博物館の行事の報告


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●室内実習「鳥の調査の勉強会 第1回
日時:2008年3月22日(土)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館会議室
参加者数:22名


 鳥の調査データを持ってるけど、それをどう扱ったらいいかわからない、とか。鳥の調査をしてみたいけど、どんなことをしてみたらいいかわからない、とか。のお悩み相談会です。基本的に、参加する際には、自分のデータを図表にある程度まとめてきて、あるいは調査計画を作ってきてもらって、あとは個別に指導(ってゆかダメだし)。毎回、午前中に長居植物園で簡単な調査の実習。午後は、論文紹介とデータ整理の実例紹介、各自が持ってきたデータの寸評。年5回程度集まる予定。次回は7月12日(土)
 今回は、午前中、植物園でツグミを観察してなわばり調査の実習。午後は、今後を含めた進め方の説明と、論文紹介、ナンキンハゼを採食する鳥の共同調査の結果のデータ紹介。その後、自己紹介を兼ねて、自分のやろうとしている調査、あるいは持っている調査データを紹介してもらった。最後にサクラの果実を食べる鳥の共同調査の誘いをして終了。

●植物園案内・動物編「花にくる鳥
日時:2008年3月8日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:60名(補助スタッフ2名)


 集合時間前に近所をジョウビタキがウロウロ。でも、人が増えてきた頃にはいなくなっていた。集合の出足が悪く、40名弱でスタート。ところが観察していると次々と増えて、結局60名となった。
 まずは、大池でカモ類を観察。ついで照葉樹林方面へ。途中、コゲラやタイトル通りサザンカの花に来たメジロを観察。照葉樹林の林床ではシロハラとツグミを見たのみ。ハクセキレイや、地上で葉っぱを食べるヒヨドリを見つつ、大池に戻り、ゴイサギなどサギ類を観察。ついで小池の方に向かう。小池の北東でカメラマンに餌付けされているルリビタキを観察。ついで、小池北の松林でキクイタダキとタヌキのため糞を観察。ただし、キクイタダキを観察できた人は少なかったらしい。あとは、そのまま大池を経由して帰ってきた。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ハイタカ、オオバン、ドバト、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ルリビタキ、シロハラ、ツグミ、キクイタダキ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上32種)
●友の会月例ハイク「二料〜中畑
日時:2008年2月17日(日)
場所:大阪府高槻市 二料〜中畑
参加者数:34名(申込みなし)(友の会評議員1名+学芸員1名)(参加者全員友の会会員)


 昨年12月6日にスタッフ二人で下見した。帰りのバスの時間も確認した。二料山荘でトイレを貸してもらえるように手配した。
 行事当日、晴れ後雪と午後から崩れるとの天気予報。二料まで行くバスはJR高槻北口発11:38しかないので、実質午後からの行事。行く前から、帰って来られるか少し不安であった。バス停集合だったが、参加者のMさんが改札前で、旗を持って立って下さった。参加者の一人が1000円の一日乗車券を使うと往復で200円得だということを教えて下さったので、早めに集まった人には一日乗車券を買うように勧めた。一日乗車券はバス内でも買えたようだが、大勢が買えるとは限らないし、時間もかかるのであらかじめアナウンスしておいた方がよかっただろう。
 二料バス停に着いたのが、12:27。少し歩いて谷沿いの林道の突き当たりまで歩いてから昼食にすることにした。林道半ばの休耕田でカヤネズミの巣を発見。みんなで探すと大量に見つかった。カヤネズミの説明をして、この時期は使っていないので、欲しい人は持って帰ってもいいと言ったら、大勢の人が持って帰っていた。カヤネズミの巣目当ての参加者もいたので、満足してもらえたと思う。同じ場所で大量のシカの糞とウサギの糞を見つけた。さらに生きたネズミが飛び出したので、みんなで盛り上がった。昼食場所の側では、猟師が捨てたと思われるシカの骨があったので、みんなで観察の後、拾って帰ってきた。
 この谷では、ルリビタキとミヤマホオジロなどをゆっくりと観察することができた。午後2時に昼食を終えて出発した。林道からバス道に戻り、二料山荘でトイレを済ませた後、田能を目指してバス道を歩く。赤いベニマシコを見たり、ノスリが飛んでいた以外は、とくに何もなく田能に到着。この時点で午後3時を過ぎていた。中畑まで歩けないかもしれないが、バス道を時間の許す限り中畑に向かって歩くことにした。
 バスの時間が迫っているので、早足めに歩く。途中、青いルリビタキを見た以外はとくに何もなし。途中のバス停の時刻をみると、予定していた時刻にバスがなく、その約20分後に最終便があった。おかげで、無事中畑バス停までたどりつき。大神宮社でウサギの足跡を観察する余裕まであった。
 時間は予定と少し違ったものの、無事にバスに乗って帰路へ。

