1999年の友の会行事の記録

月例ハイク ・ 合宿 ・ その他



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1999年に友の会で実施した行事の記録です。抜けている部分は、ぼちぼち埋めていきます。参加者からのコメントがあれば、ぜひmonitor@omnh.jpまでお寄せください。編集して載せていきたいと思います。

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■月例ハイク
 
妙見山」「蕎原」「生駒山」「早春の岩湧山」「大野山」「大和葛城山」「金剛山」「比良山八雲ヶ原」「秬谷」「大文字山と京都盆地の地形」「鵜殿

◎「妙見山」(1999年1月17日)
・集合:能勢電鉄「妙見口」駅
・案内者:梅原徹評議員・樽野博幸学芸員
・天候:
・参加者:
30名
・コース:能勢電鉄妙見口駅(豊能町)〜初谷〜妙見山山頂〜妙見口駅
・内容:初谷では、登山道に合流する獣道が多く見られ、イノシシの掘り跡も多かった。足跡が確認できたのは1カ所。谷の終わり近くでは、シカによって食べられたアオキが多く見られた。花芽を食べているらしい。皆伐跡の日当たりの良いところで昼食。
 頂上は参拝客が多く、2名が一時はぐれたが無事発見、そろって下山した。カキの実に集まるメジロの群を観察。予定どおり3時に妙見口に帰着.思ったほど寒くはなかったが,谷底や山頂には雪や氷が残っていた。

◎「蕎原」(1999年2月21日)
・集合:水間鉄道「水間」駅
・案内者:山下裕子評議員・石井陽子学芸員
・天候:
・参加者:
58名
・コース:
水間鉄道「水間」駅〜蕎原
・内容:
蕎原まで歩き、解散後オプションで奥水間温泉に入る予定だったが、日曜日は入れないことが判明。オプション抜きで、解散。

◎「生駒山」(1999年3月21日)
・集合:近鉄奈良線「枚岡」駅
・案内者:田代貢評議員・和田岳学芸員
・天候:小雨→雨
・参加者:33名(留守番電話への問い合わせは49件)
・コース:近鉄奈良線枚岡駅(東大阪市)〜枚岡公園〜神津嶽コース森のレストハウス〜鳴川谷
・内容:前日は雨が降り、当日も午後から雨と天気予報が言ってるのに、当日の朝は雨が降っていなかったので決行。集合時点では雨は降っていなかったけど、歩き始めると小雨がパラつき始め、昼食後下ってくる時には本格的に雨が降っていた。天気予報は侮れない。
 当初、予定していた枚岡公園〜生駒山〜辻子谷は変更して、距離を短くしたが、足元を気にしながらなのでけっこう健脚向きだったかも。
 【確認した鳥】ドバト、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、ウソ、スズメ、ハシブトガラス

◎「早春の岩湧山」(1999年4月18日)
・集合:南海高野線「紀見峠」駅
・案内者:山下裕子評議員・塚腰実学芸員・初宿成彦学芸員
・内容:雨天中止

◎「大野山」(1999年5月16日)
・集合:能勢電鉄「日生中央」駅
・案内者:春沢圭太郎評議員・桂孝次郎評議員・岡本素治学芸員・松本吏樹郎学芸員
・天候:
・参加者:
51名
・コース:
「柏原」バス停〜大野山山頂〜「西軽井沢」バス停
・内容:
 
登山:アカマツや雑木の林で、ギンラン、クチナシグサが花盛り。昆虫ではウスバカゲロウとコマダラウスバカゲロウ(岩についている地衣類に擬態)の幼虫を探す。
 山頂:ハナアブのホバリングの説明。ただし、曇り空のせいで、ホバリングはほとんど見られなかった。しばらくすると、少し明るくなり、ハナアブが何頭かホバリングを始めた。クマバチ雄が1頭現れ、ホバリングを始めた。ホバリングの観察の後、つかまえて触ってもらった。
 下山:雑木林の中のやや急な道.コバノガマズミとオトコヨウゾメの花盛り.最後におまけのムカシトンボが見られた.

