日記風覚え書き

2020年10月11月、12月
(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
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●2020年12月31日 この一年に買った本

大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。

020年に買った本は、238冊。購入金額は238,521円+税。冊数、購入金額ともにこの5年で一番少ない。

購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:17冊、26,140円+税
・SF関連:111冊、144,784円+税
・ライトノベル:1冊、610円+税
・その他小説など:0冊、0円+税
・マンガ:111冊、66,987円+税

冊数は、昨年と比べて、マンガとライトノベルは同じくらい。自然史関連本とSFが減少している。とくに自然史関連本の購入冊数と購入金額は、記録をしはじめて一番少ない。

今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本24冊、SF関連99冊、ライトノベル1冊、その他小説0冊、マンガ80冊(マンガの冊数は少し不正確)。合計204冊(マンガ抜いたら124冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、86%(マンガ抜いたら96%)。相変わらず、買ったはいいが読んでないマンガがけっこうある。いずれにせよ読破率は昨年を下回った。タイプ別の読破率は、自然史関連本141%、SF関連89%、マンガ72%。マンガの読破率は昨年よりはましになった。

総括としては、昨年一昨年に比べると、今年は本を読めなかった。とくにSFを。3年前に比べると多いのだけど。SFとマンガの購入数は、とくにマンガは高いレベルを維持。自然史関連本は購入冊数が少なかった割りには、読んだ冊数は例年とあまり変わらない。
家の中を眺めると、本棚が自然史関連本2本、SF+ライトノベル5本、マンガ2本。というのは変わらず。マンガが本棚からあふれて本棚の隙間に平積みされるようになった。SF+ライトノベル5本の未読の本棚は、昨年からまた減って、1本に。

<過去のデータ>
◆購入本
・合計
 2006年:145冊、188,207円+税
 2007年:144冊、197,299円+税
 2008年:106冊、132,534円+税
 2009年:131冊、181,830円+税
 2010年:181冊、196,027円+税
 2011年:127冊、172,199円+税
 2012年:166冊、147,826円+税
 2013年:164冊、201,353円+税
 2014年:206冊、307,024円+税
 2015年:199冊、265,288円+税
 2016年:246冊、296,764円+税
 2017年:327冊、318,520円+税
 2018年:356冊、342,301円+税
 2019年:277冊、287,916円+税

・自然史関連本
 2006年:42冊、83,087円+税
 2007年:56冊、96,431円+税
 2008年:37冊、72,764円+税
 2009年:56冊、99,396円+税
 2010年:52冊、103,247円+税
 2011年:46冊、104,819円+税
 2012年:49冊、80,138円+税
 2013年:38冊、83,039円+税
 2014年:70冊、156,011円+税
 2015年:56冊、123,409円+税
 2016年:67冊、145,430円+税
 2017年:58冊、95,399円+税
 2018年:32冊、63,366円+税
 2019年:26冊、40,093円+税

・SF関連
 2006年:60冊、74,240円+税
 2007年:61冊、78,780円+税
 2008年:52冊、60,470円+税
 2009年:56冊、66,230円+税
 2010年:38冊、41,140円+税
 2011年:50冊、45,627円+税
 2012年:62冊、65,320円+税
 2013年:69冊、81,750円+税
 2014年:89冊、130,210円+税
 2015年:86冊、104,140円+税
 2016年:90冊、98,575円+税
 2017年:97冊、117,410円+税
 2018年:153冊、176,042円+税
 2019年:142冊、150,510円+税

・ライトノベル
 2006年:14冊、9,282円+税
 2007年:12冊、8,740円+税
 2008年:7冊、6,494円+税
 2009年:5冊、4,440円+税
 2010年:6冊、4,564円+税
 2011年:7冊、6,004円+税
 2012年:5冊、4,378円+税
 2013年:5冊、5,150円+税
 2014年:2冊、1,800円+税
 2015年:5冊、6,200円+税
 2016年:4冊、4,700円+税
 2017年:5冊、4,040円+税
 2018年:7冊、4,480円+税
 2019年:3冊、2,180円+税

・その他小説他
 2006年:6冊、8,743円+税
 2007年:7冊、8,253円+税
 2008年:3冊、4,700円+税
 2009年:4冊、6,200円+税
 2010年:4冊、5,000円+税
 2011年:4冊、4,300円+税
 2012年:5冊、6,425円+税
 2013年:3冊、6,000円+税
 2014年:1冊、2,800円+税
 2015年:2冊、2,530円+税
 2016年:3冊、3,000円+税
 2017年:1冊、1,400円+税
 2018年:1冊、570円+税
 2019年:0冊、0円+税

・マンガ
 2006年:23冊、12,855円+税
 2007年: 8冊、5,095円+税
 2008年: 3冊、1,554円+税
 2009年:10冊、5,564円+税
 2010年:81冊、42,076円+税
 2011年:20冊、11,449円+税
 2012年:45冊、26,104円+税
 2013年:49冊、25,414円+税
 2014年:44冊、28,605円+税
 2015年:50冊、29,009円+税
 2016年:82冊、45,059円+税
 2017年:166冊、100,271円+税
 2018年:162冊、97,843円+税
 2019年:106冊、63,933円+税

◆読んだ本(冊数・読破率)
 2006年:84冊、58%
 2007年:101冊、70%
 2008年:69冊、65%
 2009年:76冊、58%
 2010年:106冊、59%
 2011年:74冊、58%
 2012年:81冊、49%
 2013年:96冊、59%
 2014年:97冊、47%
 2015年:96冊、48%
 2016年:167冊、68%
 2017年:246冊、75%
 2018年:380冊、107%
 2019年:275冊、99%
●2020年12月30日 2020年のまとめ 今年はコロナで予定が狂いまくり、時間はできたが仕事は捗らず

今年の1月の予言を思い返そう。
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3月に名古屋、8月に岐阜、9月に北海道に行くであろう。これ以外に3日以上連続して大阪を離れることはないであろう。
春には大阪で外来生物の展示が開かれるであろう。9月か11月には大阪で、自然史関連の大きなイベントが開かれるだろう。
20年ぶりに大阪府のため池で繁殖鳥の様子が明らかになるだろう。
ついでに言えば、博物館の運営体制は相変わらず迷走したまんまであろう。

あと、今年は1年に100冊ちょっとの本を読むだろう。
そして、ネコを飼う。と、予言したいけど、外れそう。
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昨年は驚くほど当たらなかったので、予定調和ではないにして、かなり当たりそうなことだけを予言したはずだった。なのに、今年もまた驚くほど当たらなかった。というか、ほぼ当たらなかった。当たったのは博物館の運営体制に関わる部分だけな気がする。遠征もイベントもすべて中止。やはりネコとも出会えなかった。なにもない一年だった。

今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。地元公園での、秋冬の果実チェックと鳥のセンサス調査、春から初夏のカラスの巣調査も例年通り実施した。
外来生物調査のプロジェクトは終了。でも、ハッカチョウのセンサス調査は継続中。
繁殖期には20年ぶりの大阪府のため池で繁殖する調査を実施する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の真っ只中だったので、実施を断念。来年こそは実施したい。
12月になって、新型コロナウイルスは再び感染拡大しているが、ほぼ一人で実施できるので、大阪湾岸カモメ類調査を実施した。12月中に大部分の調査を完了したので、1月で調査完了は大丈夫そう。再び緊急事態宣言が出ても、こっそり何とかなりそう。

<行事・展示>
新型コロナウイルスのため、3月から7月、12月の行事はすべて中止。明けて1月の行事も11日までの中止が決定。その後も実施できるか怪しい。
大物としては、9月の大阪自然史フェスティバル2020が、中止になったのはいたい。
今年は1〜2月は外来生物展の解説書執筆・編集、そして展示作製に追いまくられて、いよいよ完成そしてオープン。という数日前に、臨時休館が決まった。臨時休館のまま当初の会期の5月末を迎えた。が、夏の特別展が中止になったのえ、急遽会期を変更して6〜8月の会期で開催することができた。今年の2/3は外来生物展に関わっていたことになる。長い特別展だった。

<サークル>
なにわホネホネ団は、3月まで活動していたのだけど、4〜6月と12月は中止。処理できた標本数も激減。
大阪鳥類研究グループは3〜5月と12月が中止。総会が中止になったのと、繁殖期の調査ができなかったのが大きい。
ジュニア自然史クラブも、1月と2月の後は、8月はリモートでZoomミーティング。9月〜11月に実施できただけ。中高生にとっての1年近い休止は大きい。
友の会読書サークルBooksの活動は、4月と12月がZoomミーティングになった以外は、普通に活動できた。しかし、大阪自然史フェスティバルが中止になったので、冊子を作っていない。
博物館友の会は、新型コロナウイルスの感染拡大で、観察会が減少、合宿や懇親会が中止。なにより明けて1月の総会がリモートになったのが痛い。会員更新に影響がでる恐れ大。
関西自然保護機構の運営は、総会や現地見学会が中止になった。という意味では、会誌を発行してただけ。でも、新型コロナウイルスの影響は少なめな印象。

<標本>
冷凍室で担当の物が占めるエリアは、減らせなかったどころか、むしろ空きがなくなった。大きな要因は、3月に某動物園から一気に大量の死体が来たこと。なのに、なにわホネホネ団の活動が、新型コロナウイルスの影響で減少したこと。あと、魚の死体がたくさん溜まっていることもある(ほぼ1テンバコを占めている)。年末の状況としては、燻蒸する植物の箱がたくさん入っていて、見た目は満杯。相変わらず、動物園の鳥と、海で拾われた腐った鳥の処理、哺乳類の皮処理が課題。
いつもの動物園からの大物は来なかったが、前述のように某動物園から一気に3テンバコ分ほどがやってきた。代わりに南の方からアジアゾウの全身骨格をはじめ、骨格標本を中心にトラック一杯の標本がやってきた。海の大物としては、年間に3匹ものハセイルカがやってきた。
新型コロナウイルス感染症のおかげというか、3月〜5月にとても時間ができた。その間に、新旧のトラックヤードにたまっていたものを片付けた。大量のウミガメのホネが出てきた。ついでにホネ砂場の維持管理にも、今までになく時間をかけた。ワルナスビ撲滅まであと少しかもしれない。

<原稿>
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。
瀬戸内海の海鳥のデータで、自然誌研究を書く予定が年内には書けなかった。今年の分は、別の人が取っていってくれたので、慌てなくて良くなったという面もある。
まともな論文は今年も書けなかった。

<その他>
・今年は日本生態学会大会と日本鳥学会大会は中止になった。日本生態学会の申し込んでいた発表は、発表したことにしていいらしいが、実際には発表を作製していない…。同じ発表をもう一度してもいいのかなぁ。
・11月から、なぜか普及担当の仕事がやってきた。行事のとりまとめ、保険の手配、来年度の予定の会議を仕切り、友の会のしおりを手配。そして、自由研究の展示を作製。
・弁当づくりは継続中。
・独りぼっちは継続中だけど、新型コロナウイルスの感染拡大で時間はできてるのだけど、あまり本が読めなかった。意欲の問題っぽい。SFを100冊読むという目標は、微妙になってきた。


●2020年12月29日 2020年末の皮なめし作業

だいたい年末年始の時間のある時、というより部屋を広く占領できる間に、皮を広げて干して、なめし作業をする。というわけで、年の初めのころに処理した皮は、一年近くなめし液に浸かっていたりする。カビにさえ注意したら別に問題ないみたい。ということを実証してきた。
今年の場合は、新型コロナウイルスのおかげで、3月から6月にもけっこう部屋を占領できたんだけど、やはり年末になってようやく皮の仕上げ作業に入った。この1年は、新型コロナウイルスのせいで、なにわホネホネ団の活動がしばしば中止になって、あまり多く処理できなかった。皮処理ができる人を増やそうと、中小型の皮を中心に処理してきたので、大物がぜんぜんないのも今年の特徴。

という訳で、仕事納めの昨日、なめし液から皮を出してきて、洗って、新聞紙の上に広げた。全部で31枚。その内、15枚はテン。キテンはないのだけど、スステンや関西っぽい顔の白いテン、そしてあのダイダイテン。ツシマテンも1枚混じってて、多様な色合いに、見渡すだけで楽しくなる。
その他は、モルモット3枚、イタチ1枚、タヌキ1枚、キツネ1枚、ヌートリア1枚、イノシシ瓜坊1枚、シカ頭1枚、アライグマ1枚、キンカジュー1枚、ハイラックス1枚、マーラ1枚、ベンガルヤマネコ1枚、レッサーパンダ1枚、ハイイロリス1枚。種の多様性も高くて楽しい。

干して1日。小さい皮が多いだけに進行の早い。イタチはすでに頭以外は完了。ヤマネコの足先はすでに乾き過ぎなので、濡らして戻すことに。意外とモルモットが乾いていない。テンは個体差もあるけど、平均的には足先が乾いてきてるだけで、山場は明日だろうか。
今年は平べったくて丸い左岸が大活躍。乾き過ぎないように、足先と尻尾を巻き込んで、重ねて置いてみた。
年内に終わるといいなぁ。
●2020年12月28日 年末恒例仕事収まらず2020

あれから1年。またもや世に言うところの仕事納めの日がやってきた。年内にすべき仕事は、今日の夕方時点ですべてこなされているはずの日である。今年は、新型コロナウイルスのおかげでというのも変だけど。いろいろ例年と違う仕事納めの日。まあ、どうせ仕事は収まらないのだけは同じなのであるが。
今年は、開き直りというよりも、新型コロナウイルスのせいで妙にやる気が薄く、仕事が収まらなくても全然かまいませんよ、って気分ではあるのだけど。とりあえず、2週間近く前に決めた今年の目標が、どの程度クリアされたかは確認したいと思う。恒例だし。ただ、今年は新型コロナウイルスのせいで、講演系と行事系という確実にクリアされる2つが、はなから目標に入っていないので厳しい。その点はお含み置き頂きたい。

調査系:5つの内3つをクリア。残る2つも現在進行中で年内に終了予定。リストに挙げなかったカラスの巣のチェックもできればこなしたい。
標本整理系:1つだけだけど、そもそもこれは年内には終わらないものであった…。
原稿系:2つもあげて、すでに両方クリア!
データ整理系:1つあげたが、すっかり忘れてる…。手を付けるのは年があけてから。
サイト系:2つとも残ってる。少しは進めたい。
雑用系(仕事):2つの内、1つはクリア。もう1つは年が明けるかも。
雑用系(個人):2とも残ってるけど、なんとかなるでしょう。

というわけで、仕事納めに必要な15項目の内、すでに6項目もクリアしてる。達成率40%。例年と比べると達成率が高め。今年中にあと5項目はクリアするので、4項目残して年を越す予感。やる気が薄い割りには達成率の高い年越しが迎えられそう。

【2020年12月31日】
雑用系の残る3つをクリア。調査系の残る2つもクリア。という訳で、予定通り達成率73%。
●2020年12月27日 リモート博物館実習の課題

リモート博物館実習のそれぞれの日の内容と事前の課題が決まったので、実習生にアナウンス。初日以外は丸一日実習する上に、第3日目以外はけっこう時間のかかる事前課題が出てる…。

第1日目:オリエンテーション
5日間のオリエンテーション。館報ベースのパワポで、博物館の活動紹介。 →事前課題:YouTubeの大阪市立自然史博物館チャンネルにアップされている。アングラトーク(収蔵庫で学芸員が担当標本を前に解説する)を視聴して、それについてのコメントを考える。

第2日目:動物研究室担当
朝、進め方の説明と、貝の種類の確認をした上で、各自で作業。解説パネルの下書きを学芸員が確認。ハガキに解説パネル作製。午後に一人ずつ発表・講評 →食用の貝をスーパーなどで買ってきて、ゆでて貝殻標本を作製しておく。

第3日目:植物研究室担当
植物資料の基礎的なレクチャーとやってもらう作業の説明した上で、Dropboxにあげた標本の手書きラベルを読み取って入力。 →事前課題:なし

第4日目:地学系担当
事前に考えてきた特別展の企画を一人ずつ発表・講評。 →事前課題:自然史科学分野の特別展を企画。

第5日目:昆虫研究室担当
事前に作製したファイルをを一人ずつ発表・講評。 →事前課題:野外で昆虫を見つけて撮影。可能な範囲で種を同定して、その解説文を作製。


●2020年12月25日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう6日目

今日は、甲子園駅から出屋敷駅まで歩いただけ。東川河口から甲子園浜に行って、武庫川を昼までにやっつけて、あとはゆっくり尼崎市の海岸部を調査すれば楽勝。と思ったら、想定以上に尼崎市の運河は面倒で。古い地図持って行ってたら、埋め立てられてる部分もあって、30分ほど迷子になったりしつつ。なんとかギリギリで予定の場所の調査を終えられた。7時間半歩いた。最後焦って、お弁当を食べそびれた。
カモメ類は、ユリカモメが甲子園浜に80羽ちょっと、武庫川に40羽ほどいただけなのだけど。武庫川の調査範囲のすぐ上流側に、ユリカモメ中心に約1000羽のカモメ類の群れがいた。大和川河口のカモメ類がこの冬少ないので、これが現在大阪湾岸で一番大きなカモメ類群れかもしれない。


●2020年12月24日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう5日目

今日は、神戸市の生田川河口から西宮市の津門川まで歩いた。駅で言えば、三ノ宮駅から今津駅まで。8時間弱かかった。神戸市の中央区は海岸線をずっと歩けたが、その後は車道を歩いては河口をチェックするを繰り返す感じ。芦屋市から西宮市は再び海岸線が歩けた。調査の終盤、香櫨園浜に入った辺りで、けっこう雨が降ってきた。御前浜の東の端っこに屋根があったので、お弁当を食べた。
西郷川河口にユリカモメが約20羽、香櫨園浜にウミネコ15羽とユリカモメ20羽ちょっといただけ。と思ったら、津門川の下流部にユリカモメが約200羽。


●2020年12月23日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう4日目

前回のシリーズでは、南東端から大阪府側を北上して、3日間かけて堺市まで到達したのだけど。堺市北部と大阪市内は一旦放置して。というか、大阪市内の海岸は埋立地だらけで、一通り歩くって感じにならないので、歩くのは断念。で、今度は北西端の明石海峡大橋から神戸市を東進してみることにした。

とりあえず今日は、明石海峡大橋から歩き始めて、神戸港まで到達。駅で言えば、舞子駅から三ノ宮駅まで。7時間ちょっとで歩けた。明石海峡大橋から須磨港までは、ほぼずっと海岸を歩けた(平磯海岸の海釣り公園が有料で入るのを断念)。そこからは大きな車道沿いを歩いては河口や港をチェックして回る。兵庫運河というのをはじめて見た。一画に人工干潟がつくられてるんやね。苅藻島の海岸を見るべく、高い堤防に上がったら、とても恐かった。調査が終わってから、神戸港にはカップルが多かったので、それを避けて片隅でお弁当を食べた。とても淋しい感じだった。
50羽以上のカモメ類がいたのはアジュール舞子だけ。あとはユリカモメが福田川河口に約30羽、神戸港に13羽いた程度。かつては須磨海岸や須磨港にも群れがいたのに、ずいぶん減ったと思う。