観察した鳥
トビ、ノスリ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ、ジョウビタキ、トラツグミ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、イカル、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上24種)

観察した哺乳類
カヤネズミ(巣)、ネズミの一種(生きたの)、モグラ(塚)、ウサギ(糞)、イタチの一種(生きたの)、ニホンジカ(糞)
●植物園案内・動物編「公園の冬鳥2
日時:2008年2月16日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:25名(補助スタッフ3名)(参加者中、友の会会員13名)


 集合時間前に上空をハイタカが飛ぶ。行事スタートして、ポーチから歩き始めてすぐにメジロとシジュウカラとコゲラの群れに出会う。それから大池で水鳥の観察。橋の南側でカモ類とオオバンを説明した後、大池を反時計周りに回って休憩所の北で、ゴイサギとカワウを観察。カワセミを探すが見つからず。それからツツジ山の東を通って、小池の北の方へ。途中、餌付けされてカメラマンの前にとまっているルリビタキに遭遇。カメラマンの邪魔にならないように遠目から観察。とても青くてきれい。さらに進み、小池北の松林でキクイタダキとビンズイとタヌキのため糞を観察。最後に大池の北側でジョウビタキを観察して終了。
 寒かったせいか参加者は少なめ。ただ友の会会員以外の比率が比較的高かった。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ハイタカ、オオバン、ユリカモメ、ドバト、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、キクイタダキ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上29種)
●野外実習「大阪城のリスを探そう!
日時:2008年2月11日(月・祝)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:90名(特別講師1名)(参加者中、友の会会員55名)


 前日に、資料40部、名簿80人分を用意した。もちろん大部分余るはずだった。知り合いの哺乳類屋の日程が空いていることがわかったので、急きょ特別講師として手伝ってくれるよう頼んだ。参加者がほとんどいなくて、調査できないと困ると思ったのだ。
 集合してみて驚いた。あっというまに資料が足らなくなったのだ。仕方がないので、特別講師に急きょ資料のコピーに走ってもらった。その間、受付を行い、資料はコピー中であることを説明し、集合時間になったから、少し移動して、今日の予定の説明をした。ようやく資料が到着。あわてて配った。大阪城でリスが見られると勘違いして集まった人がいてはいけないので、リスはおそらく見つからないことを何度もくり返す。その代わり、鳥をたくさん観察しよう。とはいいつつ、資料はリスの説明だらけ。スタート前に一通り説明しておく。あわせて持ってきたリスのエビフライの実物を見てもらう。ということで、観察会スタート。
 カワラヒワ、ハクセキレイ、イカルと順調に鳥が出てくれる。コゲラ、シジュウカラと一緒にキクイタダキも現れ、低い場所を動き回る数羽の群れをゆっくりと観察できた。その後も、鳥を観察しつつ、マツの木を見つけては下にリスのエビフライが落ちてないか確認。外堀を渡って、人で一杯の梅林を素通りし、豊国神社の横で昼食。一部の参加者はここまでで解散。大部分はその後も大阪城を一通り歩いた。最後に外堀のヌートリアを探したが、見つからず。ヌートリアの解説をして、情報募集をして解散した。
 解散後、有志で西の丸庭園に入って、一応リスを探してみた。やはりリスはいなかった。
 好天、大阪城、リスといった要素があいまって、予想以上の参加者が集まったと考えられる。もしリスのニーズがこれほど高いなら、リスの観察会の設定を考えた方がいいだろう。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、バン、ユリカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、キクイタダキ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上33種)

観察した哺乳類
なし
●やさしい自然かんさつ会「冬のカモ
日時:2008年1月20日(日)
場所:兵庫県伊丹市 昆陽池
参加者数:46名(申込み68名、全員当選)(補助スタッフ1名)(参加者中、友の会会員18名)


