出たはずなんだけど、半年以上経つと覚えてない。何を書いたら良いかなぁ。
季節感のある内容が望ましい。自分がいま興味を持ってるか、データを持ってる話がいいなぁ。ってなると、ネコの尻尾か、ムクドリの集団ねぐらか、播磨灘岸の水鳥? あるいは、果実や公園の冬鳥。どうしよ。

ネコの尻尾調査は、まだまだ調査途上で語れるような結果は出せてない。それ以前にデータの入力が追いついていない。播磨灘岸の水鳥の話は書きたいけど、エピソード的にはいろいろ書けるけど、記事のコアになるデータが、これまたまったく整理どころか入力もできてない。果実や公園の冬鳥の話題は、持ちネタなので書けるけど、以前も書いたような気がする。となると、ムクドリの集団ねぐらしか残らない。データ量が少ないのが幸いして、そして今一番熱中してるから、データの入力はできてる。観察エピソードも書けるというか、今ならむしろ書きたいかも。

ってことで、ムクドリの集団ねぐらの話を書くことに。なんせ、現在進行形で情報募集だし。


●2014年11月19日 夏の特別展の総括

近頃は、毎年この季節に夏の主催展の総括会議がある。学芸員、事務職員、カウンタースタッフ、警備員が顔を揃えて、特別展の様々な部分を振り返る。うまくいった部分も取り上げるが、主にうまくいかなかった部分を取り上げ、改善の方向性を議論する。
全体的に成功した特別展はいいけれど、うまくいかなかった特別展の場合、主担当は針のむしろ。この夏の特別展は、来場者数が過去10年でワースト2。その主担当としては、覚悟していたものの、けっこう凹む会議だった。


●2014年11月18日 ネコがいっぱい

密かにネコの尻尾調査を続けていて、毎月の淡路島・四国播磨灘岸の水鳥調査では、ついでに漁港漁港のネコを記録している。夏の間、あんまりネコが記録されず、おかしいなぁ。と思っていたら、秋になってきて増加傾向。昨日と今日はたくさん記録できた。もしかしてネコの尻尾調査に最適な季節は、冬なのか?


●2014年11月17日 大阪のサシバを調べよう

ミゾゴイの保全を考えるシンポジウムで、まずは繁殖分布を調べなくっちゃ。という結論を出したばかりなのに、その翌日、大阪のサシバを調べるプロジェクトが動き出すことが決まった。
この夏頃、とある団体関係者から大阪府のサシバの生息状況を調べたいと話を聞く。大阪の山をいろいろウロウロしている方なのだが、近年、サシバがどんどん見られなくなってる。このままではいなくなっちゃうんじゃないか、という危機感を募らされたらしい。それは同感。北摂での開発計画がらみのアセスメント調査の結果を見ても、サシバはろくに出ない。けっこう労力かけて調査されているのに。ほんとに少ない感じ。そんなこんなで、大阪府レッドリストの改訂では、絶滅危惧I類にランクを上げた。
もちろん調査が必要なのは、間違い無い。でも、大阪府レッドリストで一番絶滅を危惧してるんだから、本来なら、大阪府がなんらかの動きをするべきなんだけどなぁ。という正論をつぶやきつつも、大阪府がそんな調査しないのは百も承知。そもそもあまりやる気がないし、さらに予算もない。
大阪府の悪口を言ってるだけでは、事態は変わらず。絶滅危惧種は生息状況も不明なまま、どんどん絶滅に邁進するだけ。

ってことで、関係者は誰しも大阪のサシバの生息状況をしらべなきゃ!ってことで一致した。問題は調査の進め方。まずは文献調査と聞き取り調査。それから現地調査をすることになりそうな展開。こまかい運営がうまく行くかは、はだはだ心許ないけど。
3年くらいで、できるといいな。ってゆうか、キーマン一人を押さえられたら、一瞬で分かるんじゃないかという期待もある。


●2014年11月16日 ミゾゴイのいる場所

ミゾゴイのシンポジウムに参加した。というか、司会進行役でパネルディスカッションの仕切りまで振られた。おかげで、珍しいことに個々の演者の発表を全部聞くことになった。パネルディスカッションでは、パネラーにディスカッションさせず、進行役が勝手に質問してた。
ミゾゴイの話で気持ち悪いのは、世界に1000羽しかいないとか、希少種だとか、減少してると言われる。一方で、ほとんど調べられてない、生息状況は不明。って矛盾した話が並べられること。
なんにせよ、まずは生息状況の把握が一番重要なのは間違いない。把握方法の確立、周知こそが課題。で、生息の有無をどうやって調べたらいいか?って点を一番のテーマにしたかったんだけど。

なぜかパネルディスカッション進行役の意図は空回り。
鳴き声で生息の有無を調べようにも、一晩中鳴いてるのが、渡来したての4月後半の10日ほどじゃあ、鳴き声で生息の有無の確認をするのは難しいかな? と質問すると、他の季節にも鳴くという。でも、他の季節はどの程度鳴くの?と訊ねても、明確な答は返ってこない。何時頃よく鳴くのか、どの位の頻度で鳴くのか。鳴き声で調査する際に必要な情報は、なぜか分からないが引き出せなかった。
なぜか代わりにオススメされたのは、巣を見つける方法。ミゾゴイの巣場所には一定の特徴があるらしい。沢沿い、高い横向きの枝、その下に空間が空いている。話を総合するとそんな感じらしい。沢沿い歩いていて特徴が合致する巣があれば、ミゾゴイを疑うけど。それで生息調査するのは、沢沿いを歩きまくらなくちゃならないから、大変でしょう。ミゾゴイかもと思っても、親やヒナがいないと確信が持てないし。とたんに調査の難易度が上がる。

そもそも気になるのは、ミゾゴイが山の渓流沿いにしかいないかのような話ばかりしていること。ちらっとはミゾゴイは里山の鳥というフレーズもあったけど、どうも自然度の高い環境が必要って方向になってる。しかし、兵庫県三田市では新興住宅地に残された林での繁殖例がある。大阪府でも岸和田市で市街地に残った林に生息してるんじゃないか?って観察例がある。ミゾゴイは意外ともっと身近に生き残ってる可能性があるのに、その視点が欠落している。
ってことで、ミゾゴイの生息状況はもっと調べないといけないのに、その方法がうまく提案できないというシンポジウムに終わってしまった。残念。


●2014年11月14日 年に一度ならず二度目の祭の前夜

明日と明後日は、大阪自然史フェスティバル2014。ここんとこ毎年11月の第3週末の関西文化の日恒例のイベント。年に一度の祭と言いたいところだけど、10月にホネホネサミット2014という祭を開いたばかりなので、今年は2度目。
ホネホネサミットで盛り上がり精根尽き果てた、というより、台風のせいでせっかく準備したホネホネサミットが不完全燃焼。それを引きずり、個人的には今回の祭はあまり気分的に盛り上がっていない。何より主担当ではなく、アルバイトの手配とシンポジウム一つを担当しているだけで、必死に頑張らなくても大丈夫ってことも大きい。

祭前夜は、会場設営。それを手伝ってもらう意味もあって、アルバイトの研修の日。午後4時にアルバイト第一陣。45分ほど段取りを説明して、会場を案内して、その後会場設営組にアルバイトを引き渡す。
午後6時にアルバイト第二陣。また45分ほど説明・案内して、会場設営の方へ送り込む。そろそろ会場設営の仕事が少なくなってきてる。第一陣の研修時間が終わったら、帰ってもらう。
午後8時にアルバイト第三陣。またまた説明と案内。3回目になると、もう同じ事を話すのにも飽きて、相手は二人だけというのもあって、説明もだらだらした感じに。そろそろ第二陣には帰ってもらう。第三陣の説明と案内が終わっても、もう会場設営は終わってる。なんか少し手伝ってもらって、早めに解散。

なぜか分からんけど、毎年アルバイト担当を仰せつかっている。主担当の時もそうでない時も、なぜかアルバイト担当。何度もやってるので、何度も来てくれているアルバイトさんもいる。経験者と新人を適当な割合で混ぜて、全体を機能させるのが、アルバイト担当の腕の見せ所。
会場設営を手伝っていないので、力仕事はしていないのだけど、なぜか疲れた。

会場設営をもっと効果的に手伝ってもらうには、来れる人だけでも、もっと早めに来てもらったらどうかという話になった。午後2時とかかなぁ。来れなかった人は、遅い時間に。それはそれでいいのだけど、それでアルバイトの来襲が4波に分かれてしまったら、4回も同じ説明・案内をする羽目に。それはできれば避けたい。


●2014年11月13日 動く植物、動かない動物

来年は、なぜか卵の特別展。どうやらこれは確定らしい。卵だけでは、会場を埋められないので、タネもいいことにした。タネの卵だ!と意味不明の宣言をして。
でも、展示構成として卵とタネをいっしょくたに展開するわけにもいかないねぇ。と、会議で問題に。卵とタネを別々に扱うとなると、両者がどう違って、どう同じかを考える必要がある。どっちも「生物が生まれてくる元」って感じは似てる。では、違いは?

