日記風覚え書き

2018年7月8月、9月

(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2009年1-3月4-6月7-9月10-12月、2010年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2011年1-3月4-6月7-9月10-12月、2012年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2013年1-3月4-6月7-9月10-12月、2014年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2015年1-3月4-6月7-9月10-12月、2016年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2017年1-3月4-6月7-9月10-12月、2018年1-3月4-6月、7-9月、10-12月)
和田の鳥小屋のTOPに戻る

●2018年9月30日 チャーミー改めトラミの影響

今週末は台風24号が接近。その名前はチャーミーだと思っていたら、本名はTramiらしい。じゃあトラミやないか。ということで、トラミと呼ぶことに。
今月初めの台風21号(チェービー、その本名はJebi)で懲りたのか、交通機関もさまざまな施設も早々と運休や臨時休業を決定。うちも、植物園が前日に早々と臨時休園にしたいと言ってきたので、博物館の臨時休館も決定。
ってゆうか2日前から、30日夕方には暴風域に入りそうなのは予想され、午後には暴風警報が出るだろうということで、室内実習の中止を決定して、スタッフや参加予定者に連絡。東京など遠方からの参加者がいたので、早めに決断したという側面もある。結果的にはこの決断は正しくて、今日は朝早くから大阪市に暴風警報が出たので、どうせ博物館は臨時休館、室内実習もできなかった。
ちなみに室内実習は、エミューの頭骨の骨格標本を作るというもの。そのためにエミューの頭を30個用意していたのだけど、行事が中止に…。代わりの日程を組む余裕もないし、その日程に参加出来る人と出来ない人で不公平が起きるのもまずい。ということで、来年に回して改めて参加者を募ることに。今年当選したのに涙を呑んだ人を優先するか、落選してしまった人を救済するか。来年頭を痛めそうな気がする。なによりさらに一年冷凍したエミューの頭は大丈夫なのだろうか? 一応食用のはずなんだけど、食べるのは無理かなぁ。

チェービーを経験しているから、行事が中止、臨時休館以外の影響はなさそうに思うのだけど。沖縄での様子を見ると、チェービー以上にトラミは激しいようで心配。チェービーは西側を通過したから強い南風で多くの木が倒れた。トラミは東を通過しそうなので風は少しましかもしれないけど、今度は北風になるのが心配。ナガスケたちは大丈夫だろうか?

交通機関が午後から軒並み止まりそうなので、そもそも博物館への出勤する人も少なめ。館長と課長、電気の人と、警備員さん。自分を入れても6人しかいない。午後になると、早めに帰る人もいて、さらに現象。
と、人はいろいろ台風で盛り上がる一方で、博物館の周辺は午後1時になっても雨は降らず、風も吹かず。とても穏やかな日曜日。暴風警報出て無くて、交通機関が動いていたら、室内実習できたのになぁ。
午後3時、ようやく雨が降り始めたが、風はまだほとんど吹いていない。そして午後5時半、雨はけっこう本降りで、少し風も出てきた。ひどくなる前に帰ろう。あと30分ほどで暴風圏に入るはず。トラミ大阪到着予定は午後9時頃。明日何か起きてませんように。


●2018年9月29日 変なカメ調査

外来生物調査のプロジェクトもあと1年半。担当分野で気になってるのは、カメ。大量にいるアカミミガメはさておき、カミツキガメやワニガメの生息状況は把握したい。その他の外来カメがどの程度いるのかも、それなりに把握したい。でも、それこそ池の水を抜いてチェックでもしないかぎり、完璧な調査は難しいので、躊躇っていた。躊躇ったまま残りは1年。普及教育を兼ねて、変なカメを見かけたら画像を送ってという調査なら、できそうな気がしてきた。
というのも今日、変なカメの写真を撮ったから、名前を教えてって、質問を受けたから。ハナガメだった。こういうやり方ならできぞう。河川やため池で謎のカメ、あるいはスッポン、イシガメ、クサガメ、アカミミガメ以外のカメを見かけたら、撮って送ってください。って感じ、頭の模様と甲羅の感じが判る画像限定の方がいいかな。それなら識別はできるだろうし、情報も集まりそう。
網羅的な調査にはならないかもだけど、メインの目的を普及教育と割り切ればいいかも。外来生物の特別展期間中も、展示の企画の一つとして募集してもいいだろう。とりあえず、来年の4月スタートで、関西圏限定かな。
唯一のネックは、アカミミガメの雄の画像ばかりがやたら集まりそうってことだけど。その説明もまた普及教育と考えるしかないか。


●2018年9月28日 台風で倒れた木々

昨日は、自転車でため池めぐり。あちこちで木が倒れていて、もはや木が倒れていたり、その切り刻んだのが積み上げられてるのは普通の風景。だけど、大泉緑地は、際だってえらいことになっていた。都市公園など、平地の林はいずこもこんな感じになるんだろう。
で、そんなこんなをあちこちで見ていると、台風で被害を受けやすい木がどんなのか見えてくる気がする。クスノキが多く倒れたり、大枝が折れたりしてる気がするけど、それは単にクスノキが多く植えられているからじゃないかと思う。むしろ大泉緑地では、クヌギやユリノキなど落葉広葉樹の倒れ方が激しい。明るい落葉樹の林はえらいことになってる。さらに明るくなってるというか。これはマイフィールドでも同じ。大泉緑地はなぜか、ほとんど立ち入り禁止エリアがないので、木々が倒れまくった林に入れたりするんだけど…。
あまり多くは植えられていないから目立たないけど、シダレヤナギもすぐに折れるか倒れる気がする。池の端とか、風を受けやすい場所に生えてるからかもしれないけど、そもそも風で揺れるイメージのくせに軟弱な。
今日は、マイフィールドで樹木の果実チェック。のその前に、チェービーで被害を受けた調査木の様子をチェック。なんとなれば、今週末は今度はチャーミーが来てしまうから…。木が倒れたりはしていないものの、センダンの被害が大きい…。枝の大部分が落ちて、葉っぱどころか中枝レベルでスカスカになってる。スカスカになってないセンダンがない!
すでに倒れまくって、切り刻まれて残っていないヒマラヤスギは、すでに目にすること自体が少なくなってしまった。

今後、このような激しい台風が増えたら、公園の樹木や街路樹に風による強いセレクションがかかりそう。


●2018年9月26日 カモメがきた日

昨日は、大和川の水鳥調査。河口にはわずかながら(この夏はカモメ類が少ない…)カモメ類がいたのだけど、ウミネコの中に、セグロカモメが2羽と、カモメが1羽。この季節に大和川でカモメとは珍しい。というか、大阪湾全体でも珍しい。大阪湾のカモメは早くて11月、遅かったら12月になってようやく到着って感じなのに。
たとえば、2010年のことを思い出してみよう(本当は過去の大和川のデータを引っ張りだそうと思ったけど挫折…。すでにまとまってる2010年を)。この年は、大阪湾岸を一通り、毎月水鳥をカウントしてた。この年、カモメが最初にやってきたのは、12月。9月から11月まで1羽も記録無し。それも大和川にとどまらず大阪湾全体で。
ユリカモメが9月から(1羽だけだけど)、セグロカモメやオオセグロカモメが10月から記録されてるのと対照的。ユリカモメは大阪湾で少数が越夏するが、他は越夏しないので(セグロカモメはちょっと怪しいが)、このタイミングの違いは渡りのタイミング。ユリカモメもセグロカモメもオオセグロカモメも、10月に第一陣が到着するタイミングで渡ってる。そして、カモメは12月に第一陣が到着するタイミング。このタイミングは早々変わらないと思う。ましてや3ヶ月も前倒しとかないはず。そして、1羽だけ先行して動くというのもありそうにない。
じゃあ、どうして9月の大和川にカモメが?


●2018年9月24日 ハッカチョウセンサス企画

横浜にハッカチョウを見に行って、なるほどセンサス調査できるほどいるなぁ。と思って、そういえば大阪府でもセンサス調査できる場所ありそうな気がすると思いついた。定着初期の今からセンサス調査をして、生息密度を押さえておいたら、周辺への拡大プロセスを押さえられたりするかも、なんて甘い夢もみたりする。
で、選んだのが以下の3ヶ所。

●淀川右岸(柴島〜塚本)<大阪市東淀川区〜淀川区>:2005年に長柄橋で繁殖を始めて以来、ずっと続いている大阪府で一番古くからある繁殖地。すでに14年からの歴史がある。その後、十三周辺まで分布域を拡大して、今年辺りからは塚本にも出没。
繁殖エリアはさらに拡大中だけど、まあセンサスするなら、柴島駅から塚本駅までの淀川右岸でいいかなって感じ。冬にも集団が観察されているし。

●りんくうタウン駅〜田尻漁港<泉佐野市〜田尻町>:2013年以降の記録が多いが、2007年に羽倉崎辺りでの記録があるので、もっと前からいたっぽい。定着して6年以上、おそらく10年くらいの歴史がありそう。
りんくう駅前やりんくう公園から、おおむねマーブルビーチ経由で田尻漁港へ。なにげに樫井川近くを回って、吉見ノ里駅かなぁ。冬にどうなってるかは謎。

●河内長野北部<河内長野市>:河内長野市での記録は2015年からしか持っていないが、2018年になって少なくとも3つがいが周辺で繁殖している。どうも数年前から定着していたらしい。夏になって、幼鳥混じりの群れも観察されている。
千代田駅から東に行って、市町交差点から国道170号線沿い。河内長野市役所辺りで北上して、西側から千代田駅に戻る感じ。

とりあえずハッカチョウを数えつつ、位置を地図にプロット、囀り位置を押さえれば、テリトリーマッピングできるかな?
ついでにイソヒヨドリも数えよう。さらについでにムクドリも??