 天気予報は、曇り後雨叉は雪。当初は一通り鳥を観察してから、屋外で昼食にして、その後また鳥を観察して解散のつもりだった。が、急きょ、昼食を食べるのは止めて、昼過ぎまで鳥を観察して、そのまま現地解散することにした。結果として、正解で、12時半頃に解散した頃から雨がポツポツ降り始め、午後1時にはけっこう降っていた。屋外での昼食は無理であった。
 天気が気掛かりであったほかは、ミコアイサはすぐ近くで観察でき、オオタカが何度も上空を飛び回り、カワセミも観察でき、全体的に予定以上に鳥は観察できた。ただし、せっかく資料を準備したのに、ヌートリアは現れなかった。
 参加者の多くは親子連れで、親よりも子どもが熱心に鳥を観察してくれていた。のみならず、鳥にかなり詳しい子ども達が多かった。鳥好きの子ども達に引っ張られる形で、参加者が熱心に鳥を観察してくれて、とてもやりやすい観察会であった。
 非会員に友の会の勧誘したところ、会報の見本が見たいと言われた。残念ながら持ってなかった。行事には勧誘パンフレットと共に、会報の見本を持って行くことが望ましい。最後に今後の、今年の鳥の観察会の予定を紹介するのを忘れた。鳥好きの子ども達を誘うチャンスだったのに…。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、コクガン、コハクチョウ、コブハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサ、ミサゴ、トビ、オオタカ、バン、ユリカモメ、カモメ、セグロカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上40種)
●植物園案内・動物編「公園の冬鳥
日時:2008年1月19日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:49名(補助スタッフなし)


 気温は低いが、風がなく陽がさして暖かい。ポーチから入口の方の木にツグミの群れがとまっているのが見えたので、まずそれを見に行く。その後、池の南側沿いを東に歩いて行く。カモ類やサギ類を観察していると、カワセミを発見。みんなでカワセミを観察。池の鳥を一通り観察した後、カワラヒワ、ハクセキレイ、シジュウカラ、アオジを見ながら、小池の方へ移動。小池の北の松林で、タヌキのため糞を観察。その後、二次林の東から南を回って再び大池へ。再びカワセミを観察。ゴイサギ、ダイサギも出現。それから池の北側をまわって戻る。途中で、ジョウビタキを見つけたほか、オオタカが2羽飛ぶ。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ、オオバン、ユリカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上29種)
●テーマ別自然観察会「ヨシ原の冬鳥
日時:2007年12月2日(日)
場所:高槻市鵜殿
参加者数:12名(申込み21名、全員当選)(補助スタッフ1名)


 下見では、ヨシ原の小鳥及び猛禽類6種も観察できた。しかし、行事本番は、風が強くヨシ原の小鳥が見られず、猛禽も少ししか飛ばなかった。あまり鳥を観察できないので、もっぱら哺乳類のフィールドサインを観察した。ヌートリアの足跡を見つけ、ヌートリアの糞も初めて見た。鳥の観察会としてはともかく、水辺の哺乳類のフィールドサインの観察会としては意義があった。

観察した鳥
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、カワアイサ、ミサゴ、トビ、ハイタカ、チュウヒ、ケリ、イソシギ、タシギ、ユリカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上32種)

観察した哺乳類
タヌキ(足跡)、アライグマ(足跡)、カヤネズミ(巣)、ヌートリア(足跡、糞)
●植物園案内・動物編「秋の渡り鳥
日時:2007年10月20日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:33名(補助スタッフ4名)


 池で、すでに渡ってきているカモ類など水鳥を観察した後、林の方へ。サメビタキ類は少なく、オオルリやキビタキにはすでに遅かったが、キビタキは観察することができた。予想外に観察できたのがメボソムシクイ。低いところまで降りてきて、ずっといてくれたので、ほぼすべての参加者が観察できたと思う。

観察した鳥
カイツブリ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオバン、ドバト、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、メボソムシクイ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス(以上23種)
●テーマ別自然観察会「ヌートリアを探そう!
日時:2007年9月9日(日)
場所:兵庫県伊丹市昆陽池
参加者数:30名(申込み41名、全員当選)(補助スタッフなし)