●2020年12月22日 リモート博物館実習の段取り

新型コロナウイルス感染症がさっぱりおさまりそうにないので、やむを得ず1月前半に予定している博物館実習は、リモートで行うことになった。初めてのリモート博物館実習。決定以前から、どのように進めるかそれぞれの学芸員に考えてもらっていて、それなりになんとかなりそうという手応えはあるものの、やはり色々心配のタネはつきない。

とりあえず既に、大学と実習生にいくつか意思確認をしてある。
・リモートでも博物館実習の受講を希望するか? Zoom使って大丈夫か? →全員受講を希望。Zoom OK。
・学生個人とのやり取りが必要になるが、学生のメルアドは教えてもらえるか? →OK。
・学生には事前課題を出すが、課題に必要なものを送付してもいいか?その場合学生の住所を教えてもらえるか? →送付はOK。1名だけ住所開示は微妙(大学経由?)。
・事前課題を与えたら、それにかかる時間を実習時間に算入して、実習当日は半日程度で大丈夫か? →基本OK。課題+実習本番で30〜45時間を確保している形にして欲しい、との意見あり。

と大筋でリモート博物館実習の了解は得られている。
通常、うちの博物館実習は、午前9時半から午後4時まで(実習ノートを書くところまで)を5日間(博物館をウロウロしている昼休みも時間に数えて良いだろう)。6時間半×5日の合計32時間半。当日、2時間半程度のやり取りをするとしたら、4時間程度かかる課題を出しておけば、授業時間としては充分。
課題は、郵送は避けて、PDFファイルの添付で指令を出すのが原則。大きなファイルの受け渡しが必要な場合は、Dropboxなどを活用。
実習ノートのやり取りをどうするかは、大学側と要相談。
実習生には、実習の資料として、出版物などを渡したりしている。これには、さすがに送付先が必要。実習のオリエンテーションの時に説明して、下宿なり実家なりの住所を個別に知らせてもらう事に。
いつもは、館報をコピーした実習資料を配布して、それを見ながらオリエンテーションしているが、今回は仕方が無いので、パワポを作製。面倒。希望者には館報をダウンロードできるように。
館内の見学ツアーは、ライブでやるのは現状ではちょっと無理。かといって、動画の作成はあまりに面倒、というか時間的に厳しい。ってことで、諦め。

【追記】
実習ノートのやり取りは、大学によってさまざまだった。大学から送ってくるor学生が触接送ってくる。及び、紙媒体で送ってくるorメール添付で送ってくる。実習が終わってからのやり取りが、1プロセス増えるのが少し面倒。


●2020年12月21日 この冬のカモの違和感

近所のため池を自転車でめぐって水鳥調査。今年はなんか違和感があるけど、その原因がよく判らない。変な気がしたのは、先月の調査時から。つぶやきを並べてみよう。

11月24日:オオバン16ヶ所、ミコアイサ1ヶ所、カンムリカイツブリ2ヶ所。冬鳥がほぼ揃った感じ。でも、普段いないオナガガモが4ヶ所にいて、なんか変。まだエサをもらってるカイツブリのヒナが1羽。大津池では巣に乗って鳴いてるカワウ。

12月21日:ミコアイサ5池、カンカイ2池、オオバン17池、ヨシガモとアカハジロが1池ずつ。例年並みな感じ。

違和感の元の大きな要素は、オナガガモが多めってこと。先月も今月もオナガガモが4ヶ所にいる。例年1ヶ所しかいないのに。あと、例年はあまりカモを見かけない池にカモの群れが入っていたり、例年は見られないハシビロガモの群れがいたり。そうしたところが違和感の元だと思う。
種毎の個体数の年変動はあるもんだけど、生息環境の選好性が年によって変わるのは、普通は起きない。あるいは特定の池にくるカモ類相が一年で大きく変わるということはあまり起きない。それが起きたような気がするし、1ヶ所だけでなく複数箇所で同時に起きてる気がする。どうしてだろう? どっかのカモが来る池がなくなったりした?

●2020年12月20日 バードリサーチ鳥類学大会2020 Online 2日目

今日は、展示室に面したカウンター当番。という訳で、カウンターでネットに接続して大会に参加。来館者は少ないし、いたら展示室はけっこう音がするので、ラップトップから普通にスピーカーで音を出していても、あまり気にならない。でも一応、ヘッドホンを付けたりもしてみた。普通の状態ではどっちでもいいのだけど、質問などの対応をする時は、とっさに音量が絞れないので、ヘッドホンの方が良さそう。
リアルでは、ポスター発表は発表者とのやり取りこそが肝。でも、スライドショーを見ても、その解説はしてもらえないし、発表者が待機してくれてるかも判らないので、質問しにくい。ポスター発表の代替にはならないなぁ。

●2020年12月19日 バードリサーチ鳥類学大会2020 Online 1日目

今年度は、日本鳥学会大会が中止になってしまった。その代わりってことでもあるかもしれないけど、バードリサーチさんが頑張ってくださってる。ってことで、今日と明日はバードリサーチ鳥類学大会。例年は東京でリアルで開催だっけ? このせわしない時期に東京に行くのは無理だけど、オンラインなら参加できる。本来なら、今日と明日はなにわホネホネ団の活動日だったので、ホネホネしながら聞くかなぁ。と思っていたが、幸か不幸か大阪府に外出自粛要請がでて、館内行事はすべて中止。おかげかなんか知らないけれど、大会に専念することができる。
まあ、実際は専念しないんだけど。リモートだから研究室でもカウンターでも参加出来る。そこは便利だなぁ。でも、どうしても内職をしてしまいがちで、電話や来館者で呼び出されたりもする。
なんとなくZoomに集合っぽかったんだけど、挨拶以外は、Zoomではな口頭発表はYouTubeライブを、ポスター発表はスライドショーを自由に見に行く感じで、それを理解できずZoomでなぜか待ってる人々。がいるなあぁ、とながめてたり。うっかり懇親会に参加してしまったけど、ランダムにグループに分けられて、親睦を深めさせられるのは面倒だった。もう二度とリモート懇親会には参加しない。


●2020年12月18日 鳥のいない大和川

大和川沿いを自転車で走って水鳥調査。なのだけど、驚くほど鳥がいない。とくにJR阪和線より上流にいない。ほぼ自転車で走ってただけ。こんなに少ないのは珍しいはずなのだけど、そこんところをデータで示してみよう。ってことで、昨年12月の数字と比べてみよう。

        2019年12月26日   2020年12月18日
<新明治橋〜JR阪和線>
オカヨシガモ    2羽          0羽
マガモ       2羽          0羽
カルガモ      3羽          0羽
カワウ       5羽          0羽
アオサギ      6羽          2羽
ダイサギ      4羽          0羽
オオバン      8羽          1羽

<JR阪和線〜河口>
オカヨシガモ    43羽         27羽
ヒドリガモ     65羽         103羽
マガモ       78羽         69羽
カルガモ      15羽          0羽
コガモ       73羽         120羽
ホシハジロ     43羽         7羽
キンクロハジロ   0羽          12羽
カンムリカイツブリ 125羽         2羽
カワウ       5羽          8羽
アオサギ      4羽          3羽
コサギ       2羽          2羽
オオバン      43羽          10羽
ユリカモメ     526羽         72羽
カモメ       16羽          1羽
ウミネコ      1羽          0羽
セグロカモメ    127羽         41羽

JR阪和線より上流は、昨年も多くないんだけど、今年はさらに水鳥全般が少ない感じ。というか、ほとんどいない。
一方、JR阪和線より下流では、カワウ・サギ類に変化なく、カモ類も種によって増減はあるものの大きな変化というほどではなさそう。オオバンも今年は少ないと言えるか微妙。カンムリカイツブリは昨年の調査日にたまたま大きな群れが入ってたってだけだと思う。カモメ類は全体にはっきり減ってると思う。この時期にこんなに少ないのは初めてかもしれない。なにかの終わりでなければいいけど。

●2020年12月17日 今年から年末恒例の展示室チェック

昨年までは、虫の活動が活発になってくる6月初めに展示室の虫チェックを行っていた。でも、虫の活動が一通り終わった後の方が、痕跡が見つかりやすく対策がとりやすい。そして、年末は比較的時間があるので、対策する時間もとりやすい。ということになって、今年から12月に展示室のチェックをすることになった。6月にやってた時はムシの日と称して、6月4日周辺に設定していたのだけど、12月はどう考えればいいのだろう?
虫のチェックをすると同時に、埃を確認し、電球の球切れを確認し。というより、むしろこっちが中心で、年末に掃除して、球替えをすることになる。
新人にとっては数少ない先輩と展示を見てまわる機会でもある。てゆうか、先輩もさほど真面目に展示を見てきてる訳ではないので、毎回何かしら発見があったりする。その発見は展示のミスだったりもする。今日の目玉は、いまだにチョコスロバキアや西ドイツといった過去の国名が残っているのを見つけたこと。
個人的には、コロコロ変わる両生爬虫類の学名が修正できていないのみならず。小型サンショウウオにいたっては、和名まで変わってしまったし、種も分割されたりした。そういえば、大阪府で記録されてる哺乳類のリストにも追加があるなぁ。追加・修正しなくては。
あと、外来生物年表とか、本だな問題とか。展示のプチ更新の打合せの機会でもあったりする。
●2020年12月16日 今年の目標

今日で、勝負の3週間とやらが終わり、今年も一段落。かどうかは知らんけど、今年も残り半月になったので、今年の目標を立ててみた。

ただ、今年は大阪府に赤信号という名の緊急事態宣言みたいなのが出ていて、外出自粛要請も今日から2週間延長。ということで、例年と大きく違うのは、
【行事系】すでに終わった。赤信号の影響を一番強く受ける。普通はなにわホネホネ団の活動がいっぱい入るのだけど、すべて中止。
【講演系】頼まれていたのは、赤信号でキャンセルになった。
という訳で、その他について目標を。

【調査系】ハッカチョウセンサス以外、全部残ってる。
・大阪湾岸カモメ類分布調査:といいつつ水鳥の個体数カウント。堺以南の大阪府はほぼ終わり、淡路島は来月行く予定なので、今月中にできれば神戸市〜尼崎市をやっつけたい。
・ため池
・大和川
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】なにわホネホネ団の活動がストップしてるのでチマチマするのみ。
・なめし液に入ってるのを乾かす。小型のしかないので割と楽。
・外で水に浸かってるホネを洗う。
・冷凍室を少しでも空けるべく、鳥の仮剥製作りをしようか。
【原稿執筆関係】
・堺市RDBの原稿(何を書くんだっけ?締め切りは12月のいつかなぁ)
・某野鳥の会大阪支部の連載(12月24日締め切り!)
【データ整理系】今月中に完了する必要は無くなったけど、できれば手を付けたい。
・大阪湾、播磨灘、瀬戸内海の水鳥調査のデータ整理。
【HP系】
・日記の完成(6月、7月、9月に書き切れてないのがある)
・読んだ本の紹介文(今年の書けてないのをなんとかする)
【雑用系】
・いろいろ本の在庫調べ
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備

新型コロナウイルスのおかげというと語弊があるけど、いろいろなノルマが飛んだのは事実。そのため、割と余裕がある。原稿もさほど大変じゃないし、調査と標本整理を軸に進めて良さそう。
●2020年12月14日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう3日目

貝塚市の津田川河口から堺市の石津川河口まで歩いた。駅で言えば蛸薬師駅から諏訪ノ森駅まで。7時間ほどかかった。ずーっと工場が建ち並ぶ埋立地なので、道路沿いを歩いては、河口や港、貯木場をチェックする。今日は海が見えない道を歩いてる時間が長かった。岸和田の海岸部がどうなってるか、微妙に判ってなかったのだけど、ようやく理解できた。調査はまだあったけど、座りやすかったので浜寺水路を見ながら、つまり浜寺公園の端っこでお弁当を食べた。ゴールと思ったら、諏訪森駅がいつもの場所になくて戸惑った。
50羽以上のカモメ類がいたのは、岸和田貯木場と浜寺水路のみ。大部分ユリカモメで、セグロカモメがパラパラ混じり、ウミネコとオオセグロカモメはわずか。岸和田貯木場にはカワウに混じって、ウミウ数羽がいて驚いた。

●2020年12月13日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう2日目

今日も海岸に沿って歩いた。阪南市の茶屋川河口から貝塚市の二色浜まで。駅で言えば箱作駅から二色浜駅まで。8時間弱かかった。阪南市の海岸をずーっと歩けるのは知ってたけど、泉南市もずーっと歩けるとは知らなかったし、泉佐野市も佐野漁港まで歩けたのには驚いた。佐野漁港から先は、埋立地に工場が建ち並び、大型車が走り回る道路沿いを歩いている時間が長くなる。楽しくない。昨日よりたくさん歩いたけど、昨日ほどは疲れていない。慣れとは恐ろしい。調査が終わってから近木川の岸に座って、こそこそっと弁当を食べた。
100羽以上のカモメ類がいたのは、貝掛と尾崎の海岸と、岡田浦漁港。ユリカモメが多く、ウミネコとセグロカモメがそこそこいて、オオセグロカモメが少し混じる。男里川にズグロカモメはいなかった。今日はさすがにウミウはでないなぁ。と思ってたら、尾崎漁港の南にヒメウが4羽も! これも毎月阪南市の海岸を歩いていた頃には一度もなかった。やはり変わってきてるみたい。予定通り、田尻港のハッカチョウの群れがいた。

●2020年12月12日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう1日目

今回の大阪湾岸カモメ調査では、
・できれば全調査地を見てまわる。
・カモメ類以外の水鳥もすべてカウントする。できればセキレイ類やイソヒヨドリやハッカチョウやミサゴとトビも数える。
という方針を密かに個人的に打ち出している。
そして
・できるだけ湾岸を歩いて回る。
というのをやってみたい。

という訳で、今日は第1弾として和歌山市加太から岬町のせんなん里海公園まで歩いた。駅で言えば、加太駅から淡輪駅まで。約6時間かかった。大川峠と、多奈川小島と谷川港の間で海岸をはずれた以外は、海岸沿いを歩いた。深日港から長崎海岸経由で、淡輪までずっと海岸を歩いたのは初めて。ゴールのせんなん里海公園に座ってお弁当を食べた。
久しぶりなので、全部の調査地点の撮影をしておくのを最初忘れていて、なぜか落合川+谷川港で思い出して、そこ以降は撮影して回った。
カモメ類の群れは少なく規模も小さい。10羽以上のカモメ類がいたのは、小島港、深日漁港、淡輪港のみ。ウミネコとセグロカモメ中心で、オオセグロカモメが少し。面白かったのはウ類。和歌山県側では、カワウしかいなかったんだけど、とっとパーク小島のところにウミウが1羽浮かんでいて盛り上がった。が、深日漁港の堤防に並んでいるウ類を最初カワウとして遠目にカウントしつつ、違和感。念のため近付いて見たらほぼすべてがウミウだった。驚いた。そしたら淡輪漁港にもウミウがいて驚いた。岬町にはカワウよりもウミウが多いという結果。今まではこんなんじゃなかったはず。ウミウに異変?それとも識別力が上がってしまった? でも深日漁港では、ヒメウも1羽。これも今までなかったから、やはり何かが変わったんじゃないかと思う。


●2020年12月11日 ミュージアムのネット企画の可能性

この新型コロナウイルスのせいで、博物館業界は、臨時休館であったり、行事が実施できなかったり、ご多分に漏れずいろいろ不自由な状況にある。そんな中で、ネット企画を展開してみよう。ってのが、たぶん「おうちミュージアム」って動きなんだろう。カタカナでミュージアムと表記するのがふさわしいメンバーが集まってる気がした。
ネット企画のメリットやさらなる可能性はさておき。全国から参加できるネット企画は、企画内容の良し悪しが、全国区で評価されることになる。ローカルならOKな内容でも、全国区でさらに高い内容が提供されたら、ダメ出しされそう。とても評価がシビアになる。ってことを指摘するひとはいないなぁ。
シビアな評価という意味では、ネット企画は全国区で耐えうるコンテンツを持ってるところに任せて、ローカルに対面で頑張るというチョイスもありそうな。
ヴァーチャル特別展とかヴァーチャル展示室と言ってる人がいたけど、それなら全国区でのニーズがある個々の展示物のデジタルデータの提供だけでもいいんじゃなかろうか。改めて、その条件での特別展を組む意義をよく考えた方が良さそうな。そして、ここでも全国区でのシビアな評価に耐えられるかって話かと。

あと印象的だったのは、なんかネットワークがつくれたこと。とくにミュージアム関係者同士のネットワークができたことを歓迎する発言があちこちであった。そんなにネットワークなかったのかなぁ。そんなにつながりを求めていたのかなぁ。あまり大きな博物館の人はいなかった気がするから、「小さいとこサミット」的なニーズの受け皿になったのかもしれない。
分野を超えた連携を語った人に対して、賛同の意見が多かったけど、異種の博物館の連携を無理矢理求められてきた経験からすると、そんなにめざましい展開があるか疑問。そんなんがあったら、既に行われてるんじゃ?