卵の展示テーマを考えると、形、大きさ、色・模様の多様性。乾燥に耐えて、捕食を避けて、卵擬態。などという話題が出てくる。
一方、タネで展示テーマを考えると、形、大きさ、形態の多様性の話なのは同じ。乾燥に耐えて、捕食を避けて、という話題も同じ。でも、種子散布の話が大きくなってくる。そもそもタネの形態は、いかにうまく種子散布されるかを、とても意識していて、種子散布抜きにはタネを語れないという。

なるほどね。卵は、動物の一生の中で一番動かない期間と言っても過言ではない。固着性や移動性の低い動物では、卵のときこそ浮いたり飛ばされたりして移動する場合もあるけど、圧倒的多数の動物では卵の時が一番動かない。
一方、基本的に固着性の植物において、タネは一生で一番動くとき。それが種子散布。

植物が動く時、動物が動かない時。タネとたまごは生物の一生の初めという点では同じだけど、一生における意味は大きく違う。違うから、それぞれが解決すべき課題も違う。タネはいかに目的地に移動するかが重要、たまごは無事にその場で孵化するのが重要。それぞれ違う課題に取り組んだ結果が、タネと卵の進化であり多様性。
と位置づけたら、一つの特別展でタネと卵を取り上げる必然性が出てくるなぁ。と、とても綺麗にまとまった。

解説書のタイトルも『動かないたまご、動くタネ』でいいんじゃないかという意見も。たまごの話と、タネの話が、交互に並行して語られていって、最後に両者が混じって一つの結論に。ってプロット。格好いい〜。


●2014年11月11日 臭いジーンズ

朝、臭い液体に浸けてあった皮を取り出して干した。と書くと簡単だけど、かなり大変だった。重いしかさばるし。誰か助けて〜、でも誰もいない〜。で、残念なことになった。敗因は、手袋して長靴はいたけど、エプロンをしなかったこと。ザッバーンとしたはずみで、臭い汁を浴びた。顔とメガネは洗った、服は着替えた。でも、ズボンは替えがない。仕方がないから、そのまま。
屋外にいると、臭いは飛んでいくからいいのだけど、室内では臭いがこもる。研究室では異臭騒ぎ。夕方、電車に乗って調査に出かける。ヤバそうなので、端っこに立ってる。ドカドカとガラの悪そうな男子高校生の団体が乗り込んできた。と思ったら、すぐにメッチャ臭い!と騒ぎ出し、別の車両に移っていった。周りに人が寄り付かず、快適と言えば快適。でも、臭い本人が一番臭さに辟易している。帰ったら真っ先に風呂へ直行。


●2014年11月10日 来年度の哺乳類の観察会計画

今年、奈良公園でシカとムササビの観察会をして、盛り上がった。申し込みも多い。鳥の観察会をしても、あまり申し込みないのに。カエルや哺乳類の観察会なら申込みが多い。で、来年度も哺乳類の観察会をしたいなと。
でも、大阪府からの日帰り圏で、確実に哺乳類が見られる場所・対象は限られている。奈良公園のシカ&ムササビも良かったからまたやりたい。でも、サルも良いねぇ。餌付けされてるサルの群れなら、確実に見られるから観察会も可能。講師先生によると、サルの観察会は冬がオススメとか。箕面公園のサルは、もうなかなか姿が見られないから、京都の嵐山かなぁ。

他に哺乳類の観察会と言えば何があるかな? かつてなら六甲山のイノシシという選択肢もあったけど、今は難しい。リスが一つの狙い目だけど、確実に見られる場所は少ない。とあるリス観察会の様子のレポートを読んだことがあるけど、ひたすら待つらしい。けっこう厳しい。ただ、友ヶ島のタイワンリスならかなりの確率で見られる。あとはヌートリアしか思いつかない。あるいは夜の観察会で、ネズミを待つとか?

全然違うけど、動物園の動物を観察するというのが、けっこうまっとうな哺乳類観察会の気もする。


●2014年11月9日 スズメのお宿か、ムクドリのねぐらか

今日も夕方出掛けて、ムクドリの集団ねぐら調査。先月始め、夕方ムクドリが集まってたと報告された松原市のとある場所へ。個体数はいっぱい、というのを数えるのが目的。
雨が上がったので出掛けたのに、着いてみると、小雨が降り出す。明るいうちに、周辺の木を見て回る。ねぐらが出来そうなのは、ケヤキの街路樹のみ。その下をチェックしてみる内、不安が広がる。スズメの糞は多いが、ムクドリの糞は見当たらない。でも、近くの別の場所にムクドリは入るのかも。
とりあえず日没を待つ。日没30分前くらいからスズメが集まりだす。ムクドリの気配はない。ムクドリは塒前集合に集まり、日没時前後にねぐらに移動するので、まだまだこれから。
と思ってる間にスズメは増える。小群でどんどんケヤキ4本に集まる。チュンチュンうるさい。と、突然静かになる。木から団体で飛び立つ。近くの電線やアンテナにとまる。またケヤキに戻る。その繰り返し。結局400羽ほどになった。
結局、ムクドリは影も形もなかった。

が、ムクドリは判断が難しい。ここは元々スズメのねぐらで、ムクドリはいなかったかもしれない。慣れてないと、集まったスズメをムクドリと思う人はいるらしい。よく知ってる地元のスズメのねぐらを、ムクドリのねぐらがあってね、と話してる人がいて驚いたことがある。
でも、先月はムクドリがいたのに、ムクドリはどこかに行ったのかもしれない。ムクドリのねぐらはしばしば追い払われるし、追い払われなくても勝手に場所を変えることも多い様子。
今回の場所については、一度報告者に確認かなぁ。ムクドリのねぐらは難しい。


●2014年11月8日 なぜ次郎柿にはタネが入ってないの?

ご存知の通り、果物のタネを集めてる。タネ集めで最大の敵は、タネなし※※である。タネなしブドウ、タネなしスイカ、タネなしカキ。タネのないミカンは多いし、先日は果物屋でタネなしパパイヤを売っていて驚いた。
しかし、真の敵は、タネなし※※ではない。タネがないと、はっきりしてるなら、まだいいのである。真の敵は、タネが入ってるか入ってないか分からない奴らだ!

秋になって、いろんなカキが出回るようになった。そこで苦戦しているのが、次郎柿。しばしば、わざわざ「タネが入っています」と表示してあるのに、さっぱりタネが入っていない。中には良心的に「タネが少ない」と書いてあることもあるが、むしろタネが入ってるアピールの方が多い。それなのに、タネはまず入っていない。今までに12個は食べたけど、タネは一つも出てこない。
同じカキでは、太秋柿というのにもタネは少なそう。それでも2個食べたら、タネが1つ出てきた。ブドウでは「タネなし」と銘打ってあっても、1房で1個くらいはタネが出てくることの方が多い。
それなのに次郎柿ときたら。「タネなし」と書いてあって、タネが出てきたら苦情が出るけど、「タネあり」と書いてあって、タネがなくても苦情はでないと思っているんだろうか? ここに苦情を言いたい消費者がいるぞ!
この消費者は、タネがでないと、いつまでもいくつも食べることになるんだぞ。ちょうど半年前に「せとか」を食べまくっていたのと同じように。そういう意味では、タネが出そうで出ないというのが、適応的な戦略にも思える。まあタネコレクター限定だけど。


●2014年11月6日 電線ねぐら

電線ねぐらといって思い浮かぶのは、ツバメの電線ねぐら。日本でツバメの電線ねぐらと言えば、広島県廿日市市。夏に広島県に行く機会があったので、わざわざ見に行ったっけ。電線にズラッと並ぶツバメに、数えやすい〜、と感動。その後、京都市修学院のツバメの電線ねぐらも見に行った。
ムクドリにも電線ねぐらがある。って話には聞いていたけど、見たことはなかった。ってゆうか、今までムクドリの集団ねぐら自体あまり見たことがなかった。電線ねぐらと聞いても、ピンと来ない。電線は塒前集合で、後から木に移動するんじゃ?とか思っていた。今日、図らずもムクドリの電線ねぐらを見る事ができた。

南海尾崎駅の近くの電線にムクドリが集まっていたという話を聞いて確認に行った。当然ながら、塒前集合だと思いながら行った。現地に着いてすぐに、話題の電線の下を確認。電柱を中心にエノキなどのタネが混じった糞がいっぱい落ちている。ムクドリの糞でよさそう。塒前集合で糞をして、ねぐらに移動するんだな。で、ねぐらは?
辺りをウロウロするけど、ねぐらになりそうな木がまったくない。公園もない、街路樹もない。会社の植え込みに5m程度の低い木が生えているだけ。下を見たけど、ぜんぜん糞は落ちていない。もしかして、電線ねぐらなんだろうか?

範囲を広げて、うろうろしている間に尾崎駅のホームの上の電線にムクドリが集まり始めてるのに気付いた。これこそ塒前集合(たぶん)。と思いながら、カウント開始。とりあえず駅のホームの上に集まるムクドリを数える。日没頃までちゃくちゃくと増えていた、と思ったら、徐々に問題の電線の方に移動しはじめる。慌てて、電線の方に移動して、移動してくるムクドリを数える。その数約900羽。
電線にはムクドリ除けのトゲトゲがいっぱい付いているが、ものともせずにムクドリが舞い降りる。少し離れた電線にはムクドリ除けのワイヤーが取り付けてある。これは、効果があるみたい。
移動してくるムクドリが一段落したので、もとの尾崎駅を見に行くと、ホームの上に集まっていたムクドリはいなくなっていた。そして、辺りは暗くなってくる。ここんところ見に行ってるムクドリの集団ねぐらのパターンからすると、暗くなってくるともうムクドリは動かない。
というわけで、初めてムクドリの電線ねぐらを見た。電線の下でフィールドノートに記録をしていたら、2度も糞を落とされた。クスノキ果実も食べてるらしい。人通りも多い歩道に、これだけ糞を落とすと苦情も多そう。追い払われるのも時間の問題かと思う。


●2014年11月5日 キジバトの論文を書かなくちゃ!

