日記風覚え書き

2018年10月11月、12月
(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2009年1-3月4-6月7-9月10-12月、2010年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2011年1-3月4-6月7-9月10-12月、2012年1-3月4-6月7-9月10-12月
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●2018年12月31日 この一年に買った本

大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。

2018年に買った本は、356冊。購入金額は342,301円+税。冊数、購入金額ともに歴代1位だった2017年をさらに上回った。

購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:32冊、63,366円+税
・SF関連:153冊、176,042円+税
・ライトノベル:7冊、4,480円+税
・その他小説など:1冊、570円+税
・マンガ:162冊、97,843円+税

冊数は、昨年と比べて、自然史関連本はやや少なめ、SFはとても多く、そしてマンガは昨年並み。昨年のマンガ冊数は史上最多だったので、最高を維持したことになる。

今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本34冊、SF関連211冊、ライトノベル3冊、その他小説0冊、マンガ132冊(マンガの冊数は少し不正確)。合計380冊(マンガ抜いたら248冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、107%(マンガ抜いたら128%)。自然史関連本やマンガは昨年なみだけど、SF関連本を読みまくったので、なんと読破率が100%超え。タイプ別の読破率は、自然史関連本106%、SF関連138%、マンガ81%。

総括としては、とにかく本をたくさん読んだ。そのため特にSFとマンガをたくさん購入した。家の中を眺めると、本棚が自然史関連本2本、SF+ライトノベル5本、マンガ2本。というのは変わらないが、マンガが本棚からあふれだした。SF+ライトノベル5本には、未読の本棚が2本あったのが、1.5本に減少した。

<過去のデータ>
◆購入本
・合計
 2006年:145冊、188,207円+税
 2007年:144冊、197,299円+税
 2008年:106冊、132,534円+税
 2009年:131冊、181,830円+税
 2010年:181冊、196,027円+税
 2011年:127冊、172,199円+税
 2012年:166冊、147,826円+税
 2013年:164冊、201,353円+税
 2014年:206冊、307,024円+税
 2015年:199冊、265,288円+税
 2016年:246冊、296,764円+税
 2017年:327冊、318,520円+税

・自然史関連本
 2006年:42冊、83,087円+税
 2007年:56冊、96,431円+税
 2008年:37冊、72,764円+税
 2009年:56冊、99,396円+税
 2010年:52冊、103,247円+税
 2011年:46冊、104,819円+税
 2012年:49冊、80,138円+税
 2013年:38冊、83,039円+税
 2014年:70冊、156,011円+税
 2015年:56冊、123,409円+税
 2016年:67冊、145,430円+税
 2017年:58冊、95,399円+税

・SF関連
 2006年:60冊、74,240円+税
 2007年:61冊、78,780円+税
 2008年:52冊、60,470円+税
 2009年:56冊、66,230円+税
 2010年:38冊、41,140円+税
 2011年:50冊、45,627円+税
 2012年:62冊、65,320円+税
 2013年:69冊、81,750円+税
 2014年:89冊、130,210円+税
 2015年:86冊、104,140円+税
 2016年:90冊、98,575円+税
 2017年:97冊、117,410円+税

・ライトノベル
 2006年:14冊、9,282円+税
 2007年:12冊、8,740円+税
 2008年:7冊、6,494円+税
 2009年:5冊、4,440円+税
 2010年:6冊、4,564円+税
 2011年:7冊、6,004円+税
 2012年:5冊、4,378円+税
 2013年:5冊、5,150円+税
 2014年:2冊、1,800円+税
 2015年:5冊、6,200円+税
 2016年:4冊、4,700円+税
 2017年:5冊、4,040円+税

・その他小説他
 2006年:6冊、8,743円+税
 2007年:7冊、8,253円+税
 2008年:3冊、4,700円+税
 2009年:4冊、6,200円+税
 2010年:4冊、5,000円+税
 2011年:4冊、4,300円+税
 2012年:5冊、6,425円+税
 2013年:3冊、6,000円+税
 2014年:1冊、2,800円+税
 2015年:2冊、2,530円+税
 2016年:3冊、3,000円+税
 2017年:1冊、1,400円+税

・マンガ
 2006年:23冊、12,855円+税
 2007年: 8冊、5,095円+税
 2008年: 3冊、1,554円+税
 2009年:10冊、5,564円+税
 2010年:81冊、42,076円+税
 2011年:20冊、11,449円+税
 2012年:45冊、26,104円+税
 2013年:49冊、25,414円+税
 2014年:44冊、28,605円+税
 2015年:50冊、29,009円+税
 2016年:82冊、45,059円+税
 2017年:166冊、100,271円+税

◆読んだ本(冊数・読破率)
 2006年:84冊、58%
 2007年:101冊、70%
 2008年:69冊、65%
 2009年:76冊、58%
 2010年:106冊、59%
 2011年:74冊、58%
 2012年:81冊、49%
 2013年:96冊、59%
 2014年:97冊、47%
 2015年:96冊、48%
 2016年:167冊、68%
 2017年:246冊、75%
●2018年12月30日 2018年のまとめ 外来生物調査、弁当作り、SF読みまくり

今年の1月の予言を思い返そう。
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3月に北海道、8月に高知県、9月に新潟県に行くことになるだろう。11月には大阪で、自然史関連の大きなイベントが開かれるだろう。
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当たるように調整した予言は、予定通り完璧に当たった。生態学会、友の会合宿、鳥学会に行くことと、フェスティバルをを予言しただけなので、当たるに決まってる。ちなみに遠征としては、この他にもう一度12月に高知県に行った。来年はもう少し外れる可能性も含めて、夢のある予言をしてみようと思う。

今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。地元公園での、秋冬の果実チェックと鳥のセンサス調査、春から初夏のカラスの巣調査も例年通り実施した。ただ、9月の台風で、地元公園は樹が倒れまくりえらいことに。カラスの巣にも影響があったし、センサス調査のルートも影響を受けた。。
5年ごとに繰り返している大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査は、第5回が無事終了。
外来生物調査は、ハッカチョウが盛り上がりまくり、ついに神奈川県にも調査に出かけ、日本各地の情報を集め始めた。鳥以外の部分では、おもに貝班のオオクビキレガイ調査が個人的に盛り上がった。魚斑では、メダカ・カダヤシをすくうのが楽しかった。本当は、ドジョウ調査にも参加したかったのだが、ほとんどすくえず…。10〜11月には今年もムネアカオオクロテントウを探した。ついに淀川に到達したらしいのだけど、自分では見つけられず〜。

<行事>
予定した行事はすべてクリア。ってゆうか、鳥の囀り、ツバメのねぐらは雨天中止。ホネ作りの室内実習までが台風で中止になった! カエルの観察会はなんと地震によるコース通行止めという斬新な展開。中止以外にも、山で道に迷うとか、夜の箕面公園では怒られるとか、トラブルが多かった。
大物としては、11月の大阪自然史フェスティバル2017が、史上最大の来場者数と正解だったが、資金集めはまだまだ仮題が多い。
大人のホネ標本作りが中止になったので、エミュー頭はまた来年に。

<サークル>
なにわホネホネ団、大阪鳥類研究グループ、ジュニア自然史クラブ、友の会読書サークルBooksの活動は例年通り。なにわホネホネ団は、通常活動日と鳥の日の月2回の活動を維持の他に8月からカリカリ団が活動を始めた。西表島鳥類調査隊のキンバト処理はまた中断中。
博物館友の会は、やっと若い評議員が入る目処が立った。寄付でしのいでいるけど、会員数は漸減しているのが課題。
関西自然保護機構の運営は、会誌の完全版下入稿化によって、ついに黒字転換!

<標本>
冷凍室は、担当の物が占めるエリアは減らせたと思う。年末は、手前左の2テンバコは昆虫。手前右の2テンバコはキノコ・植物。手前中央の3テンバコは冷凍燻蒸スペースに維持できている。動物園の鳥と、海で拾われた鳥の処理、哺乳類の皮処理が課題。
大物は1月のアジアゾウのみ。これは、すでに四肢を回収。残りはまだ砂場に。昨年7月のオキゴンドウは回収済みだが、頭だけさらし中。
名古屋方面の名誉教授からの陸上脊椎動物のホネコレクションは、今年も断続的に到来。ようやく一段落したが、整理は手つかず。

<原稿>
某出版社から出すことになっていた大阪の哺乳類の本は、その出版社からの出版は断念。別の形の公表をボチボチ考えよう。
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。
来年の外来生物展の解説書の目次案を作成。早めに書き始めたい。
まともな論文は今年も書けなかった。

<その他>
・久しぶりに日本生態学会大会と日本鳥学会大会に参加して、ポスター発表をした。
・来年度から博物館の運営体制が変わる。そのため色々決める作業がボチボチ始まった。というか、訳の分からん案を修正させるのに苦労させられる感じ。
・7月に冷蔵庫が壊れて、弁当生活が始まった。
・独りぼっちだと、SFをたくさん読める。日本人作家を中心に200冊以上読めた。
●2018年12月29日 ほぼ弁当生活の半年

我が家の冷蔵庫が死亡したのが、今年の7月15日。そして弁当作りが始まった。この因果関係を説明するのは少し面倒だけど。冷蔵庫がないと、とくに暑い夏は、食材の保存がきかない&残り物も保存できない。かといって1食分だけの食材は確保しにくい。と言う訳で、2食分の食材を使い切りで、夕食&弁当とせざるを得なくなったわけ。
おおむねこの半年の弁当生活だったわけだけど。前日が外食だったりしたら、必然的に弁当も作らない。昼間がお出かけ調査とかで弁当食べられない場合も弁当はなし。長期の出張の時も弁当はつくれないし、一日家で本を読んでる日も弁当を作る必要がない。ってことで、毎日弁当を食べている訳でもない。今年は残り2日あるけど、この半年ほどの間(167日)に何回弁当を作って食べたかを数えてみたら、ちょうど100日だった。弁当率約60%。
弁当を作るとき、彩りはなんにも考えないけど、野菜は入れようとするし(漬け物を多様)、魚と肉の両方を入れようとする。弁当に入れやすい焼きサケと焼き鯖が交互に高頻度で投入される。ってことを考えると弁当は健康にいいかもしれないなぁ。ということで、来年も継続してみようかと思う。
●2018年12月28日 年末恒例仕事納まらず

今日が世に言う仕事納めの日。なんでも、年内にすべき仕事は、今日の夕方時点でこなされているものらしい。今年は、こちとら友の会の懇親会もあるから、そもそも夕方では収まらないのだけど、懇親会なくても納まらないから、言い訳にもならない。
どうせ納まらないとは言え、できるだけ一段落させたい。と、半月ほど前に、今年中(残り2週間時点)にすることを、今年の目標として並べてみたわけ。今年も24項目と今年は少なめにした。で、ついに迎えた28日。今年中にするのが目標なので、今日時点で終わって無くても、まだ3日もある。と言う訳で、いわば中間発表だけど、とりあえず今日時点で、残りがどのくらいかと、カテゴリー別に数えてみた。

行事系:2項目中2項目クリア。これは当然。
調査系:4つの内3つをクリア。残りも現在進行中で年内には終了。これも当然。ちなみにリストに挙げなかったカラスの巣のチェックもやり遂げた。リストアップしておけば良かった。
標本整理系:3つの内1つしかできてない。残る2つの内、片方は年明けには終わる。残る1つは出来るかなぁ。
原稿系:1つしか挙げなかったが手つかず。完成は無理にしても年末年始に手を付けなくては。というのも来年の日程が不確定になってきたからで…。
データ整理系:3つとも残ってる。なんとかしたいが、手がつけられそうにない…。
サイト系:3つとも残ってる。1つはなんとかなるかも。残る2つは無理そうだけど、少しでも進めたい。
助成金系:3つの内1つはできた。残る2つの内、片方はなんとかできるかも。もう1つは年明けに頑張ろう。
雑用系(仕事):3つの内1つをクリア。残りの片方はできるかも。
雑用系(個人):1つクリア。もう一つも、なんとかなるでしょう。

というわけで、仕事納めに必要な24項目の内、9項目をクリア。達成率38%。昨年の同時点での達成率を微妙に上回る。今年中にできればあと5項目をクリアして、10残して年を越す予感。昨年より残しが多い…。

【2018年12月31日】
3日後の夕方である。この3日間で調査系1項目、サイト系2項目、雑用系を2項目クリアした。これで達成率58%。予想通り10項目残ってるけど、予想通り挫折。


●2018年12月27日 北のモズと南のモズ

ある公園に2羽のモズが暮らしていました。昔はこの公園にもたくさんのモズが暮らしていて、にぎやかだったのですが、いまは2羽だけです。昔は、なわばりが並んでいて、他のモズからなわばりを守るために、高鳴きや見張りに忙しかったのですが、今は周囲に他のモズはいません。今でも、習慣で高鳴きをして、見張りをしますが、昔とくらべると手抜きになってるかもしれません。
いま公園に暮らしているモズは、オスとメスです。メスは大きな池の北側になわばりをもっています。オスは大きな池の南、さらに南の芝生の周辺がなわばりです。とても離れているので、お互いの高鳴きは聞こえません。
年が明けて、2月頃になると、モズの嫁入りの季節です。秋から冬、モズのオスとメスはそれぞれなわばりを持って暮らしていますが、早春にメスは自分のなわばりから、オスのなわばりへ引越をします。そして、そこで子どもを育てるのです。
昔はメスのなわばりの周りに、いくつもオスのなわばりがあって、その中から嫁入り先が選べました。でも、いまはオスとメスが1羽ずつしかいません。メスは、嫁入り先が見つかるか心配です。オスは、誰かメスが来てくれるか心配です。心配しているオスとメスが、無事に出会えるか心配です。
●2018年12月26日 毛皮を干す 年末年始の恒例行事

年末恒例、皮の処理の最終工程。なめし液に浸けていた哺乳類の皮を水洗いして、乾かすために新聞紙の上に広げる。昨冬の皮処理の成果を、一面にながめることになる。
今年は、例年より少ないと思った昨年よりさらに少ない。大物は大きい順に、シマウマ1頭、イヌ1頭、アシカ1頭、ムフロン1頭。中小物は、アライグマ4頭、タヌキ1頭、アナグマ1頭、テン1頭。全部で11頭。
水面側を皮の裏にするように心がけたけど、イヌとアライグマ2頭の毛にカビがついてしまった。カビ取りが面倒くさい。

とりあえず今日は洗った後、できるだけ水気を切って、新聞紙の上に並べるまで。毛皮を洗って、洗って干すのに約2時間半。数が少ないので、机の上に並べ切れて嬉しい。後は、年始まで毎日このお世話。と、その前に、明後日は部屋を使う予定があるので、逃がさないといけない。めんどい。
●2018年12月25日 ホネホネ納めはゾウのホネ洗い

今年最後のなにわホネホネ団の活動は、アジアゾウのホネ洗い。平日だし、大阪市内の小中学校は今日が終業式。ということもあって、集まったのは5人だけ。まったりと作業。夕方までかかって、脚4本を洗った。
アジアゾウは、今年の1月末に砂場に置いて、ブルーシートをかけておいたもの。一夏越して、おおむねホネになっていて、ちょうど洗い頃。とは言え、同じようにセットしてあっても、ちょっとした条件の違いで、状態は違っている。その違いが洗いやすさに直結しています。小さい骨が無くならないようにと、しっかり寒冷紗で包んであった脚2本は、まだけっこう筋が引っ付いていて、洗いにくい。でも、足パッドが残っていて、ゾウの足形っぽいものが得られた。前足は大きく丸くて、後ろ足は小さめで細長め。一方、寒冷紗は下に敷くだけで、その上に置いてあった脚は、綺麗にホネになっていて、とても洗いやすい。ただ脚バットは断片しか残っていなかった。
寒冷紗で包んだのと包んでいないのとでは、湿り具合が違ってる感じなので、あまり湿ってると分解が少し遅れるような気がする。

ちなみに、乾いてる脚は、カッコウムシとクロゴキブリの冬越しの場所になっていて、脚を動かすとゴキブリがワーッと散る。こちらもキャーッと逃げる。逃げてくれたのはいいのだけど、ホネの隙間に隠れていて、洗おうとすると出てくる困った奴がいて、ものすごくキャー。
湿ってる脚は、カッコウムシとハラジロカツオブシムシが目立っていて、こちらは安心。と思ったら、やっぱりゴキブリが隠れていて、キャー!
活動におまけで連れてこられていた男の子。ぜんぜん手伝う気はないんだけど、ゴキブリは平気で、手づかみする。ゴキブリ出て、キャーとなると、捕まえてくれる。有り難い。でも、それを生きたまま瓶に溜めて見せてくれる。それは頼んでない〜。


●2018年12月24日 2018年末の冷凍室

例年、年末年始の休館の間に、常設展に出ている植物標本を冷凍室に入れて、虫を殺すという年中行事がある。そのためには冷凍室に入れるためのスペースを作る必要がある。かくして例年、仕事納めの直前、すなわちクリスマス辺りにホネホネ団の活動日を数日ぶつけて、冷凍室をできるだけ片付ける。っていうのも、おまけで年中行事になっている。
ここ数年、2月に休館が設定されていたので、常設展の標本の虫殺しは、2月に行われていたので、年末に冷凍室を空ける必要はなかったのだけど、なんとなくその習慣は維持されてきた。今年は2月に休館は設定されていないので、冷凍室を必死で空けなければ! と思ってたら、常設展の標本は毎年冷凍しなくても大丈夫とのことで、今年も年末に冷凍室を空ける必要はなくなった。が、しかしなんとなく習慣は維持しよう。ということで、今年もクリスマスにホネ処理マラソン。連続3日でホネホネ作業を行った。今日で、作業は一段落。
今年の総決算として、今日時点の冷凍室の様子を確認しておこう。ちなみに1テンバコは、おおよそ40cm×60cmの床面積を指す単位である。

冷凍室の奥の方はさておくとして、手前の方を見てみよう。
・手前左側の2テンバコは、ほぼ昆虫が積み上げられている。あと、トリが作業中の物もある様子。
・手前右側の2テンバコは、主にフリーズドライ待ちの菌類と植物。タカアシガニが1箱。
・手前中央の4テンバコは、空き空間になっている。
昨年末と比べると、1テンバコ押し返した!

