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本の紹介「日本海のはなし」

「日本海のはなし」蒲生俊敬文・いしかわけん絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年5月号、667円+税

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【中条武司 20190828】【公開用】
●「日本海のはなし」蒲生俊敬文・いしかわけん絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年5月号

 狭い海なのにとても深い日本海。平均水深1667mもあるんですね。でも、まわりの海とはとても狭くて浅い海峡でつながっている。その狭い海峡があることで日本海の水が循環し、日本にたくさんの雪を降らせる。他にも日本の自然や生き物にも大きな影響を与える日本海。大きな意味での日本海の大切さが分かる本。

 お薦め度:★★★  対象:大きな自然観を養いたい人
【冨永則子 20190826】
●「日本海のはなし」蒲生俊敬文・いしかわけん絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年5月号

 日本列島の直ぐ西側には日本海がある。東に拡がる太平洋に比べるとちっぽけな海に見えるが、私たちの暮らしにはなくてはならない大切な役割を果たしている。日本海は小さいがとても深く、周りの海とは表面でしかつながっていない。周りから区切られた小さなプールのような独立した海なのだ。小さくて深いプールのような日本海の海水も大変ゆっくりではあるが動いている。巨大な海洋では1000年から2000年という時間をかけて世界を一周するが、日本海では約100年で一周している。日本海は世界の海のミニチュア版といえる。その日本海の表面温度が過去100年の間に1〜2℃高くなり、海底の酸素量が減ってきている。日本海で起こる異変はやがて世界規模で発生する異常への警告ともいえる。日本海が私たちの暮らしに恵みを与えてくれることを簡潔に解説してくれている。

 お薦め度:★★★  対象:日本海って、なんか地味やんって思ってる人に
【西本由佳 20190825】
●「日本海のはなし」蒲生俊敬文・いしかわけん絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年5月号

 日本海の地学的なことがらがまとめられている。日本海のかたち、対馬暖流と季節風、雪解け水、海水の循環と酸素、世界の海のミニチュア版としての日本海、そして日本海の成り立ち。日本海は小さな海だけど大切な役割をもっている。また、小さな海だけに、気温の変化に敏感で、温暖化の影響をすでに受け始めているという。もっと気に留めなければいけない存在なのだと感じさせられた。

 お薦め度:★★★  対象:地理を習い始めたら
【森住奈穂 20190829】
●「日本海のはなし」蒲生俊敬文・いしかわけん絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年5月号

 とてもわかりやすく、日本海について教えてくれる。日本海の海底のかたちについて。日本海を流れる海流について。天気について。海水の沈み込みと地球温暖化の関係について。日本海と日本列島の関係がよくわかる。絵もシンプルでわかりやすい。男の子と女の子が出てくるけれど、いっさい話さない。語り部が変わらないところがわかりやすさの秘訣かも知れない。子どもだけで電車に乗って日本海へ遊びに行っているから少し心配になるけど、帰りみち、遊び疲れた二人の様子はとても満足そうだ。車窓には夕陽が沈む日本海。なんだか懐かしい気持ちになる。

 お薦め度:★★★  対象:地理のこと始めに
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