でも、新型コロナウイルスがなくてもネット企画の意義は大きい。何より距離の制限が外れるのが重要。もしかしたら、それがすべてかもって思う。それがコミュニケーションのとりやすさにつながり、新たなネットワークができてきたんだろう。
それにしても、「おうちミュージアム」のZoomミーティングにうっかり参加してしまったのは、迂闊であった。4人とか3人とか6人に勝手に分けられて、テーマにそった意見交流をしろってタイムが3回もあった。Zoom懇親会ってのがこんなんらしい。経験した中から言えば、研修でのグループトークと同じ。知らん相手といきなりトークせよと言われても、人見知りなので全然無理。最悪だった。
●2020年12月10日 自由研究の展示設営

オープンが週末に迫ってきたので、ようやく重い腰をあげた。2時間+1時間作業して、ほぼ形になってきた。仕上げは明日。
今回は、大人の事情、というほどではないけど別の展示に使っていた展示ケースを戻せないので、できるだけたくさん使え、という指令がでていた。だもんで、例年だとケース内に実物を閉じて置いて、そのコピーを見れるようにケースの外に配置。というパターンが多いのだけど、できるだけ実物をケース内に広げて読めるようにする。というパターンを多用した。
さいわいバラしてそのまま展示ケースないに配置できる片面の自由研究が5名、と多かったので助かった。
標本+説明をケース内に配置が2名。壁新聞+標本パターンが1名。
二人だけ全面的に広げるにはヴォリュームが大きいので、可能な範囲で展示ケース内に展開して、あとはコピーを見てもらうパターンになった。
●2020年12月9日 第3回大阪湾岸のカモメ類分布調査 企画

最初に調査したのは2000年度、次が2011年度。あれから10年ということであれば、2021年度でもいいはずだけど、来年の冬は特別展の主担当が当たっているので、とても忙しい。そんな余裕はない。だもんで、2020年度に第3回を実施する。新型コロナウイルス感染症があるので、大勢を巻き込んでの調査ははばかれる。だもんで、主に一人でやるつもり。そもそも2011年度も、大部分は一人で調査したし。あれ?どうだったっけ?という訳で、今日は企画自体を思い出すべく、過去の調査結果を見直してみた。
2001年度の調査参加者は、18人。2010年度も18名。過去はそれなりにちゃんとみんなを巻き込んでるなぁ。前回の調査地は106ヶ所で、前々回は92ヶ所と調査地点数が違うんだけど、カモメ類の総個体数は11755羽→5586羽と激減。種別に見ると、ユリカモメは8714羽→3629羽、カモメは617羽→227羽、オオセグロカモメ成鳥339羽→86羽と、激減した。一方、ウミネコは1020羽→927羽、セグロカモメ成鳥は647羽→550羽とさほど減っていない。今回はさらに減ってる予感しかない。
●2020年12月8日 再来年の話

再来年の3月までの行事の予定が決まった。毎年思うけど、変な感じ。もし、再来年3月までになんかあったりしたら、予定はどうなるんだろう。思い起こせば(というかまだ途中だけど)2020年度は、4月〜7月、及び12月は行事は全滅。どうも年が明けて1月も厳しそう。2月もどうかなぁ。でも、とにかく2021年度の計画を立てなくてはならない。新型コロナウイルスがどうなるかは、さっぱり読めないので、またまた中止の嵐かもしれないけど、予測できないので新型コロナウイルスはないものとして、計画は立ててしまった。たとえワクチン接種が進んだとしてもそれで終わるとは思えない。ってゆうか、ワクチン接種はそう簡単に進まないだろうから、次の冬も厳しそう。ってことを考えると、今日計画した行事がどこまで実施できるか心配。
●2020年12月7日 久しぶりの昆陽池

この冬は、というか12月と1月で大阪湾岸のカモメ類分布調査を実施する。新型コロナウイルスが感染拡大している昨今ではあるが、10年に一度の大切な調査なので、決行を決意した。本来なら、大阪鳥類研究グループのメンバーで分担するのだけど、できるだけ自分で調査して、あとは家の近所だけをメンバーには見てもらう形を考えている。で、この調査は内陸のユリカモメの群れ情報も集める。ユリカモメはカモメ類としては内陸に入りがちな鳥で、内陸の個体数もある程度把握したいから。で、ユリカモメの群れが入る池といって、阪神間でまず思いつく池が伊丹市の昆陽池。
昨日は、昆陽池にいった。大阪鳥類研究グループの観察会の予定だったが、大阪府に赤信号が出たので断念。でも、チェックは必要なので、個人的に行った形。久しぶりの昆陽池は、あまりの変わりようにショックを隠せない感じ。昔の面影しかない。と、この10年ほどは行くたびに、同じ感想を抱いているかも。 とにかく鳥がいない。もちろんユリカモメもいない。カモもいない。まあカモはいることはいるけど、エサ場の周辺に集まっている個体数は往年の1/3以下。そういえばコブハクチョウもいないなぁ、と思ってたら鳥小屋に入れられていた。こちらは鳥インフルエンザ医対策らしい。それならヌートリアもいないけど、こっちは駆除されきったのかな?
ユリカモメが1羽もいないことにショックを受けていたら、1羽飛んで来た。今回の調査の記録は、昆陽池は1羽。
●2020年12月5日 オンラインで植物園案内 Twitterヴァージョン

今日は、長居植物園案内鳥スペシャルと題して、年に一度、植物と鳥の関係を観察して考えるという企画の日。だったのだけど、赤信号が点灯したので、急遽中止。一日空けていたのに時間ができた。本来なら午前は下見をして、午後に観察会。どうせなので、午前に下見と同じように一回りして(ついでに果実チェックをして)、本当ならどんなトピックを話すことになっていたかを確認することにした。
せっかくなので、Twitterでつぶやきながら歩こう。そしたら午後に勝手に植物園にきて、一人で鳥スペシャルを体験することもできる。そんな人はいないだろうけど。

最初は:概況
この植物園では、偶数年度は果実が不作より。という訳で、今年はどっちかと言えば不作なんだけど、今年はあまり傾向がはっきりせず。クスノキ果実が少し少な目な程度。センダンはむしろ豊作、個体ごとバラけるクロガネモチは個体毎にいろいろ。一方、果実食鳥は、シロハラやツグミは来てるけど、さほご多くない。ヒヨドリはやかましいほどになる予定なんだけど、予定ほどうるさくない。

トピック1;トキワガマズミ
草地屋にトキワガマズミという地中海原産の低木を教えてもらった。青光した果実を付けてる。なのに花も咲いてて、つぼみもある。タネはガマズミ類のように平べったくなく、丸い。変なの。果肉少なく、硬い果実だけど、最後には鳥に喰われそう。タネ見て同定できるかな?

トピック2:クスノキ
クスノキは3年前には、クスベニヒラタカメで葉っぱが赤くなって、豊作年の予定がろくに実らず、どうなることかと思ったけど。その後は被害は穏やかになり、枯れずに元気。今年は、下に果実が落ち始め、鳥は喰いにきてるようだけど、枝落としがまだあまりない。カラスはまだ他の物を食べてる?

トピック3:ナンキンハゼ
この植物園のナンキンハゼの実は、他と比べると例年、異様に早く減っていき、11月半ばには無くなってるのが普通。超ナンキンハゼ好きのカラスがいるのかと思ってた。が、今年はなぜか12月になったのに、まだ実が残ってる。そのせいか、カワラヒワがよくやって来ていて、白い部分を食べている。

トピック4:冬に咲く花 シコンノボタン
寒い季節に咲く花の送粉者は、ハエ等の双翅類か鳥が相場。今植物園で咲いてるので言えば、ヤツデはハエで、サザンカやユーカリは鳥。鳥が送粉する花は蜜を出し、花弁が大きいイメージ。濃い紫の大きな花弁をもったシコンノボタンというのが咲いてるんだけど、鳥が来てない。甘くもない。送粉者は鳥じゃないのかな?

例年トピック4つほどで、足りてた気がするけど、どうかなぁ。
●2020年12月4日 12月のオンライン集会への参加予定

リアルな講演会に参加するには、時間も交通費も、もしかしたら宿代までかかるので、遠方はなかなか参加できない。近場でも、出かけるとなれば一日仕事。それがリモートだと、距離は関係なくなり、館内での仕事の合間に参加できたりするから、その点ではとても便利。
一方で、ながらでの参加になりがちで、実際はきちんと話を聞いていなかったり。真面目に聞こうとしても、他の仕事がやってきて断続的になるというデメリットが…。
12月にはいろいろなのがあるようだけど、とりあえず2つに申し込んでみた。

・12月11日 19時〜21時 おうちミュージアム交流会ゼロ次会
・12月19〜20日 一日中かな? バードリサーチ鳥類学大会2020 Online

平日夜2時間だけなら、参加しやすい。土日の一日中は、申し込んだはいいけど、実際にはほとんど参加できない。両日ともホネホネ団の活動日だし。でも、活動しながら、視聴するのは可能かも。展開次第では、ホネホネ団の活動がなくなるかもだしなぁ。
●2020年12月3日 大阪に赤信号点灯

昼過ぎから、ネットではその話題が拡散しまくっていた。最初に報道してたのは、お友達のテレビ番組だろうか。夕方から会議があって、そこで決定。といっても、すでに方針は決まってる様子。気になるのは、なにの自粛要請がいつからいつまで出るか。
午後7時過ぎに決定したと流れた。なんと12月15日までの外出自粛要請だった。

博物館は展示も行事も決して不要不急ではないのだけど、府県境を越える移動の自粛要請が出たら、博物館の行事は全面中止。ってことは先月の会議で決めていた。そもそも府県境を越える移動自粛の後から、外出自粛が要請されるとの想定だった。でも、いきなりの外出自粛要請。まあ、府県境を越える移動自粛要請も含まれているんだろう。との判断で、12月15日までの博物館の行事は全面中止となった。あわせて館内でのサークル活動も中止。ちなみに博物館が臨時休館になるかどうかは、館内では決められないので、とりあえず他人任せ。
昼過ぎから想定されていた事態なので、さっそく関係する行事や活動の中止を手配。とりあえず12日の鳥の皮剥き活動は中止。標本作りがとどこおる〜。13日の化石探しを中止に。楽しみにしていた中高生のみなさん申し訳ない。来週、北海道からホネの計測に来る予定だった学生さんにキャンセルの連絡(こういう事態になったら中止だということは、あらかじめ言ってあった)。問題は、5日の植物園での行事。申込み制じゃないから、中止の案内をウェブページにあげて、それでも来た人に断りのアナウンスかなぁ?

で、16日以降も自粛要請が継続するかどうかは、いつ決まるんだろう? 2週間弱では効果が出てくるとは思えないけど。16日に講演会を依頼されてるんだけど、できるのかなぁ? 高齢者多めっぽいけど…。
●2020年12月2日 カワウのねぐら調査の正しいタイミング

某所のカワウのねぐら調査に参加するようになって、もう10年以上になると思う。とある広域な連合からの発注を、某BRから下請けた支部の手伝い。当初から調査は年3回で、3月、7月、12月。なんとなく、繁殖期直前、直後、非繁殖期、ってイメージなんだと思う。
その設定は、カワウの繁殖期が、4月から7月頃までってイメージなら正しいと思う。規模の小さいカワウの繁殖地だとおおむねそんな感じだし。でも、いまや大阪府の大規模なカワウコロニーでは、早ければ11月から繁殖は始まり、8月上旬まで続く。3月は、繁殖期真っ只中、7月はおおむね繁殖期末期か直後だけど、12月はすでに繁殖期に突入している繁殖コロニーも少なくない。
という具合に繁殖が行われている時期だと、集団ねぐらに集まるカワウ個体数が少なめになってしまう。エリアに棲息するカワウ総数の把握のための調査だと思うのだけど、これってけっこう問題だと思う。せめて、9月か10月の調査があれば、繁殖してるカワウはいないので、総数に意味がある。むしろ年に1回、9月か10月に調査するだけでもいい。
ってことは誰に言えばいいんだろう。なんせ孫請けの手伝いだからなぁ。

ちなみに2002年から2005年に大阪府の全カワウねぐらのモニタリング調査をしてた時は、4月〜6月を繁殖期、10月〜12月を非繁殖期にしてた。これも今実施するなら、3月〜5月を繁殖期、8月後半〜11月前半を非繁殖期とすべきだな。繁殖期がこんなに変わるとは面白い鳥。
●2020年11月30日 2020年11月のまとめ やっとこさで全国鳥類繁殖分布調査にデータ提供完了

10月に重い腰をあげて、データ提供をはじめたはいいけど、想定以上に面倒で、時間がかかった。1日3時間ほどをひねりだして、7種ずつ程度しか進まない。10回かかって、ようやく終了。11月いっぱいかかった。と思ったら、アイガモを忘れてたけど、まあいいかなぁ。
そんな2020年11月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。10月に開始した地元公園での鳥のセンサスと果実チェックは、中旬にサボってしまったが、下旬に復活。
ハッカチョウセンサスは、新シーズンに。奈良県1コースと京都府2コースを実施。京都府のコースの片方は、6月からの継続だけど、あとは新コース。下見を兼ねて歩いたけど、このコースで問題なさそう。

ホネホネ団は、通常の活動日1日、鳥の日3日(急遽2日追加した)、カリカリ団5日、さらに臨時にヒツジの日も実施。
砂場は、トリ先生に手伝ってもらって、昨年セットしたマゴンドウの残りを回収。とりあえず水に付けた。ブルーシートの下にあったので、昼までもたくさんのゴキブリが出てきて恐かった。ついでに春までにセットした骨を一通り回収して、水漬けに。
箱詰めされたホネとかウミガメとかに、鳥の仮剥製も加わって、冷凍室の空き待ちの待機は続く。

普及行事は、ジュニア自然史クラブは予定通り実施。骨標本作りの大人向け実習は、新型コロナウイルスの感染拡大で中止かと思ったが、なんとか実施できた。
展示関係は、12月12日からの自由研究の展示の受付を開始して、締め切った。

講演は、リモートの自然史オープンセミナーの1本。あと、これまたリモートで、フェスティバル代替のシンポジウム。進行のついでに、少し状況説明もした。
委員会関係は、なし。夢洲関係のリモートの会議のような打合せのようなのがあった。
査読はなし。論文書きは進まない。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系1冊と、SF6冊。
完全休養日は2日。ガン検診で要精密検査になったのをやってない。免許証の更新は予約はした。
●2020年11月29日 ホロホロチョウ頭のホネ標本作製実習

3年前はダチョウ頭、2年前は台風で中止になったけど、昨年はエミュー頭。ニワトリ以外の鳥の頭楽しいなぁ。ってことで、国内で食用に養殖されている鳥を探して、今年はホロホロチョウ頭。頭のてっぺんに角があって、骨も入っていて、小さいヒクイドリみたいで格好いい。

前日の準備は、ダチョウやエミューに比べるととても簡単。鼻水や血を洗う必要がなくて、最初から綺麗なもん。取り除いた肉を食用にするのを断念したので、バットや道具を煮沸消毒する必要もなし。毎回これならいいなぁ。
手順もタイムスケジュールは、なんとなくダチョウやエミューと同じにしたけど、小さい分、短くて済んだ。
新型コロナウイルスが感染拡大している中、実施するかどうかを悩んだけど、外出自粛も往来自粛も要請されなかったので、実施することに。ただ、兵庫県と奈良県は大阪への往来自粛と言い出したので、そのことを直前に参加者に注意喚起した。喚起といえば、換気が大切なので、窓とドアは全開にするから、厚着してくるようにというアナウンスも。
スタッフ込みで24名定員なので、当選は21名。でも、自粛要請などを受けて、5名がキャンセル。ドタキャンが1名で、参加者は15名だけ。5つのテーブルに3人ずつ。密集しなくて済むし、なにより指導がらくちん。

そして実習当日。いつも通りの前説に加えて、新型コロナウイルス感染症対策の注意喚起してから作業に入った。午前中は余裕で予定通り。午後はむしろ予定より速いペースで行事が進んだ。作業が一番遅い人(5人ほど)に合わせてのペースですら、スケジュールは前倒し。作業が早い人は、待ち時間がけっこうあった様子。涙骨や方形骨が取れにくく、小さいという点が、ペースアップの理由のよう。ニワトリ以上に初心者向きの頭だった。手間取っていたのは、舌骨を切らずに皮剥きする点と、視神経を切っての目玉の取り出し、脳ブラシ作業。
午後の前半は、30分前倒しで、過酸化水素水へ。1時間ほど休憩の間。希望者14名を引き連れて、ホネのバックヤードツアー。トラックヤードのゾウの胴体を見せて、旧トラックヤードで、水漬けから回収したトラ骨、砂場から回収して水漬けしてるマゴンドウ頭骨を見せる。砂場に行って、ブルーシートの下のゴキブリ話をしてから、カゴにセットしてるシマウマと羊を見せる。寒いので、あまり虫はいなかった。
過酸化水素水からあげて、さらに肉取り。台に固定して、持って帰ってからの扱いを説明して終了。終了時刻は予定より30分早かった。
終了後も処理を続けてもいいよと言ったが、みんな帰った。最後に友の会やホネホネ団のアナウンスをしたら、何人かは興味をもってくれたもよう。

52個買って、20個使った。参加出来なかった人が2個欲しいと言ったので、残りは30個。来年もホロホロチョウ頭で実施することになった。
●2020年11月28日 来年度の行事計画

鬼が笑いまくるけど、毎年、12月初めに、次年度の行事を決める会議がある。で、それに向けて、11月の終わり頃から、自分の担当行事の計画を考え始める。とりあえず作ってみた。
まず毎月入るルーティンな行事とサークル活動。ジュニア自然史クラブ月1回、なにわホネホネ団月2回、大阪鳥類研究グループ月1回。
確実に関係する大型イベントが、フェスティバル2日、標本同定会、友の会総会、はくぶつかん探検隊2日、友の会バックヤードツアー2日、子どもまつり2日、活動報告会、地域自然史と保全研究大会。もしかしたら関係するかもしれないから日程を空けておいた方がいいのが、ジオカーニバル2日、友の会会祭り、ナイトミュージアム、合宿2回。
毎年恒例となってる行事が、植物園案内動物編が年間8回、鳥の囀り観察会、ツバメのねぐら観察会。この3つにはフィールドセミナーが付いてくる。鳥の調査の実習3日。ホネ作り実習2回、カエル観察会、植物園案内鳥スペシャル。
他に、日本鳥学会と日本生態学会の大会にも参加したいけど、来年はどちらもリモートかな?
これ全部を確保すると、学会入れなくても95日。ほぼほぼ土日祝がうまってしまった。毎年のことだけど。この他に地域自然史シリーズにもできれば参加したい。オープンセミナーも1〜2回は担当したい気が。あと友の会月例ハイクも1回は担当しなくては。これで100日。祝日分しか空いてないような…。そして、少しでも余裕があれば、なにわホネホネ団の活動日を増やして、冷凍室を少しでも開けねばというプレッシャーが。

今年は、新型コロナウイルスのおかげで、3月から7月の行事が全滅して、その後も大型行事がなくなって、ずいぶん週末をのんびり過ごせた。とまあ怠惰に馴れたので、来年度、このハードなスケジュールに絶えられるか少し心配。
●2020年11月27日 全国鳥類繁殖分布調査への情報提供 その10:補足

その9までの情報に基づいて改訂した大阪府の分布図を送って下さったので、それを見ながら、補足的に情報提供。アップしたつもりが失敗したらしいのもあるし、見逃してるのもあった。ついでに分布図を見ての疑問点を指摘した。

疑問点として指摘したのは、
・明らかにそのメッシュに繁殖に適した環境がないのに、Cランク以上になってる。該当するメッシュがあるのは、アオバト、ホトトギス、ヨタカ、サンコウチョウ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、ルリビタキ、キビタキ。おそらく渡り個体を囀りで記録したパターン。とくにメボソムシクイとルリビタキは、大阪府でそもそも繁殖する可能性はほぼない。逆にキビタキはどんどん平野部に進出してるので、微妙ではある。
・逆に、たぶん囀りで確認してるから、Bランクにすべき。該当するメッシュがあるのは、ホトトギス、セッカ、コジュケイ、ソウシチョウ。
・そのメッシュで繁殖してる可能性があるから、Bランク以上にすべき。該当するメッシュがあるのは、チョウゲンボウ、ハヤブサ。チョウゲンボウはもはや大阪平野のどこで繁殖しててもおかしくない。ハヤブサは、なぜか情報が提供されていないけど、泉大津市と交野市で繁殖してる。
・そのメッシュで繁殖記録はちょっと考えにくいから要確認。本当に繁殖してるなら、大発見! 該当するメッシュがあるのは、オオアカゲラ、リュウキュウサンショウクイ、コシアカツバメ、イワツバメ。オオアカゲラは大阪府では南部でのみ繁殖記録がある。リュウキュウサンショウクイが繁殖したら、新記録。コシアカツバメは減少傾向で、もう平野部での繁殖はないと思うけどなぁ。イワツバメは逆に平野部に進出中だけど、想定外のエリア。