◎「大和葛城山」(1999年6月20日)
・集合:近鉄御所線「御所」駅
・案内者:六車恭子評議員・和田岳学芸員・中条武司学芸員
・天候:
・参加者:37名(留守番電話への問い合わせは25件)
・コース:ロープウェイ登山口(御所市)〜葛城天神社〜山頂〜弘川寺(河南町)
・内容:行事案内には、ロープウェイで山頂に登り大阪側に歩いて下ると書いたが、6月はじめになって月例ハイクの日曜の前後だけ、ロープウェイが整備のため動かないことが判明(例年だと週末に動かなくなることはないそうだが、今年はゴンドラの付け替えとかで、休業期間が長かったらしい)。集合時にロープウェイが動いていないことを説明したが、この時点で帰る人はなかった(途中でリタイアした方が数名)。
 下りは長く、けっこう膝にくるコースであった。また大阪側へ下りる道は、植林だらけなので、登りの方が見るものが多く楽しいコースだった。歩いて登って、山頂付近を歩き回り、ロープウェイで下りてくるのが正解かもしれない。
 先頭は河内バス停16:15のバスに遅れないように歩いたため、非常に早いペースとなった。そのため16時過ぎにバス停に着くことができたが、ゆっくりした観察はほとんどできなかった。中盤も、バスに途中で止まってもらってダッシュして何とか16:15のバスに乗ることができた。最後尾は、16:15のバスに乗り遅れ、結局河内バス停17:15のバスに乗った。
 【確認した鳥】ホトトギス、アオゲラ、コゲラ、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ウグイス、ヤブサメ、オオルリ、キビタキ、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス
 【確認した両生爬虫類】ニホントカゲ、アカハライモリ、タゴガエル、トノサマガエル、ツチガエル

◎「金剛山」(1999年7月18日)
・集合:南海バス「金剛山ロープウェイ前」バス停
・案内者:左木山祝一評議員・波戸岡清峰学芸員
・内容:雨天中止

◎「比良山八雲ヶ原」(1999年8月15日)
・集合:比良山リフト乗り場
・案内者:浦野信孝評議員・金沢 至学芸員
・内容:雨天中止

◎「秬谷」(1999年9月19日)
・集合:南海本線「貝塚」駅東口
・案内者:白木江都子評議員・石井久夫学芸員
・天候:
・参加者:27名(留守番電話への問い合わせは14件)
・コース:落合橋〜府立少年の家前〜永楽池〜山〜永楽ダム
・内容:落合橋から林道に入り、観察しながら府立少年の家前(トイレ休憩)をへて、永楽池の横で昼食(12時30分ころ)。昼食後、3つほどのピークがあるハイキングコースをのぼる。頂上からの見晴らしが良く、和泉山脈の地形がたいへんよく理解でき、山地から丘陵・平野・大阪湾まで(この日はぼんやりながら六甲までみえた)の地形がよく観察できた。また道沿いに付近の植生も観察した。

◎「大文字山と京都盆地の地形」(1999年10月17日)
・集合:京阪電鉄「出町柳駅」改札前
・案内者:
杉浦真治評議員,那須孝悌学芸員
・天候:
・参加者:
43名(留守番電話への問い合わせは?件)
・コース:京阪「出町柳」駅〜今出川通〜銀閣寺前〜大文字山〜鹿ヶ谷〜哲学の道
・内容:
吉田山の北側で北白川扇状地の地形を見学。地下に走る断層の話、吉田山のでき方と地層の話。大文字山で、風化したチャートと断層破砕帯を観察。中尾城址の説明、室町幕府終末期の話の説明。篭城用山城跡から引いた水を飲み、断層から出る水の話や鉱泉の話。風化した黒雲母花崗岩とカツレン石(アラナイト)、千人塚:ホルンフェルスの転石とクヌギ林を観察。大文字の文字の中心部で昼食。京都盆地のでき方の話:鴨川扇状地と高野川扇状地および扇状地末端湧水、狐坂下湿地や深泥が池の成因、盆地西縁を走る断層や西縁を走る花折断層の話。北白川の流れと動物園・平安神宮地下の埋没低位段丘とAT火山灰,オオツノジカの足跡の話など

