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本の紹介「僕とアンモナイトの1億年冒険記」

「僕とアンモナイトの1億年冒険記」相場大佑著、イースト・プレス、2023年1月、ISBN978-4-7816-2155-5、1500円+税


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【西本由佳 20230814】【公開用】
●「僕とアンモナイトの1億年冒険記」相場大佑著、イースト・プレス

 勉強に興味の持てなかった青年が、昔好きだった古生物を学ぶことを思い立って大学院に入り、調査をし、論文を書いて、学芸員に就職し、企画展をするまでを書いた話。アンモナイトは群れで泳いでいたかもしれないと想像する研究者もいるらしい。異常巻きアンモナイトは巻き方の変わったアンモナイトだが、別に突然変異というわけではなく、そういう形の種らしい。アンモナイトは著者の研究対象だが、本の主題は青年の成長物語のようだ。タイトルからなんとなく、アンモナイトの生態や進化史を研究して解き明かしていくお話と思って読み始めると少し寂しいことになる。

 お薦め度:★★★  対象:アンモナイトの研究とは何をするのか知りたい人
【冨永則子 20230805】
●「僕とアンモナイトの1億年冒険記」相場大佑著、イースト・プレス

 国内最大級のアンモナイト展示がある三笠市立博物館の主任研究員である著者が歩んできた“冒険物語”。ポケモン好きの少年が不順な動機で数学科に進んでは見たものの先が見えず、大学院から幼い頃に好きだった古生物学の道を選択することで“学ぶ”ことに開眼し、アンモナイトの新種を記載する研究員となり、巡回展を企画する学芸員になるまでのお話。どんなことにも出会いとタイミングがあって、人との繋がりは大切にしないといけないってこと。やはり、偶然は必然ってことかな?

 お薦め度:★★★  対象:進学や就職など、進路に悩む高校生や大学生に
【西村寿雄 20230815】
●「僕とアンモナイトの1億年冒険記」相場大佑著、イースト・プレス

 大学3年生になった著者は進路について悩んだ時、子どもの頃読んだ恐竜関係の本を見て古生物関連の研究がしたいと思うようになった。たまたま大学で見たアンモナイトがきっかけでアンモナイトの研究を始めた。大学卒業後、幸運にもアンモナイト化石を主として展示している三笠博物館(三笠市)に就職した。その後異状巻アンモナイト研究などに打ち込んだ。アンモナイト研究に半生を打ち込んだ著者の生きざまを綴った本。古生物学を研究するということは一つの「冒険の旅」と若い人に語りかけている。文字は小さいが古生物に興味のある中学生なら十分に読める。

 お薦め度:★★★  対象:古生物研究を志す中・高・大学生
【和田岳 20230704】
●「僕とアンモナイトの1億年冒険記」相場大佑著、イースト・プレス

 なんとなく数学科に入ったけど、勉強もしないのでついていけない。で、大学院では化石研究を志す。アンモナイトの縫合線の意味を検討し、テトラゴニテスの密集産状の謎を考え、北海道の博物館の学芸員になってからは、異常巻きアンモナイトの記載を行う。
 ダメ学生だった自分が、一人前の研究者になりました。博物館でも頑張ってます。という自分語り。アンモナイトや化石研究の様子は描かれるが、それを普及しようという感じでもない。誰に向けて書かれた本なんだろう? 化石の産出状況などから生態を推定する話は面白そうなのになぁ。

 お薦め度:★★  対象:アンモナイトが大好きな人
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