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本の紹介「都会の鳥の生態学」

「都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰」唐沢孝一著、中公新書、2023年6月、ISBN978-4-12-102759-7、1050円+税


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【和田岳 20231026】【公開用】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 著者は、学校の先生をするかたわら、長年関東で都市の鳥を研究してこられて、沢山の著書がある。御年80歳。長年の研究成果と経験に基づいて、関東を中心に街中の鳥の暮らしを紹介した一冊。
 イソヒヨドリ、ツバメ、スズメ、水鳥、カラス、猛禽類と、次々とさまざまな鳥が取り上げられる。話題は多岐にわたり、さほどストーリーはないので、移り変わるトピックを楽しんでいけばよい。
 マンホールの穴で虫を採るジョウビタキ、スズメがヨモギなどの緑葉を巣に運ぶ、というのは大阪でも探してみたい。関東でもカラスがシカの毛を抜いて巣材に使い、関東ではコサギまでもが釣り人の側で待機して魚をもらってるとは知らなかった。

 お薦め度:★★★  対象:街中の鳥に興味のある人
【里井敬 20231026】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 都会の鳥はヒトとの距離を考えながら暮らしている。一番身近なスズメは、ヒトの近くで暮らしているようで、ねぐらも繁殖の巣も見つからないようにしている。それに対してツバメはヒトに守ってもらう前提で巣作りする。農耕生活を始めた時からの長い歴史のせいだろう。それに対して、タカの仲間はここ数十年で自然の崖から都心のビルに進出している。これもヒトと関係している。都会で見られる鳥の生活を解説した本である。

 お薦め度:★★★  対象:都会でのバードウォッチングが好きな人
【冨永則子 20231025】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 自然の環境から離れた都会にも鳥たちが暮らしている。鳥に全く興味のない人でも誰もが知っているカラスやスズメなど、都会に生息する鳥を「都市鳥」とネーミングして観察情報を積み重ね、都市を舞台に展開する野鳥の生態を明らかにしていく。都市環境を舞台に繰り広げられる鳥の生活は人との関係なしには成立しない。矛盾するようにも思われるが野鳥たちは人の存在を付かず離れず、非常にうまく利用している。ツバメ、スズメ、水鳥、カラス、猛禽たちがいかに人の暮らしの直ぐ側で繁殖し、世代を繋いでいるかを長年の観察記録で実証していく。ともに都会で暮らす仲間として鳥たちの行動にちょっと目を向けてみませんか?

 お薦め度:★★★  対象:あのカラス何してるのかなぁ?と思ってるアナタに
【西村寿雄 20231024】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 都会に住む身近な鳥の生態についてくわしく述べられている。身近な鳥であるツバメ、スズメ、カラス、それに水鳥まで、時代の変化もまじえて鳥たちの変化をくわしく書かれている。個体識別をするなどして鳥と鳥や人間との関係をさぐっている点がおもしろい。鳥たちは意外な人工物をたくみに利用して命をつないでいる。主に東京都心観察が中心だが全国の都会にも通じるだろう。最近都市へ進出してきた鳥の例としてイソヒヨドリや猛禽類のことも書かれている。猛禽類とカラスとのバトルも面白い。

 お薦め度:★★★  対象:都会の鳥に関心ある人
【西本由佳 20231023】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 都会は自然が少ないから鳥も少ないと思いがちだが、適応できる鳥にとって、都会は住みやすい面もある。もともと人のそばで人に大切にされて暮らしてきたツバメ、人への警戒心を持ちながらも人のいる環境にしか住まないスズメ。それだけでなく、外来生物や給餌に対応した水鳥や、ビルを岩山に見立てたイソヒヨドリやハヤブサ、街で育ってきた樹木に巣をつくるようになったオオタカやツミなど、適応の仕方は様々だ。石ころの転がる裸地などで巣をつくるコアジサシやコチドリが、工事現場など一時的な環境に身を寄せることもある。一方で、草原性の鳥などが減っている現実もある。都会にすべての鳥が適応できるわけでなく、また都会に適応した鳥にもロードキルや人との軋轢など問題もある。野生生物との共存には様々な課題があるようだ。

 お薦め度:★★★  対象:街の鳥たちの現状を知りたい人
【森住奈穂 20231222】
●「都会の鳥の生態学」唐沢孝一著、中公新書

 都会で見かける鳥といえば、スズメ、ハト、カラスが御三家だろう。しかし主役は絶えず入れ替わり、都市の鳥には栄枯盛衰があることが著者自身の観察をもとに記されている。スズメやツバメの営巣場所が少なくなっていることは想像に難くないが、なかでもこの20年の 東京23区のカラスの激減ぶりはすさまじい。生ゴミ減少が最大の要因だそうだが、なんでも食べるカラスならではの、人の暮らしとの相互関係がよくわかる。その他、意外にもさまざまな鳥が都会暮らしの術を開拓しており、関心を持って見渡せば、新たな発見につながるかも知れない。

 お薦め度:★★★  対象:身のまわりの鳥を気にしているひと
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