●2018年9月23日 タカの渡り観察、高槻市萩谷総合公園

萩谷総合公園にタカの渡りを観察に行った。昨年の猪子山に続き、タカ渡りの名所巡礼企画第2弾?
昔、W県のH御碕に行った時、常連が幅をきかせて、他の人を排除するような態度が、子ども心に嫌だった。O府のM面公園では、狭い某展望台を常連が占領してる感が満載だったことがあったっけ。知られたタカの渡り観察場所なんか行くもんじゃない。
と思ってたのだけど、昨年、猪子山に行ってみたら、地元のみなさんがとてもフランクで、いろいろ教えてくれて、タカの観察ガイド的なパンフレットまでタダで配って下さる。渡ってくタカを数えている一方で、他の人にも見せてくれる。大阪からやってきた他所者なのに。こんな場所もあるんだなぁ、と目から鱗。で、今年も名所に行ってみることに。以前から行ってみたかった高槻市の萩谷総合公園へ。
結果から言えば、ここのみなさんも、他所者にとても親切だった。一緒にタカの渡りを調査してるような気分にさせてくださる。高圧鉄塔に付けてある名前を教えてくれて、タカが出たら、出た!と一緒に盛り上がる。何個体飛んだかも一緒に考える感じ。けっこうたくさん飛んだこともあって、とても楽しかった。
来年も名所巡礼をしてみようかなぁ。近場で行きやすいのはどこかなぁ。


●2018年9月22日 台風チェービーが鳥類群集に与える影響

長居植物園で鳥の観察会。林の大部分は立ち入り禁止なので、道を歩いて鳥をさがす。あまり見つからないので、木が倒れたり、枝や幹が折れてできたギャップを見て、これが鳥にどんな影響があるかなぁ。と考える時間になった。あまりはっきりした影響は思いつかないが、短期的に明かな影響はありそう。そして中長期的にも影響がありそう。
短期的には、暗い林がギャップができたどころではなく、崩壊しまくったので、暗い林が好きな鳥は暮らしにくい。逆に疎林が好きな鳥は喜びそう。熟していないとはいえ、木の上になっていた実がいっぱい落ちたので、ただでさえ不作よりな今年度、果実食鳥の食べ物は減っただろう。枝がすかすかになっているので、来年の花芽にも、すなわち来年の果実の成り具合にも影響がありそう。ぎゃくに、落ちた実を食べる鳥は(ハトとか?)少しは喜ぶかも。
中長期的には、これが自然の林なら、ギャップに何が生えて来て、林の構造がどう変わるかって話になるんだろう。が、ここは植物園。ギャップには何かが植えられるだろう。元通りの木が植えられるのか、なかなか風で倒れない木を選ぶのか。それがポイント。たくさんの木を一度に植える予算がないから、数年放置される場所もあるかも。だとしたら、そこには何が生えてくるかという話になるけど、たぶん薮になるんじゃないかな。だとしたら、薮の鳥が増える?
台風によるギャップ形成で、林の構造が、ひいては鳥などの動物群集がどのように変化するかって研究は、あまりなされてない様子。今後の日本の林を考える上では、重要な研究テーマかも。


●2018年9月21日 それならキジバトの繁殖期も調べる? 解剖の有効性

キジバトの繁殖期は、フィールドで繁殖個体を観察して調べたことがあるんだけど。死体を解剖して生殖腺の状態からキンバトの繁殖期を調べるのなら、同じようにキジバトの繁殖期も調べたらええんとちゃうかな? その方が、キンバトの繁殖期検討の有効性もある程度判断できるし。
ってゆうか、同じようにメジロもスズメも、カワウもアオサギも、繁殖期が気になる鳥は、みんな死体を処理するときは、生殖腺の状態を記録していけばええんやな。そうすれば思わぬ面白い事が判るかもしれん。


●2018年9月20日 雨の観察会下見

観察会の下見は雨天決行。さすがに台風が来て延期になったことはあったけど。スタッフの日程を調整してようやく決まった日程はそう簡単には動かせないし、時間的余裕もない。
という訳で、今日は雨の中、河内長野市の山と市街地の間の林と田んぼと集落周辺を歩いてきた。
本来は、駅から出発して、グルッと回るコースを想定していたのだけど、今月初めの台風で、山の木のいっぱい倒れたようで、地元の方に聞くと、一部のコースは立ち入り禁止、っていうか通行不能らしい。やむを得ず往復コースに。
雨なので、鳥はいない。その代わりカエルはよく見つかる。本番は雨天中止だから、今日見たカエルは見られないかもしれない。今日はキノコがいっぱい出てたけど、ここんところ雨が多めだからかもしれない。本番では見られないかも。そういう意味ではコース以外には説明になってないかも。


●2018年9月19日 キンバトの繁殖期を調べる

日本鳥学会大会で、なんの話だったか聞いてる時に、なぜか考えていたのはキンバトの繁殖期の研究。たくさんの死体を寄贈されて、そのう内容物と生殖腺の状態のデータがたまってきている。これで判るのは、食性と繁殖期。でも、両者を絡めて、キンバトの繁殖期の研究が成立する可能性があるなぁ、と思ったはず。
なんとなく、島の鳥類学のワークショップの時に思った気がする。島によって、カラスバトの繁殖期が違うって話が気になった。繁殖期の違いは、食物資源の季節変化が関係してるんじゃないかというコメントがあったような、自分で思ったような。すると、繁殖期と食物がつながるんだなぁ。
キンバトでは、どうつながるだろう?

そもそも温帯域のドバトやキジバトがほとんど年中繁殖するのに、亜熱帯のキンバトにかなりはっきりとした繁殖期があるのは不思議。という会話をしたのは、メジロ姉さんと、メジロの一腹卵数の地理的変異のポスター発表の前。
繁殖期がある理由を、食物資源で説明できればいいんだな。そのう内容物で、食物資源量を評価できればいいんだけど、できるかなぁ。脂肪量で栄養状態を評価する方が、実際的かもしれん。


●2018年9月18日 横浜でハッカチョウの定着について考えた

新潟でも考えてたけど、新潟の方が考えた時間は長いけど、何よりポスター発表で話を繰り返しながら気付いた訳だけど。まあ、ハッカチョウの数少ない定着地である横浜に敬意を表して、横浜で考えたことに。
という訳で、新潟行きの途中に続いて、帰りも横浜に立ち寄って、ハッカチョウを探した。行きにはハッカチョウを見つけられなかった戸塚駅周辺をもう一度狙った。が、またもや振られた。しかし、勢いでそのまま川沿いを大船駅の方へ歩いてると、途中でハッカチョウを見つけた。これって鎌倉市なんじゃ?! と思ったが、ギリギリ横浜だった。確かにハッカチョウは横浜市にしかいない。

現在、日本で継続的にハッカチョウが繁殖してるのは、4府県。大阪府は、兵庫県から拡がってきた公算が高いので、現時点で日本へハッカチョウが定着に成功した例は、わずか3例ということになる。そもそも定着成功は稀な出来事らしい。
まあ、いったん定着した地点から分布を拡げる場合にも、じっくり拡がる以外に、遠隔地に飛び地をつくって、そこを新たなソースに、というプロセスがあるはず。それは新たな場所へ定着して、新たなソースをつくるというプロセス。これも当然ながら、たいてい失敗するんだろう。
横浜でハッカチョウの分布が拡がらないのは、新たなソースづくりが失敗続きだからだろう。あるいは、飛び地戦略を取ろうとしていないのかも。大阪府では、定着地周辺に地道に拡がるよりも、飛び地からのソースづくりに奔走してるんだけど、例によって新たなソースづくりに失敗してるんだろう。定着して新たにソースができる確率で、ハッカチョウの分布拡大のプロセスを見直せるんじゃなかろうか。


●2018年9月17日 ポスター発表に名を借りて

日本鳥学会大会でポスター発表。大阪府のイソヒヨドリとハッカチョウの分布の現状を紹介する。という振りをして、実際紹介するんだけど、その実態は。タイトルに惹かれて聞きに来た人がどこの人かを確認しては、ハッカチョウ情報を知らないかと聞き取り調査。関東や愛知、四国の人が主なターゲット。北海道はいないからなぁ〜、と北海道の人には若干冷たい。
四国の人には、愛媛に入ってるようなんだけど、詳細が判らないんですよ〜。と言ってたら同じサイトをチェックしてる人に遭遇。高知大学に数年間いた、という思わぬ情報も。もしかしたら文献を教えてもらえるかも。
愛知の人には、記録があるらしいんですけど、詳細が不明なんですよ、と。ブルーリストにも載ってないし。と、ぼやく。気をつけてみてくれるそう。
関東の人は多い。神奈川のハッカチョウは、横浜から全然拡がっていないそう。それを知ってる人にとっては、どんどん分布を拡大してる西日本の展開は驚きらしい。千葉県では、小櫃川河口に、何年か前まで数年間いたらしい。そこの報告要チェック。千葉県では繁殖例もあるはずとか。
東京では、1970年代や1980年代には、あちこちにいて、繁殖もけっこうしていたけど、現在は消失。探したら手持ちデータがあるはず、という人も数名。繁殖してた場所は、立川、大井、日野とかの地名が上がってた。残念ながらまとまった文献は無さそうだけど、東京都の鳥のPDFがある?
というわけで、いつになくコアタイムにちゃんと自分のポスターの前にいた。6回ほどポスターを説明したし、ちゃんと聞いてくれた聴衆だけでも、合計12名はいた。いやあ、頑張ったなぁ。その代わり、同時にコアタイムだった他の発表をあまり聞けなくて残念。


●2018年9月16日 カモメとワシの自由集会

昨日の自由集会は、「減るカモメと増えるワシ:近年のカモメ類の急減要因を考える」へ。北半球全般で、カモメ類は減っていて、ワシ類は増える傾向にあるらしい。知らんかった。そんな話を一通り聞かせてもらった感じ。
北海道ではオジロワシが増加する一方、カモメ類が減っている。ワシの捕食が原因ともされるが本当だろうか?北アメリカではハクトウワシが、ヨーロッパではオジロワシが増えて、やはり海鳥が減っている。ワシの影響は、捕食以外にもあるが、その重要性ははっきりしない。で、ワシ類の増加がカモメ類の減少をもたらしているのかが議論になってるという。
オジロワシがウミネコのコロニーで、ヒナをつかんで飛んで行くのみならず、成鳥まで喰われているのには驚いた。こいつらは魚食性とばかり思ってた…。


●2018年9月14日 自由集会「島の鳥類学」

日本鳥学会大会の初日は、自由集会だけ。島の鳥類学に出てみた。「島の鳥類学」という本が出たので、その販促企画みたいな感じ。本を書いた人が4人話題提供。ラインナップは、
「琉球列島研究の先駆者小川三紀・黒田長禮と幻の絶滅鳥ミヤコショウビン」:エルンスト・マイヤが、ミヤコショウビンの仮剥製を素手で持っていたのが気になって仕方が無い。貴重な標本が汚れるから手袋してもらった方が良いと思うなぁ。
「繁殖のタイミングが鍵を握る? やんばるの森で共存するコノハズクたちの生態」:リュウキュウコノハズクとオオコノハズクの共存の話
「鳥の巣の知られざる共生系 南西諸島における鳥の巣の共生鱗翅類」:アカショウビンの巣から出てきた蛾が軽く紹介される。
「アマミヤマシギ 少しずつわかり始めた鈍感な固有種の形態と生態」:アマミヤマシギの野外での寿命、日周性、林道への出現の季節変化、月明かりとの関係。
どの発表でも、詳細は本を買って読んでね、って言う。