 8月27日に淀川を下見。ヌートリアは見当たらず。芥川や淀川の情報を調べるも、確実にヌートリアが見られる場所が見当たらず。申込者には小学校低学年も何人かいたので、長距離歩くのも無理。ということで、ほとんど歩かずに、ほぼ確実に見られる昆陽池に決めた。9月4日に昆陽池を下見。予定通り簡単にヌートリアが見つかった。ただし行ったのは夕方。
 松ヶ丘バス停の前の入口に集合。挨拶と注意(とくにヌートリアに餌をあげない!)をした後、池を見ながら、昆陽池とカワウの説明。ヌートリアを探しつつ、鳥を見つつ、えさ場に移動。すぐにヌートリアが1頭いたので、観察しながら説明。説明していたら、ヌートリアは泳いで去って行ってしまった。別のがいるだろうと、無視して、進む。が、しかし他にヌートリアは見当たらず。仕方がないので、ヌートリアの説明をしつつ、ヌートリアの出現を待つが現れず。昼食を食べつつ、ヌートリアの出現を待つが現れず。仕方がないので、昆陽池を1周するが、見つからず。再びえさ場に戻り、まとめの話をしていたら、ヌートリアがようやく出現。泳いでいるところ、足の様子、陸での採食行動をよく観察できた。そのまま解散。
 なかなかヌートリアが見られなかったのは、真っ昼間だったからと思われる。冬なら真っ昼間でも普通に見られるので、なんとなく昼間に設定してしまった。夕方に設定すれば、暑くなかったろうし、ヌートリアもよく見られたのではないかと思う。
 解散後、プロジェクトYのヌートリア調査の参加者を募った。とりあえず、4名が名乗りをあげてくださった。調査参加者はまだ募集中。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、(コクガン)、(コブハクチョウ)、(マガモ)、カルガモ、オナガガモ、ホシハジロ、ドバト、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上22種)

観察した哺乳類
ヌートリア
●やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら
日時:2007年8月11日(土)
場所:奈良市平城宮跡
参加者数:99名(申込み173名、全員当選)(補助スタッフ3名)


 7月29日に下見。例年より塒地のヨシの生育が悪く、ツバメの集まりを危惧していたら、案の定あまり集まらず。その上、例年とは違い南側のヨシ原に降りたため、塒入りの観察としては今一つだった。本番二日前の8月9日に、もう一度ツバメの集まり具合と、塒入りする場所を確認に一人で下見した。すると、例年通りのヨシ原にそこそこの数が塒入りした。というわけで、例年通りに実施することにした。
 平城宮跡の北西角の駐車場に集合。大和西大寺駅北口前に一人、駐車場前に一人、旗を持って立って参加者を誘導。さらに二人がかりで受付をした。午後6時に集合して、挨拶とスケジュールの説明をして、ゆっくり現地まで行って、のんびりツバメの集団ねぐらの解説をして、ほぼ日没18:50。あとは、解説抜きでツバメが集まってくるのを観察した。19:25ほぼツバメがヨシに全部とまったので、現地で解散。
 例年そうなのだが、参加者は子ども連れが多い。そして少なくない子ども達は、ツバメを見ずにこっちに色んなことを話しに来てくれる。今年はアメリカザリガニで一部の子ども達は盛り上がっていて、ツバメを見ずに、採ったザリガニを見せに来てくれた。ツバメは死ぬほど飛んでいたので、少しは見てくれたとは思うが…。今度はザリガニ採りに来ようと言ってる家族もあった。
 その他の反省点。返信のハガキが読めないと言う問い合わせが殺到した(知る限りでも8件)。どうもコピー機の焼き具合に問題があるらしい。例年あいている駐車場のトイレが施錠されて使えなかった。下見時に確認し忘れていた。ツバメに気を使って、解散時にはマイクを使わなかった。解散宣言を聞いてない人がいたかもしれない…。

観察した鳥
ゴイサギ、キジバト、ヒバリ、ツバメ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス(以上8種)

観察した哺乳類
アブラコウモリ
●鳥類フィールドセミナー第6回「ツバメの集団ねぐら:鳥の活動時間について
日時:2007年7月28日(土)
場所:奈良市平城宮跡
参加者数:14名


