皮むき日記

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2016年12月23日  ニホンイタチ
なにわホネホネ団の活動日。イタチの日

・ニホンイタチ(OMNH M3234:2004年12月、和歌山県紀の川市産)
 11匹並んだイタチの中に、2匹だけニホンイタチ。当然ながら、ニホンイタチを選んだ。尻尾の茶色が濃くて、頭が灰色がかっていて、そして短めの尻尾。チョウセンイタチも可愛いけど、ニホンイタチはさらに可愛い。ノミとダニの両方が付いていて、腹を開けると腎虫まで入っていた。寄生虫盛りだくさん。


2016年12月11日  トラツグミ、アオジ、キンバト
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き13日目の28種31羽目(内、4種4羽は動物園物)。西表島鳥類調査隊の活動18回目。3rdシーズン1回目。

・トラツグミ(OMNH A7617:2016年11月、大阪府岬町産)
 やっぱりトラツグミの皮は破れやすい。もしかしたらキジバトよりも。

・アオジ(OMNH A7624:2016年11月、大阪府高槻市産)
 黄色くてきれいな雌。アオジって綺麗だなぁ。

・キンバト(OMNH A7629:2014年7月、沖縄県竹富町産)
 久しぶりのキンバトの処理。今回から先方で解剖した後の処理になる。おかげで、開きで汚れたキンバトにしかならない。傷んでいて洗えそうにないし。そして生殖器のデータがとりにくい、体重の情報がない、と色々と困る。解剖を止めて欲しい。


2016年11月23日  ノウサギ
なにわホネホネ団の活動日。久しぶりのウサギの日

・ノウサギ(OMNH M3216:2016年3月、大阪府河南町産)
 ウサギを剥いたのは久しぶり。久しぶり過ぎて手間取った。となりで上手に1時間半で剥いてるのに、2時間もかかってしまった。5本指の前足、4本指だけど指が無駄に長い後足。なぜか頭も微妙にやりにくかった。ってゆうか、わき腹に大きなキズがあったんだけど、その周辺の皮があるんだかないんだかもややこしかった。


2016年11月5日  ムジエボシドリ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き12日目の25種28羽目(内、4羽は動物園物)。

・ムジエボシドリ(OMNH A7610:某動物園より)
 頭緑で、胴体紫色、初列風切が赤くて綺麗な鳥。解凍した時、新聞紙にワインレッドの色が付いたので、初列風切の赤は水に溶けるんだ! と思いながら剥いて、洗うときは初列風切を水に浸けないように。と思って胴体と首を付けたら、水がワインレッドと緑色に染まった。慌てて取り出して、タオルを当てたら、タオルにも色がついた。カラーの鳥拓を取っているかのよう。あるいは鳥染めができそう。ワインレッドは紫色が溶け出した色だったんだな。と思ったけど、初列風切の赤も濃いところと薄い所のまだら。そして左右非対称。どうも薄いところは色が抜けたんじゃないかと…。水浴びできないし、雨の日は隠れてないといけないし、それでも換羽の直前には薄い色合いになってそう。
 その上、羽根がスカスカ。羽域が狭いし、綿羽も全然ない。変な鳥。綺麗けど。


2016年11月4日  ハクガン
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き11日目の24種27羽目(内、3羽は動物園物)。

・ハクガン(OMNH A7607:某動物園より)
 ハクガンは白い。でも、アヒルやコサギやコブハクチョウとは白さが違う。ハクガンは真っ白だ。隣でサカツラガンを剥いていたけど、サカツラガンは嘴が長くて、ハクガンとは全然違う。ハクガンとサカツラガンは別属でもいいと思う。


2016年11月3日  コクチョウ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き10日目の23種26羽目(内、2羽は動物園物)。

・コクチョウ(OMNH A7597:某動物園より)
 日頃の心がけがいいせいで、脂肪がまったくなく、腹回り以外は血まみれでもない。というわけで、あっという間に剥けそうなものだけど、なんだかんだで5時間かかった。剥く場所が多いのと、小さな鳥なら気にならない場所の肉が気になるので、というか量が多いので、一々取ってたら時間がかかった。
 コクチョウは黒い。けど、首の羽根にはバフ縁がある。上から見たら、嘴付け根の形が独特で、カモやガンとは違うなぁ、って感じ。


2016年10月22日  クロハラアジサシ、ヨタカ、アオゲラ、オサハシブトガラス
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き9日目の22種25羽目(内、1羽は動物園物)。

