近頃の自然史博物館

2005年7月8月9月10月11月、12月

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2005年12月

2005/12/31
 昨日以上に人のいない博物館。それでも警備員さんはいるし、学芸員も二人いた。


2005/12/30
 休みの博物館。今日は他に3人見かけただけ。静かで仕事がはかどる感じです。雑用をどんどん片付けていく。年内にする予定の仕事をリストアップしたら膨大なものに。年内は無理みたいです。しかし、年が明けたらできるという保証もないし…。

2005/12/29
 博物館は年末年始の休みに入りました。今日、他に見かけた学芸員は3人だけ。でも、なぜか客は多かった。
 標識調査の合間に、コンピューターの引っ越しの準備。いままでしつこく古いパワーマックを使っていたけど、いつまでもOS9というわけにもいかないらしく、新しいマックに移行。メールの移行が面倒なので放って置いたんやけど…。メールは古い方で、確認しようかなー。

2005/12/28
 「和田の鳥小屋」のトップページに、カウンターを付けてみました。いったい1日に何人訪問してるのか知りたくなってきたから。カウンターなら、博物館のトップページに付いてるからいらないと思ってきたけど、どうもいろんな意味でアピールするためには、少なくともデータを得ておく方がよさそうなご時世になってきたようです。
 うまくカウントできてるのかは、少し心配。いやそれよりもカウンターを維持できるかが心配。このサイトを作るのに使ってるソフトと、JavaScriptとの相性が悪いらしく、一々ソースモードでカウンターのスクリプトを貼り付けないといけない。面倒〜。

2005/12/26
 明日は、年に一度の研究室の掃除です。研究室の中身を、掃除しない部屋や廊下に出さなくてはなりません。そのためには、まず廊下を片付けて、次に研究室の中も片付けて。日頃散らかしているので、とーっても面倒です。早めに片づけを始めればいいのに、大部分の人は前日になってようやく片付け始めます。まあ、他人のことは言えない。夕方になって焦り出してきました。

 昼間は、何人か集めて鳥の皮むき大会をしていました。おかげで、夕方になっても、その後片付けと登録作業が待っていて、登録するためには受入作業(サボっていたので…)もしなくては…。

 さらに、明日が今年最後の開館日ですが、毎年年末には第4展示室に展示している穀類の薫蒸があります。べつにその担当ではないのですが、冷凍室で薫蒸するためには、冷凍室を片付けなくてはならない…。そして冷凍室の大部分を占拠しているのは鳥や哺乳類の死体なのです…。冷凍室を片付けるには、通路に山のように積まれた中身を出してきて、整理して必要な物はもう一度戻す。同時に霜取り作業。気が遠くなりそう〜。
 一人ではとてもできなかったでしょうが、ホネホネ団団長が参入してくれたので、3時間ほどで完了。助っ人大感謝! 結局なんと、一番大きなテンバコ7つ分の霜(というか、パウダースノー)を捨てました。整理したら、ちゃんと片づいて、薫蒸するスペースが空くから不思議。霜取り後の冷凍室は、とっても明るくなりました。
 しかし、寒かった冷たかった。なんせスリッパ履きでマイナス40度の世界はきつい。

 そんなこんなで、夜も更けてからようやく研究室の片付けに着手。動かすつもりのない机の上の物はどうでもいいので、外に出す予定のテーブルの上や下の物を片付ける。謎の箱の団体、怪しい書類の山などを適当に処理してから、向かいの部屋に物を運ぶ。また、3時間ほどかかった…。