日本で数少ない鳥の分類屋さんのKさんから原稿のチェックを依頼された。キジバトについて一般向け文章を書いたらしい。で、ご要望にお応えして、いろいろコメントをつけた。Kさんからは御礼を言われたのだけど、ふと気になることが。Kさんはちゃんと、こちとらのキジバトについての論文や文章をチェックしてから書いたらしい。でも、書いてないことが多いから、チェックを依頼してきたもよう。こっちがちゃんと論文を書いていたら、コメントの依頼をしてくることもなかったに違いない。そしていっぱいダメ出しされることもなかったに違いない。データを持ってるのに書いてない奴が悪いのであった。とても申し訳ない感じ。
原稿にダメ出ししたポイントは3つ。

◆キジバトの雄の声がする時、営巣活動をしているか?
オスの鳴き声は、なわばり宣言とおぼしき普通のデデーポーポーと、営巣候補地
で出すもっと低い声があります。で、なわばり宣言の方は、巣づくりとは直結しません。春から秋まで鳴くのに、営巣するのは秋だけって、つがいがけっこういます。

◆雄が鳴きながら頭を下げるディスプレイは、求愛で、求愛給餌や交尾につながるか。
このディスプレイは、よく求愛と言われますが、本当に求愛しているのかは微妙です。このディスプレイの後、求愛給餌や交尾にはつながっていきません。相互羽づくろい、求愛給餌、交尾は、けっこう一つの流れで行われますが、ディスプレイが行われるのは別のコンテクストのようです。

◆年間8回も営巣を試みたペアがいる。
いるにはいるのですが、子育てに8回成功したのではなく、産卵+抱卵を8回試みただけです。卵段階で繁殖にしっぱいしまくっただけなのです。ヒナが巣立った回数だと、一番多いペアでも1年に3回まででした。とにかく途中で捕食されまくる鳥なので。

とりあえず、つがい間の行動のデータを整理して、ディスプレイ・求愛給餌・交尾・囀り・営巣が相互にどのような関係にあるかをきちんと報告しなくては…。


●2014年11月4日 新記録樹立

今日、金字塔を打ち立てた。と思う。これ以上の記録は出ないんじゃないかなぁ。なんの話かというと、自転車で姫路市妻鹿港からJR明石駅までのタイムトライアル。
昨年の9月から、毎月1回。JR明石駅前でレンタサイクルを借りて、海岸沿いの水鳥調査をしている。そのゴールが姫路市妻鹿港。終了したら、どこかで乗り捨てられればいいのだけど、借りたJR明石駅で返さないといけない。鳥を観察することなく、ひたすら自転車をこいでもどる。
行きの調査は、水鳥の多さで決まるが、6〜8時間。帰りは今までで一番時間がかかったときは、3時間。初期は早くても2時間半かかった。それが今日は、1時間50分。画期的な数字である。アップダウンが少なく、信号が少ないコース取りを覚えたことと、コースを覚えたおかげで適当な力のいれ具合を見出した感じ。

姫路市脱出30分、高砂市通過25分、加古川市通過15分、播磨町通過10分、明石市突破に1時間。というのを目標タイムにしてるのだけど、今回はほぼすべてで目標タイムを5分程度上回った。
これ以上の記録を出すには、かなりの体力強化が必要そう。


●2014年11月3日 さまよえるムクドリのねぐら

南茨木駅前にかつて大量のムクドリがいたというので、見に行った。ムクドリは確かにいた。でも予想したのとは、かなり違った。

南茨木駅のムクドリの集団の話は以前から耳にしていた。かなり確実な情報と思いながら、早めに現地へ。南茨木駅周辺にはけっこう木が多い。いったい、どこにムクドリの集団ねぐらができているのか。周辺をウロウロ歩き回ってみた。さっぱりないなぁ、と思いながら駅に戻ってきて、ホーム真際の2本のケヤキの木の下を見ると、ムクドリとおぼしき鳥のペリットや糞が大量に落ちている。なんでムクドリと思うかというと、果実の皮やタネだらけだから。ホームからよく見えるような場所やん。
場所はココだ!と確信して、周辺の高い場所(つまり塒前集合ができそうな場所)が見える場所を探す。そばの歩道橋がよさそう。ということで、パンを食べながらムクドリが集まるのを待つ。
日没が近づくとドンドン、ムクドリの小群がやってくる。でも、なぜか北の方に抜けていく。北寄りに塒前集合ができてるんだろうか? それとも集団ねぐら自体が移動したのか? 北の方に行ってみるか悩んでウロウロしていると、北の方で数百羽の集団が飛びまわる。やっぱりあっちか! と思って本当に行こうと思ったら、今度はムクドリの小群が西の方に抜けていくようになった。西へ抜けていく個体数を記録しつつ待機。
ふと気づくと、もう日没時。そろそろホーム横のケヤキに入るか? と思ってみてると、ムクドリのそこそこの群れがやってきた。上空をグルグル回る。ケヤキにおりるか? が、やはり西へ抜けていく。そして辺りは暗くなった。
西にいったい何があるねん? と思いながら、西の方に歩いていくと、遠くからムクドリ集団の声がする。えー、こっちにねぐらあるやん。近づいてみると、お寺の境内の竹林にムクドリが集まっていた。ここが集団ねぐららしい。南茨木駅の南西約200m。

結局、南茨木の駅前にムクドリの集団ねぐらはできなかった。でも、ケヤキの下にはムクドリのペリットや糞がいっぱい。実際、ムクドリは一旦はこの木の周辺にやって来ている。ってことから考えると、ほんのここ数日の間に、ムクドリのねぐら地は動いたらしい。
数日したら、また南茨木駅に戻ってくるかもね。


●2014年10月31日 2014年10月のまとめ 残念なことばかり

特別展「ネコと見つける都市の自然」展が終わり、相前後してにょろが死んでしまった。もっとにょろに何かしてあげられなかったか、今でも思い出すと哀しい。あまりに哀しいので、言葉にすることもできない。関係者の間では、にょろの話題は禁句になったかのように、まったく話題にあがらない。
特別展の最後の週末は、3年振りのホネホネサミットがぶつかっていた。ホネホネサミットにかこつけて特別展に入ってもらおうと、1週間前に理屈をこじつけて、ホネの展示をたくさん投入した。ホネホネサミットのどのブースよりも、充実したホネの展示と言えなくもなかった。ホネホネサミットでは、さぞかしたくさんの人が特別展に入ってくれて、特別展入場者数も大幅に盛り返すはずだった。
が、そんな期待も台風一発で消し飛んでしまった。ホネホネサミット初日の日曜日こそ、人は特別展に入ったし、ホネホネサミットにも来てくれたが。台風接近の中では過去のサミットに比べると寂しい限り。そして、台風が最接近しそうなホネホネサミット2日目。それでも午前中は開催できると考え、屋外ブースを屋内に移して2日目に備えたが、2日目オープン15分前に暴風警報が出て、あえなくホネホネサミット2日目も特別展最終日も臨時休館となった。
せめてもの救いは、ホネホネサミット出展者もその標本も、無事に帰り着けたことだけ。

ホネホネサミットに台風が直撃した翌週は、友の会秋祭り。昨年2回も雨天中止となった、泉佐野での底引き網の漁獲物を楽しむ企画がついに実施された。でも、留守番なのであまり関係ない。
この日は、秋の博物館実習の最終日でもあった。秋の部から博物館実習の主担当になったので、初日のオリエンテーションから、終わってから実習ノートの返却の手配まで、けっこう時間をとられた。

そんな哀しいことばかりでも、仕事に追われる10月だったが、他の部分を振り返っておこう。
まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘調査は無事完了。そろそろカモ類やカモメ類が到着してるが、まだまだ少ないので調査はらくちん。
都市の自然展が終わったので、無駄に終わったホネの展示を含めて、慌ただしく片付け。そして11月のフェスティバルに向けてもようがえ。
都市の自然の調査の名残として、大阪府のムクドリ集団ねぐら調査が始動していて、ネコの尻尾調査もまだまだ取り組まないといけない。都市の自然展はまだ終わらない。

と言いながらも、来年の特別展がなぜか卵展になりそうなので、その展示を考えなくてはならない。
3年後の瀬戸内海展に向けて、よく考えると播磨灘岸の水鳥調査しかしていない。早めに海岸部と島嶼部の文献調査を進めて、哺乳類や両生爬虫類の調査を計画しなくてはならない。

ホネホネサミットが終わったら、と思っていたホニュ本の仕上げは、なぜか忙しくてまだ取りかかれていない。
ホネホネサミットが終わったら、大物の標本処理を進め、冷凍室にたまっている鳥の皮剥きもじゃんじゃん進めるつもりだったのに、とりかかれていない。
ホネホネサミットが終わったら、今年の仕事は一段落。時間が出来ると思っていたのに、ぜんぜん出来ない。そろそろ来年度の計画を考え始めなくては。


●2014年10月30日 自然保護な団体の活性化

とある自然保護な団体の運営に関わっている。関わって7年目。活動自体は順調に展開していて、少しずつより良い方向に動いていると思うのだけど、いかんせん財政状況が厳しい。思うように伸びない会員数。減り続ける大口の企業会員。ここ2年は貯金を取り崩している。で、なんとか反転攻勢に出るにはどうするかという作戦会議。

まずは、目の前の単年度赤字を何とかする策を検討。王道は会員を増やすこと。
◇個人会員を増やす →そのためには会員メリットの拡大と、そもそも会の存在を広く認知してもらう必要がある。
◇企業会員を増やす →かつてはたくさんいたのが、景気の悪さを反映してか、ドンドン減少している。節税メリットなどを訴えて、営業をかけるしかない。ただ新規企業を開拓したことがないから、どうしたらいいかイメージが湧かない…。

あとは、すでに活動賛同者である会員から多めにお金を…。個人会員へは
◇賛助会員への切り換え
◇寄付
 →とにかくダメ元でお願いだろうか。寄付は少額でも有難い。趣旨に賛同いだたけ、余裕があれば、多めに協力してください。って感じ。

団体会員へは、新規団体会員開拓を込みで、
◇特定事業への寄付 →会の活動全体よりは、特定事業への方が寄付しやすいのではないかというプラン。助成金事業や講演会への寄付、冠付きの事業にしてもいいし。あるいは会誌への広告掲載という形もありかと。