・クロハラアジサシ(OMNH A7592:2016年9月、兵庫県加古川市産)
 一見綺麗で胸骨は痩せてるのに、隠れ肥満で、内臓も痛んでいて、妙に時間がかかった。三列風切、尾羽、初列風切の先端が等間隔で並ぶ。

・ヨタカ(OMNH A7590:2007年5月、長野県長野市産)
 ヨタカって生きてる時は、妙な臭いがすることがあるのだけど、鼻をひっつけて嗅いでみても特に臭わない。ヨタカって、標本が脂っぽい印象があるんだけど、さほど脂肪もない。皮が薄いと言われるけど、楽勝やん、と思いながら剥いていたら、ちょっと爪が当たったら皮が破れてしまった…。恐るべし。
 奢で櫛付きの指。細くて不思議に曲がった下顎。平べったく幅広、目ばかり目立つ頭骨。とにかく見どころが多い。

・アオゲラ(OMNH A7593:2016年5月、奈良県川上村産)
 舌を引っ張ると、嘴の先にさらに45mmも出てくる。出したり引っ込めたりしてると、舌骨がスライドする辺りの頭の羽根が動いて面白い。野外でも注意していたら、気付くかも。
  剥いてみると、舌骨の弧の間に見慣れない筋肉がある。けど舌の出し入れには関係してないようで、舌を動かしても全然動かない。

・オサハシブトガラス(OMNH A7587:2016年6月、沖縄県竹富町産)
 一見綺麗だけど、内臓は腐っていて生殖巣は不明。頭骨の気骨化は完成しているような気がするのに、口の中は真っ赤?


2016年9月14日  カワウ
壊れた冷凍室を受けての大物処理。今年度の鳥剥き8日目の19種21羽目(内、1羽は動物園物)。

・カワウ(OMNH A7577:2016年7月、三重県松阪市産)
 洗わずに剥こうと思ったのだけど、砂まみれでビショビショ。それも海水に濡れているので、ベタベタ。血などで汚さず剥いたのだけど、我慢できずに洗ってしまった。
 で、洗う以上はやむなく、頭骨の肉を丁寧にとってみる。カワウの頭骨には2本溝があって面白いなと思ってたのだけど、前の溝は下顎を動かす筋肉、後ろの溝は頭の後ろの三角の骨を動かす筋肉が付いてるんじゃないかと思う。


2016年9月12日  ボリビアリスザル、フランソワルトン
なにわホネホネ団サルの日。

・ボリビアリスザル(OMNH M3159:某動物園より)
 頭胴長より尻尾が長く、黄色い小さいサル。頭の大きさはビリヤードの玉ほどしかない。で、作業していると手袋が黄色くなる。テンと同じく洗えばとける黄色らしい。

・フランソワルトン(OMNH M3155:某動物園より)
 これまた頭胴長より尻尾が長く、黒いサル。尻尾の先がピカチュウのようにギザギザしているが、となりのフランソワルトンの尻尾は真っ直ぐ。尻尾下面に2ヶ所、毛が禿げてタコになってる場所がある。尻尾で何かするらしい。


2016年9月11日  フサオネズミカンガルー
なにわホネホネ団の活動日。

・フサオネズミカンガルー(OMNH M3143:某動物園より)
 ネズミカンガルーとはよく言ったもので、歯とか指先を見なければ、齧歯類だと思ってしまう。でも4本指なのに3本指に見える後足、縦に並んだ妙な切歯。なるほど有袋類だなぁ。


2016年9月10日  カワリシロハラミズナギドリ、ホオアカトキ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き7日目の18種20羽目(内、1羽は動物園物)。

・カワリシロハラミズナギドリ(OMNH A7575:2014年10月、和歌山県橋本市産)
 和歌山県から保護されたシロハラミズナギドリが死んだが必要かと問合せ。もちろん引き取った。で、皮を剥こうと出してみて驚いた。妙に大きく、翼下面がとても黒い。ただのシロハラミズナギドリでないのは確実。でも、種名が分からない。
 皮を剥いてみると、胸から腹にかけて大きく縫われた跡がある。手術された後に死んだらしい。でも全然キズがふさがっていない。手術のせいで死んだんじゃないの?とも思ったけど、 とても痩せていて内臓が萎縮している。直接の死因は餓死らしい。
 で、剥いていて気付いた。尾羽が途中で切られているのと同じように、初列風切の先端も切れている。そして先の方の初列風切の内弁がほとんど失われている。おかげで翼下面の模様がへんな感じだったんだ。で、そのことを補って考えると、カワリシロハラミズナギドリで良さそうとなった。まあ、誰か詳しい人に見てもらわないとだけど。