2005年11月

2005/11/29
 「恐竜博2005」の総入場者数が判明しました。約24万4千人。25万人には少し届かなかったか〜。でも、この数字はここ数年の、当館の年間入場者数よりも多い。こんな機会でもないと、博物館に来てくれなかった人も多いだろうし。ついでに多少なりと博物館の他の部分も知ってもらえただろうし。さらに近所の人に、長居公園に大阪市立自然史博物館があるんだ!ってことが、それなりに浸透したんじゃないかと思います。そういった意味では、収入がどうこう、恐竜学の普及がどうこう以前に、博物館の広報という意味で成功だったと思います。
 ちなみに「恐竜博2005」は、入場者数も多かったけど、広報もバンバンうって、かかっている費用も多い。大雑把に言えば、普通の当館主催の特別展の約25倍の経費がかかっている。コストに対する入場者数(ある意味での普及効果)で比較するなら、「恐竜博2005」が成功なら、主催展は1万人の入場者数で成功と言うことになる。この基準なら、今年の「なにわのナチュラリスト」展はともかく、他の主催展はすべて成功ってことになる。入場者が2万人近くにもなった「実物 日本鳥の巣図鑑」展なんか、「恐竜博2005」をしのぐ大成功のはず。
 でも、ぜんぜん成功と言ってもらえないのは、普及効果ではなく、商業的成功が求められるから。じゃあ、かかっている経費に対する入場者数は充分(「恐竜博2005」は黒字になって、この評価でも成功!)なのに、赤字になってしまうかというと、原因は二つ。一つは入場料が安い。「恐竜博2005」の入場料は900円、主催展は300〜400円程度が普通(半分以下!)。もう一つは、有料入場者の割合が低い。「恐竜博2005」は40%以上が有料入場者、それに引き替え主催展の有料入場者数の割合は20%前後(半分弱〜)。この二つの要素のおかげで、「恐竜博2005」に匹敵する収益(入場料/経費)を上げるには、控えめに言っても経費に対する総入場者数の割合を「恐竜博2005」の4倍にする必要が…。
 ハイコスト・ハイリターンの特別展というのを初めて体感して、いろいろと考えさせてもらったのも、今回の成果の一つかな。


2005/11/28
 昼間は出かけていて、夕方戻ってきました。もうスーは片付けられたかな〜、とネイチャーホールをのぞいてみたら、周りに足場が組まれているけど、まだスーはそのまま立っていました。これがスーの見納めかな。
 他の小物は、すでにかなり片付けられていました。

2005/11/27
 ついに恐竜博2005最終日。連日大勢の人がやってくるお祭りのような2ヶ月が終わったら、いつもの博物館に戻るわけだけど、きっと人が少ない〜、と寂しく感じるんだろう。
 さて、最終日なので、これが最後のチャンスとばかりに大勢の人が殺到して、入場待ちの行列が長く延び、最終入場がとっても遅くなり、博物館は延々と開館時間を延長。さらに、ミュージアムショップも大混雑で、なんでもかんでも飛ぶように売れる。
 かと思いきや、ぜんぜんそんな事はなく、完全に肩すかし。たしかに入場待ち行列はできたけど、せいぜい1時間ちょっと待ち。開館時間の延長は、午後5時半までの1時間だけ。ミュージアムショップも大混雑になれた店員的には、むしろ暇なくらい。11月の土日・祝日の中では、一番空いていたのでは? 最終日は混むと予測して避けた人が多かったんでしょう。結果的に一番混んだ日は、11月23日でした。
 まあ、ミュージアムショップの売り上げが伸びなかったのは、恐竜博後に恐竜物をあまり残したくなかったので、商品の入荷を手控えたから。はっきり言って売る物が、あんまりなかったんですね。

2005/11/23
 恐竜博2005も残り5日。早めに平日に来れば空いていたのに、昨日からは平日も混み始めました。そして、今日もえらいことに。昼頃には入場待ちの列が、延々と延びました。特別展会場入口から植物園入口を経由して、植物園を反時計回りにクルーっと回って、博物館の通用口を越えて、ローソンのある信号を越えて、次の信号も越えて…。待ち時間は3時間! ざっと数えたところ、1200人以上は並んでいたと思う。
 で、午後4時までに並んだ人は入場できるわけで、最終入場は午後5時半。結局閉館したのは午後6時でした。1時間半の時間延長。史上最高を更新です。
 最後の土日がどうなるのか、今からドキドキです。最終日の閉館時間は、午後7時を過ぎるのではないかとの憶測がすでに飛んでいます。

2005/11/20
 土日・祝日の恐竜博2005の入場者数は、相変わらずすごく多い。ただ、頭打ちにはなっているようで、一日入場者数は、いまだ1万人を越えない。まあ、越えたら大変なことになりそうなので、越えなくていいんだけど…。
 越えなくても大変には違いなくて、今日の昼過ぎには、入場待ちの行列が延々と延びて、博物館の通用口を越えていた。300mくらいはあるってことかな? 
 残るは23日の祝日と、最後の土日。まだスーを見てないから、見に行こうという方、できれば、平日に〜。

2005/11/13
 土日・祝日には、恐竜博2005の入場待ちの長い列ができるわけだけど、午後4時に並んでいたら、とにかく入場はできることになっています。最後の人が入場してから30分後に閉館、というように閉館時間を延ばします。今日は、閉館時間が午後5時15分。45分の延長でした。閉館の頃には、外は真っ暗。外が真っ暗なのに、館内に入館者がいるという状況は、初めてと言っていいかも。珍しい光景だ〜。

