皮むき日記

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2011年11月17日  ヤマシギ
 中学生の職業体験に付き合っての皮剥き。

・キクイタダキ(OMNH A3626:2011年10月、大阪市北区産)
 窓ガラスに衝突死した個体。下嘴の付け根が壊れている。なぜか腹腔内に出血、腰の羽根が禿げてる。死んで落ちてから、誰かに踏まれた? ネコの噛み跡っぽいキズはなかった。

2011年11月6日  ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ
 なにわホネホネ団の活動日。とにかくみんなでハシボソミズナギドリを剥いた。腐ったハシボソミズナギドリも処理した。それに混じって腐ったハイイロミズナギドリ。初めてのハイイロミズナギドリなので、できれば仮剥製にしたかったが、どうにもならないので断念。一部の皮と羽根を救うことにした。

・ハシボソミズナギドリ(OMNH A3622:2011年5月、三重県津市産)
・ハシボソミズナギドリ(OMNH A3625:2011年6月、三重県津市産)
 新鮮なハシボソミズナギドリはとっても剥きやすい。ものすごい初心者向け。ハトが剥けるようになりたい人には簡単過ぎて練習にならない、と発言していた人がいた。確かにその通り。
 剥くのはいいのだけど、性別判定が難しい。幼鳥な上に、痩せ細って死んでるかららしい。精巣はなんとか分かる。卵巣はさっぱり見つけられない。精巣が見つからなければメスと判断するしかない。ほんとに新鮮な個体でないと、この判断は危険だと思う。

・ハイイロミズナギドリ(OMNH A6066:2011年6月、三重県津市産)
 もう1羽あったが、こっちがましな方。それでも仮剥製は無理。翼と背中、尾はなんとかなりそうなので、その部分だけ皮剥き。全身の骨格を残すために翼は先端まで開いてホネをとった。手に取れば大きさが明らかに違うので、ハシボソミズナギドリとの区別は簡単。しかし、これを洋上で区別するのはけっこう大変そう。翼似てるわ〜。

2011年10月29日  キビタキ、マダラシロハラミズナギドリ?、クマタカ
 なにわホネホネ団の活動日。

・キビタキ(OMNH A3609:2011年10月、大阪市北区産)
 オスの幼鳥。メスと一緒。野外での区別は難しい〜。

・マダラシロハラミズナギドリ?(OMNH A3615:2011年6月、三重県津市産)
 海岸に打ち上がっていたのを送っていただいた。画像からシロハラミズナギドリ系なのは分かったが、同定はできなかった。で、送ってもらったのだけど、実物を見ても同定が難しい…。頭や翼はミイラやけど、胴体は腐ってる。測定できる部分を計ると、シロハラミズナギドリよりは少し大きめ。翼上面にM字が出てるのはいいけど、翼下面の黒帯は長く、翼後縁の黒は少ない。なにより腐ってて分かりにくいが、胸はぐるっと黒くなってるし、腹も真っ白ではなく黒が入っている。日本の図鑑を見ても、世界のミズナギドリ類の図鑑を見ても、該当種はマダラシロハラミズナギドリしかないんだけど。これはやたら珍しい。本当かなぁ。
 とにかく珍しい鳥のようなので、できるだけ残さないといけない。とはいえ、腐りまくっててミイラ状態。とりあえず腹を取り出して、乾かしてみることにした。保存できるかなぁ。

・クマタカ(OMNH A6061:2011年9月、大阪府河内長野市産)
 鳥地獄で死んでいたと言う大きなタカ。クマタカだと思うと言われていたが、本当にクマタカだった。ほとんどホネになってる。が、羽根も残せそう。というわけで、ホネと羽根に分けて洗ってみた。クマタカはでっかい。

2011年9月10日  イソヒヨドリ
 なにわホネホネ団の活動日。

・イソヒヨドリ(OMNH A3608:2011年6月、大阪府河内長野市産)
 オスの幼鳥。オスにはやっぱり青い部分がある。

2011年8月20日  キクイタダキ、シジュウカラ
 なにわホネホネ団の活動日。

・キクイタダキ(OMNH A3602:2011年4月、大阪市北区産)
 頭頂には、黄色とオレンジ色の羽根がいっぱい。拡がると本当にキクの花のよう。それが羽根を整えると、あまり目立たなくなるから不思議。どんなシーンで広げるんだろう? と、オレンジ色まであるから当然オスだと思ったのだが、内臓を見ても精巣を確認できず、未発達ながらも卵巣っぽいのがある。こんなメスはありなのか?