島と言っても南西諸島しか出てこないのが不満だなぁ。と思ってたら、最後のまとめでTさんが、伊豆諸島も小笠原も、日本海側の島々も、とか言ってた。けど、九州の西の島々とか、なにより瀬戸内海の島々はまるで頭にないようなのが、やっぱり不満。
不満と言えば、Hさんが期待倒れだったと発言していた。島と大陸を比較してこそ、島の特異性が明らかになるのに、そこをついた話がまるで無い。という趣旨だった。キツイことを言うなぁ〜。まあ自由集会は、期待倒れに尻切れトンボに終わるものだから。


●2018年9月12日 鳥学会大会の準備

今週末は、新潟で鳥学会大会。直前になって、その準備に追われる。ってこともないけど、忘れ物がないか、いろいろ気になる。出かける前の確認をしておこう。

大会参加はちゃんと申し込んだ。発表を申し込んだけど、受け付けましたの返事が来なくて(フォームには返事が来ると書いてあったのに)、受け付けられてないのかなと思ったけど、大会プログラムにはちゃんと載ってた。合わせて、参加費も振り込んだ。
宿は、7月に手配済み。宿の名前や場所がどこか判らんようになって困る時があるので、ちゃんと控えも準備した。
往復は新幹線なので、予約とかは必要なし。

せっかく東京経由で新潟まで往復するので、途中下車して外来生物調査。ハッカチョウやスクミリンゴガイを探す事にした。そのための地図を用意して、駅に近い田んぼの位置も確認した。
せっかくなので、新潟市周辺の鳥の様子も観察しておこうと、探鳥地も確認。時間があればだけど。
本来の目的であるところの発表準備はというと、驚いた事に先週おおむね出来てしまった。なんせ、今年すでに2回話したことのあるネタなので(でも、学会では初披露)。昨日、中身を再度チェックして修正して(いくつか間違いを見つけた…)、ポスターの打ち出しも完了。今回は両サイドを切って、ケースにきちんと入るようにした。
会場へのアクセスと会場地図を確認。大学周辺で昼食はなんとかできそう。プログラムにもざっと目を通した。

なぜか2人から、鳥学会大会参加者への言付けを預かった。そういえば、自分でも会えたら渡すもんがあるから準備しなくちゃ。
博物館の宣伝を兼ねて、会期中は博物館オリジナルTシャツを着る予定。鳥学会だから鳥Tシャツで揃えてみた。
行き帰りの電車や宿で読む本を用意した。今回は控えめに1日1冊+2冊計算。あとは着替えと、上着と、洗面道具と、携帯充電器を準備して。忘れ物はないかなぁ。


●2018年9月11日 失敗の連続

今年度は、5月頃から行事関係の失敗が続いていた。道に迷ったり予定のバスがなかったのは、明らかに自分のミス。だけど、予定していたコースが通行止めや立ち入り禁止というのが、4件もあったのは呪われてると表現もしたくなる。あるいは、自然災害が多発していて、かつ大阪府周辺の山道の管理体制が劣化してるだけかもしれないが…。そして雨天中止も連発。行事中に怒られたのは、こちらの情報収集不足かなぁ。ケガした子がでたのは、こちらのミスというよりは、やむを得ない感じではあった。
プライベートでは冷蔵庫が壊れた。こう色んなことが続くと、先週の台風で大きな被害がなかったのは奇跡かと思う。でも、なぜかSNSが局所的に炎上した。失敗の連続は継続してる。
そう言えば、博物館でも、来年度からの体制移行を抜きにしても、大きな問題が生じてるし。やっぱり呪われてるのかも。

と思ったらこれや。この5年間、悩みながら決断してきたことが、まるで無駄だったことが明らかになった。一年前に、すでに決断は間違ってた感じだったが、これで決定的。失敗した感しかない。なんか阿呆みたい。
この低いテンションで、鳥学会大会にお出かけかぁ。


●2018年9月8日 フェスティバルのアルバイト人数

2003年に始まったフェスティバルは、今年で15回目。今までにアルバイトは、のべ何人?と訊ねられた。そんな数は数えたことないなぁ。という訳で、数えてみた。
4回のホネホネサミットを除いて、バードフェスティバルは込みにして、昨年まででフェスティバルは14回。フェスティバルの会期は、最初だけ3日間で、あとは2日間。全部手伝ってくれたアルバイトが多い中で、片方の日だけしか出られないアルバイトもいる。その中で、個々のフェスティバル単位で、関与してくれたアルバイトの人数は、多くて20人前後、少ないときは5人。ちなみにアルバイトという枠以外にも、別枠で臨時スタッフ的に動いてくれるメンバーもいたりするのだけど、それは別扱い。
という条件で人数を合計すると、のべ212人。残念ながら、第2回だけメンバーリストがないので、のべてない正確な数字が出ないのが、ちょっと悔しいが、第2回を除けば137人が関与している。第2回を入れると、140人ちょっとがフェスティバルにアルバイトとして関与してきたことになりそう。
ちなみにアルバイトだったのが、後に正規スタッフになった例もいくつかあるので、見返すと懐かしい。アルバイトの多くは大学生なのだけど、知り合いをツテにかり集めるので、いくつかメジャーグループが出来上がる。最大派閥は、近畿大学農学部の生物研究会系列、続くのは大阪市大グループ、弱小ながら京都大学の野生生物研究会からも何人か参加している。近頃は、博物館の子どもワークショップのサポートスタッフからの参加も目立つ。
フェスティバルのアルバイトは、博物館に大学生を関わらせる機構という意識も強かったのだけど、その面での成果があったかは、今後の検証課題。


●2018年9月6日 台風一過のカラスの巣

台風チェービーが過ぎ去って2日。長居公園のカラスの巣をチェックしてみた。

5月時点であった54巣の内、台風2日後の今日残っていたのは13巣。台風以前に無くなっていたのもあるだろうけど、大部分は台風で飛ばされたんだと思う。というのも、無くなってた41巣の内、7巣はこの台風で木が倒れ、5巣はこの台風で巣のあった大枝が折れたのがはっきりしている。
古巣が激減したので、来シーズンのカラスの繁殖は新巣ラッシュになるはず。なんだけど、カラスのお気に入りの高い木がけっこう倒れたり、上が折れたりしてる。強風で枝が折れまくって、残っていても高い木は、全体的にスカスカしてる。お気に入りの木や枝がなくなったので、新たな営巣木を決めないといけないのだけど、選べる木が限られそう。そして、スカスカでも平気なハシボソガラスよりも、巣が葉っぱに隠されてる方が好きそうなハシブトガラスはいっそう悩むことになりそう。
となると、もしかしたらなわばり配置の再編も起こるかも。来年の3月は要注目。

あと、カラスの巣がこれだけ飛ばされてるとすると、キジバトの巣は、営巣中のも含め、全部落ちたにはず。そういえば、今日はやたらとキジバトが鳴いている。ディスプレイの声もする。みんな一斉に営巣をやり直そうとしてるに違いない。と勝手に深読み。


●2018年9月5日 今年の博物館実習オリエンテーション今年もおまけの1回

今日も9月におまけの博物館実習生のオリエンテーション。例によって知り合いの教官付きで、微妙にやりにくい。今回は、なんと1月の実習に来る予定の学生が2人混ざっている。1月に同じ事しかしゃべるから、ちゃんと聞いとけ。1月に説明してもらうからなと、脅してみる。

09:30 博物館実習スタート 資料を配って、出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。
09:45〜11:40 博物館の間取り、展示予算、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・フェスティバル、広報などの説明。 テーマは、お金・人手・スペースが足りない。
11:40〜12:00 管理棟の案内・解説。書庫、学芸員の部屋全部、特展準備室を見せた。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:00 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。通路がうまってるとか、地震対策にも注目。
(14:00〜14:15 休憩)
14:15〜15:30 展示室見学ツアー(本館常設展)。博物館側目線での展示見学。メンテナンスと、展示のコストパフォーマンスがメインテーマ。メンテナンスでは、電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ディスプレイ業者の問題を紹介。壊されやすいコストパフォーマンス的に問題点のある展示の紹介。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームの難しさも解説。
15:30〜16:00 展示室見学ツアー(新館)。地域自然史展示室とミュージアムショップと特別展の紹介。博物館の顔としてのミュージアムショップ、そこにおける普及教育展開の可能性についても語る。特別展は一周回っただけかも。


●2018年9月4日 台風の博物館

今回の台風は、今年最強、20数年ぶりの強さ。なんてことを聞いても、異常気象が当たり前になった昨今、2週間前の台風も同じ辺りを通過したけど大阪市はたいしたことなかったし、と正常化バイアスのもと、なめていたんだけど、このチェービーはほんとにすごかった。雨はともかく、こんなに強い風が吹きまくるのは、初めて体験したかも。
おおよその時系列にそって記録しておこう。

午後1時半、いよいよ台風が近付いてきて、風雨が強くなってきた。まだ南から東よりの風なのに、北向きポーチは全面濡れてる。でもぶら下がってるクジラはほとんど濡れてない。寛骨だけが揺れている。スズメはクジラに入ってる様子。

午後2時半過ぎ、今日は朝から臨時閉館だったので、出金してるスタッフは少なめ。その少ないスタッフが集まってるから見に行くと、雨漏りしてた。それも展示エリアの一画。この雨漏りは新作。展示物が濡れたりしていないのは救い。
雨漏りは新作一つ以外は、いつもの部屋の対策済みの場所に1ヶ所。強い風で通用口のドアや、屋上への上がり口が開いて、落ち葉が吹き込んでくる。ポーチにはいつの間にか枝と葉っぱが敷き詰められていた。講堂前から外を見ると、博物館東側の木が多数、北向きに倒れている。砂場が心配だけど、見に行くのは今んとこ自重。
なんか知らんけど、部屋の天井の換気口から、やたらとホコリが落ちてくる。博物館の南側を見ると、植木鉢は軒並み倒れてて、たたんであったテントも動いてる。暴風の中、カラスが風上に飛ぼうとして、風下へ飛ばされていく。

午後4時過ぎ、停電きたー。書きかけのメールが飛んだ。まあ被害はその程度。冷凍室は大丈夫だろうけど、冷凍ストッカーは大丈夫かな? もちろんサーバはシャットダウンしたのかな?
停電して、仕事ができなくなった一方で、雨風は一段落。気になっていたホネ砂場を見に行った。処理中のゾウも籠をかぶせたホネ達も無事。ただ周辺はエライことに。手前のデカいエノキが裂けて倒れて、砂場に入るのに一苦労。砂場にも大きな枝が落ちてる。トウネズミモチ等も倒れてる。
ほんの短い止み間に、囀ずっているキジバト。風雨が収まったら、とたんにメジロもシジュウカラも動き始めてる様子。