2005/11/3
 恐竜博2005の入場者数、待ち行列の長さ、ミュージアムショップの売り上げ、いずれも最高記録を更新。入場者数は、あと少しで大台の約9800人。入場待ちの行列はついに2時間半を記録。列の長さは一日の間でも伸びたり縮んだりするらしいが、相当待たないと入場できないのは確か。
 2時間半並んで900円払って、10分ででてくるということすらあるらしい。さらにオフィシャルショップのレジ待ちが、15分越え。並びに来たとしか思えない。車で来たら、さらに駐車場に入るのに並ぶらしい。
 というわけで、週末と祝日はお薦め出来ません。スーに会うならぜひ平日に。そろそろ遠足シーズンも終わるので、午前中でもさほど込みません。ただし、ぼちぼち平日でも混雑するようになってきました。できるだけ早めに来た方がいいかも。

2005/11/1
 午後1時、M学芸員と車に乗って博物館を出発。午後2時、現地に到着。問題のウミガメは、昨日、日本ウミガメ協議会が先に解剖して、胃内容の確認をしたそうな。もうかなり腐っていて、とーっても臭い。背甲長約85cm。頭をいれても1mちょっととさほど大きくないので、シートにくるんで、大きなビニール袋に詰めて、やや後悔しているM学芸員の車に積み込んで、帰ってきました。
 帰ってきたら、とにかく解体。手足をはずして、頭をはずして、肩胛骨周辺や寛骨周辺もはずして。と、その頃には辺りはまっくら。このあと砂場に埋めなくてはならないけど、とりあえず砂場に並べて、今日は解散しました。一緒に解体してくれたN団長とT団員に感謝。

2005年10月

2005/10/31
 午後、阪南市の浜にウミガメの死体が打ち上がったとの連絡が入る。もちろんもらうことに決定。車の手配に、人の手配。どこに行ったらいいかを確認。ウミガメは臭いということは伏せて、M学芸員の車を確保。


2005/10/30
 「恐竜博2005」は4週目に突入。入場は朝から1時間待ち、2時間待ち。オフィシャルショップの前にもレジ待ちの列が朝からできる。そんな風景にもそろそろ慣れてきた今日この頃。
 ミュージアムショップも一日中、レジに二人がはりついて、ずーっとレジうちと袋詰め。その間にバックアップ要員が、なくなった商品を補充。なんせ、通常の1ヶ月分を、1日で売り上げるので、ずーっと大忙し。本担当としては暇を見ては、本の補充と、本の整理。

 今日は、なにわホネホネ団の活動日で、一方で、カワウやアライグマの皮むきをしていました。その合間にショップに行くわけ。もちろん手を洗ってから行くわけですが、本を補充してたらある親子の会話
 息子「あれ、変な臭いがする!」
 父「ほんまや。なんか臭いなー。」
急いで、その場を離れました。手を洗っただけではダメらしい…。

2005/10/23
 「恐竜博2005」は3週目に突入。どうやら1日当たりの入場者数は、増加傾向にあるようで、今日は約9000人という最高値を達成。のべ入場者数も7万人を突破。このペースだと、総入場者数は20万人を越えそうな勢い。これが自然史博物館的にどれだけ大きな数字かと言うと、通常の博物館の年間入場者数は、ここんところ十数万人なんですね…。
 さて、来館者がこれほど多いと、普段は見られない色々なものが見られます。週末は朝から、「恐竜博2005」への入場待ちの列ができ、待ち時間は2時間が標準。もう列ができてる情景にもなれてきた今日この頃ですが、今日はまた初めての光景を目にしました。「恐竜博2005」オフィシャルショップの方に、レジ待ちの列ができて、「最後尾はこちら」の札が出ました。待ち時間は10分はゆうにありそう。
 2時間並んでスーを見て、10分並んでおみやげを買う。週末の「恐竜博2005」はお勧めできません。平日なら並ばずに入って、みやげも買えるので、平日がお勧め(午前は遠足の子ども団体がいますが、午前11時を過ぎたら、もうあまりいなくなります)。ただし、火曜日のショップは、週末に売り尽くして、売り物が不足している可能性があるので、ご注意下さい。

2005/10/14
 朝、博物館の玄関前ポーチにカメが落ちていたそうです。ただのカメではなく、カミツキガメ。博物館にやってきて、みせもらってびっくりです。
 大きさを測ってみると、体重5.3kg、背甲長28cm、甲福24cm。カミツキガメとしては、やや小振りな方。見つけた人は、よほど驚いたらしく、1mのカメがいると騒いだとか騒がなかったとか、人はびっくりすると大げさな話にするようです。
 それにしても、それなりに大きなカメ、どうやって運んできて、どうやって玄関前ポーチまでたどりついたのか謎です。夜に車で運んできて放したカメが、朝までに玄関前ポーチまでたどりついた?