・ホオアカトキ(OMNH A7562:某動物園より)
 頭が禿げてる鳥だけど、そこが切られている。おかげで頭が乾いて、うまく剥けない。仕方が無いので、頭は頭でカモのように剥くことに。黒い鳥なので、汚れは見えないけど、腹がベタベタするので、洗ってみたら、とても汚れが落ちた。というわけで、フワフワの仕上がり。


2016年9月8日  コウライキジ、スズメ
冷凍室が壊れたので、慌てて少しでも冷凍室の中身の処理に乗り出した。今年度の鳥剥き6日目の16種18羽目。

・コウライキジ(OMNH A7556:2016年9月、沖縄県石垣市産)
 石垣島で見慣れない鳥が落ちていたと送られてきた。開けてびっくりキジの雌。石垣島にキジなんていたっけ?と思って日本鳥類目録を開いてみると、なんとコウライキジがいるという。コウライキジは初めて!と大喜びで剥いた。換羽中なんだろうか、いっぱい羽根が抜けてしまった…。

・スズメ(OMNH A7557:2016年7月、沖縄県石垣市産)
 スズメはスズメでも石垣島のスズメ。そう思って見ると、なんか大阪のスズメより白っぽい気もする。気のせいかもしらんけど。


2016年8月13日  ミゾゴイ、イソヒヨドリ、シマキンパラ、カヤクグリ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き5日目の14種16羽目。

・ミゾゴイ(OMNH A7546:2016年8月、和歌山県有田市産)
 車にひかれたらしく、頭はぺったんこ、体中穴だらけ。でも、新鮮なので、強引に仮剥製みたいなのを作った。幸い、生殖巣は確認できて、雌とわかった。

・イソヒヨドリ(OMNH A7547:2016年7月、沖縄県宜野湾市産)
 巣立ちビナって感じの若い個体。そのせいか、そして微妙に傷んでいるせいか、頭周辺の羽根がいっぱい抜けてしまった。青い羽根は見あたらないけど、赤い羽根は下小雨覆に付いていた。

・シマキンパラ(OMNH A7548:2016年7月、沖縄県西原町産)
 琉球大学構内で拾われた個体。沖縄でどのくらい広がってるのか気になる種だなぁ。図鑑にあまり載っていないので、拾った人も種名が分からなかった様子。

・カヤクグリ(OMNH A7549:2016年6月、富山県立山町産)
 とても綺麗な個体。野外で見ていると割と大きめの鳥の印象があるけど、ソウシチョウと同じ大きさ。ってことはスズメ大。


2016年8月11日  チョウセンイタチ、テン
なにわホネホネ団の活動日。イタチ祭り。

・テン(OMNH M3133:2011年5月、兵庫県洲本市産)
 いわゆるキテン。

・チョウセンイタチ(OMNH M3140:2015年12月、兵庫県尼崎市産)
 雌の成体っぽい。並んでいる他のチョウセンイタチの雄に比べると、全体に黄色味が強い。


2016年7月2日  ハシボソミズナギドリ、リュウキュウコノハズク、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ツメナガセキレイ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き4日目の10種12羽目。

・ハシボソミズナギドリ(OMNH A7535:2016年5月、三重県津市産)
 凍ってる時は、濡れてるけど綺麗な感じ。解凍すると中身は腐ってるらしい臭い。剥き始めると、肉が完全に腐っているが、皮は大丈夫。が、頭は皮まで傷んでいて、裏返して戻すとズル剥けになっていた…。脂肪がないのだけが救い。

・リュウキュウコノハズク(OMNH A7528:2015年12月、沖縄県竹富町産)
 羽根は綺麗だし、腐ってもないけど、ペッタンコ。内臓がはみ出ていたので、そこから全身を剥いた。頭骨もペッタンコだったけど、それっぽく目玉の綿を入れて膨らませる。割と仮剥製っぽくなったんじゃないかな。

・ハシボソガラス(OMNH A7534:2016年5月、鹿児島県姶良市産)
 巣立ったばかりのヒナってところ。状態はいいなぁ、と思っていたら、上嘴の皮が抜けてしまった…。ショックが大きい。

