日記風覚え書き

2023年1月2月、3月
(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
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 2011年1-3月4-6月7-9月10-12月、2012年1-3月4-6月7-9月10-12月
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2月17日、18日、19日、20日、23日、25日、26日、27日、3月2日、4日、5日、6日は、後で補足。
●2023年3月31日 2023年3月のまとめ 発表準備の上中旬、年度切り替えの下旬

例年だと最初の日曜日に、地域自然史と保全研究大会があるのだけど、今年は2月最後に動いた。という訳で、1週空いたのだけど、忙しさはあまり変わらない3月。第2週の大阪鳥類研究グループの総会の準備に追われ、それが終わったら生態学会での発表準備。久しぶりの生態学会大会は楽しかったし勉強になったけど、リモートなので、並行してなにわホネホネ団の活動を入れてたりして、けっこう忙しい。下旬は、ジュニア自然史クラブの年度切り替えが例年ある。今年はそれに加えて、ドメイン変更があってややこしい。
そんな2023年3月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園の果実チェックは完了した。入れ替わりでカラスの巣チェックを開始。鳥のセンサス調査は継続。カワウの営巣状況のチェックも続けてるし、カワウのねぐら調査は今月も実施。

ホネホネ団の活動は、2日のつもりが、4日実施した。突然の大物の到着で1日は臨時での設定だった。大物の処理があったので、冷蔵室に処理すべきものがたまっている。

普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、植物園案内を予定通り実施。子どもワークショップのこども祭りも無事開催。
大阪鳥類研究グループの総会は、リモート実施。

今年度の大阪市立中央図書館のエントランスでの展示を撤収。
「絶滅危惧種 東南アジアの霊長類」の展示がスタート。ライティングはこれでいいのかなぁ。

講演は、大阪鳥類研究グループでと、日本生態学会でのポスター発表。どちらもリモート。リモートの学会大会は、旅行できなくてつまらないし、ながら聞きになってしまう。今回は、ホネホネながらの学会参加になってしまった。
査読は1つあるのだけど、できていない。まずい。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系1冊と、SF7冊。
完全休養日は0日。今年に入って3日。
最後の1週間は、ドメイン変更の作業で忙しかった。
●2023年3月30日 日本に於けるヌートリアの分布の成因について

先日、日本列島の植物相の成因、というフレーズを耳にした。その具体的な内容はよく分からなかったが、“成因”というのが、とても気になる。植物相というのは、いくつもの植物の分布状況の総体ではないかと思う。だとしたら、1つ1つの生物種の分布の成因を考えた末に、ようやく植物相の成因が考察できるんだろう。なんという遠大な話。
とてもそこまでは出来ないけど、1つの種の分布の成因なら考えてみることはできるんじゃなかろうか。よく考えると、動物の分布についての情報を集めて、分布図作るのが好きだけど、それって密かに大阪府の鳥類相の成因を考えたいという欲求の表れかもしれない。
成因という視点で、1つの種の分布を考えたらどうなるんだろう? と思って、今回ヌートリアを取り上げることにした。

まずヌートリアは、日本で種分化した種ではなく、在来生物でもなく、外来生物。ということで、まずは人間が放した場所が、成因の大きな要素。
現在は特定外来生物なので、駆除が行われている。これもまた分布に影響を与えているはず。ただ、個体群を消滅させるほどのマジメな駆除の取組は、知る限り行われていない。なので、とりあえずは無視していいんじゃないかと思う。
もう一つの分布に影響する要素は、放されて定着した個体群の分布拡大・縮小。つまり分散ってことになる。
現在の分布は、放逐+分散で説明できると仮定するなら、その場所に放逐後に継続して生息していれば放逐で分布したと判断できる。でないなら、分散の結果分布していることになる。その際は、最初に観察された年代や定着が確認された年代が重要になる。
で、現在の分布は、放逐と分散のそれぞれがどの程度貢献しているか評価できれば、成因を語ったことになる。のかな?

ヌートリアの場合、生息可能な環境すべてに分布拡大しきっていない。障壁があって到達できないというより、まだ充分な時間が経っていないとでも言った方が良さそう。
でも、地質年代で話をする場合でも、分布の成因は、
・種分化の場所
・分散の障壁
・生息可能な環境条件
の3つを考えることになるんじゃないのかな? 障壁も環境条件も時代とともに変化する。生息可能かどうかも、種の適応進化の要素も関わってくるはず。って理解でいいのかな?
●2023年3月29日 日本のヌートリアの分布に関する文献・サイト 都道府県版 東日本編

近畿以西の西日本編に続いて、東日本編。
例によって、公式サイトを中心に、各都道府県のヌートリアの生息に関する記述を拾ってみた。○:定着が確認されている、△:記録はあるが現在定着は確認されていない、×:記録がない。

○福井県:1976年に高浜町中津海で捕獲記録。若狭町、小浜市、おおい町、高浜町で記録があるほか、福井市で死体が確認されている。
 ・福井県(2020)福井県の野外で確認された特定外来生物https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shizen/gairaiseibutu/fukui_giarai.html

△石川県:1968年に河北潟で捕獲記録あり。
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.

△富山県:1953年に西栃波郡赤丸村(現高岡市福岡地域)で記録あり。
 ・南部・西岡(2013)富山県における新聞記事からのヌートリアの記録.富山の生物 52:147.https://toyamaseibutu.mizubasyou.com/zassi/toyama52/52_21.pdf

×新潟県:次に記載なし。
 ・新潟県の外来種https://tayouseinet-ngt.sakura.ne.jp/gairaishu/exotictop.html

○三重県:おもに県北部に分布し、木津川水系と愛知県との県境に近いエリアに多い。
 ・三重県(2010)獣害アンケートの結果:平成20年度https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000168016.jpg

○愛知県:県西部を中心に広く分布。
 ・愛知県(2012)愛知県で対策が必要な外来種30https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/measure30/pdf/pdf_data02.pdf

○岐阜県:県南部に広く分布。とくに南西部に多い。
 ・岐阜県(2022)令和3年度生息分布調査結果https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/312196.pdf

×長野県:次に記載なし。
 ・長野県(2022)長野県版外来種対策ハンドブックhttps://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/kurashi/shizen/hogo/gairai/gairai-kennai.html

×山梨県:次に記載なし。
 ・山梨県(2022)外来種(特定外来生物など)を見つけた場合https://www.pref.yamanashi.jp/shizen/gairaiseibutsu.html

○静岡県:2010年時点では情報なし。2015年時点には、近年、浜名湖周辺で確認されるようになったという記述。
 ・静岡県(2010)平成21年度静岡県特定外来生物分布状況実態把握調査https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/017/688/h21tokuteigairai-seibutu-chousa-1.pdf
 ・三宅隆(2015)自然博ネットの調査活動 ―静岡県の特定外来生物(哺乳類)調査―http://spmnh.jp/news/news49/49p_9_10.pdf

△神奈川県:「1974年以降、捕獲数は激減し、近年の生息情報はない。」「相模川河口から寒川町にかけて生息していたが、現在は確認されていない。」
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.
 ・「Wildlife Museum 神奈川の野生動物」http://www.wildlife-museum.com/wa_kanagawa04_0103.html

×東京都:次に記載なし。
 ・東京都環境局「気をつけて!危険な外来生物」https://gairaisyu.metro.tokyo.lg.jp/children/

△埼玉県:2003年9月に朝霞市溝沼の黒目川で確認例あり。2010年以降も記録あり。
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.
 ・環境省(2018)アライグマ、ハクビシン、ヌートリアの生息分布調査の結果について(https://www.env.go.jp/press/105902.html)の添付資料1(https://www.env.go.jp/content/900512164.pdf)

△群馬県:1945年に富岡市黒川で確認例があるが?、それ以降?確認記録はない。
 ・姉崎智子・坂庭浩之・田中義朗・黒川奈都子(2008)I 外来生物調査 (1) 陸棲哺乳類.群馬県立自然史博物館自然史調査報告書 第4号:10-25.http://www.gmnh.pref.gunma.jp/wp-content/uploads/report04_01.pdf

×千葉県:過去に記録はあるが、マスクラットの混同や飼育個体の一時的な逸出と考えられる。千葉県外来生物リストに記載はない。
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.
 ・「千葉県外来生物リスト 2020年改訂版」https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/kankyou/shizenkankyo/gairaiseibutsu/index.files/gairaiseibuturisuto.pdf

×栃木県:次に記載なし。
 ・栃木県環境森林部自然環境課(2021)本県において優先的に対策すべき外来種https://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/documents/20211215170400.pdf

△茨城県:過去に記載あり。現時点では”定着のおそれのあるもの”扱い。
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.
 ・茨城県「特定外来生物(動物)」https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/shizen/tayousei/alien_species/investigation/alien_doubutsu.html

△福島県:2010年以降に南部で記録あり。2013年のアンケート調査では記録がない。
 ・環境省(2018)アライグマ、ハクビシン、ヌートリアの生息分布調査の結果について(https://www.env.go.jp/press/105902.html)の添付資料1(https://www.env.go.jp/content/900512164.pdf)
 ・福島県(2013)「特定外来生物の目撃・被害に関するアンケート調査結果一覧」https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/12490.pdfhttps://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/80679.pdf
●2023年3月28日 日本のヌートリアの分布に関する文献・サイト 都道府県版 西日本編

ヌートリアは特定外来生物なので、外来生物リストがあればそれに記述があるほか、そこまで真面目にリストづくりをしていなくても、都道府県内に生息する特定外来生物とその防除、ってサイトがほぼ確実に各都道府県にある。定着初期には、そこから漏れている可能性もありそうだが、一定生息状況は把握できるはず。
ってことで、公式サイトを中心に、各都道府県のヌートリアの生息に関する記述を拾ってみた。○:定着が確認されている、△:記録はあるが現在定着は確認されていない、×:記録がない。

×大分県:次に記載なし。
 ・「大分県の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」https://www.pref.oita.jp/uploaded/life/1057761_1450780_misc.pdf
×福岡県:次に記載なし。しかし過去に記録があるという。詳細不明。
 ・「県内で確認情報のある特定外来生物(全25種):令和4年4月1日現在」https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kennaikakuninngairai.html
 ・鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.

○島根県:1990年頃に侵入し、2010年代には全域に分布。
 ・金森弘樹(2016)島根県におけるヌートリアの生息分布域の拡大と被害の実態.島根中山間センター研究報告12:21-28.https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/kikan/chusankan/syoseki/research/No12_kenkyuhoukoku.data/kenkyuhoukoku-no12-4.pdf?site=sp

○鳥取県:ほぼ県内全域の水辺に生息。
 ・ヌートリア・アライグマ防除の指針https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/253861/boujyo_shishin_setsumei.pdf

○山口県:2009年に山口市阿東で死亡個体が初めて確認され、阿武川流域で分布拡大。した。2013年に山口市椹野川河口で確認された後、急激に増加し、2017年には、ほぼ県内全域に分布拡大。
 ・山口県(2018)山口県外来種リストhttps://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/53767.pdf

○広島県:「県内各地域の平野部で水系を中心に分布を拡大しているものと推測されていますが、全県的な分布状況の把握は行われていません」「内藤(2016)は,広島県内での淡水二枚貝への加害例を報告している.記録をさかのぼると1978年にはその形跡が見られ,本種による食害と気付かれずに長年見過ごされていた可能性がある.」
 ・「生物多様性ひろしま戦略」
 ・「広島大学デジタル博物館 ヌートリア」
https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php?title=ヌートリア&mobileaction=toggle_view_desktop

○岡山県:第二次世界大戦後、岡山県各地で飼育されたヌートリアが放逐され、各地に定着はしたが増加はしなかった。そのうち、児島湾干拓地周辺に定着した個体が増加・分布拡大し、1970年代に全域に分布するようになった。
 ・三浦慎悟(1976)分布から見たヌートリアの帰化・定着,岡山県の場合.哺乳動雑 6:231-237.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmammsocjapan1952/6/5-6/6_5-6_231/_pdf/-char/ja

△?愛媛県:松山市島嶼部で、漂着個体(死亡個体)の確認例がある。
 ・「愛媛県の特定外来生物 愛媛県で野外確認されている主な特定外来生物」https://www.pref.ehime.jp/h25115/biodiversity/documents/p3.pdf

△高知県:1953年に香宗村(現香南市)で農作物被害が出て駆除。狩猟統計に1975年度と1995年度に捕獲記録。一時的に定着していたようだが、1995年度以降記録は途絶える。
 ・四国自然史科学研究センター「高知の外来生物」http://lutra.jp/framepage29.htm

○香川県:「丸亀市の島嶼部と小豆島では岡山県から泳いできたヌートリアによる野菜や水稲の被害が発生しています。内陸側にもいつ渡ってきても不思議ではありません。」
 ・香川県「アライグマ・ヌートリアについて」https://www.pref.kagawa.lg.jp/midorihozen/seibutu/gairaiseibutu/araiguma.html

△徳島県:環境省は確認していないが、徳島県は分布を確認としている(伝聞記録のみ)。
 ・四国行政評価支局(2013)「特定外来生物の防除等に関する行政評価・監視」結果の公表 関係資料」https://www.soumu.go.jp/main_content/000276763.pdf

○兵庫県:2004年時点で淡路島を含む全域に分布。
 ・栗山武夫・高木俊(2020)兵庫県の外来哺乳類(アライグマ・ハクビシン・ヌートリア)の生息と農作物被害の動向(2004-2018 年度). 兵庫ワイルドライフモノグラフ 12 :1-23.https://www.wmi-hyogo.jp/upload/database/DA00000592.pdf

○大阪府:大和川水系以北に広く分布。分布は南に拡大中。
 ・野生動物保護管理事務所(2007)平成18年度ヌートリア生息状況調査報告書.大阪府,大阪.
 ・大阪府外来生物目録(鳥類・哺乳類)作成検討部会(2008)外来生物って知っていますか? 大阪府,大阪.
 ・ヌートリアを見つけてね 情報募集中!(日本のヌートリア分布調査)http://www.mus-nh.city.osaka.jp/wada/honyu/Nu.html

△和歌山県:2009年8月和歌山市福島で確認例がある。
 ・「和歌山県の外来種リスト 哺乳類」https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/032000/032500/gairai/list_proposed_d/fil/list00-zentai.pdf

○奈良県:木津川水系には2010年代にすでに生息、奈良盆地へは2019年に侵入し分布拡大中。
 ・ヌートリアを見つけてね 情報募集中!(日本のヌートリア分布調査)http://www.mus-nh.city.osaka.jp/wada/honyu/Nu.html

○京都府:2018年3月時点で、ヌートリアの記録があるのは、伊根町、京丹後市、宮津市、与謝野町、舞鶴市、福知山市、綾部市、京丹波町、南丹市、京都市、亀岡市、八幡市、南山城村
 ・「京都府外来生物対策マニュアル ヌートリア」https://www.pref.kyoto.jp/shizen-kankyo/news/general/2012/5/documents/1340950026284.pdf

○滋賀県:外来種リストは種名のみ。琵琶湖博物館が2020年度に分布調査を実施。その調査の案内文に「2000 年頃まで、あまりヌートリアの目撃情報がありませんでした。 ところが、2010 年頃から、<中略>問い合わせが博物館へ届くようになりました。」。その調査結果を見ると、県の南半分に記録が多いが、高島市や米原市でも記録されており、琵琶湖北端でも1ヶ所記録されている。
 ・滋賀県(2019)滋賀県外来種リスト2019https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5147117.pdf
 ・琵琶湖博物館「「えっ!?こんなところにもヌートリア」調査のご案内」https://www.biwahaku.jp/uploads/bf448e3e4bd2f023685f1f83657fe0c647f1891c.pdf
 ・琵琶湖博物館「【終了しました】フィールドレポーター2020年度第2回調査「えっ!?こんなところにもヌートリア」案内」https://www.biwahaku.jp/2021/02/20202.html
●2023年3月26日 子どもまつり 生態系班 2日目

今日も一日、生態系班を見守る。同時に、電機付けたり消したり、パーティション張ったりどけたりと、裏方約。ただ、途中からは余裕の出てきた大学生のみなさんが自分でやってくれるようになった。昨日の反省点は、
・塗り絵の手前までで20分程度まで引っ張る。
・展示室で、見学の保護者もコントロールして通路を確保。
の2点。そして、今日は時間を気にしながら進められるようになったのが、大きな進歩。午後からはさらに余裕が出てきたので、保護者のコントロールにも気を配れるようになった!
 個別にはもっと声を出すようにとか、ヌートリアを長めにとか修正を求めたら、対応できてた。欲ばって3回目から台本を持たずに進行してみよう。と指示したら、また余裕がなくなり気味に戻って面白い。

導入+クロゴキブリ+アマガエル+ヌートリア+塗り絵のラップタイムは、
1回目:2分+6分+5分+5分+10分=合計28分(導入〜クイズ18分)
2回目:2分+5分+5分+3分+17分=合計30分(導入〜クイズ15分)
3回目:3分+6分+6分+4分+10分=合計29分(導入〜クイズ19分)
4回目:3分+5分+5分+3分+14分=合計30分(導入〜クイズ16分)
5回目:3分+4分+5分+3分+12分=合計27分(導入〜クイズ15分)
6回目:3分+7分+8分+5分+7分=合計30分(導入〜クイズ23分)
7回目:3分+4分+6分+3分+13分=合計29分(導入〜クイズ16分)

参加者数は、
1回目:子ども10人+保護者9人(子ども2人+保護者3人は、カエルから合流)
2回目:子ども7人+保護者8人
3回目:子ども9人+保護者5人
4回目:子ども10人+保護者10人
5回目:子ども8人+保護者4人
6回目:子ども10人+保護者5人
7回目:子ども5人+保護者3人

企画段階での懸念事項は、
・シルエットクイズとパズルの2本立てなのを導入でうまく伝えられるか?
・シルエットクイズを子どもが楽しめる形にできるか?
・シルエットクイズの際に子どもをうまく動かせるか?
・クイズからの3つの動物の解説の内容と長さが適当か?
結論から言えば、最初の3つは杞憂であった。子ども達のクイズ系への理解力は高く、期待通りに盛り上がってくれて、勝手にどっかに行ったりしない。そして、ゴキブリとカエルはシルエットですぐに判ってた(カエル難しいと思ったけど)。立ったヌートリアですら当てた子がいた。これからシルエットクイズをすること自体は、偶然にも導入の身近な生きもの解説でウォーミングアップできてしまっていた。
3つの動物の解説は、ネタが足らず、内容も微妙だったので、
・ゴキブリ:屋外にもいるという説明がメイン。展示の他のゴキブリを見る。林のゴキブリ2種の生息場所を補足。オオゴキブリとモリチャバネゴキブリの展示もあることを指摘。
・アマガエル:吸盤があって木や壁に登れるという説明がメイン。展示で並んでるのは水田で産卵するカエル。アマガエルは色が変わる(コンクリートについてると灰色)。
・ヌートリア:後肢の水掻きに注目して、水辺のネズミで泳げるという説明がメイン。潜水もできる。大阪城の堀にいる。
といった内容を補足説明した。随時足して話をしてくれていた。アマガエルの色の話がちょっと微妙だったけど。
●2023年3月25日 子ども祭り 生態系班 初日