 大和西大寺駅に集合して、徒歩で平城宮跡に移動。ツバメが就塒する予定のヨシ原を観察すると同時に、セッカやオオヨシキリなどを観察。鳥の活動時間についての解説、ツバメの生態、大阪周辺のツバメの集団ねぐらのできる場所の紹介、ついでにコウモリの観察などをして時間をつぶす。午後7時過ぎからツバメが集まりはじめ、午後7時15分頃には1000羽を超える。例年集まる場所には集まらず、南のヨシ原に多かったので、途中で移動。結局、あまり多くのツバメは集まらなかった。ヨシの生育が例年と比べて悪いのが原因かもしれない。地元の人の話によると、5kmほど離れた別の場所にツバメの集団ねぐらが新たにできているという。
●室内実習「鳥の調査の勉強会 第2回
日時:2007年7月14日(土)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館集会室
参加者数:6名


 この春に発行された雑誌に掲載された「大阪府におけるミソサザイの繁殖期の分布状況」という論文を紹介。論文だけでなく、レフリーとのやり取りを含め、論文投稿から雑誌掲載までの一例を、具体的に紹介した。さらに前回提案した共同調査「サクラの果実を食べる鳥」について、具体的なデータを示して、その整理の仕方を解説した。その後、河川でのセンサス調査/バードウォッチングのデータの処理について質疑応答。
 共同調査テーマとして、「樹木の果実を食べる鳥」「セミを食べる鳥」を提案して解散。
●テーマ別自然観察会「カワガラス
日時:2007年7月8日(日)
場所:箕面市
参加者数:25名(申込み31名、全員当選)(補助スタッフなし)


 7月1日に下見。カワガラスがいるにはいたが、飛んでばかりで、とまっているのは帰りに遠めに見ただけ。本番があやぶまれた。そのかわり、オオサンショウウオが見られた。
 集合場所で、一日の予定と、カワガラスの見つけ方を解説。カワガラスが見られないといけないので、カワガラス以外の鳥や、カジカガエルやオオサンショウウオを探すことを宣言。
 行きの滝道は予想通りカワガラスはおらず、下見では鳴いていた鳥の声も少なめ。幸い、ヒナ連れのカルガモが出てくれたが、あとはカワムツやシカの骨で時間をつなぐ。滝の上からまじめにカワガラスを探す。ようやく出たが、担当者だけが飛んで行く姿を見ただけであった。なんやかんやでカワガラスを見ないまま、昼食場所のビジターセンターに到着。帰り道にがんばって探そうと言ったら、すぐ側にカワガラスが出現。みんなでゆっくり観察。水の中を歩く様子あ観察できた。
 昼食後、しばらく子どもを中心に川遊び。トビケラやカワゲラを解説、ヒラタドロムシを採集、サワガニを探す。リクエストがあったので、プラナリアを探し発見、みんなで観察する。引き返す前に、水生昆虫や魚を交えた河川上流部の生態系について解説。
 帰りはほとんど歩いただけ。滝の上でカワガラスがゆっくり見られたが、担当者を含め前の方を歩いていた半数は見られず。

観察した鳥
アオサギ、カルガモ、ドバト、カワセミ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ウグイス、オオルリ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス(以上18種)
●鳥類フィールドセミナー第5回「渓流の鳥:河川周辺の生態系について
日時:2007年7月1日(日)
場所:箕面市
参加者数:23名


 箕面駅からビジターセンターまでを往復。カワガラスを探しつつ、河川上流部の生態系について解説し、カワガラス以外のキセキレイやオオルリを観察したほか、河川上流部のその他の動物も観察した。昼食後、約1時間、河川上流部の生態系、とくに物質の循環、なかでも水域と陸域とのかかわりを中心に解説。解説の途中、オオサンショウウオが見つかり、しばらくオオサンショウウオを観察した。帰りにようやくカワガラスをゆっくりと観察できた。
●鳥類フィールドセミナー第4回「公園で繁殖する鳥:巣場所について
日時:2007年6月9日(土)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館集会室・長居植物園
参加者数:23名


 午前中、植物園を歩いて、鳥の巣や繁殖に関連した行動を観察。観察したのは、カワラヒワ、カラス、キジバト(作りかけ)の巣。スズメとムクドリの巣への出入り。巣立ちビナを連れたシジュウカラ、スズメ、ムクドリ。コゲラやヒヨドリの巣を探したが見つからず、キジバトの巣もさんざん探してようやく作りかけを一つ見つけたに過ぎない。あらかじめ見つけておけばよかった。昼頃に集会室に戻り、「実物日本鳥の巣図鑑」展示解説を用いて、巣場所についての解説をして解散。
●野外実習「鳥の野外調査:公園で繁殖調査
日時:2007年6月3日(日)
場所:大阪市鶴見区 鶴見緑地
参加者数:5名(申込み9名、全員当選)(補助スタッフなし)