・ハシブトガラス(OMNH A7529:2016年6月、沖縄県竹富町産)
 ハシブトガラスはハシブトガラスでもオサハシブトガラス。その巣立ち直後のヒナって感じ。ヒナでは区別が付かないけど、西表島だからね。

・ツメナガセキレイ(OMNH A7527:2015年9月、沖縄県竹富町産)
 脚が黒いが、足の裏は黄色い。大雨覆と中雨覆の先端に白斑があって、2本の白帯がはっきり。下小雨多には黄色い羽根がちらほら混じる。そして、足の第1指の爪が指よりも長い。ツメナガセキレイ初めて剥いた。


2016年6月4日  ヒヨドリ、リュウキュウコノハズク、ズアカアオバト
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き3日目の7種7羽目。

・ヒヨドリ(OMNH A7516:2011年9月、沖縄県竹富町産)
 イシガキヒヨドリの幼鳥。頭がはげちょろけで、とても若い感じ。イシガキヒヨドリでも、最初ははげちょろけなんだなぁ、とちょっと嬉しくなった。

・リュウキュウコノハズク(OMNH A7521:2010年8月、沖縄県竹富町産)
 けっこう小さいのだけど、メスだった。幼鳥なのだろうか? どこで幼鳥を見分けるんだろうか…。

・ズアカアオバト(OMNH A7519:2011年3月、沖縄県竹富町産)
 何を食べているか楽しみで剥いたのに、そのう内容物が空で残念。


2016年5月4日  スズガモ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き2日目の4種4羽目。

・スズガモ(OMNH A7503:2015年11月、三重県松阪市産)
 カモメに食われて、胸肉がなくなり、首の皮も幅5mmのストラップでつながっているだけ。でもまあ状態は悪くない。脂肪も比較的少なくて、皮剥き1時間50分、脂肪取り1時間15分。


2016年4月3日  ズグロミゾゴイ、コサギ、ハシボソガラス
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き1日目の3種3羽目。

・ズグロミゾゴイ(OMNH A7495:2011年3月、沖縄県竹富町産)
 皮を剥いていると、次々とシラミバエが3匹落ちてきて盛り上がる。頭を裏返して、右の耳の付け根を切ったら、なんか黒い物が出てきた。シラミバエだ! なんと耳の中から! と思いつつ耳の中を見ると、まだ黒い物が入っている。ピンセットで引っ張り出すと、もう1匹シラミバエが出てきた。耳の中にはまだ黒い物があるけど、残りはハエの糞のようだった。耳の中でさぞうるさかっただろうし、糞まで落とされてかゆかったんじゃないかと思う。
 ハジラミまで採れた!と外部寄生虫で盛り上がって、すっかり忘れていたが。最初に盛り上がったのは足の中指。サギ類に見られる櫛が、やたら立派。爪の形が中指だけ四角くなってる。

・コサギ(OMNH A7484:2016年3月、三重県明和町産)
 胴体の腹側がものすごく喰われていて、胸肉も内臓もない。が、かろうじて残った皮は一繋がりになっているので、仮剥製のようなものができた。腹はパカーッと開いてるけど。

・ハシボソガラス(OMNH A7481:2013年3月、大阪市東住吉区産)
 頭は禿げてるし、尾羽はないし、右の三列風切もないし。と、散々な状態だけど、中身は腐ってないので、仮剥製っぽいものにしてみた。


2016年3月21日  ヤマドリ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き18日目の43種52羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ヤマドリ(OMNH A7466:2016年3月、兵庫県西宮市産)
 首から背中の羽根も皮もない。のだけど、頭とその他の部分はちゃんと羽根がある。ので、仮剥製に。頭と胴体は泣き別れてるけど。そして、背中に皮がないので、背開きに。お腹側に切れ目がないので、腹から見ると一見とても美しい。でも、背中は…。腰の白がとても鮮やかで、尾もとても長い、立派な雄なのにちょっと残念。


2016年2月11日  リュウキュウアカショウビン、マミチャジナイ、キセキレイ、オオムシクイ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き17日目の42種51羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・リュウキュウアカショウビン(OMNH A7460:2010年9月、沖縄県竹富町産)
 どうもオスの幼鳥らしい。腰の青い斑 は背中のほうまで伸びてる。赤はあまり鮮やかではなく、赤いアイリングはなく、紫光沢も頭の一部などにしかない。

