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本の紹介「伝統野菜をつくった人々」

「伝統野菜をつくった人々 「種子屋」の近代史」阿部希望著、農山漁村文化協会、2015年12月、ISBN978-4-540-14195-9、3500円+税


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【和田岳 20160226】
●「伝統野菜をつくった人々」阿部希望著、農山漁村文化協会

 作物などのタネを扱う「種子屋」は、江戸中期に始まったという。タキイ種苗にサカタのタネなど、現在の種子屋もその頃にルーツを持つ老舗が多いという。軽くて、それなりの値が付くタネは、行商や通信販売に向いていて、世界でも日本でも、最初の通信販売はタネだったという。
 で、明治から昭和初期にかけての種子屋の商売の変遷を、一般書には多すぎるくらいの一次資料に基づいて紹介してくれる。
 種子屋の歴史は、都市の歴史。野菜の大消費地である都市のの周辺に野菜農家が形成され。都市が巨大化して野菜のニーズが高まる中で、野菜農家は都市に販売する用の野菜生産に特化し、種子屋からタネを買うようになった。当初の種子屋は、自らタネを生産していたが、農家にタネを委託生産するようになり、やがて農家への委託を採種管理人に任せるようになる。この本では、東京近郊の種子問屋、採種管理人、新潟の種子小売り業者の3つのタイプの種子屋が資料に基づいて紹介される。
 なにより驚いたのは、かつては日本中でダイコンばかり生産していたこと。そして、日本人が一人平均月に4本もダイコンを喰っていたこと。

 お薦め度:★★  対象:関西人であれば、JR京都駅のところにタキイ種苗って看板の出てる建物があるのを知ってる人
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