午後4時半、停電復旧した〜。空調切れたら、とたんに蒸し暑くなって、仕事もできんし帰ろうかと思ったので助かった。約30分だけの停電だったので、冷凍庫関係は大丈夫だろう。

午後5時、また停電した。もうイヤだ!サーバを復旧すべく、おまじないを習ってたのに!ただ面白いことに停電は博物館の一部だけ。冷凍室は停電しておらず一安心。

午後5時半、仕事にならないので、周辺をウロウロしてみた。たくさんの木が倒れている様子。復旧は大変そう。

午後6時過ぎ、帰り道、長居公園を一周。今回も北のヒマラヤスギがいっぱい倒れてマラソン道路をふさいでいる。その数本が早速切り刻まれてる。作業してる周辺は立ち入り禁止になってるのに、堂々と通るみなさん、作業や倒れてる木を撮影するみなさん。郷土の森は、とくに作業はしておらず立ち入り禁止でもない。でも、ユーカリが倒れ、マツやクスノキが折れまくってるので、あまり立ち入れない。長居公園全体では、クスノキやイチョウの枝は折れまくり、ハナミズキ並木は倒れまくり。それを見たり、撮影に来てる人多数。
家に帰り着いた。窓ガラスが割れてないか心配だったけど、なんの問題もなく一安心。周囲の家の屋根瓦なども飛んでる様子はないし、木が倒れてる様子もない。


●2018年9月3日 冷蔵庫にあったもの

7月に冷蔵庫が壊れて弁当生活に入って約1ヶ月半。もう馴れてきたけど、それはさておき。壊れた当初は、すぐに腐るものを急いで食べたり、佃煮にしたり、漬け物にしたりと大わらわ。冷凍室にあったものは、どう転んでもすぐに決着がついた。一方、冷蔵室のものは、この猛暑でも意外と常温に耐える。それでも卵は10日が限度だったが…。調味料系は、常温でも全然平気で、醤油、練りワサビ、練りカラシ、チューブ入りの生姜、味噌、コチジャン、豆醤は今も健在。驚いたのは、いろんな味噌系が発掘された事で、せっかくなので整理しようと、ここんとこ味噌味が多め。
で、本題。冷蔵室からは、謎の瓶詰めもいろいろ発掘された。自分で買って忘れてるのもあるし、捨てるのは勿体ないので妹の家から引き取ったのもある。その全容が今日明らかになった。
塩味系では、蕗の佃煮、紫蘇の醤油漬け、生姜の醤油漬け。ここまでは妹の家から。飛び魚味噌は、なんと屋久島で買ったものだった。甘い系では、キンカンの甘露煮。これは自分で作った記憶がある。栗の渋皮煮、無花果のジャム、梅のジャム、そして謎の果実の梅酒漬け? 最後のはゃく判らないけと、甘くてアルコールな感じ。これは妹の家から。いずれにしても、すべて5年以上前に作られたもので、この1ヶ月半は常温。でもぜんぶ食べられた。保存食ってスゴイ。


●2018年9月2日 キノコ探しの呪い

今日は、ここ数年の恒例行事、中高生とキノコ探し。キノコ探しは、ここ数年の恒例で、キノコがあまり見つからないのも恒例。呪いに違いない。
今年は、島本町の若山神社に行った。ここんとこ乾燥しまくりだったのが、ここ2日ほど雨模様だったから少し期待したけど、雨が降ったからといって、キノコがすぐに生えるものでもないらしい。ハナサナギタケやソライロタケが生える場所だと聞いて、頑張って探したが、さっぱり見つからず。見つかったキノコは、ヒメコナカブリツルタケとかコウジタケとか。雨にすぐ反応する種と、反応に少し時間がかかる種があるってことだろうか。どういうグループがどのくらいで反応するかは、毎日チェックしてたら判りそうな気がする。そんな研究はあるのかなぁ?

キノコ探しの勢いで、やまぶき渓谷の入口辺りで、少し川遊び。プラナリアをみたい!という声があったので、石を引っくり返してプラナリア探し。ヒラタドロムシは多いけど、ナミウズムシは少なめ。水網では、小さなカワムツっぽいのが採れてた。
行きや帰りには、駅前の田んぼや水路で遊ぶ。スクミリンゴガイをチェックして、ドジョウをすくって。
キノコ大好きメンバー数人をのぞけば、むしろ川遊びや水路の生きもの観察の方が盛り上がってる様子。キノコがあまり生えてなくても、ぜんぜん問題ないのかもしれない…。呪いがかかってるから、来年もきっとキノコは出てないから、代わりに水遊びができる設定にした方が無難かも。


●2018年9月1日 今年度の目標設定

なんでか判らんけど、半分終わった今頃になって、今年度の目標を立ててみた。個別の行事とか、経常業務的な標本作製や整理、今年度に留まらない調査研究を除くなら、目標に挙げるべきは、来年度からの独法化関連と、来年度の特別展にもつながり、科研費のテーマでもある外来生物調査プロジェクトかと。


●2018年8月31日 2018年8月のまとめ 土佐とホネとツバメと実習

月頭から友の会合宿に、九州経由で高知県へ。帰ってきたら、中高生にホネ洗わせたり、ホネホネ団やったり、手羽先実習したり。時間を見つけては夕方にツバメのねぐらを見に行くこと5回。そして、博物館実習でバタバタ。そんな8月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。
外来生物調査プロジェクトの調査は、繁殖期が過ぎてハッカチョウ調査は一段落。オオクビキレガイ探しも暑いので一時中断。あおりを喰って、魚採りもお休み。
ツバメの集団ねぐらは、5ヶ所見に行って、2ヶ所でふられた。大阪府南部のねぐらが他にもありそうなんだけど、今年はついに見つからず。

標本作りは、ホネホネ団の活動日意外に、ジュニア自然史クラブと博物館実習でもホネ洗いをした。あいにくどちらも再度水漬けとなったけど…。今月から、なにわホネホネ団別働隊のカリカリ団が活動開始。参加はしてないけど、2回活動して、副団長+1名、副団長+3名で活動していた模様。

普及行事は、夏休み恒例の、子ども向けホネの標本作り実習と、標本同定会。ツバメのねぐらの観察会は、今年は7月に回したのでなし。
原稿は今月も書けなかったし、査読は1本。講演は、0本。
学校教育対応では、博物館実習のオリエンテーション1日とホネ洗い1日。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系4冊と、SF18冊と、ライトノベル1冊。
完全休養日は2日確保した。


●2018年8月30日 博物館実習の後始末

先週15大学23名がやってきて、博物館実習を受けていった。今日はその後始末。いろいろ作業があって面倒。
0:うちの博物館実習では、実習生用のブログへの書き込みがノルマとなっている。実習生全員に少なくとも1回書かせる。それを書いて始めて実習を受けたと認定する。書き込まないと、その後の大学への手続きを行わない。と、何度も実習生には言ってある。なのに、書かない奴がいたりして面倒。こっちは本気なのになぁ。そして、8月中に書けと言ったら、ギリギリまで書かない奴がいて、これまた面倒。今回は今日時点で残り1人。書かなきゃ、以降の処理は行わない。
1:実習は毎日違う学芸員が分担して担当する。担当した日の実習ノートに目を通して、コメントしてハンコを押す。というのが全部行われているかを確認。まだ書いてなければ、書かせてハンコを押させる。って作業は、実習が終わった直後から手配してあったので、今日時点では完了してる。
2:実習担当者や館長の署名や印が必要だったりする。実習担当者としては、できるだけ自分の署名とハンコで済ませたい。でも、館長と書いてあったら館長にハンコを押させる。これもできるだけ館長の個人印で済ませる。でもでもどうしても公印じゃないとっていう大学もあって面倒。公印は手続きがいるので、対応は遅くなる。

で、ここからが今日のお仕事。
3:成績とか出欠とか総評とかの記入欄に記入。成績はよほどのことがない限り、優的なのを選ぶ。といったチェックの時に、思わぬ場所にハンコを押さないといけないのに気付いたりもする。大学によって様式が千差万別なので、なかなか難しい。
4:宛先付き切手付きの封筒があれば、それに入れて発送。封筒が無ければ、宛名書き。これが面倒。大学の名前は無駄に長いし。切手無くて良いから返信用の封筒が欲しい。

で、ようやく終了。けっこう一日仕事になる。今回はこれで終わりかと思ったら、“料金後納”の封筒が混じっていて、郵便局がこれに何やら言って、結局こちらが支払うことに。じゃあ、料金後納ってなんのためにあるん?


●2018年8月28日 草地の植物相

分散能力、クローン繁殖、シードバンク。リクルートのさまざまな方法。富栄養化、酸性土壌。土の性質。それに上を覆われるとかとか。いろんな要因がからまって、草地の植物相が決まるようで、考えてみれば当たり前だけど、とても奥が深い。
土壌の性質を変化させて、どうなるかをみるという野外実験は、まだまだすることがありそう。他の条件をコントロールするのがとても難しそうだけど。

放牧地としては放置されて、その後の施肥などの管理は行われていませんが、野焼きなどは続けられて草地として維持されている改良草地。それと、半自然草原として維持されている場所の違いの話を聞きいた。放置されて40年経っても改良草地は、半自然草原には戻っていない。というか、失われた多様性は失われたまま。植物側の分散や繁殖様式の問題か、はたまた土の性質が戻らないのか。
一方で、富栄養で酸性度の低い場所では、外来植物が優先しやすいという話も聞かせてもらった。
この2つの話の繋げ方が難しい。が、きちんとつながれば、草地植生を相当程度説明できる大きなフレームワークになりそうな予感。
おまけで聞かせてもらった実験で。わざと酸性土壌にして外来植物を排除できる可能性があるらしいのが気になる。日本の草地でどこまで一般性があるんだろう。


●2018年8月25日 夏の博物館実習終了

今日で、夏の博物館実習5日間が終了。今年は、過去最多に近い23人もを受け入れたので、5つの班に分けても5人ずつ担当しなくてはならない。ちょっと大変。最終日の今日は、長居植物園案内の行事の研修から参加して、本番をサポートしてもらうのだけど、人数が多すぎて、大部分はすることがなくて困る感じ。まあ、例年最終日はそんなもんだけど。
自分で担当したのは、4日目(1日目のオリエンテーションはさておき)。5人担当して、シマウマのホネを洗ってもらった。ホネ洗いは、虫の死骸がいっぱいだし、汚いし、臭いしで、インパクト大きいので、無理な人もいるかも。で、班分け権限を使って、文系外して、経験っぽい人や、理系プロパーっぽいのを中心にチョイスしたメンバーにした。読み通り、2人はホネを作ったことがあったようだが、こんなに大きいのは始めてだったそう。残り3人にはかなりインパクトがあったようだが、文句も言わずに最後までやっていた。申し訳ないことに、ちょっと砂場から引き上げるのが早すぎて、充分に筋などが取れず、大部分はもう一度水漬けとなったけど…。
一通り洗い終わってから(ってゆうか終わったことにしてから)、ホネを見せながら、顎関節や肘関節をはめて動かしてみたり、椎骨や指骨を並べて見せたりした。けっこう面白かったらしい。ついでにホネ砂場を見せて、セットしてあるゾウの様子をチェックした。一人は、ホネ砂場のカツオブシムシやカッコウムシが嬉しかったらしい。
実習が終わったら、大学向けの書類に記入したりハンコを押して返送しなくてはならない。ちょっと大変。ってゆうか面倒。やっぱり受入人数少なくすればよかった。


●2018年8月24日 河内長野の川原で恐竜のホネ?!

