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本の紹介「ハクセキレイのよる」

「ハクセキレイのよる」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2022年2月号、400円+税


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【西村寿雄 20220428】【公開用有】
●「ハクセキレイのよる」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2022年2月号

 ハクセキレイはたいてい昼は単独で飛び跳ねているが、夜になると集団で大きな木の中に潜りこんで〈ねぐら〉をつくる。そのハクセキレイの昼から夜にかけての行動が描かれている。都会のコンクリートビルの屋上に一匹がまず止まる。すると、やがて2羽、3羽・・とどこからともなく集まってくる。しばらくすると10羽、20羽・・絵本では50羽ぐらい近くの木に集まる。ハクセキレイはねぐらに向かう。絵にも特徴があり、白黒の鳥の姿を浮き立たせる工夫が凝らされている。白、黒、強調された絵がとっても効果的だ。今後、注意して街散歩を楽しみたい。

 お薦め度:★★★  対象:野鳥好き子どもから大人 知りたい人
【冨永則子 20220424】
●「ハクセキレイのよる」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2022年2月号

 夕暮れ時、駅前のビルの屋上に一羽のハクセキレイが降り立った。と思う間に、何処からともなく次々とハクセキレイがやってくる。そして、あたりが暗くなる前に駅前のロータリーの木に移動する。そこがハクセキレイたちの寝床だ。周りを車が走るので外敵のネコなどが近づく心配もない。このように集団で夜を過ごす場所を“集団ねぐら”と呼ぶ。ハクセキレイを初め、サギ、カラス、ツバメ、ムクドリなどは数十羽から数百羽、時には数万羽が集まることもある。なぜ集団ねぐらを作るのかは、はっきり分かっていないらしい。しかし、日中はバラバラに生活している鳥たちが夜になると仲間で集まり、一夜を過ごすという行動様式は幼い子にも理解できる…のかなぁ?  ツバメやムクドリ、カラスの集団ねぐらは、よく見聞きするし、実際に見たこともあるが、ハクセキレイなどセキレイ類も集団ねぐらを作るのは知らなかった。大阪のハクセキレイたちは何処で夜を過ごしているのだろう?

 お薦め度:★★★  対象:鳥や生き物のくらしに興味がある子に 知りたい人
【西本由佳 20220430】
●「ハクセキレイのよる」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2022年2月号

 街中で眠るハクセキレイがいる。ビルの屋上に集まってから、車道で囲まれた植込みの街路樹に入っていく。そこは天敵の来ない安全な場所。ハクセキレイは最近、「駐車場の鳥」といわれるほど人のそばに来るようになっているが、眠るときも人のそばを利用している。鳥たちの行動の変化が興味深い。

 お薦め度:★★★  対象:鳥はどこで眠るのだろう、と思ったら 知りたい人
【和田岳 20220506】
●「ハクセキレイのよる」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2022年2月号

 夕方、駅前ロータリーの木に、ハクセキレイが集まり、一晩過ごして、朝飛び去っていく。それだけなのだけど、とても丁寧にリアルに描かれている。まずは周囲のビルの上に集まってから、木に移る。数百羽のハクセキレイが集まっていても、多くの人はほとんど気付いていない。ハクセキレイは、性別や年齢で色や模様が違う。背や頭が灰色だったり、黒かったり。幼鳥は顔が黄色っぽかったり。胸の黒斑の大きさが個体によってさまざま。描かれているハクセキレイも、1羽1羽少しずつ違ってる!

 お薦め度:★★★  対象:鳥好き 知りたい人
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