●2020年11月25日 香酸柑橘類

この秋になって、香酸柑橘類という言葉を覚えた。香酸柑橘類ってのは、香りを楽しむような酸っぱい柑橘類。レモンやライムとかもそうなんだろうけど、むしろイメージは、ユズ、スダチ、カボスが3大メジャー。ユズは割と広く栽培されているけど、スダチは徳島県、カボスは大分県と地域に根付いたイメージが強い。そういえば、沖縄県にはシークヮーサーがある。和歌山県には、ジャバラっていうあまり知られていない香酸柑橘類があるんだよ。と近頃、けっこうあちこちで見かけるから、けっこう知られているような気がする。
香酸柑橘類という言葉を覚えたから、って訳でもないのだろうけど、ここんところ紀伊半島の(というか三重県産の)香酸柑橘類をいろいろ頂いた。シークワシャー、新姫、サンズ、ジャバラ。三重県は香酸柑橘類のメッカだったのかも。
そして、そもそも香酸柑橘類にこんなに種類があったとは。暖かい地域には、それぞれに特有の香酸柑橘類があったりするのかも。そして、それがジャバラのブランディングの成功(?)を受けて、売り出されつつあるのかも。
●2020年11月24日 オナガガモ異変

カモ類がいる池といない池は何が違うのか。あっちの池はヒドリガモが多いのに、そっちの池はハシビロガモ、こっちの池はホシハジロが多いのはなぜか。といった疑問はすぐに思いつくけど、その答えはなかなか難しい。環境で決まってる場合よりも、すでに同種がいる場所に集まってしまうだけじゃないかと思ってしまう。
そんな中で、少なくとも大阪辺りの池にオナガガモが多いかどうかは、割と簡単に予測できる。そもそも大阪辺りではオナガガモは大きくない河川に多いカモ。それが池にいるまとまった数いるとしたら、そこは給餌が行われている池。って感じ。昆陽池も鶴見緑地の大池もオナガガモが毎年それなりにいて、かなりの量の給餌が行われている。そうじゃない池では、あまりオナガガモはいない、どころではなく、ほぼオナガガモを見ることはない。
なのに今日はけっこうため池に入ってた。松原市西部〜堺市北東部のため池を60ヶ所めぐって4ヶ所にオナガガモがいた! ここの場所には数羽ずつしかいなかったけど、これはとても珍しい。たぶん初めての出来事。オナガガモなんて記録されると思ってないから二度見してしまった(ウソ)ってくらい。
このエリアでオナガガモがよくいるのは西除川なので、西除川で何かあったのかなぁ?と思ってしまう。来月以降もオナガガモがいたら、原因を考えてみる? 考えるとかできるのかなぁ。
●2020年11月22日 カラスとトビの関係

トビとカラスと言えば、トビがカラスに追われる光景しか思い浮かばない。トビなんて、図体がデカイだけの弱っちい奴だとばかり思っていた。が、そうでもないらしい。
大和川河口の中州で、トビが、ヒドリガモ雄の死体を食べていた。横からハシブトガラスがうかがっているが、断固として阻止している。ちょっと気を抜いて、ハシブトガラスが持って行ったが、あっさりと取り返した。いつも見ているトビと違って驚いた。もっと前から見ていた人によると、最初はハシブトガラスが食べていたのを、トビが横取りしたんだという。さらに一層驚いた。
確かに体は圧倒的に大きいから、トビが勝つのは当たり前だけど、それじゃあ、いつも負けてるのはなぜ? 空中では弱いの? 確かに空中では体の大きさイコール戦闘力ではないかもしれない。食べ物を前にしないとやる気がでないの? 確かにカラスに追われているのは、のんびり飛んでるだけのトビ。カラス1羽になら負けないの? 確かに空中でトビを追い回しているのは複数のカラスのことが多いかもしれない。
ともかく、トビは、地上でその気になれば意外と強いらしい。
●2020年11月21日 過去50年ほどの大阪府で繁殖するカワウ・サギ類のトレンド

このご時世、ネット配信行事を充実させねば! 毎月、講演会めいた企画を投入するのだ。と大きめの声で言った手前、自分で手を挙げざるを得ない感じ。ってことで、今日は、ネット配信の講演を担当。本当は、瀬戸内海沿岸の海鳥の話をしようと思ったのだけど、そのためにはデータ整理が必要。ちょっと間に合わないかなぁ。ってことで、昨年、別の機会に話した大阪府で繁殖するカワウ・サギ類の話に変えた。
昨年話したネタで、パワポもほぼできてるから準備は楽勝。かと思ったら、今朝になって、盛り込み忘れてるデータがあることに気付いて慌てた。昨年話したのは、まだ調査が完全には終わっていない5月末。調査の大勢はもう動かないだろうと思っていたが、その後、6月にぱたぱたと新たなサギ類の繁殖が見つかったり、7月には大阪府最大級のカワウの繁殖地が見つかるなど、意外と大勢が動いていた。
という訳で、あわてて漏れてたデータを盛り込んだ。けっこう結論が変わって面白い。例えば、
・カワウの営巣数は10年前とあまり変わっていないとしていたが、実際は、かなり増加していた。カワウは繁殖地数でも営巣数でも増加傾向が維持されている。
・ゴイサギは、繁殖地数も営巣数も減ったかと思ったが、意外にも営巣地はあまり減らず。でも営巣数は少なくともこの10年で約1/3に激減している。
といった感じ。ちなみに
・アオサギの繁殖地数、ダイサギの繁殖地数・営巣数は増加傾向。なぜかアオサギは営巣数はこの10年であまり変わらず、個々の繁殖地の規模が小さくなっている。
・コサギは1980年代に復活して以来、営巣数に大きな変化はない。減ってるような気がするのに不思議。
・チュウサギは1970年代に消失した後、大阪府で事実上復活せず、アマサギは1980年代に一旦復活したかに思えたが、その後消失した。
という結論は変わらない。
●2020年11月20日 年末の砂場の状況

秋、夏が過ぎて、ホネを回収したり、落葉落枝を取り除いたり、砂場の管理をしなくてはならない季節。そして冬、とりあえず砂場のことは忘れてる季節。だいたい秋から初頭に、その年の砂場管理は一段落。今年ももう砂場での作業はなさそうな気がする(ウミガメを回収するかもだけど)。という訳で、毎年の、年末の砂場の様子を振り返ってみた。

・2020年末:砂場の約20%がうまってる。残っているのは、小物ばかり17カゴ。
・2019年末:砂場の約75%がうまってる。残っているのは、大物がシマウマ2体とマゴンドウ1体、あとは小物が22カゴ。
・2018年末:砂場の約55%がうまってる。残っているのは、大物はアジアゾウ1体、あとは小物が14カゴ。
・2017年末:砂場の約55%がうまってる。残っているのは、大物はシマウマ1体とハンドウイルカ1体とオキゴンドウ1体、あとは小物が11カゴ。
・2016年末:砂場の約15%がうまってる。残っているのは、小物ばかり14カゴ。

ここ4年なら画期的に砂場が片付いた年末って言えたのになぁ。小物ばかりにできたのは4年ぶりと言う感じだった。
●2020年11月18日 クジラ・イルカの骨格標本の作り方

クジラはともかく、イルカのホネ標本はなんども作ってるけど、いまだに改善点が多い。失敗しやすいポイントは、
・頭骨や下顎骨の歯が抜けないようにする。
・前肢のホネの並びを維持する。
・尾椎とV字骨の並びを維持する。
椎骨にはビニール紐を通しておくのが吉。でもビニール紐を通す穴のない尾椎の先の方や、V字骨は、寒冷紗を敷いた上に置いておくのが一番いい。順番を維持しながら回収して、順番維持して洗って、そのまま番号を振ってしまう。
歯と前肢にはサランラップを巻くという新技が考案され、今回回収したマゴンドウが、その初期の例に当たる。前肢にサランラップをまくと、ホネの位置が動かず、ちゃんと腐って良い感じ(トリ先生談)。ホネの間に腐る部分があるから、ホネが動かないらしい。一方、歯にサランラップを巻いても、抜け落ちてダメ(トリ先生談)。サランラップに歯がささる勢いで、きつく巻けばいいかもしれない。こちらは今後の課題。
小さなイルカはカゴに入るけど、大きなマゴンドウは入らないので、設置した上からブルーシートをかぶせた。適度に湿度が維持されて、腐らせるにはいいのだけど、ゴキブリ天国になって回収が大変。とくに頭骨の中はゴキブリの巣窟になる。マゴンドウの頭骨を持ち上げて、運んで、水に浸けたら中からクロゴキブリが22匹出てきた。すべて倒した。気持ち悪かった。持ち上げた時に、中に入っていたかと思うと、思い返すだけでもイヤな感じ。
●2020年11月17日 博物館実習、対面でするか、リモートでするか

今年度は、8月、9月、1月に設定されていて、8月と9月は幸い予定通り対面で実施できたけど、昨今の状況をみるに1月はかなりやばそう。というわけで、リモートでの博物館実習の可能性を考えておかねばならない。
実際にリモートでどのように博物館実習を行うか。を考える前に、大学側にどういうやり方なら許容範囲かを確認する必要がありそう。たとえば
・1日何時間実施すれば実習を行ったことにしていいか。
・事前に課題を与えて、当日はその発表を軸に実習であれば、当日は2時間程度でいいのか。
・事前の課題の材料を、学生の家に道具や材料を送り付けるのは可能か?
・課題を送りつけなくても、いろいろ事前のやり取りが必要そうだが、学生の連絡先を教えてもらえるのか?
こうした点がクリアできれば、事前に課題を与えるパターンがいいのではないかと思う。1日4時間半とかを、リモートでなにかしら作業してもらうのは無理だし、ずーっと話し合ってるだけでは実習じゃないし。

てなことを考えると、やはりできればリモートの博物館実習は避けたい。でも、やむを得ない展開もありそう。とするとさ、どの段階で対面かリモートかの決断をするかも重要。
あと、近くの人は対面でできそうだけど、遠方の人が来れない。って展開の場合どうしたらいいんだろう。まだまだ考える事がありそう。
●2020年11月16日 ワルナスビとの闘い

今年は、なんだかんだで時間に余裕があるからだろうか。けっこう標本作製関連の作業をしてる日が多めだし、ホネ砂場にもよく行ってる気がする。そして、密かにワルナスビ撲滅を目指した闘いを繰り広げている。
最初の大きな闘いは、3月24日。けっこう標本を回収したので、その結果露出したエリアを、手で掘り返して、徹底的にワルナスビの根を取り除いた。細かい根の塊も、太い根の広がりも。ただ、マゴンドウをセットしたブルーシートの下と、ヒツジやトラたちのカゴが並んでるエリアは手つかず。退治できたのは60%くらいだろうか。
その後、5月14日、6月15日、8月3日にチェック。ワルナスビはわずかしか生えていない。生えてたワルナスビも除去した。
今日、ヒツジやトラたちを回収したので、その勢いで、退治できていなかったエリアのワルナスビの根を取り除いた。北東の角っこに、ラスボス発見。ブロックの隙間を縫って、砂場の外から、太い根っこが入り込んでいた。これがすべての元凶なのかもしれない。でも太すぎて切れず、引っ張るとブロックを破壊しそうなので、地上に引っ張り上げるだけになってしまった。おいおい、退治しなくては。

【追記】
11月18日にマゴンドウのホネを回収したのを受けて、19日夕方にマゴンドウで封印されていたエリアのワルナスビ退治を実施した。当たり前かもしれないけど、この1年の間、マゴンドウ(にかけられたブルーシート)に光を遮られていたエリアに、ワルナスビの細かい根っこはなかった。でも、太いハイウェイが! そして、栄養充分な周辺部には、たくさんのワルナスビの根っこで、マットのようなものが形成されていた。
ともかく、砂場の約半分については、これで比較的浅いエリアのワルナスビを壊滅させたと思う。ただ深い場所にボスが潜んでいる可能性が高い。禁じ手ではあるが、一度、スコップで掘り下げて、1mくらい下の敵を倒した方がよさそう。
●2020年11月15日 大阪の山の小鳥の分布パターン

この1ヶ月ほど、大阪の鳥の繁殖分布図を少しでも精度高くすべく、手持ちの情報をあさって、付け加えてきた。その結果見えてきた分布図からすると、タカ類とかキジ類とかトケン類とかフクロウ類はさておき、ヨタカ、キツツキ類、スズメ目は、分布パターンをいくつかに整理できるように思う。そして、それは分布のなにかしら制限要因を示してる気がした。

大阪府で限られた山にしかいない小鳥は、とりあえず一番高くて、一番広いブナ林のある金剛山にいる。かつてのコルリがそうだったし、今はコガラがそう。
もう1ヶ所いる山があるとしたら、そこは和泉葛城山。ここにもけっこうブナ林がある。ゴジュウカラがそうだし、オオアカゲラもそんなイメージ。ただし、近頃のオオアカゲラは2つの山の間や大和葛城山(ここにも小さいながらもブナ林!)でも記録されてるらしい。
というところから判るように、さらに少し分布が広い山の鳥は、金剛山、和泉葛城山の周辺に加えて、上記の大和葛城山と、金剛山〜和泉葛城山の間にある岩湧山や三国山が加わる。代表的なのがミソサザイ、そしてトラツグミ。たぶんアオバトやヨタカもそんな感じ。
ここまでの鳥は金剛山地と和泉山脈にしかいない。さらに分布域が広くなると、北摂山地でも見られるようになる。たとえばサンショウクイ、カケス、ヒガラ、クロツグミ。個体数は少なめだけどコサメビタキもそんな感じ。
その次は、生駒山地を含めて、山ならどこにでもいる鳥たち。アオゲラ。サンコウチョウ、ヤブサメ、センダイムシクイ、オオルリ、イカル。いまやソウシチョウもこの仲間。
さらに丘陵の林でも見られ、平地の公園などの林にまで進出した、進出しつつある鳥たち。古くはキジバトやヒヨドリ、ついでハシブトガラス。少し前にはコゲラ、シジュウカラ、エナガ、メジロが進出し、比較的最近はヤマガラとキビタキ、もしかしたらウグイスが広がりつつある。

「金剛山」→「金剛山+和泉葛城山」→「金剛山地+和泉山脈」。と分布が階層状に拡がるのは、標高で説明でできそうに思うし、なぜか納得しやすい。よく判らないのは、「金剛山地+和泉山脈+北摂山地」という段階を踏んでから、「金剛山地+和泉山脈+北摂山地+生駒山地」になるか。つまり、どうしてサンショウクイやカケス、ヒガラ、クロツグミは生駒山地にいないのか。これは標高というより、山塊の広がりのような気がするけど、それは何を意味してるんだろう?
●2020年11月14日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その9:外来鳥類

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業9回目、にして最終回。というか、ダブルヘッダーが2回あったので、気分的には12回目。
とりあえず大阪府部分で4時間30分。もとのメッシュに抜けがめっちゃ多くて、また真面目に調べてきたもんだから、手持ちデータもメッチャ多くて、時間がかかった。さらにその後、ハッカチョウは全国のデータを提供してみた。それに2時間。コブハクチョウとソウシチョウも大阪府以外の情報を少しだけ提供してみた。
作業したのは、コジュケイ、コブハクチョウ、ドバト、ソウシチョウ、ハッカチョウ。そう言えば、シロガシラのデータを見つけてこなくては。あと、アイガモをどうするかは、まだ悩み中。外来生物展で、一通りデータを引っ張り出してきていたので簡単かと思いきや、やはりフィールドノートを一通り見返すことに。っていうか、コジュケイ、ドバト、ソウシチョウで抜けを再確認したから、3回見返した感じ。そら時間がかかるわ。ハッカチョウだけは、完全なリストが出来ているので割と簡単だった。でも大阪府外は地名を見てもどこか判らず、いちいちグーグルマップで確認。時間がかかる。

ドバトは市街地のもんだと思ってたけど、メッシュが少しでも市街地にかかっていたら、棲息していることになるので、能勢町や高槻市北部以外のほぼすべてのメッシュがうまった。
一方、ハッカチョウは、本当に市街地にしかいない感じで、市街地中心のメッシュだけがうまった。繁殖確認ランクが高いのも特徴。
ソウシチョウは、岬町まで和泉山脈を制覇したので、逆に山地のメッシュがたいていうまった。北摂山地にはまばらにしか分布していないので、空きメッシュが残った。五月山とか島本町とかにもいるはずなんだけど、どこかにデータないかなぁ。
コブハクチョウは、2020年時点では大阪府にいないようなんだけど、2016年時点なら4ヶ所ほどにいた。繁殖はしなさそうだけど。
コジュケイが一番興味深かった。かつては長居公園でも繁殖していたが、今は平地はもとより、丘陵部からもほぼ姿をけして、錦織公園の記録しか見つからなかった。山地はまだまだ棲息しているけど、密度は低い。かつては死ぬほどないてた生駒山地でも、いまはソウシチョウに負けてる。そして、北摂山地は抜けメッシュが目立つ。シカによる林の変化のあおりを喰ってるんじゃないかと思う。能勢町、箕面公園とかポンポン山辺りにいないし。

という訳で、9日間かかってようやくデータ提供が完了。と思ったら、組み込むべきデータセットがまだあるのに気付いた。気が向いたら、追加しよう。
●2020年11月13日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その8:シジュウカラ科、エナガ科、メジロ科、ゴジュウカラ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業8回目。というか、前回と前々回はダブルヘッダーだったので、気分的には10回目。
けっこうたくさんのデータが見つかってしまい、3時間30分もかかった。コガラとゴジュウカラは、すでにメッシュが埋まってたから、対象種は少なかったのに…。
作業したのは、シジュウカラ科、エナガ科、メジロ科、ゴジュウカラ科。でも、コガラは金剛山のみ、ゴジュウカラは金剛山と和泉葛城山にしかおらず、すでにメッシュは埋まっていた。なので実質的にデータを引っ張り出したのは、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロの5種だけ。ヒガラが山地限定なのを除けば、平野部から山地まで広く分布する4種が相手なので、けっこう大変。