 さて、これで博物館のカミツキガメは3匹になってしまいました。外来生物法が施行されて、飼えなくなり、もてあました挙げ句に博物館に捨てに来たといったところでしょうか。まあ、野外に放されるよりはましなのですが、困ったもんです。カミツキガメはもう3匹もいるから、ボアとかニシキヘビとか、イグアナとか、ワニとか持ってきたらいいのに。いや、欲しいってわけではないんですけど…。

2005/10/10
 「恐竜博2005」3日目。しょっぱなの3連休が終了。想定外は、入場待ち行列ができるほどの入館者が殺到したこと、商品がなくなるほどショップが繁盛したこと。
 思い起こせば4年前、「牧野富太郎と植物画展」の終わり頃、ショップの売り上げがものすごく伸びて、後に“牧野バブル”と言われました。が、「恐竜博2005」初日で、“牧野バブル”の時の一日の売上記録はあっさり更新され、その後3日連続で記録更新が続きました。恐竜展恐るべし。
 おかげでショップの売り物が足らなくなってきました。恐竜関係の本は入荷待ちです。次の週末までに入荷しますように〜。

 ちなみに2日目と3日目は、入口前に延々と入場待ちの列ができ、最大2時間待ちだったそうです。そうまでして見たいものなのか…。恐竜展恐るべし。

2005/10/9
 「恐竜博2005」2日目。観察会から帰ってきてびっくり。ミュージアムショップに並ぶ商品が、ものすごく少なくなってる〜。雨の初日でも多くの人出があり、多くの売上がありましたが、晴の二日目は初日以上だったそうです。
 連休はもう一日あるのに、売り物が不足してきた…。あわてて発注したけど、間に合わない〜。

 そんなわけで、「恐竜博2005」にお越しのみなさま、好天の週末の午後は最悪のタイミングです。えんえんと待った末に、ゆっくり見られません。できれば平日、無理なら週末の午前中、選べれば雨の日がお勧めかと思います。

2005/10/8
 「恐竜博2005」がオープンしました。天気は朝から雨模様。でも、お客さんの出足は、今までに見たことがないくらい好調。なんせオープン前から行列ができてる。オープンしたら、途絶えることなく、お客さんが入っていく〜。おかげでショップも午前中から、黒山の人だかり。

 午後から人手はさらに増加。午後3時頃には60分待ちとなり、展示室の中は身動きしにくいくらい(少なくとも監視カメラの画像からはそう見える)。きっと、展示室の中は暑いだろうな〜。入場待ちの列は、植物園の入口からの通路の半ばまで延びている。雨なので、列に並ばずに情報センターの中に入って先に土産物を見てる人も多いもよう。

 午後3時半を過ぎると、待ち時間も短くなり、雨の中を延びていた待ち行列を解消されてきた。おかげさまで、ショップは相変わらずにぎやか。三連休初日なのに売り切れた商品も出てしまった…。明日明後日は、若干商品が少なめになるもよう。もっと仕入れておけばよかった〜。

2005/10/4
 昨日と今日、大阪市内某所で、学芸員試験がありました。この試験の結果、来年の4月から大阪市立自然史博物館に加わるニューフェイスが2名決まるはず。とりあえず今は人事委員会の結果待ち。どんな人になるのか、けっこう楽しみでもあり、心配でもある。ここでの結果が、博物館の将来を少なからず左右するわけだし。
 ちなみに、今までの多くの学芸員試験は、12月頃に募集があって、1月に締切、2月に試験で、3月の終わりに発表。というギリギリ日程でした。今回は、とっても珍しい前倒しの日程。2月に試験して3月に発表という手順からすると、今日の結果の発表は11月なんだろうか? 合格者の都合もあるだろうから、早く教えてあげた方がいいと思うな〜。3月終わりに合格と言われて、ドタバタした経験からすると。

2005/10/1
 次の土曜日から特別展「恐竜博2005」が始まります。先週くらいから、ぼちぼち展示物の搬入がはじまっています。で、今日は展示の目玉、スーの全身骨格がやってきました。
 といっても、関係者以外は展示室に立ち入り禁止。博物館関係者といえども、用がないと見にも行けない。何か用事を作って見に行きたいと思っている今日この頃です。

