画像:年表、鮮新世・更新世

脊椎動物化石(大氷河時代)

地球の歴史の中では、スノーボールアースの時代をのぞいても、少なくとも3回の大変寒い時期が知られており、氷河時代と呼ばれています。古生代オルドビス紀からシルル紀、古生代石炭紀からペルム紀、そして現在を含む新生代後半です。

中新世前期後半から中期始めの暖かい時期(2000万年から1500万年前)を最後に、小さな寒暖を繰り返しながら、地球はしだいに寒くなりました。寒冷化は次の鮮新世に入っても続き、鮮新世と第四紀更新世の境界(約260万年前)ころからは、一段と気温が低下し、寒暖の差が大きくなりました。そして120万年前ころからは、寒暖の振幅がさらに大きくなり現在に至っています。氷河時代の中でも、この特に寒い時期を氷期、その間の暖かい時期を間氷期と言います。そして第四紀を別名「大氷河時代」とよぶことがあります。

氷河のもとは、降り積もった雪であり、さらにその源は海水です。氷期には大陸に氷河が広がって、海水の量が減り、世界中の海面が低くなります。逆に間氷期には氷河が溶けて海水の量が増え、海面が高くなります。このような現象を氷河性海水準変動と呼んでおり、上に述べたように、120万年前からは特に寒暖の差が大きくなったため、海水準変動の幅も大きかったと考えられます。

氷河性海水準変動は日本列島の環境に大きな影響を与えました。氷期に海面が大きく下がると、北海道・本州・四国・九州の間はもちろんのこと、日本列島と大陸の間にある海峡も干上がって陸続きになり、自力では海を越えられない陸棲動物が大陸から日本へやってきました。新しい種類の動物たちがやってくるのと入れ替わるように、第三紀から日本に住みついていた動物の一部は日本列島から消えてゆきました。

ゾウ化石

  • 画像:シンシュウゾウ(信州象 左右上第3 大臼歯付き上顎骨)
    シンシュウゾウ(信州象 左右上第3 大臼歯付き上顎骨)
    500万年前ころ日本にいた.鮮新世.長野県長野市.左臼歯(写真では右側)の長さ29cm.
  • 画像:ミエゾウ(三重象 右下第3 大臼歯)
    ミエゾウ(三重象 右下第3 大臼歯)
    シンシュウゾウより少し進化.400 〜300万年前ころ.鮮新世.三重県伊賀市.長さ36cm.
  • 画像:アケボノゾウ類似種
    アケボノゾウ類似種
    左上第3 大臼歯.ミエゾウより少し進化.300〜200 万年前ころ.更新世.兵庫県洲本市.長さ22cm.
  • 画像:コウガゾウ(黄河象 全身骨格)
    コウガゾウ(黄河象 全身骨格)
    ミエゾウやシンシュウゾウによく似ている.250万年前ころ.更新世.中国甘粛省.肩の高さ3.8m.三重県立博物館所蔵・写真提供.
  • 画像:アケボノゾウ
    アケボノゾウ
    右上第3 大臼歯.アケボノゾウ類似種より少し進化.肩の高さ2m.200 万〜120 万年前ころ.更新世.兵庫県明石市.長さ20cm.
  • 画像:長鼻類の足跡
    長鼻類の足跡
    更新世.滋賀県湖南市.幅7m.
  • 画像:トロゴンテリゾウ(左上第3大臼歯)
    トロゴンテリゾウ(左上第3大臼歯)
    ケナガマンモスの祖先.120万年前に日本へも移動.更新世.中国河北省.長さ25cm.
  • 画像:トウヨウゾウ(左右上第三大臼歯)
    トウヨウゾウ(左右上第三大臼歯)
    中国南部に多い.63万年前に日本へも移動.更新世.香川県丸亀市備讃瀬戸海底.右臼歯(写真では左側)の長さ22cm.
  • 画像:ナウマンゾウ(左右第3大臼歯付き下顎骨)
    ナウマンゾウ(左右第3大臼歯付き下顎骨)
    日本で一番たくさん見つかるゾウ.43万年前に日本へ.更新世.静岡県浜松市.幅47cm.
  • 画像:ケナガマンモス(右上第3大臼歯)
    ケナガマンモス(右上第3大臼歯)
    ユーラシア北部や北アメリカでたくさん見つかる.日本で見つかるのは北海道だけ.更新世.北海道夕張市(と言われているが確かではない).長さ22cm.

シカ化石

  • 画像:ニホンジカ(角)
    ニホンジカ(角)
    友が島付近の海底で見つかった.更新世.和歌山県和歌山市紀淡海峡海底.長さ45cm.
  • 画像:カズサジカ(角)
    カズサジカ(角)
    枝分かれがニホンジカよりひとつ少ない.更新世.大阪市.長さ47cm.
  • 画像:ルサジカのなかま(角)
    ルサジカのなかま(角)
    ニホンジカやカズサジカより大型で,より古い時代にいた.更新世.兵庫県洲本市.長さ43cm.淡路文化史料館所蔵.

ワニ化石

  • 画像:タカツキワニ(脊椎骨)
    タカツキワニ(脊椎骨)
    頭骨は見つかっていない.およそ100万年前.更新世.大阪府高槻市.幅13cm.
  • 画像:キシワダワニ(頭骨)
    キシワダワニ(頭骨)
    頭骨の形はマチカネワニに似ている.およそ70万年前.更新世.大阪府岸和田市.長さ62cm.きしわだ自然資料館所蔵.

このページの先頭に戻る

Copyright©2012 OsakaMuseum of Naturel History All Rights Reserved.