なにかを売るって手もある
◇論文の有料ダウンロード

などと金金と考えていても愉しくない。もちろん先立つものがなければ、活動を継続できなくなるので、考えないわけにはいかないが。やはり王道は、ちゃんとメリットを感じたり、活動に賛同しての、会員を増やすこと。そのためには、活動を活性化し、そしてそれを通じて認知度を上げる。中長期的には、それを考えないと意味がない。
現時点では、会員メリットが薄いのが難点。個人会員では、会誌が入手でき、会誌に投稿できることと、助成金に応募できることだけ。団体会員には、思い当たるメリットがない…。

思うに、この会に入ろうかという個人(団体も?)は、自然保護になにかしら関心がある人。その人にとってのメリットは、自然保護活動になにかしらコミット出来ることではないだろうか? 自分が研究や保全活動をしている場合は、
◆自然保護に関わる成果の発表の場の提供
◆研究者からコメントをもらえる場の提供
は、けっこう意義があるだろう。
でも、実際に活動してはおらず、何かしら自然保護活動に参加したい、サポートしたいという人も多いんじゃなかろうか? そんな場合は、自然保護活動の成果や情報の提供などもメリットになるかも。あるいは活動に参加・サポートできる機会を提供するという方向性もありうる。だとしたら、
◆自然保護活動への参加機会の提供
っていう方向性もあるんじゃないかと、夢想中。たとえば、ニュースレターやメーリングリストを通じて、
 ・会としてコミットすべき自然保護活動の提案を募集
 ・コミットする際に、プロジェクトチームに参加したい個人を募集
 ・会としての活動へのコメントを募集
たとえば、どこかのRDB改訂に関わるなら、必要な情報を募集したり。補足調査をしたり。選定内容への意見をもらったり。入会すれば、会を通じて自然保護活動へコミットできる(ちなみに今のところ、一部の会員から構成される運営委員のみが直接関わっている)。となれば、入会動機にならないだろうか? うまくすれば、活動の活性化や認知度アップにもつながる。

企業などの団体が会員となるメリットとして考えられるのは、
◆企業の社会的責任
っていうのが、もちろんあるし、
◆税金対策
ってのもあるんだけど、もう一つ
◆CSR活動などへの専門家からの指導・監修
ってのは、打ち出せないかと夢想中。
会の活動方針に自然保護に関するアドヴァイザリー・ボディというのがあるのだけど、事実上はほぼ休眠状態。たまたま求められれば動いてるけど、積極的に打ち出してはいない。別に企業を団体会員に引き込む目的でなくても、求められなくても企業のCSR活動やアセスメント調査などに対して、アドヴァイザリー・ボディとしてコメントしてもいいはず。その活動の価値を見出してもらえれば、おのずと団体会員も獲得できるんじゃなかろうか? ってのを動かすにも、個人会員からの提案は有力なきっかけ。

まとめると、
【短期的には】
・企業や個人の賛助会員や寄付を増やす努力
【中長期的には】
・自然保護に関わる個人の活動を活性化する場の充実
・個々の個人会員が会の自然保護活動に関わるルートの確立
・企業のCSR活動などへのアドヴァイザリー・ボディとしての活動の活性化
てな事を思いついた。

とりあえず、団体会員になってくれる企業に心当たりがあったら、お知らせを〜。


●2014年10月29日 堺市にヤマカガシはいないのか?

今はいないかも、でも昔からいないのかな?

堺市の生物相についての会議に出席。堺市の生物目録みたいなのの試案にコメントを付ける。過去の文献やヒアリング調査の結果をもとに作った目録らしい。が、なんかいそうなものが抜けている。

爬虫類では、ヤマカガシ。哺乳類では、ハタネズミやヒメネズミ。鳥類では、トビがどの程度棲息しているかも気になる。近年は繁殖記録はないんとちゃうかな?

外来生物ではなぜかカミツキガメの記録がないという。これは役所の部局の違いの問題っぽい。ノネコとノイヌもいないと主張してる。これは大人の事情らしい。

オオムシクイの記録もない。過去の記録はみんなメボソムシクイになってるだろうしねぇ。


●2014年10月28日 瀬戸内海展に向けて

3年後の瀬戸内海展に向けての打合せが迫り、これまでにどんな調査をしたか報告せよとの指令を頂いた。改めて書き並べてみた。思いの外、なにもしていない。ってゆうか、播磨灘岸をウロウロしているだけということが判明〜。ってことで、まずは文献調査を急ぎ、抜けている部分の現地調査に手を付けねば。播磨灘岸調査と並行して進めるのは、ちょっと大変だけど。

【現在進行中】
●播磨灘岸の水鳥調査(2013年9月〜2015年9月)
 月1回、播磨灘岸の河口や漁港などをめぐって、水鳥をカウントしています。おもなターゲットはカモメ類です。その前、3年間、大阪湾岸で同様の調査をしているので、その結果と比較して播磨灘岸の水鳥分布とその季節変化について考える予定。

●瀬戸内海の定期航路調査(2013年5月〜2017年6月)
 名門大洋フェリー(南港〜新門司)などに乗船し、海鳥とスナメリの調査を実施する。まだ南港〜新門司航路で2回(2013年5月、2013年7月)に実施したほか、姫路〜小豆島航路、南港〜別府航路で1回ずつ実施したのみ。

●瀬戸内海海岸部及び島嶼の繁殖鳥の文献調査(2014年5月〜)
 オオミズナギドリ、カンムリウミスズメ、カワウ、サギ類などの繁殖コロニー、海岸部でのクロサギ、シロチドリなどの分布、島嶼でのカラスバトなど繁殖鳥の分布についての文献調査を行う。なぜかハッカチョウの分布を調べました!

●瀬戸内海島嶼の哺乳類相、両生爬虫類相の文献調査(2014年5月〜)
 まだ香川県島嶼のヌートリアの文献をあたったり、カヤネズミ情報の文献を集めた程度。

【今後に予定】
●瀬戸内海西部海岸の水鳥分布調査(2015年12月〜2016年2月、2016年12月〜2017年2月)
 播磨灘より西は、毎月の調査はコスト的に無理なので、厳冬期を狙って冬の水鳥(主にカモメ類)の分布調査を2年度に分けて実施する。のべ40日程度でできる予定。

●瀬戸内海島嶼の繁殖鳥調査(2015年5月〜7月、2016年5月〜7月、2017年5月〜7月)
 主だった島の繁殖期の鳥類相を調査。海鳥よりはむしろ、カラスバトなど照葉樹林に関係している鳥類に注目。

●瀬戸内海島嶼の哺乳類相、両生爬虫類相調査(2015年4月〜2017年6月)
 文献情報の不足している島嶼、かつ渡船がある島を選び、哺乳類と両生爬虫類の分布調査を実施。主に水田のある島を狙う。


●2014年10月26日 タレ耳くんのなわばり

昨日に続き、今日も奈良公園へ。先週も来たから、今月3回目。繰り返し通うと、たった3回でも気付くことがある。

この季節のオスジカは、なわばりを持っているように思う。とくに開けた場所では、その様子がよく観察できる。ハーレムではなく、なわばりと思えるのは、メスと子ジカの群れが、自分の守っているエリアから出ていくと、それについて移動するのではなく、やはり元の場所を守り続けているようだから。そして、別のオスのなわばりに行ってしまったメス+子ジカ群れは、そこのオスと仲良くしてるイメージ。
自分のなわばり内に他のオスが入ってきたら、とくにそのオスがなわばり内のメスに近寄ろうとすると、ケンカになる。奈良のシカなので角はないのだけど、角があるかのように頭と頭をぶつけあう。角がないから頭突き合戦になる。オスジカの頭は血がにじんでいることも多い。
山手にいて角が切られなかったとおぼしきオスジカも、ちょこちょこ見かける。こんなシカと角無しシカが頭をぶつけ合ったらどうなるんだろう?

飛び火野に右耳が垂れたオスジカがいた。観察会の下見の時にもいたし、昨日もいたし、今日もいた。いる場所は、飛び火野の同じ場所。けっこうシカ煎餅ももらってるけど、なわばりを守っているオスジカは体力を使うんではないだろうか? カエルと同じく、しばらくなわばって交尾チャンスを待って、また去って行くんだろうか?
たまたま行っただけだけど、いろいろ観察できた。オスジカを個体識別して、なわばり防衛と交尾行動がどのように起きて、繁殖成功度が何に左右されるか。そんなデータをとったら面白そう。すでにそんな研究は、されているんだろうか? 