2005年9月

2005/9/30
 今年度、博物館本館はいったところ、オリエンテーションホールを改修します。施工業者が決まって、ぼちぼち打ち合わせが本格化してきました。
 で、ホールに入って正面の壁に大型スクリーンを設置することになっています。今日は、あやしいおじさん達がやってきて、プロジェクターで画像を映しつつ、スクリーンのサイズやプロジェクターの設置場所などを相談していました。
 古くて無愛想な壁でも、いろんな画像が映し出されると、けっこうにぎやかな感じになります。ふつうにコンピュータの画面用映せるようなので、ホールで講演したりもできそう。でも、音声を入れたらやかましいだろうな…。


2005/9/1
 昨日から博物館実習生がやってきています。日曜まで滞在。最初の日はオリエンテーションで、最終日は行事の手伝い。中3日を、各学芸員が担当します。
 今日は、その担当の日。朝から夕方まで鳥の仮剥製のラベルを読みとって、標本台帳に書き写してもらいました。今作っている収蔵資料目録に載せなくてはならない標本なので、ここで実習生に手伝ってもらえるのはとても有り難い。
 今回のメンバーはなかなか優秀で、約200点のラベル読み取りをこなしてくれました。優秀でない場合は、1日かけて100点くらいしか処理してくれないから。

2005年8月

2005/8/28
 今日は、標本同定会です。例年待機時間ばかり多くて、けっこう退屈な一日なのですが、今日は、けっこう頻繁にお呼びがかかって、なかなか忙しい。
 結局、今日の同定のお仕事は10件。デジタル画像での鳥の同定が2件(ヒヨドリの巣と卵、いろいろな鳥)、鳥の羽根の同定2件(カラスの羽根、ヤマドリとコジュケイの羽根)、鳥の死体の同定2件(ムクドリ、カワラヒワ)。哺乳類の死体の同定2件(アズマモグラ、アブラコウモリ)。生きたカメの同定(イシガメとクサガメの交雑個体)、生きたカエルの同定(トノサマガエルとモリアオガエル)。今年の特徴は死体と生きたのを問わず、動物丸ごとの同定が多かったこと。同定の後寄贈してくださるので、博物館の標本が増えました。


2005/8/17
 そんなわけで、明日から北海道に行きます。友の会の「北海道厚岸」合宿です。合宿の前日に北海道入りして、2泊3日の合宿を切り回して、さらに1泊してオプショナルツアーに参加して。ついでにもう1泊して1日遊んで、フェリーで鳥を見ながら帰ってきます。ってことで、1週間ほど留守です。ご用の方は、返事が1週間後になりますので、ご容赦下さい。
 いま一番の心配は、飛行機の時間に間に合うように参加者が集まるかどうかと、霧だかなんだかで釧路空港に着陸できなくならないか。全員無事に北海道に着きさえすれば、どうにかなるはず。台風もきませんように〜。

2005/8/15
 友の会サミットが終わったと思ったら、次は明々後日からの友の会合宿の準備。北海道に行くのは楽しみだけど、主担当になると準備が大変。先週に参加費関係は一応完了。団体航空券も手元に届いた。名札代わりのバッジも完成。
 ってわけで、今日は宿に予約の確認と、いろんな手配の最終確認。やっぱりうまく伝わってなかった事があって、最終確認は大切だな〜、と実感。そして最後の大仕事、冊子作り。
 友の会合宿って、毎回参加者に冊子を作って配る。スケジュールや名簿、宿の利用案内に加えて、地図、見られそうな地質・化石、生物の解説もついてる。というなんでも付いてる合宿ガイドみたいなもの。普通は、20〜30ページ程度のもの。それがなんと北海道厚岸合宿では、表紙を除いて58ページ。大作過ぎるっちゅうねん!
 原稿は先週の初めにはそろっていたものの、面倒なので後回しにしてた。でも、とうとう手を付けることに。輪転機で印刷して、紙折り機で二つ折りにして、束ねて、ホッチキス止め。たったこれだけなのに、たった64部作るだけなのに、6時間もかかった…。だって58ページもあるし〜。
 とにかく合宿準備はほぼ完了。あとは、全員が時間通りに集合場所に来るかと、無事に飛行機が飛ぶかどうかが心配。