コガラが1ヶ所、ゴジュウカラが2ヶ所にのみ分布。それに次いで分布域が狭いのはヒガラで、北摂山地の北の方(能勢町、豊能町北西部、高槻市北部辺り)と、金剛山地から和泉山脈(西は泉南市)までの高めの山にしかいないらしい。うっすらとは知ってたけど、そうなんだなぁ、と確認出来た。
ヤマガラとシジュウカラは、なんとなくヤマガラが山よりで、シジュウカラが平野より。と思ってて、おおむね間違ってはないけど、意外と山ではシジュウカラの記録が多い。というか、繁殖確認目的だと囀りが重要なんだけど、シジュウカラがよく囀るのに、ヤマガラがあまり囀らない。記録されても囀らない。ヤマガラの囀る季節が短いんだろうか? もしかして繁殖様式と関係が??
一方、メジロはやたら囀るイメージで。春から夏までずーっと囀っている、と思ってたけど、これまた意外と囀り確認が少なめ。これは季節というより囀る時間帯や頻度の問題の気がする。とはいえ、シジュウカラとともに、メジロはほぼすべてのメッシュで囀りを確認出来た。
エナガは、どこにでもいるんだけど、囀らないから繁殖確認ランクが低くなる。もっと小まめに巣立ちビナを記録しておけばよかった〜。ってことはシジュウカラとヤマガラについても思った。

いよいよ残るは、外来鳥類だけ。今年の外来生物展でデータを一通り引っ張り出してるんだけど、繁殖確認ランクになってないんだなぁ。
●2020年11月12日 京都府のハッカチョウの歴史

京都府のハッカチョウは宇治川沿いに定着しつつある。と信じて、今日も宇治川沿いを歩いて調査。間違ってないか、もう一度、情報を整理しておこう。手元にある京都府のハッカチョウ情報は以下の通り(観察日順)。
・京都市右京区西京極西中島町、2006.1.7
・京都市伏見区深草西川原町:鴨川左岸(十条通下流)、2013.12.22
・京都市南区上鳥羽勧進橋町:鴨川右岸(竹田街道下流)、2013.12.22
・長岡京市下海印寺、2015.5.22、2016.5.18
・長岡京市奥海印寺火ノ尾、2018.5.16
・久御山町東一口、2020.4.15、2020.5.23、2020.5.28。2020.6.29、2020.7.21、2020.7.27
・久御山町大橋辺北島、2020.5.28
・宇治市莵道車田、2020.6.14
最初の3ヶ所は非繁殖期。で、2015年〜2018年に記録された長岡京市のは、小泉川沿いで繁殖したっぽい。この頃は大山崎町でも記録されている。それが2020年になって久御山町と宇治市で記録されるようになり、繁殖も確認されている。これは宇治川沿い。
2019年から2020年にかけて小泉川沿いでセンサス調査をしたけど、一度もハッカチョウは記録されなかったから、すでに宇治川沿いに引っ越した後だったんじゃないかと思う。ちなみに日本野鳥の会京都支部のサイトには、2017年に巨椋干拓地、2018年に竹田駅、2019年に宇治川での記録が載ってるので、すでに以前から宇治川沿いにはいたのかもしれない。
●2020年11月11日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その7:ツグミ科、モズ科/カササギヒタキ科、サンショウクイ科、カワガラス科、ミソサザイ科、アトリ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業7回目。というか、昨日2回分を一気にやったから、実質8回目なんだけど。そして今日も2回分やった。

<part1>
とりあえずは2時間30分。モズ以外は、分類群がまとまっててやりやすかった。モズ以外は囀ってくれるので、そこそこランクでメッシュが埋められてすっきり。モズは、すっきりしない。
作業したのは、ツグミ科(いまどきの広義のん)とモズ科。実質的にデータを引っ張り出したのは、モズ、トラツグミ、クロツグミ、イソヒヨドリ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリの7種。トラツグミは記録が限られるので、残る6種のデータをさがした感じ。クロツグミ、コサメビタキ、オオルリは山手限定なので、それ以外の環境ではおもにモズとイソヒヨドリをチェックする感じ。すでにイソヒヨドリとキビタキのメッシュはかなり埋まっていた。一方で、コサメビタキは全然埋まってなかった。

トラツグミは、金剛山から岩湧山を経て、和泉葛城山にしか情報がなかった。大阪府で一番高いエリア。主に夜鳴くからというより、分布域が限られている気がする。
クロツグミは、金剛山地から和泉山脈、及び北摂山地の少し高めの山には広く棲息しているっぽい。生駒山地の記録は見つからなかった。
コサメビタキは、北摂山地、生駒山地、金剛山地、和泉山脈のいずれにも記録があるが、棲息エリアでも記録が少ない。囀りが小声で目立たないからで、けっこういるんじゃないかと思う。
オオルリは山地に広く分布。生駒山地や岬町あたりの低めの山、浅めの谷でも棲息しているのが少し意外だった。
キビタキは、山地のみならず、丘陵の林にまで広く分布している。
イソヒヨドリは、平野部から山間部までさらに広く分布。なぜか淀川沿いは少なめ。そして、高槻市北部の田能地区では記録できなかった。河内長野では山間の小さな集落にまでいるのに!
モズもまた平野部から山間部まで広く分布はしているようだが、棲息密度がとても低い。チェックした季節にあまり囀らないから目立たないだけかもしれないが、イソヒヨドリと比べると、とても少ない印象。おかげで、埋まらないメッシュが多数。

<part2>
次も2時間30分。ミソサザイはすでに生息地のメッシュは埋まってるようだし。サンコウチョウ、サンショウクイ、カワガラスはあまり出ないので、すべて入力。残るイカルとカワラヒワは、メッシュをチェックしつつ、データを引っ張り出した。
作業したのは、カササギヒタキ科、サンショウクイ科、カワガラス科、ミソサザイ科、アトリ。実質的にデータを引っ張り出したのは、サンコウチョウ、サンショウクイ、カワガラス、ミソサザイ、カワラヒワ、イカルの6種。ミソサザイは、結局付け加えるデータはなかった。カワラヒワ以外は、すべて山の鳥なので簡単。

ミソサザイは、金剛山から岩湧山を経由して和泉葛城山辺りにしか棲息しないことが、改めて確認された。
カワガラスは、南は和泉葛城山周辺のみ。北は、箕面川、安威川、水無瀬川しか記録がなかった。石川、父鬼川、余野川、芥川など、いっぱい抜けてる。メッシュ的には、石川だけでもデータを見つけたい。
サンショウクイは、生駒山地以外の山手に広く記録されたが、圧倒的に北摂に広く分布している様子だった。そんな偏りがあるとは知らなかった。
サンコウチョウは、山手に広く棲息。
イカルは、丘陵から山地に広く棲息。
カワラヒワは、全メッシュで記録された。

いよいよ残るは、2回。
・カラ類混群7種
・外来鳥類7種。
外来鳥類の中にはアイガモを入れてるんだけど、入れてもいいのかな?
ハッカチョウだけは、全国区で報告の予定。
●2020年11月10日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その6:ヒバリ科、ウグイス科(広義)、ホオジロ科/カラス科、ヒヨドリ科、ムクドリ科、スズメ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業6回目。

<part1>
まずは3時間。囀る鳥ばかりなので、記録されやすいんだろう、すでにけっこうメッシュが埋まっていて、漏れてるのをチェックすればいいだけなので、比較的簡単。
作業したのは、ヒバリ科、ウグイス科(広義)、ホオジロ科。といっても、実質的にデータを引っ張り出したのは、ヒバリ、ウグイス、ヤブサメ、センダイムシクイ、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロの7種。山林ものと草地ものが混じってるけど、それはそれで場所毎にターゲットが違ってやりやすい。ウグイスとヒバリは最初からいそうなメッシュは大部分埋まってたし。

ウグイス、ヤブサメ、センダイムシクイは、ほぼすべての山地で記録された。ウグイスはもう少し低い場所にもいて、事実上湾岸部以外のメッシュすべてで記録された。ホオジロの出現場所もほぼほぼウグイスに重なるが、平野部では少ない。
草地棲のヒバリ、オオヨシキリ、セッカは、当然ながら平地から丘陵にしかおらず。それも農耕地や河川敷限定。そしてなぜか山間部にはいない。カバーされたメッシュ数は、ヒバリ>オオヨシキリ>セッカって感じ。セッカがとにかく少ない印象。

<part2>
続いて3時間半。今度は基本街の鳥。それだけにけっこうすでにメッシュは埋まってる。
作業したのは、カラス科、ヒヨドリ科、ムクドリ科、スズメ科。ということは、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、そしてキジバトを加えた7種。幸いターゲット期間に大阪市内・大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査をしていたので、それを拾えば街中は大部分カバーできた。山ばかり出るカケス、ついでにカラスとキジバトを山間部でひろう。

キジバトはほぼ全域で確認。あの声は囀り!なので、それを拾うだけでランクも高め。
カケスは生駒で出なかったけど、他では割と出る。ただ、繁殖期にいた。という以上の記録が少ない。
同じ事はハシボソガラスとハシブトガラスにもいえて。公園で繁殖する鳥の調査では、巣や巣立ちビナをチェックしてるんだけど、他の機会に巣や巣立ちビナをもっとチェックしておけばよかった。
同じようにムクドリとスズメも、ちゃんと巣立ちビナを記録しておけばよかった…。
ヒヨドリにいたっては、そもそも繁殖確認が難しい。山では繁殖期にいた以上にならない。これはまあ仕方が無いか。
●2020年11月9日 ハッカチョウ調査宇治川新ルート

宇治駅から観月橋駅まで歩いた。宇治川沿いのハッカチョウセンサス調査の新ルートである。すでに6月から観月橋駅から八幡市駅までのルートで調査してるんだけど、その上流側を追加した感じ。
2020年に宇治川沿いの久御山町辺りでの繁殖情報を頂いて、急遽6月から宇治川沿いの調査を始めたのだけど、巨椋干拓地から三川合流辺りは、以前からパラパラと観察情報があった。そして、観月橋より上流の情報も頂いたりして、いま京都府のハッカチョウは、宇治川沿いに分布を拡大・定着しているに違いない!と見破ったのである。
新たなルートの開拓は、土地勘がなければ、地図と睨めっこして、ときにはグーグルアースやストリートビューまで駆使して、コースを決めて、地図を用意していく。でも、行ってみないと判らないことは多くて、現地でコースを修正して最終決定。とくに河川沿いの調査コースの場合、河川の右岸を行くか、左岸を行くかで話が大きく違う。
今回の場合、ハッカチョウの記録があるのは右岸なので、その辺りは右岸がいいだろうと考えていたけど、右岸側は小河川の合流が多くて、迂回が必要になりそうなので、その他は左岸を行こうかと思っていた。が、現地に行ってみると、宇治駅からの出だしの部分で、工事をしていて左岸が行けない。やむを得ず、右岸を歩き出す。するとなかなか左岸に渡る道がないんだな。そして、対岸を見るに、左岸はずーっと車道沿いで、それもけっこう交通量がある。一方右岸はほとんど車が走らないので、安全だし、鳥が見やすい。けっかオーライで、ずーっと右岸を歩くことにした。
観月橋から下流は、ずーっと左岸なんだけど。こちらは左岸側にしか堤防上に道がない。また巨椋干拓地もながめたいので、左岸一択。1回目でコースを確定できなければ、もう一度来て、調査をしないといけないから面倒。すぐに決まってよかった。
●2020年11月8日 近場でビーチコーミング

中高生と、自然観察的企画のリクエストを訊ねると、しばしばビーチコーミングという声が上がる。判る判る。個人的見解を言えば、ビーチコーミングには、潮干狩りとおなじくらい魅惑的な響きがある。
が、大阪周辺で日帰り圏でビーチコーミングと言われても、良い場所がない。そもそも大阪府にはビーチがない。せいぜい貝塚市の二色浜か、阪南市の海岸。でも、大阪湾や瀬戸内海沿岸で、そんなに楽しいものはあまり打ち上がらない。となると、できれば太平洋。が無理でも紀伊水道までは行かねば。
パッと思いつくのは磯ノ浦。ここは2年前に行ったんだな。海水浴オフシーズンなのに、ビーチは綺麗に整備されていて、端っこに少しだけ漂着物があっただけ。たくさんのサーファーを見て帰って来た印象。次に思いつくのは、加太方面。加太港の北の浜とか。でも、ここもけっこう掃除されてるかなぁ。ってことで、今年はもう少し南の片男波に行くことになった。
結論から言えば、ここもオフシーズンなのに、きれいに掃除されていて、漂着物は磯ノ浦よりさらに狭い範囲にしかない。仕方が無いから、綺麗なビーチを歩いて貝殻を拾う、って程度。物足りない〜。まあ、貝の判るのが行ったから、それなりに色々な種類の貝殻を確認出来たけど。
来年もリクエストがあったら、どこに行ったらいいのかなぁ。さらに南となると、広川ビーチ?
●2020年11月7日 第3回ミュージアムグッズサミットを視聴

昨日の夜は、第3回ミュージアムグッズサミットというのを視聴した。なんとなく9月にあった第2回(だっけ?)も視聴した。第3回はうちのミュージアムショップの話があるというので、それを聞いた他所のみなさんの反応が知りたくて。どうも同じような目的で視聴していた身内がけっこういたらしい(把握できた限りで、5人)。
他所のそれも文系博物館のミュージアムグッズの話は、あまりに違ってて、興味も持てないし、共感もしにくい。そもそもミュージアムショップやミュージアムグッズに対する考え方、あるいは方針が根本的に違うように思う。個別事例の報告はあるけど、そもそも論がない。その部分の議論を深める気配がないので、不満しか残らない。単なるミュージアムグッズ好きの集まりで、それ以上ではない印象しかなかった。
最後の事例紹介はうちの友の会からセンターのオリジナルグッズの話。ある意味興味はあるけど、知ってる話。っていうか、昔からの歴史は悪いけど話題提供者よりもこっちの方が詳しい。思わずチャットに書き込む、他の学芸員がそれを補足する。裏話もする。と、話題提供者を放ったまま、チャットで妙に盛り上がる。話題提供者さんはとてもやりにくかったことだろう。
1990年代前半、当館オリジナルグッズの最初期には、テレホンカードや微妙なTシャツに加えて、バッジやネクタイピンもあった。ティラノサウルスの頭のネクタイピンのデザインは、今でも通用するので、復活させてもいいように思った。
●2020年11月6日 奈良でのハッカチョウセンサス調査2ndシーズン

今日から2ndシーズンスタート。ということはコース設定の日。地図上でコースをおおむね決めて、そのコースを歩くんだけど、実際に歩いての都合で少しコースを変えたりする。今回は、地図上で決めたコースが割と良い感じで、田んぼ沿いを歩く感じで楽しかったけど、より良い感じの方に行ってみたり、河川の土手が工事中で通れない(なんと2月まで工事してるらしい)のでコースを変えたりはした。
1年目は、様子見という要素が強かった。1年前時点では、佐川急便奈良営業所辺りの情報しかなく、周辺にハッカチョウがどのくらい拡がっているのか判らなかった。なので、佐川急便を中心にすえて、四方1kmくらいのエリアをグルグルめぐるコース設定だった。その結果、南の方の平和小学校の辺りでハッカチョウを見つけた。さらに南に飛んで行く姿も確認した。南が気になっていたら、近鉄平端駅周辺から情報が!
という訳で、初年度と同じく、JR郡山駅スタートで、まずは佐川急便を目指す。そこから南下して平和小学校を目指す。そしてさらに南下、南下、南下。ゴールに平端駅というコース設定。奈良県でハッカチョウ情報がある場所をすべてめぐってる!という訳で、期待できるんじゃないかと。
でもあれだなぁ。奈良県の大和郡山市のハッカチョウの記録は、年々南下してると思う。来年、再来年とさらに南下して、大和郡山市を出てしまうんだろうか? 3rdシーズンは、どうなるのか少し心配。
●2020年11月5日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その5:ツバメ科、カワガラス科、セキレイ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業5回目。今日は4時間。比較的簡単だったんだけど、提供できるデータが多くて、時間がかかった感じ。
作業したのは、ツバメ科、カワガラス科、セキレイ科。ついでにアマツバメ科のヒメアマツバメもと思ったけど、まるでデータがなかった…。実質的にデータを引っ張り出したのは、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、カワガラス、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの7種。ツバメ類とカワガラスの探すべきメッシュはハッキリしていたので、セキレイ類だけマップの現状をチェックしながらの作業。ツバメとハクセキレイはすでにメッシュ自体は埋まっているので、巣の記録や囀り情報を探す感じ。

ツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイは、ほぼメッシュは埋まったと思う。ちょっと繁殖確認ランクが低いメッシュがあるのが不満だけど。もっとこまめにツバメの巣の記録や、ハクセキレイとセグロセキレイの囀りを記録しておけばよかった〜。
コシアカツバメは、けっこうメッシュが限られるけど、それは現状を繁栄してそう。
イワツバメは、南部は石川水系のみ分布している感じ。北摂は山間部に展開。ただ、飛んでいるのを観察して、営巣場所の検討がついていても、いちいち橋の下の巣を確認してないので、繁殖確認ランクが低めなのが残念。
キセキレイの記録が意外と少ない。なんとなく思っているより大阪府では少ない鳥なのかも。
カワガラスは、限られた水系の限られた区間にしか棲息していない。北摂の棲息エリアはほぼカバーされたと思う。でも、南部は、石川水系が抜けてる気がする。
それにつけても、ヒメアマツバメは悔やまれる。柏原市や太子町の繁殖地を確認行けば良かった〜。

山は後回しにして、次は草地周辺の小鳥を中心に。ヒバリ、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ。となれば、ヒバリ科、ウグイス科(広義)、ホオジロ科ってことにして、ウグイス、ヤブサメ、センダイムシクイも足そうか。これで7種。
その次は、市街地の鳥軸に、スズメ科、ムクドリ科、カラス科、ヒヨドリ科。それにキジバトを足すとか。これで7種。
あと残るのは、まずツグミ科(広義)で、トラツグミ、クロツグミ、イソヒヨドリ、キビタキ、オオルリ、コサメビタキ。これにモズ科足して、7種
それから、カササギヒタキ科、サンショウクイ科、カワガラス科、ミソサザイ科、アトリ科。という訳で、サンコウチョウ、サンショウクイ、カワガラス、ミソサザイ、カワラヒワ、イカルで、6種。
在来鳥類の最後は、カラ類混群な感じで、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ。7種。
そして最後に外来鳥類をまとめて、コジュケイ、コブハクチョウ、アイガモ、ドバト、ソウシチョウ、ハッカチョウ。シロガシラもいれて7種。
つまり、あと6回はかかる…。
●2020年11月4日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その4:カッコウ科、カワセミ科、キツツキ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業4回目。今日は2時間半。カッコウ科、カワセミ科、キツツキ科。でも前回ジュウイチとカッコウは済んでるので、実質的にホトトギス、ツツドリ、カワセミ、コゲラ、オオアカゲラ、アオゲラ。そしてヤマドリとアオバト。と例によって8種。これ以上の種数を一気に処理するのは難しい。ちなみに、これで非スズメ目は一応終了。と思ったら、ヒメアマツバメを見逃してた。これはまあツバメ類と一緒に。あまりあちこちで出現しない鳥は、自分のサイトを検索して引っ張り出す(2017〜2020年は。2016年は入力できてないからノートをめくる…)。っていうので処理できる。あと、どのメッシュの情報はすでにあるのかを先にリストアップするのが効率的(すでに多くのメッシュに記録がある種に関しては、漏れてるメッシュをリストアップ)。