●2014年10月25日 我、奈良行きて、シカと戯る

シカの観察会を実施する立場なので、講師先生を召喚したので、挨拶の後は、参加者と一緒に講師先生のお話しを聞き、シカと戯れるのみ。

シカのいろんな声を聞こうという企画で、確かに色んな声が聞けた。山では遠くから聞こえるオスのフィーヨー音、近くで驚いたシカが出すピヤッいう声くらいしか、あまり聞く機会がないけど。間近にシカが見られる奈良公園では、オスがメスに寄っていく時の声とか、子ジカが甘える声とか、いろいろ聞けて面白い。講師先生は厳しくて、オスがフィーヨー音っぽい声を出しても、あの程度では認められない。となかなかフィーヨー音に認定してくれない。

鳴き声はともかく、シカのいろんな行動も見れたので、忘れないように書いておこう。

・オスがおしっこを体に…:そもそもオスは体の下半分が濡れていて、なんか臭い。あれはおしっこを付けているから、と講師先生に教わった。どうやってつけるのかなと思ったら、ヌタ場みないな場所に入ってるオスがおもむろにおしっこをして、そこに体を押しつけ始めた。なるほど納得。ただ気になるのは、同じ水たまりで複数の雄が入れ替わり同じことをしてること。他のオスのおしっこを付けることになってしまってないのかなぁ。

・そんなに大きくなっても母乳を…:まだ鹿の子が残る小さい子ジカを見かける。そんな子は、まだ授乳されてる様子。見てると、脇から頭を突っ込んで授乳されてる場合と、後足の間から頭をつっこんでいる場合がある。小さい子ジカが授乳されてると、もっと大きなシカが一緒に乳を飲もうとしはじめた。昨年産まれた子だろうか。脇から飲もうとすると、お母さんに見つかり追い払われてしまう。でも、後足の間からだとお母さんは気づかず、無事に乳を飲んでる。

・ナンキンハゼは喰わない:シカ煎餅を買うのはイヤだけど、シカにエサをあげたいので、その辺に生えてる樹の葉っぱをあげてみる。樹種によって食べたり食べなかったりするので面白い。カエデ、サクラ、シイ、イチョウ、フジの葉っぱはよく食べた。クスノキは食べたり食べなかったり、アラカシはあまり食べない。ナンキンハゼは全然食べない。ナンキンハゼは、小さい子ジカでも食べない。臭いを嗅いで判断している様子。ノキシノブをやってみると、よく食べた。シダでも食べるとは。


●2014年10月24日 現代の知識人と過去の知識人

『裏山の奇人』という意味不明なタイトルの本を読んだ。昆虫を中心にした動物の話題が満載でとても面白かった。同時に面白かったのは、現代の知識人として著者がひけらかしている知識の豊富さ。著者は、美少女ゲームをはじめマンガやアニメに精通している様子。章のタイトルは、ことごとくと言っていいほど(分からないのもあるけど多分)、そうした原典があるのをもじったもの。本文中にも随所に、そうしたネタが挿入される。もちろん気付いた範囲でそうなのだから、気付いてないのも入れるともっとあるに違いない。オタクが、自分の趣味を盛り込んでるだけと言えば、それだけなのではある。が、それこそが過去から現代に至るまで、知識人に共通の行動ではないかなと、愉しくなった。


●2014年10月23日 ゴーウエスト

播磨灘岸の水鳥調査2年目。2年計画なので、来年の10月には、調査は終わってる。代わりに何しよう? やっぱり、さらに西に向かうかな。

大阪湾岸の調査が3年、播磨灘岸の調査が2年。せっかくだから瀬戸内のすべての岸の水鳥を年間に渡って調査したいけど、大阪府からの日帰りでは、播磨灘より西は事実上無理。ってゆうかこれまでは公共交通機関を最大限使って調査してたけど、西の方は車がマスト。さらにお金がかかる。
ってことで、毎月調査で一年の変化を見るのは難しい。が、要所となる季節だけなら、全域を回るのは何とかなるんじゃないかな。春と秋のシギチドリの渡来状況は他の人も調べてる。ガンカモ調査も伝統的に行われている。やはり調べるべきはカモメ類かと。ってことで、一年で一番調べたいのは、越冬期。12月〜2月をに1回ずつでも回れれば、越冬期の大まかな分布パターンは分かるはず。次には8月〜9月頃のウミネコの分布かなぁ。
ちなみに、カワウの分布も少し知りたかったりする。


●2014年10月22日 特別展片付け

特別展が終わって9日、ようやく担当の展示の片付けに手をつけた。一人だったら、とても1日じゃ片付かなかったろうけど、幸い助手を一人確保できたので、だいたい1日で片付いた。でも、ダチョウは2人じゃ運べないので断念。


●2014年10月21日 淡路島〜四国 播磨灘岸ツアー

昨日と今日は、月に一度の淡路島〜四国の播磨灘岸ツアー。河口と漁港とついでに浜を見て回る。探すは水鳥。なのだけど、なぜか今は海岸植物にもはまっていて、海岸植物狙いで鳥の調査では行かない場所にも寄り道。まだ、カモ類がほとんど来ておらず、カモメ類も少ないので出来ること。
来月からは、水鳥が増えて寄り道がしにくくなるので、今回は淡路島の大阪湾岸にも寄り道。播磨灘岸の調査をする前に、大阪湾岸を3年間調査していたのだけど、海岸植物にはまったのが最後の年の春から。秋物の植物をチェックし損ねている。というか、花を確認し損なっているんだな。おもに気になるのはキクの類。で、キクが生えてる場所に行ってみたんだな。10月後半ならもう花が咲いてるかと思ったら、まだつぼみ。来月は寄り道しにくいのに…。来月も見に来るか悩みながら、キクスポットを後にした。
淡路島の一番南のところでは、先月目を付けていたキク科植物が開花していた。先月はつぼみもなかったのに、咲く時はすぐなんだな。香川県東かがわ市のとある海岸では、目を付けていたキク科?な植物の花を期待したけど、こちらは蕾すらつけてない。もしかして春咲きなんだろうか? キク科っぽいのになぁ。

播磨灘岸の調査はあと1年。秋はもう後がないので、秋咲きのチェックは来月には一通りしておきたいなぁ。と、鳥屋とは思えない決意を持って帰ってきた。


●2014年10月19日 今年の果実の豊凶

毎年、秋〜冬にかけて、果実を付けてる木の枝を標識して、減り具合を調べている。というか、いつ無くなるかを調べている。ついでに、という訳ではないが、シーズンの初めに果実の成り具合を評価している。真面目な年は9月にスタートするのだけど、今年は少し出遅れて、今日が果実調査スタートの日。果実の成り具合もチェックした。
だいたい一年おきに豊凶を繰り返す。で、今年は不作であることが予想されていて、ザッと見た感じも不作よりかなぁ、と思っていたのだけど、今日のチェックでそれがもう少し具体的に明らかになった感じ。

樹種ごとにまとめておこう。
・クスノキ:チェックしている15本の内、いっぱい実を付けてるのは2本だけ。全体的には不作よりってことでいいんじゃないかと思う。
・ムクノキ:実を付けてない個体もあるし、実を付けていてもあまり多くない。これまた不作っぽい。
・カキ:ちぇっくしてる3本の内、実を付けてるのは1本だけ。それも数個だけ。明らかに不作。
・モチノキ:いつも実を付ける個体の中でも、ぜんぜん実を付けてない個体や、実が少なめの個体が目立つ。でも例年並みに結実してる個体もある。総合的にはやや不作かと。
・クロガネモチ:実を付けてない個体はいないが、全体的にあまり多くない。
・センダン:例年なみか、むしろ例年以上に実を付けている。
・トウネズミモチ:これまた例年なみか、むしろ例年以上に実を付けている。
・エンジュ:今年はよく実を付ける年。

というわけで、総合的には、やや不作って感じかなぁ。


●2014年10月18日 にょろのいた夏

にょろは、チョウセンイタチ。7月半ば、特別展の準備で忙しい時に拾われてきた。それが特別展が終わり、撤収も始まった昨日、死んでしまった。とても哀しい。いつか野生に戻すつもりだったので、感情移入しないようにと思っていたけど、想像以上に感情移入をしていた。にょろのおかげで、イタチについて今まで知らなかった事を色々を知ることができた。にょろを思い出しながら、記録しておこう。

拾われた時、にょろは、まだ目も開いてなくて、もちろん離乳をしていなかった。拾った人が飼うと言い張っていたのだけど、チョウセンイタチをペットとして飼うのは違法。独りで生きていけない間、保護するのは緊急避難として、必ずしも罪には問われないけど。などとやりとりをした結果、何故か放せるようになるまで、博物館で預かることに。
本来、博物館は死体をもらって標本にはするけど、生きた動物は引き取らない。生きた動物が持ち込まれたら、断るのが基本。でも、拾った人とのやりとり、というか成り行きで、博物館で引き取る事になってしまっていた。もしかしたら、イタチを飼ってみたいという気持ちもあったのかもしれない。
特定外来生物ではないけど、外来生物。それを保護して、放すのはいかがなものかと思ったりもしたけど。ともかく、引き取ってしまった以上、むざむざ殺すのは、動物愛護法違反。イタチの世話をする日々が始まった。独りでは大変なので、みんなを巻き込む。もとより動物好きが多いので、世話係を見つけるのは割と簡単だった。

とりあえずフェレットミルクをあげることになった。でも、最初の内、にょろはうまくミルクが飲めなかった。口の中に、注射器状のものを突っ込んで、無理矢理喉に流し込んでいた。そのうち、こぼれたミルクをなめるようになったので、スプーンなどにすくって舐めさせたり。
イタチの鳴き声ってあまり聞いたことがなかったけど、にょろはよく鳴いた。ミィミィミィミィ。人の気配を感じたら、ミルクがもらえるかと鳴き始める。やらないと、やがて諦めて静かになる。
もう一つ驚いたのは、なかなか目が開かないこと。目がひらかない内から、足で脇腹をかけるようになった。たったか歩けるようになってきた。目も開いてないのに歩き回ったら危ないなぁ、と思ったら歩き出して2日目に目が開いた。拾われてきて3週間。最初は56gだった体重が、175gになっていた。

目が開くと、一気に色んな事ができるようになってきた。大きめの箱に入っていたのが、飛び出せるようになった。飛び出たら走り回るし面倒。けっこう噛み癖があって、あま噛みなんだろうけど、痛い。
目が開いた頃から、エサをネコの離乳食に変え。さらに10日ほどでカリカリのキャットフードを食べるようになった。エサがキャットフードに変わると、糞がイタチ臭くなった。ケースの一画に場所を決めて、糞をするらしい。

にょろを箱から出すと、テンションが上がってなかなか箱に戻らない。でも、出さないと、出せ出せと暴れてうるさい。
やがて、独りに特に懐いていることが明らかに。他の人とは明らかに態度が違う。同じように世話にしてきたのに! どうやら母親と決めたような感じ。何を基準に母親を決めたのかは、よく分からなかった。
お母さんなら捕まえられるけど、他の人では捕まえられない。捕まえようとすると、ピャッと大きな声を出して噛んでくる。これは痛い噛み方。怖い怖い。とはいえ、お母さん以外にも馴染みの人間とそうでない人間の区別はしている様子。