2005/8/14
 昨日と今日は友の会サミットだった。ブース展示をしてたのが、大阪市、倉敷市、福井市の自然史博物館、伊丹市、橿原市の昆虫館、琵琶湖博物館、きしわだ自然資料館、海遊館の7館の友の会。ブースは出してなかったけど、神奈川県や鳳来寺山の自然史系博物館、兵庫県や貝塚市、水口町(市になった?)の博物館、岡山市デジタルミュージアムなんかの博物館や友の会の関係者もいてにぎやかでした(博物館や友の会の正式名称は長いので省略)。
 昨日は分会会の司会進行、今日は講演会の司会進行の役割が当たってました。

 分科会は、友の会の経営問題に関するセッション。どこの友の会も、援助は受けていても、会計上は博物館とは独立にがんばっています。といっても、会報を出していれば、会費の大部分は会報の印刷と発送に費やしてる感じです。一方、人に関しては、多くの友の会が博物館学芸員の力に頼っているという現状がありそうです。一部の友の会では、友の会の世話役が、友の会の会計や雑務をこなしていたりもしますが、話を聞いていた印象では、ボランティアである世話役に友の会雑務のすべてを任すのは難しく、学芸員の関与が重要な要素になっています。規模が大きくなれば、事務員を雇うこともできるのでしょうが、その域に達しているのは、大阪市立自然史博物館友の会(ってゆうか大阪自然史センターだけのようです)
 おもしろかったのは、友の会のスケール。大まかに4つの大きさにわけられそうです。
・会員数が100名未満、予算規模は10〜20万円程度の零細友の会
・会員数が100〜200名程度、予算規模50〜100万円の小友の会
・会員数が500〜800名程度、予算規模100〜200万円程度の中友の会
・会員数が1000名以上、予算規模500万円以上の大友の会
 ※会員数は、家族が複数入っていても1名とするいわば世帯数
大きければいいとか、零細はダメとか、いう話ではなく、スケールに応じた事業展開を考えるのが妥当なんだろうなという感じ。会費の主な使い道である会報を考えると、零細友の会は会報は作らず、行事のお知らせだけにするとか。小友の会は輪転機で会報印刷をするとか、大友の会はカラーも入れて印刷業者を使うとか。問題は中友の会。規模が中途半端で、全体に割高感を強く感じました。
 いっぱい話をしたけど、もっと話せる感じだった。問題が具体的で日頃気にしてる部分なので、話しやすい〜。

 一方、今日の講演会は疲れた。全体のテーマは、ちょっと変わった視線から博物館友の会の将来を考えようと言うもの。博物館と友の会をいわば一つの共生体とみなして癒合を進めつつある大阪市立自然史博物館の話題。屋久島でフィールドミュージアム構想をブチ上げて挫折してる話題。北海道でパラタクソノミスト(準分類学者)という標本を扱える人の養成講座を開いている北海道大学博物館の話題。それぞれ興味深いかもしれないけど、かなり違った3題。
 講演会とあるから、演者と演題を紹介して質疑応答をしきったら終わりかと思ったら、総合討論をする〜? この3題でどうやってまとめるんだー! 3人ともしゃべりなので、時間を大幅に越えて、総合討論の時間なんて残らないだろうと思っていました。ところが、今日に限って3人ともちゃんと時間通りに終わる…。
 仕方がないので総合討論へ。3人の話題に共通するのは、公立博物館、フィールドミュージアム、大学博物館と、いずれも博物館系・研究者系の立場から、ユーザー集団でありサポート集団にもなりうる友の会への期待を語ったような内容。司会を交えて話をしても、ユーザーの視点よりは、研究者や博物館の視点ばっかり。仕方がないので、客席のユーザー側に話をふろうと画策したけど、あんまりうまくいかなかった…。
 総合討論のところでは、ユーザー側から数人、前に出てもらえばよかった、というのが大きな反省点でした。あんまり友の会の将来は語れなかった気がします。
 あと、反省点としては、司会とマイク係を一人でやるのは無理があると思う。会場から手があがると、しゃべりながらマイクを運んで、そこで待機。質疑が終わったらマイクを受け取って、しゃべりながら前に戻る。一人でしゃべって、一人で会場をウロウロして、かなり変。

2005/8/12
 明日と明後日は、友の会サミット。近場はもとよりけっこう遠くの友の会がやってきて、ブースを出したり、友の会の活動紹介をしてくれる。
 夕方には会場設営が完了。8つの友の会のブースが並んでいるとちょっと楽しい感じ。友の会に関するいろんな事を知りたければ、明日と明後日は、ぜひ友の会サミットに参加しよう!

