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本の紹介「漂着物学入門」

「漂着物学入門 黒潮のメッセージを読む」中西弘樹著、平凡社新書、ISBN4-582-85025-1、680円+税


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【光田知恵子 20021030】
●「漂着物学入門」中西弘樹著、平凡社新書

 海へ行くと思わず拾ってしまうものがある。ビーチグラスといわれるガラスの破片である。波にもまれて無数の傷を受けたガラスは、半透明になり、美しく色のついた石のようになる。私の場合は、ただそれを集めているだけであるが、本書の著者は漂着物が何を表しているのか科学している。海流による植物の種子散布や虫の移動、人の暮らしと文化、海洋汚染の問題など、漂着物から広がる話題は多岐に広がる。長年重ねられた研究の成果だからわかる、人間と環境の変化、守るべき海岸の存在も見えてくる。本書を読んだ後、海岸を歩けば、「漂着物は海流の落とし子」という著者の気持ちがわかることだろう。
 
 お薦め度:★★★  対象:中学生以上、海へ行く前に


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