室内では、そろそろ飼いきれないと判断して、外の網室に入れることにした。毎日、人が周りにいる環境から、エサやりに来る以外は、人が来ない環境。寂しかったのだろうか?最初はお母さんを心待ちにしている様子で、お母さんだけを心待ちにして、去る時はずっと見送っていた。だんだん、エサを与えに来る人には、誰にでも愛想がよくなってきた。エサを入れても、エサをくわえて隠れていたのが、エサをそっちのけで登ってくる。それを引き離そうとすると、むしろ噛まれる。これがけっこうマジで痛い。近付いたら大喜びで、帰ろうとすると名残惜しげに見送ってくれる。
とある事件があって、懐きすぎていては野生復帰ができない。とりあえず、野生復帰を目指して、あまり懐かせないようにするプロジェクトが、10月に入ってすぐに始まった。懐いていない人が世話をして、体にはのぼらせない。キャットフードだけでなく、生き物を食べる練習をする。
懐かれていた者としては、寂しい。でも、いつまでもペットのように飼うわけにはいかないので、我慢。我慢しつつ、網室の外から様子をうかがう。見つかると喜ぶので、遠目からさりげなく。あまり頻繁にならないように。

最後ににょろを見たのは、ホネホネサミットの前日くらい。元気そうで良かったと思ってたのに。死んでしまうんなら、もっと甘やかして、部屋の中で飼い続けたらよかった。博物館として、そんなわけにはいかないけど、そんなことも思ってしまう。
にょろは、イタチについて色々と教えてくれた。何より教えてくれたのは、イタチがとても可愛い生き物だってこと。フェレットを飼う人の気持ちがわかった。帰り道、イタチが通りを横切っても、にょろを思い出してしまいそう。


●2014年10月17日 シカの鳴き声

シカの声と言えば、秋に雄が出すフィーヨー音。あとはビックリして逃げる時に出すピャッって声。あとは子ジカがミーミー鳴く。思い付くのは、そのくらい。でも実際に観察してみると、もっと色々声を出してた。


●2014年10月16日 ムクドリの集団ねぐら観察記:大阪市平野区瓜破

午後5時を目指して、噂の大阪市平野区瓜破のムクドリの集団ねぐらを見に行ってみた。何人かの方から教えて頂いたのだけど、瓜破の交差点より西を教えてくれる人と、交差点を教えてくれる人と、かなり東を教えてくれる人がいて、よく分からないなぁ、と思っていたけど、行ってみたら分かった。
とりあえず瓜破交差点に着いて、キョロキョロしていると、十数羽のムクドリが飛んでいく。なぜか北東に向かってる群れと、西に向かってる群れがいる。西に向かう群れが多いので、そっちに行ってみた。交差点から100mほど西のマンションの屋上に集まってる。ときどき一部が飛び立っては、グルッと回って、再びビルに戻るを繰り返す。だんだん増えてるようだけど、何羽なのかよく分からないなぁ。と思っていたら、一斉に飛び立った。ラッキー、と思っておよそ数えてみた。約1500羽って感じ。と、その中にハヤブサが1羽。それで飛んだのか。
で、どの木で寝るのかなと思っていたら、なんか動きが慌ただしくなってきて、周辺の他のビルの屋上とも行き来するようになり、やがてマンションの北側の住宅地のアンテナや電線に降り始めた。ここが塒なのか? と思ったら、約1000羽が飛び立って、東へ。分かれてしまった。仕方がないので、1000羽の方に付いていく。群れは瓜破交差点北東のブックオフの屋根の上に乗っている。いったいどうなってるんだろう? と思って見ていると、西から残りのムクドリも集まってきた。そしてしばらくすると一斉に飛び立ち、一部がさらに東へ飛んでいく。残りは再びブックオフの屋上へ。多数派のブックオフの群れを観察することにする。
日没後15分。辺りがかなり暗くなってきた頃、ブックオフの上のムクドリが次々と飛び立ち、瓜破交差点北西の木に降り始めた。と、ブックオフ前の木にも降り始める。両方合わせて、降りたのは約900羽。
東に飛んでいった群れが気になったので、行ってみると。約200m離れた木にもムクドリが集まっていた。こちらはスズメも混じっていた。
というわけで、人によって瓜破の塒の位置が違っていたのは、塒が2つに分かれていたのと、塒前集合がさらに西にあったからであった。
再び瓜破交差点に戻ってみると、約100羽の群れが新たに加わるところだった。最初に集まった1500羽に100羽加えて、およそ1600羽のムクドリが集まったんじゃないかと。

ちなみに、ねぐらができていた木の位置と本数は、
・瓜破交差点北西角(ライフの所)の木2本
・瓜破交差点北東角(ブックオフの所)の木1本
東に約200m離れて
・平野若葉会病院の北、道路の北側の木2本
・平野若葉会病院の北、道路の南側の木3本

JR大阪駅の北のムクドリの集団ねぐらと違って、上空を飛び回りながら群れが大きくなるのではなく、ビルの上に騒ぎながらたむろしているのを目指して、小群が集まってくる感じ。上の方で集まって、やがて暗くなってきたら木に降りるのは、JR大阪駅の集団ねぐらと一緒。
集団ねぐらによって何が違って、何が同じなのか。もっとあちこちの集団ねぐらを見て回って、見極めなくては。


●2014年10月15日 博物館実習デビュー

博物館実習は受ける側ではなく、する側。で、今まで何年も博物館実習を担当してきた訳だけど、今年から主担になった。今までは引き継ぎ期間ということで、とりたてて何もしてこなかったが、この秋から主担の仕事がスタート。ってことで、今日からの博物館実習を取り仕切る。
5日間の博物館実習初日の今日は、オリエンテーション。朝から、いろいろ説明して、館内を連れ回って、また説明。とりあえずスケジュールを記録しておこう。

09:30 博物館実習スタート だけど、1人遅刻するという連絡があったので、来るまで資料を配ったり、手続き的なので時間をつなぐ。
09:50〜11:15 博物館として実習生に期待すること(どうせ誰も学芸員にはなれないから、博物館理解者を増やしたい)、実習を受ける際の心得(大切な標本を扱うので丁寧に、学芸員の注意事項をよく聞くこと、分からない事があればすぐに質問すること)。博物館のミッション、沿革、事業内容、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。
(11:15〜11:25 休憩)
11:25〜12:00 管理棟とネイチャーホールの案内・解説 撤収作業の手伝いが多そうな特別展を見せて、いろんなギミックや生品展示の難しさを解説。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜13:55 収蔵庫見学ツアー とにかくスペースがないことを強調した感じ。
(13:55〜14:10 休憩)
14:10〜15:40 展示室見学ツアー 展示は古いけど、お金がないから展示更新ができない。メンテナンスのしやすさが重要。って話を強調。
15:40〜16:00 実習ノートの提出、ブログの書き方、服装や靴など実習中の注意。で、今日は終了。


●2014年10月14日 使えるアルバイトを集めるには

今月は、3年振りのホネホネサミット。来月半ばには、毎年恒例となったフェスティバル。どちらも十数人のアルバイトをお願いしている。なぜか毎回、アルバイト手配を担当。大学生中心にアルバイトをかき集めて、配置と分担を決めて、研修をして。みんな同じ条件で雇っているけど、もっとアルバイト料をあげたくなる使える者がいれば、もう雇いたくないなぁと思う使えない者もいる。使えるか使えないかは、なんとなく研修の時に分かるので、そこでセレクトできればいいのだけど、研修時にはもう新たに確保する余裕がないので仕方がない。
昨日サミットが終わったと思ったら、今度は来月のフェスティバルに向けてアルバイトを集め始めている。昨日までの2日間。アルバイトさん達を雇って、仕事ぶりを見て、密かに評価していた。来月によりよいアルバイトスタッフを集めれるように、ちょっと振り返ってみよう。

結局、どんな仕事でも一番大切なのは、コミュニケーション力。コミュニケーションがとれない奴は、どんな仕事をさせてもダメ。多少、知識がなくっても、スキルが低くても、コミュニケーション力があれば、どうにかなる。コミュニケーションできれば、どんな仕事を回せばいいか、判断できるからね。あるいはコミュニケーションできる奴は、分からんことは確認できるからね。
で、コミュニケーション力があるかどうかは、採用を決める前にたいてい分かる。メールでやりとりしてれば、8割方分かる。正直言って、これはダメだ〜、と思う相手は、実際に働かせてもダメ。もちろん微妙に思う相手もいるので、最終判断は一緒に働いてみないと分からない。
今回一緒に働いて、優秀だったみなさんに、来月も来て欲しいなぁ。

ってことで、採用試験にはインターンを入れるのが正しい。問題は、優劣が明らかになってしまうので、どこにも採用されない人が大量に出てしまうことかなぁ。


●2014年10月13日 ホネホネサミット2014まとめ

せっかく準備したのに、遠くから沢山の方が出展して下さったのに、台風19号に翻弄され、結局1日日程。仕方がないとは言え、残念だし、来て下さった方に申し訳ない感じ。いつもなら片付いた後、疲れた中にも達成感があるけど、今回は悲しい感じ。張ってた気が切れて、ちょっとブルーに、早めに帰ってしまった。
イベント嫌いを自覚してるんだけど、ホネホネサミットにかなり愛着があったんだなぁ。と、ちょっと不思議な気もする。まあ一般的に、自分他人に関わらず、努力が無になる感じがキライなだけかも。