コロナ禍になってから、無事に準備した企画を実施できるってありがたいなぁ、と思うようになった。3年前は我が事のように残念だった。
で、我が生態系班なのだが、別に生態系の話をするのではなく、身近な動物を探してみようという企画。
今日は、3クールに2回ずつで、6回実施。最初の回が、一番ドキドキで、さらに人数も多く、騒がしくて苦労していたけど、それを見てからのその後はスムーズ。担当は受付のハンコを押したら、ラップタイム測る以外には、電気付けたり消したり、パーティションを張ったりどけたりしてるだけ。途中で、展示室内の動画の音声を下げただけ。

プログラムの流れは、
1:展示室の外で導入。身近にどんな生きものがいるかな?という問いかけ。
2:シルエットクイズとパズルのピース集めの説明と、パズルの台紙配り。
3:クロゴキブリのシルエットクイズ → 解説(野外にもいる種があるよ) → ピース配布
4:ニホンアマガエルのシルエットクイズ → 解説(吸盤があって、木や壁に登れる) → ピース配布
5:ヌートリアのシルエットクイズ → 解説(足に水かきがあって泳ぐの得意) → ピース配布
6:塗り絵
という感じ。全部で30分、塗り絵タイムは10分程度、という以外は事前には決まってなかった。で、やってみると、導入+クロゴキブリ+アマガエル+ヌートリア+塗り絵の時間は、
1回目:4分+4分+5分+3分+11分=合計27分(導入〜クイズ16分)
2回目:3分+3分+4分+3分+17分=合計30分(導入〜クイズ13分)
3回目:4分+5分+5分+4分+9分=合計27分(導入〜クイズ18分)
4回目:3分+3分+3分+3分+18分=合計30分(導入〜クイズ12分)
5回目:3分+5分+6分+4分+8分=合計26分(導入〜クイズ18分)
6回目:4分+6分+5分+6分+9分=合計30分(導入〜クイズ21分)
毎回MCは入れかわっていて、3回目と6回目が同じ人。最後の塗り絵で時間調整するから、合計がほぼ30分になるのは当たり前。導入から塗り絵直前までの時間が重要で、予定通りの20分前後が望ましい。ここが12-13分だと、塗り絵時間が15分を超えて長くなりすぎる(塗り絵に飽きる子が出てくる)。かといって、早めに終わると、次の地学班の最後が見えてしまいネタバレの危険が高くなる。
5回目の前に、子どもとのやり取り多めにして、少し長いくらいで。とオーダーしたら、ちゃんと対応してくれて、良い感じになった。

ちなみに参加者数は、
1回目:子ども10人+保護者10人(+赤ちゃん1人)
2回目:子ども9人+保護者6人
3回目:子ども10人+保護者7人
4回目:子ども10人+保護者4人
5回目:子ども11人+保護者9人
6回目:子ども8人+保護者3人(+赤ちゃん1人)
子どもは集めてたし、展示の説明時には集まってた。が、しばしば保護者がひろがっていて、展示室内の通行の邪魔になっていた。保護者のコントロールが課題かと。
●2023年3月24日 こどもまつり前日

3つの班のメンバーが、おおむね全員、午前中から集まって、最後の追い込み。トークの原稿を仕上げ、パネルなどを完成させ、実施場所でお試し。さらに修正。忙しそう。でも、だんだん形になってくるのを見るのは楽しい。時間の推移とともに準備状況を追っていくと、

午前10時 3つの班で準備開始。
午後2時 野菜班が会場のMSCで通し稽古。その後、修正と打ち合わせ。
午後3時 生態系班が大1展示室周辺で通しで試してみる。その後、修正と打ち合わせ。
午後4時30分 会場設営開始。
午後5時30分 3つの斑の前日最後の通し稽古

通し稽古を見てのコメント(見た純)。すべて見てコメントしたら、午後8時30分だった。どの班もほぼできてきたけど、最後の仕上げがまだ残ってる感じ。
・生態系班:導入はかなりこなれた。ゴキブリパートのやり取りは良い感じ。アマガエルパートもゴキブリと同じように、アマガエルが正解と最初に言うべき。ヌートリアパートは、小さいのを下に降ろして、後足の水掻きを見やすくする。全体的に気になるのは2点。シルエットクイズの正解を見つけた・見つけてない子どもの扱いからの説明開始の流れ、混雑時の通路の確保。
・野菜班:野菜さんが登場する芝居+クイズ、その後にハンコ押す作業もあって楽しいけど、盛り沢山過ぎる。前半をもう少し早めに終わらせる必要あり。野菜さんの動きやクイズの展開をテキパキしたら間に合うか?それとも少し削るか? その他気になるのは、裏方が見えるのと、パネルや野菜の出し入れ。そして台本を明日までに頭に入れられるか?
・地学班:前後に博士のミッション、間に展示室での3つの時代の化石さがし。最後に長い巻物を見せて、完成させるのは楽しい。時代順だと順路を逆行するので、混雑時は厳しい。長い巻物をどうやって見せるか、持ち帰り用をどのように作るか。
●2023年3月23日 日本のヌートリアの分布に関する文献・サイト 全国版編

大阪府のヌートリアの情報は、2000年に初めて記録された頃から集めていたし、2007年からは、ヌートリア情報募集のwebページも立ち上げた。当初は大阪府の情報だけ集めていたのだけど、ポロポロと大阪府以外の情報もいただき、徐々に日本全体の情報を蓄積していこうと思うようになり現在に至る。
この流れは、ハッカチョウ の時とよく似てる。でも、ハッカチョウと違って、ヌートリアの方が分布がすでに広がっていた。そして、ハッカチョウと違って、特定外来生物なので行政などの注目度が高く、駆除が行われていたり、分布情報があちこちに散らばってる感じがある。
現時点で中国地方+兵庫県にはすでに広く分布している。岐阜県・愛知県、つまり濃尾平野周辺にも広く分布している。でも、分布拡大中のエリアも多い。
・滋賀県北部から北陸方面
・大阪府南部、奈良県、和歌山県、おそらく三重県南部といった紀伊半島
・静岡県東部から神奈川県にかけての東海
まだ分布してなさそうだけど、おそらくそのうち分布を拡大していきそうな
・九州
・四国(香川県はまだ瀬戸内海の島々のみ)
・関東(近年の情報はまだマスクラットの誤認が多そう)
つまり、日本全体で情報を蓄積していく意義はありそう。とくに地元の紀伊半島は気になる。で、真面目に情報集めに取り組むならと、今更ながら既存情報をまとめてくれてる文献・サイトをチェックしてみた。

◆国立環境研究所侵入生物データベース(https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10140.html)
 →分布情報は、次の環境省(2018)をそのまま採用してるっぽい。その結果、同じことを疑問に思うことに。

◆環境省(2018)アライグマ、ハクビシン、ヌートリアの生息分布調査の結果について(https://www.env.go.jp/press/105902.html)の添付資料1(https://www.env.go.jp/content/900512164.pdf)
 →調査方法は、「平成22年以降の生息分布情報を対象として、国、都道府県、研究機関、研究者等による既存情報を整理しました。また、全市区町村へのアンケート調査(回答率99.2%)」。それを5kmメッシュで整理。
  現時点で一番信頼できる日本全体を対象にした分布調査だけど、気になる点がいくつか。
 ・福島県と埼玉県でそれぞれ1メッシュの記録があるが、同定は正しいのか?定着してるのか?
 ・静岡県では、浜松市周辺の西部に出てるのはいいとして、伊豆半島周辺の東部の記録は確実なのだろうか?
 ・北陸では、福井県南西部でのみ記録が出てる。福井県の分布は北上してると聞くが、情報が漏れてないかな?
 ・奈良県では、北東部の記録があるのはいいけど、王寺町と生駒市辺りのメッシュに記録があるのは気になる。本当なら具体的な情報が欲しい。

◆鈴木欽司(2005)日本外来哺乳類フィールド図鑑.旺文社,東京.
 →福井県・岐阜県・愛知県以西の本州(ただし山口県、奈良県、滋賀県を除く)と香川県の13父権に分布としている。島根県と広島県では分布拡大中としている。関東でも戦後逃げ出して繁殖していたが、近年絶滅したとされる。分布図には入れていないが、千葉県(ただし恐らく誤認か一時的)、埼玉県(1例)、神奈川県(近年の情報なし)、滋賀県(情報少ない)、石川県(1例のみ)で記録があり、茨城県・福岡県でも過去の記載はあるとしている。

◆日本生態学会編(2002)外来種ハンドブック.地人書館,東京.
 →「現在では、岡山県・岐阜県・愛知県・兵庫県・島根県・京都府・鳥取県・三重県・広島県・香川県など広く分布し、近年は大阪府の淀川流域にも生息している。」
●2023年3月22日 学芸員の仕事 個人的評価基準

学芸員の仕事は多岐にわたる。でもまあ、とりあえず専門分野、を含んだ担当分野に関しては、調査研究、資料収集保管、展示、普及教育、さらには来館者対方、質問対応。といったことをするのは当たり前。その上で、博物館全体あるいは自分の担当分野以外の部分も分担する必要がある。そうした分担をする人がいないと、博物館全体はきちんと機能していかない。
という意味で、担当分野のことすらしない奴は話にならないのと同様に、担当分野以外のことを分担しない奴はいらない。担当分野のことに関して、どのように進めるか、どこに力を入れるかは、他の学芸員との調整も必要だけど、かなりの部分が担当者の専決事項ではある。一方、全体的な分担部分に関しては、最初から他の学芸員との役割分担決めや調整が必要だし、そもそも全体で何をどのように進めるかを決めるところでは、提案というプロセスが必要になってくる。

今日、何人かと話をしていて気づいたけど、学芸員が仕事ができるやつかどうかを判断する際、全体的な分担部分についての、積極的・自発的な参加をとても自分は重視してるんだなぁと思った。
会議でろくに発言しないやつの評価は低い。それはすなわち貢献度の低さ。判らないなら、どこが判らないか発言することで、議論に貢献できるはず。
そして、自分から担当するのではなく、言われた仕事をするだけなのも、自発性・積極性が低いと定評価。もちろん担当した後も、指示しないときちんと進められないのも定評価。進め方が判らなければ、迷ったら適切な相手に相談するなら評価は高まる。
そして、自分から新たな展開を提案できれば、とても評価が高くなる。

ということで、指示されないとできない奴は、この指示に基づいて、積極的・自発的に仕事をするように。
●2023年3月21日 春のなにわホネホネマラソン3日間

初日と2日目は、生態学会大会に出席しながらの鳥の日。3日目は、アシカの皮処理に熱中していて、生態学会大会に出席するどころではなかった。まあ、3日目の今日は総会と受賞講演会だけなので、いいけど。

初日は、生態学会大会で高校生のポスター発表をみたりしつつ、小鳥を3羽剥いた。ポスター発表はすでに一通りチェックしていたけど、チェックしていなかった発表で、ポスター賞をとったのを中心にながめる。動画があるので、みていて楽しいが、中身が頭に入りにくいかも。
鳥剥きの方では、初心者が3人皮剥きしていて、心配。案の定、できは悪い。腹が広く裂けたのが2人、腹の周りを汚したのが1人。汚したのは、腹回りだけ洗ってもらったら、意外と綺麗になった。肉取りとか仕上げがダメなので、帰った後にこちらで修正した。昼間は自分の皮剥きと、生態学会大会で十分対応できなかったのを反省。
ベテラン2人は、骨取り優先の皮処理。フクロウの方は、足指の先まで剥いてくれた。剥けるんだなぁと思った。

2日目は、平日なのでキャンセルしようかと思ったら、前日に希望者が出現したので、急遽実施することに。生態学会大会では、テーマセッションが続く。
希望者にはカワウの皮剥きをしてもらう。脂肪多くて大変そうで、時間がかかったけど、綺麗に仕上がった。ただ、首に綿を詰めすぎかも。
こちらはボロボロのオナガガモを骨取り優先で皮処理。昨日のフクロウを真似て、足指の先まで剥くと同時に、嘴剥きにも挑戦。足を剥くのは、腹側を裂けば簡単だった。ただ少し腐ってないと爪は抜けない。嘴は、鼻腔までしか剥けず。頑張れば上嘴はもう少し剥けるかも。上嘴内側の板歯は、分離したけど剥けた。下嘴の板歯は剥けなかった。

そして3日目。肉取りや皮剥きしている横で、アシカの皮処理。7人がかりで9時間コース。オス個体で大きくて、それでいて脂肪が硬い。もちろん削りとれない。ということで、ハサミで切るか、メスでそぎ切りの人力作業。皮剥きと肉取りがそうそうに終わって、花見にいく!というので、アシカ皮が終わってからじゃ!とアシカ班で凄んで見せる。
久々の面倒な大物。これに比べると大きなネコ皮は簡単なんじゃなかろうか。マラソン3日目ということもあり、面倒な大物ということもあり、けっこう疲れた。終わったら、体中が魚臭いのと同時に、なんか頭が痛い。

【追記】
翌日は、朝から両手がだるい。指に力が入らない。そして、着替えたのになんか魚臭い。と思ったら、ジーパンは履き替えてなかった。
●2023年3月20日 生態学会大会リモート4日目

今日4日目も、なにわホネホネ団で、鳥の皮剥きをしながら。

ポスターセッションは一通り見たし、フリーのオーラルセッションも終わって。今日は、ミニシンポ的なテーマセッションが続く。朝から、ずっとそれを聞き流す。それでも、時々面白い発表や話題があって、手を止めて見てしまう。

・学際的・分類群横断的に動物のコミュニケーション研究を見てみよう
 なぜか聞き入ってしまったのは、「カエデチョウ科鳥類の羽装模様の進化と視覚選好の関係」。カエデチョウ科によくある点々模様は、感覚バイアス仮説で説明できるか?という研究。感覚バイアス仮説というのを知った。後ろから背景音として、小鳥の声が聞こえてきて臨場感あふれていた。「セイキチョウの求愛タップダンスに含まれるマルチモーダル信号の役割」では、マルチモーダル信号という言葉を覚えた。

・生きものを映像化する 〜「ダーウィンが来た!」ご利用ガイド〜
 「ダーウィンが来た!」という番組は、研究者の研究に同行するという点で類を見ない番組である、という自慢から始まって。NHKと研究者はWinWInだよって話。ハリガネムシが水に飛び込み、小鳥が喋る。同行して撮影した画像であっても、カメラマンが撮った画像は、使わせてもらえないらしい。

・日本の市民科学のすそ野を広げるアプローチと課題解決への挑戦
 Nature(Irwin,2018)に「博士号は必要なくなる:市?科学は研究に変 革をもたらしている」という論文が発表されたらしい。でも、日本ではまだまだ市民科学は遅れている。って認識のもと、市?科学のすそ野を広げるうえで意義のある2つの新たなアプロー チとその実践を紹介したらしい。完全に聞き逃した。というか、聞き流していた感じでは、自然史博物館的に、それほど目新しい取り組みはなかったような?

・LT of LT:長期観測・時系列データ、ライトニングトーク
 JaLTERという言葉を覚えた。ただ、登録しても長期データの存在を広くしってもらう効果がある程度で、経済面や人材面での支援はないらしい。
天売島以外にも海鳥のこれだけの長期モニタリングがあったのか!と驚き。あいかわらずものすごい50年以上におよぶ北海道のネズミの長期モニタリングに感心する。一方で、あの小川試験地でのモニタリングでは、シードトラップを減らすことはできないかの検討をしてるのにショックを受けた。日本各地で行われているハリガネムシのモニタリングはものすごい労力がかかってて驚いた。いつまで続けるか悩んでるって言葉が印象的。続ければ続けるほど新たなすごい発見がありそうだけどなぁ。いずれのLTERでも、ほぼ手弁当の有志で維持されていて、継続には不安しかない。志高い少数の人に頼らなくても続けられる仕組みがあればいいのに。
と思いつつ、自分の30年近く続けているモニタリングを、今後どうするかなぁ、と思ったりする。
●2023年3月19日 生態学会大会リモート3日目

3日目は、なにわホネホネ団で、鳥の皮剥きをしながら。

オーラルセッションは、昨日までにもまして聞き流しながら。
ポスター発表の方は、高校生発表を中心に、発表動画付きを中心に。普通のポスター発表よりも、高校生の方が動画の作成に力を入れている。ポスターのスライドを見せながら、たぶん話す担当とポインター担当を分担していたり。字幕入れたり、ポスターの横に話しての顔を入れたり。一発撮りが多いけど、編集したりもしている。とある中高一貫校から2つ発表していた。どちらも順番に高校生と中学生が入れ替わり説明してくれる。が、一方は録画した後、アフレコしてる。もう一方は、編集してつないでいってる。一発撮りではうまく話せないところのフォローの仕方に、流派の違いがあって面白い。などと思って見てると、中身がぜんぜん入ってこない…。
ちなみに一推しは、クビアカツヤカミキリのかぶり物で、発表してるの。一番不満だったのは、「イモリに捧げる曲」がかからない奴。きっとかかると思って、ワクワクしながら動画を見たのに!