・シジュウカラ(OMNH A3603:2011年7月、大阪市北区産)
 とても大きな精巣。でも脂肪は蓄積していない。繁殖にとても忙しくしている中、うっかり窓ガラスに衝突してしまったのだろうか。

2011年8月4日  ライオン
 某所で死んだのを引き取って来て処理。

・ライオン(OMNH A2529:某動物園より)
 ライオンなんてちょっと大きなネコ。と思ったら、とても大きなネコだった。ここまで大きいと楽しい。尻尾の先のふさふさは、けっこう先端まで中身があって、毛だけじゃない。でも、皮を剥いてみると、ふさふさ辺りには皮しかなくって、ホネは入ってない。ただ先端まで太い血管が走ってる。あれを踏まれたら痛いんだろう。あれを振り回したら涼しくなるのかも。
 舌はめっちゃざらざら。上顎の臼歯の内側には、下の臼歯がはまる凹みがある。ネコにもあるかな? 尻尾の付け根の下側の毛がとても触り心地がいい。

2011年7月10日  アオバト
 なにわホネホネ団。

・アオバト(OMNH A3600:2011年6月、大阪市東住吉区産)
 6月なのに博物館の窓ガラスに衝突した個体。繁殖期ど真ん中に大阪市内にいるのは珍しい。というわけで、いったいどんな個体か興味をもって処理した。窓ガラスに衝突したはずなのに、背中や喉にキズ。衝突後にかまれてるのかなぁ。そして、どうやらメスの幼鳥。卵巣はほとんど発達していない。そして、そのうは空。盛り上がらんかった。ついでに脂肪だけはめっちゃためてた。面倒くさかった。

2011年6月18日  ハシボソミズナギドリ
 なにわホネホネ団。

・ハシボソミズナギドリ(OMNH A3595:2011年5月、三重県津市産)
 今年のハシボソミズナギドリの死体が浜に打ち上がる季節。新鮮だったので、仮剥製に。

2011年5月1日  タヌキ、トラツグミ
 なにわホネホネ団、春のホネホネマラソン3日目。

・タヌキ(OMNH M2486:2011年2月、大阪市東住吉区産)
 地元の公園のタヌキ。こちらも介せん。頭と足先、尻尾以外は毛が抜けて悲惨な状態になっている。その皮の処理をした。悲惨な状態かと思ったが、意外と違っていた。確かに首の後ろや尾の付け根は介せんらしく、皮が厚くなり穴が開いている。しかし体の大部分尾皮は、厚くなっていないし穴も開いてない。毛がないだけで綺麗な皮。介せんからの回復途中だったんだろうか? 毛がないタヌキの皮は子猫くらいのヴォリュームしかなかった。

・トラツグミ(OMNH A3586:2010年12月、大阪府堺市産)
 綺麗なトラツグミ。でも、調子に乗って、脂肪を引っ張ったら、皮が破れた。トラツグミって皮が薄かったっけ?

2011年4月30日  タヌキ
 なにわホネホネ団、春のホネホネマラソン2日目。皮の処理をした。

・タヌキ(OMNH M2481:2011年3月、大阪市東住吉区産)
 地元の公園のタヌキ。尻尾の付け根の全周から出血してて、いったい何の病気?と思ったタヌキ。どうやら尻尾の付け根が介せんになっていて、引っ張られるか何かして、出血したんじゃないかといった感じ。外見ではわからないけど、皮を裏から見ると、背中に沿っても介せんになっていた。

2011年4月29日  タシギ
 なにわホネホネ団、春のホネホネマラソン1日目。皮剥きをした。

・タシギ(OMNH A3298:2010年10月、山口県岩国市産)
 肝心の尾羽がない、内側の次列風切もない。という残念な標本。

2011年3月28日  シロハラ、ヤマシギ、オオコノハズク
 なぜか和歌山県に連れて行かれて鳥の皮剥きを教えることに。模範演技を1回してみせて、あとは一緒に皮剥きしただけ。

・シロハラ(OMNH A3295:2010年11月、大阪市北区産)
・ヤマシギ(OMNH A3296:2010年10月、大阪市中央区産)
・オオコノハズク(OMNH A3297:2011年2月、大阪市中央区産)
 オオコノハズクは剥く前から臭くって、模範演技からはずした。一応剥いたけど、予想通り残念な標本に。

2011年2月11日  マヒワ、カケス、フクロウ
 友の会向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥きです。

・マヒワ(OMNH A3285:2011年1月、大阪市東住吉区産)
 小さいわ。やせてて脂肪はないわ。とっても簡単に処理できた。

・カケス(OMNH A3286:2010年10月、奈良県宇陀市産)
 防鳥ネットに絡まって死んだらしい。とてもやせてる。翼にネットの切れたの。翼が絡まって逃げられなくなって、そのまま餓死ってことだろうか。フワフワで触り心地のいい鳥。カラスの仲間だけあって、頭が大きい、鼻孔が羽根で隠されている。

・フクロウ(OMNH A3287:2011年1月、大阪府茨木市産)
 こちらは高校の窓ガラスに衝突して死亡。ものすごく脂肪を蓄積している。胴体は、背中から腰、胸の中央部から腹にかけて、服を着たみたいに皮下脂肪が付いている。内臓脂肪もすごくて、腹は薄皮一枚で皮下脂肪と内臓脂肪が接しているのが笑える。

2011年2月6日  ハヤブサ、ヒレンジャク、メジロ
 友の会向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥きです。

・ハヤブサ(OMNH A3281:2010年11月、大阪府吹田市産)
 茶色い明らかな幼鳥。と思ったら、脚の付け根からお尻周辺にはまだ正羽が生えてなくて、綿羽状態。11月でもこんなんなのかなぁ? もしかしたら秋に巣立ったとか? いやまさか。

・ヒレンジャク(OMNH A3282:2011年1月、大阪市北区産)
・メジロ(OMNH A3283:2011年1月、大阪市北区産)
・メジロ(OMNH A3284:2011年1月、大阪市北区産)
 どれも脂肪を蓄積しまくっていて、剥くのが大変。渡りの季節でもないのにこんなに脂肪を蓄積してるのは、越冬時の食物不足対策。メジロの死体はよく手に入るから、いろんな年の冬のメジロの脂肪蓄積をチェックすれば面白いかも。

2011年1月11日  ハイタカ、アオバト、エナガ、メボソムシクイ、ヤマガラ
 毎年恒例、子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥きの二日目。ハイタカとアオバトが午後の途中で剥き終わってしまい、最後は子どもの前のエナガとメボソムシクイを剥いていた。小さ過ぎるっちゅうねん。終わってからヤマガラを剥いた。

・ハイタカ(OMNH A3272:2010年12月、大阪府四条畷市産)
 小さめと思ってオスと思っていたら、メスだった。あとから計測値を確認すると標準的なメスサイズ。ハイタカって小さいなあ。小さいから剥きやすくてグー。

・アオバト(OMNH A3273:2010年5月、大阪市北区産)
 某ビルに衝突死。ものすごい口から出血。口の周りはすでに血まみれで、洗っても戻りそうにないのでそのまま。最初から喉も破れてるし。ちなみに叉骨の間にはあまり脂肪はないのに、腰からお尻に脂肪がいっぱい。ハトってこういう脂肪の蓄積の仕方したっけ?

・エナガ(OMNH A3271:2010年10月、兵庫県芦屋市産)
・メボソムシクイ(OMNH A3274:2010年10月、大阪市北区産)
 エナガ小さい〜。7.2gしかない〜。尾羽が長いのでメボソムシクイより全長は長いけど、胴体、とくに頭の小ささは圧倒的。でも、体羽のサイズはメボソムシクイとあまり変わらない感じ。エナガってアイリングがあると思うけど、この個体には見当たらなかった。死ぬと消える?

・ヤマガラ(OMNH A3275:2010年10月、大阪市北区産)
 さりげに面白い個体。鼻孔が羽根で隠れてるのね。コゲラみたいな嘴。穴ほれそうな気がする。

2011年1月10日  フクロウ、オオタカ、メボソムシクイ、オオルリ
 毎年恒例、子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。ツアー中に大物二つを剥いて、昼休みにオオルリ剥いて、終わってからとある会議に出席しながらメボソムシクイを剥いた。

・フクロウ(OMNH A3270:2010年12月、京都府舞鶴市産)
 首の後ろ、背中、腰に大きな傷がある。あやうく頭が取れそうになった…。赤いアイリングが綺麗。フクロウってアイリングあったっけ?

・オオタカ(OMNH A3269:2010年11月、大阪市天王寺区産)
 メスの成鳥。でっかくと白くてとても綺麗。汚さないようにかなり注意しながら処理した。キズもないし、綺麗な標本になったと思う。

・オオルリ(OMNH A3267:2010年10月、大阪市北区産)
・メボソムシクイ(OMNH A3268:2010年10月、大阪市北区産)
 同じビルに衝突した個体。

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