 公園を一通り歩き回って、鳥を確認し、繁殖に関わる行動を記録するという、もっとも単純な公園での繁殖調査の方法を解説。実際に一緒に鶴見緑地を歩き回って、調査を体験してもらった。
 大池の北側にアオサギのコロニーが見つかったので、その下をじっくり観察した。魚の死体、ヒナの死体、卵殻などを確認。その下で昼食をとっていると、給餌の様子も観察できた。
 行事としては、午前中はいろいろと発見もあり解説もできたが、午後は一通り解説は終わってしまい、新たな種や行動も見つからず、歩くだけに終わった。ただ解散直前に、ヒナ連れのカルガモが見つかったのが救いであった。

観察した鳥
カイツブリ、カワウ、アオサギ、コアジサシ、ドバト、キジバト、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上16種)
●テーマ別自然観察会「モリアオガエルの卵塊さがし
日時:2007年6月2日(土)
場所:豊能町吉川
参加者数:40名(申込み72名、全員当選)(補助スタッフなし)


 この後に、プロジェクトYのモリアオガエルの分布調査を控えており、この行事は調査の研修も兼ねていた。そのため、モリアオガエルの産卵期の一番最初を狙って時期を設定した。しかし、下見段階で、時期が1週間早く、予定していた島本町や高槻市ではまだ産卵していないことが判明。あわてて、行き先を再検討し、手元に6月最初の卵塊情報があった豊能町に場所を変更した。
 5月31日に下見。初谷から始まって、妙見口周辺の山際を歩き回った末に、高代寺山東麓でようやくモリアオガエルの卵塊を発見した。
 当日、下見で見つけた山中の小さな池をめざす。途中の溝でトノサマガエルやイモリなどが見つかり、休耕田には多数のトノサマガエルがいた。しばらく遊んだ後、モリアオガエルの卵塊のある池へ到着一通り解説。周辺にモリアオガエルがいないか探したが、見つかったのはシュレーゲルアオガエルであった。その近くで昼食。昼食後、カエルツボカビ症を中心にカエルの説明。帰途についた。
 帰りにも、行きと同じ溝と休耕田のカエルが盛り上がる。少なくとも子どもたちは、さわれないモリアオガエルの卵塊よりも、さわれるトノサマガエルの方が楽しいらしい。すなおにトノサマガエルやアマガエルの観察会をしてもいいかもしれない。
 参加者が多く、こまめな対応が必要だったのに、スタッフが一人だったのは手薄すぎた。補助スタッフの手配が必要であった。そして、なによりモリアオガエルの卵塊を観察するならせめてあと1週遅く設定すべきであった。

観察した両生類
イモリ、ニホンアマガエル、トノサマガエル、ツチガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル(卵塊)
観察した鳥
カルガモ、トビ、キジ、カッコウ、ホトトギス、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、センダイムシクイ、オオルリ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ハシブトガラス(以上21種)
●テーマ別自然観察会「ヨシ原で繁殖する鳥
日時:2007年5月27日(日)
場所:高槻市鵜殿
参加者数:19名(申込み39名、全員当選)(補助スタッフ1名)


 上牧駅から鵜殿のヨシ原に行き、道鵜町バス停で解散。まず堤防の上で耳をすませ、ヒバリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロのさえずりを解説。ヨシ原の周辺で、ホオジロやヒバリを観察の後、ヨシ原の間の道でもっぱらオオヨシキリを観察。オオヨシキリの社会構造を詳しく説明。砂州の周辺で昼食。目の前をムクドリが盛んに行き来し、虫を採っては巣へ運んでいた。昼食後、砂州でヒバリとコチドリを観察。鉄塔のスズメとムクドリのアパートを観察した後は、セッカを探しながら歩いた。飛んでる姿は何度も見かけたが、けっきょく止まっている姿は見られず。解散場所の道鵜町バス停の横の田んぼに下見時にはケリのヒナがいた。今回もほぼ同じ場所にいた。
 ほぼ目的の鳥が予定通りに見られ、よくまとまった観察会だった気がする。

