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本の紹介「雷鳥が語りかけるもの」

「雷鳥が語りかけるもの」中村浩志著、山と渓谷社、2006年9月、ISBN4-635-23006-6、1500円+税


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【六車恭子 20070222】
●「雷鳥が語りかけるもの」中村浩志著、山と渓谷社

 カワラヒワ、カッコウ研究の第一人者が半世紀近くかけてたどり着いたライチョウ研究こそ、恩師羽田健三氏の生涯をかけた仕事だった。日本のライチョウの生息域は世界の最南端に位置し、その高山の自然こそ世界遺産に登録するに値すると確信するまでの著者の軌跡は、図らずも昔気質の恩師の語らずして逝った遺志を見いだす旅だったろうか。ライチョウの学名「ウサギ足のだんまり屋」が日本の高山という楽園で生き続けるための挑戦は羽田氏から著者へとバトンは受け継がれた。この本は遅ればせに届けられた恩師への詫び状のようであり、しかもライチョウ保全への思いが地熱のように脈打って心地よい。

 お薦め度:★★★★  対象:ライチョウのことを知りたい人もそうでない人もぜひ

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