そんな訳はなくって、現生の哺乳類のホネ。とあるテレビ局関係者からメールで送られてきた画像から調べたら、アナグマの下顎骨だった。メールで返事したら、それで終わりかと思ったら、取材されることになった。
キャンプに行った河原で下顎骨を拾って、拾った子どもが恐竜のホネに違いないと思って盛り上がってるらしい。取材では、とりあえず恐竜担当がホネを見て、これは恐竜じゃない、恐竜のホネはこんな感じと、展示を見せて。からの、哺乳類担当登場。子どもががっかりした後に登場するという展開でやりにくい。ディレクターが、正解をいうだけでなく、河内長野で拾えそうな他の哺乳類のホネも並べて、説明して欲しいという。準備が面倒〜。
という訳で当日。ニホンザル、イノシシ、ノウサギ、テン、アナグマ、タヌキ、アライグマ、ネコの下顎骨を並べてスタンバイ。案の定、がっかり気味の子どもとお母さんが、浅越ゴエさんに連れられて来た。子どもはどうも元々シャイなのもあるらしく、子どもとお母さんに話しかける感じ。
問題の下顎骨を前にして、ニホンザルやイノシシ、ノウサギと全然ちゃうなぁ。と見せてから、前臼歯と臼歯の数を数えてもらって、ネコと比較。ネコともちゃうなぁ。テンはぜんぜん小さいなぁ。ときて、残るはアナグマ、タヌキ、アライグマ。どれと一番似てると思う?と訊ねたら、子どもはアナグマを差した。一番似てるという。判ってるんか判ってないんか判らんけど、正解! なんか判らんけどすごいなぁ。と言いつつ、臼歯の形の違いを説明。
納得はしてくれたみたいやけど、残念感は漂う。それじゃあ、この子はこの下顎骨いらんのかな? という訳で、思わず訊ねてみる。この下顎骨いる? いらんねんやったら博物館にちょうだい? ここで浅越さんが入ってくる。博物館が欲しいということは珍しい? 大阪の山にはアナグマは広くいるけど、あまり多くない。博物館には河内長野市産のアナグマ標本はないので。つまり珍しいんですね?! まあ、そういえばそうかも。
このやり取りで、子どもはちょっと機嫌が良くなったような、そして下顎骨が少し大切になったような。で、自分で持って帰るという。じゃあ、ちゃんといつどこで拾ったかのメモを付けておいてね。もしいらんようになったら、捨てんと博物館へ。と駄目押しして解散。いつか寄贈してくれるかな?


●2018年8月23日 台風接近 暴風警報 博物館実習中止

大阪市や周辺地域にいつ暴風警報が出るかをチェックして、暴風警報が出たら、あるいはそれに相当する状況であれば、ただちに博物館実習を中止して、実習生を帰らせる。というのが、今日の主なお仕事。
だと思ったら、なかなか大阪府に暴風警報が出なくて、このままではJRが止まる方が早いかも。ってことで、JRをはじめ各電鉄会社の運行状況もチェックしなくてはならなくなり。けっこう面倒。
和歌山県や徳島県に続いて、兵庫県や香川県も暴風警報が出て、岡山県や鳥取県にまで暴風警報が出て、滋賀県にまで暴風警報が出たのに、どうなってんねん!と思ってたら、ようやく13時45分頃、大阪府にも暴風警報が出た。すぐに奈良県にも暴風警報が出た。なぜか京都府にだけなかなか出ない。
ともかく大阪市に暴風警報が出たので、ただちに博物館実習は中止。班に分かれていた作業を、すみやかに片付けて実習生には帰らせる。警報が出たと言っても、まだまださほど風は吹いてないし、雨すら降ってないけど。電車はどんどん間引き運天を始めてるし、やがて帰宅ラッシュも始まるから、早く帰らせた方がいいに決まってる。
こんなことは滅多にないけど、こうしてみると各実習生がどこから来てるかは、ある程度把握していた方がいいかもとは思った。大学名からして京都府や滋賀県から来てるものが何人かいるのは判るけど、あとはどこに帰るのかもよく知らない。

というわけで、今日の博物館実習は少し早く終わった訳だけど。大学側が求めているのは、5日間の博物館実習であって、何時から何時までの実習をするかは、こちらの自由。昼過ぎに実習を終わるのも博物館の勝手なので、きっと大学も単位を出さないとか、面倒なことは言わないはず。でもまあ、もし大学になんか言われたら、博物館に連絡するようにと実習生には言っておこう。


●2018年8月22日 ホネ砂場のメンテナンス

ホネ砂場は、骨付き肉ならぬ、肉付きホネを地中や地表にブツを設置して、ホネにする場所。嫌気的になってしまう土だと、うまくホネにならない、ってゆうかやたら時間がかかるので、砂に埋まるのが望ましい。ってことは、砂場が砂場である状態を維持する必要がある。つまりいつの間にか土になってると困る。土というのは、生物の活動の成果でできあがるもので、落葉落枝や動物の残骸やらがたまって、微生物が楽しく暮らすようになると出来ていく。
砂場を砂場として維持するためには、生物起源の有機物の追加を抑える必要がある。また、草が生えてきたら阻止しなくてはならない。

ってことで、草引きと、落葉落枝の除去は欠かせない。
夏場は、ワルナスビが生えるようになっていて。っていうのも、地下に太い地下茎が張り巡らされている。機会ある毎に掘り返して地下茎を除去するのだけど、完全撤去は難しく、すぐに復活する。ちなみに冬も油断できない。なんかイネ科の青々とした草が一面に生える。これは一年草っぽくて、砂にいっぱいタネが混じってるんだろうなぁ。
周囲に木が生えてると、落葉落枝は確実に供給される。砂場の横にエノキやアカメガシワがどんどん大きくなってるんだな…。切り倒した方がいいんだろうけど、日陰になっていい感じなので切りたくないような気もする。でも、晩秋には絶対切ってやると思ったり。

というわけで、今日、ホネの回収と新たな設置を行ったついでに、ホネ砂場のメンテナンスを行った。2週間前にも手入れをしたから、ワルナスビはあまり生えていない。それでも思った以上に生えてるけど。この猛暑と日照りのせいか元気はなさそう。そんな悪条件でもここまで生えてくるとは…。
ホネの回収や設置場所の周辺を中心に、落葉落枝も取り除いた。真夏なのに新たな葉っぱや枝が落ちてる様子。夏場も油断できない。これも猛暑のせいだろうか?


●2018年8月21日 博物館実習 2018年夏期一般コース オリエンテーション

今日から5日日程で博物館実習がスタート。大学生が23人。初日の今日はオリエンテーション。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。

09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を配って、名札を作らせて、友の会に入会させる。遅刻者はいない。今回は友の会会員は1名。
09:50〜11:30 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。ブログの書き方の説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:30〜12:00 管理棟の案内・解説。外来研究員制度を紹介。日本各地、世界中から交換で集めている雑誌を紹介。あちこちに置いてある標本などについて言い訳。学芸員の部屋の汚い代表で植物研究室を見せる。特展準備室では、パネルを何年も再利用していることを見せる。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:05 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。重いドア、壁の違い、通路がうまってるとか、大山桂文庫も紹介。マッコから出てきたダイオウイカのカラストンビを見せつつ、クジラ回収の話も。
(14:05〜14:15 休憩)
14:15〜15:35 展示室見学ツアー(常設展+特別展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されやすい展示を説明して歩く。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けの難しさも解説。 博物館におけるミュージアムショップの意味についてもふれた。
15:35〜16:00 実習ノートの記入。

実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導。でも質問の羅列は答えるの面倒だからやめてね、っと。


●2018年8月20日 発見!大阪府南部のツバメの集団ねぐら

と言っても、見つけたのは地元の方で、それを教えてもらって見に行っただけだけど。

今年は7月半ばから異変の気配があった。昨年、堺市美原区にあったねぐらにツバメが集まらないというのだ。まだ季節は早いとはいえ、それなりに集まっていていい季節。おかしい。ということで、地元の方々はツバメがどこに集まっているのかを、探し始めた。
8月前半、岸和田方面から、今年はツバメは集まっていないとの情報発信。太子町のねぐらも集まっていない。淀川豊里のねぐらも見つからないという。念のため左岸側の城北を見に行ったが、ツバメが数羽飛んだだけ。ということは、大阪府でその時点でツバメが集まっているのが判明しているのは、淀川鵜殿と豊中市の赤阪下池の2ヶ所だけ。
堺市美原区のねぐらの引っ越し先は相変わらず見つからない。ただ、北東方面に飛んで行くようなので、羽曳野市辺りにあるんじゃないかとの話になってきた。夏休みの行事も一段落するので、8月20日に探しに行ってみよう。という話ではあったが、見つからない。8月17日の朝時点で、今年は見つからなかったね。と言っていたのだけど、その直後に急展開。
地元の人が、17日夕方にツバメの集団が飛んでいるのを見つけたらしい。その場所を、18日に確認に行くと、数千羽のツバメが集まって塒入りしたという。ため池横の休耕田にできたヨシ原だった。ヨシ原のあるため池を狙っていたので、見つからなかったらしい。

で、20日に見に行ってみた。地図を送ってもらい、現場画像も見せてもらっていたから、場所はすぐに判った(でなけりゃ判らなかったかも)。でも、細長いヨシ原、ってゆうか半分くらいはセイバンモロコシ。こんな狭い場所に数千羽もツバメが集まるのかな? と思ってしまうが、実際に集まった例も知ってるので、半信半疑で日暮れを待つ。
日没前15分頃からツバメが集まり始める。池の東側を中心に上空を飛びまわるのが見え、時々池の方にやって来る。日没時刻頃に1000羽超え。周囲の農耕地の上を飛び回るので、なかなかの見応え。日没後10〜15分頃が乱舞のピークで、日没後約25分、ツバメのねぐら入り終了。集まったのは、約5500羽。セイバンモロコシは避けて、ヨシにだけとまってた。

昨年も一昨年も、大和川より南の集団ねぐらに合計10000羽超えのツバメが集まっていた。すでに季節が遅めなので、ピーク時にこのねぐらに何羽集まっていたのか判らないけど、5000羽クラスの集団ねぐらが、もう一つくらい南河内〜泉北地域にあっても良さそうに思う。
太子町のねぐらにツバメは集まらなかったけど、やってきて通過した10羽ほどの群れは北西に飛んで行った。石川辺りが怪しくないかな?