なにわホネホネ団の活動中ではあるけど、自分のポスター発表中でもあるわけで、1つ質問が追加された。
・ヌートリアが記録された時間帯は? 夜の活動域が見逃されているのでは?
学会発表を、”ながら”でやるのは、初めて。リモート学会ならではだし、ポスターの前にずっと立ってなくていいから、楽チン。ってゆうか、いつも対面でのポスター発表は、貼り逃げに近いので、リモートの方がむしろやりとりは多いかも。
●2023年3月18日 生態学会大会リモート2日目

公開講演会のタイトルを見て、今回は東北開催であることに、ようやく気付いた。という訳で、おおむねポスター発表のチェックは昨日までで終わったので、今日は朝からオーラルセッションを聞く。リモートだとどうしても聞き流してしまいがちだけど、それでも10題は真面目に聞いた。
その後、昼休みをはさんでポスターセッションコアタイム。今日は自分の発表もあるので、誰か見に来るかチェックを繰り返す(何人が閲覧中か表示されるので、ただそれを見てると自分が1名ぶんカウントされるので、なんか恥ずかしい感じ)。あまり誰も来てくれない。と思ってたけど、何だかんだで、4つ質問の書き込みがあったので、気付くたびにお返事を書く。意見交流場というのがあるけど無視した。うまく入れないし、よそのポスターでもあまり入ってる人いないし、発表者だけが入って淋しそうなところが目立つだけだし。
ちなみに、自分のポスターに書き込みがあれば、メールでも、サイトのお知らせでも知らせてくれる。ただ自分が他所のポスターに書き込んだ質問の答えが来ても同じように教えてくれるし、質問に自分が答えたのも教えてくれて、通知だらけになる。親切だけど、ちょっとうるさい。
さらにちなみに、お知らせメールには書き込み内容が書かれていて、保存出来るのでありがたい。ポスターへの質問コメントは、
・海を渡って分散するか?
・富山県でも記録がありますよ!
・服部緑地や樟葉近くで見たのはヌートリアかな?
・兵庫県ではおもにため池にいたけど、奈良県の記録はどんな環境?
の4つ。
自分のポスターコアタイムと、公開講演会の合間に、さらに見逃していたポスターをチェックした。今日新たに見たポスターは20題。コメントしたのは1題だけ。Tweetは、ポスター3題とオーラル4題。

昨日審査したポスター賞が発表されていた。自分が最優秀に推したのが最優秀になって、優秀に推したのが優秀になっていた。1つのポスターの審査員は何人なんだろう? まあ、あまり疑問の余地はなかったからね。
●2023年3月17日 生態学会大会リモート1日目

という訳で、今日から生態学会大会。すでに昨日からポスター発表見てるし、コメント・質問への返事があって、とやり取りも始まってるので、今日からスタートといっても実感がない。ただ、オーラルセッションだけは今日から感がある。今回は、セッションごとに別のZoomが立ち上げられていて、複数の部屋を同時にのぞくことはできない。でも、オーラルセッション聞きながら、ポスター発表を見ることはできるので、オーラルセッションは聞き流しがち。けっきょくまあまあ聞いてた口頭発表は9題だけ。
口頭発表はライブで共有しながら発表する人と、あらかじめ録画した動画を流すタイプに分かれてる。で、オーラルセッションにもページが設けられていて、そこで動画は後からでも見られて、質問もできる。ってなってたと思うのだけど、そのサイトにうまくいけない。昨日は行けた気がするのになぁ。ヌートリアの発表に質問したかったのに、し損ねた。
ポスター発表は、コアタイムがあるのが発表日だとすると、昨日371題、今日283題、明日は高校生発表で65題。昨日チェックできなかったのを含めて、全部一応チェックできた。中身を多少なりとも開いて見たのは、52題。その内、7題にコメントして、12題つぶやいた。
そして、いよいよ明日は、自分のポスター発表。ちなみに今日の夜時点で、誰からも質問がない…。明日もなんにもなさそう。

SpatialChatというのが使えるらしいのだけど、なぜかうまく入れない。と言ってる人が他にもけっこういる。
ポスター発表には、意見交流場というのが付いてるけど、これもうまく使えるか心配。
ポスター賞は、とくに変化がなかったので、昨日の評価のまま提出。
●2023年3月16日 生態学会大会リモート0日目

明日からが生態学会大会だけど、今日からポスターは一通り見られるので(昨日以前もアップされてたら見れたけど、まだ差し替えがあったはず)、今日は明日3/17がコアタイムのポスター発表をチェックした。明日がコアタイムのポスターは、371題もあって、一通りざっとチェックするだけでも大変で、329題までしかチェックできなかった。チェックといっても大部分はタイトル見て素通りするだけ、で、多少なりとも中身を見たのは、44題に過ぎない。その内、質問書き込んだのが9題、内容覚えておきたくて呟いたのが13題。
とりあえず鳥はできるだけチェックして、哺乳類と両生爬虫類もだいたいチェックして、植物は基本的に涙をのんでスルー。節足動物とか軟体動物などは、よほど惹かれたら見てみる感じ。リモートだと、偶然引っかかって話を聞いてしまうという出会いがないのが少し残念。

今回は、運営サイドから、ポスター賞の審査も仰せつかっている。今日から明日16時までに11題のポスターをチェックしなくてはならない。ただ、ドタキャン1題、マストの動画をアップしていないのが2題あって、審査対象は8題に減ってくれて助かった。
トップ3ははっきりしてるけど、トップ5を選べというオーダーで、残り2つをどれにするか悩み中。とりあえず仮評価状態。もし明日のコアタイムまでに動画がアップされたら、それも審査対象なんだろうなぁ。
●2023年3月14日 手持ちのヌートリア情報を整理:2020年〜2022年の大阪府

今週末のとある学会で、大阪府のヌートリアの分布の変遷で話すことにしてしまったので、直前に慌ててデータ整理。2000年に初めて見つかっていこう、2019年までの大阪府のヌートリアの分布については、2020年の外来生物の特別展の時に、5年きざみで分布図を作成して、その変遷をおった。せっかくなので、その後3年の分布図も付け加えて、と思ったのが間違いのもと、直前にバタバタしている。
もう直前すぎて時間が足らない。そして、なぜかコロナ禍に突入した2020年以降、ヌートリア情報自体が、いまだかつてないくらい急増。それは、とてもありがたいけど、整理が大変。きちんとした整理は諦めて、分布図を作成するのに必要な情報だけを引っ張り出した。それだけでも、昨日一昨日の2日がかり。合計15時間ほど。で、今日の午後に頑張って分布図作成。なんとか発表には間に合いそう。せっかくなので、過去3年に大阪府内でヌートリアの記録があった市区町村をリストアップしてみた。

・北摂:池田市、箕面市、豊中市、吹田市、茨木市、摂津市、高槻市、島本町
  →能勢町と豊能町以外の全部。能勢町と豊能町にも生息しているけど、この3年間は情報が集まらなかった。
・北河内:枚方市、寝屋川市、大東市、四條畷市、門真市、守口市、東大阪市、八尾市
  →交野市以外はすべて記録があった。交野市も生息してそうだけど。この3年間は情報がなかった。
・大阪市:東淀川区、淀川区、西淀川区、此花区、大正区、福島区、北区、都島区、旭区、中央区、生野区、平野区、東住吉区、住吉区、住之江区
  →淀川と大和川、そしてその他河川沿い。ただ、ミナミ辺りの道頓堀川とかには出てないみたい。港区の記録がないのは偶然。
・南河内:松原市、藤井寺市、柏原市、羽曳野市、富田林市、大阪狭山市、河内長野市、太子町、千早赤阪村
  →河南町以外のすべての市町村で記録された。千早赤阪村にまで出現したのは特筆されるかと。そこに行くには河南町を通ってる。
・泉北:堺市
  →今のところ、堺市のみで記録されている。大和川水系だけでなく、石津川水系でも出現した。次は、大津川水系にいつ入るか。
・泉南:岸和田市
  →今までも泉南地域からの情報があったけど、画像がなくて、単発の情報でしかなく、実は疑ってた。でも、今回は春木川で撮影されたし、繰り返し記録されている。ついに定着しそう。

という訳で、2015年〜2019年と比べると、大和川水系全域に拡大し、石津川水系と春木川に定着。着々と南に拡がっている。
●2023年3月13日 手持ちのヌートリア情報を整理:大阪府と奈良県以外

2020年以降のヌートリア情報を整理中。2020年〜2022年の大阪府のヌートリアの分布図を作成するのが目的。ちなみに2000年〜2019年の分布図は、外来生物の特別展の際に、5年ごとにすでに作成済み。その後の状況を含めて、今週末に話をしなくてはならないから。
ということで、大阪府(と奈良盆地)の情報を整理すればいいだけなのだけど、大阪府の情報を引っ張り出すついでに、大阪府以外のデータを整理した。むしろ、大阪府の情報は完全に整理できないけど、他府県の情報はさほど多くないのできちんと整理できる。このついでに、どこまで手元に情報があるかを把握して、足らない部分を補いたい。
ということで、大阪府以外について、ヌートリア情報を持ってる府県と市町村名をリストアップしてみた。ただし2020年以降限定。

・島根県:浜田市
・広島県:広島市、江田島市、呉市、東広島市
・岡山県:岡山市、瀬戸市
・香川県:小豆島町
・兵庫県:神戸市、明石市、尼崎市、伊丹市、加古川市、加西市、加東市、川西市、宝塚市、西宮市、姫路市、三木市
・奈良県:奈良市、生駒市、桜井市、大和郡山市、斑鳩町、王寺町
・京都府:京都市、宇治市、亀岡市、木津川市、八幡市、精華町
・滋賀県:大津市、草津市
・岐阜県:瑞穂市、本巣市
・愛知県:名古屋市、一宮市、瀬戸市、大府市、田原市、西尾市

このすべての情報をあわした何倍もの大阪府の情報がある。そして、大阪府以外の情報も大阪府の近隣に集中している印象。

近年のヌートリア情報があるはずなのに、情報を持っていないのは、山口県、鳥取県、福井県(嶺南の一部)、静岡県(浜松市のみ?)。
情報は持っていても明らかに不充分なのは、島根県、岡山県、兵庫県、滋賀県。いずれも全域にいるはず。岐阜県、愛知県ももっと広く生息してるはず。


ヌートリア情報があれば、大阪府の情報も、大阪府以外の情報も、是非お知らせを。
●2023年3月12日 カラスの巣チェックスタート

今年のカラスの巣のチェックをスタートした。2009年に始めてるから、15シーズンめに突入。例年に比べると、今年のスタートは出遅れ気味。
例年は2月なかばには、秋〜冬物の果実が食べ尽くされて、果実チェックが終了。それから少し休憩はさんで、カラスの巣チェックスタート。今年は、3月頭まで果実が残っていて、その分、カラスの巣のチェックが出遅れた感じ。果実チェックと並行したカラスの巣もチェックすればいいのだけど、研究大会、総会、学会大会とイベントの多い季節で、両方チェックする余裕がなかった。

2月6日に、今年の繁殖期前のカラスの巣の状況をチェックしてあった。例年年末年始にやってるので、これまた出遅れてる。やる気のある年は秋にもチェックしてるけど、それもしてないし。ともかく、繁殖期直前のカラスの巣は、13巣。昨年の繁殖期にあった巣の多くがなくなっていた。
で、今日チェックしたところ、その13巣は健在。新たなにできた巣が5巣。昨年からあったハシボソガラスの巣はすでに抱卵が始まってる様子。少し出遅れ感は否めないが、まあ間に合ったといっていいかと。
これから1ヶ月ほどが、造巣期のピーク。週1回はチェックしたい。
●2023年3月11日 研究課題:コゲラによる捕食がもたらす虫こぶの形質進化

鳥の観察会。今日はコゲラがよく見られる。基本的に木の幹や枝を移動しながら何かしてる。なのに、枝先にとまって、何かを熱心につついているコゲラを発見。
枝先に大きめの丸いものがついてる木だった。果実? この季節にそんな果実をつける木ってなんだろう? で、コゲラがつついているのが、その丸いもの。あの木なんだろう?と言ったら、参加者の一人があれはイスノキで、丸いのは虫こぶち教えてくれた。
イスノキの虫こぶといえば、葉っぱの真ん中に丸いコブができるのは知ってるけど、あんなのあったっけ? と思って近づいたら、その虫こぶも付いていて、イスノキの実もなっていた。枝先の丸い大きな虫こぶは、イスノキナガタマフシというらしい。その中は空洞で、イスノフシアブラムシアブラムシが入っている。とネットで見たら書いてある。コゲラは、中のアブラムシを食べているのだろう。

虫こぶは開ければ、中に確実にアブラムシが入ってるわけだから、穴を開けられるコゲラやシジュウカラにとっては、楽して食べられる食料源ってことになりそうな気がする。とくに中が空洞でアブラムシが入ってる場合は、穴さえ開ければ、食べるの簡単。問題はアブラムシの小ささくらい。
虫こぶをつくるアブラムシ側からしたら、たまったものではないから。虫こぶを固く、皮を厚くする選択圧がかかりそう。
コゲラ以外には、シジュウカラなどカラ類も捕食者として、選択圧に貢献しそう。
というわけで、鳥の選択圧による虫こぶ形態の進化。という研究課題を思いついた。
●2023年3月10日 小学4年生に前肢をひねるメカニズムその他を説明する

なんと、その小学4年生たち(3クラス90人ほどいるんだけど)、授業で動物(哺乳類と鳥類)が前肢を捻るメカニズムを習ってるらしい。で、上腕骨、橈骨、尺骨という言葉も知ってるし、どこにあるかも知ってる。そんな小学4年生がいるとは吃驚。
で、そんな4年生達が授業で疑問に思ったことを、学芸員にぶつけてみよう。という企画。さらに、午前中に展示のホネを見て出てきた質問もぶつけられた。その上、子ども達がその場で質問してくるのにも対応。1クラスから2人ずつ、6つの質問に答えた。が、まだ手がいっぱい上がってるので、さらに1クラス3人ほど、9つの質問に答えた。もっとも子ども達からの直接の質問15問の内、3問は答えられなかったが…。悔しい。

授業で出てきた質問は、
・鳥は肘から先を捻られるのか?
・ウサギは橈骨と尺骨が引っ付いてるけど、捻られるのか?
とりあえず、橈骨と尺骨が引っ付いているキリンの上腕骨と橈尺骨を見せて、これでは捻られないと説明。続いて、トラの上腕骨と尺骨を先生に持ってもらって、その2本で肘関節はできていて、肘関節を固定しても橈骨で捻ることができるのを見せる。
で、橈骨と尺骨が分かれていることが、捻るための必要条件。だからウサギは捻られない。でも、それは十分条件ではないので、鳥が捻られるかは判らない。たぶん少しは捻られると思うけど…。

展示を見て出てきた質問は、
・頭骨は、肉食動物は丸めで、草食動物が細長めなのはどうして? →草食動物は臼歯で植物をすりつぶすために、顎を横に動かす。そのために顎関節が緩めで浅くなってるが、あまり大きくは動かせないので、顎関節の少しの動きで顎全体が大きく動くよう顎関節〜臼歯の距離をとりたい。それが頭骨(というより下顎)が長くなる一つの理由だと思う。
・クジラの全身骨格の尻尾の付け根の下に2本あるホネは何? →クジラに一番近縁なのは偶蹄類。つまり元々は、寛骨の名残。マッコウクジラには大腿骨の痕跡の球もついてるから、帰りに見てね。

子ども達の質問で覚えているのはこんな感じ。
・どうして草食動物の目は横についていて、肉食動物の目は前よりに付いているのですか? →草食動物は視野を広げるため、肉食動物は両眼視するため。というのが教科書的だけど、草食のサルも目が前に付いている。立体視して距離を正確に測る必要があるのは、肉食動物だけでなく、樹上でジャンプする動物も。そして、鳥は両眼視しなくても、距離を把握できてる。
・展示の動物の肋骨の数がいろいろだった。数え間違い? →哺乳類の種によって肋骨の数はいろいろ。サイとかナマケモノは多い。同じ種でも変異がある。
・ホネが一番多い動物は? 種まで特定できませんが、グループとしては魚類です。
・他の哺乳類も歯が生え替わる? →多くの哺乳類は、乳歯から永久歯に生え換わる。ゾウのように、何度も何度も生え換わるのもいる。
・1本の腕に上腕骨が2本ある動物はいますか? →いません。
・展示のゾウの全身骨格で、大腿骨の次にホネがいっぱいあった。どうして? →大腿骨ではなく脛腓骨の次の足根骨のことではないかと思う。

いくつか似たような質問のセットがあった。
・サルと人間の頭骨の違いは?
・人間のホネに残ってるサルの名残は?
 →脳の入る部分が人間は相対的に大きい。類人猿以外のサルとの比較だと、尻尾がない(尾椎が少ない)。
・雑食のイノシシの歯にはどんな特徴がありますか?
・イノシシの歯と、人間の歯はどこが違いますか?
 →雑食なのでイノシシと人間の歯はある意味似てる。イノシシには人間にない立派な犬歯があるけど。ただ雑食性だけどイノシシの歯は、もともとの草食動物らしさを残してる。
・ゾウの鼻にホネはありますか?
・動物の耳にホネはありますか?
 →基本的に鼻と耳は軟骨しかない。ただしイノシシの鼻には堅いホネが入ってることが。

答えられず、ある意味ごまかした質問は、
・一番強い動物は何だと思いますか? →科学的にあまり意味がないので、そもそも思いません。
・どうして、クジラは水の中で暮らすように進化したのですか? →なにか理由があるかもしれませんが、偶然かもしれません。理由を明らかにするのは難しいと思います。

完全に答えられなかったのは、
・コヨーテとオオカミの頭骨の見分け方 →見分け方知ってても、図もなしに説明できなさそう。
●2023年3月8日 奈良盆地のヌートリアの記録

奈良県では無く、奈良盆地の話。奈良県では木津川水系で、かなり以前からヌートリアの記録がある。一方、近年の奈良盆地では、2019年1月が手元にある一番古い記録。ということで、2023年2月までの記録を並べてみた。

【2019年】
・2019.1.13 王寺町久度:大和川左岸
・2019.5.17 王寺町:大和川左岸
・2019.6.20 王寺町元町:大和川・葛下川合流点
・2019.6.30 王寺町:大和川左岸

【2020年】
・2020.4.15 奈良市:平城宮跡
・2020.6.21 王寺町畠田:せせらぎ公園(葛下川)

【2021年】
・2021.1.4 大和郡山市杉町:佐保川右岸
・2021.1.8 斑鳩町稲葉車瀬:竜田川(岩瀬橋)
・2021.2.14 大和郡山市下三橋町:佐保川左岸
・2021.4.24 奈良市:平城宮跡
・2021.6.5 大和郡山市杉町:佐保川右岸

【2022年】
・2022.7.23 桜井市金屋:大和川

【2023年】
・2023.2.17 斑鳩町目安:大和川・竜田川合流点

2019年に王寺町に侵入。普通に考えて、大和川沿いに大阪府から侵入したんだろう。2020年に平城宮跡に入ったのが、奈良盆地の河川沿いに遡ったと考えると、佐保川に入ったことになる。2021年には、佐保川沿いで増加したんだろう。2022年には、大和川本流沿いに桜井市まで分布拡大。
桜井市まで分布を拡大したことから、普通に考えると、北は富雄川沿い、南の曽根川・葛城川・高田川・寺川にもすでに入っていてもおかしくないだろう。
●2023年3月7日 前肢を捻る

ネコは前肢の先を捻られる、イヌには難しい。先日見たネコの展示に、そういう説明があって、その理由として、ネコの肘関節の関節面が広くなってるから。と書いてあって、??となった。
前肢を根元がぐるぐる回せるのは、肩甲骨と上腕骨の間にある肩関節が、球関節になっていて(といっていいのかな?)、可動域が広いから。これに対して、上腕骨と尺骨・橈骨からなる肘関節は一方向にしか曲がらず、尺骨に端のストッパーのせいで、反対方向には曲がらない。で、手首から先が捻られるのは、肘関節から先が、尺骨と橈骨の2本になってるから。と、今まではなんとなく説明してきたけど、これでは手首から先を捻ることができる説明としては、不十分なことに気づいた。

で、今日、たまたまトラの死体があったので、皮を剥いた後、手首を捻って観察。隣にいた解剖学に詳しい絵描きさんにも訊ねてみる。曰く、橈骨の肘側の可動域が広いから、とのこと。
そうやんな、肘の関節面が広いとか意味が分からん。

追記】
後日、たまたま先生と一緒に小学生に、前肢の先を捻る際のホネの動きを説明する機会があった。なんとタイムリー。で、トラの前肢のホネを引っ張り出してみて、いろいろ確認。トラの肘関節は、上腕骨と尺骨だけで成立してる。そこで、橈骨の肘側がずれて動くことができる。それが前肢をひねるメカニズム。
橈骨と尺骨が癒合していないのが、前肢を捻る必要条件。橈骨の肘側の可動域が確保されているのが、十分条件。
自分の肘なら、上腕骨と尺骨を固定していても、手首は捻られる。小学生の前では、先生に上腕骨と尺骨を組み合わせて、動かした後、橈骨をつけてスライドさせて見せた。
●2023年3月6日 長崎のツバメ

アカハラツバメ?