・マミチャジナイ(OMNH A7461:2016年1月、兵庫県西宮市産)
 珍しい越冬マミチャジナイ。GC斑はあるので幼鳥だが、もうSOはEになっていた。

・キセキレイ(OMNH A7462:2016年2月、大阪市平野区産)
 腹の全面が黄色くてとてもきれいな個体。オスの冬羽だろうか。

・オオムシクイ(OMNH A7463:2012年10月、兵庫県豊岡市産)
 P10がPCよりわずかに長いだけなので、オオムシクイと判断してみた。むかしはメボソムシクイでよかったのに…。


2016年2月20日  ハクビシン
なにわホネホネ団の活動日。久しぶりに哺乳類を剥いた。

・ハクビシン(OMNH M3098:2008年4月、滋賀県多賀町産)
 某所の冷凍庫が壊れたというので、慌てて引き取った。その内の1体。かなり腐ってる。剥いてると、手先とかの毛がまとまって抜けるし、爪のキャップもどんどんとれる。剥き終わったら、頭もけっこうはげてた。がんばって剥いても皮はあまり残りそうにないなぁ…。


2016年2月14日  ハクセキレイ、アオバト、オオバン
友の会会員向けのバックヤードツアーでの皮剥きショー2日目。今年度の鳥剥き16日目の39種47羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ハクセキレイ(OMNH A7452:2016年2月、大阪府高槻市産)
 メスで、風切羽の羽軸からすると幼鳥らしい。

・アオバト(OMNH A7453:2015年11月、大阪市平野区産)
 ハト類は皮が薄くて剥きにくいが、ハト類の中でも、剥きにくさではアオバトが一番だと個人的には思ってる。なんか切れ目が大きくなってしまった…。

・オオバン(OMNH A7454:2015年12月、三重県伊勢市産)
 車にふまれたらしく、内臓がはみ出ていて、頭骨も割れていたが、新鮮だったので、それなりに仮剥製っぽくなった。


2016年2月11日  ウグイス、ジョウビタキ、ミツユビカモメ、ハイタカ
友の会会員向けのバックヤードツアーでの皮剥きショー1日目。今年度の鳥剥き15日目の36種44羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ジョウビタキ(OMNH A7448:2015年11月、大阪府茨木市産)
 オスの成鳥。なぜか腹のオレンジの色の迫力がすごい。ジョウビタキってこんなんだっけ? めっちゃ脂肪を蓄積していて、とても状態のいい個体。

・ウグイス(OMNH A7449:2016年1月、大阪府豊中市産)
 拾ってすぐに届けられたと思うのだけど、目玉など妙に乾燥していて、あまり状態はよくない。小さい鳥で状態が微妙だと剥きにくい。

・ミツユビカモメ(OMNH A7450:2016年2月、大阪市鶴見区産)
 なんと鶴見緑地で保護された個体。腹や翼に黒い油汚れがあり、内臓は萎縮して、とても痩せてる。重油を呑み込んで、消化管をやられて、餓死したって感じかと。保護された時に腹から尾が糞で汚れていたので部分洗いした。糞は綺麗に落ちたが、油汚れはまったく落ちなかった。

・ハイタカ(OMNH A7451:2016年1月、兵庫県芦屋市産)
 右翼の下面付け根に大きなキズがあって、肉が腐っていた。電線に衝突してしまったのかと。ハジラミがたくさん付いていた。当然確保。


2016年2月6日  ヒヨドリ、シロハラクイナ
南の島からの客人に、標本ではなく死体を見てもらった方がいいと考えて解凍した。再び冷凍と解凍を繰り返すと痛むので、剥くことにした。今年度の鳥剥き14日目の34種40羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ヒヨドリ(OMNH A7446:2010年8月、沖縄県竹富町産)
 ヒヨドリはヒヨドリでも、西表島のイシガキヒヨドリ。腹が茶色いので盛り上がる。でも、それ以外は、大阪のヒヨドリと大差はない。

・シロハラクイナ(OMNH A7447:2010年11月、沖縄県竹富町産)
 けっこう脂肪がついていたけど、シロハラクイナの脂肪は除去しやすかった。それにしても5年前のだけど、状態は良好。同じ頃に死んだキンバトの状態がいつもかなり悪いのはなんでなんだろう?