ちなみに(棚の中身はさておき)奥の方は、
・処理中の哺乳類の皮:6テンバコ
・処理中の哺乳類中身+新着中型哺乳類:1テンバコ
・動物園からの鳥+傷んだ海鳥:2テンバコ
・その他、鳥いろいろ:2テンバコ(ただし半ばまでしか積んでない)

鳥類の課題は、動物園から来た大量の鳥と、大量の傷んだ海鳥。
哺乳類の課題は、皮の処理。
ということがよく判る…。
●2018年12月23日 クリスマスホネマラソン前半を終えて

今年も4日日程で、ホネスマスをはさんで、年末恒例のホネマラソン。最終日は片付けを兼ねて、軽く平日に。土日祝日で3日とれてるのは天皇誕生日があるからで、再来年から天皇誕生日が2月になるので、ホネのマラソンがしにくくなる。でも、まだ決まって無くても、元の天皇誕生日は祝日として残るのかなぁ、残って欲しいなぁ。
というわけで、今年最後になるかもしれないクリスマスホネマラソンの前半を振り返ってみよう。 4日もあると、例によって初日の出足が悪い。団員の出足は悪いけど、見学者は張り切ってきたりするから、午前中は見学者の方が多かったり。それでいて作業はまったり進む。本来の雰囲気と少し違う気もするけど、見学者への対応はこんな感じの方がいいかも。
初日はまだまだあるから。そしてスタッフ側に夜の用事があったので、早めに終了。4日間目一杯やってたら倒れそうだからこんなもんでしょう。
そして2日目の今日。明日はホネスマスのパーティがあるので早仕舞い。ある意味、今日だけが目一杯の作業の日。皮の処理も大物のキリンを出して、準備万端。と思ってたけど、キリンはすぐに皮が傷むので、大急ぎで作業して昼過ぎには終了。今日は、午後をまったり過ごしてしまった。別の日に設定されているカリカリ団が突如作業を開始して、作業自体はいろいろあった。見学者にはカリカリ作業こそが、ホネホネ団っぽくていいかもしれない。 1日だけの活動日だと、前日に準備ってことになるから、実質1日半作業してるのかもしれない。連続しての活動日だと、夕方に次の日の準備に移らないといけないので、少なくとも私個人の1日の作業は少なめになる。でも、毎回掃除を頑張らなくていいから、そういう見では効率的かも。
というわけで、後半戦も頑張ろう。
●2018年12月21日 読書サークル 第101回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。 今日の課題本は7冊。1冊繰り越しになって、2冊繰り越されてきたので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「土 地球最後のナゾ」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 どんな内容かと訊ねると、読んだ人は口を揃える。土は12種類あって、その12種類を求めて世界を地味に冒険する。と。で?どんな内容とさらに訊ねると、なぜかみんな口ごもる。おおむね地味な冒険に尽きると理解したけど、あってるのかなぁ。

●「石はなにからできている?」
(紹介文2つ、平均★数は3.5) ※著者は除いた
 みんな褒める。メンバーの一人が著者なので、気を遣ってる可能性を否定できない。見た目で簡単に石を見分ける方法を、代表的な8種の石について説明してくれるらしい。地学の専門家が読んでないのは、突っ込むのを避けたと深読みした。

●「イカ4億年の生存戦略」
(紹介文4つ、平均★数は2.3)
 評判は悪い。大きな理由は図が少ないこと。形の説明を、図を使わず文章でって、そら判らんわ。さらに専門用語を避けようとするあまり、持って回った説明になっている点も突っ込まれていた。そして、そんな苦労をしているのに、生物名が取っつきにくいという不満も聞こえてきて、少し気の毒になった。面白そうなテーマなのに残念という点で意見は一致した。

●「絶滅どうぶつ図鑑」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 動物を人間視点で“残念な…”なんて表現するイラスト多めの本がよく売れている。一見、そんな本の一冊なのだけど、中身はしっかりしていると評判が良かった。それでいてイラストで展開されるギャグもみんな楽しめた様子。

●「道具を使うカラスの物語」
(紹介文4つ、平均★数は2.3)
 「イカ4億年の生存戦略」とそっくりのダメ出しをされていた。曰く、実験デザインなど説明に必要な図が足りない、面白い題材なのに残念。とても文章が多いが、内容が頭に入らないという意見もチラホラ。訳文に問題があるという意見と、原著の説明の仕方が悪いという意見の両方。ストーリー展開も評判は良くなかった。

●「オオグソクムシの本」
(紹介文1つ、平均★数は2.0)
 最初に漁船に乗ってオオグソクムシを採りに行くところは面白かった。でも、形態を延々と説明したり、あまり興味を持てない行動観察。最初以外は読むのが辛い。オオグソクムシについて調べる時に開く本で、軽い興味で読む本ではないという評価だった。

●「世界からバナナがなくなるまえに」
(紹介文3つ、平均★数は4.0)
 バナナの話というより、単一品種のプランテーションの問題を広く扱った本。作物の多様性、そのベースとなる自然の多様性を守らないと人類に未来はない。歴史がすでに証明しているようにいつか深刻な食糧危機に見舞われる。というとても重要なテーマを扱った本。みんな読むべき、と読んだ人は全員言った。

●「へんなおさかな」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
 手書きで、ふざけまくった魚の説明がとても面白い。水族館のポップみたいなもんらしい。普及教育的効果は疑問だけど、面白がらせるのには成功しているらしい。
●2018年12月20日 オオタカの生息地を見せてもらう

諸般の事情で、オオタカの生息地を見せてもらいにいく。場所は京阪奈丘陵の一画。なんかオオタカに関連して、あまりいい思い出がない。で、なぜか、同じくいい思い出がない奴も巻き込んでやった。
オオタカが問題になるのは、例によって開発をしようとしたら、オオタカの生息が確認されたというケース。今回もご多分にもれない。ただ、工事予定地のすぐ近くでの営巣が見つかったが、工事予定地自体はオオタカは利用していないようなので、オオタカに関する限り、工事中に影響が出ないように配慮するので、一番の課題。
オオタカに影響なくても、林が切られて整地される中で、他の生物への影響は絶対あるわけで、いわゆる希少種とされない種はまったく配慮されないことに違和感は覚えるが、なんとも出来ないのが歯がゆい。そんなこと言ってたら、なんにも出来なくなるというのも事実だけど。

で、今日はとりあえず現地視察を兼ねた会議。でも雨なので、現地は見せてもらえなかった。
●2018年12月19日 カウンターを押す手が…

今シーズンはなぜかカウンターがうまく押せない気がする。ただ、夏場はそもそもカウンターを使うほどの水鳥などに出会わないので、カウンターを使うのは冬場中心。久しぶりに使ったからかもしれないし、昨冬のことを忘れてるだけかもしれない。
もう一つの要素は、まいカウンターが壊れてしまったこと。買おうと思うのだけど、意外とカウンターを扱ってる店が少なく、あってもプラスティック製のちゃちな奴なので、買えずにいる。やむなく職場のカウンターを持ち出して使ってる。のだけど、手荷物タイプではなく、置くタイプなので、丸い台が付いている一方、指を入れる輪っかが付いてなくて、持ちってカウントしにくい。うまくカウンターを押せないのはそのせいかなぁ。
指の筋肉が衰えて押せなくなってるんじゃなきゃいいけど…。年取って指の筋肉が衰えたら、鳥の調査もしにくくなるのかなぁ、と少し心配なったり。
●2018年12月18日 今年の目標

今年も残り2週間。そろそろ、今年の目標を立ててみよう。

【行事系】すでに終わったも同然!
・22日〜25日、なにわホネホネ団。
・21日、友の会読書サークルBooks
【調査系】例年並みに残ってる。
・ため池(近所)
・大和川
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】年末に向けて少しでも冷凍室を空けたい。
・冷凍室のホネを出して収蔵庫へ。
・なめし皮を袋詰めして冷凍室へ。
・なめし液に入ってるのを乾かす。
【原稿執筆関係】大阪の哺乳類はいったんおいといて。
・外来生物展解説書の執筆。
【データ整理系】年末年始には難しいかも
・カラスの巣のデータ整理
・大阪市内の公園で繁殖する鳥調査の地図整理
・瀬戸内海沿岸の水鳥調査のデータ入力
【HP系】今年分だけでもクリアしておきたい。
・最近見た鳥のサイトの更新(せめて今年のを)
・日記の完成(この2ヶ月に未完成が)
・読んだ本の紹介文(今年はできてないのは数冊だけ)
【助成金系】
・とある審査
・今年度の執行計画
・アンケート作成
【雑用系】
・いろいろ本の在庫調べ
・雑誌の整理
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備

今年は割と順調な気がする。来年の一番の仕事である外来生物展の解説書の執筆をできるだけ進めておきたい。
●2018年12月17日 月例ため池巡り25年目に突入

24年前の12月から、毎月自転車でのため池巡りが始まった。続いてるなぁ。25年分のデータをまとめたいところだけど、ちゃんと入力出来てないから大変だなぁ。
そう言えば、大和川下流部の水鳥カウントも25年目に突入している。長居公園のセンサス調査も500回を超えてるけど、ここ10数年分は調査地図からデータを引っ張り出せていない。さらに言えば、長居公園の木の実のデータも随分長い間整理できていない。

単発の調査企画のデータはなんとか入力は出来ても、論文化には至っていないのが多数。えんえんと続くルーティン化したデータはそもそも入力もその前段階もできていなかったりする。これをどのように整理していくかは、大きな課題。
25年目といった節目は、整理する大きなチャンスだなぁ。と思いつつ26年目に突入する予感しかしない。
●2018年12月16日 中高生を引き連れて

中高生と一緒に化石探し。化石探しは人気で22人も集まった。乗り換えを2回して、連れていくのは大変。というわけで、伊賀上野からバスに乗ってけっこう入った末になんとか到着したのは、とある河川敷。
軟らかい土の中から、イガタニシという巻き貝がいっぱい出てくる。完品は少なめだし、すぐに壊れるので、これを綺麗に確保するだけでも楽しいかも。一緒に二枚貝や魚の骨も出てきたりする。一人はカメの甲羅の化石を見つけていた。ガンガン掘り返したら、立派なイシガイ類も出てきていた。が、ここで狙うべきはコイの咽頭歯。
ここに来るのは2回目だけど、前回は咽頭歯を見つけてるんだな。今回も見つけるべく探す。確か前回は、手でも薄く崩れている塊の中から見つけたっけ。と、思いながら、同じような場所を手で崩していたら、コロンとして、ピカピカ光る丸い物が出てきた。これだ! と見せびらかしに行く。予定通りコイの咽頭歯で鼻高々。結局、コイの咽頭歯は一つしか見つからなかったらしい。どんなもんだい。
と、薄く化石探しに加わっている途中も、周囲の鳥をながめる。盆地を流れる中位の河川で、キセキレイとセグロセキレイがいる。そしてクサシギもウロウロ。上を見ると、ハイタカがカラスに追われる。鳥好きの子も来ていたのだけど、化石に夢中で鳥には気付いてなかった様子。時々上も見なくっちゃ、と偉そうに言いながらの帰り道、足下からカシラダカが飛び立ち、遠くをオオタカが舞っていた。
とにかく全員を無事に連れ帰れて目出度し。
●2018年12月15日 大阪のツクシガモ

夢洲にツクシガモがいっぱい。とつぶやいたら、大阪にツクシガモが来るのかぁ、と驚きの声が複数あがって、こちらが驚いた。いやいや、諫早湾が失われたからかは知らないけれど、瀬戸内海沿岸で数羽のツクシガモが来る場所は、いまやさほど珍しく無いし。むしろ驚いて欲しいのは、夢洲で100羽以上のツクシガモが越冬していること。瀬戸内海沿岸で、100羽を超えるツクシガモが見られるのは、他に曽根干潟だけ。2016年度に曽根干潟で数えた時は、ツクシガモが200羽近くいたから、ずいぶん差を開けられてはいるけど、それに次ぐ規模が越冬してるんだぞ〜。
さらに驚くなかれ、大阪府の埋立地では、日本で唯一ツクシガモの繁殖例があるんだぞ。ツクシガモの一つのメッカといってもいいに違いない。繁殖例を教えたら、もっと驚いてもらえるかも。とは思ったけど、1例だけなので自慢(?)は控えておいた。
●2018年12月14日 夢洲鳥見ツアー

夢洲に行ってきた。軽く見てまわるだけでも、相変わらず多くの鳥に出会える。個体数は少なめだけど、カモ類は一通り揃ってる。ウミアイサやホオジロガモも少数見られる。ツクシガモは約100羽もいる。昨年はヘラサギが越冬したが、今年はクロツラヘラサギが3羽入っていた。このまま越冬するんだろうか。カモメもけっこう浮かんでる。カワウの集団ねぐらには、少なくとも1羽ウミウが混じっていた。
という、鳥見超オススメの夢洲だけど、なんと数年度、万博の開催地になるというウワサが。鳥関係者の中には、今から反対運動をと言ってる人もいる。でも、反対するならもっと前でしょう。そして、万博がそのまま夢洲での鳥見にマイナスとは限らない。そもそも、このままなんにもしなければ、夢洲は産廃処理で埋め立てられて終わり。でも、万博のための整備をするとなると少し話は違う。万博は一過性のもので、その後は公園として整備される公算がけっこうあるから。当然ながら環境への配慮も求められる時代。さらに言えば、埋立地の水たまりや裸地・草地という環境は、いったん破壊されても復活させるのはさほど難しくない。
ここは、万博後をにらんで、どのような環境を残すべきかの議論をするのが建設的ではないかと思う。さらに言えば、万博開催中も鳥が来る環境を残して、それを来場者に見せるというのもあり得る選択肢。バードウォッチングは、世界的にはけっこうメジャーな趣味なので、万博で鳥を見せるのは、けっしてマイナスじゃないんじゃないかなぁ。っていう方向性はどうだろう?
●2018年12月13日 ハッカチョウの群れ

今日はハッカチョウの猪名川コースを歩いた。今まで1羽もハッカチョウに出会ってなかったのに、今日は65羽もの群れに出会った。わからんもんだ。
場所は、軍行橋の少し上流。電線にならぶハッカチョウの群れ。軍行橋周辺ではこの10数年ハッカチョウが繁殖していて、周辺では頻繁に観察される訳だから、ハッカチョウが見つかるのは、むしろ当たり前。先月まで見つからなかったのが不思議というべき。
そもそもハッカチョウはそんなに広い範囲をウロウロする鳥でもないようなのに、全然見あたらない時期があるってことは、思ったよりはウロウロしてるんだろうなぁ。それがどこに行ってるか分からないとハッカチョウの暮らしの全容が判らなくて気持ち悪い。
ムクドリと同じく、繁殖期は巣とその周辺、非繁殖期は集団ねぐらとその周辺という動きをしそうだけど、ムクドリと同じなら非繁殖期の動きを追うのは難しそう。一応センサス調査を始めてみたけど、これでどこまで何が明らかになるかは、考えなくてはならない感じ。
●2018年12月12日 捻挫の経過

先週の金曜日7日の夕方、職場で捻挫した。医者にいけば公務災害だろうけど、医者に行かずに治りそうなので、公務災害にはならない。そもそも、捻挫した状況が間抜け過ぎて、偉そうに公務災害と言えない気がする…。
閉館後、展示室で、ケースに入って一人で作業してたんだな。で、ケースから出る時、少し高いケースなので、数10cm飛び降りる必要があったのだけど、てっきり足が届くと思って、目測を誤って落ちた。その時に、右の足首をグニャッと。そのまま転がったので、大きなダメージはなかったはずだけど、転がった直後は痛くてしばらく立てず。ようやく立てたけど、とても痛い。痛くて足首は曲げられないけど、そーっと体重はかけられる。
そのまま電車に乗って説明会(?)に出かける必要があったので、そのまま出発。あしを引きずってゆっくり歩く。自転車は左足だけで漕ぐ。平地を歩くのはまだなんとかなるけど、階段が辛い。登りは膝でコントロールできるから、むしろまし。下りがとても痛い。手すりを持って、ピョンピョンと下りるしかない。下りのエスカレーターがとても有り難い。ふと見ると、足首の外側が面白いくらい拡がっている。裸足に草履履きは、冷やすことになってちょうど良かったかも。

それから5日。まだ階段の下りはちょっと辛いけど、普通に歩けるように復活。まだ足首はドラえもん風だけど、腫れはほぼひいた。明日は川沿いを歩く調査しても大丈夫そう。

【追記】
13日に猪名川沿いを数時間歩いたら、捻挫が少し悪化した。結局、意識せずに歩けるようになるまで10日かかった感じ。ドラえもん風はまだ脱していないが…。
●2018年12月11日 インタビュー あなたの博物館の魅力は?