●2023年3月5日 ベクターとしての鳥

もちろん種子
カモ
タカ
カワウ

付着でも

陸貝
ナナフシタマゴ
魚卵

プランクトンなども?!


●2023年3月4日 花にくる鳥

日本の大部分の地域では、おもにヒヨドリとメジロの話。


●2023年3月3日 ネコに逢いに北九州市へ

早起きして、新幹線に乗って、北九州へ日帰り。片道4時間弱かかる。ギリギリ出勤できそうではある。で、到着した先では、想定外に大掛かりなセレモニー。からの内覧会。
常設展もリニューアルしたらしいけど、目的の世界のネコの展示だけを、内覧会の時間を目一杯かけて、2時間見てた。世界40種のネコ科動物のうち、30種近くが展示されている。ふと気付くと、他には展示を熱心に見ている展示解説員さんらしき方が1人いるだけ。ホスト側のスタッフは誰もいなくて、内覧会が終わったのかどうかも定かではなく、挨拶する相手もいないので、ミュージアムショップでTシャツ買って、そのまま帰ってきた。

展示はネコ科を、8つの系統に分けて、3つの大陸ごとに紹介している。分布で3つの島に分けてる。が、その仕掛けに迂闊にも最初気づかなかった。そして、8つの系統が、パネルで色分けされてるのだけど、馴染みがないから難しい。それぞれの種がどの系統なのかのパネルが最初に1つあるのだけで、すぐ判らなくなる。いちいち戻って確認。
多くの種は、頭骨、全身骨格、本剥製、皮のなにかしら標本(あるいは頭骨レプリカ)が展示されているけど、アフリカゴールデンキャット、ハイイロネコ、ベイキャット、スンダベンガルヤマネコ、スペインオオヤマネコ、サビイロネコ、コロコロ、コドコド、ジャガーネコ、サザンジャガーネコ、アンデスネコは写真のみ。もしかしたら、写真のみの11種を入れたら、ネコ科全種が登場していたのかな?

個人的には、頭骨を見て歩くだけで楽しかった。スナネコの丸い頭骨に、マヌルネコの吻の短い不細工な頭骨。リビアヤマネコの頭骨が想像以上に小さかった。マーゲイ、マーブルキャット、ジョフロワネコ、ジャガランディの頭骨は、頭蓋がつるんと丸くて、エラを張っていないのが似てる。カナダオオヤマネコは頭蓋がつるんとしてて、上から見ると卵型、エラが張ってなくて、あまりネコっぽくない頭骨。同じ系統でもボブキャットはそうでもない。

可愛いトップ3は、写真だけだけどマライヤマネコ、ジョフロワネコは画像も仮剥製もとても可愛い。そしてイリオモテヤマネコの本剥製!
マーブルキャットの本剥製は、今回のために作ってもらったとのこと。

ネコ屋さんが作成した解説は、いろいろ勉強になる。イヌの肉球はザラザラで、ネコの肉球はツルツルとは知らんかった。顎を動かす筋肉は、食肉類は側頭筋、偶蹄類は咬筋が発達しているとは、言われてみるとなるほどな感じ。
チーターはネコ科なのに変わってる。と繰り返し出てくる。曰く、ネコ科は四肢の先が太くなってるのに、チーターは補足なっていて、イヌ科や有蹄類に似てる。曰く、チーターは他のネコ科と違って、前肢の先を捻れない。

と勉強になった一方で気になる解説もある。
ネコ科の鎖骨は痕跡的というのは正しいのだけど。その解説が、四足歩行の哺乳類は鎖骨が退化して残ってないけど、ネコ科は痕跡的とは言え、残ってる。と読める。でもイヌ科やイタチ科にも残ってるから、誤解を与えることになる。
ネコ科は、前肢の先を捻るために、肘の関節面が広くなってる。と書いてあったけど、捻ることができるのは、橈骨の肘側の関節が回るからではないかと思う。どういう意味で書いてるのか判らない。
昨夏のハンター展では、肉歯類には裂肉歯はない、という解説があった。でも、この展示では肉歯類は裂肉歯があることになってる。どっちが正しいのかなぁ。

ともかくネコの展示物が多くて、とても楽しいのは間違いない。ただ、気になる点も多い。
・人が触れる距離に標本が露出して置かれているのが多い。大阪ではあり得ない。距離を離すべき。
・とくに小さな頭骨が間近に露出して置かれている。ケースに入れるべき。
・ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの毛皮が触れる。のは楽しいけど、リスクが大きい。これを触ると他の剥製も触りたくなる。大阪で実施するかは微妙。

・パネルがA3サイズで、字が小さめ。なのに、角ケースは奥行きがありすぎ、パネルの手前に展示物があって、パネルまでの距離が遠すぎ。という場所がいくつかあった。
・パネルのフリガナが大きく、行間が埋まって読みにくい。
・世界のネコ科リストといった全体を俯瞰したパネルがない。
・側頭筋や咬筋、前臼歯など、解剖学的言葉があるのに、イラストなどがないので、知識がないと意味が分からない。もっと理解を助ける図を付ける必要がある。

巡回展に仕立てる場合、なくても良さそうに思ったのは、
・対馬と西表島のさまざまな生きものが展示されているが、食物連鎖の図に出てこない動物はなくてもよう。ツシマジカやリュウキュウイノシシは必要だけど、写真で充分。
・日本のヤマネコ研究のパートは必要だけど、調査道具はなくてもいい。
・入口のイメージだけで置かれている剥製は、中に別のがあるので、なくていい。
・ネコ科以外の哺乳類の頭骨が並んでいたが、解説に出てこないのはいらない。逆に食肉類網羅するなら、網羅して欲しい。

この流れにイエネコの展示は必要ないが、ネコ科動物の解剖学的特徴を説明する身近な例として、イエネコを登場させるのはありかもしれない。
そして登場させるなら、家畜化の話は避けられないだろう。
●2023年3月2日 大阪府のコシアカツバメの繁殖分布

少し前まで、山手に後退と思っていたのだけど、もしかしたら近年少し平野方面に、というか丘陵地に盛り返してるかもしれない。


●2023年3月1日 夜ピカピカ光る影響の評価

どことは言わないけど、木の多い公園的な場所で、夜ピカピカ光る企画をすると、どんな影響があるかという話を、それなりに考えないといけなくなるかも。なので、先手を打って考えてみる。

影響する対象として思いつくのは、
・昼間の利用者:設置された機材の影響や、アクセスできないエリアの発生、およびそれに伴う環境の変化
・生物相:植物や昆虫の生活史、鳥などの生息状況など

自分の専門の関係で、鳥についてだけ見ても
・生息環境選択
・繁殖成功、繁殖密度
・ねぐらの位置
といった側面がありそう。

というわけで、重要なのは影響の多くは昼間に出るってこと。当事者はなにか勘違いしている気がした。
●2023年2月28日 2023年2月のまとめ 最後はホネホネウィーク

なぜか、やたら忙しかった。前半は、実習や視察や行事の対応で。後半はホネホネしていて、最後に地域自然史と保全研究大会で。
そんな2023年2月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園の果実チェックと鳥のセンサスもほぼ予定通り実施。カワウの営巣状況のチェックも続けてるし、カワウのねぐら調査は今月も実施。

ホネホネ団の活動は、4日実施した。最終週に集めたので、ホネホネウィークの様相。久しぶりにサル処理の日を設定した。

普及行事は、友の会向けバックヤードツアーという大物。あとは、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、植物園案内を予定通り実施。最後に地域自然史と保全研究大会。
大阪鳥類研究グループの観察会。読書サークルの例会。

講演はなし。
査読は、ためてた1本をようやくこなした。
高校生向けの実習に2日間対応した。糞から出る果実種子とホネ洗い。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系4冊と、SF7冊。
完全休養日は1日。今年の完全休養日は合計3日。
●2023年2月27日 ひさびさのサルの日

なにわホネホネ団の活動の中でも、サルの日は特別。基本的に、R18で、月曜日に行われる。今日は、じつに久しぶりのサルの日。ニホンザル5頭を処理した。


●2023年2月26日 こども祭り中間発表会

3月終わりの子ども祭り。大学生のサポートスタッフが、企画、準備、運営を行う企画。で、今日は現段階のプランをみんなの前で発表する。内容からすると、地質年代班、身近に隠れてる動物班、野菜の花班。


●2023年2月25日 鳥の羽根ひろい

なぜか子ども達が、羽根ペン、羽根ペンと言ってる。なんか取り上げる本とか番組があったんだろうか?

拾えた羽根は、
マガモ?、カルガモ、ドバト、キジバト、カワウ、コサギ?、オオバン、ハイタカ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、トラツグミ、シロハラ、ツグミ


●2023年2月24日 読書サークル 第124回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今回も対面でできた。新型コロナウイルス感染症新規陽性者数が増えてるので、年末は微妙かも。
今日の会合で出た本についての意見を記録。

今回の課題本は7冊。2冊繰り越されてきて、1冊繰り越したので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「完訳 ファーブル昆虫記 第1巻 上」
(紹介文4つ、平均★数は4.0)
 読んだ人は、全員、ファーブルが大好きらしい。良くも悪くも。いま読めば古い部分もあるはずなのだけど、そういう指摘は出ない。レジェンドは大変だね。

●「ウォンバットのうんちはなぜ、四角いのか?」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
 ウォンバットは面白いし、オーストラリアの哺乳類は病気の蔓延で苦しんでるのが多いんだなぁ。といったことは勉強になった。が、著者は、オーストラリアの事情しか知らないこともあってか、日本の野生動物問題への記述はずれてる、という声があった。

●「うに とげとげいきもの」
(紹介文3つ、平均★数は3.7)
 絵本なんだけど、絵本以外の解説部分で盛り上がる。後ろに解説があるだけでなく、表見返し、裏見返しにまで、びっしり解説がある。どっかの自然史博物館の特展解説書みたい!その上、挟み込みの冊子にまで解説がびっしり。その内容は、ちょっとしたウニ本の内容を超えている。とまあ、よく判らないところで、評価が高かった。

●「南極の氷に何が起きているか」
(紹介文5つ、平均★数は3.4)
 地球温暖化だから、南極の氷もとけるんだろうなぁ。と今までぼんやり思っていたのが、かなり具体的にイメージできるようになった気がするし。南極の氷が解けると何が起きるかも、少なくともいろんな影響があることが判った。と高評価。

●「日本の高山植物」
(紹介文5つ、平均★数は3.6)
 同じ高山でも、少しの雪のとけるタイミングで、状況が大きく違うこと。マルハナバチの存在がとても重要なこと。なによりマルハナバチがいるからこそ、お花畑ができているってこと。とても勉強になったと高評価。

●「なぜ君たちはグルグル回るのか」
(紹介文6つ、平均★数は3.0)
 バイオロギングの話。たしかに後半にグルグル回る謎はでてくるけど、その最終的な謎解きは終わってない。なのに、どうしてこのタイトル。という声が多かった。キャッチーなタイトルだけど、中身に必ずしもフィットしていない。オオミズナギドリの調査風景は、とてもリアル!という声も。

●「したたかな寄生」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 いろんな寄生の話が出てきて面白かった。という声。

●「菌類が世界を救う」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
 帯に“「生命」の常識が覆される!”と書いてあるのはウソじゃなかった!という評価。植物をつなぐ地下のネットワーク。地表の少なくない部分を覆う地衣類。植物の陸上進出にもなくてはならなかった菌類。いろいろな話題で盛り上がれた。
●2023年2月23日 ホネホネ団的、今日の発見

ハイタカも、カンムリカイツブリも何度も見てるのに、今日も発見があった。
●2023年2月22日 地元の公園でしてる調査

なぜかそれをまとめろという指令。調査結果をまとめるのではなく、どんな調査をしてるのかをまとめる。せっかくなので、過去の調査も思い起こそう。

とりあえず昔からやっていて、今も続いている調査
◆植物園の鳥のセンサス調査(1994年〜継続中):設定したコースを歩いて鳥の種・個体数をカウント。【週1回程度のペース;当初は年間を通じて実施していたが、近年は9月〜2月頃の実施】
◆植物園の果実チェック(1994年〜継続中):クスノキやクロガネモチ、センダンなどの液果の枝をマークして、果実数をカウント。かつては液果全種をカウントしていたが、現在は秋冬の主要種のみ。【週1回程度のペース;当初は年間を通じて実施していたが、近年は9月〜2月頃の実施】
◆鳥類標識調査(1994年〜継続中):環境省委託調査。かすみ網を設置して、鳥類を捕獲し、標識・測定して放鳥。各所で実施したこともあるが、現在はツバキ園周辺で実施。【休園日に実施;当初は年間を通じて実施していたが、現在は年末(・年始)の数日に実施】
◆長居公園の繁殖鳥類調査(1997年〜継続中);繁殖している鳥類の情報を記録。他の調査のおりに随時記録、及び5年に一度の全体調査(大阪鳥類研究グループによる大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査の一環)。【随時の記録、及び5年に一度の公園全体のセンサス調査;おもに5月〜7月】

少し前から続けている調査
◆カラスの巣調査(2009年〜継続中):コースを決めてカラスの巣を探索。見つけたら位置と巣材、繁殖状況を記録。【週1回程度のペース;2月〜5月頃の実施、夏や年末年始にも随時チェック】
◆タヌキのタメ糞場チェック(2009年〜継続中):鳥のセンサス調査などのついでに、タヌキのタメ糞場をチェック。糞数と拡がりを記録。【随時;随時】
◆カラスの枝落とし調査(2015年〜継続中):鳥のセンサス調査や果実チェックのついでに、枝落としをしている樹種を記録。【随時;随時】

最近始めた調査
◆カワウの繁殖状況調査(2022年〜継続中):大池のカワウの繁殖地の繁殖ステージごとの巣の数を記録。【週1回程度のペース;12月頃〜7月頃】
◆カワウの集団ねぐら調査(2022年8月〜継続中):大池のカワウの集団ねぐらに集まる個体数を記録。日没時刻1時間以上前にカワウの個体数をカウントし、日没後10分程度までカワウの出入りを記録。関西広域連合によるカワウの集団ねぐら調査の一環。【月1回のペース;月末7日以内】

中断した調査(他にもいろいろあるけど)
・ヒヨドリの繁殖状況調査(個体識別も実施)
・果実食鳥の糞分析(噴水などで採集)
・昆虫相調査(誘引剤を使ったトラップ)
・サザンカの結実率調査(ツバキ園の数本の枝にマークして、花数と果実数をカウント)
・大池のカメの調査(トラップで捕獲して標識債捕)
●2023年2月21日 ハッカチョウの定着の要件

週末に日本のハッカチョウの繁殖について発表する。なので例によってハッカチョウの経県値を作ってみた。かなり状況が明らかになってきたので、今回のカテゴリーは、次の5つ。
1:繁殖記録あり、定着している
2:繁殖記録あり、定着可能性あり
3:繁殖記録あり、定着はしてない
4:確認記録あり、繁殖可能性あり
5:確認記録あり、繁殖記録なし
問題は、定着と判断する基準。そして繁殖可能性ありとする基準。

まずは、定着の基準を考えてみよう。岡山県で2010年代にハッカチョウが定着。定着と判断した理由は、
・複数年にわたる繁殖が記録され
・複数つがいで確認され
・コンスタントに観察される
といったところだろうか。
だとしたら、京都府と奈良県でも定着してると言って良さそうな気がする。というか、言わざるを得ないかも。定着と定着可能性ありの境目はどこにしたらいいんだろう?

そして、
・コンスタントに観察されなくなり
・繁殖記録もなくなる
と、定着していた繁殖個体群が失われたということでいいんじゃないかと。埼玉県、東京都、滋賀県はこれに該当しそう。

そして、繁殖可能性ありとする基準。
・近いエリアで、繁殖期に繰り返し確認されている。
これで良さそうな気がする。愛媛県はこれに該当する。ある時期の千葉県や高知県も該当していたらしい。
静岡県や和歌山県も繁殖可能性ありと考えているのだけど、これは無理があるかも。
●2023年2月20日 ミコアイサ

増えた。
●2023年2月19日 年に一度の学芸員全員参加の大イベントの前日

明日は、館内的に、ある意味一年で一番大きなイベントがある。今日はその前日。祭りの前日は、すでに非日常で、ある意味ワクワクする。身の回りの様子が大幅に変わってきてるし。しかし、多くの学芸員はその準備に追われている。
●2023年2月18日 潜水する水鳥オオバンの不思議

今日、潜水する水鳥について色々話をする機会があった。改めてオオバンの特殊さを確認した感じ。
●2023年2月17日 高校生向け果実食鳥のフン分析

考えてみると、今までは年配の方向けにしかしたことがなかった。それもちょくちょく山に行って、ある程度樹木の名前を知ってる人。山にあまり行かず、樹木をあまり知らない高校生だと、かなり勝手が違う。ただ、高校生の方がポテンシャルは高かった。
●2023年2月16日 果実をもとめて

長居公園で果実の無くなるタイミングを調べ、ヒヨドリに標識を付けて調べていたら、果実がなくなるとヒヨドリが、渡りよりは短い距離の旅をすることが判った。といっても3例だけだけど、果実がある時に長居公園にいたヒヨドリが、果実がなくなった後、和歌山県で見つかっている。
そのせいで、なんとなく大阪府から和歌山県への移動だけをイメージしていた。でも、他にも果実を求めた旅はあるんじゃなかろうか? たとえば、よそで果実を食べ尽くして、大阪府にやってくるとか。

今日、長居公園では、大量のヒヨドリがエンジュとセンダンにむらがっていた。先日歩いた奈良盆地北部では、すでに果実がなくなっていた。ヒヨドリも少なくなっていた。奈良盆地北部のヒヨドリはどこかへ移動したはず。移動先がまだ果実の残る大阪府である可能性は充分ありそう。それとも、やはり和歌山県に行ってしまうのだろうか?
奈良盆地北部で果実がなくなったタイミングで、大阪府のヒヨドリが増えたかどうかを調べることができれば、可能性は高くなりそう。

長居公園では、ムクドリの群れも登場してセンダン果実を食べている。このムクドリは、たぶん近所でセンダン果実を順に食べ尽くしてきたんだろう。…と思ってるけど、もしかして、これも奈良県から来た可能性もあるのかな?
●2023年2月14日 菌類の本