◎「鵜殿」(1999年11月21日)
・集合:阪急電鉄京都線「上牧」駅前
・案内者:
梅原徹評議員,樽野博幸学芸員
・天候:
・参加者:
29名(留守番電話への問い合わせは?件)
・コース:阪急「上牧」駅〜淀川
・内容:
集合後すぐに淀川の土手まで歩く。土手の上で、鵜殿についての概論。どうしてできたか、どう変わってきたか、今の保護策の問題点など。まず本流近くまで出て、本流沿いにゆっくり歩く。ヨシの生育条件や「原野の」植物に希少種が多いことなどを説明。河原におりて昼食。河原では、いろいろな時代の土器片が落ちており、子供はそれがおもしろいらしくたくさん拾っていた。午後は、堤防側にまわり、高槻市のヨシの実験区を見学。北端の堤防へ戻り解散。


合宿

◎西表島(1999年7月30日-8月1日)
・集合:沖縄県西表島船浦港
・日程:
  7月25日午後 事前勉強会
  7月30日午後 船浦湾で干潟の生物とマングローブの観察
  7月30日 夜 船浦の琉球大学の施設で燈火採集
  7月31日午前 浦内の水田周辺の生物の観察
  7月31日 昼 古見の野生生物保護センターを見学
  7月31日午後 大富の仲間川熱帯樹木見本林を観察(ここでは採集禁止)
  7月31日 夜 船浦港周辺で生物の観察
  8月1日午前 ヒナイサーラの滝までの往復(早く帰る人は、途中で引き返す)
・内容:目にする物全てがものめずらしい西表で、「普通の」生きものを十分に楽しむと同時に、日本の中での西表の自然の大切さ・おもしろさを実感として体験する目的で、西表島のさまざまな陸上の環境を観察しました。
 [1日目]船浦湾では、ユムシやキバウミニナ、マングローブ林などを観察(ユムシは味見)。夜の燈火採集では、虫の観察はやや低調だったが、サキシマハブやリュウキュウコノハズクを観察。
 [2日目]浦内では、多くの人がアカショウビンを観察できました。それからリュウキュウヨシゴイやカンムリワシも観察できました。
 古見は祭礼の直後にあたっていたのだが、わざわざ野生生物保護センターを開けて見学させていただきました。またいろいろ興味深い話を聞かせていただきました。松本さん@野生生物保護センターに感謝します。
 昼からの仲間川熱帯樹木見本林では、仲間川の広大なマングローブ林を観察できました。他に観察したのは、コウトウシラン(開花)、オキナワウラジロガシ(琉球列島産カシ類の植物地理の説明)、マングローブの景観、オオバアコウ(絞め殺し植物の説明)、サガリバナ(落花)、セマルハコガメ、サキシマキノボリトカゲ、マダラコオロギなど。ただ林道はとても暑かった。
 夜は、オカガニやヤシガニ、オオコウモリなどで盛り上がりました。
 [3日目]台風が来ていたので、この日に帰る人は早めに引き返しました。もう1泊する人は、結局ヒナイサーラの上まで行き、眺めを楽しみ(?)ました。林内で見た鳥は、キンバトとキビタキとメジロだけ。
 【確認した鳥】リュウキュウヨシゴイ、ダイサギ、コサギ、ムラサキサギ、シロハラクイナ、キアシシギ、エリグロアジサシ、キジバト、キンバト、ズアカアオバト、アオバズク、リュウキュウコノハズク、アカショウビン、ツバメ、サンショウクイ、ヒヨドリ、セッカ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラス
 【確認した両生爬虫類】ミナミイシガメ、セマルハコガメ(あちこちが観察されたようです。大富とヒナイサーラへの林内で捕まえた個体の、背甲の後縁辺りに大きなダニが付いていた)、ブラーミニミミズヘビ、サキシマアオヘビ、サキシママダラ、サキシマハブ、ホオグロヤモリ(夜になるとあちこちで鳴いていました)、ミナミヤモリ、サキシマキノボリトカゲ、サキシマカナヘビ、サキシマスベトカゲ、イシガキトカゲ
 【確認したその他の動物】ヤシガニ、オカガニ、ミナミオカガニ