なんかよく判ってないのだけど、いくつかの博物館の魅力を抽出して、今後の来館者増につなげる的な企画があるらしい(知らんけど)。で、その仕事を受注した業者さんが、博物館の中の人が考える魅力を教えて下さいとインタビューされた。最初に、問題点ではなく、良い点だけを答えて下さい。と宣言された。
博物館の良い点と悪い点の両方を把握しないと、本当の魅力発信は出来ないんじゃないかなぁ、と思うんだけど。そもそもあまり期待していないので、ノーコメント。 で、まずは自己紹介させられて、その中で口走ったワードに食いついて、いろいろ質問してくる。萌蔵は、ワークショップ。ハゼ屋は、子ども達との関係。こちらで誘導したらいいのかな、と思って、担当分野の不思議を交えたら、ちゃんと食いつく。
次いで、学芸員の仕事はどんなんですか?的な質問。やはり口走ったワードに反応して、話を拡げようとする。その際、なんにも知らないフリをしているのか、実際にうちの博物館や学芸員のことをなんにも知らないのか、何にも判らないんですけど〜、的な質問ばかり。多少なりと予習して、その内容も交えて、自分の訊ねたい方向性を打ち出せばいいのに。その方が好感が持てるし、いい回答を得られると思うんだけどなぁ。質問者の役割をきちんと果たせていない、という感想を持った。丁寧に答える気が大幅低下。
ハゼ屋には、学芸員のやりがいは?的な、博物館実習生がよく訊ねる質問までしていて(もうちょっと、考えた質問はないのか?)、丁寧に答える気がさらに低下。たとえば昨日の仕事でいいですか? と言ったら、それでOKというので、昨日、高知県でザトウクジラの死体を解体した話をする。こんな話が参考になるかは知らんけど…。 そして満を持してか、この博物館のいい所は? という雑な質問。それに真面目に答える萌蔵。博物館全般に学芸員がきちんと関わって、学芸員の責任で方向性を決めていること。とは、なんと真っ当な。ハゼ屋は、様々な側面で常に改善を目指していること、てな答えだったかと。最後に振られたので、友の会や様々なサークルを通じて博物館と関わって活動している人達の存在が大切。とまあ、他の2人とは住み分けて、少し真面目に答えてみた。で、博物館コミュニティ的な話に持って行く。ちゃんと予習してきてなければ、なんの話か判らないだろうけど。 読者は単なる受け手ではなく、著者が提供しているものを読み解く役割がある。的なことを言ったのは、ウンベルト・エーコだった気がする。同じように、インタビュアーは、適当に喋らせて、答えを聞くのが役割ではなく、求める情報をうまく引き出すような質問をするのが役割。今日のインタビュアーは、もう少し修行して欲しい。
●2018年12月10日 高知県にてクジラのホネ回収

そんな訳で、なぜか今年2回の高知県行。集合は、道の駅。で、車5台ほどをつらねて、現場の浜の上のミカン畑の中へ。ミカン畑の中の道の少し拡がった場所に路上駐車。ってゆうか、ここは私有地だろうなぁ。って場所で、作業の準備。まず合羽を着て、長靴履いて、手袋して。合羽の前をガムテープで留めてる人もいた。ついでに横向きのガムテープを貼って、十字軍だ!と盛り上がる。
で、荷物をそれぞれ抱えて、数十m下の浜に下りていく。山道ではなく、踏み跡に近い。捻挫している足には辛い。下の浜は砂利浜で、これまた捻挫には辛い。浜を100mほど歩いて、クジラの漂着場所へ。
クジラの前肢と、頭骨や下顎はすでに回収されていて、浜の一番陸側のブルーシートの上に乗っている。頸椎や舌骨も回収できてるのはいいけど、頭骨は回収が遅れてバラバラになっている。組み立てられるだろうけど、涙骨や頬骨は失われたかな。と思ったら、どうも何の骨か判らず頬骨は回収されている様子。よかった。

到着時点ではまだ潮が引いてなくて、波も高めで作業は厳しい。というわけで、とりあえず1時間弱待っていたけど、我慢できずに、波をかぶったり、波に揺れるクジラに乗って作業を始める。油断すると波に動いたクジラの下敷きになるので注意が必要だけど楽しい。足がはさまると、捻挫についかダメージ…。
すでに頭無しの胴体だけ。問題は寛骨の回収。尻尾の肉を取り除きながら、同時に背中側から椎骨を露出させて、どこまでが腰椎か、すなわち寛骨がどの辺か当たりを付ける。そして
・尾椎を切り離して、肉をとって、尾椎を分けてナンバー札を付ける。
・寛骨がありそうなエリアの肉を回収して、中の寛骨を探す。
・腰椎を外していき、運んで順に並べ、ナンバー札を付ける。
の3班体制で作業を進める。寛骨は無事に回収。腰椎を外し終わったら、
・肋骨の切り離し。外れたら、順番に並べて、ナンバー札を付ける。
・胸椎を外していき、運んで順に並べ、ナンバー札を付ける。
を進めやすい順に進める感じ。

という訳で、ザトウクジラのホネ回収作業は、午前8時半頃から、約4時間ほどで完了。人数が14人と多かったので、切ってホネ回収4人、肉回収4人、ホネや肉を運ぶ、ホネに番号札を付ける、刃物を研ぐ、記録写真を撮る、飴を配る等々、分業出来た。4時間作業すると、握力なくなり腰が痛くなる…。
昼食後は、肉を切り分けて、ドンタコスみたいなのに入れて運ぶ作業30分。ホネ回収が完了して満足感漂う大阪組の面々は、なんとなく作業するだけで、主力は高知組なみなさま。特に蜘蛛男がパワフルで素晴らしい。

回収したザトウクジラは8.6mのメス。フジツボが40個以上付いてたそう。ホネは頭骨がバラけて、涙骨などは失われたようだが、他は寛骨も含めて回収できた。14番目の肋骨は遊離していて、とても短い。特に右が短くて、左に妙に引っ付いていて変な感じ。
高知組は大阪組に敬意を表してか、その勢いに負けてか、クジラの胴体にとりついてガンガン肉や骨を外しているのは、大阪組が中心(高知組は一人だけ)。多くの高知組は外れた骨や肉を運んで、並べて、ラベルを付けてくれていた。昼には美味しいスープももらった。上げ膳据え膳でとても作業はしやすかった。でも、大阪組に楽しいところを持って行かれて不満じゃなかったかなぁ?と少し心配。
●2018年12月9日 クジラのホネ回収の準備

午後から高知県に打ち上がったザトウクジラのホネ回収に向かう。うちの標本にはならないけど、クジラ処理の経験者として呼ばれてるらしい。すでに地元メンバーで処理が進んでいるので行く必要があるか疑問だけど。
そもそも打ち上がったのは、11月20日頃。当初は11月下旬に処理に行く予定だったが、予定日に低気圧がやってきて波が高そうなので中止になった。大阪組が行ける日程を調整した結果が明日12月10日。だけど、地元の高知組はこれまでに11月29日、12月8日と作業に行っていて、前肢や頭骨・下顎はすでに回収されてるし、胴体の皮も剥かれている。もう残りの作業はたいしたことないし、大阪組が行かなくても、高知組だけでできるでしょう。って感じの画像がFacebookにアップされていた。12月8日に充分作業が進めば、10日の遠征はキャンセルって段取りで、高知組からの連絡を待っていたのだけど、なんと驚いたことに10日の作業はあって、大阪組も召喚されるらしい。
というわけで、慌てて準備を始める。とりあえず、刃物を大阪組5人分。大きなクジラ庖丁は研いでないから切れ味がダメダメだけど、とりあえず見世物に2本。引っ張り用の大きな手かぎを2本、研ぎ棒、替え刃。使い捨て手袋の箱、軍手、大きなビニール袋、長靴、ビニール合羽の上下、あとは着替え(ズボン忘れたけど…)。ホネの一つ一つに付けるパーツ毎の順番を記したラベルを大急ぎで作って、紐を通す。それを全部、大きなテンバコに入れて、ブルーシートを敷いた荷台に載せて準備完了。いざ高知へ。
スーパーで明日の朝食と昼食と飲み物を買って、現場近くのモーテルに泊まって、今日は終了。
●2018年12月8日 大阪府での鳥類標識調査

日本鳥類標識協会の大会が、今日と明日、大阪で開催される。地元なので、会場関係あるかもで、薄く関係することに。結局、会場の手配に関係しなくなっても、なぜか引き続き薄く関係者扱い。といっても特に仕事を担当するわけでもなく肩身が狭い。そんな中、話をしろと言われると断れない。と言う訳で、初めて参加することに。今日しか参加できないのに4000円はちょっと高い気がするけど、これもお付き合い。
まあ参加すれば、鳥についての情報が得られて楽しい。今回は、大阪府での鳥類標識調査の歴史が紹介されて、思わず見いってしまった。歴史の一画に関わってきたけど、全体像は初めて知った。

大阪府での鳥類標識調査が始まったのは、1970年代の終わり。当初は大阪市立大学の動物社会研究室の関係者が、自分の研究フィールドで細々とやってただけに近い。大泉緑地でモズとか、信太山でセッカとか。そんな状態が1980年代半ばまで続き、いったん大阪府での鳥類標識調査がほとんどなくなる。動物社会の面々が大阪府外で調査する人ばかりになったんだろう。
が、1990年前後から急激に大阪府での標識個体数が増加する。新たなバンダーが次々と参入して、一気に盛り上がった感じ。その山に少し遅れて自分も加わっていることになる。
盛り上がってピークに達したのだけど、その勢いは維持されず、10年弱ほどで下火になっていくというか、落ち着いていくというか、ピーク時の1/3位にまで減って、そのまま安定、現在に至る。
ただ面白いのは、安定している過去20年ほどの間。バンダーは目立った入れ替わりはないのだけど、調査地はけっこう入れかわっていて、20年以上続いている調査地はほとんどないということ(過去10数くらいなら継続されている場所はあるけど)。という意味では、細々とだけど25年間継続している我がフィールドはある意味貴重かも。
●2018年12月7日 長居公園での標識調査25年目

1994年に職場のある公園で標識調査をはじめて、今年で25年目。某大会で発表せよとのことなので、標識した種と個体数をまとめてみた。すっかり忘れていた種に標識していて驚いたり、メインターゲットのヒヨドリを1000羽以上捕ってることに気付いたり。いろいろ面白かった。数字は以下の通り。
・期間:1994年4月〜2017年12月(2018年の調査はまだ行っていない。というのも近頃の調査は年末しか行っていないので)
・調査日数:285日(ただしカスミ網を使っての調査は261日で、残る24日は保護鳥への標識。生きて保護されて当日or翌日に放鳥する場合は一応標識してある)。ただし年間10日以上調査したのは、最初の5年だけ。この17年は年末の3〜5日しか調査していない。
・標識個体数:35種1659羽(内、17種24羽は保護個体への標識なので、カスミ網での標識は27種1635羽)。
・標識鳥種:保護個体に標識したことしかないのは、ホシハジロ、オオバン、フクロウ、アオバズク、ハクセキレイ、コルリ、ジョウビタキ、キビタキ。かすみ網で標識できて盛り上がったのは、ヤマシギ、ハイタカ、オオコノハズなど
・主だった標識鳥:一番のターゲットのヒヨドリは、1128羽も標識。他に標識個体数が多かったのは、ムクドリ142羽、キジバト104羽、シロハラ74羽、メジロ53羽、ツグミ41羽。ここまでが構成比で1%超え。

キジバトが8番リング、メジロが1番リング。他は5番リング。一番消費量が多いリングが5番で、多くのバンダーが一番多く消費する2番リングの消費はとても少ない。ってのは61メッシュの粗い網を使って、ヒヨドリを狙っているから。粗いメッシュなのにメジロがけっこう捕れるのは、サザンカ・ツバキの側に仕掛けているから。
●2018年12月5日 キノコ展は、なぜ人気なのか?

ターゲットがはっきりしていて、すでにクラスターが形成されている。というのは大きな要素だと思う。そんなに大勢を動員しなくても、人気って感じでしまう、小規模な特別展の話だし。
クラスターがあれば、クラスター内で情報が共有されやすいので、最大の弱点の広報不足がかなり補える。そして、大人が中心のクラスターであることが判ってるので、無理に子ども向けに考えなくても大丈夫。さらに言えばマニア度の高いクラスターなので、リピーター率もそこそこ高い。小規模な特別展なので、リピーター効果は侮れない。
同じようなクラスターを持っているのは、ホネじゃないかという話がある。否定しきれない。ってことは、ホネ展をやれって?