ホトトギス、カワセミ、コゲラ、アオゲラは、いそうな場所はだいたいカバーできたと思う。
ツツドリは、金剛山〜和泉山脈は埋まるのに、生駒山地はもとより北摂山地に少ない。今まで気付かなかったなぁ。
アオバトは、あまりメッシュが埋まらない。これは大阪府の現状を示していそう。
ヤマドリのメッシュがあまり埋まらないのは、なかなか遭遇できないからだけど。箕面公園、生駒、鉢ヶ峰などなどいるはずの場所が抜けてるのは気持ち悪い。羽根なら拾ってるんだけど…。
一方、オオアカゲラは金剛山が埋まってないのはあり得ない。データをもう一度探そう。滝畑辺りにもいるはずなんだけど…。誰かデータを追加して〜。

いよいよ次からスズメ目に突入。まずは、ツバメ類とかかなぁ。一緒にヒメアマツバメ。山手の川沿いはチェックになるので、あわせてカワガラスと山手のセキレイ類とか?
●2020年11月3日 リモートシンポジウム「新型コロナウイルス下での観察会を考える」

リモートシンポジウムを主催した。他の学芸員と一緒にだけど。博物館外の演者を交えて開催するのは初めてなので、いろいろ要領が判らない。演者も慣れてない人が多いし、主催者側も慣れてない。結果的に見たら、不手際がいっぱいだった〜。事例紹介してくださったみなさま、済みません済みません。この失敗を糧に、次はうまくやらねば。ってことで、失敗ポイントを確認しておこう。

シンポジウムは、進行担当など主催者側と、演者はZoomに入って進行。一般視聴者は、それをYouTubeライブで視聴するというスタイル。ZoomからYouTubeへの流れはすでに講演会でやっていたので、すでにノウハウはある。事前に一番心配したのは、事例報告をお願いしたみなさんが、ちゃんとZoomにログインできるかどうか、ちゃんとパワポを共有して事例報告ができるかどうか。で、近くの方には、来館してこちらでセットしたマシンでZoomに入って報告してもらうことに。遠方の方は、自宅でZoomにログインしてパワポを共有してもらわねばならない。ってことで1週間前に練習もこなして、準備万端のはずだった。
が、しかし当日は思うようにいかない。来館してZoomを使ってもらう2人には午前中にきてもらって打合せと、使い方の説明。だいたいできると思ったけど、微妙に共有に手間取ったり、ミュートでしゃべっていたり。まあ、説明されたからすぐに出来るとは限らないかぁ。
1週間前に練習したみなさんは、練習した甲斐があっておおむね出来たんだけど。やっぱり共有ができない事案が発生。進行役としては軽くあわあわしてしまった。事例紹介の順番を変えて、急いでメールで連絡をとって、パワポを添付で送ってもらい、こちらから共有して事なきを得た。先方がすぐにメールに対応できる人でよかった。重すぎないパワポファイルでよかった。
今後、みんなZoomの使い方に慣れていくだろうけど、事前にパワポのファイルを集めておいて、いざという時、すぐにこちらから共有できる体制をつくっておくのが良さそう。
●2020年11月1日 2020年10月のまとめ ようやく全国鳥類繁殖分布調査にデータ提供開始

ようやく全国鳥類繁殖分布調査にデータ提供開始。面倒だろうなぁ、と思ってたけど、想定以上に面倒で。10月中に終わらなかった。非スズメ目の目処がたったくらい。
そんな、 2020年10月を振り返ってみよう。
そんな2020年9月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。地元公園での鳥のセンサスと果実チェックも開始した。
ハッカチョウセンサス奈良県1コースと京都府2コースは問題なく実施。

ホネホネ団は、通常の活動日1日、鳥の日2日、カリカリ団4日すべて予定通り実施。
トリ先生が、ラベル付けした鳥の仮剥製を、袋詰めしてくれた。あとは冷凍してから収蔵庫へ。

普及行事は、ジュニア自然史クラブは予定通り実施。植物園案内動物篇は、午前と午後のダブルヘッダーで実施。でも、もう人数制限が緩和されたから、ダブルヘッダーにせんでもいいなぁ。
展示関係は、東日本大震災の標本レスキューの展示で1ケースだけ並べた。

講演はなし。
委員会関係は、某市のRDBはリモートで。初めてのTeamsだった。あと、淀川関係の会議が、リアルで2回。
査読はなし。論文書きは進まない。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系5冊と、SF10冊。
完全休養日は2日。
●2020年10月31日 読書サークル 第111回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。新型コロナウイルス感染症は相変わらず感染拡大しているが、なぜか今月もリアルに集まることができた。マスクして、席の距離あけてだけど。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今回の課題本は7冊。1冊繰り越されてきたので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「ヒトの社会の起源は動物たちが知っている」
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
 著者は、アリ研究の大御所で、社会生物学の初期から本を何冊も書いて、それを教科書として読んだ世代も多い。同時に、気軽に人間の進化に言及して、社会的な論争を巻き起こしてきた。その大先生が書いた普及書らしいのだけど、社会性の進化に血縁選択は関係ないとか、人間は真社会性であるとか、大胆発言が丁寧な説明なしに述べられている。予備知識のある読者層向けの専門書ならいいけど、一般向けの本でこれはまずいだろう。大先生過ぎて、編集担当も出版社もダメ出しができないんだろうなぁ。って訳で、ここではいっぱいダメ出しした。

●「見えない絶景」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 海底地形の話。なんか面白いんだそうな。

●「温暖化で日本の海に何が起こるのか」
(紹介文6つ、平均★数は3.0)
 地球温暖化で、陸上がどうなるかの話はけっこう多いが、海の環境が海の生物がどうなるかという話は、意外と少ない。そういう意味では評価されてたし、個々のトピックには興味深いのも多いのだけど、一冊の本としてみた時、構成がおかしくない?って話になった。寿司ネタにこだわったのが間違いかも。

●「火山はめざめる」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
 とても評価が高かった。内容はしっかりしてるし、細かいとこまで描き込まれている絵がいいんだそうな。盛んに青プリンという言葉が出ていた。なんか気に入らないけど、やはり青プリンはしっかりしてるんだそうな。

●「<正義>の生物学」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 評価が分かれた。どうして自然保護が必要か?どうして絶滅危惧種を守らないといけないのか?それを学生に課題として出した時、ありそうな答えに対して、先生が反論していくという趣向。あげるべきポイントがちゃんとあげられている点を評価する向きと、くどいと思う向きがあるよう。先生のダメ出しにやや弱い理屈があるという意見も。最後に先生の意見が出てくる。それがタイトルでもあるのだけど、これをそのまま同意する人はあまりいなかったかも。

●「400年生きるサメ、4万年生きる植物」
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
 タイトルにひかれて読み出すと肩すかしを食わされる。という意味で評価が低かった。いろんな長寿命の生きものを並べるところまでは良かったが、その後は人間の話ばかりになって、どうしたら長生きできるかという話が多くなる。研究論文を引いての長生き指南という意味では、勉強になるし蘊蓄もいっぱいだけど。それを期待して読んでるんじゃない!とみんな同じ感想を持ったらしい。

●「カモノハシの博物誌」
(紹介文3つ、平均★数は4.0)
 読んだ全員の評価がMAX。カモノハシ自体がとても興味深いし、そしてカモノハシ愛にあふれた文章も好評価。

●「地層のきほん」
(紹介文6つ、平均★数は2.4)
 評価が難しい。判りやすく説明してくれているので、初心者にはとっつきが良かったらしい。が、専門家がみると、間違いがあるんだそうな。地層とはなにか?といった基本的な部分で間違ってると言われると、初心者にはオススメしにくい。それは普及書として最悪かも。
●2020年10月30日 大阪府のイカルチドリの生息状況

大阪府でイカルチドリはとても希少。昔から少なかったけど、ここ数年、さらに希少になった気がする。いったい大阪府で繁殖してるイカルチドリのつがい数はどのくらいだろう?と、大胆に試算してみた。
イカルチドリは、河川の広めの砂礫地で繁殖する(過去に建物の屋上で繁殖した例があるけど、とりあえず無視する)。そして大阪府内では、そんな環境がある河川は、限られている。ってことで、繁殖記録のある河川ごとに、現状を考えてみよう。

余野川:過去には1つがい繁殖してた。今もいるかなぁ。
猪名川:それなりに広い砂礫地があり、川沿いに歩けばイカルチドリに出会える。猪名川に関しては、昨年度毎月歩いて鳥の調査をした。って感じからすると、多くて5つがい程度ではないかと。
安威川:かつてはもう少しいたと思うんだけど、近年記録があるのは1ヶ所じゃないかと思うけど、多めに見て2つがいはいるかも。
芥川:どことは言えないけど、1つがいいると聞く。
淀川:三川合流に近いエリアは(というか桂川にかけてのエリア)、大阪府周辺で一番イカルチドリが多いエリアかと。でも、大阪府内だとせいぜい5つがいまでかなぁ。
石川:かつては淀川と並んで大阪府でのイカルチドリ主要産地。だが、近年、その個体数は激減したと思う。行ってもさっぱり出会えない。ってことで、多めに見積もりまくって5つがい。
男里川:河口近くのエリアで、これまた多めに見積もりまくって5つがいかなぁ。

以上の河川ごとの大胆推定を合計したら、大阪府内にイカルチドリの繁殖つがい数は、24つがい。これは多め多めに見積もった数字なので、本当のところは20つがい弱って感じかなぁ。だとしたら、大阪府ではサシバやオオタカと同レベル。かなり高いランクの希少種。
現在、大阪府RDBではイカルチドリは絶滅危惧II類、サシバは絶滅危惧I類。次の改訂時はランクアップも含めて検討が必要かも。
●2020年10月28日 オンラインシンポジウムの準備

話題提供者は、Zoomにログインしてパワポなどを使って講演。それをYoutubeライブで配信。参加者は、Youtubeで視聴。参加者にはアプリのダウンロードも登録もいらないからお手軽。チャットで質問を書くには、グーグルアカウントがいったりするけど。
話題提供者側は、Zoomを使える必要がある。パワポの共有とか、ミュートとか、名前を設定するとか、背景も変えてみたり。背景はべつにいいけど、ミュートはオーナー権限で勝手にできるけど(復帰はさておき)、他はできないと講演してもらえない。

という訳で、講演内容のすりあわせや、当日の段取りに加えて、ちゃんとZoomが使えるかの確認。使えなければ研修。というステップが必要になる。1週間後に控えたリモートのシンポジウムに備えて、今日夕方から2時間ほどかかって、Zoom確認・研修のステップを実施した。リモートが普通の時代になったかと思っていたけど、意外と多くの人がZoom初心者らしい。けっこう手間取る人もいるし、研修の必要がない人がいなかった。まあ日頃、講演をしたりしない業界の方ばかりだから仕方が無い。でも、これなら、リアルのシンポジウムの方が、主催者も講演者もよほど気楽。

学会大会でも、発表者と同じような段取りを踏むものらしい。研修をやっていても、トラブル人はいるから、万が一のために携帯電話の番号を聞いておくんだそうな。シンポジウム・学会大会運営の経験の賜だなぁ。あと研修の時に本番の内容と関係なくていいから、共有の練習用のパワポを用意してもらう必要があるというのも、今日初めて気付いた。いろいろ勉強になる。
数十人から数百人規模のリモートの学会大会の運営は想像以上に大変そう。間違っても引き受けたくないなぁ。とわずか登壇者が7人のシンポジウムの運営側にまわって思った。
●2020年10月26日 カイツブリの子分け

今日は、近所のため池60ヶ所を自転車で巡って、水鳥調査。この季節になると、カワウやサギ類の繁殖は終わっていて、繁殖地から姿を消していることが多い。でも、割と季節に関係なく繁殖可能なカイツブリ。もう抱卵中のは見かけなかったけど、育雛中のはいた。
さほど大きくないため池で、ここで営巣するカイツブリは1つがいだけのはず。そんなため池に、成鳥1羽と大きめヒナ1羽の組み合わせが、2組。同じペアが、ヒナ2羽を分けて、それぞれ1羽ずつ世話してるんじゃないかと思う。いわゆる子分けってやつ。
2組の間は、20mほどあいていて、ヒナはあまり動かず。親鳥が近くに浮上したら、ヒナはそちらに寄っていって、親鳥も寄ってきて給餌する。ヒナが比較的離れているから、別々に面倒をみてる感じになってるけど、ヒナの距離が近ければ、子分けは崩壊しそう。それとも親とヒナはそれぞれお自分のパートナーを決めてるんだろうか?

子分けというのは、大阪府で身近な鳥では、カイツブリ以外ではイソヒヨドリで知られている。子分け自体は、なんとなく親が子を分けてるイメージでいたけど。少なくとも親の都合だけでなく、子ども同士の距離の影響が大きいようにも思えた。あるいは、子ども同士の競争の結果。強い方のヒナは、兄弟と一緒にいて、両親からの餌を独り占めしたいけど、弱い方のヒナは、強いヒナから分かれた方が餌を獲得しやすい。それは、もしかしたら、できるだけ多くの子どもを育てないという親の都合にも合致するかも。
てな事情は、両親共に巣立ちビナに給餌する他の鳥にも当てはまりそう。それなら子分けはもっと広く見られてもいいんじゃないだろうか? それともそういう目で見てこなかっただけだろうか? 身近に観察しやすいスズメやムクドリはどうなってるのかな?
●2020年10月25日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その3:タカ科、ハヤブサ科、フクロウ科

全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業3回目。今日は3時間半。タカ科、ハヤブサ科、フクロウ科ってゆうか、猛禽類。そして、実質的にチョウゲンボウ、オオタカ、サシバ、ハチクマ、ミサゴ、トビ。そしてフクロウとアオバズク。と8種だけ。ここの情報が少ないので、ある意味簡単。じつはハヤブサの情報もと思ったけど、自分で観察した情報がない。博物館に提供を受けた情報は、後からチェック。ちなみにフクロウ類のチェックのついでに、夜の鳥として、ヨタカ、ジュウイチ、カッコウ、ついでにトラツグミも引っ張り出せた感じ。ナイトハイクやその下見の下見の情報がとても役に立った。また山の上で夜明けを迎える企画をやった方がいいなぁ。
現状の分布図を見ると、万博公園のオオタカ、泉大津のハヤブサ、星田園地のハヤブサ、野間の大ケヤキのアオバズクとフクロウ。と、大阪府では超有名な繁殖地の情報が提供されていない様子。誰か提供してあげて〜。フクロウも調べているみなさんが情報提供したら、もっとメッシュが埋まるのになぁ。アオバズクもよく知られた産地が入ってないなぁ。逆に、サシバプロジェクトのおかげで、サシバの分布図の信頼性は高い。

チョウゲンボウは、あちこちで繁殖してるっぽいのに、いざとなると提供できる情報が少ない。どうしてかなぁ。
トビとミサゴは、繁殖期に観察したからといって、繁殖の可能性有りとしていいか悩むけど、営巣地もあるし、繁殖しておかしくない。といえばおかしくないしなぁ。という訳で、繁殖の可能性ありに。
ジュウイチとカッコウも悩む。金剛山とかだと繁殖期に鳴いてるんだけどなぁ。ジュウイチの托卵相手にオオルリも選ばれるなら、繁殖できそうなんだけど。カッコウは托卵相手はいろいろいるから、なんとかなりそうな気もするけど。実際に、大阪府での繁殖記録は、和泉市と高槻市でモズに托卵した例だけ。金剛山にモズはいない気がするなぁ。カッコウは淀川でも繁殖期の記録があるんだけど、これすら繁殖扱いにできるか悩み。こちらは繁殖の可能性なしに。ほら遅く渡る気もするし。恣意的かなぁ。

前回の計画をさっそく変更して、次は山の非スズメ目の残り。カッコウ科とキツツキ科を中心に、さりげに飛ばしたヤマドリとコジュケイ、アオバトのデータを引っ張り出すとしよう。非スズメ目では、カワセミがちょっと浮いてて、ちぇっくしにくい。水辺シリーズでしとけばよかった。
同時に一通りチェックできるのは、同じようなパターンで出現する6種程度が限界。それ以上だと、何をチェックすべきか覚えきれずに効率が悪い。
●2020年10月24日 鳥の観察会 午前vs午後

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、野外観察会も人数制限がかかっていた。おおむね9月まで。それでは参加者数が激減してしまうので、同じ内容で、午前と午後のダブルヘッダーで企画した。マスクさえして、あまり接近しなければ、人数制限は緩和して(つまりあまり考えなくて)いいかぁ、と10月から変更。でも、すでに案内は出ていたので、今月の行事までは行事制限付き。
野外観察会などの普及行事を再開したのは8月から。という訳で、8月、9月、10月の3回の植物園案内がダブルヘッダーとなった。植物園を2時間ほど歩き回るだけなのだけど、午前と午後の2回となるとけっこう疲れる。そして、同じような場所で同じ日に実施しているのに、午前と午後でけっこう違う観察会になる。3回分しかないが、午前と午後でどのような傾向があるのかを、まとめてみよう。また人数制限かかるかもしれないし。

●8月29日 秋の渡り鳥の観察会
【午前に観察した鳥】カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、センダイムシクイ、メジロ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、カワラヒワ(以上20種)
 →渡り鳥としてはセンダイムシクイとキビタキがでたがじっくりは観察できず。池でカワセミ見れたから良かった。ヒヨドリ幼鳥、グルッと回るカワウ、エノキ果実を食べるハシブトガラス、チシャノキ果実を食べるスズメ。普通種をじっくり観察できた。

【午後に観察した鳥】カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、メジロ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、カワラヒワ(以上20種)
 →午後はタイトル通りセンダイムシクイとエゾムシクイを間近に観察できた。スズメやヒヨドリの水浴び、グルッと回るカワウ。メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラなども観察できた。が、カワセミは見つからず。

●9月12日 はじめての鳥の羽根ひろい
【午前に拾った羽根】ドバト、キジバト、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、カワラヒワ(以上8種)
 →熟練者や熱心な子どもがいてくれたので、どんどん面白いのを拾ってきてくれて楽だった。ドバトの捕食跡も1ヶ所見つけた。ついでにキノコの観察もすることに。

【午後に拾った羽根】ドバト、キジバト、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ(以5
種)
 →午後は熟練者がおらず、羽根があまり見つけられない。午前とコースを変えないと拾われた後になるのも辛かった。結局、羽根拾いよりはドングリ拾い。あるいはキノコや植物やカメなどを説明していることが多かった。5歳以下の小さい子どもたちが多かったというのも大きい。

●10月24日 秋の渡り鳥2
【午前に観察した鳥】カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、オオムシクイ、ツグミ類の一種、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ(以上22種)
 →オオムシクイやキビタキは出現したが、むしろメジロやヤマガラを観察してることが多かった。カワウがグルッと回るのは今日もうけた。カワセミが出たので、観察会は成功。

