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本の紹介「ホネホネすいぞくかん」

「ホネホネすいぞくかん」西澤真樹子解説・大西成明写真・松田素子文、アリス館、2010年7月、ISBN978-4-7520-0506-3、1500円+税


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【西村寿雄 20100905】【公開用】
●「ホネホネすいぞくかん」西澤真樹子解説・大西成明写真・松田素子文、アリス館

 好評の『ホネホネ…』シリーズの3冊目。今度は海の中の生きものの骨である。
 まず、「むかし むかし…、ホネをもつ さいしょの いきものは いったい どこで うまれたんだろう―?」と問いかけて、ぞくぞくと海の生きもののホネが登場する。アカエイ、シマオコゼ、シイラ、ヒラメ、ハリセンボン、シマガツオ、それぞれ特徴のある骨格を持つ生きものたちが並ぶ。オコゼにはさすが上に大きな目玉の穴が二つあいている。フグの仲間(ハリセンボン)には肋骨がない。
 頭骨の比較もある。魚の種類によってこんなにも頭や口の形は異なるのかと感心させられる。なんといっても恐ろしいのはサメとピラニアの歯。歯の一つ一つにあるギザギザはまるでノコギリの歯だ。
 最後に海の哺乳類が登場する。こちらは、さすが陸上の哺乳類とそっくりである。立派なクジラの骨でしめくくっている。ホネから空想の輪が広がる。

 お薦め度:★★★★  対象:小学低学年からホネ好きの大人まで

【六車恭子 20101029】
●「ホネホネすいぞくかん」西澤真樹子解説・大西成明写真・松田素子文、アリス館

 ホネホネシリーズの第3弾。白い魚類の骨が黒や水色やシルバーグレーの背景に並んでいる。水玉模様の泡が添景で添えられて画面に動きを与えている。命の生まれた広大な海はまさに生き物の宝庫。ページをめくりながら、骨に肉付けして身近な生き物に生まれ変わらせるには、まきこ隊長の解説の項、水族館の曼荼羅図までまたねばならない。骨の持つ形態の魅力だけで引っ張り、「水族館へいこう!」と誘う、ホネのふるさとへの招待状になっている。

 お薦め度:★★★  対象:ホネ好き、海好き

【和田岳 20101028】
●「ホネホネすいぞくかん」西澤真樹子解説・大西成明写真・松田素子文、アリス館

 「ホネホネたんけんたい」「ホネホネどうぶつえん」に続く、ホネの写真絵本第3弾。今回のテーマはタイトル通りに水の動物。前半は魚の写真が中心で、後半はクジラや海獣が並ぶ。間にウニやサンゴの”ホネ”も混じる。後ろには、例によってマキコ隊長による解説が8ページ。
 27-30ページの見開きにどどーんと出ているナガスクジラの全身骨格は、大阪市立自然史博物館の表にぶら下がっているナガスケ。上手に合成して、ポーチの柱を消している。宣伝してもらえてありがたい。が、32ページのクジラの尾椎を顔に見立てて可愛く並べるのは、おいらが「ホネホネたんけん隊」展でやったののパクりではないか! ゆるせん! といっても、その特別展のタイトル自体が、アリス館の絵本のタイトルのパクりなので、あまり強くも言えない…。

 お薦め度:★★  対象:ホネホネに興味がある人、マキコ隊長ファン

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