『菌類が世界を救う』という本を読んだ。特に第6章の「ウッド・ワイド・ウェブ」は、共生関係を強調しすぎという声もあるようだけど、そこは話を鵜呑みにしなければいいだろう。一見無関係に存在している生き物が、実は密接につながっている。という可能性を提示しているという意味でとても面白い。
ただ、共有菌根ネットワークを通じて、植物同士もつながり、大きなネットワークを構築しているというイメージは魅力的過ぎるから、警鐘をならす人がいるのも判らないでもない。「ウッド・ワイド・ウェブ」略してWWW、というのはコピーとしてできすぎだし。
ただ、この共有菌根ネットワークの話で気に入ったのは、菌根菌という利己的な仲介者による、利己的な行動によって、植物間の見かけの利他行動を生じるというアイデア。脳天気な利他的な共生関係ではなく、利己的な行動が、見かけの利他行動につながっていく。これは、行動生態学を学んでいたら、惹かれてしまうのはやむを得ない。
見かけの利他的な共生関係、というのは理屈では聞いたことがある気がするけど、他のシステムで実例は聞いたことがないと思う。見かけの競争とかは、いっぱい話を聞いたけどなぁ。見かけの共生関係は、他のシステムではないのだろうか?
●2023年2月12日 奈良盆地のカワウの営巣地

奈良盆地のカワウの営巣地といえば、垂仁陵と深田池。

橿原神宮にある深田池の営巣地は、けっこう古くからあった。1980年代に琵琶湖で繁殖はじめて、昆陽池に繁殖地ができて、2000年に大阪府で初めて岸和田市で繁殖確認。で、2002年にはもう深田池で繁殖していた。
2002年時点での把握している限りで、関西(滋賀県を除く)でのカワウの繁殖地は、
 兵庫県 昆陽池
 大阪府 樋野が池、中野新池、七つ池
 奈良県 深田池
というラインナップ。これが2005年には、
 兵庫県 昆陽池
 大阪府 樋野が池、大津池、ウサイ池
 奈良県 深田池
 京都府 永谷池
と、変動はあるものの、深田池は維持されている。それから20年経っても継続している。樋野が池なき今、琵琶湖と昆陽池に並ぶ老舗となってる。

一方、垂仁天皇陵は、いつから繁殖が始まったのかよく知らない。ちゃんと調べてないからだけど。とりあえず2006年には繁殖してなかった。はず。グーグルアースの古い画像を検索すれば、おおむね判りそうな気もする。
そういえば、奈良盆地に他に繁殖地がないかもグーグルアースで探せるなぁ。集団ねぐらとの区別は難しいかもだけど。巣も見える場所なら大丈夫。
●2023年2月11日 3回目のツアコン

友の会バックヤードツアーのツアコンを担当した。ツアコンはまだ3回目で、ちょっとドキドキ。
コロナ禍前は、鳥の皮むきを見せて、鳥の仮剥製、哺乳類のホネと毛皮を、団長と二人で分担して説明する。って役割だった。が、コロナ禍になって、鳥の皮むきを見せると、参加者が集まって密集状態ができあがる。ってところを懸念して、鳥の皮むきは禁止された。
毎年2月前半の行事だったので、2020年はギリギリコロナ禍前で、普通に実施。2021年にツアコンデビュー。そして、2022年、2023年と、今回がツアコン3回目。
この企画には、鳥の皮むき担当として、初回からもれなく参加してるけど、ツアコンとしては初心者。さすがに長年、博物館に勤めているので、個々の場所での説明はできるんだけど、むしろ年季の分、古い話ができてネタは豊富。でも、歩くコースとか、時間配分とか、トラブル対応とか、そもそも靴を履き替えるの?とか、ツアーのマネジメント部分がわかってなくて不安がいっぱい。
ちなみに、鳥の皮むきは、1日中、部屋にこもって、ツアーが来たら説明。3班体制でトリプルヘッダーだと、同じようなことを1日9回話すことになって、それなりに疲れる。でも、個々のトーク時間は10分なので、最大合計90分。ツアー自体が1時間半なので、トーク時間はあまり変わらない。

コロナ禍の一つの利点は、個々のツアーの班の人数が少ないこと。今日は、午前だけの担当で、担当する班は当初11人の予定が、キャンセルが相次ぎ3家族7人に。大人数のツアコンをしたことはないけど、とにかく7人だと全員の様子を観察しながら話せるし、狭い場所でも目が行き届いてやりやすい。
コロナ禍が終わってからも、少なめ人数を維持したいね。と、ツアコンのベテランさんも言ってた。

来年もツアコンさせられる恐れがあるので、来年に向けての反省を。
・管理棟を歩く時、寄り道が少なかった様子。1階では暗室や電顕を覗くの忘れてた。2階では、もっと実験室とか研究室とかに入り込んでいいらしい。
・一方、実習室では時間を大幅オーバー。その上、トラックヤードでも説明してた。なんなら冷凍室も見せたかったかも。
・収蔵庫では、セットしてくれていた標本をいくつか飛ばしてしまったらしい。サヌカイトも叩かなかった。あやうくタイプ標本の説明を忘れるところだったりもした。
・触っていい標本と、そうではない標本の区別があいまいだった。これは他のツアコンにも言えたようだけど。とりあえず、毛皮にアルコールはかけてほしくない。
●2023年2月10日 大型哺乳類の内臓さがし

とある大型哺乳類のDNAの提供依頼があった。それは先月半ばのこと。内臓の液浸標本から切り出すことになる。で、大型哺乳類の内臓の液浸標本は、蓋つきバケツみたいなのにアルコール漬けになっている。それが収蔵庫の一画に積み上がっている。あそこから発掘しないとだなぁ、と思いつつも面倒臭くて。じゃなくて、時間的余裕がなくって、後回しにしていた。
考えてみると、ここ2年ほど、ちょくちょくDNAの提供依頼があって、中型の鳥、大型の鳥、中型の哺乳類の内臓中心の液浸標本コーナーがかなり整理できてきた。今回おかげさまで、大型哺乳類コーナーが整理できるってこと。ありがたい。とはいえ、まとまった時間が取れる日でないとなぁ。
今日はたまたま雨で調査に出られず、時間ができた。重い腰を上げて、バケツ整理をすることにした。これは、その苦闘の記録である。

大型哺乳類はいろいろ処理してきたけど、たいていの動物園は、死体を提供してくれる前に解剖が行われ、内臓は抜かれた状態でやってくる。なので、動物園にいる大型獣の内臓はほとんどない。
というわけで、大型哺乳類で内臓があるのは、日本に生息する大型獣。大阪周辺だとそれは、シカとイノシシが中心。そしてクジラとイルカ。
あと、小さな飼育施設などで飼われていた家畜は、内臓付きでやってくる。多いのはヒツジ。あとはヤギやブタ。つまり偶蹄類。
というわけで、ごく一部、食肉類などもあるけれど、内臓を保存している大型哺乳類は、8割以上、鯨偶蹄目。今回整理するまで、そんな傾向があるとは気づいてなかった。

始めてみると、作業は3時間ほどで片付いた。目的の物は、一番下から出てきた。毎回、探し物は、ほぼ最後に見つかる。なぜなんだろう。
ないぞないぞと、少し焦った。液体がつまったバケツを動かす作業は、いい運動にもなった。運動と焦りでけっこう汗をかいた。
ともかくバケツが整理できて良かった。
●2023年2月9日 高校生向けの実習 1日目:果実食鳥の糞分析導入&ホネ洗い

なぜか、滋賀県の高校生向けに実習をすることに。それも2日も。
突然、生物の先生からメールが来たのは、今年の夏に教員向けのホネ実習をするということを知ったかららしい。やり取りをして、ホネ洗いをしてもらうことになった。が、なにかのはずみで、果実食鳥のフン分析の話をしてしまい、それを盛り込みたいと言われ悩む。フン分析は今までは2日日程で行ってきたから、ホネ洗い+フン分析だと3日日程になってしまう。そこまで拘束されるのはイヤだなぁ。ということで、2つのコンテンツを無理矢理2日に詰め込んだ。
今日はその初日。午前中に果実食鳥についての座学、からの公園で果実と果実食鳥とフンの観察。午後はホネ洗い。材料はカピバラ。

幸いなことに参加する生徒は4人にとどまった。すでに進路が決まってる高校3年生らしい。やってきたのは、お洒落な格好の高校生たち。フン分析にホネ洗いって、とても不潔な感じなんだけど、大丈夫なのかなぁ。
と思いながら、果実食鳥の話をする。眠そうにしてるのもいる。熱心に質問してるのは先生だけ。大丈夫かなぁ。
が、双眼鏡持って外に出ると、ちょっと雰囲気が変わる。双眼鏡をどっちからみるかも分かってないのに、地面を走り回るハクセキレイは、ちゃんと見れてる。要領をおさえるのが上手な感じ。そして、果実を食べに来てる鳥や、下に落ちてるフンも機嫌良く見てる。ただ、盛り上がってたのは、カワウの営巣だったり。普通に鳥の観察に連れて行っても良かったかも(先生とのやり取りでは、そういうプランもあったけどなぁ)。

午後は、カピバラのホネ洗い。4人にそれぞれ足を1本ずつ洗ってもらい、先生も含めた5人で椎骨と肋骨を洗ってもらった。頭はこちらで洗った。驚きはその後。
けっこう時間が余ったので、ホネ並べをしてもらうことにした。まずは椎骨と肋骨。イノシシの交連骨格標本を見せて、
・椎骨は頸椎・胸椎・腰椎に分かれること。
・胸椎の定義は肋骨が付く場所があること。
・突起や幅は凸凹せずに滑らかに変化する。
説明したのはこれだけ。で、椎骨を並べてもらう。かってに腰椎、腰椎、胸椎、頸椎に分担してた。しばらく触ってたと思ったら、椎骨をほぼ正確に3つに分けてた。第2頸椎が腰椎に混じってた以外は、ほぼ正解。腰椎をあっさり見破れたのはなぜ?
続いて肋骨。またイノシシの交連骨格標本を見せて、
・左右対になる。
・段々幅や長さが変化する。
また説明はこれだけ。どんどん左右ペアを作って、あっさり並べ終わった。想定外に早い。基本的にあってた。なぜ出来る?
続いて、歯を入れたり、四肢のホネも並べてもらった。初心者なのに上手。説明してないのに、しばしば正しいチョイスをしてる。どうしてなんだろう?
なんかよく分からないホネホネ的なセンスがあるっぽい。

生徒たちは、自然史博物館では高く評価される能力・センスを持ってる。でも、話を聞いてると、学校の成績は、必ずしもよくないらしい。この作業で必要な能力は、学校で評価される能力とは別物であると繰り返した。
学校で評価される能力は、人間の能力のごく一部。そんな狭い世界で自信を失わずに、もっと広い世界で、自分の能力に自信を持って欲しいと思った。学校とは違う面を評価してくれる世界があることを知って欲しいと思った。
それは、たぶん博物館の、社会教育施設の、とても重要な役割なんじゃないかと思う。
●2023年2月8日 ミュージアムショップを広げたら、市民サービスはどうなる?

なぜか昨晩から、うちのミュージアムショップ、というよりオリジナルグッズに注目が集まってる。ような、そうでもないような。少なくとも中の人達はそれなりに盛り上がっている。で、その中で、ミュージアムショップの面積3倍になったら、市民サービスも3倍なるかなぁ。とつぶやきが聞こえてきた。もちろん話は、そんなに簡単なはずはないけど、どうすればより市民サービスが向上するか、という問題提起。ミュージアムショップの面積問題に焦点を当てるのは面白そう。ということで、少し考えてみた。

現在のミュージアムショップは、とにかく狭い。狭いので、
・車椅子やベビーカーなどの利用者が入りにくい。
・狭い面積に大量の商品を展開したいために、本を中心に、棚が上の方まであり、背の低い人は届きにくい。
というのが、社会包摂的に大きな問題。
一方で、目が届きやすいので、
・万引き被害は、さほど生じていない。
というメリットもあるように思う。

店舗面積が3倍になって、商品の種類が3倍になったら
・アイテムが増えると、似たアイテムがバッティングしやすくなり、迷いやすくなるだけ、って側面がけっこうあり、売上げは3倍にはならないと思う。本での印象だけど。
・品出しと在庫管理のコストが増えるのは確実。おそらくその割合が上がるんじゃないかと思う。で、万引き防止も考えると、スタッフは3倍近く必要になる。
・在庫はより整理しないと、アイテムを見つけにくくなるので、バックヤードは3倍以上必要になる。

市民サービス的に言えば、店舗面積が3倍になっても、通路や棚の改善を考えると、商品の種類を3倍にはしない方がいい。もっと選びやすくするには、今のような詰め込み陳列ではなく、テーマ設定のコーナーや企画ができるスペースも欲しいところ。
とはいえ、商品の種類も増やしたいのは間違いない。

面積は3倍、商品の種類2倍、スタッフ2倍、バックヤード3倍。てな配分のイメージを持ってるんだけど、どうかなぁ。
●2023年2月7日 友ヶ島ってなに?

考えてみると、シンガポールからの客人たちが何しにくるのか、あまり分かってなかった。で、ぜんぜん想定していなかったのに、シンガポールからの客人に、友ヶ島について説明することになった。けっこうシドロモドロ。
当初聞いていたのは、博物館の友の会とか子どもワークショップとか普及行事の話を聞きに来るという話だった。と思い込んでいた。が、来てみると、岬町の話だった。とはいえ、何を求められているのか、さっぱり分からない。同席のみなさんが、友の会とか、子どもワークショップとか、自然史フェスティバルとかの説明をしてる。博物館オリジナルグッズの説明もしてた。こちらに何を求めているのかの説明もなく、次々と質問が飛んでくる。

シンガポールの客人を呼んできた日本人側からは、自分達が何をしようとしているのかについて、夢のようなプランは見せられた。が、このヒアリングの目的は説明されていない(伏せてるのか、説明した気になってるのかは分からない)。とても気持ち悪い。基本的な枠組みが分からない展開は好きじゃない。正直真面目に、親切に答える気が起きない。聞かれた質問を、言葉通りに受け取って、最小限に答えるモードに突入。感じの悪いマスコミ相手に陥りがちなモード。
岬町に特異な生物はいますか?いません(調べたらすぐ分かりそうなのに)。岬町の生物相について、どこに問い合わせたらいいですか?当館です(調べてから来たんとちゃうんかい)。大阪の希少種は調査されていますか?レッドリスト作成する程度には。レッドリストがあるなら、希少種の保全プログラムもありますか?ありません。なんのためのレッドリストですか?地域の自然環境を守る運動やグループはあります。てな感じ。
その中で、岬町の沖合に島がありますね。って話が出てきた。どんな動物がいますか?と問われて、タイワンジカとかタイワンリスは目立ちます。それは在来種ですか?外来生物です。どうしているのですか?昔、放されました。どうしてそんなことが許されるのですか?外来生物が問題になるよりも、はるか昔だったからです。この辺りからシドロモドロ。どのくらい昔だったっけ?他に何が放されたっけ?

後から考えても、何しにきたのか、あまり分からない。地元のリソースを下見に来たって感じだろうか。もしかして、シンガポールに知人ができたのなら、それはそれで面白いかも。
●2023年2月6日 営巣期直前のカラスの巣チェック

そろそろハシボソガラスが巣をつくり始める季節なので、その直前の状況確認。かつては、繁殖期が完全に終わった8月から9月頃に見落とした巣を探し。さらに、葉が落ちてさらに見逃していた巣をみつけるべく、年末年始にもチェックしていた。が、近頃は、だんだんサボり気味で、見逃しと、冬の間に落ちた巣を合わせて、2月前半にチェックしていることが多い。この時期にいったんチェックしないと、営巣前にペアが壊す巣を把握できない。

で、今日チェックした。
昨年の5月末以降にあった巣が31巣。今日残ってた巣が12巣。生残率38.7%。台風等で落ちたりもしただろうけど、大部分はカラスが崩したと思う。近頃、古巣を残さないカラスが増えた気がする。
●2023年2月5日 中高生と琵琶湖へ鳥見に行った

ジュニア自然史クラブという中高生対象の行事シリーズというか、クラブ的なグループがある。博物館の行事に小学生はよく来てくれるのに、中高生はほとんど来ない。で、教師のみなさんからのヒアリングの結果、中高生だけの行事なら来るかも、という話になって、2000年に立ち上げた。たしかに中高生だけの行事だと、けっこう来てくれる。特定の生物群や地学が好きな子も来るが、なんでも好きとか、なんとなく来てくれる子もいる。

で、今日は、中高生と一緒に琵琶湖北部へ。あまり鳥が好きな子は多くないだろうから、参加者少なそう。と思ったら、10数人が参加した。虫好きがけっこう混じっていて不思議な感じ。
でも、鳥を見つけたら、なんとなくみんなでみてる。ホオジロガモとかカワアイサとか、望遠鏡や双眼鏡にスマホをつけて、デジスコに挑戦してたり。
一方で、羽根や実を拾ってる子も多い。クルミ、ヒシの実や、マツボックリが多く落ちている。ヒシの実を知らない子が多くて、マキビシ!とかやると盛り上がる。貝殻も落ちていて、琵琶湖固有種が多いという話をしたら、拾ってる子もいた。で、ふと気づくとパーカーのフードの中に、色々な実や貝殻を入れられてた。マツボックリやクルミはいいけど、ヒシはちょっとなぁ。でもまあ、別にいいかと放置。さすがに電車の中で散らばるとまずいので、駅直前でクリアした。
駅についたら、電車が出たばかりで、1時間ほどの待ち時間。駅の近くのスーパーにみんなで繰り出して、琵琶湖の食材を観察。イサザ、ゴリ、氷魚などを説明。土産に買ってる子もいた。改札を入ってからは、ホームに残ってた雪で、雪ダルマ作って、手すりに並べる。顔つけて、手足も付けたり。ダンダン質が上がっていく。なんか楽しい。札幌の雪祭りが盛り上がる理由が分かる気がする。最後の駅周辺が一番楽しかったかも。
という訳で、鳥見に行ったのかよく分からない部分もあるけど、それなりに鳥も見て、いろいろ楽しかった。今まで主担当でほぼ毎回参加してきたけど、それもあと25回かも。と思うとちょっと感慨深い。

ジュニア自然史クラブで重要な要素は、同じような興味をもつ同年代と知り合いになること、そして学芸員と知り合いになることだと思う。家や学校とは、ぜんぜんキャラが違ってる子もいるらしい。先生や親と話をして、驚いたことが何度もある。
家や学校とは違った評価軸を持っている場、それはけっこう貴重な場所だと思う。極端な言い方をすれば、それで救われる子もいるかもしれない。こうした場は、ずっと維持していって欲しいと思う。
●2023年2月4日 能勢町の気になる動物

能勢町のレッドリストの策定に関わっている。で、リストを作ったと思ったら、その解説を書けと言われる。まあ、レッドリストあるあるだけど。まず書くべきは、言い訳だろう。ってことで、リストに入れたり入れなかったりした種について、説明してみた。

両生類で言い訳が必要なのは、セトウチサンショウウオ。っていうか、昔のカスミサンショウウオ。かつてカスミサンショウウオの記録があるのだけど、ここ数年は見つかっていない。その見つかってない間に、カスミサンショウウオは分割されてしまった。残念ながら今見つからないと、分割されたどの種に該当するのか、真面目に言えば分からない。が、隣接する豊能町や猪名川町にはセトウチサンショウウオが分布してる。って話なので、たぶん能勢町にいたのもセトウチサンショウウオだろう。ってことでリストに入れてしまった。
言い訳はもう一つ。昨年、タゴガエルが2種に分割された。タゴガエルとヒメタゴガエル。ヒメタゴガエルは、タゴガエルと同所的にも生息してるっぽい。で、分布域からすると、能勢町にもヒメタゴガエルが分布してそう。だけど、確認できていない。ということで、とりあえずタゴガエルだけをリストに入れた。