台風にどのように翻弄されたかまとめておこう。

◆講師編
講師は3人。東京からの講師は行き帰りは問題なかったもよう。ただ2日目に予定していた講演会がキャンセル。講師謝礼が減額…。韓国からの講師は、来るのは問題なかった。で、初日の講演は無事にしていただけた。でも、もう1泊して帰る予定が、急遽懇親会をキャンセルして、その日の内に韓国へ。自分が主催する国際シンポが直後にあるので、安全策をとった感じ。一番影響を受けたのは、沖縄からの講師。サミット前日に沖縄発の飛行機で来る予定が、その日に台風は沖縄直撃。飛行機は前面ストップ。サミット両日の午前に講習会をお願いしていたのだけど、その時点で初日午前の講習の中止が確定。翌日午後に沖縄便は飛び始めたのだけど、チケットを求める人が殺到。で、結局来阪かなわず。2日目はサミット中止になったので、無理して2日目だけ来なくて正解だった。これが唯一の不幸中の幸い。

◆出展者編
南西諸島方面からの出展者は3組。2組は参加できず。1組は早めに出たそうで無事に到着。参加できなかった内の1組は、展示物だけ送ってきていたので、関西方面の知り合いが代理出展。展示物の一部が壊れていたが、これも関係者が修復した。思わずホネのネットワークを感じた。
出展者の多くが影響を受けたのは、帰りの便。どう転んでも2日目の帰りには台風の影響を受けるので、出展者のみなさんには自分で判断して、自分と標本が無事に帰れるように必要なら初日だけで撤収するように伝えてあった。5組程度が、初日時点で撤収を決断。他の方は、2日目もできる範囲で残って下さることに。
2日目は、中止にならなくても風が強くなるのは分かっていたので、初日の屋外ブースは、初日終了後、大慌てで急遽確保した室内のエリアにブースを移動。準備が不充分でスタッフにも、出展者のみなさんにも迷惑をかけてしまったけど、なんとか2時間ほどで移動を完了。なのに、2日目はオープン直前に中止が決定。すみませんすみません。

◆スタッフ編
講師謝礼が変更入りまくりで、事務担当の方にはとても迷惑をかけてしまった。
アルバイトは、どっちみち撤収をする必要があったので、2日間拘束。バイト料は変更なし。でも、打上ができなかったなぁ。残念。

◆来場者編
もちろん2日目は中止なので、入場はできない。遠方からわざわざ来て下さった方もいたようなので、申し訳ないのだけど、仕方がない。
ただ出展者の関係者は、撤収の手伝いなどいろいろあるだろうから、確認出来たら入っていただき一緒に撤収した。

出展者も標本もどうやら無事に帰り着いたようなので、それがせめてもの救い。でも、とにかく悔しいの一言につきる。このリベンジは、必ずや2年後に。


●2014年10月10日 ホネホネサミット宵宵宮

と書くと楽しそうだけど、実際は急接近のスーパー台風に振り回され、それにかまけていたら本来すべき準備を忘れてた。ヒェ〜、って1日。
予想出来たけど、沖縄からの講師は、とりあえず初日午前に間に合わず。午後も怪しい。2日目もどうかなぁ。韓国からの講師は往復の航空券を変更。事務担当がヒェ〜。

ちなみに明日の午前は、アルバイトスタッフの研修がある(ちなみに夜にもある)。午後からは、出展者向けの研修があり、ブースの設営も始まる。ってことは、事実上の今夜は宵宮。台風接近のおかげで、再調整のいる仕事がいっぱい。これがなければ、今日はのんびりできたのになぁ。
おおむね準備が出来てきて気付いた重大な事実。明日は、アルバイトはまだ研修を受けるだけ。少しブース設営を手伝ってもらうけど、午前中で終了。でも、午後からは出展者向け研修プログラムと、ブース設営が同時進行。研修を進めるスタッフと、設営にきた出展者に対応するスタッフが重なってる! 人手が足りない! この失敗は2011年のホネホネサミットでもやった! 反省が活きてない…。
で、慌てて隠れホネホネ団員の萌蔵とか、龍神様とかに出展者向け研修を手伝ってもらう手配。さらにアルバイトに来てくれるホネホネ団員に、今度美味しい飯おごるから、午後の準備を手伝って〜、と頼み込む。みんな快く引き受けてくれて助かった。
それでも明日の午後は綱渡り。ある意味、ホネホネサミット本番よりも、明日の午後がうまく回るかが心配。


●2014年10月9日 台風対策

この週末を目がけて、ホネホネサミット2014と台風19号がデッドヒート。今朝時点では、台風は13日午後にホネホネサミットに追いついてしまいそう。仕方がないので、急遽調整して台風対策を用意した。
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■11日:会場設営、出展者研修の日
 この時点で台風は、まだ沖縄島南東海上にいそう。
 ホネホネサミットの設営・研修などのプログラムは予定通り実施。

■12日:ホネホネサミット初日
 台風は九州南海上にいそう。先の台風18号の時からすると、大阪府への影響はまだなさそう。
 現時点では、予定通りホネホネサミットを開催。

■13日:ホネホネサミット2日目
 台風は、夜に大阪府を直撃しそう。朝から風雨が強いことが予想され、午後からは暴風警報が出る可能性が高い。暴風警報が出ると博物館は臨時休館(大雨洪水警報では休館にならない)。臨時休館になった時点で、一般向けのホネホネサミットは自動的に終了。
 暴風警報が出ていなくても、朝から風雨が強いことが予想できるので、屋外ブース(クジラのポーチのB会場)は、室内に移動。12日閉館後(17時以降)に屋外ブースの移設を行う予定。
 午後から暴風警報が出た場合、帰れない人が出るかもしれない。ブースの撤収も困難。台風の様子を見つつ、近くの人は早めに帰ること。遠くの人は13日夜の宿の手配の検討を。
 14日に用事のある出展者は、13日に早めのブース撤収を推奨。ってことは、13日の午後には空いてるブースもあることになる。残念だけど仕方がない。来場者もできるだけ早めに来ることを推奨します。
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昨日から考え始めたプランを、午前に確定。文章作成。出展者に連絡。屋外ブースを移動させた先の配置を決めて、配置図を作成。などなど。今日の大部分は台風対策で終わった感じ。
とりあえず現時点で決めれることは、ここまでかな。と一段落してから、気象庁の台風情報をまたチェック。なんか台風の動きがまた遅くなってるみたい。昨日は、13日15時に台風は紀伊水道にいることになっていて、台風がホネサミ直撃!と対策を組んだのに。今日は、13日15時に台風はまだ九州南東海上にいる。昨日で言えば6時間くらい遅くなった感じ。
これなら、暴風警報は出ずにホネサミを最後までできるかも。早めに撤収すれば、撤収も大丈夫かも。もう少し遅れてくれれば、13日も屋外ブース問題ないかも。せっかくの台風対策が無駄になるけど、その方が嬉しい。

みんな、もう一息だ! 龍神様に向かって祈るぞ〜。


●2014年10月8日 龍神へ祈りを

週末にホネホネサミット2014が迫っている。南からは台風19号も迫ってる。ホネホネサミットが逃げ切るかと思っていたのだけど、台風に追いつかれそう。龍神に祈り、龍神に要求して、逆さにしてぶら下げることまで検討したけど、週末のホネホネサミットが台風の影響を受けることは避けられないらしい。
今日夕方の予報では、12日15時時点には、台風は九州の南。でも、13日15時時点での台風の予報円の中心は紀伊水道。11日と12日は予定通りプログラムをこなせそうだけど、13日はいつ暴風警報が出て臨時閉館になるかという問題になりそう。どう見ても、13日午後は残念な展開が待っていそう。そして13日午前も、屋外ブースが無事かは微妙。

で、台風があーだこーだ言ってても仕方がないので、台風が来ることを前提に、前向きな対処法を練ることに。関係者で調整した結果、少なくとも13日は屋外ブースを、室内に移す算段ができた。残念ながら、12日は調整が付かないので、12日は予定通り屋外にブースを配置して、12日閉館後にブース移動の手配という段取りになりそう。
もしも12日の昼間から風が強くなってきたら、ちょっと面倒だけど、18号の時の感じから言えば、風が強くなるのは12日の夜からではないかと。

あと、心配なのは、沖縄方面から来る出展者が、ちゃんと来れるか。お絵かき講座の講師先生も沖縄なので、けっこうドキドキ。でも那覇空港は強気だから飛行機飛ぶんじゃないかなぁ。
で、もう一つ心配なのは、13日の出展者の帰りの段取り。一番ありそうな展開は、午後から暴風警報が出て、臨時休館。出展者だけで、講堂プログラムをして、撤収して解散。解散した時点で台風が通過してたらいいけど、まだいたら出展者は帰れない。遠方から来てる人が多いのだけど、宿もない? 臨時のナイトミュージアムを実施して、早朝に解散という噂がまことしやかに…。

なんか、伝説に残るホネホネサミットになる予感もある。でも、時間かけて準備してきたのだし、出展者は遠くから来て下さるのだから、普通に盛り上がれた方がよかったなぁ。と、考えると、とても残念。
主催者側が残念がってても仕方がないので、少しでも出展者や来場者に満足してくれるよう、できる範囲で対応していこう。と思いつつ、ちょっとブルーな今日の夕暮れ。皆既月食。


●2014年10月7日 ヒヨドリの渡りの季節

海岸の水鳥を数えながら、明石市から姫路市まで自転車で走った。特に明石市は、ずっと海岸線に沿って走れるので、片側に海を見ながらの行程。西に向かう自転車を何度もヒヨドリの群れが追い越して行く。せっかくなので、およそのヒヨドリの個体数を数えてみた。