●2018年8月19日 標本同定会2018

昨年に続き、鳥の対応件数は多かったのだけど、魚が予想外の伸びを示していて、あやうく逆転されるところだった。魚類担当学芸員が代わって、真面目に魚類の普及や調査を始めてしまったので、魚類は今後もあなどれない。ただ、今年の魚類は、7件中4件は、外来生物調査プロジェクト魚班関連で、単なる調査報告や標本提出もあることを付記しておく。さらに言えば、標本同定会の日なのに、標本同定会とは別に鳥の羽根の質問が1件、鳥関連の自由研究相談が1件あったことも付記しておく。
今年はさらに昔まで遡って、歴代の対決を記録しておく。

2018年 鳥:9件、魚7件
2017年 鳥:10件、魚5件
2016年 鳥:8件、魚5件
2015年 鳥:5件、魚2件
2014年 鳥:7件、魚2件
2013年 鳥:5件、魚0件
2012年 鳥:4件、魚2件
2011年 鳥:6件、魚1件
2010年 鳥:8件、魚5件
2009年 鳥:3件、魚0件
2008年 鳥:3件、魚0件
2007年 鳥:3件、魚1件
2006年 鳥:3件、魚1件
2005年 鳥:6件、魚0件
2004年 鳥:5件、魚2件
2003年 鳥:3件、魚2件
2002年 鳥:4件、魚2件
2001年 鳥:4件、魚1件
2000年 鳥:3件、魚2件
1999年 鳥:5件、魚3件
1998年 鳥:4件、魚1件
1997年 鳥:1件、魚1件
1996年 鳥:1件、魚4件

なんと1996年は鳥が魚に負けていた…。


●2018年8月17日 読書サークル 第99回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今日の課題本は7冊。2冊繰り越しになって、2冊繰り越されてきたので、7冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「蜂と蟻に刺されてみた」
(紹介文2つ、平均★数は3.5)
 ハチとかアリに刺されて喜んでる変なおっさんの本かと思ったら、違うねん。から始まって、読んだ人は熱く語る。刺した時の痛さを切り口にした、ハチやアリの行動を紹介し、社会性の進化を議論するのがとても面白い。人に語りたくなる本。

●「菌の絵本 かび・きのこ」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
 農文協にありがちな、絵本といいながら、大人向けの情報盛り込みまくりの本。菌類の話の前に、生物全般の分類や微生物全般の話から始まる。それがとっつきにくいらしい。真菌と細菌の違いから始めればいいのにという意見も。一部写真がある以外は、版画が使われているのだけど、あまり評判は良くなかった。

●「サメってさいこう!」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 絵が可愛い、全体に綺麗、デザインが統一された感じ。と、見た目の評価がとても高かった。内容ではサメ類の目の検索表が評判がいい。サメ類が絶滅に瀕していることを紹介して、そのために私たちができることで終わってるのも良い感じ。

●「カラスのジョーシキってなんだ?」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 カラスの形や暮らし、都市伝説を一問一答式で解説していく。その内容は高評価だったけど、カラスが喋って答えていくという趣向は賛否が分かれた。大人がついていきにくいのに対して、子どもには大好評。子ども向けの本なんだから、仕掛けは成功してるんだろう。

●「昆虫学者はやめられない」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 奇人が、虫マニアなだけでなく、アニメなどのオタクであることもカミングアウトしてるが、奇人ファンにはそんなことどうでもいいらしい。カラス博士も何冊か書いてから、オタクであることをカミングアウトしたけど、そのパターンに似てるとの指摘あり。

●「ツシマヤマネコの飼育員物語」
(紹介文1つ、平均★数は3.0)
 あまり盛り上がらなかった。

●「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
 けっこう昔の本だけど、今でもそれなりに読ませるという点は評価されていた。ただ、なんでも酸素分圧で説明するのは、ちょっと無理があるなぁ。と、今なら思うもんらしい。


●2018年8月15日 未来の大先生(予定)

昨日と今日の約束で、蝶と鳥の実物大画伯が、鳥の仮剥製とタマゴ標本を見に来られる。撮影してスケッチをして。と思ったら、予定の種類は昨日で終わったらしく、今日はキャンセル。
今度は身近な鳥だそうで、リクエストはヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、スズメ。カラスとかハトは、大きすぎるから無しとのこと。実物大にこだわるあまり、なんちゅうこっちゃ。ツバメは?と問うと、ツバメはツバメだけでデザインしたいから、今回はなしとのこと。シジュウカラは?カラ類特集でもう使ったからなし。それじゃあ身近な鳥には物足りないなぁ。
と思ったら、植物と組み合わせて配置というプランらしい。ツバキの花とメジロとか、サクラの花とヒヨドリとか? それならサクラと鳥というタイトルにしたらいいんじゃないかな。サクラの花から蜜をなめるメジロ、サクラの花ごと食べてしまうヒヨドリ、サクラの花を落とすスズメ、サクラの果実を食べるムクドリ。みたいな。

絵を描きにきたついでに、カラ類のクリアファイルの改訂版をくれた。初代カラ類クリアファイルは、カラ類が本当に実物大か?疑惑があって、改訂されたのであった。初代を返せと言われたけど、断った。画伯がメジャーになって、本当の大先生になったときに、意地悪するアイテムとして確保しておかなきゃ。そのためには売れてもらわないとなぁ。


●2018年8月14日 夏休みの自由研究 微生物による分解

微生物による分解をテーマに夏休みの自由研究をしている小学生が来館。イメージとしては、どうやればコンポストがより効率よくなるかといった感じっぽい(きちんとは聞いてないからあやふやだけど)。微生物に生ゴミか何かを分解させる実験とかもしてるらしい。で、クジラの骨格標本は埋めて作った、という話を聞きたいと、お母さんと弟と一緒に来館。
ちゃんと質問事項がリストアップされている。それを順番に訊ねようとしてくれるのだけど、いくつかの質問にまとめて答えてしまい。だんだん、リストと違う話に。

とりあえず、どうやってホネ標本を作っているかという話から。水につける方法と、砂に埋める方法を説明。でも、砂に埋めるといろいろ面倒もあるので、砂場の地上に置いてホネにする話。砂場に置いただけだと、活躍するのは微生物というより、昆虫だけど。
嫌気的な土に埋めるより、好気的な砂に埋める方が、うまくホネにできる。と説明して、嫌気的と好気的が判らなそうなので、頑張って言い換え。海では肉の分解が速いので、海浜に埋めて何年も放置したらアカンとか、波の当たる場所に設置したら、クジラでさえ1ヶ月もあればホネになるとか。どういう条件でうまく分解が進むかというのが、大きなポイントらしいので、あまり詳しくないけど、肉の分解速度を決める要因として、温度、湿度、酸素の有無などを挙げてみる。

お母さんと一緒に自由研究の相談に来る子には、自分でしゃべれず、お母さんが全部しゃべるケースが少なからずあるが、自分で頑張って質問していたし、判らないことは判らないと反応していた。聞いた内容をきちんとメモしているのも好感度が高い。
質問が一段落したので、ホネ砂場も見てもらった。虫がいっぱいいるねんで、とか言いながら、処理中のホネを見せたりした。それを撮影したりもしているのだけど、よく聞くと無視は嫌いなんだそうな。頑張ってたんだな。


●2018年8月13日 はじめての鳥の皮剥きのその次

勘のいい人なのか、要領のいい人なのか、手先の作業が得意な人なのか。一度皮を剥いて見せて、その後一度自分でもやってみたら、おおよそできるようになる人がいる。一方で、さっぱり覚えない人もいる。そんな人は、どうしたら鳥の皮剥きを身につけられるんだろう? 一つはっきりしてることは、全然下手なのに、自分は鳥の皮が剥けると思った人は、基本的に上達がストップするってことだろうか。そうなると、さらに対応が面倒になる。


●2018年8月12日 今年の手羽先

今日は、ここ数年、夏休み恒例になったホネの標本作り実習。最初から子ども中心だったけど、近頃は子ども向けを名言。それでも申し込んでくる大人を容赦なく落選させて。子ども向けだから簡単な材料でないと、ってことで毎年、手羽先の標本作り。近所のスーパーで普通に売っている手羽先は若い個体のものなので、充分にホネが固まってない。ってことで、わざわざ地鶏を購入。せっかくなので、毎年順番にいろんな地鶏を使ってる。
今年は、「青森シャモロック」。軍鶏と黄斑プリマスロックからつくられた品種らしい。だんだんどんな地鶏を使ったか判らなくなってきたので、まとめておこう。

2018年:青森シャモロック
2017年:みやざき地頭鶏
2016年:信州黄金シャモ
2015年:■なんだっけ?■ →たぶん天草大王
2014年:<台風で中止> ■でも購入してあったはずだけど、なんだっけ?■
2013年:■なんだっけ?■ →名古屋コーチンとか比内地鶏じゃなかったかな?
2012年:→鶏頭を標本にしていた。
これ以前はあまり地鶏にこだわってなかったってゆうか。

意外と記録できていなかった…。で、来年はどんな地鶏にしようか?