爬虫類は言い訳があまりない。北摂の山間部にはミナミイシガメの記録がある。ってことになってるので、能勢町にもないのかな?と思ったけど、地元の有識者に訊ねた限りでは、生息していなさそう。

哺乳類の大きな言い訳は、カワネズミ。地元の有識者がかつて観察したことがあるらしい。が、客観的な証拠はない。観察内容の詳細を確認しそこなってるのは申し訳ないのだけど、判断を保留して、今回はリストに含めなかった。今後、詳細なヒアリングして検討したい。できれば環境DNAを調べたい。
もう一つ、タイワンリスが気になる。タイワンリスがいたという話を耳にした。が、その観察者に確認したら、自信がなくなったらしく、取り下げられてしまった。とはいえ、可能性はあるので、今後要注目ではある。
あと、昨年コテングコウモリが記録されたので、まだ未発表データだけどリストに盛り込んだ。

鳥類は、言い訳はない。ただ、コウノトリやイヌワシは迷鳥として希少種扱いからははずした。まれに記録される水鳥の処理もそんな感じに。気になるのは、オオヨシキリ、セッカ、トラツグミ。繁殖記録はなく、繁殖期にずっと滞在するわけでもなさそうなので、今回は希少種の選定対称からは抜いたが、もし繁殖期にいるのなら希少種だろうと思う。
鳥類の場合、迷鳥と希少種は出現パターンは近いが、扱いが天と地なので、情報が少ないと、そこの判断に迷う。
●2023年2月2日 中央図書館のエントランス展示

なんとなく、もはや毎年当たり前のように、大阪市立中央図書館のエントランスで、毎年1回展示をするようになってる。最初は、主催展の宣伝を兼ねて行っていた。かつては、主催展は夏休みメインだったので、エントランス展示は、5〜6月頃だった。が、ここ数年、主催展が春に移ってしまい、そしてコロナ禍もあって、話がややこしくなった。
もう一度、最初のパターンを思い返してみたい。

夏の主催展は、通常、夏休み開始頃の土曜日スタート。それに先立つ中央図書館での展示は、5月〜6月に設定されるのが通常。3週間〜4週間程度。展示スペースは、4メートルほどのウォールケース3つがメイン。必要ならさらに平面ケースを貸してもらえるけど、展示物増えると大変なので、あまり借りなかった。
このタイミングだと、主催展本番で展示するものも投入できる。同時進行で、あるいはさらに前から後ろまでの期間に、地域館の巡回展示を2セット程度投入する。これは特別展本番中も巡ってるから、特別展本番に使うのは投入できない。ちなみにセッティングも司書まかせなので、壊れやすいものは投入できない。
というわけで、エントランス展示は、特別展の前宣伝と同時に、本番のテスト展示な色合いもあった。
このエントランス展示中に、たいてい講演会も依頼された。特別展本番スタートの1ヶ月以上前なので、主担者も対応できなくはない。やはり忙しいからできれば引き受けたくはないけど…。

エントランス展示が特別展スタートの1〜2ヶ月前ということなら、
特別展スタートが4月末なら、2〜3月。確かに鳥の巣展ではそのタイミングにした。
特別展スタートが2月末なら、12〜1月。外来生物展ではそうだったかなぁ。
間に年末年始がはさまると、なんか感覚がずれるし、慌ただしさが増す気がする。
●2023年2月1日 どうして生態学の研究をするのか?

と問われた。改めて問われても答えにくい。生態学が好きだから、というのはちょっとウソっぽい。本当は、野外で鳥などを観察するのが好きだから。少なくともそれが発端。でも、鳥を見ていたら、鳥以外にも興味が広がる。見るだけでなく、データを取ろうとすると何かに気付く。取ったデータを解析したら、観察してるだけでは気付かなかったことにも気付く。関連分野の勉強をして、解析結果を丁寧に検討したら、さらに新たなことも判ってくる。この全部のプロセスが楽しいから。
ということで、こんな風に答えてみた。

研究はすべて楽しいもの。沼にはまって、推しについての知識を貯め込み、謎を解き、センス・オブ・ワンダーを味わえる。エンターテイメントと本質的に変わらない。

すると、もっと実用的な答えを、と言われた。まあ、そう言われるだろうとは思った。でも、何かに役立つためにではなく、自分が楽しいからやってる。そういう意味で、エンターテイメントとの接し方と同じ。この答えは間違ってないと思う。
なんてことから、もっと科学や研究がエンターテイメントとして、広く受け入れられる余地もあるんじゃないかと、という妄想が広がる。
●2023年1月31日 2023年1月のまとめ 大型行事2発と博物館実習で忙しい、と思ったらアレまでやってきた

そもそも、1月ははくぶつかんたんけん隊と友の会総会という大型行事が2つあって、さらに博物館実習もやってくる。そのすべてに関わるので、元々忙しい。なのに、淀川河口にあれが来た。できるだけ速やかに離脱して去って行ってくれることを願ったが、願いは叶わず。となると、なんとか標本として残すべく働きかけ。不幸なことにマスコミの流れに乗ってしまって、とにかく、メチャクチャマスコミ対応が多かった。最初は好きに話せば良かったけど、やがて箝口令まがいの指令まで出て、とにかく面倒。
そんな2023年1月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園の果実チェックと鳥のセンサスもほぼ予定通り実施。カワウの営巣状況のチェックも続けてるし、カワウのねぐら調査は今月も実施。
1月恒例にした武庫川の水鳥調査も実施できた。

ホネホネ団の活動は、2日実施した。突然の大物の到着で1日は臨時での設定だった。大物の処理があったので、冷蔵室に処理すべきものがたまっている。

普及行事は、はくぶつかんたんけん隊と友の会総会という大物を含め、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、植物園案内、友の会月例ハイクを予定通り実施。子どもワークショップのこども祭りも無事開催。
大阪鳥類研究グループの観察会は雨天中止。

講演はなし。査読は1本抱えてるけど、できてないし。
博物館実習を受け入れて、オリエンテーションと、はくぶつかんたんけん隊の2日間、そしてホネ実習1日と、5日中4日対応するというハードぶり。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系2冊と、SF6冊。
完全休養日は2日。あれの後始末で忙しい最中、面倒に成ってあえて休んだ。
●2023年1月30日 武庫川を歩く 3年目

今日は1月末恒例、宝塚駅から河口まで、武庫川沿いを歩いて水鳥をカウント。といっても、2021年1月からの恒例だけど。
今年がまだ3回目とはいえ、3回目になると、コースどりも確かなもの。宝塚駅前の宝来橋から左岸を歩きはじめ、甲武橋で右岸に渡って、そのまま高水敷の行き止まりの阪神高速湾岸線まで。歩いて、阪神武庫川駅まで戻るのはだるいので、昨年からは阪神武庫川線に乗るのが恒例になっている(まだ2回目だけど)。ちなみに阪神武庫川線には車両が4セットあって、それぞれ名前がある。今日乗ったのは、黄色に黒いラインのタイガース号。
過去の結果と並べて見よう。

2021/1/30 4時間半
カモメ類の群れは、武庫川橋の上流側に1400羽ちょっと。ユリカモメ約750羽、カモメ約700羽、セグロカモメ16羽

2022/1/31 約5時間
カモメ類の群れは、武庫大橋の上流側、武庫大橋〜武庫川橋、阪神本線の上流側と下流側の4ヶ所にいた。合計で500羽弱。ユリカモメ約350羽、カモメ約70羽、ウミネコ1羽、セグロカモメ約50羽。

2023/1/30 5時間40分
カモメ類の群れは、武庫大橋から阪神本線の間。阪神電車の少し上流辺り。合計で約520羽。ユリカモメ約380羽、カモメ約100羽、セグロカモメ約40羽、オオセグロカモメ1羽。

いつも5時間ほどで終わるのに、今日は5時間40分もかかった。鳥の数は例年並なのにおかしい。
カモメ類の群れがいる場所はおおむね3年とも一緒。でも、過去2年と比べると、上流までユリカモメが遡っていたのが目についた。合計個体数は昨年より少し多い。
●2023年1月29日 3年ぶりの対面の博物館友の会総会

友の会総会は、その名に反して、総会議事以外のウェイトの方が大きい。博物館友の会の一番のイベントで、講演会、活動報告、バッジのデザインコンテスト、写真ギャラリー、バザー&オークション、多数参加者表彰、手作り豚汁。とまあ企画もりだくさん。
例年1月の最終日曜日に開催してきた。しかし、2020年1月を最後に、思うような開催ができなくなった。対面でしかできない企画は断念。総会議事、講演会、活動報告だけをリモートで開催の3年間。バッジのデザインコンテスト、写真ギャラリーは、総会と切り離して開催。バザーが実施できないのは、地味に友の会の会計にダメージを与えていた。また、この総会の時に会員を更新してきた人も多かったのだろう、会員数も減少。
今回、3年ぶりに対面での友の会総会を開催できそう。ってことで、どういう形にするかの議論が早くから行われてきた。ほぼ今まで通りの開催ができそうだけど、館内での飲食は厳しい。ということで、手作り豚汁の復活は断念。となると、館内で100名以上が昼食を食べるのが困難なので、午後開催でプログラムを変更。
午後開催だと、博物館で一日過ごすって話にならないので、コンテストやギャラリーなどの投票が難しい。本の販売も厳しめ。参加者表彰も、コロナ禍のパターンになる。

今までの友の会総会に愛着を持っていた人には少し物足りないかもしれない。それでもバザー&オークションが開催できるのはありがたい。会員の更新も期待できる。
いい面としては、バザーの自由度は高まったこと。これは維持した方が良さそう。

ちなみに今日一番の出来事は、ユリカモメのガッチャマンマントを落札してしまったこと。最高額を入札したはずなのに〜。上から2番目が落札するはずなのに、もっと上がいたのかぁ。
●2023年1月28日 3年ぶりの申し込み無しの観察会

今日は、植物園案内動物篇で鳥の観察会。コロナ禍になって以来、申し込み制になっていたので、ほぼ3年ぶりの申し込みなしの実施。野外観察会は、植物の植物園案内以外、ずっと申し込み制にしていた。一々申込みを受け付けて、名簿をつくって、当日チェックして、というのは主催者側的にとても面倒。おそらく参加者側も一々申し込むのは、面倒なはず。申し込む手間だけでなく、当日になって思いたって参加するといったことも申込み制だとできない。やっと申込み無しになって良かった〜。
が、気付いていなかったのは、この3年間で参加者層が大幅に入れかわった。今日の受付時は面白かった。最近参加するようになった人は、当日やってきて、名簿に名前を書いて、という段取りを知らない。一々説明が必要。少なくとも今日に限っては、受付が面倒だった。
とはいえ、申込み制を嫌って、この3年間参加を控えていた人もいたらしい。3年ぶりの参加という人もいて、久しぶりです〜、とお互い挨拶。
ちなみに行事案内も、申し込み制ばかり作っていたので、この行事も当初申し込み制で公開していまい、申し込んだ方もいた。それにお断りして、改めて案内を出し直すという二度手間をやってしまった。もう、このままずっと申込み無しで続けたい。
●2023年1月26日 自分がこなしてきたお仕事を整理してみる

大人の事情で、今まで(といってもここ数年)博物館でこなしてきた仕事をリストアップして整理してみた。驚くほど働いていない。

【研究】
・鳥類中心に、哺乳類、両生爬虫類について、大阪府周辺の分布調査・モニタリング、レッドリスト関連、プロジェクトの担当。

【資料収集保管】
・鳥類と哺乳類の標本作製、標本管理、標本整理。
・両生爬虫類の捕獲、標本作製。

【展示・質問対応】
・鳥類、哺乳類、両生爬虫類についての質問対応。
・鳥類、哺乳類、両生爬虫類についての展示の担当。

【普及教育:行事】
・鳥の観察会:植物園案内動物編、ツバメのねぐら。
・カエルや哺乳類の観察会:カエル1回以外は随時。
・ホネの標本づくり実習、鳥の鳥の調査の勉強会。
・ジュニア自然史クラブ:申込み受付・登録・返信、メーリングリスト管理、活動案内の手配・送信。行事の際は、名簿チェック、随時人数確認。補助スタッフの対応。
・バックヤードツアー系:基本的には、実習室で作業してる役。
・鳥類フィールドセミナー
・こどもまつり
・フェスティバル系:アルバイトの担当が主

【普及教育:サークル系】
・大阪鳥類研究グループ:事務局
・友の会読書サークルBooks:事務局
・なにわホネホネ団:事務局長

【普及教育:その他】
・博物館実習:受付、手続き、大学とのやり取り、班分け、事後処理。
・monitor担当:メールを振る・返信する、質問メールへの対応
・メーリングリストomnhの管理
・図書館関係窓口

【館内分担:委員会】
・図書委員会:アルバイト対応、国内外の交換発送簿の管理、特別展の招待状発送簿の管理。
・普及委員会:会議で偉そうに発言する。

【館内分担:その他】
◆センター・博物館連絡会議
◆関西自然保護機構:事務局長
◆大阪市立自然史博物館友の会:予算編成
◆Nature Studyの封筒コラム:経過からずっと執筆担当。
◆ミュージアムショップ:博物館側窓口、書籍ご意見番。

後継を考える場合、悩ましいのは、「鳥類・哺乳類の標本作製」、「博物館実習」、「ジュニア自然史クラブ」、「なにわホネホネ団」「ミュージアムショップの本のご意見番」ってところだろうか。あとは、なくてもいいか、誰でも引き継げる。
●2023年1月24日 今年度の博物館実習の対応完了

冬の実習の日程は、1月12日まで。その直後に時間をとられる案件が勃発して、すっかり事後処理が遅くなってしまった。でも、一通りの処理は完了。7大学10名の実習ノートと成績関連の書類は大学へ送った(あるいは送る手配をした)。残り3大学7名は、公印がいるというリクエストなので、公印待ち。いつになるかは知らんけど、公印いるというなら仕方が無い。そういえば、まだ実習が完了していないのが1名いるけど、もういいような気がする。

ともかく、冬の実習も終わって、今年度の博物館実習は終わった感じ。コロナ禍になって、3年目にして初めて、夏・秋・冬のすべての実習を対面で実施できた。秋はちゃんとフェスティバルに関わってもらえたし。形式上は、コロナ禍前に戻った感じ。
博物館実習は、毎回のように新たな面白い事態が起きてくれる。今年度の3回の博物館実習の中で一番盛り上がった、というか厄介だったのは、この冬の実習だった。なんせ、新たな展開が3つも用意されていた。どれも想像の上を行っていた。

初日の朝一番、集合時刻に部屋には予定の半数くらいしか座っていない。これは斬新すぎる。どうなってるのかな?と思っていたら、遅れてわやわやと到着した。どうやら博物館の正面入口に行ってしまい、開館時刻まで入れなかった様子。通用口から入るように連絡してある。勘違いする奴がいても、1人か2人くらいと思うのに、どうしてこんなに大量に一緒に間違うのか?友だち同士一緒にきたのか?

1人は、初日に来ていなかった。大学・本人からの連絡もない。放置しても良かったのだけど、来る途中で事故にでもあってたらまずいので、大学に連絡した。慌てた大学の担当者が確認したところ、実習初日を忘れていたらしい。仕方がないので、2日目から参加。初日分は別日程で行事の手伝いに来てもらうことにした。大学に問合せなければ最後まで忘れたままだったかな。

1人は、友だちに連れられて話をしにきた。というか友だちが喋っていた。班分けしての実習内容に不満があるので、班を代わりたいとのこと。そんなん受け入れてたらキリがないし、他にも不満のある実習生もいるだろうに不公平。ということで、断った。そもそも実習内容にリクエストがあれば、事前に連絡するようにというアナウンスをしてある(可能な範囲でしか対応しないけど)。これで終わったと思ったら、翌朝、母親から連絡あった。同じ件で話をしてると。なんとすでに博物館の近くまで来てると。忙しいし、話す必要も意味もないので断った。
●2023年1月22日 なにわホネホネ団の見学者

近頃、妙に見学者が多い。団長がマスコミに出たりしたら、急増することがあるけど。コロナ禍で活動中止が続くと、見学者がたまって増えるけど。今回はどちらも該当しない気がする。どうしてだろう?

先日の鳥の日に見学者(団員であっても、皮剥きしないで、見てるだけの人は見学者扱い)が多かったのは、納得がいく。超大物がいたし、それを団員にはアナウンスしたから。
でも、今日は、とくに大物はいないのに、見学者が17名もいる。参加者の約半分が見学者。かといって入団試験は1人だけ。
昨年11月や12月の定例の通常活動日も、見学者が全体の半分ほどを占めた。見返してみると、10月以前はそうでもない。つまりこれは、ホネホネサミット以降に起きてる現象のよう。ということはホネホネサミットでの露出の成果なのだろうか?

それなら見学者の人数は納得できるけど、その割りに入団試験の人数は増えていない。それはつまり、見学しても入団試験受けてない人が多いってことになる。見学してみたら、思ってたのと違う〜、ってなってる人が多いのかな? 見学時の対応が悪いのかな?


●2023年1月21日 カワウの繁殖地観察会

まさか地元で、それが出来る日が来るとは思わなかった。そして、集団繁殖地というのは、いろいろ見所があって、楽しいし、観察会的には時を忘れる勢い。
地元の公園で鳥の観察会。初心者が混じる観察会では、大きくて、あまり動かず、みんなで見やすい水鳥はありがたい。ということで、最初はとりあえず池に行って、水鳥を見せて、説明する。昨年からカワウが繁殖してるので、いきおいその解説になる。

遠目に
・木が白くなってる。カワウやサギ類のコロニーが木を枯らす話。集団ねぐらの話。
・昨年からカワウが繁殖を始めた。希少種だったカワウが、増加した話。
・1月にもう繁殖してる。昨年は3月からだった。カワウの繁殖開始がしばしば前倒しになる話。冬に繁殖する鳥の話。
・カワウがグルグル飛び回る。陸上や枝上でうまく動けないので、少し場所を移動するために一周飛び回る。
・なにかくわえて運んでる。造巣の役割分担や巣のつくりかたの話。

近づいて
・ヒナの声が聞こえてる。餌のもらい方の話。
・木の枝でつくられた巣。鳥の巣材の話や巣の大きさの話。

いっぱいしゃべれる。他の鳥さがしに行かなくても、カワウの観察会だけで1時間以上できそうな勢い。ネタの宝庫過ぎてとてもありがたい。今度、カワウやサギ類の繁殖コロニーだけの観察会企画してみようかなぁ。
●2023年1月20日 カワウの繁殖期が前倒しになるきっかけ?