ちなみにキノコクラスターの大きな特徴は、大人女性が中心だからか、金払いがいい。というか、グッズの購入意欲が高い。おかげでショップの売上げが急増。過去最大規模の恐竜展に次ぐ(その差は大きいけど)勢いだった。
この点も、ホネクラスターと似てるんじゃないか説がある。
●2018年12月4日 オオクビキレガイの源流探し

今年の大阪府のオオクビキレガイ界での一番の話題は、石津川沿いによく見つかると判ったこと。そこで、先日、鳳駅辺りから石津川沿いを遡って探してみたところ、陶器川合流まではコンスタントに見つかるのが、陶器側合流よりも上流ではまったく見つからなかった。つまりオオクビキレガイのソースは陶器側沿いにあると考えて良さそう。ってことで、今日は陶器川沿いを遡ってみた。
まずは原ノ池公園に向かう。当然ここではオオクビキレガイが簡単に見つかるはず。が、見つからない。おかしいなぁ。なんか不安になったけど、もう少し遡ってみる。ぜんぜん見つからない。なにが間違ってるのだろう?
泉北高速鉄道を越えると、菰田川が合流している。菰田川沿いには、死ぬほどオオクビキレガイがいる場所があるのは、すでに確認済み。菰田川沿いに遡った方が確実な気もするけど、いないのを確認するのが大事。と自分に言い聞かせて、陶器川沿いを遡る。とにかく探しても探しても、ぜーんぜんいない。源流の老ノ池まで行こうと思っていたけど、あまりにつまらないので、月輪寺のところで挫折。南下して菰田川沿いに移動した。
とりあえず上之の自治会館の裏を探す。オオクビキレガイ発見! 周辺の人家の庭にまで死に殻を落ちてる。とたんにやる気が出て、菰田川沿いを遡る。光明寺のところの人家の植木鉢の下からも発見(その家の人が教えてくれた)。さらに光明寺の裏を上がって、源流の池の手前でも発見。ソースは近い! と思ったのだけど、源流のため池の周辺の農耕地では見つけられず。ソースをピンポイントでは見つけられなかったのは残念。
ともかく、堺市のオオクビキレガイは、菰田川源流エリアから、陶器川、石津川と流れて拡がってるんじゃないかと思わせる結果が得られた。陸貝なのに流されて分散するとは…。
●2018年12月2日 子ども祭りの12年目

3月末に、大学生のサポートスタッフが、企画・準備・運営する子どもワークショップ「子ども祭り」が開かれる。今日がそのスタートアップ。十数人の大学生が、それぞれやってみたいテーマを2〜3個あげて、それを萌蔵が強引にタイプ分けして(主成分分析)、それぞれの学生を当てはめていく(クラスター分析?)。といったプロセスで、3つの班が決まった。それぞれの班を分野が違い学芸員が受け持つのだけど、今回はなぜか昆虫班ということになった。中身はこれから決まっていく。無事に決まっていくかが一番心配。心配でも基本的に口を出さずに、テクニカルな助言にとどめるという苦行の4ヶ月が始まる。
で、その参考資料に、昨年までの子ども祭りで、どんな各班がどんなタイトルで、どんな感じのワークショップをしてきたかの資料が付いていた。2007年度に始まった企画なので、昨年度までに11年分34タイトルが並ぶ。自分がどれを担当したかを再確認してみた。覚えてないのがある…。

【2007年度】「それゆけ!ひらひら・ブンブン・ぺたぺた」
【2008年度】「あしあと だーれだ?」
【2009年度】「ホネツアーでハカセになろう!」
【2010年度】「ひらひら♪ちょうちょのはねあつめ」
【2011年度】「トゲトゲぴったん!ひっつきむし」
【2012年度】担当なし(ただし当日は「ひらひらおしゃれなチョウのもよう」の受付)
【2013年度】「さがして!みつけて!ホネくらべっこ」
【2014年度】「どこ?どこ?ムシのかくれんぼ」
【2015年度】「わたしは葉っぱの名探偵!」
【2016年度】担当なし(ただし当日は「おいでよ!どんぐりの森」の受付)
【2017年度】「○○さんといっしょ」
●2018年12月1日 兵庫県のオオクビキレガイ

なにげなくネットでオオクビキレガイを検索すると、伊丹市と尼崎市で記録されてるらしいって情報に行き着いた。兵庫県の外来生物情報で伊丹市と尼崎市という文字を発見。さらに探すと、どうやら伊丹市の市民農園に拡がっているらしい。どこの市民農園かは判らないけど、市民農園の分布図を発見。そして、伊丹市のオオクビキレガイについて書いてる人の行動圏は、伊丹市北西部っぽい。ってことで、淀川をウロウロしたついでに、伊丹市北西部に行ってみた。
とりあえず阪急伊丹駅から、バスに乗って伊丹市北西部の市民農園がいくつかあるエリアへ。あとはいつもの駅周辺と同じく、オオクビキレガイをチェックして回る。見つからなかった場所をいちいち記録しなくていいから、ちょっと楽ちん。

大阪のどこででも田んぼや畑周辺を見ていても怒られないのに、伊丹市では変なおっさんにゴチャゴチャ言われた。そら田畑は私有地やろうけど。というわけで、伊丹市の印象は悪くなったが、水路に水が多く、淡水魚をすくいに来るには楽しげな場所ではあった。へんなおっさんに会わなければ。
市民農園をいくつか見てまわったし、その他、水田の周辺とかも見たけど、とりあえずオオクビキレガイは死に殻も見つけられず。探すエリアを間違えたか、まだ密度がさほど高くないのか、冬は隠れてしまうのか。暖かくなったら、もう一度挑戦してみよう。へんなおっさんに会わなければいいけど。
●2018年11月30日 2018年11月のまとめ フェスティバルと博物館実習、そしてその後始末

今月はなんといってもフェスティバル。昨年から、そこに博物館実習をぶつけている。フェスティバル運営的には人手が増えて有り難いのだけど、博物館実習者としては今まで以上に忙しくなった。そして、フェスティバルの後も、その後始末。今日になって、ようやく後始末が終わった〜。
そんな11月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。秋から冬の果実と鳥の調査(つまり鳥のセンサスと、果実チェック)も、おおむね順調に推移。9月の台風の影響はまだ残っていて、立ち入り禁止エリアは健在だけど…。
先月始めたハッカチョウセンサスは、4コースでちゃんと継続。あまりハッカチョウはいないけど。ムネアカオオクロテントウとスクミリンゴガイと淡水魚の調査は頭に少しだけ。オオクビキレガイ調査は、勝手に駅から離れて石津川沿いを歩いてみた。

標本作りは、ホネホネ団の通常の活動日の2日。参加はしてないけど、カリカリ団の活動が3日。
岬町にウミガメの死体が漂着したと聞いて、慌ててでかけたが、甲羅しかなかった…。
高知県に漂着したザトウクジラの回収を手伝って欲しいと言われ、11月中に行く予定だったが、海が荒れて延期。

普及行事は、やっぱりフェスティバル中心。本番とその準備。 講演は、これまたフェスティバルで外来生物調査の話。
査読はなかったし、原稿も書けてない…。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系0冊と、SF21冊。完全休養日は1日しか確保できなかった。
●2018年11月29日 河川工学的な

今日は夕方から、とある河川の管理の仕方を考える会議に出席。河川の管理者といえば、生物多様性なんか配慮せず、治水治水と言い立てて、100年に一度の増水にそなえた過剰な設備投資をするばかり。なんてイメージがあるけど(当社調べ)、時代は変わっているらしい。ここ数年で何度か実際に水があふれている河川なので、治水はもちろん必要。だけど、同時に生物多様性を維持しようと、生物の生息環境に配慮した方向性を考えているらしい。ってゆうか、実際に考えているのは委員会の先生たちだけど、その委員会の意見をそれなりに取り入れるスタンスがある。委員会は、生物学者だけでなく、河川工学の研究者も混じってるけど、工学屋さんも生物多様性への配慮を鑑みた発言をしているのが印象的だった。
河川工学な人と同席する機会があまりないので、その工学的な発言が面白くて仕方が無い。議論は井堰撤去の影響が中心でだったので、鳥はあまり関係ない。とりあえず話を聞くことに終始する。矢板、水叩き、護床工、洗掘、パイピング等々。知らない言葉が続出して、勉強になって楽しい。帯工は最後まで判らず。
●2018年11月28日 飛べない鳥のつくり方を、哺乳類に適用

飛べない鳥をつくってみましょう。まずボトルネックが必要です。それから捕食者のいない環境をご用意ください。簡単な手順として、捕食者のいない島などに少数個体を放すってのが判りやすいでしょう。飛ぶ必要がないため、翼関連の突然変異が個体群の遺伝子プールから排除されず。それが蓄積してやがて飛べなくなることが期待できます。何世代かかるかは知らんけど。
ってゆうプロセスを、哺乳類に当てはめたら、あまり走れない、登れない、地面をノタノタ移動する哺乳類が出来上がるのかなぁ。と、今日、アマミノクロウサギの奇形の話を聞いて思った。
●2018年11月27日 淀川河川敷の樹木

この日曜日、淀川大堰からJR神戸線にかけて、淀川右岸の河川敷をウロウロした。鳥はさておいてみると、一番気になったのは、高水敷に生えていた樹種。

赤い実をたわわに付けて目立っているのはピラカンサ。その周辺の低い場所にはノイバラも果実を付けている。高めの木は、センダンとナンキンハゼとエノキとアキニレ。アキニレ以外は、すべて鳥散布。鳥による被食散布のパワーを見せつけられてる感じ。となると、アキニレはいったいどうやって河川敷に入り込んでるんだろう?と少し疑問にもなる。
もう一つ面白いのは、鳥散布で運ばれてきている樹種が、必ずしも果実食鳥に超人気の樹種って訳ではなく、最後の方まで残されるような樹種ってこと。あまり人気ではないぶん、居座って食べずにフラフラ動きまわるから、かえって散布距離が伸びてるのだろうか? それとも単に群れ動いて、集団ねぐらまでけっこう移動するムクドリが散布するから河川敷まで到達したんだろうか? 鳥散布の効率を考える上で面白いテーマな気がしてきた。
言い換えれば、どうしてクスノキはあまり河川敷に入り込めていないんだろうか?
●2018年11月24日 植物園案内鳥スペシャル2018

近頃は毎年1回、植物園で植物を説明する企画に呼び出される。鳥を絡めて、植物について喋れってお題。今年は不作年。それは予想されていたから、早めに時期に設定したけど、やはり喋るネタは少なめ。不作な上に、9月の台風で樹が倒れ、枝が折れ、樹が切られ、果実が飛ばされまくったから。
下見でも説明するネタが少なめ〜。という会話をして、本来は鳥スペシャルとして、鳥担当が一人で説明するところを、植物担当と掛け合いをすることに。鳥担当は、説明するというより、植物担当に日頃の疑問をぶつけるイメージ。なんてことは、相談してないけど、勝手に決めた。毎年この展開だけど。

で、出だしに取り上げたのは、クスノキ。今年は不作って話からはじまって、クスベニヒラタカスミカメの話。そして植物(昆虫)担当へパス。別のクスノキで、今度は葉っぱに菌類が付いてるので、植物担当にパス。ビロード病というらしい。
ナンキンハゼでは、誰が種子を食べるかの話しから、種子の毒性の話で、植物担当にパス。
ユーカリのポリネーターの話で花を探し。植物担当にパス。デイゴやサザンカでもメジロが来る話をして、植物担当にパス。
クロガネモチやモチノキやサンシュユ果実の味をみて、なんで苦いの?と植物担当にパス。ムクノキやモチノキには、緑果実が残る話をして、植物(昆虫)担当にパス。
結局、少し鳥の話をした以外は、果実の味の話、ってゆうか体験談を語って、あとは植物担当にパスしただけ。これでいいのか、少し疑問だったけど、参加者は面白かったらしい。
●2018年11月23日 16年振りの再会?

今日は館内で、大阪府高校生物教育研究会の生徒発表会があった。要するに高校の生物部の活動発表会。で、そこに参加してる先生から質問。それが思わぬ再会だった。
質問は、イルカの骨格標本の作り方についてだった。生徒と一緒に組み立てたいらしい。死体の入手のあてはあるらしい。ホネにする方法、脱脂、測定等を一通り説明。説明はしたけど、あくまでも大ざっぱな説明。どこで作業するかとかも、検討しないと大変。組立は学校でするにしても、ホネにするのは場所を変えた方がいいかもねぇ。実際に作業する段階で、もっと細かく相談してもらった方がよさそう。てな感じ。
要件が終わってからカミングアウト。小中学生の頃、博物館の行事に来てたし、教員になったのもその影響と。ですよね〜。名前聞いた時、知ってる名前だなぁと思い、そういう目で見たら見たことある顔に思えたけど、なんせ10年以上ぶり。確信が持てなかった。ジュニア自然史クラブ出身やん。最初に言えよ。
●2018年11月22日 大阪湾湾奥部のウミネコは、なんかかわった?

大阪湾の湾奥部のウミネコは、夏に多くて、冬にはほとんどいなくなる。大和川河口なんかで見てると、11月頃からほとんどいなくなってたと思うんだけど、今日大和川河口に行くと、けっこうウミネコがまだいる。これって、近頃の傾向? かわってきたのかな?
ってことで、過去のデータをながめてみよう。

2010年11月後半の大和川のウミネコは19羽
2017年11月24日の大和川のウミネコは2羽
そして
2018年11月22日の大和川のウミネコは200羽弱

やっぱり今年は多い。これが今年から多くなったのか、今年だけ多いのかが重要。来年以降を注視しなくては。

●2018年11月21日 自然海岸に漂着したクジラのホネ回収ミッション案

南国の海岸にザトウクジラの死体が漂着したらしい。それを地元のグループが回収して標本にしたいという。でも、経験がないからと相談された。
漂着した場所の画像を見せてもらった。見渡す限りの自然海岸。浜に出るには車道から山道を下って5分、登りは10分なんて場所らしい。

大阪府でクジラの死体が漂着と言えば、ほぼもれなく近くまで道路があって、トラックを乗り付けて解体したのを積み込み。高い岩壁とかがあっても、クレーン車をも動員したら、積み込みには問題なし。が、この南国の事例には、大阪府民的には想定外な難問が立ちはだかっている。解体した肉付きの重いホネをどうやって運び出して、トラックに積むのか?

まず獣道に毛が生えた程度の道を運び出すのは無理。少なくとも頭骨は無理。他のパーツも数が多くて、臭くて、大変すぎる。
とりあえず、少しでも軽くしてから運び出すべく、その浜に埋めるなり、放置するなりして、現地でホネにできないかと言ってみた。が、近くで製塩業が行われてる都合で、無理なんだそうな。
それなら、船で引っ張って、曳航して作業して埋められる浜まで死体を移動させられないかと思ったけど、遠浅の海岸で船は着けられないとのこと。
だとしたら、平底の手こぎの船を用意して、解体したのをそれに乗せて、トラックの着けれる海岸まで移動させるのはどうか? と提案してみた。

【追記】
ミカン産地は思わぬ解決法を準備していて驚いた。急斜面で収穫したミカンを運ぶためのモノレール状のトロッコ。ではなく、むしろワイヤーにぶら下げて運ぶ軌道を、浜まで引いてくれるらしい。地元がとても協力的なのは、大阪でも見習って欲しいと思った。
●2018年11月20日 博物館実習の後始末

博物館実習が終わると後始末が待ってるから憂鬱〜。
まず、実習ノートのチェック。日々の記入内容に小まめにコメントを書くことになってるのだけど、それは今回は日々頑張った(通常の博物館実習だと、班分けして日々担当学芸員が違うので分担できるが、今回の普及コースではほとんどを一人でチェック&コメントしないといけないので、けっこう面倒)。あとは、総評めいたコメントを求められていないか。あと、出席関係や確認のハンコが必要じゃないか。
成績表的なのがある大学に対しては、必要事項を記入して、押印。そして、館長印が必要なのをピックアップして、館長に押させる。博物館の公印を求める大学もあって、面倒だけど手続きを手配。
そんでもって、実習ノートや成績表の返送。実習生個人に返送してほしいってケースがないか確認して、残りは大学へ。大学がゆうパックや返送用封筒を用意していたら、それに入れる。住所や切手があるかを確認(住所書いて切手の貼ってある封筒が好きです)。封筒などがなければこちらで、準備。当然住所書き付き。大学の住所は長いから面倒。

そして、最大の山場。博物館実習生には、一人1回、実習生ブログを書き込むことを求めている。できれば即日に書くように言ってるのに、まだ15人中9人しか書いてないし! 書いてる者にはすぐ返送。大学毎にまとめて送るので、一人でも書いてなければ保留。ブログ書き込み期限は、11月末日。それまでは時々書いたかチェックして、書いたのを確認出来れば返送。

【追記】
最後の一人は神戸大学。11月30日にようやく書いた。締め切りを覚えていただけましと言おうか。


●2018年11月19日 フェスティバル終了、博物館実習も終了

今年もおおむね無事に、大阪自然史フェスティバルが終了した。2日間とも雨が降らず、寒くもないという、とても天候にめぐまれた2日間だった。そのおかげで来場者数は史上最高をたたきだした(主催者調べ)。ただ、土曜の午前の出足がよかった割りには、日曜の午前の出足が悪かった。いったい何がどうしてなのか不思議。
2日目の主な担当は、午後のメインシンポジウム。企画者だし話題提供者の一人でもあるので、午後はそちらにかかりきり。
それが判ってるから、午前にせっせと買い出しして、ブースの様子をつぶやく。どうしても本部よりに動くので、メイン会場のブースをゆっくり見れなかったのが心残り。見に来るのを楽しみにしてくれていた小学生がいて、後で会ったら怒られた…。
昨日と違って、今日は植物園が有料なので、イベントの集合やら、植物園との出入りがいろいろトラブりそう。ってことで、そこも注目ポイントだったのだけど、幸い大きな問題は生じなかった。

最後は後片付け。そして博物館実習生は、今日が最後なので、早めに終わらせて、実習ノートを書かせるというのが、最後のお仕事。みなさん、お疲れさまでした〜。
●2018年11月17日 大阪自然史フェスティバル2018初日

思い起こせば一年前。昨年の大阪自然史フェスティバルの初日は、午前は雨で、午後は寒かった。雨やら講師の体調不良で、企画が軒並みキャンセル。来場者数も少なめで、そういう意味でも寒かった。
それに比べて今年は、とにかく雨が降ってない。それだけで、来場者数は伸びるし、気分的にも明るい。今年も講師の体調不良でキャンセルの企画があったけど。それ以外の企画は大入り満員の盛況ぶり。とにかく土曜日の午前から人出が多いのが、とても不思議。天気だけが要因ではないように思う。