2005年7月

2005/7/24
 夏休み自由研究相談会という行事があった。その名の通り、学芸員に自由研究をどのように進めるか相談する行事。学芸員は博物館に待機してるように言い渡され、あるいは事前申込みで相談内容がわかっていれば教えられます。
 毎年、夏休み早々の日曜なんかに実施してるけど、例年相談件数はあまり多くありません。2002年に始まって、2002年は16件と少なく、2003年はさらに少なく12件、昨年の相談件数が見あたらないけどそんなに多かった記憶はありません。それが今年は36件も相談があったらしい。実際に担当した相談は、2002年2件、2003年2件、2005年3件とあまり変わらない。まあ、少しずつこの行事の存在が浸透しつつあるってことなんでしょうか?
 うけた相談は、シュレーゲルアオガエルの解剖(これは実際にやって帰った)、クサガメのエサを調べる(色んなエサをやってみよう!)、そして顕微鏡で染色体やDNAを見てなにかしたい(色んな材料で試してもらうことに)。思えば、今まで受けた相談は、魚と両生爬虫類ばかり…。


2005/7/17
 今日は午後から、お宝鑑定団(正しいタイトルはもう少し違った気がするが…)が講堂で開かれた。他にも行事が二つも重なっていたせいか、参加者は少なめだったが、それなりに面白かった気がする。
 お宝鑑定団といっても市場価値を評価するのではなく、博物館的な標本の価値を説明して、保存の仕方などを助言するといった感じ。参加者が由来などを説明して、鑑定士たる学芸員がコメントするの繰り返し。もう少し、学芸員側を仕込んでおいた方がよかった気がする。
 でできたお宝は、化石や砂金、海で拾った貝などなど。意識的に声をかけたからだが、高校の理科室などにある標本も出てきた。トキ、アマミノクロウサギ、イタセンパラ。古い高校にはお宝がたくさんあることを再確認。

2005/7/15
 午前中は、まだバタバタと展示を作ってたけど、午後、なんとかプレスプレビューをクリア(まあほとんどマスコミは来ないので…)。夕方、最後の手直し。見れば見るほど、ミスが見つかる。あまりじっくり見ない方がいいかも。
 そんなこんなで、一段落(少なくとも打ち出し係は)。6日間で打ち出したのは、162枚。打ち直し分19枚を引いても、143枚。他にも打ち出してたから…。いったい何枚打ち出すねん! たぶん文字パネルを全部読んだら、すごい時間がかかると思います。

 ◆今日打ち出したのは、文字パネルB0:1枚、文字パネル60×60:1枚、文字パネルA2:1枚 →合計3枚(内、1枚打ち直し)

2005/7/14
 夕方に展示室を見に行ってびっくり。半分くらいの展示ができてる。いったい今までどこに隠れてたんだ! とはいえ、明日の午後からプレスプレビュー、明後日にオープンということを考えると、まだ半分かい! という気もする。

 性懲りもなく出てくるパネルの追加発注の合間に、自分のコーナーを一応整える。少なくともできることは済ませた。あとは、他の担当者にがんばっていただくとしよう。
 もうすぐ日付がかわる。今残っているのは、5名ほど。仕事の遅い連中が、予想通り最後までねばってる感じ。たいがいの人は完成or明日の午前中にセッティングするだけという状態で、早めに帰りました。残るは、明日の午前中だけ。そろそろ、残り時間を日数ではなく、時間で数える段階。

 ◆今日打ち出したのは、タイトル:1枚、文字パネルB0:2枚、文字パネル60×60:3枚、文字パネルドイツ箱サイズ:1枚、文字パネル40×50:6枚、文字パネルA3:1枚 →合計14枚(内、2枚打ち直し)

2005/7/13
 ようやくパネル打ち出しの発注も一段落。パラパラと遅れてやってくる仕事の遅い奴らの発注をこなしつつ、自分のコーナーをどうするかを考え始める。大まかなアウトラインが決まってるだけで、展示物の準備はもちろん、展示構成もまだ確定してないんだな…。まあ、わりと気楽なコーナーなんやけど。

 ただいま午後10時。さすがに今日は人が多い。それに展示室にもかなり物が並び始めた。完成したパネルも所定の位置に、とりあえず置いてあるし。明日、展示物やパネルやラベルをセットすれば、なんとか特別展はオープンできそう。
 打ち出しもようやく山場を超えた感じ。他の大物打ち出しが減ってきたので、昼間からプリンターが使えてらくちん。自分のコーナーもようやく目処が立った気がする。残るは1日(でも、プレスプレビューを気にしなければ2日…)。

 ◆今日打ち出したのは、文字パネル60×90:1枚、文字パネル60×60:20枚、文字パネルドイツ箱サイズ:12枚、文字パネル40×50:4枚、文字パネルA3:3枚 →合計40枚(内、7枚打ち直し)

