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本の紹介「校庭のコケ」

「校庭のコケ」中村俊彦・古木達郎・原田浩著、全国農村教育協会、2002年9月、ISBN4-88137-092-8、1905円+税


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【和田岳 20050419】【公開用】
●「校庭のコケ」中村俊彦・古木達郎・原田浩著、全国農村教育協会

 校庭周辺など身近な場所にある蘚苔類と地衣類あわせて190種が紹介されています。第1部はコケの探し方、第2部が図鑑。第3部では、コケの調べ方が解説されます。コケの顕微鏡観察の仕方から標本の作り方まで説明されていて、コケ入門書としてはけっこうすぐれもの。というか、お手ごろ価格での類書はありません。
 もちろん、ぼんやりコケの写真をながめているだけでも楽しい。が、なんとなく絵合わせで種名を調べようとしても無理。やっぱり顕微鏡でちゃんと観察しないといけないらしい。

 お薦め度:★★★  対象:コケを勉強したい人

【田中久美子 20050421】
●「校庭のコケ」中村俊彦・古木達郎・原田浩著、全国農村教育協会

 1部は、コケとは…に始まってコケ、地衣、コケでないコケの説明があって、次にコケのいそうな場所、さがすポイントを示してくれる。
 2部は、コケ、地衣図鑑
 3部は、コケの調査から考察の手引き、顕微鏡観察の方法、標本作り。付録に顕微鏡で同定するときの特徴の図解。とコケ観察を始めるための資料はいちおう全部揃えてくれてるという実用本。
 これからコケ観察を始めたい人にはもってこいの本!

 お薦め度:★★★★  対象:さあコケ観察を始めてみましょう!

【田中久美子 20050224】
●「校庭のコケ」中村俊彦・古木達郎・原田浩著、全国農村教育協会

 「苔の話」で興味を持ったら、今度は実際に観察してみよう。というわけで、コケ屋さんからもススメられた。実践的観察入門書がこれ!
 居そうな場所、探し方、見分け方のポイント、顕微鏡観察の手引きと同定する時の特徴もていねいに書いてくれてるので、初心者には強い味方になってくれそう。

 お薦め度:★★★★  対象:コケ観察を始めたい人に

【六車恭子 20050422】
●「校庭のコケ」中村俊彦・古木達郎・原田浩著、全国農村教育協会

 私たちがコケと呼ぶものにはセンタイ類と地衣類が含まれ、あわせて4000種にのぼるらしい。面白いことに生物の系統からみると二つは懸け離れた系統に属するという。センタイ類が光合成をおこなう植物の仲間で、地衣類は菌類の仲間になる。また藻類やシダ植物にもコケの名前を冠するものがあり、私たちはふだんひっくるめて「コケ」と呼んでおり、ここでは「コケでないコケ」として紹介されている。学校の校庭でみられる「コケ」たちを探し、見い出し、楽しむハンドブックという体裁だ。
 私たちの身近で密かに繁栄し続けるコケの復権を願ってコケを愛する研究者による待ち望まれていた入門書であろう。

 お薦め度:★★★  対象:ミクロとマクロを繋ぐ思索を好む人に

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