で、主担当ではない今年は、例によって講堂プログラムを中心に、企画系がうまくまわってるかに目を配るのが主なお仕事。だけど、今日はそんなにややこしいことも少なそうなので(つまり明日はややこしそう)、食べ物系のブースの売上げに貢献すべく、せっせと買い出し。その合間に、いろんなブースをチェックしてその様子をつぶやく。ってのが主なお仕事状態。
●2018年11月16日 大阪自然史フェスティバル前日

今年もいよいよ明日明後日がフェスティバル。前日は例年、夕方からの設営作業と、アルバイトの研修、そして展示設営に来た出展者さんと話をして、自分の担当ブースの展示を設営して。とてんやわんや。
でも、昨年からフェスティバルにぶつけて博物館実習を受け入れることになった。昨年やってみて、良い感じかも。と今年も博物館実習生付き。それも今年は15人もいるから、とても助かる。机や壁を運ぶのがとても楽。指示すれば自分で運ばなくてもなんとかなる。確かに要領悪かったり、体力無かったりするけど、15人もいればそれを補って余り有る。学芸員が2人も付いて指示したら会場の設営が出来ていってしまう〜。
これがアルバイトだと、昼間っから来れない人が多いので、設営作業のスタートが遅くなるんだな。午後に入ったらすぐに動き出せるのも大きな利点。 一方、こき使われている博物館実習生はというと、実習ノートを見る限りでは、学園祭や文化祭の準備みたい〜、と楽しんでる人が多い様子。これで、明日明後日に出展ブースでの交流する余裕があれば、とても意義のある博物館実習ということになるのかもしれない。研究一色ではない、学芸員の仕事も実感できるし。
ただ、今日の設営作業を終えて、体力的にきつい〜、と書いてる実習生が多いのには、笑ったというか、明後日の撤収が不安というか…。
あと、何人もが学芸員の動きがてきぱきしてると、とくに歩くのが速いという指摘をしていた。大阪人はいらちやから、と答えたいところだけど、実習生も多くは大阪出身。とりあえず学芸員は忙しいから、と答えてみたけど、本当のところはどうしてなんだろう?
●2018年11月15日 博物館実習生の感想

昨日から博物館実習生を15名受け入れている。昨日はオリエンテーション、今日と明日は週末のフェスティバルの準備・会場設営、そして土日はフェスティバルのサポート。って段取り。普段の博物館実習では、初日のオリエンテーション以外に全体を担当することがないが、今回は5日間とも担当みたいなもん。
少しずつ経験する内容は違うとはいえ、毎日全員がおおよそ似たような作業をしてもらうので、班分けして班ごとに全然違う作業をする。いつもの博物館実習とは、その点でも違ってくる。
で、担当すると実習ノートをチェックするという仕事が付いてくる。毎日、全員の実習の感想を見ることになってなかなか面白い。そして、作業が似通ってくると、気になる点も似通ったり、いくつかのパターンがあってその点でも面白い。 初日のオリエンテーションでは、博物館の概要の座学の後、バックヤードと展示室の解説ツアー。
展示室のツアーでは、展示のメンテナンスを中心に説明したのだけど、一部の来館者が展示物を壊すケースがあることを、アレコレ説明したら、それがやたらと印象に残ったようで、けっこう多くの人が書いていて面白かった。
それよりは少し少なかったけど、学芸員の仕事って色々あるんだなぁ、とか。収蔵庫にところ狭しと標本があってビックリ、という感想も多かった。
面白かったのは、思ったより標本の扱いが思ってたより雑で驚いたという感想。どうも床や通路に置かれていることを指してるらしい。まあ、スペースがないので仕方がないんですよ。 今日2日目のフェスティバルの準備作業では、感想にいくつかのパターンがあった。
一番多かったのは、フェスティバルの出展団体の多様さに驚く声。名前を見て、どんな団体なんだろう?と興味を持った実習生も多かった。興味を持ったら、是非そのブースを見に行ってもらいたいなぁ。
フェスティバルを共催する大阪自然史センターのスタッフから作業の指示をしてもらったからだろうか、博物館では学芸員以外にどんなスタッフが働いてるんだろう?と思った人も多かった様子。
あとは、紙を切ったり、貼ったり、物を運んだりという作業は、高校の文化祭の準備を思い出すのか、楽しかったという声も多かった。
それに絡んで、学芸員って力仕事もできないといけないのかぁ、とか。力仕事で疲れた〜、という声も。今日程度で疲れてたら、明日が心配。明日こそが力仕事なのに。
そして、なぜか男子からは、もう少し背が高かったら、もう少し手が長かったら、作業がしやすかったのに。ってことがチラホラ。なんの作業をしたんだろう?
●2018年11月14日 博物館実習 2018年秋期普及コース オリエンテーション

今日から5日日程で博物館実習がスタート。大学生が15人(朝一番は、職業体験の中学生が1人混じってて驚いた。16人いる!)。初日の今日はオリエンテーション。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。

09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を配って、名札を作らせて、友の会に入会させる。ブログの担当も説明(担当したブログを書いて始めて、実習を受けたと認めることを宣言)。
今回の博物館実習は、大阪自然史フェスティバルの準備・運営をしてもらうので、Tシャツのサイズも確認。実習時間帯も変則的なので、説明。ブログの書き方と担当のブログを書いて実習を完了したと評価するとの説明。
09:55〜11:30 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。フェスティバルの意図も真面目に説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:30〜12:05 管理棟の案内・解説。あちこちに置いてある標本などについて言い訳。まずは、フェスティバルで関係する外来研究室を紹介。書庫と編集記録室と植物研究室と特展準備室を見せる。パネルを何年も再利用していることを証拠を見せて説明。A会場になるネイチャーホールを覗、フェスティバルの中心人物も2人紹介。
(12:05〜13:00 昼休み)
13:00〜14:05 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。壁の違い、通路がうまってるとか、なぜ収蔵庫に本があるかなどにも注目。
(14:05〜14:20 休憩)
14:20〜15:40 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されやすい展示を説明して歩く。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けの難しさも解説。 博物館におけるミュージアムショップの普及教育的意味についてもふれた。
15:40〜16:00 実習ノートの記入。

実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導。ブログも、これから頑張ろう的なのはつまらないので、止めてと言ってみた。
●2018年11月13日 街中の鳥って、こんなに少なかった?

今まで、ずっと市街地周辺がおもなフィールドで、市街地の鳥のことはよく知ってるつもりだった。ところがこのところ、意外と街中の鳥のことを知ってなかったかもと思い始めた今日この頃。
というのも、先月からハッカチョウのセンサス調査をはじめたんだけど、ターゲットが市街地で暮らすハッカチョウなので、4コースのうち、河内長野コースは完全に市街地コース。りんくうコースも、半分は海岸を歩くけど、残りは市街地を歩く。淀川コースと猪名川コースは川沿いを歩くんだけど、駅と川の間は市街地を歩く。どうせなので、市街地でも鳥をセンサスしている。で、思ったんだけど、街中にあんまり鳥がいない。調査的には楽でいいけど、街中の鳥ってこんなに少なかったっけ?と気になりだした。
考えて見れば、市街地で鳥を調査してきたといっても、大学院時代は大学構内。就職してからは都市公園がメイン。他にはため池とか河川沿いとか海岸とか。本当の市街を調査してきた訳ではなかった。今まで本当の意味で市街地を調査したのは、大阪市内のツバメの巣調査くらい。当然ながら、繁殖期の調査。非繁殖期の市街地はこんなに鳥が少なかったのかな? それとも以前と比べて減ったのかな? 以前のデータを持っていないので、なんとも言えない。
これからは、真の市街地の鳥類相を、もう少し気にしてみようと思ったり。
●2018年11月12日 堺市のオオクビキレガイの分布パターン

今日は鳳駅周辺から泉北高速鉄道まで、石津川沿いを歩いた。オオクビキレガイの分布がどうなってるか、ほぼ解明出来たんじゃないかと思う。
石津川沿いにオオクビキレガイがよく見つかることに気付いたのは、津久野駅周辺をウロウロした時、石津川沿いの花壇にオオクビキレガイをいきなり見つけ、近くの菜園に見つけ、老人ホームの植え込みでも見つけた。この辺りにはオオクビキレガイが多いんだ!と、石津川から離れた場所を探すとさっぱり見つからず。陸貝なので納得しにくいけど、石津川沿いに分布してるんじゃないかという疑いが。ただ、駅から1km以内のしばりがあって、石津川の上流の方にもオオクビキレガイがいるのかは判らず。
その後、もっと下流の諏訪ノ森駅周辺でも石津川沿いでオオクビキレガイを見つけた。さらに、石津川の支流の百済川沿いでも見つけ、その支流の百舌鳥川沿いでも見つけた。やはり河川沿いに分布を拡大するに違いない。と言う訳で、今日、ついに石津川沿いを遡る調査を決行した。
まずは鳳駅からギリギリ1kmの石津川沿いで予定通りオオクビキレガイを確認。それから上流に向かう。川沿いの道の脇には、ゴロゴロ死に殻が落ちてる。密度が高いと、湿った場所を好むとか関係ないらしい。それっぽい場所をチェックすると必ずオオクビキレガイを見つけられる。あまり見つけすぎても面倒なので、1km程度の間をあけては探すを繰り返し、ついに到達した陶器川・石津川合流点。
以前、ネットで泉ヶ丘駅の北東部の畑にオオクビキレガイが多いという情報を見つけていて。それを頼りに、泉ヶ丘駅周辺を離れて、北に約1.5km。予定通りオオクビキレガイがゴロゴロしてる水田を見つけた。やはり河川沿い。そしてあれが確か陶器川だったはず。
ってことで、オオクビキレガイは陶器川上流部をソースとして、流されて石津川沿いに拡がったというのが、密かな仮説。陶器川・石津川合流点まで、くさるほどオオクビキレガイがいるのは予定通り。問題は、ここから上流の石津川に見つかるかどうか。
結論から言えば、陶器川合流点より上流にオオクビキレガイは見つからなかった。予断はあったが、それでもそれっぽい場所は小まめにチェックした。ウスカワマイマイはいっぱい見つけたが、オオクビキレガイはまったく見つからず。絶対にいないと断言するのは無理かもしれないが、陶器川合流点より上流の石津川にはオオクビキレガイは、ほとんどいない。いても低密度とは言えると思う。
と言う訳で、驚いたことに、密かに考えていた仮説は正しいらしい。となると、今度は陶器川を遡って、ソースを見つけたいもんだ。百舌鳥川沿いにも分布していることからして、そのソースは、陶器川源流部と百舌鳥川源流部の両方に近い場所じゃないかと思う。まあ1点からスタートしたと仮定してだが。
●2018年11月11日 今年も鳥の羽根しおり作り

今年も年に一度の羽根しおり作りの日がやってきた。今年は、羽根コレクターなメンバーが手持ちのいらない羽根を出してくれた上に、昨年の余りがけっこうあって、なんやかんやで今年は28種もの羽根しおりが出来た。今年持ち寄ったのに、しおりにしなかった種まであるから、実際はもっと種数があった。あまりに普通種のカラスやドバト、キジバトは抜きでこれだから、すごいもんだ。下にリストを付けておこう。
昨年は、4mのリボンを10本使い切った。最初は5本しか買ってこなかったので、今年は最初から10本買ってきた。が、今年は4本半18mしか使わなかった。残りは来年に使おう。でも、来年も買い足しに走ることになるんだろうなぁ。しおり1枚に15cmくらいのリボンを使ってるとすると、ざっと120枚ほどしか作製しなかったことになる。例年より少ない。
で、今年の羽根のリスト。たくさんあるのが、スズメ、キジ、アオバト、クイナ。昨年たくさん拾うことができたものばかり。他は、ヤマドリ、コジュケイ、マガモ、コガモ、カワウ、ツツドリ、コミミズク、トビ、アカゲラ、カケス、シジュウカラ、ツバメ、ミソサザイ、トラツグミ、シロハラ、ツグミ、コマドリ、オオルリ、ハクセキレイ、アトリ、カワラヒワ、ホオジロ。海外物というか動物園物として、ホロホロチョウとアオカケスも。羽根コレクターのみなさんは、気前がいいなぁ。
●2018年11月10日 フェスティバルに使う机の算段

出展者数は、昨年と同等。今年は1ブース2台の制限をかけた(通常のブースは2台でいっぱいになるから!)。そして、昨年度の年度末に10台ほど増やした。今年は机の心配しなくて大丈夫。と思ったら、足りないって事が判明して大慌て。
なんとか研究室から無理矢理(例年通りやけど)徴発して、借りる手配もして、なんとかなんとかなりそうになってきた。
昨年より必要数が減った(はず)のに、手持ちの机の数は増えたのに、どうしてこんな展開に? 少し検証してみよう。

まず、昨年も借りて数をそろえた。借りた数は同じくらいで、15台ほど。この一年で手持ちの机は処分していない一方、新たに購入したので、机の総数自体は増えているはず。あちこちに隠してある、あるいは使われている机を出来るだけ多く引っ張り出すという作業は、昨年も今年も少なくともチェックした。大きな違いはなかったと思う。
となると、使用数に変化があったと考えるのが妥当。

昨年は、1ブース2台の制限はなかったものの、結果的にはそうなっていた(通常のブースは2台でいっぱいになるから!)。むしろ1台しか使わないブースも結構あった。それが、今年は、2台までと制限したからか、2台使うことにしたブースが増えたんじゃ無いかと思う。
●2018年11月9日 制度設計

制度設計は、決まってから伝達するのではなく、大枠を決めた段階で、意見を聞いて欲しいもんだ。と思った夕方。その上、肝心なところが決まってないときた。

【追記】
月内に制度案を出すと言ってた。言った通り、11月30日の夕方に制度案を送ってきた。一瞥しただけで、不備が大量、誤字などのミスも大量。そして根本的に問題がある。コンプライアンス上も問題と思う。修正を求めていくしかない。
●2018年11月7日 ホオジロ類ネタ
ホオジロ類をネタに原稿を書くようにという指令を頂いた。それも季節柄、越冬期の。あまり思いつかないので、グーグルスカラってみる。
一時代を築いた信州大学チームは、ホオジロ類を熱心に調べてると、なんとなく知っていたが、けっこう色々と論文を出してるんだなぁ。ただ、1970年前後の時代を感じさせる内容で、いま読んでも、前提の理屈にそもそもついて行きにくい。
かといって、最近の越冬期のホオジロ類の論文は、当たり前なことしか書いてない…。そんな中、気になるタイトルの論文が。 「翼長によるホオジロの老若判定の信頼性について」 読めないけど気になる。

【追記】
読めないけど気になる。というのを見た方がPDF化して送って下さった。わざわざ送ってもらって申し訳ないのだけど、読んでみたらつまらなかった。
●2018年11月6日 読書サークルの2017年度まとめ

来週末に迫った大阪自然史フェスティバルに向けて、今日の夕方は、友の会読書サークルBooksの展示を作った。中身は毎年同じで、一年間にみんなで読んだ課題本の紹介文を、表紙画像とともに模造紙に貼り付けるポスターを作成。それを貼り出して、手に取れるように本の実物と、持って帰れる紹介文の冊子をセットしたら完了。
ちなみに2017年度の課題本は47冊。完成した紹介文は41冊分、読んだけど紹介するのは止めとこうと結論したのが4冊。前年度からの繰り越しとか、次年度への繰り越しがあるので、合計数はずれるんだな。
紹介文が41冊完成したの内、自分が読んだ本を数えると32冊。地学系の本はともかく、課題本になった生物系の本は一通り読むようにしてるつもりが、生物系なのに読んでない本が1冊あった。綺麗な虫を並べただけの写真絵本なので、食指がまるで湧かなかった…。
ポスターには、ただ紹介文を貼り付けただけでは面白くないので、一年間に読んだ本の中で、一押しのにさらにコメントを付けることになってる(昨年から)。で、どれを選ぶかに頭を悩ませる。とても印象に残ってる『毒々生物の奇妙な進化』はとても面白かった。『海の寄生・共生生物図鑑』と『海のかたち ぼくの見たプランクトン』の写真も捨てがたい。が、ここは、陸貝研究を並べて現代進化論を概観してみせてくれる『歌うカタツムリ』を一押しに。絵本でもコメントしたくなって、鳥の絵がとても正確で感心した『鳥のくらし図鑑』も選んでみた。選んでみた。『ゾンビ・パラサイト』もお気に入りの一冊なんだけど、知ってる話が多めだったので、次点に。
●2018年11月5日 一番簡単なウミガメひろい

岬町に漂着したというウミガメの死体を回収に行った。ちょっと残念な姿だった。 ウミガメの死体漂着の一方が入ったのは、11月2日。博物館に電話がかかってきたらしいが、調査に出かけていたので、直接は聞けず。調査が終わった頃に、博物館からメールが飛んできた。岬町にウミガメの死体が上がった。
それは取りに行かねば。たまたまやり取りした二人の都合が、直近で合うのは6日だったので、6日に車を仕立てて取りに行くことに。
翌日、その打合せと思ったら、5日にちょうど車があるらしい。それならわざわざ6日に車を仕立てなくても5日に取りに行こうと予定変更。
さっそく先方に電話で5日の夕方に行く事を連絡。すでに埋めてあって、そのすぐ横まで来るまでつけれるらしい。大きさは? 甲羅が90×80cm。けっこうデカイなぁ。臭いですか? けっこう臭いです。まあそうかぁ。ここで“状態は?”と訊ねなかったことを、後に現地で少し後悔する。まあ、大きな違いは無かったけど…。
現地で解体って訳にはいかないから、基本はまるごと持って帰ってこよう。まるごと入る入れ物はないから、ブルーシートで二重に包むかなぁ。その前に、大きなビニール袋に入れてガムテープでグルグル巻きにしたら、汁もこぼれないだろう。頭とか手足がはみ出るようなら、現地で切り離そう。
ってことで、ブルーシート、90Lのビニール袋、ガムテープ、手袋、メス、メジャー、カッパ、長靴を準備。 当日、信号無視などを乗り越えて、予定より30分遅れで現地に到着。現地での伝言ゲームはスムーズで、すっと入って、埋まってる所までたどりつけた。砂浜に埋まってるかと思ったら、なんと瓦礫だらけの土地に埋まってた。掘り返してビックリ。手足はなく、頭もなく、ほぼ甲羅だけの状態だった。“どんな状態ですか?”って訊ねておけばよかった〜。
甲羅だけなので、あっさりビニール袋に入った。中身もないので臭い汁がこぼれる心配もなし。そのまま車に乗せて帰ってくるだけ。帰りの車の中は、ほんのりウミガメ臭いけど、それだけ。ついでの車の便があってよかった。わざわざレンタカーとか手配してたら、哀しくなってたかも。もちろん大阪湾で打ち上がったウミガメはすべて回収するつもりだけど…。
●2018年11月4日 オオクビキレガイは水に流れて分散する?