カワウは、しばしば冬にも繁殖する。大型で寒さに強く、魚食性なので冬にも雛への餌の確保ができる。といった要素が大きいと思う。でも通常、新たな繁殖地で繁殖を始めるのは、3月〜4月頃。早くて早春。
それがしばしば繁殖開始が前倒しになり、冬に繁殖をはじめるようになったり、さらに早まって秋には始めてしまったりもする。問題は、すべての繁殖地で繁殖開始の前倒しが起きる訳ではないこと。どうして春の繁殖開始が、冬の繁殖開始にシフトするか。そして、どうしてシフトする場所と、しない場所があるのか。

今まで聞いたことがある説明は、大きな繁殖地では、営巣場所の取り合いが起きて、繁殖期開始の前倒しが起きる。でも、小さな繁殖地では、繁殖開始の前倒しはあまりおきない。
この説明はカワウでもアオサギでも聞かされたことがある。なんとなく、それで納得していた。でも、長居公園のさほど大きくない繁殖地でも、繁殖期開始の前倒しが起きて、疑問が芽生えてきた。
一つの要素としては、営巣場所の取り合いで説明するにしても、繁殖規模ではなく、繁殖地の広さに対する繁殖規模を考えるべきってこと。ただ、それでも長居公園の場合、充分余裕がありそうなのに、繁殖期開始の前倒しが起きた。どうしてだろう?

そもそも、前年に、営巣場所の取り合いとかをして、望む営巣場所を得られなかった個体が、翌年は早めに営巣場所を確保しなくちゃ!ってならないと、繁殖期を早く始める話につながらない。そんな学習と記憶に基づいた反応するのかな?
もっとなにか違った繁殖期を前倒しにしなくちゃ!なキューがあるんじゃないかと思い出した。
●2023年1月19日 ニタリクジラのホネを洗う

なんでかは大きな声で言えないけど、昨日大きなクジラを見たから、1年半前に大阪湾で回収されたニタリクジラのホネの世話をとてもしたくなった。
ニタリクジラは、面倒な横やりが入ることなく、港湾管理者と打ち合わせて、粛々と回収が行えた。博物館が標本として引き取るのが、圧倒的に安上がりなのだから、普通に考えたら当たり前。
大人の事情で、最初に頭、前肢、尾椎、肋骨左側だけ回収。一年ちょっと経ってから、残置してきた胸椎、腰椎、肋骨右側を回収した。後半の回収は昨年末のこと。砂場に設置してあった前半を、砂場から出してきて、入れ替わりで後半を砂場に設置。頭骨は人力で運べず、後半の時についでに運び出してもらった。
で、砂場から回収した骨達は、旧トラックヤードの前にある。肋骨は水槽の中で水漬け。尾椎やら前肢の骨やらナンやら細かいのはいろんな入れ物に水漬け。頭骨は付けられないので、ブルーシートかけて置いてあって、雨が降ったら雨にあてる感じ。唯一、砂場で雨に当たっていた下顎だけが綺麗な骨になっていて、干されている。
で、今日は水漬けしてあった尾椎や肩甲骨、その他小さい骨を洗った。これまでも何度も洗ってみて、肉が腐りきっていなくて、再び水漬けを繰り返したけど、まあまあ綺麗になってきた。尾椎は引き上げて干してみた。舌骨や上腕骨などはもう少し水漬けが必要。まだまだ臭い。
でも、小さいのは目処が立った。あと面倒なのは、頭骨と肋骨。肋骨はバリバリに割れてるので、パズルが必要。頭骨はまだまだ雨に当てないと茶色いまま。脳幹にゴキブリがはいってないかも心配。
●2023年1月18日 クジラ研究者さんに弟子入り?

今日は、クジラ研究者さん達と、混じって作業。初めての経験で、ドキドキしていたが、よく考えるとほぼ全員、間接的には知り合い。何人かは直接知り合い。畑違いなのに驚くほど近しい人達ではある。そして、なぜか混じってるド素人のつまらない質問に優しく答えてくれる。哺乳類屋って変な人が多いけど(一部のネズミ研究者の観察などに基づく、個人的見解です)、クジラ研究者さんは、フレンドリーな印象がある。

そして、今回は、クジラ研究者さんのみなさん、とくに姉御にお世話になりっぱなし。というか、現場の建前の責任者は、G研のおじさんなのだけど、G研の調子のいいおじさんも姉御には引き気味というか、顔色を窺っている印象。姉御の先輩の大先生もいるのだけど、姉御の命令に唯々諾々と従っている。というか、姉御に大声で叱られてたりする。クジラ研究の若者達は、当然のように姉御の指示に従う。事前にそういう感じになるってことは聞いていたけど、それを目の当たりにすると感慨深い。こういう現場では、指揮系統の一本化はかなり重要なので、これ良いのだと思う。
というわけで、こちらからは萌蔵と二人で参加したのだけど、しろと言われたことを行い、しても良いと言われたことだけを行った。あの現場で勝手なことをできるわけがなかろう。とりあえずは計測。吻端に棒を持って立てと言われて、姉御の先生と一緒に棒を持って立つ。二人して姉御に怒られる。棒を真っ直ぐに立てる! 棒をもっと高く!!! 意味はわかるけど、メッチャデカイから台に上がって手を伸ばしても怒られる。辛い。
その後はサンプリング。限られた時間で許された範囲のサンプリングしかできない。とにかく、歯を確保と言われ、みんなで、歯を取るために、切ったり掘ったり。10人くらいで1時間ちょっと作業しただろうか。上顎はおおむね全部、下顎も先の方の歯は確保できた。
クジラ研究者のみなさんはフレンドリーだったけど、現場は過酷だった。なんか精神的にも。クジラ研究者になるのは止めようと思った。

【追記】
この日の計測値。全長15.98mのオス。
後日、サンプリングした上顎歯より、46歳と判明。
●2023年1月17日 白いハシビロガモ

昨日、ため池をめぐって水鳥調査をした。すると、平野区の池で白いハシビロガモに遭遇。

ハシビロガモの全身白化個体。白と言っても、少しマットな感じ。でもバフ変というより白化かなぁ。いろんな種で白化個体は見つかるけど、カモの白化個体は、少なくとも大阪府では、ハシビロガモで見ることが多い気がする。これは大阪府にハシビロガモが多いせいか、ハシビロガモは浮いてるから目立つって話なのか。ハシビロガモの白化個体は生き延びる確率が高いのか。ハシビロガモは他のカモと比べて、白化個体がよく出るのか。そもそも白化個体が出る確率が種によって違うとかありうるのかなぁ?

毎月調査してるけど、この池に先月は白いハシビロガモはいなかった。この1ヶ月の間に越冬地内での動きか、遅れて渡ってくる個体がいたってことだな。このように個体識別ができるといろいろな事が判って楽しい。
この池の周辺の池や大和川は毎月チェックしてるので、このエリア内で動いてくれたら、動きが追えそう。来年以降もやってきたら気づけそう。
とりあえず注目しておこう。

【追記】
2月の調査でも同じ池にいた。3月の調査時には、周辺のどの池にもいなかった。エリア外に動いたか、渡りがはじまったか。いずれにせよ、3月前半辺りに動きがあるらしい。
●2023年1月16日 Mixi18周年

この日記めいたものを書き始めて、昨日(15日)でMixi18周年。今日から新年度に突入。Twitterを始め、Facebookの面倒までみて、それでも毎日ではないけれど、長めの日記はここに書いてる。書き忘れると、ちょっと残念。ガラケーからも書けるんだけど、1文を越えるとトラブルので、いったんガラケーで短くアップしておいて、後日書き足すという技を駆使している。まだ当分は続けよう。

例によってこの1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、322日書いていた。夏まで頑張って書いていたのだけど、9〜11月に書けていない日が目立つ(月25日以下になってる)。ただ今日時点で書き足し待ちのが1月だけだけど、2日分ある!
ちなみに過去を振り返ると、一年目325日、二年目344日、三年目331日、四年目324日、五年目329日、六年目303日、七年目315日、八年目304日、九年目295日、十年目265日、十一年目は279日、十二年目は284日、十三年目は288日、十四年目は306日、十五年目は310日、十六年目は310日、十七年目は323日書いていた。Twitterを始めた六年目に激減し、十年目でさらに減少。十一年目以降、回復基調が継続し、ついに初年度なみにまで回復した。これを維持出来るか?
●2023年1月15日 Twitter13周年

Twitterを始めて、昨日(14日)から新年度14年目に突入。つまり、13年前の昨日Twitterを始めた。
丸十三年経って23147tweet。最初の一年に2922tweet、二年目は2674tweet、三年目は2494tweet、四年目は2188tweet、五年目は1827tweet、六年目は1667tweet、七年目は1534tweet、八年目は1387tweet、九年目は1436tweet、十年目は1291tweet、十一年目は1064tweet、十一年目は1431tweetつぶやいた。そして、この一年は1232tweet。またツイート数が少し減ってしまった。
ちなみに一番バズったのは、11月にツイートしたこれ。22,440件のインプレッション(144リツイート、484いいね)。「『キリンのひづめ、ヒトの指』を読んだ。勉強になった。一番気に入った部分を引用しておこう。206ページ「いちばんではなくても、効率的ではなくても、その動物自身が生きている世界でなんとかやっていけるのならば、それでいいのだ。誰かに“ざんねん”などといわれる筋合いはどこにもない。」郡司さん人気に乗っかったってことだろう。

フォローしてるのは273名。12周年で251名、11周年で240名、10周年で227名、9周年で209名、8周年で199名、7周年で201名、6周年で184名、5周年で180名、4周年で184名、3周年で167名、2周年で157名、1周年で143名。この1年の増加が激し目。
フォロワーは、4266名、12周年で4029、11周年で3830名、10周年で3488名、9周年で3202名、8周年で2842名、7周年で2580名、6周年で2272名。5周年で1955名、4周年で1757名、3周年で1472名、2周年で1108名、1周年で659名。フォロワーの増加具合は、少し少なめ。でも、ついに4000名を突破。2年目に1000名、6年目に2000名、9年目に3000名、11年目に4000名。5000名到達は、17年目かなぁ。

ついに13年続いた。14年目も、引き続きTwitter中心での発信を継続の予定。
Facebookは、今までどおり他人の画像や動画をリツイートするだけ。
●2023年1月14日 クジラ研究の社会的意義

そういう文書を書くことになった。専門家さんに、いろいろヒントをもらって考えた結果、こんな感じの骨格になった。もちろん、この他に学術的意義があるんだけど、社会的意義、すなわち普及教育的な意義と行政的な意義について。

■普及教育目的
・15m級の雄のマッコウクジラ成体は、大阪湾では初めて。当館にはメスの幼体のマッコウクジラの標本しかない。このサイズの成体の雄の標本を所蔵している自然史博物館はほとんどない。マッコウクジラは雄と雌で大きく形態が異なり、展示資料としても、頭部の独特な形態を持つマッコウクジラのオスは魅力的な展示物となる。
・大阪湾にこんなに大きな動物が来る事があると、市民に実物を持って示すことができる。標本化のプロセスも含めて教育活動を行うことで、市民への自然教育研究上も評価することができ、科学コミュニケーション研究の上からも重要な事例になる。
・マスコミなどでも話題になっているので、大阪湾という自然環境とその現状を、普及するきっかけとして、これ以上のものはない。胃内容物や栄養状態の研究成果を受けることで具体的、科学的なドキュメントができる。

■行政的意義
・DNA解析などにより、どこから来たかの由来を判断できる。大阪湾内に迷入するクジラは、船舶の航行上の脅威となりうるが、今後の対策を考える上でも由来を知ることは重要。
・内臓などを分析すれば、海洋汚染や、海洋プラスチック問題がどの程度クジラにまで影響しているかが評価可能。これはSDGsを推進する立場からは貴重な情報となる。
・環境がテーマの万博でも科学的な根拠と、資料としての魅力と、感情面でも訴求力の高いクジラは目玉展示にもなりうる。
●2023年1月13日 大阪湾で見つかったクジラの死体

今日何度も訊ねられたので、整理しておくことにした。この作業、クジラの死体が見つかるたびにやってる気がするけど、毎回見つからない…。

大阪湾では、今までも生きたクジラが見つかったことはあるけど、知る限り泳いで出て行った。見つかったクジラの死体は、基本的に死んだ状態。ただし、最初のミンククジラは死んで沈んでるのが見つかったけど、新鮮だったので、生きて入ってきたのかも。淡路島のナガスクジラも新鮮な個体だった。詳細覚えてないけど、生きてたのが死んだって話だったかも。他はすべて見つかった時点で腐っていて、浮遊していた。
それ以前にも大阪湾でクジラの死体の記録はあるかもしれないけど、把握できてるのは、1990年以降だけ。で、いっぱい質問されるので、その一覧を作っておこうと思う。

1990年4月 ナガスクジラ(オス、19m、約40t)
 浮遊してるのが見つかり、堺で陸揚げ
 →標本として、大阪市立自然史博物館で所蔵。本館前ポーチに展示
1996年7月 ミンククジラ(■、7.7m、約2.5t)
 大阪市住之江区で見つかり、埋立地に陸揚げ
 →標本として、大阪市立自然史博物館で所蔵。収蔵庫で保管
1999年8月 ミンククジラ(■、5.4m)
 田尻町マーブルビーチで見つかり、その場で解体
 →標本として、大阪市立自然史博物館で所蔵。収蔵庫で保管
2001年5月 ナガスクジラ(■、9.6m)
 淡路島の大阪湾岸で見つかり、津名町塩田漁港に陸揚げ
 →標本として、兵庫県立人と自然の博物館で所蔵。常設展で展示
2010年5月 マッコウクジラ(メス、9.1m、約10t)
 浮遊してるのが見つかり、堺で陸揚げ
 →標本として、大阪市立自然史博物館で所蔵。本館前ポーチに展示
2015年9月 ザトウクジラ(オス、7.0m)
 岬町に漂着し、その場で解体
 →標本として、大阪市立自然史博物館で所蔵。本館前ポーチに展示
2021年7月 ニタリクジラ(オス、11.2m、約8.5t)
 浮遊してるのが見つかり、堺で陸揚げ
 →標本にすべく、大阪市立自然史博物館で骨格標本作成中。

という訳で、ここで強調しておきたいのは、この30年ほどの間に大阪湾で見つかったクジラは、すべて標本として残されているってこと。これはすごいことなんじゃなかろうか?

【追記】
2023年1月にもマッコウクジラがやってきた。全長15.98mのオス。サンプリングした上顎歯より、46歳と判明。
ついでに2010年のマッコウクジラの上顎歯から年齢査定をしてくださった。28-29歳とのこと。
●2023年1月11日 博物館実習 キリンとイルカのホネを洗う

キリンといっても生まれたばかりの小さなキリン。小さなキリンといっても身長170cmだったけど。イルカは、堺市であがってスジイルカ。

今日担当したのは3人。作業させる標本がないねん〜、とかいう某館長の代打ち。初日のオリエンテーション、2日目・3日目に続く、4回目の登場。やってもらう作業は、おなじみのホネ洗い。
今日の3人は、博物館たんけん隊の時に、作業してる実習生の姿は見てるし、ホネの説明もなにかしら聞いたはず。でも、博物館たんけん隊の時のホネ洗いは、朝一番で大急ぎで作業の仕方だけ伝えて、最後に短時間のホネの解説とホネ並べをしただけ。今日は通常運転なので、出だしで標本の受入と登録の説明。ホネの骨格標本の作り方の説明。合間にもホネの解説。最後にはホネを作成してるホネ砂場と水漬けの現場を見せた。臭いの元も説明した。やっぱり今日の方がホネ洗い実習っぽい。

午前中にキリンのホネをほぼ洗い終わり。午後一番に、キリンのホネの解説。頸椎と後脚のホネを軽く並べた。
午後はスジイルカの胸椎と肋骨を洗った。洗い終わったら、洗う前の頭と尾椎も見せて、洗ってある前肢と頸椎・腰椎を説明。イルカのホネのめんどくささをアピール。
●2023年1月10日 子どもまつり 多様性班 第2回会合

キックオフ時は5人、前回1人増えた。そして今回は、初期メンバーが1人減った。
今日の主な目的は、どんな動物を登場させるかと、呼び込み文を作ること。その2つが宿題だった。今日の参加は、初期メンバーの3人。今日参加できない一人が宿題を事前に提出していた。
子ども祭りは、学生のサポートスタッフが、子ども向けワークショップを企画、準備、運営をする企画。班に分かれて、相談してる場に、ワークショップのスタッフと学芸員が立ち会うのだけど、科学的に妙な方向に行く場合は軌道修正をしなくちゃいけないが、企画内容レベルでの発言は禁止されている。とくに初期段階に口出しが多いと、学生が企画したのやら、学芸員が企画したのやら判らなくなる。なので、この段階での発言はとても慎重にしなくてはいけない。とても難しい。

今年の班は、班分け直後の打合せで、すでに外来生物、身近な生きものといった対象のキーワード。手法もパズル案とツアー案が出てる。身近に“隠れてる”外来生物を展示から見付けるというイメージらしい。
初回の打合せでもブレなくて、どの展示を使うか、どんな動物を登場させるか、どんなタイトルにするか、を相談してきた。
で、今回、外来生物という路線はぶれつつあり、身近に存在してるけど、意外と気付いていない動物がテーマになりつつある。

一見順調だけど、気になる点はいろいろある。
カモフラージュしてるという意味の隠れてると、身近にいるけど気付いていない隠れてるが混在してる。外来生物からの流れか、なぜか嫌われがちな動物を取り上げようとしてる。が、総じて、何を伝えようとしているのかがはっきりしない。
タイトルに“ワクワク”を入れようとしているが、ワクワクする動物になるのか?
パズルラリーをするそうだけど、字を読めない幼児には、展示でなにかを見付けるのは、いろいろ工夫がないと難しい。そして、パズルラリーで、持ち帰れる成果物付けて、お絵描きor塗り絵、例によって盛り沢山な話をしてる。

今回はコメントはしなかった。コメントするか迷った末、コメントしなかったのは、ここでの発言はかなり方向性を決定してしまいそうだから。そして、まだ軌道修正の余裕はありそうだから。
ことほどさように、いつどんな発言をすべきかの判断が難しい。
●2023年1月9日 博物館実習3日目 子ども向けバックヤードツアーの対応付き

今日も昨日と同じ。実習室で作業しながら待機して、ツアーの子ども達がきたら10〜15分程度解説。というのが6回繰り返される。こちとらは鳥の仮剥製をつくっていて、実習生5人が流しでホネを洗ってる。今日の実習生は、昨日はツアーのサポートをしていたみなさん。

・実習生は、午前はキリン子ども、午後はオットセイ子どものホネ洗い。
・私は、午前はウミネコ、午後はトラツグミの皮剥き。
・実習室に展示してあるのは、昨日剥いたオオバンとアオバト、及びクロハゲワシとオオタカの仮剥製、テン2枚・ワラビー・アシカの皮、フタコブラクダの頭骨・下顎骨、そして昨日洗ったゴマフアザラシの全身骨格(午後はキリンの子どものホネも)。