明石港スタート 07:42
 明石港 ヒヨドリ約50羽 西へ飛ぶ
 明石浦漁港 ヒヨドリ約30羽 西へ飛ぶ
 明石川河口 ヒヨドリ約20羽 東へ飛ぶ
 林崎漁港 ヒヨドリ約20羽 西へ飛ぶ
 林崎松江海岸 ヒヨドリ約30羽 西へ飛ぶ
        ヒヨドリ約10羽 西へ飛ぶ
 谷八木川河口 ヒヨドリ約60羽 西へ飛ぶ
 大久保町海岸 ヒヨドリ約100羽 西へ飛ぶ
 江井ヶ島漁港 ヒヨドリ約40羽 西へ飛ぶ
 魚住町海岸 ヒヨドリ約10羽 西へ飛ぶ
 瀬戸川河口 ヒヨドリ約20羽 西へ飛ぶ
西二見港スタート 10:08

11群で合計約390羽。たいてい西へ向かっていたが、1群だけは東に向かった。明石海峡を渡るんだろうか。
明石川を渡るのには、なんども行ったり来たりを繰り返していた。水域を渡るのは、たいしたことのない河川でも悩むんだなぁ。と思っていたら、普通に海岸線を飛び立って西に向かうだけでも、行ったり来たりと悩んでる。そんなんで悩んでたら、目的地にいつになったら着くんだろう?ってレベル。


●2014年10月6日 台風2連発

今日は早起きして調査に行くつもりが、台風で断念。いや行こうと思えば行けたかも。

今日の調査はそこそこ早起き。午前5時過ぎに起きて、午前6時過ぎの地下鉄に乗る。キーになるのは、JR大阪駅を午前7時前発の姫路行き新快速。これが大阪から新幹線を使わずに姫路方面に行ける一番早い電車。で、明石駅で降りて調査開始。開始時間は午前7時40分頃。
午前5時過ぎ、起きたらすぐにテレビを見る。付けたまま寝ていたといってもいい。さっそく台風情報。大阪府の暴風警報まだ出てる。窓の外も強風と雨。でも、すでに台風は通りすぎていて、どんどん回復傾向。午前7時を過ぎたら、もう明石市方面の雨はあがってそう。あがってなくても、調査を始めて1時間もしないうちに雨は止みそう。調査はできるような気がするなぁ。今日調査に出かけるか、明日に延期するか、微妙なところ。
と悩んでいたら、交通情報が流れ出す。飛行機がのきなみ欠航という情報に続き、列車の運行状況。大阪府から南の路線は軒並み、運行見合わせ。で、東海道線はというと、70%運行? なんて、微妙な。もし、くだんの新快速がもし動いてなければ、いすれにせよ調査には行けない。あっさり中止を決定して、二度寝。
二度寝の前、テレビは不吉な話をしていた。台風18号に続き、台風19号が南の海上に。台風18号と似たコースで日本に接近しそう。


●2014年10月4日 ムクドリの集団ねぐら観察会

考えてみれば、ムクドリのねぐら入りを見るのは初めてかも。ツバメの集団ねぐらは毎年見に行くし、観察会もしてる。カラスのねぐら入りを数える調査もなんどもしてる。スズメのねぐら入り、ハクセキレイのねぐら入りも見たし、カワラヒワのねぐら入りすら見に行ったことがある。なのに、なぜかムクドリのねぐら入りは見に行ったことがなかった。
この秋から冬に、大阪府内のムクドリの集団ねぐらがどこに出来ているかを調べてる(情報があったら、是非お知らせを)。で、その研修を兼ねて、ムクドリの集団ねぐら観察を企画した。当初は大阪市立大学のねぐら見に行こうと思ったのだけど、知り合いの大学生さんに下見に行ってもらったら、まだ集まってないという。例年10月後半くらいから集まり出すという。じゃあ、別の場所に変更だ! と思った時に、教えてもらったのが、梅田のムクドリの集団ねぐら。グランフロントから見れるらしい。まあ、とりあえず、言われた場所を地上から見に行ってみよう。

場所は、梅田北の芝田町。JR西日本本社ビルの南側にある中庭という。早めにいって、木の下に羽根や糞が落ちていないか見てみようと思ったけど、入れない。いや、入れるけど、閉めているので、見つかると怒られそう。人目の多い場所なので、入らずに外から見てよう。
とりあえず、日没15分ほど前に現地に陣取って、ムクドリがくるのをまつ。が、辺りに全然ムクドリの気配もない。本当にムクドリが来るのかなぁ。といっていたら、ムクドリの小群がビルの向こうに飛んで行く。あ、また飛んで行く。と思ったら、でっかいムクドリの群れが出現。数百羽はいる。それが球になって、ぐるぐる上空を舞っている。すごいすごい。そこにムクドリの小群が次々と加わる。どんどん大きくなるムクドリの群れ。すごいすごい。最初にムクドリを見つけてから、日没時間をまたいで15分ほど。球になって上空を舞うムクドリの群れを見飽きない。すごいすごい。最初は1000羽弱と思ったけど、最後には2500羽はいそうな大きさに。
と思っていたら、少し向こうのビルの上におりた。あんなとこに下りるの? と思ったら、一斉に飛び立つ。3000羽ほどになってる! それがしばらく乱舞して、再び同じビルにおりた。そしてやがて静かになっていく。これで終わりかな? ビルの上で寝るの? 中庭の木にねぐらが出来ると聞いたけどなぁ。
地上からビルの上がよく見えないので、グランフロントに上がってみることにした。北棟の7階にテラスというのがあるので、そこに上がったムクドリがいる方を見てみると、なんと中庭の木にムクドリは移動しつつあり、ちょうど最後の群れが木にとまったところだった。下で見ていたらよかった〜。あるいは、最初からテラスに上ればよかった〜。今度来たら、最初からここに陣取ろう。
ムクドリが降りたJR西日本の中庭には立ち入れないけど、中はのぞける。垣根のすき間から中をのぞく。ムクドリがとまってる木は、高さ10mほどの3本だけ。1本当たり1000羽がとまってるって計算になる。

ともかく、ムクドリのねぐら入りは想像以上の迫力。今日はいいものを見た気分。すぐに終わるのが難だけど、場所さえ選べば、博物館の観察会もできそう。あらかじめ木の下を見ておいて、ねぐら入りを見て、寝静まったら、解散って感じで、1時間弱の観察会。
今日はだいたいムクドリが寝静まった午後6時頃に、ねぐら後にした。


●2014年10月3日 苦肉の策

「ネコと見つける都市の自然」という特別展をしてるんだけど、あまりお客さんの入りがよくない。タイトル見ても、何が見れるかよく分からない特別展は、過去の経験でもお客さんの入りは悪いもんなんだけど、それにしても入りが悪い。
マスコミが記事に取り上げてくれたけど、どこもかしこも夏休みが終わってから。9月の連休も終わり、残り2週間のタイミングで記事が載っても、客足にはつながらない。最後の望みは、会期の最後の週末にぶつけたホネホネサミット。過去のホネホネサミットは、2日で1万人以上の来場者があった。この半分でも特別展に入ってくれれば、入場者も収入も大幅アップ(逆に言えば、その程度しか、今のところ入っていないって事だな)。
で、ホネホネサミット来場者を呼び込むために、ホネの展示を追加することになった。見栄えのいい動物園物のホネを並べたい。と、都市の自然に絡める屁理屈こねて。萌蔵が「街中で見られる生物多様性〜都市機能としての動物園とその役割〜」なんて文章をひねり出してくれたので、それを使ってみた。

ホネホネサミットに向けてではあるけど、直前は忙しいので、今日展示をつくった。大物を運ぶのは手伝ってもらったけど、あとは一人で考えながらコツコツと作業。7時間かかって設営完了。とにかく数を出すのは大変なので、大物を中心に。
 爬虫類:アミメニシキヘビ(全身骨格)
 鳥類:ダチョウ、ヒクイドリ、エミュー、キーウィ、フンボルトペンギン、カイツブリ、イヌワシ、ワシミミズク、オニオオハシ(いずれも全身骨格)
 哺乳類:コアラ、フタユビナマケモノ(ここまで全身骨格)、ライオンからジャングルキャットまでネコ科11種、カバ、クロサイ(ここまで頭骨と下顎)、キリン(頭骨と下顎と頸椎4つ)、アジアゾウ(腰骨)

本当はラクダとかホッキョクグマも並べようと思ったし、キリンの頸椎は7つ並べるつもりだったが、スペースが足りなかった。ちょっと残念。ラベルは2009年のホネホネ展のを残してあったから再利用。それを見つけられなかったライオンとゾウはラベルなしなんだけど、骨に詳しくなくっても少し考えれば分かるだろう。ってことで、クイズにもなるから、ラベルなしで行ってみようかと。

これを見るだけでも500円の価値があると思うけど、どうだろう?


●2014年10月2日 瀬戸内海におけるカワウの分布と個体数の変遷

瀬戸内海のカワウの個体数なんて、過去も現在も、たぶん将来も、だーれも数えてないだろう。あちこちの港や河口やなんやらにちらばったカワウを数えるのは大変だから。でも、カワウの繁殖コロニーについての情報ならけっこうあるんじゃないかな?
ただし、沿岸域にあるコロニーの位置で瀬戸内海で活動してると判断できればの話。そしてもちろんカワウの繁殖期だけの話。少なくともある程度以上のカワウの繁殖コロニーに見逃しがないとしての話。
幸いなことに、1970年代に瀬戸内海にカワウの繁殖コロニーはなかった(瀬戸内海どころか当時日本全体にカワウのコロニーは1〜2ヶ所しかなかった。それも東日本)。それ以降を調べたらいいのだから、けっこう文献を漁るのは楽ちんっぽい。問題は、なんといっても瀬戸内海は、10府県にまたがってる点。カワウ調査に熱心な府県もあれば、そうでもない府県もあるだろう。でも、大半の府県の情報が集まれば、大きな傾向はつかめるだろう。

ってことで、けっこう見込みあるんじゃないかなぁと思うんだけど、どうかなぁ。


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