今日もまた百舌鳥川沿いでオオクビキレガイを見つけた。いると判ってるのを、わざわざ見つけるのは空しい。って訳でもなくて、やっぱり見つかると嬉しい。けっこう害がありそうな外来生物なので、見つからないに越したことはないが、発見の喜びは理性に勝るのである。そして、こうも川沿いで狙い通りに見つかるところから、川や水路沿いに分布を拡大しているのは、否定しようがないと思う。陸貝なのに…。
なので陸貝が川沿いに分布を拡大するプロセスを考えてみた。

0:オオクビキレガイは川沿いを動くのが好き。
 →あまり自分で動く貝ではなさそう。それに川沿いに動く理由がない。
1:川沿いは人の行き来が多く、土なども運ばれやすく、一緒に陸貝も運ばれる。
 →そんなん川沿いに限らんし。
2:増水時などに川に流されて、陸貝が運ばれる。
 →オオクビキレガイは、あまり物にひっつかない。仮に流されて河川敷に拡がっても、河川周辺に拡がるとは思えない。
3:めっちゃ増水して、河川から水があふれたり、河川沿いの道路が冠水した時に流されて拡がる。
 →河川沿いとは、つまり周辺でも低くなっている場所。河川が溢れなくても、大雨が降ったら周辺が軽く冠水するのはありそう。それに流されるなら、河川沿いだけど、河川敷ではなく周辺に拡がるのが説明できる。

いま一押しは3のパターン。だとしたら、オオクビキレガイ探索のエリアも絞れる。
●2018年11月1日 幼稚園児200人とクジラのホネ

200人の幼稚園児200人相手に、クジラのホネがぶら下がっているところで、そのクジラの話をしろっていうお仕事を頂いた。幼稚園児たちは、すでに一番大きなナガスケについては、紙芝居を見て予習をしてきてるらしい。
当日、水色のジャージ上下の幼稚園児達が、同じく水色ジャージの先生に引率されて到着。服装は全員一緒だけど、帽子の色が違っていて、青、水、緑、赤、黄、黄緑の6チームに分かれていた。それぞれ30人ちょっとで、合計約200人。最初に思ったのは、なぜピンクやオレンジはないんだろう?
拡声器と指し棒を持って待機していたけど、先生は肉声で全員に話しかけているので、こちらも負けずに声を張ることにした。 まずは、ぶら下がっているクジラの紹介。ナガスケをシロナガスクジラと思ってる子もいたので、容赦なく訂正。あとはマッコウクジラのマッコと、ザトウクジラのザットン。なぜか種名よりも愛称の方が覚えやすいらしい。
ナガスケは大人のオス。おっさんやね、と言ったら受けた。マッコは若いメス。女の子。ザットンは、生まれてすぐの男の子。みんな大阪の海にやってきて、死んだから博物館で引き取ってホネを保存しています。
で、ナガスケとザットンは、ヒゲクジラ。マッコは歯クジラ。ほら歯があるよね。ヒゲクジラには歯の代わりにヒゲがあって、それでこしとって海に浮かんでる小さなエビみたいなのを食べる。こしとるは伝わるか?オキアミは避けた方がいいか?と、いろいろ気を遣う。歯クジラは魚とかイカとかを食べる。マッコは、お腹の中からイカがいっぱい出てきた。ダイオウイカ知ってる?ダイオウイカも出てきた。と言ったら、ダイオウイカは知ってる子がけっこういるようだった。 と、ネタが尽きてきたので、死体を回収してきて、ホネにする話に突入。現地で出来るだけ肉をはずして、ホネだけ持って帰ってくることを説明。そこで、まずバナナみたいに皮を剥いて、と言ったら、妙な反応。クジラの皮が変な感じだったらしい。なぜか皮膚なら通じる。そして、埋めて微生物とか、昆虫に残った肉を食べてもらう。一年でマッコやザットンはホネになったが、ナガスケは5年経っても肉が残ってた。などと話したが、リアクションが薄め。気持ち悪かったかなぁ。
大阪湾でクジラが死んだら、また博物館がもらってくるから、いつかもう1匹ぶら下がるかもね。って感じで終了。 終わったと思ったら、質問タイム。1/3くらいの子どもが一斉に手を上げる。仕方がないので、先生に1チーム1人を選んでもらう。質問は、
・マッコとザットンはいつ来たの? →マッコは2010年、ザットンは2015年。
・クジラはどうやって泳ぐの? →尾ビレで泳ぎます。
・どうして魚は卵を産むのに、クジラは子どもを産むの? →腹の中で育てずに沢山の卵を産むか、腹の中で少ない子どもを丁寧に世話をするか。やり方が違うから(幼稚園児相手に説明しきれたとは思えない…)。
・クジラ類が地球に出現したのは何年前? →すみません専門外で判りません。
・ナガスケは、何m? →19m。
・クジラは何種類いるの? →大型クジラ類だけにしぼると11種ほど(その場で数えた。ツノシマクジラ忘れてたけど、誤差ってことで)。イルカ類の種数はすみませんすぐには答えられません…。

というところでいよいよ終了。と思ったら先生たちが両手を拡げて、ナガスケの下に並んでみせる。人数が足らないので、そこにも動員されて、11人で並んで手を広げる。するとだいたいナガスケと同じ長さ。このシーンは、事前学習してきた紙芝居にあったらしい。
幼稚園児なみなさんは大盛り上がり。てんでバラバラに一斉に何かを話してるけど、全然聞き取れない。先生は全員並んでるから、だれもコントロールしない。ところが幼稚園児達の中から自然発生的に、数字を数え始めて、11まで。面前の人数を数えたらしい。誰にも指揮されないのに、とても不思議だった。
●2018年10月31日 2018年10月のまとめ 外来生物調査再始動

涼しくなってきたので、外来生物調査を再始動。ハッカチョウセンサスも開始した。先月の台風の影響は、あちこちにまだまだ残っている。というか、いつになったら元に戻ることや良。
そんな10月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。秋から冬の果実と鳥の調査もスタート。ただ、マイフィールドはまだ半分も復旧していないので、いつもと調査ルートが違う…。どうやら復旧には今年度いっぱいかかるらしい。
外来生物調査は、先月行った横浜での経験に刺激を受けて、ハッカチョウセンサスを開始。とりあえず4コースを設定して、お試しで一度調査してみた。あまりハッカチョウは出なかったが、季節のせいだと考えておこう。ついでにオオクビキレガイ調査や魚採りやスクミリンゴガイ探しも再開。新たに3駅周辺でオオクビキレガイを発見!

標本作りは、ホネホネ団の通常の活動日の2日。カリカリ団が今月も3日間活動してくれた。

普及行事は、河内長野市での観察会。台風の影響で予定ルートが少し変更に。あとは和歌山にビーチコーミングにいったくらい。友の会秋祭りは、少し乱入して、バッタやセミの幼虫を味見しただけ。

講演では、茨木市某所のビオトープに関わってて、その勉強会で北摂の哺乳類と両生類の話。
査読はなかったし、原稿も書けてない…。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系3冊と、SF25冊、ライトノベル1冊。完全休養日は1日しか確保できなかった。
●2018年10月30日 外来生物について高校生からの質問

高校生が5人やってきて、外来生物に関する質問。質問は事前に見せてもらっていた。が、なかなか手強い。そもそも外来生物の定義が判ってないっぽい。どうも妙な本を読んでるようでもある。というわけで、当日は、準備や資料なしで挑むことに。
ちなみに質問はこんな感じ。

1:その国に適応した帰化植物は問題視されないのは何故?
 どうも古い時代に日本に来た植物のことらしい。

2:外来種は人間にどんな被害を与えるか。
 直接的被害の話なのか、農林業被害なども含むのか不明。

3:環境に害を与える外来哺乳類は?
 環境を改変するという意味っぽい。

4:在来種とうまく共存する外来種はいるか?
5:外来種をうまく利用する在来種はいるか?
 言い方違うけど、同じ内容っぽい。在来種へのプラスの影響はあるかってことでいいらしい。

6:外来種は、個体数が少ない間に、在来捕食者にどうして絶滅させられなかったのか?
7:外来種は、最初1個体でどうやって繁殖できたのか?
 侵入初期の話だけど、膨大な種が持ち込まれて、その内、定着に成功するのはごくわずか。ってことに気付いていないようす。最初は1個体とも思ってたらしいが…。

8:害をなす外来昆虫にはどんなのが?
 いやいっぱいいるし…。

9:古い時代の外来種はどうして問題にされないのか?
 質問1とほぼ同じ内容。外来生物問題の本質を理解していないってことのよう。

というわけで、それなりに勉強して臨んだっぽいんだけど、重要な点を色々知らないことが判明。まとめると
・外来生物の定義が理解されていない。なにより、“人が持ち込んだ”という重要な点が見逃されている。
・ゆっくりと生態系が変化するのは当然として。近年、人の移動にともなって、とても早いスピードで数多くの生物があちこちに運ばれた結果、急激に生態系が変化している。それが外来生物問題の本質ということが理解されていない。
・国内での移動でも、外来生物問題が生じることは知られていない。
・外来生物として定着するもの以外に、おそらく膨大な種類の生物が持ち込まれていることは知られていない。
・外来生物が、在来のすべての生物に害を与える訳ではなく、ある種には害でも、別な種には利益を与えることも普通にあることに気付いていない。 と駄目出しをしまくったのだが、外来生物の定義を理解してからは、けっこう鋭い質問が出てきていた。
・人が持ち込んだ生物が、自力で拡がった場合、それも外来生物か?
・品種改良されたペットや家畜、家禽などが野生化した場合、それは外来生物か?
・絶滅に貧している種を、別の場所に放して保全する場合、外来生物問題は生じないのか?
などなど。優秀な高校生のみなさんだった。そして、とても参考になった。
●2018年10月29日 ムネアカオオクロテントウは今

ムネアカオオクロテントウが大阪府で最初に見つかったのが2014年かな? ともかく2015年には南河内の石川周辺を中心に分布していた。その後、年々順調に(?)分布を拡大して、今年ついに大阪府での分布が淀川に到達。京都府南部でも見付かった。初夏段階での到達なので、この秋の分散で大阪府北部にどこまで拡がるかが焦点となる。が、ちょっと様子がおかしい。 今日は高槻市の芥川沿いを高槻橋から淀川合流まで歩いた。おもにハッカチョウ調査だが、クズ群落を見つける度にチェックした。が、さっぱり見付からない。ムネアカオオクロテントウがそこそこ生息しているエリアなら、確実に見つかるような場所をいくつもチェックしたのに〜。
10月17日には、猪名川を池田市から尼崎市まで歩いて、クズをけっこうチェックしたが、やはりムネアカオオクロテントウは見つからず。 今日は、芥川合流辺りの淀川でも探したのだけど、やっぱり見つからない。淀川沿いでも全域に拡がってる訳でもなさそう。そして密度もまだあまり高くなさそう。この秋の内に大阪府全域に拡がるという展開はないだろう。
ってことで、来年も大阪府内で楽しめる。じゃなかった、ムネアカオオクロテントウ探しをしなくっちゃ。
●2018年10月28日 サーファー避けてビーチコーミング

今日は中高生とビーチコーミング。昨年、雨天中止になったリベンジで、和歌山市の磯ノ浦へ。なにが拾えるかなぁ。と思って、浜にでて衝撃。めっちゃサーファーが多い。みんな黒いスーツを着ているので、黒いオットセイが大量に浮かんでいる感じ。いったい何匹のオットセイが浮かんでるのかと、ざっと数えたらなんと330個体も! 陸にも生息しているので、それを足したら400個体を越えそうな。
ビーチも綺麗に清掃されていて、ゴミがさっぱり落ちていない。とてもビーチコーミングできる感じじゃない。とたんにテンション下がり気味。どこか端っこにでもゴミはないかな?と見回すと、西の端っこにはサーファーがあまりおらず、ゴミが残っている。ってゆうか集められてる? というわけで、まっすぐそちらに移動。 西の端っこで、細々とビーチコーミング。狭いけど、それなりに楽しい。バカガイやキサゴの殻がいっぱい落ちてる。少しだけど生きたフジノハナガイを確認、死に殻ならちょこちょこ落ちてる。。他に拾った貝殻は、綺麗なタワラガイ、でかいイワガキ、オオマテガイの欠片、チリボタン、ケマンガイ、ベンケイガイなどなど。ビワガイ、カコボラ、サツマアカガイを拾った奴がいて、格好良かった。うらやましい。 ビーチコーミングにきた中高生が何をしてるかと言うと。ずーっと海浜甲虫を探す二人。70個以上のクルミを集める奴(食べるんかな?)。容器一杯にキサゴ殻を集める子(おはじきしたいのかな? でもその中にダイナンキサゴも混じっていたり、キサゴの模様が多様で、ながめるだけで楽しいかも)。次から次へと羽根を拾って来る奴等(ウミネコやセグロカモメが多かった。でもカモメ類の幼鳥の羽根はよく分からん)。ひたすらボールや海綿を集めたり。話をしたり、ボーっとしたり。楽しいのかどうかはよく判らない。引率者は、のんびりできて、それなりに色々見れて楽しかった。
●2018年10月27日 読書サークル 第100回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。 今日の課題本は9冊。2冊繰り越しになって、3冊繰り越されてきたので、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「カラス屋、カラスを食べる」
(紹介文3つ、平均★数は2.3)
 著者をよく知る一人は、学生時代の懐かしい話だけど、他の人が読んで面白いのか?と疑問に思っている一方で、他の人は著者の人柄にいやされる的な好反応。

●「生命の星の条件を探る」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
 生命の生まれる条件ではなく、生命が生まれる可能性のある星の条件を探ったのが巧いとの意見あり。判らない部分には手を出さなかったらしい。ただ、水で生まれる生命の話だけでなく、メタンをベースにする生命などをもって考えないのか?というコメントもあり。

●「目に見えない微生物の世界」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
 いろんな環境の微生物を、写真ではなく絵で示したのが高評価だった。もし写真なら気持ち悪かっただろうという意見が複数。おまけのような用語集以降が面白かったという人が1名。

●「蠅たちの隠された生活」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 著者の双翅類愛全開が暑苦しくもあるが、総合的にはむしろプラスに評価されたかも。双翅類のさまざまな形や生態、その研究者の奇妙な行動。読んだ人はそれを語りたくてたまらなくなるらしい。