観察した鳥
カワウ、ササゴイ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、コチドリ、ケリ、アオアシシギ、ドバト、キジバト、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上25種)
●鳥類フィールドセミナー第3回「ヨシ原で繁殖する鳥:つがい形成について
日時:2007年5月19日(土)
場所:高槻市鵜殿
参加者数:21名


 上牧駅から鵜殿のヨシ原に行き、道鵜町バス停で解散。ヨシ原では、オオヨシキリとセッカを中心にヨシ原で繁殖する鳥の、とくにつがい関係を解説した。あわせて、ホオジロやヒバリを観察した。空模様があやしく、早めに予定を進めて、さっさとつがい形成についての解説を行い、昼食を食べずに解散した。
●植物園案内・動物編「春の渡り鳥
日時:2007年5月12日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:49名(補助スタッフ3名)


 渡りの季節も終わりに近いので、前半は長居植物園で繁殖している鳥を探した。大池西の東屋のスズメの巣への出入りを見たのはいいが、その後はあまり見つからず、小川のところでようやくシジュウカラの巣立ちヒナを観察。その後、あまり鳥がいなかったが、小池の横でアオダイショウの幼蛇を発見。捕まえてみんな観察した。二次林では、意外にもキビタキやオオルリを観察できた。その後、大池に出た所、さきほどはいなかったコアジサシがたくさん飛んでいた。ゴイサギも観察できた。

観察した鳥
ゴイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、ホシハジロ、コアジサシ、ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、アカハラ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス(以上22種)
●鳥類フィールドセミナー第2回「春の渡り鳥:渡りのタイミングについて
日時:2007年4月30日(月)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館集会室・長居植物園
参加者数:31名


 午前中、植物園を歩いて、渡りの途中に立ち寄って鳥を中心に観察。雌雄や性別の分かる鳥では、オス成鳥が先に通過し、メスや若い個体の渡りが遅めであることを説明したが、渡りの後半に関わらず、黄色いキビタキや青いオオルリがよく観察できた。昼頃に集会室に戻り、鳥の渡りについて、そのタイミングを決める要因を中心に30分ほど話をして解散した。
●植物園案内・動物編「春の渡り鳥
日時:2007年4月28日(土)
場所:大阪市東住吉区 長居植物園
参加者数:41名(補助スタッフなし)


 大池で水鳥を見た後は、林でヒタキ類を中心に観察。二次林では、黄色いキビタキと青いオオルリがよく見られた。センダイムシクイもけっこうさえずっていた。

観察した鳥
カワウ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、モズ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上27種)
●鳥類フィールドセミナー第1回「春の渡り鳥:囀りについて
日時:2007年4月22日(日)
場所:大阪市東住吉区 大阪市立自然史博物館集会室・長居植物園
参加者数:41名


 簡単な主旨説明の後、午前中は、植物園内を歩いて鳥を観察。もっぱらオオルリとキビタキを探したが、一応鳥の声関連の説明も交える。植物園を一周した頃に雨が激しくなってきたので終了。昼休みをはさみ、午後からは2007年度の鳥類フィールドセミナーの進め方と予定を説明。鳥のさえずりについて、定義と機能について30分ほど話をして解散した。
●地域自然誌シリーズ「矢倉海岸
日時:2007年4月21日(土)
場所:大阪市西淀川区 矢倉緑地
参加者数:42名(申込み52名、全員当選)(補助スタッフなし)
スタッフ:石田、志賀、和田


 下見は、4月17日に担当学芸員4人で行った。淀川右岸沿いに阪神線近くまで歩くルートも試したが、遠くて面白くないので却下した。
 阪神「福」駅から、大野川歩行者道を通って、淀川右岸へ。淀川右岸沿いに矢倉緑地へ。観察後、同じコースを帰ってきた。干潮時刻が15時54分だったので、午後1時に集合して午後5時頃、現地で解散した。
 鳥は下見の時よりは、シギ・チドリ類が観察できたが、種数も個体数もまだまだ少なかった。

観察した鳥
カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、コガモ、ヒドリガモ、トビ、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、イソシギ、チュウシャクシギ、コアジサシ、ユリカモメ、セグロカモメ、ドバト、キジバト、ヒバリ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ツグミ、セッカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(以上31種)

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