SF関係の本の紹介(2014年分)

【★★★:絶対にお勧め、★★:けっこうお勧め、★:読んでみてもいい、☆:勧めません】

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●「共和国の戦士」(3)スティーヴン・L・ケント著、ハヤカワ文庫SF、2011年9月、ISBN978-4-15-011825-9、960円+税
2012/1/24 ☆

 「共和国の戦士」の第3弾。戦闘用クローンが、銀河をまたにかけて活躍するミリタリーSF。
 今回は、海兵体に復帰した主人公が、単身敵地に乗り込んで、敵の壊滅に貢献する。いかにもアメリカ軍な話。最初はクローンの人権問題が裏テーマだったのだけど、もはやただの戦争もの。

●「地球戦線」(4)ジョン・リンゴー著、ハヤカワ文庫SF、2011年1月、ISBN978-4-15-011793-1、740円+税
2012/1/14 ☆

 「地球戦線」(1〜3)の続き。いよいよコンバットスーツ部隊の反撃が始まる。とりあえず、ワシントンに迫った、というか侵入した侵略異星人の撃退、というか殺戮に成功。いよいよ地球人の反撃が始まった。のかなぁ。もうハッピーエンドなのかなぁ。必ずしもコンバットスーツ部隊は必要なかったんじゃないの?って思う展開であった。
 とにかく地球人を喰らう異星人にどんどんやられるというのが、このシリーズの唯一のオリジナリティ。それが反撃に転じたら、もう見るものは無くなった感じ。

●「マルドゥック・フラグメンツ」冲方丁著、ハヤカワ文庫JA、2011年5月、ISBN978-4-15-031031-8、700円+税
2014/1/10 ★

 「マルドゥック・スクランブル」「マルドゥック・ヴェロシティ」に続く短編集。6編が収められている。「マルドゥック・ヴェロシティ」の前の話があれば、「マルドゥック・スクランブル」の後の話もある。最後の2編にある「マルドゥック・アノニマス」が次回作なんだろう。そして明らかになるのは、このシリーズが、万能兵器のネズミが自らの有用性を証明しようと頑張るシリーズだったってこと。
 合法的に相手を殺すために、ビルを買い占める「マルドゥック・スクランブル"104"」が一番面白かった。

●「スワロウテイル/幼形成熟の終わり」藤真千歳著、ハヤカワ文庫JA、2011年9月、ISBN978-4-15-031046-2、920円+税
2014/1/6 ★

 「スワロウテイル人工少女販売処」の続編。関東湾、病気の蔓延をふせぐため男女が隔離されて暮らす人工島の自治区。異性の喪失を補うために造られた人工生命体、人工妖精と暮らす街。マイクロマシンによって管理され、資源に満ちた自治区。その街に訪れる危機に、黒い一人の人工妖精が立ち向かうシリーズ。今度は、テロリストがやってきて、核攻撃の危機まで。そして、少しずつ明らかになる自治区と人工妖精の秘密。人工知能も大きな役割を演じる。というか、結局は人工知能の賭けに、みんなが踊らされたって話でもある。
 細かいんだけど。毎日記憶を失う人工妖精が一瞬登場するけど。(生まれた時から刷り込まれている知識を除いて)毎日記憶を失うんなら、こんな世界観を持ったりしないんじゃないかなぁ。と思った。それが一番印象に残った事。

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