●「雑草はなぜそこに生えているのか」
(紹介文5つ、平均★数は2.6)
 草本の暮らしについての標準的な紹介の本になっている。同時にそれを人間に当てはめて説教っぽくなってる。という評価までは意見が一致してた模様。その説教臭さに好意的な人と、毛嫌いする人に、評価は二分された。個人的に言わせてもらえれば、生物の暮らしから、人間への教訓を引っ張り出すのは、とても愚かだと思う。

●「鳥類学者の目のツケドコロ」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 カラス博士が研究者の目で身近な鳥の見方を提案。という趣向らしいが、その方針が最後まれ貫かれたかは、疑問が残るという意見。内容は面白いけど。ってことかと。文献がきちんと引用されておらず、引用文献リストがないことはマイナス評価。

●「古生物学者、妖怪を掘る」
(紹介文3つ、平均★数は2.3)
 議論が巻き起こって欲しい、異論大歓迎という著者のスタンスは、評価が低め。読者は断定して欲しいらしい。あるいは納得させて欲しいらしい。肝心の検証パートが少なめで、よぶんな部分が多いという意見。メジャーな妖怪、人魚と河童が出てこないのは何故?という疑問も。

●「なぜ?どうして?科学のお話 6年生」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 たくさんの疑問とそれへの答えが載ってるのだが、読んだ人はあまり内容を覚えていないことが判明。回答部分では、質問への答え意外の要素が多いという意見がチラホラ。

●「野尻湖のナウマンゾウ」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 野尻湖発掘調査の報告としては、データがまるで出てこなくて不充分という厳しい意見。紹介文が三者三様という不思議な展開。

●「動物になって生きてみた」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 読んだ人が面白かったと言っても、それが驚くほど他の人に伝わらない、伝えられない。アナグマ、キツネ、カワウソ、アカシカ、アマツバメになってしばらく暮らすらしいのだけど、具体的にどんな暮らしをしてるの? それが何になるの? なんのためにそんなことをするの? どの疑問も答えられない。かえって興味を持ってしまうのだけど、これは科学的なアプローチの本ではなく物語だ、と言われると読む気が無くなった。
●2018年10月26日 ビオトープの勉強会

北摂の道路建設で、いくつものため池や多くの田んぼが失われた。その代替措置として、放棄された棚田跡地に、池と湿地のビオトープが造られた。造ったのは建設サイドなんだけど、建設が終わったら手を引く。造っただけで放置しては、ビオトープはまるで機能しない。継続的に維持管理する人が必要。で、地元の方々が名乗りを上げて下さった。
とはいえ、適切なビオトープ管理には、専門家も交えた関係者の意思疎通が重要。で、顔合わせを兼ねて、今日は茨木市の山手で、ビオトープの勉強会が開かれた。なぜかビオトープ造りに関わってたので、講師を仰せつかる。山手の小さな湿地は、鳥類にはあまり関係ないので、大阪府の、北摂の、ビオトープ周辺の哺乳類と両生類の話をすることに。 主に語ったのは、カヤネズミが暮らすには草地の管理が必要ということと、カエルの産卵場所として機能するには水の管理が大切ということ。かなり偉そうに、あーせーこーせーと言った気がする。みんなではったらしい芝生はいらんと断言してみたり。
聞き手は、ビオトープ管理に直接関わる地元の人達と、地元の役所の担当者だったらしい。ビオトープ管理してる人達の中からは、最初に綺麗につくった場所が、草がぼーぼーになると見た目が悪いからせっせと刈りたいという意見が。答えて曰く、 ・このビオトープは景観のためではなく、水辺の生きものの棲み場所をつくろうというのが本来の目的。この本来の目的を忘れないで欲しい。
・最初にどういうつもりでつくったかではなく、個々の場面でどう対応していくか、柔軟に判断してほしい。その際には本来の目的が何だったかが大切。 落としどころとしては、カヤネズミにせよ、他の昆虫たちにせよ、夏から秋は草ぼーぼーは大切だけど、冬はそうでもない。刈りたければ、冬に刈ったらどうでしょう? っていう落としどころもコメントしてみたり。
役所の方々からは、大阪府全体の様子が分かって、地元の位置づけがよく判ったとお褒め頂いた。まあ、立場上けなしたりは出来ないから、話半分。
●2018年10月24日 体にいいホネホネ活動

『蠅たちの隠された生活』という本を読む。双翅類マニアが、双翅類愛を語りまくった変な本。変な本には、蠅や虻、蚊たちの変な暮らしがいろいろ紹介されている。なかでも気になったのは、マゴットリウム。
163ページにこんな話が。「ウジ虫の分泌する気体には治癒力があり」ということで、肉にウジをわかして、その臭いを吸うという治療法が100年前のイギリスで実践されていたと。知らない人は知らないだろうが、腐った肉はもちろん臭いのだけど、ハエのウジが食べるとその臭さが格別になる。腐って臭いというよりも、ウジによって臭い。あの臭い臭い臭いが(最後の臭いの読みだけ「におい」)体に良かったとは〜。
つまり、なにわホネホネ団の活動は体にいいってことだな。とくに腐った死体を処理した時に、健康効果が高まる、っと。いくら健康効果があっても、あの臭いをスーハースーハーするのは嫌だなぁ。
●2018年10月23日 ヒメウズラの孵化

なんでか判らんけど、隣の部屋に孵卵器があって、そこにヒメウズラの有精卵が入ってる。17日で孵化するもんらしい。で、昨日が17日目。まだ出ない。今日18日目、3つあった内の一つが孵った。というか、出した? 考えてみると、鳥の孵化前後を見るのは初めてかも。いろいろと発見があって面白い。
捕食者にやられた卵と違って、ちゃんと孵化した卵殻は、鈍端よりが綺麗に割れている。それがどうやって作られるかは考えたことなかった。先に卵歯のついた嘴で、穴を開ける。また少しずれた場所に穴を開ける。それで一周近く穴を開けるらしい。で、最後の瞬間は見てないんだけど、エイヤっと出てくるみたい。でも、どうやって一周穴を開けるかを考えると不思議。卵の中で首を回すのは難しいだろうけど、それなら体全体を回してるのかな?
孵化したてのヒナはお腹がふくれている。栄養が腹の中に残っていて、しばらくは食べなくても大丈夫。でも、成長途中では、栄養分は胚の外にある。それがいつのまにヒナの腹の中に移動したのか?
何事も考えると不思議がいっぱいだなぁ。

【追記】
あとからネットを調べて判った。胚の成長の最後の方で、“へそ”から栄養を腹の中に入れてしまうらしい。しらんかった。
●2018年10月21日 昆虫試食大会

今日は、博物館友の会の秋祭。毎年、秋祭は何かしら食べたり呑んだりしている。今年のテーマは昆虫食。バッタやセミの幼虫を食べてみようって話。季節柄、メインはバッタに。事前の行事でみんなでバッタ類をいっぱい採りに行った。それを今日は、絵解き検索を使って、種毎にソーティング。昼休みにそれを唐揚げにして試食。
単にバッタを食べるのではなく、種毎の味の違いを試してみようというのがポイント。セミも同じような種毎の違いを試したり、育った樹種の違いを試したかったけど。そこまでは出来ず。そもそも、セミは夏しか採れないので、夏に採って冷凍してあったのを試食した。セミの幼虫美味しいのに、解凍したセミの幼虫はパサパサで美味しくなかった。採れたてのセミ幼虫の味を知ってる人は全員残念がるという展開。冷凍がダメなのか、冷凍焼けしてしまったのかは不明。もう一度試してみたい。 一方、バッタの方は1週間前にわざわざ採りに行ったものなので、とても新鮮。種毎の味の違いも確認出来た。
トノサマバッタはけっこう美味い。でもイナゴの方が美味い。市販されているのも判る。ショウリョウバッタはちょっと変な味。似たような形なのに、オンブバッタは美味しい。ただ、オンブバッタとアカハネオンブバッタの味の違いはよく分からん。
エンマコオロギもあった。中学生の頃、素揚げのコオロギを食べるのにすごい勇気がいったのに、今は不通に食べられる自分を発見。味はまあまあ美味しい。なぜ昔はコオロギを食べるのに勇気がいったのか、今となっては判らない。 ちなみに市販のサナギ、ハチの子、イナゴの甘露煮なども登場した。サナギは独特の癖があって苦手。イナゴは安定の味だけど、味付け濃すぎ。ハチの子は美味しい〜。味付けがいろいろあったけど、薄め醤油味が好きかも。
●2018年10月20日 アリジゴクと変形菌のはざまでクジラを描く

今日の博物館は、企画が目白押し。そんな日にカウンター当番になると、なんやかんや手伝うことがある。とりあえず目の前では、アリジゴクテーマの子どもワークショップ。一日3回公演。午後からは左手奥の講堂で、変形菌の講演会。外に出たところでは、他所の団体だけど、有名講師を招いて、一日かけてクジラのホネのスケッチ大会。 子どもワークショップ:土曜の朝一番は、定員割れが普通なのだけど、今日は朝一番から定員を超える事態に。早めに来た人に、まだ並ばなくても大丈夫ですよ。といつもの調子で答えてしまったので、ドキドキした。その子たちは無事に入れたらしい〜。 変形菌講演会:担当者が一人で回すつもりらしく、役割分担はなにもしていない。が、誰も受付にいなくてワタワタしてるので、頼まれもしないのに受付をすることに。中の様子を見たら、映写室係が不在だったりする時もあって、必要に応じてサポートしなくちゃ。これなら最初から分担を決めておいて欲しい。 ホネのスケッチ;終わり頃のぞきに行った。それなりに上手な子を集めたのだろうか? みんなそれぞれ上手にスケッチしてる。クジラ3匹のホネをきちんと描き分けてる子も何人かいた。一人は、ホネに乗るスズメを描いていて、思わずほめてしまった。
●2018年10月18日 ABSってなに?的な。

今日は、研修があった。科研費を取ったり、申請したりする研究者番号を持った研究者は、年に一度は研修を受けなくてはいけないらしい。で、研究者倫理とかのアクティブ・ラーニング的なのを受けさせられたこともあるんだけど、あまりに当たり前の内容過ぎて面白くない。というわけで、その後は自分たちでテーマを決めて、講師を呼んで研修しよう。ってことになった。今日のテーマは「名古屋議定書ABS指針の対応について」。 まずは定義。
遺伝資源とは、生死を問わず、遺伝子を含む生物とその一部を、研究開発に用いる場合。Access and Benefit Shearing。提供国の法令を遵守し必要な手続きを! 手続きの話。
生物多様性条約に基づくABSルールでは、事前同意(PIC)と相互合意条項(MAT)に基づいて遺伝資源の提供が行われ、MATに基づいて利益配分を行い、その利益を提供国の生物多様性保全に役立てる。遺伝資源に、日本では情報や、遺伝資源から生じる化学物質(派生物)は含まない。国によって違う…。
インドネシア、韓国、ミャンマー、マレーシア、ベトナム、中国。いろんな国の手続きを紹介してくれる。法律があったりなかったり、法律なくても手続きあったり、お国柄が色々で面白い。マレーシアは半島とボルネオ島で手続きが違うとか。 利益配分の話。
利益配分は金銭に限らない。フィリピンでの魚の例。フィリピンに魚の標本コレクションを創設し、スタッフの教育、マニュアルと図鑑作成。地元で研究できる人が育って、研究体制ができて、自分達で遺伝資源を活用できるようになるのが一番。そうなればあまり細かい話をしなくて済むようになるんだろう。
面白いことに、日本は生物資源の提供国としての縛りが特にない。MATは各研究機関がそれぞれで判断して決めればよろしい。PICを求められたら、日本国はPICを発行しないよ―、と返事。もちろん種の保存法などの国内法は守ってね。って事らしい。自分達で遺伝資源を活用できる自信あり、って事なんだろう。 質疑では、実際に海外で採ってきた標本の扱いと、これから採りに行く際の手続きが主に問題になった。
1993年12月の名古屋議定書以前へは、今のところ遡及しない。以降は国による。例えばタイでは2011年に、外国人による遺伝資源の採取を法律で禁止した。以降の外国人の採取は違法。それを返還する決まりは、今のところないが、非難されて返還することになるかも。何処もまだ法律は未整備らしい。
ABSルールに対する対応は、国によってバラバラ、日本の指針だけでは決まらない。相手国の方針や法律も変化する。一々個別に対応を考えないといけないので、かなり大変。海外の標本の寄贈を受けたり、標本を交換をする機会のある自然史博物館も対応が必要。外国産標本受入の際の手続き設定が必要。
●2018年10月17日 大阪府ハッカチョウセンサスお試し1回目

大阪府内で、2018年繁殖期に複数の地点で記録のあったエリアを4つ選んで、ハッカチョウのセンサス調査を初めてみた。コースを紹介しておこう。

・りんくうコース:りんくうタウン駅から、りんくう公園を経由して、マーブルビーチ沿いを歩いて、吉見ノ里駅
 →りんくうタウン駅と田尻港周辺は、けっこう以前からハッカチョウの情報があるエリア。さらに周辺の羽倉崎や岡田浦での情報もある。今後、面的なハッカチョウの分布域になるかもしれない候補地の一つ。

・淀川右岸コース:淀川右岸沿いを柴島から姫島まで。
 →言わずと知れた大阪府で最初にハッカチョウが繁殖を始めた場所。それが現在まで継続しているし、さらに周辺での情報も多い。今年は塚本のところでも多数観察されている。すでにハッカチョウが面的に生息しているはずのエリア。

・河内長野コース:千代田駅から外環状線沿いを歩いて、河内長野市役所から千代田駅に戻る周回コース。
 →数年前から情報があるエリアだが、今年になって千代田駅、外環状線、河内長野市役所など、ハッカチョウ情報が急速に増えた。一番新顔の面的分布の候補エリア。

・猪名川コース:猪名川沿いを池田から尼崎まで。
 →大阪近辺では、一番古くからハッカチョウが繁殖している軍行橋周辺を始め、猪名川沿いではハッカチョウ情報が点在している。ここも面的にハッカチョウがすでに分布しているかも。と考えた。

で、4コースを1回ずつ調査した結果、記録されたハッカチョウは、
・りんくうコース:1ヶ所で3羽の群れ
・淀川右岸コース:1ヶ所で1羽
・河内長野コース:1ヶ所で1羽
・猪名川コース:0羽
とりあえず、10月はハッカチョウが見つかりにくい。と覚えておこう。
●2018年10月16日 川沿いにひろがるオオクビキレガイ?