【午後に観察した鳥】カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カワセミ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、オオムシクイ、クロツグミ、マミチャジナイ、シロハラ、ジョウビタキ、コサメビタキ、ムギマキ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ(以上26種)
 →ハクセキレイとキビタキを発見。盛んに地面に降りては樹に戻るを繰り返す。しばらくするとコサメビタキ、ムギマキ、ジョウビタキが次々出現。ムクノキ周辺で大型ツグミ類の群れに遭遇。マミチャジナイが多く、クロツグミやシロハラも混じっていた。という具合に、タイトル通り渡り鳥がいっぱい出現した。一方、カワセミは見れたけど、ヤマガラはあまり見れず。

 結論としては、少なくとも秋の渡り鳥の観察会において、午前と午後のどちらがいいかは一概に言えない。むしろ午後の方が楽しかったりする。ダブルヘッダーは悪くない。
 一方、羽根拾いは、目が多い方がいいし、熟練者がいないご厳しいし、同じ場所は一日1回しか使えないので、ダブルヘッダーは辛い。
●2020年10月23日 河川の環境評価

河川の管理の方向性として、治水と利水に加えて、生物多様性の保全があがるようになったのは、意外と前の話。で、今度は、生物多様性の保全をどう進めるか具体化すべく、どこかの省は、河川の環境の目標を決めるということを思い付いたらしい。それ自体は歓迎すべきだけど、具体的なプランが微妙。
人間の影響がまったくない状態が理想型と位置づけた上で、一気にその状態にするのは無理なので(一気でなければできるのかはさておき)、途中段階の操作的な目標として“レファレンス”というのを設定するらしい。このレファレンスの設定仕方が疑問だらけ。河川の一定範囲内で、一番自然環境が良好な場所をセレクトして、レファレンスとするという、つまりその範囲内は、すべてレファレンスと同じ状態であることを目指すってことになる。
さらにレファレンスにすべきサイトの評価・選定するために、10数個の変数を設定して、まずは河川の各地点をそのモノサシで評価するんだそうな。そのモノサシは、干潟の広さやヨシ原の広さ、外来植物の有無、砂礫地の広さ、自然な岸の長さなどなど。個々のモノサシはなにかしら環境評価につながりそうではある。モノサシは国内のたくさんの地点の数多くの変数から絞り込んだ結果だそうな。

さまざまな問題点が思い浮かぶ。とくにレファレンスの設定して進めるという考え方について。
・そもそも今さら人間の影響がない状態を理想にしても仕方がない。
・あるいは現在存在しなくても目標設定すべき場合がありうる。
といった点をおいとくとしても、
・ある範囲内をレファレンスと同じ状態にするのは、その区間内においても、河川全体においても、生物多様性の低下につながる恐れがある。
という点が一番問題。環境の異質性の重要さ、あるいはさまざまな環境が隣接することが重要という視点をまるで欠いている。生物多様性のかなり基本的な部分と思うけどなぁ。
・付け加えるなら、現存の堤防の範囲内だけで議論しても仕方がないと思う。さらに広く遊水池の新設を含めた議論が望まれる。
●2020年10月21日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その2:チドリ科〜カモメ科

昨日に続いて、全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供の作業。今日は3時間で挫折。チドリ科〜カモメ科って、チドリ目だけだし。チドリ類4種とイソシギとコアジサシだけだから、6種のデータを引っ張り出せただけ。
比較的まとまった調査があって、その結果を流し込めばよかったカワウとサギ類。ため池とかに行ったデータを引っ張り出すだけでよかったカイツブリ、カルガモ、バン。とは違って、2016年から2020年のフィールドノートを一通り眺める必要があって、とても手間取った。おかげで、昨日のデータの補充もできたけど。
この5年間にやってきたことの全体像がなんとなく判ってきたので、これからはもう少し手際よくできるかも。とにかく今日で、水鳥は一段落だし。まだ博物館に提供頂いたデータを探したりしないといけないけど…。

とにかくシロチドリとコアジサシの情報が少ない。大阪府の繁殖地は壊滅に近い。今年は実際にコアジサシの大規模繁殖地は確認されてないし。イカルチドリも予想通り、生息地は限られている。ただメッシュが粗いので、大阪府に広くいるかのようになる。イソシギは記録は多いけど、繁殖してるかは謎。コチドリが意外と記録が少ない。もっとあちこちにいるイメージなのになぁ。タマシギは面倒なのでとりあえず後回し。

今後は、いよいよ陸鳥に突入。
まずはタカ科、ハヤブサ科、フクロウ科の猛禽類御三家かなぁ。
続いて、ツバメ科、セキレイ科って感じか。あわせてヒメアマツバメ。ついでにカワセミ科というかカワセミも。
次いで、草地や裸地の小鳥類ってことで、ヒバリ科、オオヨシキリ、セッカ。
流れで、都市鳥のデータを拾って、スズメ科とムクドリ科とカラス科とハト科とイソヒヨドリをやっつける。
そしていよいよ山の鳥たち。ついでにカッコウ科とキツツキ科とアオバト。コジュケイ付き。
なんか抜けてる気がするけど、予定通りでもあと5日はかかりそう。
●2020年10月20日 全国鳥類繁殖分布調査へのデータ提供 その1:キジ科〜クイナ科

面倒そうなので先延ばしにしてきたけど、そろそろ取りかからないとまずかろう。ということで、重い腰を上げた。予想通り、とても手間取る。データを引っ張り出すだけでなく、入力フォームが癖が強くて、なれるのに時間がかかったのもある。最初は、同じデータを再送したり、繁殖ランクを弱めで報告してしまったのがありそう。でも、まあ大勢には影響ないだろう。
とにかく全国区のデータ提供は、ハッカチョウだけにとどめよう。しかし、大阪府は抜けがないような分布図にしたい。ってことで、出来るだけ埋めることに。
で、初日は4時間がんばって、キジ科〜クイナ科まで。といっても、ヤマドリ、ヨシゴイ、ミゾゴイは、検索が面倒なので後回し。キジバトはあまりに多いので後回し。アオバトは林の鳥シリーズでまとめてやろうと後回し。バンはやったけど、2019年をチェックしただけでは、あまりにデータ量が少ない。仕方が無いので、2016-2018年も探すことに。一緒にオオバンとヒクイナデータも探そう。
ってことで、カルガモとカイツブリ、及び、カワウと樹上営巣のサギ類のデータを引っ張り出しただけ。幸い2019年に大阪府のカワウ・サギ類の繁殖調査をしたので、ほぼ完璧な分布情報を提供できる。本来なら、今年、大阪府のため池で繁殖する鳥の調査をして、他の水鳥も完璧になるはずだったんだけど、残念ながらため池調査はできず。2017年の大阪市、2018年の大阪府のそれぞれの公園調査を絡めつつ、可能な範囲のデータ提供にとどまる。

カルガモが意外とメッシュを埋めれたのに対して、バンが意外すぎるほどメッシュが埋められない。毎月おこなっているため池の水鳥調査でもバンの出現頻度が減ってると思ってたけど、本当に減ってる可能性が高そう。全国区での傾向も、今回の繁殖調査で明らかになるだろう
●2020年10月18日 市街地周辺の緑地で繁殖する大阪のオオタカ

大阪府で、オオタカが市街地周辺の緑地で繁殖したのは、2007年の万博記念公園(吹田市)が最初。その後、2011年と2012年に桃ヶ池(大阪市阿倍野区)、2012年には履中量(堺市)と山田池(枚方市)でも営巣したらしい。桃ヶ池は抱卵までで失敗。履中陵はどうやら巣立ったけど、その後、あまりオオタカ繁殖の話を聞かなくなった。一方、万博公園と山田池は今も繁殖は継続しているっぽい。
2018年に大阪鳥類研究グループで大阪府内の10ha以上の公園で繁殖する鳥の調査をした時は、3ヶ所でオオタカを確認(山田池、堺市、岸和田市)。この時の調査で確認できなかったけど、万博公園でもオオタカは営巣していた。この年は大阪城公園でも造巣活動が確認された。
岸和田市でオオタカが確認された公園は、周囲に市街地も増えてきたとは言え、どっちかと言えば農耕地の中の孤立林というべきかもしれないが、それはいいことにしよう。ざくっとこの年は、大阪の市街地周辺で5ペアのオオタカが繁殖を試みたことになる。

大阪府で繁殖するオオタカは、1980年代までは数ペア程度だったっぽいが。2000年〜2001年の調査では30ペアに増加、しかし再び減少して2015年頃には15ペアだけとの調査結果がある(『大阪府鳥類目録2016』)。この15ペアに万博公園とか市街地周辺のオオタカは含まれていないと考えて、2015年と同じオオタカペアが2018年も山林に棲息してるとしたら、2018年時点で大阪府内で営巣を試みたオオタカは20ペア。その内、5ペアが市街地周辺にいたことになる。市街地周辺のオオタカの割合がかなり高い気がする。
市街地周辺の方が、ドバトやムクドリが多くて、食物環境としてはむしろ好適地と言えるほど、あとは営巣環境さえ整えば。あるいはオオタカが人間活動を気にしなければ。はたまたカラスに邪魔されなければ。市街地周辺は、むしろオオタカの繁殖地として好適と言える。
山林で繁殖するオオタカがこのまま減少し、市街地周辺で繁殖するオオタカが増加すれば、やがてオオタカは立派な都市鳥になるに違いない。営巣場所に刷り込みの要素が関わるなら、オオタカの都市鳥化のスタートはすでに切られたと言ってもいいんじゃないかと思う。
●2020年10月17日 雨の植物園で漂鳥について考え損ねる

この冬は、ヤマガラがたくさん平地に降りてきてるように思う。少なくとも大阪府でウロウロしている感じでは、大阪平野のあちこちでヤマガラの声を耳にする。丘陵の林や公園、平地でも大泉緑地などの公園では、ヤマガラが繁殖するようになっているので、平地に降りてきてるという表現は間違ってるかもしれない。でも、大阪市内ではまだヤマガラは繁殖していないし、地元の長居公園では年によっては秋に出現して、冬の間滞在する鳥なので、いわゆる漂鳥ってイメージ。
一昔前の鳥類図鑑には、鳥の渡り・移動の区分として、留鳥、夏鳥、冬鳥、旅鳥、迷鳥と一緒に、漂鳥が並んでいた。今の図鑑を確認してみると、漂鳥は入っていない。きっとイマドキの若い者は漂鳥って言葉も知らない。って時代になりつつあるのかもしれない。
でも、漂鳥っていう区分は、他の渡り・移動の区分とは質的に違っていて、一緒に並ぶのは違和感しかない。なんとなれば、他の区分が特定エリアへの出現パターンだけで決まるのに対して、漂鳥は“どこから来たか”が判らないと決められないから。多くの人が思う漂鳥のイメージは、ウグイスらしい。夏は山で繁殖して、冬は平地に降りてくる。この短い距離の移動、というか垂直方向の移動をさして漂行という。漂行する鳥が漂鳥。大阪府といったまとまったエリアで言えば、年中棲息しているけど、留鳥とは言いたくない気がする。だって一つの場所に留まってないもん! でもこの移動を渡りと言ってしまった時、年中いるからどのカテゴリーにも当てはまらない。ということで漂鳥と言葉が出現。
気持ちは解るけど、季節によって生息場所が少し変わるのは、ためらわず留鳥と呼んでる多くの鳥でもあること。そもそもきちんとどこからどこへ移動している鳥がほとんどないのに、どうして山から降りてきたと判るの? と言う具合に、漂鳥という言葉を採用したらしたで問題山積み。
イマドキは、設定したエリアでの出現パターンだけで、渡り・移動の区分をするのが普通。それが論理的なので、それでいいと思う。でも、山から降りてくるといったパターン(たぶんあってる)が考慮されないのは少し残念でもあったり。
で、ヤマガラ。大阪市内でヤマガラは毎年越冬する訳ではなく、山から降りてくる年と、降りてこない年がある。ざくっと言えば、長居公園では偶数年度ではけっこう降りてくるけど、奇数年度はあまり降りてこない。冬期の食料となる樹木種子の豊凶が関係してるんじゃないかと思うけど。それはさておき、毎年降りてくるウグイスとは違ったパターン。毎年降りてくるウグイスは気持ちよく漂鳥と呼びたくもなるけど、ヤマガラは年によって留鳥だったり、漂鳥だったり。ヤマガラは漂鳥と呼んでもいいんだろうか?
●2020年10月16日 川砂を運び出して、山土を買い入れる

とある河川の工事における環境影響評価的な会議に出席。土木用語が説明無しに飛び交いまくるので、なにを言ってるか分かるまでに時間がかかる。
川岸に沿って高速道路を建設するんだけど、完成した道路は地下を走るんだけど、工事中堤防を削るので、仮堤防を河川敷側に張り出す必要があって、さらに工事車両を走らせる道路も河川側につくる必要があって、なんやかんやでヨシ原を一部埋め立てることになる。ヨシ原に棲息する生物への影響を最小限にして、また工事後の復旧を考えるといった会議。
生き物や環境には詳しくても、土木には素人相手なのだから、もう少し親切な説明をしてもらいたいもんだ。って不満はさておき、いろいろ勉強になる部分もあって面白くもあり、新たな問題を見つけたりもする。
工事車両が通る道路の下には、岩ズリという破砕した岩を埋めて、その上にプラスチックの構造物を敷いて、その上に鉄板を敷くらしい。海洋プラスチック汚染の問題をはじめ、プラスチック使用を減らそうという動きが起きている中、工事では平気でプラスチックを使いすぎ。レジ袋使用以上に、こうした産業界でのプラスチック使用を減らす方が、環境負荷は減らせるんじゃなじゃないかと思う。
仮堤防をつくるために、山土を買い入れるらしい。しかしこの河川では、浚渫だのなんだので、けっこうな量の川砂を運び出して処分してるはず。その川砂を使えないのか?と言ったら、必要な質の必要な量を必要なタイミングで入手できないから無理とのこと。判らなくもないけど、環境視点で言えば、できるだけ、砂や土の出入りも河川内で済ませる努力をしてほしいもん。
今までのやり方に安穏とばかりされては、環境は改善されないなぁ、と思わされた。あと思ったことは、会議が長すぎるなぁってこと。4時間もやってたし。
●2020年10月15日 東日本大震災の標本レスキューの展示

明日から、その特別陳列がオープン。ってことで、昼間調査に出かけたあと、家で一休みして、夕方から博物館に出てきた。担当はケース1つだけ。それだけに、直前にならないとやる気が出ない。あと、展示の全体コンセプトが今一つ判ってないので、他の展示ができてから、それにイメージを合わせるべく、ギリギリに準備をするって側面もある。
アカショウビンの本剥製と、タカや大型哺乳類の骨角器、そして「せき坊」のオリジナルである人面付石棒のレプリカ。以上、6点の短い解説付きのラベルを作って、並べるだけ。おまけで修復前のアカショウビンの画像も付けちゃえ! というわずかな物、なのに3時間ほどかかってしまった。ミュージアムグッズの第2回サミットを聞きながら作業していたからかもしれない。
●2020年10月13日 秋〜冬の果実チェックスタート

昔は一年中、地元公園で果実をチェックして、鳥のセンサス調査をしていたものだが、秋冬の果実と果実食鳥の関係に興味の的が絞られてからは、秋から果実がなくなる2月か3月頃までが、果実チェックの季節になった。それでも、鳥のセンサスは年中続けよう、と思いつつだんだん果実チェックの季節だけになってきた。
という訳で、今年も遅ればせながら地元植物園の秋冬物果実のチェックを開始した。本当は9月スタートを目標にしてるのだけど、果実がなくなるタイミングを押さえたいだけだったりするので、9月スタートが面倒になってきて、10月スタートの年が増えてきたかも。
長年続けていると、メリハリのない曖昧な年も多いのだけど、大ざっぱに言えば、偶数年度は果実が少なめで、奇数年度は果実が多め。今年は偶数年度なのでどっちかと言えば果実は不作の予定。とはいえ、すべての樹種のすべての個体が一斉に不作になったり、豊作になったりするわけではない。ものすごくはっきりした年ならともかく、ほぼすべての年は、実の成りが良い樹種・個体があれば、成りが悪い樹種・個体もいる。今シーズンの実の成り・不成の傾向を記録しておこう。

【不作組】
クスノキ:全体的に不作。個体数が多く大木になるので、公園全体の果実供給量もクスノキに大幅に左右される。そういう意味で、今シーズンは不作といっていいだろう。
モチノキ:どの個体も不作。
タラヨウ:ほとんど果実ができていない様子。
カキ:3個体見ているけど、実が出来てるのは1個体だけで、数も少ない。

【豊作組】
エンジュ:いっぱい実が成ってる。エンジュはクスノキと成り・不成が逆になるのが普通なので、これは予定通り。
トウネズミモチ:どの個体もかなり豊作
センダン:どっちかといえば豊作か、並作。

【微妙】
クロガネモチ:たいていの年は、微妙。というかなぜか個体差が大きい樹種。それなりに実ってる個体もあるけど、明らかに不作の個体もいる。
●2020年10月12日 大山崎〜長岡京コースまとめ

阪急大山崎駅から桂川沿い、小泉川沿いを歩いて、阪急長岡天神駅までを歩いてのハッカチョウセンサス調査。昨年11月から毎月実施して、今日で12回になるけど、一度もハッカチョウがでなかった。
2015年〜2018年にはこのコース周辺でハッカチョウが繁殖していたらしく、繁殖期に観察されているのだけど、2019年にはもういなくなってしまったらしい。2020年になって少し南東の宇治川沿いのエリアから情報が届いているので、引っ越したと考えた方が良さそう。まあ、こちらのエリアにいないことを確認しないと気持ちが悪いので、調査をしたことのは問題無いけれど、一度も出なかったのにハッカチョウセンサス調査を名乗るとはおこがましい感じ。
このコースでこの一年の成果といえば、コース途中にある農作物の無料販売所で野菜や果物を買ったこと。
 11月:水菜、菊菜
 12月:ターサイ、緑の大根
  1月:ターサイ、菜の花
  2月:白菜、水菜
  3月:大根、ブロッコリー、ネーブル
  4月:(なぜか買わなかった)
  5月:(竹の子が並んでたけど高くて断念)
  6月:(売り切れてなにも並んでなかった〜)
  7月:胡瓜、トマト
  8月:茄子
  9月:(茄子ばかり並んでいたが、冷蔵庫に茄子がいっぱいあったので買わず)
 10月:小蕪、水菜、ターサイ、茄子
せっかく毎月長岡京市に通ってたのに、タケノコを買いそびれたのが残念。朝採りのを買うには、通過時刻が遅いらしい。そして、この時間帯で売ってるのは、どれも高すぎる。もうこのコースを歩くことはないから、野菜が買えないんだなぁ。
●2020年10月11日 スズメの集団ねぐらの引っ越しのタイミング