2016年1月16日  ハイイロウミツバメ、ミツユビカモメ、フルマカモメ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き13日目の34種38羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ハイイロウミツバメ(OMNH A7441:2015年12月、茨城県神栖市産)
 舌が短く、一瞬舌がない!と思ってしまった。

・フルマカモメ(OMNH A7441:2015年12月、茨城県神栖市産)
 首が干からびたホネで、胴体と頭が分かれた標本になってしまった。その上、頭が干からびていて剥けず、水に浸けて剥いた。そのせいで、頭は洗うことに。けっこう時間がかかった。

・ミツユビカモメ(OMNH A7444:2015年12月、茨城県神栖市産)
 砂まみれだけど、胸が喰われて開いていたけど、作ってみると綺麗な仮剥製になった。ただ、この産地の砂はこまかくて、はらい落とすのに一苦労。


2016年1月11日  シロハラクイナ、ヤマシギ、シロチドリ
博物館たんけん隊での皮剥きショー2日目。今年度の鳥剥き12日目の32種35羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・シロハラクイナ(OMNH A7428:2015年5月、沖縄県竹富町産)
 西表島で拾われた個体。クイナ類らしく、皮を剥くとどんどん肉から汁が出てくる。解凍したときのドロップが多いというのだろうか。頭骨の気骨化がさっぱり完成していないので、幼鳥でいいのかな。

・ヤマシギ(OMNH A7429:2015年11月、大阪市東住吉区産)
 博物館のポーチで拾った。ガラスに衝突したと思うのだけど、両脚とも脛骨で折れている。あとは右目が破裂して、右脇に出血。衝突した衝撃なんだろうか?
 先日剥かれた別のヤマシギと比べると、今回の個体は喉から胸に茶色味が全然無い。個体差?

・シロチドリ(OMNH A7430:2015年11月、三重県津市産)
 足指は前3本のみ。で、外側2本の間に少しだけ水かきがある。シロチドリに水かきがあるとは知らなかった。ほとんど膨らんでないけど、目の上に塩腺があって、その形はツノメドリに似ていた。


2016年1月10日  ツノメドリ、オオタカ、ヤマガラ、シジュウカラ
博物館たんけん隊での皮剥きショー初日。今年度の鳥剥き11日目の30種32羽目(内、2種2羽は動物園物)。

・ツノメドリ(OMNH A7424:2015年12月、茨城県神栖市産)
 初めて見る鳥、剥く鳥なので、けっこうテンション高め。思ったより小さくほぼキジバト大。重さもそんなもん。首が黒くなっていて、総排泄口から内臓が出てるので、腐ってるのを心配したが、腐ってるのは内臓だけだった。とても痩せていて、内臓も萎縮。直接の死因は餓死と思われる。
 外見だけでも、嘴だけでも盛り上がれる。でっかい嘴のイメージだけど、とても縦に細長い。ミヤコドリに負けないと思う。上嘴の付け根寄り、噛み合わせ近くに、5mmほどの横穴、と思ったら鼻孔だった。嘴を閉じても根元はすき間が開いているのも面白い。
 頭部は皮を剥いても面白い。目玉はフクロウを思わせるような、真ん中が盛り上がった不思議な形。カメレオンみたい。目の上の塩腺を取り除くと、眼窩の後ろ寄りに突起が出る。ツノメと関係あったりするかな?
 外部形態では、翼の前縁、肘の前辺りに 前縁に沿って細い白線が出る。目の上には少し白い羽根。足の爪は、フックのように曲線を描いている。
 内部形態では、 恥骨の形や烏口骨の形も面白かったけど、一番印象的だったのは、膝関節の形。潜水する鳥はカイツブリ類も、ペンギン類も、ミズナギドリ類も、脛骨側が長く伸びるのだけど、ツノメドリはスズメ目と変わらぬ普通の脛骨。ペンギンとは別系統なんだ〜、と妙に納得。

・オオタカ(OMNH A7425:2016年1月、茨城県つくば市産)
 保護されて動物病院へ搬入されたが、死亡した個体。右上腕骨が折れていて、左翼の付け根にもキズがある。キズの中は肉がぐちゃぐちゃ。飛んでて電線に引っかかったのかな? 脳内出血も見られたのだが、なぜだろう?
  メスの成鳥。眼の上のひさしの先に羽根が生えていなくて、眉毛があるかのように見える。

・ヤマガラ(OMNH A7426:2015年10月、大阪府吹田市産)
・シジュウカラ(OMNH A7427:2015年4月、茨城県牛久市産)
 2種を並べると面白い。体重はヤマガラが大きく、翼長も翼開長も脚も嘴もヤマガラが大きいのだけど、尾長だけはシジュウカラの方が長く、そのせいか全長もシジュウカラが長かった。個体差もあるだろうけど、野外で見ているイメージに合ってる感じ。


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