少し前にオオクビキレガイが見つかっていた大津池も、萩原天神駅の西の田んぼも、百舌鳥川沿いってことが判明! やはり川沿いに拡がってるっぽい。でも、どうしてかはよく分からない。別に河川敷にいるって訳ではなく、河川沿いの畑とか、駐車場の端っことか、別に川で運ばれてきたとは思えない場所にいるんだしなぁ。オオクビキレガイは壁面をあまり登ったりする貝じゃないしなぁ。
とりあえず川沿いに拡がる仮説からすると、百舌鳥川が流れている大阪府立大学や白鷺公園の周辺にもオオクビキレガイがいるはず。これで見つかれば、仮説が検証された気がするなぁ。早めに探しに行ってみよう。
●2018年10月15日 長い嘴に短い舌のわけ

夏休みから自由研究の相談を受けていて、今日で5回目くらい? 夏休みはとっくに終わって、はや10月。発表が10月なので、まだ間に合うらしい。
当初のテーマは、鳥の嘴について。だったけど、嘴の中の舌が面白いよ、って話を振ったら、本当に方針転換。ちょっと責任を感じつつ、標本の舌の計測に協力したり、方針を一緒に考えたり。基本テーマは、嘴が長い鳥の中には、舌も長いグループと、舌が短いグループがいるのはなぜ? って感じ。
水鳥で判りやすい。
・嘴が長く舌も長い:ツル類、サギ類、シギ類
・嘴は長いけど舌は短い:ペリカン類、ウ類、カワセミ類
とりあえず、標本を計測したり、動物園で観察したりして、2パターンあることを示せば一定の成果にはなりそう。ただ、どうして舌が長いグループと短いグループがいるかと考え始めると難しい。
なにが難しいって、知る限り答えは出されていないと思う。だから本などで調べるという話にならない。一方、こうじゃないかなぁ、とアイデアはある。でも、それを教えたら、だれの自由研究か判らない。というわけで、考える材料を提案したり、考えるきっかけを振ってみたり。たとえば、舌はなんの役に立つと思う? それぞれの鳥が何を食べるかを考えたらどうだろう? 自分で舌を使わずに食べ物を呑み込もうとしたらどうなる? などなど。でも小学生には難しそう。最後にかなりはっきりヒントを出してしまった。 たぶん大きなものを呑み込む時、舌はあまり関係ないんだと思う。上向いて呑み込むしかない。舌が役に立つのは、小さなものを呑み込もうと、嘴の途中から喉まで運ぼうとするときじゃないだろうか。
上記のグループの食性が、それを示していると思う。ペリカン、ウ、カワセミはいずれも大きな魚を丸呑みするだけの鳥。一方、ツル、サギ、シギは、けっこう小さなものも食べる。ね? 本人がこの文章を見つけませんように。王様の耳はロバの耳。
●2018年10月13日 カラスの大人と子ども

なにわホネホネ団の鳥の日。冷凍室を空けろという指令を受けて、大きめの鳥を、多めにだした。おかげで日が変わる頃にようやく終了。
今日処理した中には、ハシボソガラスが2羽。巣立ちビナと、2歳以上のメス。2歳以上って判るのは、継続的に観察されていた個体だから。それぞれ、面白い発見があった。
巣立ちビナは風切も尾羽も、羽軸の延長のように、先端が1mm程伸びて、ハリオアマツバメのようになってた。といっても、硬くはないのだけど。
2歳以上のメスは、口の中が舌の付け根より奥は赤かった。充分な成鳥でもハシボソガラスの場合、喉の奥は赤いまま。というのは何となく知っていたけど、改めて確認出来てよかった。あと脚の鱗が異様にボコボコに毛羽立っていた。獣医さんによるとトリアシヒゼンダニによるものだろうとのこと。初めて見た。
●2018年10月12日 死んだウミガメに逃げられる

淡路島でウミガメの死体が上がったとの話を頂いた。しかし…。経過を並べていこう。

10月10日朝
淡路島にウミガメの死体があがったとの電話。メールで位置情報と画像を送ってもらった。淡路島の播磨灘側。数年前まで、毎月通っていた場所やん。
ただ大阪湾なら絶対にとりにいくが、播磨灘側かぁ。アカウミガメらしいが、かなり腐っていて、背甲はすでに割れて、大きく口を開けている。関係者とどうするか相談。相談するとやはり回収に行きたくなる。

10月11日夕方
再び連絡がきた。波が高く、打ち上がったウミガメの死体は波に洗われていて、もっていかれそう〜。とのこと。
そんなことは気にも留めず、17日に取りに行くぞ!と決断。関係者に伝達。出張の手続きも始める。

10月12日朝
ウミガメが波に持って行かれたとの連絡…。
慌てて、車の手配をキャンセル。せっかく日程調整したのになぁ〜。 すでに甲羅が割れていたので、波に持って行かれたら、すぐにバラバラになってしまうだろう。再漂着は期待できなさそう。ってゆうか、ばらけて漂着しても、判らないだろうなぁ。残念だけど、まだ今度。
●2018年10月10日 小規模博物館あるある

とある研究会で、四国にあるとある小さな博物館の頑張りの話を聞いた。小規模館は予算が少なく、研究費もなく、雑用が多く、研究はできていません。でも頑張ってます。と自嘲気味に始まった話は、本当に頑張ってる話だった。
スタッフは、常勤2人、非常勤1人。とても博物館業務のすべては回せない。そんな中でも隔年で研究報告を発行。愛媛県全体でも数少ない自然史情報の発表の場。研究は、普及教育や展示、あるいは地域の人材育成とリンクさせて実施。なんとかして自然史研究の場として踏みとどまろうと頑張ってる姿がありありと。とても切ない。
応援したくて仕方が無い。でも、応援する以上に、もう頑張りすぎないで、と言いたくなる。でも、この研究会に来ているのも、頑張り続けるモチベーションを維持するためだろうし。だとしたら水を差すのも躊躇われる。どうしたらいいんだぁ。 特別展も頑張ってるんだけど、スタッフは地元の自然をきちんと普及していきたいのだけど、地元の自然の特別展の時は、来場者が激減。というのは、大阪でも同じ〜。という哀しいあるある。
●2018年10月9日 大きな二枚貝

ハッカチョウの調査でウロウロしている途中、とある池で大きな二枚貝を見つけた。大部分の水が落とされた池の端っこに、大きな貝殻がいっぱい転がっている。あれは、ドブガイかなにかに違いない。大阪府ではそれなりに希少種なので、産地情報はちゃんと記録しておかないと。というわけで、池の中に下りてみる。泥に埋まってるのを一つ引っ張り出してみると、殻ではなく、生きてるやん。そして、思ったより大きい。カラスガイとか? もう一つ、掘り出してみた。やはり生きてる。いっぱいいるから2匹くらい大丈夫だろうと、標本用に連れて帰る。
帰ってきて、水の中に入れてみる。まだ生きてる。やはりカラスガイかな。それともタガイとか、もしかしてオグラヌマガイとか?? 貝担当に見せると反応はいいけど、同定には標本にしないと。というわけで、標本になった。カラスガイらしい。
水抜かれていたけど、泥中で生き延びるのだろうか? 来年も生息しているのかちょっと心配。
●2018年10月8日 冷凍室から出したイノシシに生きたダニ

今日は、なにわホネホネ団の活動日。事件は、朝方に起こった。今日処理する予定のイノシシの死体を計測していて、ふと変な感じがして腕を見た。驚いたことにダニが這ってる! つまり生きたダニがいる!! 冷凍室から出した死体なのに〜!!! 慌てて、イノシシを袋に戻して、冷凍室へ放り込む。
探してみると、腕を歩いていた以外にも、テーブルを歩いてるダニが数匹。これも回収。その後、そのテーブルで作業してたら、さらに数匹生きたダニが見つかったらしいが、その後問題は起きなかった。一段落。 問題のイノシシの死体は、前日の夕方に冷凍室から出して解凍していた。その間に、ダニが復活して動き出したんだろうけど、あまり周辺に拡がらなくて助かった。計測のために暖かい人の手が来たので移ってきただけで、それまではあまり動いてなかったんだろう。 イノシシの死体が到着して冷凍室に入れたのは、3日前。前日には冷凍室から出してしまったので、結局冷凍室には2日ちょっとしかいなかった計算になる。摂氏マイナス30度に2日さらされれば、ダニは死ぬはずだけど、到着した時の発泡スチロールの箱のまま入れてるので、中まで充分冷えてなかったんだろう。短時間しか冷凍できないなら、フタを開けて入れるべきだった。 ってことをツイートしたら、他の博物館の学芸員からも、同じ経験をしたという話がパラパラと。アカンけど、しばしばあることらしい。
●2018年10月7日 ノビタキ探しに河川敷へ?

今日は、サークルの観察会で、枚方市駅から樟葉駅まで、淀川左岸を歩いた。ちょうどノビタキが出そうな季節だとは思ってたけど、他にこんなにたくさん(ノビタキを求めて?)河川敷に来る人がいるとは知らなかった。野鳥の会の定例探鳥会はさておいても、あっちにもこっちにも数人単位で鳥を見に来ている人がいる。ヒタキ類やムシクイ類を見てる人もいたけど、そんなんは都市公園にも普通にいるから、淀川までわざわざ来るなら、やっぱりノビタキを求めてるんだと思うけど、違うのかな? みんなそんなにノビタキが好きなの? 実際、ノビタキはけっこういたから、みなさん目的は果たせたんだろう。
●2018年10月6日 ツバメの給餌頻度に影響を与えるもの

ツバメの巣を観察して、育雛中にオスとメスそれぞれの出入りを調べた話を聞かせてもらった。給餌頻度に何が影響を与えるか、ってことを考えないといけない。
とりあえずは、餌の要求量という意味では、ヒナの個体数と大きさが重要。同時に一度に運んでくる虫の量というか大きさも重要。他には、たとえば天気が悪いとか風が強いとかで、餌が採れなければ、自ずと給餌頻度は下がり、同時に給餌量も減るんだろう。もう他にはないかな?
給餌頻度に影響を与えるのが、これだけだとすると、オスとメスの給餌頻度に違いをもたらしたりはしない。せいぜいオスとメスの餌をとる能力の違いがあれば、給餌頻度の違うだろうけど。もう一つあるとしたら、やる気? あるいは他にやるべきことがあって、相方に押しつけてるとか。
もし押し付け合いがあるなら、全体の給餌頻度も影響されそう。
●2018年10月5日 ハッカチョウのセンサス調査に何を期待しようか

今日はハッカチョウのセンサス調査企画として、淀川右岸を淡路から姫島まで歩いた。ハッカチョウは1羽だけ…。これってセンサス調査になってるのかな? それ以前にハッカチョウのセンサス調査でなにが明らかにできるだろうか? まず、一年は調査する予定だから、個体数の季節変化は明らかになるだろう。繁殖期に周辺にハッカチョウがいるのは明らかなコースなので、繁殖地周辺にいつ頃戻ってきて、いつからいなくなるか判るだろう。
何年か調査を続ければ、繁殖地周辺に繁殖分布がどのように拡がるか、あるいは繁殖地がどう変化するかも判るかもしれない。
横浜など他地域でのセンサス調査の結果と比較すれば、面的に分布している場合と、まだ分布が点在しているだけの場合のパターンの違いが分かってくるかも。
群れ行動や、巣場所周辺での行動も記録すれば、社会構造や繁殖生態の一端も判るかもしれない。 いずれにせよ、試してみたらなんか判るかも、っていう感じにしかならなさそう。それでも一年くらいはやってみないとその先に進めない気がする。次に進む決断をする材料というのが正確なところだろうなぁ。
●2018年10月4日 定住と移住の組み合わせ

鳥の(動物のでもいいけど)生息場所選択には、定住と移住の2つの選択肢があるとする。定住を選ぶと、今まで住んでいた場所、あるいは生まれた場所のすぐ側で暮らす。
移住を選ぶと、方向や距離はさておき(きっと飛翔能力とか、好みの生息地の分布とか、風向きとか、偶然で決まる)、今まで住んでいた場所、あるいは生まれた場所から離れた場所を生息場所として選ぶ。

定住個体だらけの場合、増殖スピードが死亡スピードを上回ると、元の生息場所の周囲に分布域が面状に拡大していく。ある場所で一度繁殖すると、その周辺で繰り返し繁殖が見られる。
移住個体だらけの場合、一度定着しても、次の機会に別の場所に移動してしまう。毎回分布は変わる。増殖スピードが死亡スピードが上回ると、点状の分布をするエリアが拡がっていく、あるいはあるエリアの生息地の密度が上がっていく。ある場所で一度繁殖が見られても、次の年には他の場所で繁殖する。

繁殖に成功したら定住を選び、繁殖に失敗したら移住を選ぶ場合
繁殖の成否を分ける要因が、個体の資質との相関が高ければ、繁殖成績の高いコアの面的な分布エリアと、その周囲の繁殖成績の低い単発の繁殖がみられるエリア、という構造が生まれそう。
繁殖の成否を分ける要因が、個体の資質とあまり関係なかったら、すなわち繁殖の成否は機会的に決まっていたら、平均的な繁殖成功率が重要っぽい。平均繁殖成功率があまりに低いと、面的なコアエリアは生まれないだろう。
平均繁殖成功率がある程度高ければ、面的に分布するコアエリアと、周辺の単発の繁殖が見られるエリアという構造が生まれ。さらに単発エリアの中に新たなコアエリアが産まれたりするような気がする。

こんな感じでハッカチョウの分布は説明できないかな? とくに兵庫県から大阪府に分散してきて、あらたな面的な分布エリアが生まれそうになってる状況を。
もう少し条件を整理して、モデルを組んでシミュレーションしたら良さそう。
●2018年10月3日 石津川のオオクビキレガイ

昨日は、久しぶりにオオクビキレガイ探しをした。またも新産地を発見した。といっても、堺市西部、高石市、和泉市北部、泉大津市にまたがる既知のオオクビキレガイ生息域の周辺。その上、JR津久野駅周辺の調査で、石津川沿いには広く分布してそう、って判った上での調べに行った南海諏訪ノ森駅。当然ながら、まっすぐに石津川を目指す。そもそも見つかる可能性の高い場所で見つけただけなので、新産地だとそんなにいばれない。まあ、既知の生息域の範囲を少し拡げたけど。
ただ、見つけた環境はかなり驚いた。だいたいオオクビキレガイはナメクジ類と一緒にいる場合が多いので、ナメクジがいそうな湿った場所を狙う。農耕地周辺の何かの下がお奨めの探索場所。ってことで、農耕地を探して、ひっくり返せる物を探す感じ。でも、諏訪ノ森駅周辺はあまりそんな場所がない。仕方なく、花壇周辺とか外に置いてある植木鉢の下をチェックする。で、昨日も石津川沿いで手頃な場所を探していた。花壇と植木鉢を見つけたので、さっそく探したが見つからず。おらんなぁ、と思いつつ、オカダンゴムシも見つけられなかったので、オカダンゴムシくらい見つけておこうと、花壇からだんだん離れて、道ばたのコンクリートの割れ目から生えた草の根元をかき分ける。堤防の下の割れ目に生えた草の根元を見てみる。すると、そこにオオクビキレガイの成貝が1個体。
だいたい、オオクビキレガイは想定外の場所で、さりげなく出会うので、出会ったらたいてい驚く。あまりに想定外だと、声も出ない。あっ、いた。って感じ。
こんなに乾燥した場所で見つけるのは、浜寺公園以来。あまりに驚いたので、うかつに立ち上がってしまって、すぐ上にあった看板の角に頭を思いっきりぶつけた。たんこぶ出来た。痛かった。
●2018年10月2日 積ん読の冊数の推移予定

昨日は休みで家でゴロゴロ、一日中本を読んでいた。で、少し本を読み疲れて、何の気無しに買ったけどまだ読んでいないSFとライトノベルの冊数を数えてみた。
・9月時点で残っている積ん読本:約600冊。
9月末時点の数字ってことになる。本棚でいうと1本半強。8段ほど。1段に75冊ほど並ぶらしい。文庫本が多いし、おおむね2列に入ってるけど…。 で、次はインプットとアウトプットも評価してみた。
・2018年に入って、読んだSF+ライトノベル:158冊。
・2018年に入って、9月末までに買ったSF+ライトノベル:111冊。
年始めと比べると、9ヶ月の間に約50冊ほど減った勘定になる。約50冊減って残り約600冊。
今年の残りに何冊買って何冊読むか判らないけど、適当に推定(予定?)しておくと、ここまで月に約12冊ペースで買って、月に17冊ほどのペースで読んでるとして、
・2018年に読むSF+ライトノベル:209冊
・2018年に買うSF+ライトノベル:147冊
ということは、年間に積ん読本は62冊減る勘定で、2018年末の積ん読本は588冊。このペースで買って読んでいくなら、積ん読本がなくなるのは、約9.5年後。ということは、2028年半ばってことになる。不可能ではないような気がしてきた。
●2018年10月1日 2018年9月のまとめ 台風に始まり台風に終わる

今月は、最初から最後まで台風。というか最初と最後に台風。最初の台風で、マイフィールドのたくさんの木々が倒され、最後の台風では室内実習を中止にされた。その合間に、鳥学会大会に参加して、発表に名を借りてハッカチョウ情報を集めまくり、声かけまくり。その前後では横浜をウロウロしてハッカチョウを見まくった。
そんな9月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。秋から冬の果実と鳥の調査を始めようと思った矢先に台風が来て、マイフィールドをメチャクチャに。林内立ち入り禁止で、通常コースのセンサスができないし、調査木が倒れ、枝がなくなった…。なんやかんやで、9月に調査をスタートできず。ちなみに、チェックしていたカラスの巣の多くも無くなってしまった。

標本作りは、ホネホネ団の通常の活動日の2日。先月から始まったカリカリ団がホネの仕上げをして箱詰めしてくれるようになって、有難い。が、カリカリ団には今のところ参加せず。トリ先生は哺乳類の本剥製に進出。カリカリ団のおかげもあって、トラックヤードが片付いてきた。

普及行事は、最後の日曜日の室内実習が台風接近で中止になったのが、一番のトピック。室内実習が中止になるのは珍しい。ホネの標本作りとしては、2回目だけど。
その前日の鳥の観察会も雨天中止。行事は、中高生とキノコ狩りに行っただけ。
博物館実習は、スペシャルが1回。

日本鳥学会大会では、イソヒヨドリとハッカチョウのポスター発表。と言いつつ、ハッカチョウの情報募集。珍しく貼り逃げでなかったのが特筆される。
査読を1本こなしたけど、原稿はなにも書けてない…。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系3冊と、SF18冊、ライトノベル1冊。
今月は完全休養日を3日確保した。
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