通勤途中にあるスーパーの北側歩道のプラタナスに、毎年夏頃からスズメの集団ねぐらができる。11月頃だろうか、プラタナスが葉を落としたら、車道をはさんで北側にある公園のクスノキに集団ねぐらは引っ越しする。
ところが昨晩、なにげなくプラタナスを見上げるとスズメが集まっていない。それどころかプラタナスの葉っぱがもう半分以上なくなっている。今朝、見てみると、歩道沿いのプラタナスは軒並み虫に喰われたらしく、大部分の葉っぱが落ちている。例年に比べると1ヶ月は早く葉っぱがなくなったことになる。スズメの集団ねぐらは、北側の公園のクスノキに引っ越したことだろう。
虫によるスズメの集団ねぐらの早い引っ越し。これはスズメになにか影響を与えないのかな? と思ったと気に、ちょうど昨日、太平洋沖を東に抜けた台風が思い起こされる。台風がやってきて、強い風が吹くのは、台風が西側を通過した時の南風が激しい。夏などに夜、嵐が通過してスズメが大量死するのは、時々起きること。というのを考えると、南側をスーパーの建物でガードされた集団ねぐらは、台風による強い南風に対して安全な気がする。それに対してガードのない公園のクスノキは危険では?
11月にもなれば台風はあまりやってこないが、10月だとまだまだ台風がやってくる可能性は高い。虫による早い落葉が、スズメの集団ねぐらの引っ越しをうながし。そこに台風がやってきて、スズメの大量死が起きる。というストーリーを思いついたのだけど、どうだろう? 南風が問題なら、引っ越し先も建物の北側にすればいいような気もするが…。
南側がガードされているのが、台風シーズンには適応的なら、少なくとも夏のスズメの集団ねぐらは、南側に建物のある東西の道路の南側にできる。ということが考えられるけど、そんな傾向はあるのかなぁ?
●2020年10月10日 皮処理シーズンスタート

10月になったので、なにわホネホネ団の哺乳類処理の中心を皮処理にシフト。今日が皮処理シーズンのスタート。処理に時間がかかると、皮が傷むので、暑い季節は避けて、涼しい季節に処理するってことにしてる。上手な人が小さめのを処理するなら、暑い季節でも(クーラー効かせた部屋なら)処理できる。でも、初心者や、大きな皮は、処理に時間がかかるから、安全策として涼しい季節限定にしてる。およそ10月スタートで3月までって感じだろうか。冷凍室は、処理待ちの皮がたくさん待機してるので、頑張らなくてはならない。
で、初日の今日。予定より暖かくて少し焦り、小さめの皮を出した。久しぶりなので熟練者も勘所を思い出し、初心者の練習もかねてって感じ。とりあえずタヌキからモルモットサイズのを9体処理した。今シーズンは何枚処理できるかなぁ。
●2020年10月9日 台風と週末の私

週末に台風が接近してくると、いろいろ考えるべきことが生じて困る。やたらと台風の進路をチェックする回数が増える。
これって、新型コロナウイルス感染症が蔓延すると困る。やたらと新型コロナウイルスの感染者数をチェックしてしまう。ってのと似てる。その動向次第で意志決定が変わるからなぁ。

この週末は、なにわホネホネ団の活動日。そこに台風14号が接近中。最初は大きな予報円ながら、近畿地方直関コースか?と思っていたら、だんだんコースは南よりになってきた感じ。台風のスピードは少し速くなった、かと思ったらまた遅くなり。結局、日曜日には通過してそう。しかし土曜日はなんらかの影響があるかも。
大阪市に暴風警報が出たら、自然史博物館は臨時休館。当然ながら、なにわホネホネ団の活動もできない。大雨警報なら別に関係ない。関係ないとはいえ、参加者にやってきてもらうのは危険を伴うので、あまり推奨されない。それ以前に、自然史博物館は開いていても、鉄道が運休する可能性も考えないといけない。朝は動いていて、自然史博物館に来たはいいが、帰りの時に電車が止まってるというのが最悪。朝、暴風警報が出ていなくても、昼頃に出たら、その時点で自然史博物館は臨時休館。とはいえ、暴風警報の中を帰していいのか?という問題が生じる。
果たして明日、暴風警報は出るのか? 出るなら何時頃か? 鉄道は止まるのか? 計画運休を決断したりするのか? 朝から気象庁や某ウェザーなサイト、さらに鉄道会社のサイトを何度も確認して悩む一日。

【追記】
結局、台風14号は、太平洋の沖合を通過するだけに留まり、大雨や土砂崩れの警報は、近所には出ていたが、風は強風注意報にとどまった。近所の鉄道は問題無く運行、自然史博物館も通常通り開館。
朝方には雨もあがり、普通の土曜日だった。ただ、来館者は少なかったけど。なにわホネホネ団は予定通り活動できた。
●2020年10月8日 外来生物展関連ツイートのインプレッション

外来生物展が8月に終わって、今月はその振り返りが予定されている。そのために広報担当者から外来生物展担当学芸員に宿題が。どんなツイートの反応が良かったかを調べて、今後のSNS戦略につなげるから、この6月〜8月の外来生物展関連ツイートの中から、各自インプレッションが多かった順に3つ報告するようにと。これは学芸員の間の競争を煽ろうという腹か?と思いつつ調べてみた。
ツイッターのアナリティクスでは、現時点では2020年6月までの情報しか出てこないけど、今回の場合ちょうどいい。で、我がトップ3は、

●1位:71717インプレッション、15397エンゲージメント(104リツイート、671いいね)
https://twitter.com/wadat1117/status/1289765419037757441
2020.8.2 コロちゃんが捕まった!のツイート
「魚担当が興奮して駆け込んできて、淀川でスゴイ魚が捕れた!と、連れて行かれる。スゴイってアリゲーターガーとか?と言ったら、そんなもんじゃないという。??で、連れて行かれた先には、ここはアマゾンですか?という感じのイカツイ魚が待っていた。確かにスゴイ。外来生物展で生品展示したい。」

●2位:60827インプレッション、4404エンゲージメント(185リツイート、851いいね)
https://twitter.com/wadat1117/status/1298190529079861248
2020.8.25 電話で展示を褒められたってツイート
「#外来生物展 を見た方から、担当者に話したいことがある。と言われ、怒られるのかな?と、思いつつ、電話に出たら、勉強になったと褒められた。苦言と言えば、字が多くて全部読むのに2時間かかったことと、この展示は教育効果が高いので、もっと中高生に見に来てもらうべきという指摘。同感です。」

●3位:8544インプレッション、320エンゲージメント(10リツイート、64いいね)
https://twitter.com/wadat1117/status/1269840963079335938
2020.6.8 アフリカツメガエルがオープン直前に死んだ!のツイート
「いよいよ明日から #外来生物展。今度は本当にオープンする気配。が、その2日前の昨日、堺市産のアフリカツメガエルが死んでしまった。慌てて今日の午前中、採集に行ったのだけど採れず…。とりあえず知り合いに、もし生きたの手に入れたらおくれ〜、と連絡。展示の水槽は“coming soon”としておこう。」

多くの反応を引き出せそうなネコ関連ツイートを避けたので、まあこんなもんかな、って結果。なんとなく生品関連の反応がいいのは判るけど、電話で褒められたツイートがなぜこんなに伸びたのか判らない。
●2020年10月7日 自然観察地図のコースの10数年ぶり再調査

東お多福山から住吉川沿いを下るコースを歩いた。新人地学担当学芸員の研修に引っ付いていった形。行事でよく使い自然観察地図を作ったりしてるコースの中から、地学ネタがけっこうあるのを選んで研修してる。という訳で、久しぶりに自然観察地図のコースを再チェックするいい機会。また生物の調査ではまず行くことのない季節に行けるので、物珍しくもある。
今回のコースは、自然観察地図を作った時に歩いたっきりと思う。自然観察地図を見ると調査日は、2002年10月と11月、及び2003年5月・6月となっている。2003年は観察会を設定して、5月に下見、6月に行事本番だったらしい。それ以来のコースなので、17年ぶり、秋に関して言えば18年ぶりってことになる。
20年近く経って、自然観察地図もそろそろ改訂が必要な時期にきてる。という訳で、担当部分で修正すべきかどうかを確認しつつ歩くことになった。幸いあまり担当部分の記述は多くなのだけど、

記述通りのままらしいのは、
・この季節で、数羽とはいえソウシチョウが囀っていた。ソウシチョウは相変わらず多いらしい。
・コース終盤の車道に出た辺りで、擁壁の水抜き穴の中にニホンヤモリがいて、卵がいっぱい見れたもんだった。どうなってるのか心配だったけど、同じ擁壁に、やはりニホンヤモリと卵を確認できた。卵が入っていた穴は10ヶ所、ヤモリを見つけた穴は2ヶ所。安定のヤモリ個体群だなぁ。

一方、変化もあった。
・住吉川から五助ダムにかけてで、ツチガエルがけっこう見つかった。かつてはツチガエル自体記録していないのに…。この20年弱の間にツチガエルが増えたとか、山間部に進出したのかな? それとも以前は見逃した?10月の調査は来てないけど、10月はツチガエルが目立つとか?
・このコースは、松枯れ被害があまりなかったらしく、立派なアカマツがけっこう残ってる。自然観察地図にはリスのエビフライのことが書いてあって、けっこう探したのだけど見つけられず。これは、努力が足らなかったんだろう。知らんけど。

景観的な変化もあった。
・東お多福山山頂の見晴らしがとても良くって、大阪平野や大阪湾が見渡せる。とても長めがいい。かつては樹に遮られて見えなかったんじゃないかなぁ。あと山頂部でススキ草地の復元事業が行われていて、ササが刈られ、キチョウが囲われていた。
・カシノナガキクイムシの影響がかなり出ているらしく、住吉川沿いでは、切ったりカバーしたり、対策が行われていた。でも、ハイキング道沿いのアベマキの大木は全滅しそうな気配。そもそも切った木の管理は雑だし、対策もハイキング道沿いしかしてない感じで不充分。
・五助橋断層というのを見ると行って連れて行かれたけど、川を歩いて、藪をこいで到着したら、山が崩れていて、あんまり見えない。それを頑張ってよじ登ったら破砕帯に出会えた(らしい。あまりよく分からなかったけど)。崩れてきた真砂土の緩斜面に大量のハンミョウが群れていて、ハエのように飛び立った。
・ついでに言えば、かつては芦屋川や住吉川ではイノシシが見られたり、その獣道が河川敷にあったりしたけど、今回は痕跡は見つけられず。イノシシの痕跡は山中の足跡や掘り跡や擦り跡だけだった。

20年近く経った割りにはあまり変わってない。というべきなんだろうか。
●2020年10月6日 コロナな中で裏方探検

年に2回、博物館のバックヤードツアーの行事がある。大勢が収蔵庫に出入りしても、問題の少ないであろう冬期の恒例行事。1月の正月明けに一般の小中高生向け、2月の祝日からめて友の会会員向け。それを、この新型コロナウイルス感染症が拡がる中で、どうするか? ってみんなで頭を悩ます。
通常は、15人前後の3つの班に分かれて、バックヤードを探検する。管理棟の廊下を歩く分にはいいけど、説明をする際には集まるので密集することになる。私の担当は例年、鳥の仮剥製作りを見せることなんだけど、この十数人に囲まれることになる。明らか密集。そして、収蔵庫に行くんだけど、収蔵庫はそもそも物がいっぱいで、通路も狭め。説明聞くなら確実に密集。
密集を避けるなら、1つの班の人数は、6〜8名くらいまでだろう。というのが、学芸員の会議の席での見解だったし、面白いことに友の会行事のスタッフ側の方も同じような数字をあげていた。となると、例年と同じ人数をこなすには、班の数を倍にする必要がある。すなわち労力が倍。そもそも学芸員総動員で、さらに補助スタッフを投入して、ようやく実施してる行事。ダブルヘッダーで、なんとかこなしてる行事。それを投入労力を倍にするのはかなり難しい。
さらに一般の小中高生向けは、博物館実習生を投入する設定になってる。でも、事実上博物館実習生はスタッフというより、お客さま状態。新型コロナウイルス感染症下では、密集度を上げる要員にしかならない。しかし、博物館実習生を投入しないならしないで、その間の実習生対応という新たな労力が必要になる。
てなことを考えた末、先日の学芸会議に引き続き、今日の友の会事業WGでも、とりあえず一般の小中高生向けの実施は断念せざるを得ないという結論に。
●2020年10月4日 はじめてのリアル行事

今日の観察会では、地学の新人学芸員がリアル観察会デビューしていた。今年は、新型コロナウイルス感染症のせいで、デビューがこんなに遅くなってしまった。リアル観察会デビューの前に、リモート講演会は体験してる、というのもイレギュラー。ともかく、観察会参加者(つまり大部分は友の会会員)と、リアルでやり取りするのは初めてってことになる。初々しいし、けっこう頑張ってた感じ。
そう言えば、自分の場合はどうだったっけ? 20年以上前で、当時は自分のサイトも持ってないので、曖昧な記憶頼りだけど。フィールドノートを見ながら思い出すなら、初めての観察会参加は、採用されて1ヶ月ちょっと経ってから、5月の滋賀県彦根市での地域自然史シリーズ「芹川」。植物や昆虫の名前を嬉しそうに記録してるけど、鳥を説明した記憶はないし、カエルはタゴガエルすら同定できてない…。参加者の変わらない状態っぽい。
続いては、6月の岬町での磯観察。これは安全確認とかが役割で、これまた鳥の説明はしてない。ノートには海岸生物の名前がいっぱい書いてあって、はじめての磯観察を満喫していたらしい。
そして、秋から長居植物園での鳥の観察会を始めたんじゃないかなぁ。最初の2回は仕事というより一参加者状態。いまどきの新人さんが優秀なことがよく分かる。
●2020年10月3日 イソヒヨドリの雌は囀ずるのか

イソヒヨドリはメスも囀ずるってことになってるはず。いくつか記述を拾ってみよう。と思って、手近な鳥の図鑑をパラパラめくったけど、どこにもメスも囀るとは書いてない。どうしてメスも囀ると思ったんだろう?
でも、少なくとも秋には、メスのように見える個体が囀っている。これはメスが囀っているのか、メスそっくりなオス幼鳥が囀っているのか? というのが、そもそも今日の鳥の観察会で話題になったこと。
図鑑にはオス幼鳥は、成鳥のオスとメスの混ざったような羽衣だとか、翼上面や背に青色味があり、腹には赤味がある。と書いてあるのが普通。でも、腹が赤くなくて、翼上面や背がけっこう青い個体も見かけると思う。これはオス幼鳥やんね? つまりオス幼鳥の羽衣には変異があるってことで。腹の赤味が頼りにならないなら、翼上面や背の青味が頼りになるんだけど、オス幼鳥は、どの程度青いの? メス成鳥でも青味があったりしないの? 上面に青味のないオス幼鳥はいないの? という疑問。
キビタキでは、メス成鳥とそっくりなオス幼鳥もいれば、リュウキュウキビタキみたいな感じの黄色いオス幼鳥もいる。成羽の入り方はさまざま。イソヒヨドリでもそうだとすると、外見でオス幼鳥は見分けられない。少なくともメスっぽい個体が秋に囀っていても、メスが囀るとは言えない。
繁殖期に繁殖ペアのメスが囀るのを確認する必要がある。あと、標本でオス幼鳥の羽衣の変異を確認しよう。というのが自分への宿題。
●2020年10月2日 日本の野鳥のご長寿記録

山階鳥類研究所から、標識調査の申請書類や、2018年の鳥類標識調査の報告書と一緒に、別刷りが送られてきた。山階鳥雑誌の「鳥類標識調査により得られた種別の生存期間一覧(1961-2017年における上位2記録について)」(吉安・森本・千田・仲村2020)がきた。
あくまでも鳥類標識調査で判った範囲で、あくまでも最長記録と2番目の記録を抜き出しただけ。とはいえ、大雑把に寿命の話をする際のネタになる。そういう意味で、鳥の話をするときに役に立つのは間違いない。
調査をしたり、カラーリング情報を集めたりして、馴染みの鳥の最長記録をピックアップしてみよう。
 オオミズナギドリ:36年8ヶ月
 ユリカモメ:27年1ヶ月
 カワウ:17年2ヶ月
 コサギ:12年5ヶ月
 キジバト:10年
 ヒヨドリ:10年4ヶ月。
海鳥の寿命が長いのはよく知られている。そして大きい鳥ほど長生きという傾向も知られている。それで言えば、キジバトの寿命はやけに短め。他のハト類もチェックしてみると、
 シラコバト:4年8ヶ月
 キンバト:2年6ヶ月
 アオバト:0年11ヶ月
こうなってくると、ハト類はあまり調べられていないってだけらしい。
●2020年10月1日 今年の目標 3ヶ月ヴァージョン

例年、12月に入ってから、その年の目標を立てたりしてきた。しかし、今年はなんとなく残り3ヶ月時点で目標を立ててみようと思い立った。というのも、例年なら11月に大きなイベントがあって、それが終わるまでは、細々とした作業に頭が回らない。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症で、イベントは中止。新型コロナウイルス感染症のために実施できるか心配していた博物館実習は無事に終了。つまり、今年の大きな出来事は、残り3ヶ月もあるのに一段落した感じなわけ。という訳で一覧を作ってみよう。
秋から冬の新型コロナウイルスの感染拡大状況次第では、予定は変わるだろう。けど、今年は大きな変更はもうないかも。

【普及・行事系】
・月1回のジュニア自然史クラブ、大阪鳥類研究グループの観察会。隔月の友の会読書サークルBooksの会合。なにわホネホネ団の活動は月3日程度。植物園案内を2回。
・子ども祭りのキックオフは断念か?
・11月にフェスティバル代替のシンポジウム。
・ホネ作りの実習、神戸市北区で地域自然誌シリーズ。
・11月からは普及担当として、会議と保険処理、そして来年度の行事の仕切り。

【講演系】
・11月に新型コロナウイルス感染症下での観察会の話。
・11月に大阪のサギ類の変遷の話。
・12月にカラスの話を1つ頼まれてる。
・12月に大学生相手に常設展示の解説。

【調査系】
・年末年始は恒例の標識調査。
・毎年、冬期を中心に実施している鳥類センサスと果実チェックを、10月からスタート。
・この12月〜1月には、大阪湾岸のカモメ類調査を、大阪鳥類研究グループで実施予定。新型コロナウイルス感染症次第では実施断念もあるかも。
・京都府と奈良県のハッカチョウセンサス調査。10月にこの1年分を一段落させて、11月から別コースでスタート。京都府に2コース設定するか悩み中。

【標本製作・整理系】
・涼しくなってきたので、哺乳類の皮処理をスタート。
・砂場のホネ洗い。最低限マゴンドウは処理する必要あり。
・臨時休館中に整理したウミガメ、鳥の仮剥製、ホネ標本を冷凍燻蒸して収蔵庫へ。
・10月に寄贈される岡本コレクションを登録の予定。

【展示系】
・2022年春の鳥の特別展の企画を考える。

【データ系】
・瀬戸内海岸の水鳥調査のデータを整理して、自然史研究執筆。
・日本鳥類繁殖地図調査のデータをバードリサーチに提供。

頑張る必要があるのは、最後のデータ系2つ。
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