●2018年8月11日 コアラを剥いた

なぜかあまりコアラは人気が無くて、高校生と二人で剥くことになった。高校生は熱中しているのか、コアラに髪の毛がかかってるんだけど、この後、塾に行かなきゃと言ってるけど、いいのかな。まあ、動物園から来たコアラにまずい病気は付いてないし(そんなんがあったら、動物園の方でこちらに渡してくれない)、新鮮な肉はユーカリのいい匂いしかしないから、さほど問題ないけど。中途半端に長い髪の毛は、くくれないなら、何かで留めておいた方がよさそう。これが腐ったクジラの処理作業なら、絶対にそう指導するんだけど。いい匂いのコアラだからなぁ。

で、コアラ。手足の指は、爪のない指は筒剥きにして、爪のある指は佐竹剥き(一部の人しか分からないけど、根元は開かずに、指だけに横に切れ目を入れる)。前足が鋭い爪の5本指、後足の指が太い爪付きの2本と細くて癒合した2本、というのはカンガルーと同じ。でも、後足に爪の無いもう1本があって、さらに6本目の指のような突起があって、木の枝を上手に掴む感じになってる。
背中の皮が意外と薄くて、切れ目を入れてしまい反省。あとは割とさくさく剥ける。手1本、脚1本、胴体を剥いて、残りは相棒の高校生に任せた。耳の付け根の穴が小さめで、けっこう苦戦してた。ってゆうか隣で見てたけど、自分でも悩んだかも。目の周りは上手に剥いたけど、口の中への突入でもう一度迷う。ってことで、コアラは無事に終了。良い匂いだった。


●2018年8月10日 中高生のつどい

今日は、ジュニア自然史クラブという名の中高生向けの行事の、ミーティングという名の博物館でウダウダする日。でもまあ、ただウダウダしている訳にもいかないから、標本作りの実習をすることになっている。季節が良ければ、植物園に出て生きもの観察してウダウダもありだけど、猛暑の8月は室内に限る。
標本実習は、基本的に昆虫とホネ、希望者がいれば植物、自分で材料を持ってきてやるというなら化石や鉱物。という布陣。昆虫は虫を針に刺す作業。なんとこの暑いのに、外に虫採りに行ってて驚いた。ホネはいつもの通り、砂場でホネにしたのを、仕上げに歯ブラシで磨いて水洗い。植物は、4月のウダウダの時に押し葉にしたのを、台紙に貼り付けていた。植物化石をいっぱい持ってきて、植物化石担当のもと、クリーニングしてる子も1人。
今回は、昆虫が大人気。虫もホネも嫌いな子は、やむなく植物に流れる。それでもホネは10人超えてしまって、作業するシンクが足りなくて、交替制っぽくなってる。
午前が標本さわってウダウダなら、午後はキノコの特別展を見に行ってウダウダ。特別展に飽きて戻ってきたら、もうすることがないので、とりあえず解散。今年から入ったメンバーの多くは、真面目に標本実習に来たらしく、解散したらすぐに帰っていった。しかし、昨年以前からのメンバーの多くは、解散後もウダウダの続き。なんと解散後にやってくる猛者もいて、なかなか帰らない。
まあ、似たような興味をもつ友達をつくるのが、大きな目的なので、これでいいのだ。


●2018年8月9日 子に連れられてツバメのねぐら参り

豊中市赤坂下池のツバメの集団ねぐらを観察に行った。小さい池の周囲にグルッと生えたヨシに、ツバメが高密度にとまる。飛びまわる光景も迫力あるし、ツバメがびっしりとまった様子もなかなかすごい。間近にヨシにとまったツバメの大集団が見られるのがここの売り。それを数えると比較的正確に個体数を推定できる(はず)。今日は、ざっと1万4千羽ほど集まったと思う。
周囲はあまり広くなく、住宅地なので、観察会をするのは難しい。でも、けっこう知られてる場所なので、他にも観察に来る人がいて、今日は4組9人が見に来ていた。親子の3人連れ、おばさん2人組、おじさん2人。ここまでは、他所から来た人っぽい。そして最後に到着したのが親子2人連れ。近所の親子らしい。この2人のやりとりが面白かった。
子どもは近所の小学生で、学校帰りにツバメがいっぱい集まるのに気付いて、今日はお父さんを引っ張って見せに来た様子。

小学生が自分の発見を熱く語る。ツバメがほんまに物凄いメッチャ集まると何度も言ってる。でも、お父さんは最初は聞き流し気味。気のないお父さんとのやり取りで状況がどんどん判ってくる。今年からバスケットボールを始めて、夏休み中は帰りが遅めで、偶然ツバメが集まってるのに気付いたらしい。
昼間は、どっかに出かけていて、夕方になるといっぱい巣に帰ってくるねん。と説明。違うぞそれ、と思いつつも、口を挟むのは押さえる。
去年は集まってなかった。とも言うから、イヤイヤ去年も集まってたで、と口を挟もうかと思ったが。でも、去年はバスケットボールしてなかったから、夕方通ってないし、集まってたか判らん。とちゃんと修正。
やがて、ツバメが集まり始める。数十羽単位の群れが飛びまわり始める。子どもがほらツバメが飛び始めた。と言っても、お父さんは、ほんまにツバメが集まってきたなぁ。と、やっぱり気のない様子。
その後、短時間の内に、ツバメは1000羽を超え、数千羽になり、上空や水面上を大量のツバメが飛びまわり。ヨシに密集してとまって、ツバメの鳴き声で周辺はとてもにぎやか。やがて、飛びまわるツバメはすべてヨシにおりて、辺りは暗くなってきた。
ツバメが急増した辺りから、うわ〜、とか言ってただけのお父さんが、最後に言ってた。ほんまにスゴかったなぁ!ビックリしたわぁ〜!となってた。その子は、けっこう得意げ。仲よく一緒に帰っていった。


●2018年8月8日 九州四国のスクミリンゴガイ

先週末、土佐の高知の土佐清水に行く前後に、宮崎県から大分県、そして高知県は宿毛市から高知市。最後に香川県観音寺市から愛媛県四国中央市とあちこちウロウロした。そのついでに、田んぼを見る度にスクミリンゴガイ探し。なんせ、現在進行中のスクミ調査は全国区の調査だから。
で、どこで見つけたかと言うと、
8月2日は、宮崎市佐土原町下田島、佐土原町下冨田。
8月3日は、高知県宿毛市駅前町
合宿はさんで
8月6日は、高知市高須絶海、高知市中宝永町4-4
8月7日は、香川県観音寺市昭和町

駆け足だけで、大抵の場所で見つけられた。が、なぜか愛媛県四国中央市では見つけられず…。いないはずはないのになぁ。というわけで、スクミ調査ではまだ愛媛県のプロットなし。愛媛県に里帰りする人よろしく〜。


●2018年8月6日 牧野植物園の爪の垢

今日は、博物館友の会の土佐足摺岬合宿のオプション。場所を、高知市内に移して、牧野植物園へ。昨日の宿泊は、各自が高知駅前のホテルで。で、朝、牧野植物園入口集合。地図でみると5km程度の距離しかないので、歩いて行くことにした。まさか牧野植物園があんなに山の上だったとは、登山口からあんなにかかるとは。高知駅から麓まで歩いて1時間、そっから登山30分。途中で、レンタサイクル組に抜かれて悔しい(駅前に無料のレンタサイクルがあるのをうっかり忘れてた〜)。最後にはバスにまで抜かれて、ギリギリで到着。
で、牧野植物園はというと、いろんな植物がところ狭しとあって、なかなか楽しい。植物屋に言わせると、植物の名札もあってるそうな。スタッフに植物の判る学芸員がいるらしい。木本だけでなく草本もちゃんと植えて維持されている。花や実の見どころのポップがあるんだけど、こんなにたくさんの種類が植わってるのに、このポップを維持するだけでめっちゃ大変。これこそ植物園だなぁ。この爪の垢を煎じて飲ませたい植物園が近所にあるなぁ。
展示室もあって、牧野植物園だけあって、牧野富太郎の生涯が紹介されている。妻がいるのに、愛人をつくって。親から受け継いだ遺産を食いつぶし、援助してくれたパトロンには偉そうに接する。つくった標本は新聞紙にはさんだままで、残された人々が台紙に貼るのに苦労する。植物学への貢献はさておき、とても困ったおっさんなのに、その点にはできるだけ触れていないのが笑える。


●2018年8月5日 博物館友の会 高知足摺岬合宿まとめ

高知足摺岬合宿の3日目は、照葉樹林をながめながら、白皇山に軽い登山。下見ではヤイロチョウが鳴いたらしいが、8月の快晴の真っ昼間に期待すべくもなく。でも少し期待していたけどさっぱり鳴かず。代わりにヒガシヒゲガビチョウを探していたら、なんやら聞き慣れない声がする。予習してきた声とは違うけど、もしやこれがヒガシヒゲガビチョウか? と密かに盛り上がって、姿を必死で探したら、サンコウチョウだった…。ややこしい地鳴きをするな〜。シーボルトミミズっぽい青い虹色光沢のミミズが多かった。
というわけで、とりあえず無事に友の会合宿は終了。この3日間をまとめると、とにかく暑かった〜。今までの合宿で一番暑かったかも。3日間、ずーっと快晴。プログラムは日陰の少ない海岸が中心。毎日、ペットボトル3本以上は消費。メッチャ汗かいて、水飲みまくって、3食一人前以上食べて、例によって太った気がする。
高知県西部に来ると言うことで、日本でこの辺りにのみ侵入している外来鳥類、ヒガシヒゲガビチョウとサンジャクを期待していた。あらかじめネットで鳴き声も予習した。が、残念ながらまるで出会えず。土地勘が少しできてから、確認したら両種が記録されている場所とはちょっと位置がずれていたかも。まだ足摺岬には侵入していないことを確認出来た。と日記には書いておこう。


●2018年8月4日 友の会合宿2日目

午前中は、大岐海岸の海岸林や砂浜をウロウロ。砂浜はとにかく暑かった〜。海浜植物は、大阪湾をはじめ、瀬戸内海では超珍しいのが普通にある。ケカモノハシ、ハマニガナ。ハマニガナって、北方系の海浜植物だから瀬戸内にはほとんどないんだ。という説明を真に受けていたけど、昨日の浜にもあったし、宮崎県の浜にもあったし、南にいっぱいあるやんか。話が違う。一番嬉しかったのは、浜の南端付近で、グンバイヒルガオの群落を見つけたこと。花が付けていて、とても綺麗だった。もう一つ面白かったのは、波間で遊ぶナミノコガイ。見ていて飽きない。とても広くていい浜なんだけど、重機が打ち上げ物を取り除いているのが残念。
昼は、足摺岬へ。ハマナタマメの花が綺麗。ハマアザミがいっぱい。クワズイモは高知県では珍しいらしい(ちなみに植物担当学芸員が一番嬉しかったのは、北限のクワズイモにちゃんとクワズイモショウジョウバエが来ているのを見れたことらしい。花になんか黒い点々があるなぁ、程度のものなのにマニアは面白い)。灯台をのぞむ展望台では、沖合いにクジラを探したが見つけられず。が、ふと手前の水面を見たらウミガメが浮いてる〜。慣れると何匹も見つかる。潜ると判らないので、浮くのを待つ感じ。ここでウミガメが見れるという話をなんとなく聞いていたけど、ホンマやったんやなぁ。ただアカウミガメを見つけたのは、大部分のみんなが昼食に移動した後だったこと。見れたのはほんの数人…。
午後は宿の前の竜串海岸をウロウロしてから、宿へ戻って自由時間。宿に帰ってからは、子どもの相手で疲れた。1泊目は恐る恐る近付いてきた子ども達が、2泊目にはとたんに馴れてきて、大変なことになる。3泊目がなくて良かった。