2005/7/12
 今日も昼間は、ずーっと打ち出し作業の準備。ようやく打ち出す原稿の大部分が出そろった感じ。昼間は大物の打ち出しがずーっと続いていたので、夜になってから仕立てたファイルを打ち出す。
 で、今、午後10時、残って作業している学芸員は4人。昨日とあまりかわらん。やっぱり準備のできていない奴が、いなくなってる気がする。果たして展示の準備は間に合うのか? ってゆうか、他人の展示の打ち出しばかりしてるが、自分の展示はいったいどうなってるんだ! 明日は、自分の担当部分にとりかかろう…。残るは、ほぼ2日間。

 ◆今日打ち出したのは、タイトル:2枚、文字パネル60×90:1枚、文字パネル60×60:20枚、文字パネルドイツ箱サイズ:6枚、文字パネル40×50:5枚、文字パネルA3:9枚 →合計43枚(内、7枚打ち直し)

2005/7/11
 夕方、少しタヌキを見に行った以外は、ずーっと打ち出し作業。
 何人か、まだほとんど発注のない学芸員がいる。展示を担当してるはず、文字パネルがないとも思えない。どうなっているんだろう?
 今、午後9時半、残って作業している学芸員は3人。準備のできていない奴が残っているというよりは、真面目に早く準備を進めている奴が残っているような…。残る準備期間は丸3日ほど。本当に展示の準備は間に合うのか? 例年以上に緊迫している特別展準備となってきた気がする。

 ◆今日打ち出したのは、タイトル:2枚、文字パネル60×90:6枚、文字パネル60×60:21枚、文字パネルA2:5枚、文字パネルドイツ箱サイズ:8枚、文字パネル40×50:4枚、文字パネルA3:4枚 →合計50枚

2005/7/10
 ようやく、8月に予定している北海道での合宿の申込み受付関係の作業が、ほぼ一段落。申込者全員、無事に北海道に行ってもらえそうで一安心。で、ようやく特別展の準備に本腰を入れることに。残る時間は、丸5日。
 今回は、打ち出し係。原稿が出てきてからの仕事です。さて仕事の依頼はどのくらいあるかな、と受注フォルダをのぞくと、さすがにけっこう発注がたまっています。さっそく打ち出し作業に突入。今回は何を何枚打ち出したか数えてみることにします。

 ◆今日打ち出したのは、タイトル:6枚、文字パネル60×60:6枚 →合計12枚(翌日2枚打ち直し)

2005/7/7
 ふと気が付けば、来週の土曜日から特別展が始まる(はず)。今回のタイトルは「なにわのナチュラリスト」展。近頃は、オープン前日にプレス・プレビューがあるので、金曜の昼には展示が完成していることが望ましい。
 で、特別展会場を見渡すに、展示ケースは配置してあるものの、まだ中身はさっぱり。毎度のことながら、果たして間に合うのか? 残る準備期間はおおむね1週間。

2005/7/1
 昨日、大和川でカミツキガメが発見されたらしい。発見した市民の通報で、警察が出動。なんとか捕獲に成功したとか。仲介者のご好意で、博物館にいりませんか〜、と連絡をいただく。もちろん下さい〜、返事をしたら、今日届けてくださった。
 さて、どんなに恐ろしいカミツキガメかと思いきや、甲長20cm、体重2140gととっても小さい。大きめのミシシッピーアカミミガメ程度。さらにとってもおとなしい。持ち上げても暴れないし(体重が測りやすい!)、裏返してもそのまんまでじっとしてる。弱ってるのかと心配したけど、水に入れてエサを与えると、機嫌良くパクパク食べる。ふつうのカメのエサを食べるから飼うのも簡単。
 来年は大和川水系の特別展を予定しているので、このまま飼育して、生きたまま展示する予定。そんな予定がなくても、飼いたくなるような、いい子。名前は、ツキカに決定。

 忘れないように採集データを付けておこう。
採集日:2005年6月30日
採集場所:藤井寺市川北1丁目 大和川右岸堤防

 しかし、カミツキガメを引き取るのは面倒になった。いぜんは、動物愛護法における危険動物の指定を受けていたとは言え、博物館は無届けで飼育できる事になっていたので簡単やったが、6月1日から施行されたいわゆる特定外来生物法で、特定外来生物に指定されているので、環境省に許可を申請することに。まあ、博物館にはすぐに許可が出るらしいのでいいんだけど。

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