午前:最初の班はウミネコの胴体を取り外す直前、次の班には取り外した胴体で内臓を見せ、最後の班にはすべて剥けた皮に手を入れて見せる。クロハゲワシへの食いつきはいま一つかも。今日はテンとワラビーはすぐに答えを言ってしまった。アシカはうすく問題にしたけど、あまり当たらない。ちなみにテン・ワラビーと毛皮を触らせてから、最後にアシカが一番さわり心地がいいという展開を予定してるのだけど、部屋の中に臭いの元がアシカだと最初に言うと触りたがらない子どもが続出することを発見。ホネコーナーでは、必ずラクダの頭骨をクイズにした。ほぼ当たらない。ヒントと言われて、コブがある、と言ったら瞬殺されたが。

午後:トラツグミが、皮が薄いくせに脂肪が大量で、見せながら剥けない。最初の2つの班では、剥き始めだけ見せた。最後の班までに胴体を取り外し、内臓を見せた。またもやラクダ頭骨クイズを繰り返す。今回はヒントに砂漠にいる、と言ったらまたもや瞬殺。ヒント出すのは難しい。

昨日、実習生に洗ってもらったゴマフアザラシは、頭骨や四肢がまだ充分ホネになってなくて苦労していた。
今日のキリンとオットセイはとても洗いやすい状態。午前でほぼキリンが洗い終わり。午後のツアーが終わった頃に、オットセイも洗い終わった。せっかくなので、ホネの解説の後、オットセイの椎骨のホネ並べをしてもらったけど、想定外に難しかった。なぜかゴマフアザラシの方が椎骨並べは簡単。大きさだけの問題ではなかった。
●2023年1月8日 博物館実習2日目 子ども向けバックヤードツアーの対応付き

今日と明日は、はくぶつかんたんけん隊、というタイトルの小中学生向けの博物館のバックヤードツアー。毎年、ここに冬の博物館実習をぶつけていて、実習生にバックヤードツアーの研修から参加してもらい、バックヤードを知ってもらうと同時に、子ども向け行事の様子を知ってもらう機会にしている。
今まで、冬の実習生は、まとめてバックヤードツアーの行事に投入されてきたが、昨年から2日間の各日、実習生の半分だけバックヤードツアーに投入し、残る半分は並行して行われる標本実習をしてもらうことになった。コロナ禍なので、あまりツアーの人数を増やさないためって意味合いが強い。
昨年は、実習生が9名だったので、半分の4-5名には、ホネ洗いをしてもらった。しかし今年の実習生は18名もいる。9人に一度にホネ洗いはしてもらえないので、今日明日の標本実習担当は2人体制になった。毎日5名がホネ洗い。昨年は、ホネ洗いの監督しながら、ツアーが来たら解説するだけの簡単なお仕事だったのだけど。今年は、ホネ洗いの監督しながら、鳥の皮剥きをしつつ、ツアーが来たら解説するってことになった。けっこう慌ただしい。とくに初日の朝の段取りが忙しい。

という訳で、初日の今日は、
・実習生はゴマフアザラシのホネ洗い。
・私は、午前はオオバン、午後はアオバトの皮剥き。
・実習室に展示してあるのは、クロハゲワシとオオタカの仮剥製(午前中はコサギとゴイサギもあった)、テン2枚・ワラビー・アシカの皮、トラの頭骨・下顎骨・前肢のホネ(おまけでスジイルカの椎骨と前肢)。

午前:最初の班はオオバンの胴体が剥けてきた途中、次の班には取り外した胴体で内臓を見せ、最後の班にはすべて剥けた皮を見せる。どの班もまあまあ反応はいい。最初の班と最後の班はワラビーを見て、ウサギ!と叫んでいた。どの班にもクロハゲワシを自慢し、トラの頭骨をパカパカしてみせる。最初の班の時は忘れていたけど、その後は毛皮を触ってもらえた。

午後:最初の班にはアオバトの剥き始め、次の班には取り外した胴体で内臓を見せ、最後の班にも内臓を見せた。アオバトは脂肪が多くて、最後の班までに剥けなかった。その間に、実習生に洗わせてるゴマフアザラシの頭骨洗ったりしていて、アオバト剥きがお留守になっていた。午後の班の反応は微妙。最初の年小は温和しいが、それでも説明を聞いて、毛皮を触っていた。次の高学年は3人だけで温和しすぎ、説明聞くけど、リアクション無く,皮も触らない。最後の班はやかましすぎで、説明聞かない。毛皮はやたらと触ってたし、トラに噛まれて喜んでいた。
●2023年1月7日 大きくて黒い鳥は無効分散?

今日から、今年度最後の博物館実習、冬の一般コース5日間がスタート。連休の3日間の後、1日あけて2日間の日程。今年も新規陽性者数が激増中だけど、もう行動制限はかからないらしいので、予定通り対面で実施。ということで、今年のパターンを記録しておこう。
今日は初日なので、本来なら1日オリエンテーション。博物館の概要を座学的に解説した後に、展示室、管理棟、収蔵庫を順次めぐるツアーに旅立つ。しかし、冬は違う。午後に明日明後日の行事の研修があるので、午前にオリエンテーション。管理棟と収蔵庫のツアーは研修でやるので、ツアーは展示室へ。

で、今日のスケジュール。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。ブログの担当も説明(担当したブログを書いて始めて、実習を受けたと認めることを宣言)。
09:55〜11:15 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会の説明。展示と普及教育でのコロナ禍の影響も解説。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:15〜12:25 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスと来館者とのコミュニケーション(?)がメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して、壊されやすい展示を説明して歩く。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けのコストパフォーマンスを説明。 最後に博物館におけるミュージアムショップの普及教育的位置づけも説明。
(12:25〜13:00 昼休み)
13:00〜15:00 はくぶつかんたんけん隊の研修 ※担当は別の学芸員
15:00〜15:30 実習ノートの記入。

本日特筆すべきことは、当日朝にドタキャンが1名。大学からも本人からも連絡なし。昼に大学に来ていない旨連絡した。すると、すぐに本人と連絡をとったらしい。なんと、今日からということを忘れていたとのこと。このパターンは、今までありそうでなかった。本人からお詫びの電話があって、明日から来たいというので、OKした。斬新な展開ではあるし、お詫びの電話は勇気がいったろうな、と思う。
全体のオリエンテーションも、明日からの行事の研修も受けていない。とりあえず明日の朝早めに来てもらって、最低限のことだけ伝えるけど、行事の研修をする暇はない。同じ班の実習生に押しつけようかと。
欠席した初日の分をどうするかは未定。大学と相談かなぁ。

本日は特筆すべきことが、さらに1件。事前に相談するならともかく、当日に自分の好みの班に変えろという要望には応えられない。一人だけ希望をきいたら不公平。かといって、全員の希望を聞いてたら収集がつかない。
というやり取りで終わったと思ったら、後からあんな展開が待っていたとは驚いた。大学は把握しているのかな?

実習ノートは学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導してみた。御礼とか、勉強になったとか、ありがちな文言はつまらないので、面白いこと書くように言った。勉強になったとか、ありがとうございました、的な内容は止めるように言った。少なくともNGフレーズをを書いてる人はいなかった。素直だなぁ。

【追記】
なんと翌朝まで!
●2023年1月5日 今年のレシピ2023

恒例の焼き芋。これも今回を入れて、あと3回だけかと思うと感慨深い。今年もそのレシピを記録しておこう。
今年はなんと昨年のレシピを見返して、反省点を活かしての準備をおこなった。こんなことは初めて。昨年のレシピを見返したので、テーマの素材を活かすは変わらず。つまり、素材をそのまま炙ったり、ホイルに包んで焼いたりしがち。

・炙りソーセージ
今年も大ヒット。いろいろ凝ってみても、ソーセージとマシュマロに戻ってくる気もする。ただ、向かいで炙っていたベーコンは美味しそうだった。来年はブロックベーコンを買う?

・炙りシシャモみりん干し
美味しいんだけど、枝に刺しにくくて、落ちがち。網で焼くか、昨年のように2又の生枝を用意すべきだった。

・炙り塩鯖
これも美味しいが、焼きにくい。面倒になって網に載せさせてもらった。少し邪道。

・焼きバナナ
皮付きのまま放り込んで、皮が真っ黒になったら回収して、皮を剥いて食べる。今年は甘いバナナを選んだ。クリーミーになって美味しい。他の人にも少し美味しさが伝わったようで嬉しい。

・焼きミニトマトチーズ
ホイルに包んで、ミニトマトとカマンベールチーズを焼いた。美味しいんだけど、チーズがとけて食べにくい。ホイルにたまった汁も美味しい。とけないチーズの方がいいかもしれない。

・焼き芋
サツマイモをホイルで包んで焼いた。鳴門金時ともう一つなんか。焦げずに、とても美味く焼けた。バター乗せて、牛乳と一緒に頂いた。とても美味しい。食べ過ぎた。

・かしわと長ネギと舞茸
酒と醤油をかけて、ホイルに包んで焼いた。醤油は後からたらした方がいいかも。

・クロワッサン
阪急梅田駅前にある某高級スーパーで、おかんが冷凍クロワッサンのタネを買って、ホイルに包んで焼いてたので、1つ分けてもらった。意外なことに、けっこうちゃんとパンが焼けた。ただ、片側だけが綺麗に焼けていたので、途中で裏返せばよかった。
冷凍で材料を売っていて、解凍してオーブンで焼く。というシリーズには開拓の余地がありそう。
●2023年1月4日 大きくて黒い鳥は無効分散?

年末の最後に大きな黒い鳥の死体が届いた。大阪府初記録。大阪府に限らずかなり珍しく、もし見つかったら、日本全国からバードウォッチャーが集まるレベル。この鳥は最初は生きてたらしい。それも大和川河川敷。なんと生きたその鳥が確認された場所は、新明治橋を少し上流に行ったところ。生きたのがいた頃、なんと私は新明治橋を基点に下流に向かって自転車で走り、呑気に水鳥を数えていた。教えてくれたら、見に行ったのに! もう少し下流側に来てくれていたら、自力で見付けられたかもしれないのに! そして生きてたら、ライフリストが増えたのに!
生きたの見たことないけど、死体なら見たことがあるという鳥がまた1種増えてしまった。バードウォッチャーの鳥担当学芸員あるある。

死体を届けてくれた人は、翼を広げた格好で標本にして欲しいと言ったけど、断った。測定値は、全長1.1m、翼開長2.6m。翼広げたままだと、かさばりすぎる。ということで、普通の格好の仮剥製にするけど、格好良く仕上げる必要がありそうなので、トリ先生に押しつけた。
ハジラミが少なくとも2種ついていた。かなり貴重品かも。下雨覆には、ウモウダニが付いていた。これも貴重品か? 内臓は萎縮しまくっていた。おそらく餓死。

もともと広い草原で、大きな哺乳類の死体を見付けて食べるような鳥。広い草原はないし、大型哺乳類の死体がその辺に落ちてたりしない。大和川に来てしまって、食べ物見付けられずに餓死したんだろう。
というか、そもそも日本では充分な食べ物は得られないんじゃなかろうか? 日本で見つかった個体は、全部餓死してるんだろうか?
●2023年1月3日 2023年を予言

1月3日は、この1年に身の回りで起きる出来事を予言する日。
コロナ禍になってからの2020年〜2022年ははずれまくってきた。とくにお出かけ系予言とイベント系予言が読めなかった。でもまあ、もう行動制限はかからないだろうから、コロナ禍モードは解除して、通常予言で大丈夫だろう。ってことで、2023年を予言しよう。

お出かけ系予言だけど、かつては2回の学会大会の分と、友の会合宿の分を予言してきた。しかし今年も友の会合宿はなく、3月の学会はリモート。ということで、9月に神奈川県にいくであろう。とだけ予言しておこう。
イベント系予言としては、10月にはホネ系の、11月には自然史関連の、大きなイベントが大阪で開かれるだろう。
調査系予言だけど。5年ぶり6回目の、大阪府内の公園で繁殖する鳥の調査が実施されるだろう。あと昨年予備調査が行われた大阪府内のコシアカツバメ・イワツバメ繁殖分布調査が、いよいよ本格実施されるだろう。さらに、じつに約20年ぶりに、大和川水系の調査が始まるであろう。おそらく4月にそのキックオフミーティングがある。
標本系予言としては、大きなクジラのホネのパズルができあがる。おそらくパズルの完成はまた先になるであろう。
執筆系予言としては、日本最大の鳥の巣コレクションの収蔵資料目録も出版されるはず。

あとプライベートでは、今年は1年に100冊以上の本を読むだろう。とだけ予言しておこう。
●2023年1月2日 鳥の日の成果2022

なにわホネホネ団の活動に「鳥の日」を設定することにしたのが、2012年9月。2013年からは、毎月1回、通常活動日(いわば哺乳類の日)の他に鳥の日を設定することにした。2022年の鳥の日の活動成果を集計しておこう。

2022年の鳥の日
・活動日:11日間(2月〜3月は新型コロナウイルス感染症で活動自粛。11月は大物が到着して鳥の日がなくなった。その代わり5月、7月、10月は2日活動)
  内、西表島鳥類調査隊の活動はなし
・処理した鳥の個体数:65羽(皮剥きのみ、鳥の日以外の活動日の処理数は除く)(平均5.9羽)
  他に、骨取り+羽のサンプル採取の処理が2羽。
・のべ参加者数:65名(平均5.9名)
  内、見学者9名(平均0.8名)

というわけで、2022年も鳥の日の活動で、鳥の仮剥製が随分増えた。2月と3月は活動できなかったが、全体的にコロナ禍の影響はほとんどなかった。しかし、処理した個体数はかつての1/2以下にとどまった。1回当たりの処理個体数が大幅に減ったのが大きな要因でアリ、それは参加者数の減少に起因する。キンバト処理は中断のまま。
参加した人は、16人。任せられる人が9名、他の6名はさらなる修行が必要。

<過去の鳥の日の記録>
・2021年
・活動日:6日間
・処理した鳥の個体数:41羽(平均6.8羽)+骨取り2羽
・のべ参加者数:45名(平均7.5名)内、見学者6名(平均1.0名)

・2020年
・活動日:16日間
・処理した鳥の個体数:138羽(平均8.6羽)+骨取り4羽
・のべ参加者数:のべ参加者数:151名(平均9.4名)内、見学者10名(平均0.6名)

・2019年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:126羽(平均10.5羽)+骨取り8羽。
・のべ参加者数:132名(平均11.0名)内、見学者10名(平均0.9名)

・2018年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:166羽(平均13.8羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:179名(平均14.9名)内、見学者28名(平均2.3名)

・2017年
・活動日:13日間(10月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:170羽(平均13.1羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:196名(平均15.1名)内、見学者34名(平均2.6名)

・2016年
・活動日:14日間(11月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:172羽(平均12.3羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:204名(平均14.6名)内、見学者28名(平均2.0名)

・2015年
・活動日:11日間(9月は活動なし)
・処理した鳥の個体数:125羽(平均11.4羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:122名(平均11.1名)内、見学者19名(平均1.7名)

・2014年
 活動日:13日間(9月、12月に2日活動、10月は活動なし)
 処理した鳥の個体数:140羽(平均10.8羽)+骨取り19羽
 のべ参加者数:152名(平均11.7名)内、見学者25名(平均1.9名)

・2013年
 活動日:15日間(4月、9月、12月に2日活動)
 処理した鳥の個体数:225羽(平均15.0羽)
 のべ参加者数:205名(平均13.7名)内、見学者32名(平均2.1名)
●2023年1月1日 一年の計と昨年のプライベートの振り返り

大晦日の夜、本読んでいて、少し横になったら落ちた。気がついたら年が明けていた。昼前に目が覚める。歯を磨いて、シャワー。年末に履いてたジーパン、パーカー、シャツなどを洗濯。
餅3個と、かしわと蒲鉾、ネギと大根と舞茸で、雑煮を食べる。今年もネギを焼くのを忘れた。昨日つくったサバの味噌煮も食べる。美味しく出来た。布団を日に当てつつ、その上で日向ぼっこ。少し本を読んでから、昼過ぎに博物館へ。
今年も一番乗りだった。警備員さんを除けばだけど。ナミビアの水場のライブカメラでは、オリックスが水をのんでた。しばらく視てから、年末にはじめたハッカチョウのデータ整理の続きを始める。
皮と戯れて、本年初日の仕事は終了。元旦なので、館内には警備員さんしかいない。と思ったら1人やってきた。でも、今日は警備員さんにも会釈しただけ。今年も元旦は誰とも話さず終わった。
一年の計は元旦にあるとすると、今年も人とのつながりは少なく、一人で暮らし、無愛想に仕事をする一年になりそう。

元旦には一年の計があるのかもしれないが、昨年を振り返る日でもあるように思う。今年の予言をする上でも、昨年を振り返るのは重要。仕事についてはすでにまとめたし、本についても整理した。というわけで、そこからもれたプライベートな部分を振り返って、反省してみる。といっても健康面以外にないけど。
まずは完全休養日。出勤せず、調査にも出かけず、学会大会や勉強会、あるいは委員会にも出席しなかった日を完全休養日と定義する。2022年は、9日しかなかった。鳥の巣展などで忙しかった前半は0日。7月、8月、12月に1日ずつ。9月、10月、11月に2日ずつ。月2日は作るようにした方がいいんじゃないだろうか。
休みが少ないと不健康な気もする。でもまあ8月に受けたガン検診(胃カメラは避けた)は問題なし。ちなみに骨密度の数字はとても良い。しかし、9月に受けた健康診断は、★が5つも付いてしまった。一番気になるのは血糖値。ここ2年かなり改善してたのになぁ。ツバメの巣の調査の時にちょっと緩めたからだろうか?
健康は食事から。ってことで、昼食に弁当を作った日を数えてみた。218食。調査に出てる時は弁当なしなので、ツバメの巣調査の5〜7月が少なめ。ついでに外食の回数はというと、12月にウミガメ回収の帰りに行った1回だけ。コロナ禍に入ってから外食は、これで2回目(前回は、昨年クジラの下見の時)。あと、酒は日本酒1/2杯。宴会参加は1回あったのだけど、その時は呑まなかった。反省点はない。
ちなみに糖質を減らすべく、糖質リッチなものを食べたら記録してみてる。果物を集計するのは面倒だし、米系も多くて集計したくない。小麦粉系・砂糖系だけチェックすると、豚まん2個、ナン3枚、筋焼き1枚、スパゲッティお椀1杯、焼きそば1食、ちゃんぽん1杯、ピザ小2/3枚、ハンバーガー1個、キッシュ2切、サンドイッチ11切、フレンチトースト3切、パン63個。スイーツ系は、阿闍梨餅1つ、くるみ餅1つ、ドーナツ1/2個、シフォンケーキ1/6、パウンドケーキ1切、マフィン1つ、フィナンシェ2つ、クッキー7枚、外郎小1本、チョコレート3粒、アイスクリーム1本、ピノ2粒。年間の数字としては、糖質接種はかなり少ないけど。ツバメの巣の調査の時に、けっこうパンを食べていたのが唯一の反省点かも。調査やイベント時がポイント。行動制限がかからなくなって、血糖値が高くなったのと付合する。
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