その他

◎吉野川の干潟と湿地〜ウォーキング&ウォッチング(1999年5月2-3日)
・集合:JR徳島駅
・日程:
  5月2日昼間 吉野川河口部(吉野川橋より下流)で干潟の生物の観察
  5月2日夕方 松茂の大谷川周辺のハス田の生物の観察
  5月3日朝方 JR板野駅〜第十堰の旧吉野川周辺の田園の生物の観察
  5月3日昼間 第十堰〜名田橋の河川敷の生物の観察
・内容:JR徳島駅から吉野川河口まで、JR板野駅から第十堰を経由して名田橋まで、ととてもたくさん歩きました。
 [1日目]吉野川橋から川に降りて、右岸沿いに海に向かって歩いた。前半は積石の護岸とその直上の湿地が中心。フジツボやコウロエンカワヒバリガイ、ウネナシトマヤガイなどの付着生物。やがて眼下に干潟がひろがり、ヤマトオサガニやアシハラガニなどを観察。吉野川大橋から下手では運動公園を取り囲むように干潟とヨシ原がさらに大規模にひろがり、シオマネキやヤマトオサガニ、トビハゼを観察することができた。稀少種のクシテガニなども出現した。城東町の水門の周辺では、ハナグモリやソトオリガイが見られた。確認したシギ・チドリ類は、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、ハマシギ、コオバシギ、キアシシギ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、チュウシャクシギの10種でした。
 大谷川周辺では、タシギやムナグロなどの鳥や、サナエタデやエビモなどの植物を観察した。
 [2日目]JR板野駅〜第十堰では、ツクシスズメノカタビラやコギシギシなどの水田や畑の植物を観察。
 第十堰周辺では、魚道には遡上中のアユが黒い塊になって群れていた。堰付近の石やコンクリートにはイシマキガイが単独で優占。クロベンケイガニやマガキも確認され、海水がここまで及んでいることを示していた。
 第十堰〜名田橋では、向かい風が強く歩くのが大変だった。あまり観察するどころではなかった。

◎靱公園セミのぬけがらしらべ'99(1999年9月5日)
・集合:靭公園(大阪市西区)の四つ橋筋入口
・天候:
・参加者:
117名
・内容:大阪市西区の靭公園で毎年恒例のセミのぬけがらしらべをしました。今年で7年目。集めたセミの抜け殻は36702個。1995年に次ぐ大発生でした。そのうち49.1%がクマゼミでした。集めた抜け殻は、大阪市立自然史博物館へ持ち帰り、特別展示室前のギャラリーに置いた1トン水槽に入れて展示しています。

◎昆虫採集入門講座「信太山でアカトンボを調べよう」(1999年10月17日)
・集合:信太山丘陵(JR阪和線の最寄り駅に集合)
・天候:晴時々曇
・参加者:
27名
・コース:JR北信太駅〜大野池〜蔭涼寺〜惣ヶ池東湿地保全地区〜惣ヶ池水源地
・内容:
大野池でタイリクアカネを探す。湿地保全地区では多くのアカトンボが見られ、昼食時には上空をギンヤンマが高く舞い上がって行く光景を観察した。水源地周辺でも観察をして解散。

◎「友の会のつどい」(1999年12月19日)
・場所:大阪市立自然史博物館
・参加者:
?名
・内容:午前は、作った学芸員自らが語る博物館常設展のウラ話と、展示の間違い探し。昼食に、こだわりおでんを食べて。午後はオリエンテーションホールで、班対抗のクイズ大会。○Xクイズや近似値クイズなどなど。自然史や博物館関係の難しい問題を出題。それなりに盛り上がったけど、寒かった(休館中で暖房が入らなかったので…)。


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