●2018年8月3日 友の会合宿初日:高知で集合

今日から自然史博物館友の会の夏の合宿。今年は高知県の足摺岬周辺へ。集合場所はJR高知駅や高知空港なんだけど、前乗りする人達向けに、高知から土佐清水に行く途中の道の駅でも集合が設定された。
と言う訳で、なぜか二日前に神戸港フェリーに乗って、昨日、宮崎港に着いた。寄り道しながら宮崎から大分に移動して、なぜか今日の早朝に佐伯-宿毛航路の船に乗ったのであった。豊後水道にはミナミハンドウイルカがいっぱいいると聞いていて、佐伯-宿毛航路のサイトにもイルカが見られます的な案内があったので、ワクワクしていたのだけど、イルカの姿はまーーーったくなく、ただの寝不足で宿毛港に着いたのであった。
ここからがハード。宿毛港から土佐くろしお鉄道の宿毛駅までは、2kmちょっとと微妙な距離があるのだけど、乗らねばならない列車に間に合うにはこの距離を30分で走破しなくてはならない。これから合宿でおおきな荷物を背負ってるのに…。汗だくになりながら、なんとか間に合い、途中ではスクミリンゴガイの生息も確認出来た。ホッとしたら眠くなった。宿毛で大急ぎで歩いたのに、中村で1時間半の連絡待ち。このダイヤなんとかして欲しい。

というわけで、集合場所の道の駅に到着。もう一人前乗りしてビーチコーミングしていた方が同じ列車だった。しばらくしたら、前泊していた4人組みがやってきて、いろいろ自慢してくる。なんとヤイロチョウを見たらしい。羨ましい。泊まった民宿は安くて美味しい宿で、なんとアユづくしだったとか。合宿前に楽しみすぎやろ。もう充分高知楽しんだんやから合宿に参加しなくていいんじゃないの?
道の駅で1時間半ほど待って、ようやく高知駅集合組みが到着。それから浜をウロウロして、海浜植物を見たり、タヌキの死体とかを回収したんだけど、もう朝早くから色々あったので、合宿が始まってからの方がおまけのような。宿は目の前が海の風光明媚な場所だし、増築に増築を重ね迷路のような構造で楽しい。


●2018年8月2日 初めての宮崎県、そして初めての深夜の一人ファミレス

今日、初めて宮崎県に降り立った。これで47都道府県すべてに行った事になる。富山県、山形県、秋田県、福島県、栃木県は列車で通過しただけだけど。とにかく西日本で行った事のない府県、歩いたことのない府県はなくなった。
できれば宮崎県で宿泊したいところだけど、明日の午前4時10分に大分県佐伯港から高知県宿毛港へ向かうフェリーに乗らないといけないので、宿泊は断念。
宮崎市の一ツ瀬川河口に行って、途中スクミリンゴガイを見つけ、河口の砂丘でケカモノハシやネコノシタで盛り上がっただけで、初めての宮崎県は終了。冷や汁もチキン南蛮も食べ損ねた…。

明るい内に、佐伯市に到着。とりあえず番匠川河口を見に行く。干潟はあるけど、さほど楽しくない。で、ここからが問題。船が出るのは午前4時10分。乗船券販売は、その1時間前かららしい。午前3時まで時間をつぶす場所が必要。中途半端な時間なので、宿をとるのは当初から断念していた。
とりあえず、本を読みながら、クーラーの効いた佐伯駅の待合室で粘る。でも、ここは午後11時で閉まってしまう。途中、ネコ2匹にヒモをつけて散歩しているおじさんがやってきて、ネコと一緒にしばらく涼んで出て行った。片方のネコは触らせてくれた。ちゃんと散歩して歩くなんて素直なネコだ。
駅の待合室を出た後は、晩飯を兼ねて24時間営業のファミレスへ。ドリンクバーを付けて、ゆっくり夕食を食べた。でも2時間ほどもすると居づらくなってくる。他の席では、ろくに何も頼まずに、ずーっと粘ってる客もいるので、追い出されたりはしないんだろうけど、なんか居づらくなって、出てしまった。ファミレスになれてないもので…。
とりあえず24時間営業のイオンに入って、ゆっくり買い物。でもそんなに時間を消費できない。あと24時間営業といえば、カラオケBOXしかない。マンガ喫茶でもあればいいのに!
カラオケはイヤなので、フェリーの待合室に行ってみる。午前1時過ぎ。まだ、真っ暗で閉まってる。仕方が無いので、待合室の前の階段に座る。街灯の明かりで、本を読んで時間をつぶす。待合室の向こうの木がムクドリのねぐらになっているようで、時々ムクドリが騒いでいる。午前2時半頃になって、ようやく待合室に明かりが点り、ドアが開いた。なんと常連さんと思しきおばちゃんは、待合室の中のイスで寝ていた。こんな裏技が…。
待合室は不思議な空間で、古いゲーム機が並び、古本を売っていた。暇なので古本を眺めていると、なんとサンリオSF文庫があるではないか。それも持ってないやつ。さらに驚いたことにサンリオSF文庫も含めて、文庫はすべて1冊100円。思わず買ってしまった。売ってるおっちゃんは、サンリオSF文庫を知らないらしい。こんな古い本を買うんやねぇ、的なことを言っていた。

【追記】
なんか妙な苦労をして乗った佐伯-宿毛航路だったが、徹夜明けなのに頑張ってずーっと海を見ていたが、イルカの姿はまったく見つけられず。残念。


●2018年8月1日 三宮ー宮崎航路

神戸三宮フェリーターミナルをご午後7時過ぎに出航して、約3時間。船は紀伊水道を出た辺り、さらに3時間ほどしたら室戸岬沖、その4時間後くらいに足摺岬沖辺りだろうか。で、その頃、明るくなって来るから、足摺岬南西から宮崎港にかけて、豊後水道にでた辺りの海域をながめられるはず。鳥は、オオミズナギドリ程度だろうけど、イルカが見られるといいなぁ。クジラがいてもいい海域だなぁ。
というわけで、明後日から高知県での友の会合宿に向かうのに、なぜか三宮から宮崎へ向かうフェリーに乗ってるところ。かつては大阪から高知へ直行するフェリーがあったそうな。しかし、もうそれもない。高知県に行くのはJRか飛行機か夜行バスか。と思ったけど、豊後水道を、九州と四国の間をつなく航路がいくつかある。気になったのは、臼杵-八幡浜航路と、佐伯-宿毛航路。一番南よりの佐伯-宿毛航路が一番楽しそうな気がする。行き先が高知県宿毛市ってところもありがたい。ってことで、この航路に乗ることに。九州に渡るのもどうせならフェリーに乗りたい。せっかくなので瀬戸内海の航路ではなく、太平洋の航路。となると、南港-志布志航路か、三宮-宮崎航路。九州での電車移動が圧倒的に便利という理由で、いま宮崎行きのフェリーに乗船中。
明日は、宮崎のどこかに寄り道してから、大分県の佐伯へ。明後日の午前4時10分に佐伯港を出港するフェリーで、高知県に渡って、そのまま友の会合宿に合流。ほとんど徹夜で友の会合宿に突入して大丈夫なんだろうか? 少し不安。


●2018年7月31日 2018年7月のまとめ 冷蔵庫が壊れた

この猛暑の日々に(あるいはだからか?)冷蔵庫が壊れた。おかげで毎日弁当をつくる羽目に。そして大雨に台風にと振り回された。そんな7月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。
外来生物調査プロジェクトの調査は、過去にハッカチョウ情報のある場所をチェックしつつ、駅中心のオオクビキレガイ探し。機会があれば魚もすくう。オオクビキレガイはなかなか見つからないけど、たまに見つかると盛り上がる。魚すくいはとにかく楽しい。
大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査は、7月10日に完了。万博公園などはもう少し早い時期で調査した方がよかったなぁ。

標本作りは、ホネホネ団の活動日だけ。先月末に届いた大物の処理の続き。

普及行事は、唯一の大物のツバメのねぐら観察会が雨天中止。にしたのに晴れていたという失敗。今シーズンの行事は失敗ばかりというのを継続中。
キノコの特別展は、あまり手伝わないまま、無事にオープン。
原稿は今月も書けなかったし、査読もしてない。講演は、今日の学芸ゼミと某高校向けに学芸員の仕事の話の2本。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系1冊と、SF18冊。
完全休養日は確保できなかった。今月も休みはフィールドに出て忙しかった。


●2018年7月30日 弁当の日々

半月くらい前から、ほぼ毎日、昼食は弁当になった。誰が作ってくれる訳でもないので、自分で作ってる。別に弁当作りが好きな訳ではないし、健康に配慮してって訳でもない。経済的理由でもない。夏なのに冷蔵庫が壊れたから。
冷蔵庫が壊れたのは、7月15日。その日の晩から弁当作りが始まった。今日まで1日を除いて毎日弁当。職場で食べるときはもちろん、フィールドに出たときも基本弁当を食べてる。街中をウロウロする調査をしてるので、食べる場所が難しい。川があれば橋の下で食べたり。乗降客の少ない駅の待合室で食べたり。1日自転車で走り回る日は弁当は断念したけど。
冷蔵庫が壊れたら弁当。となるのは、食材の余りや食べ残しを保存出来ないから。一人暮らしで一食分だけの食材を買って、毎回すべて食べきるのはかなり難しい。食品のアイテムも減ってしまう。2食分なら、なんとかなる。で、弁当を作ることになる。
涼しくなって、翌日まで食材や食べ残しが腐らなくなるまで、弁当生活が続きそう。あと1ヶ月半くらいかなぁ。晩飯に弁当に入れられる料理しか出来ないのが辛い。汁物が食べたい。晩と昼が同じなので飽きる。パンが喰いたい。あと、糠床を毎日世話しないといけないのが面倒。今週から1週間留守にするんだけど、糠床が心配。塩を大量に投入していくけど、耐えるかなぁ。


●2018年7月29日 中止にするかしないか、それが問題のツバメのねぐら観察会

こりゃ台風で中止だなぁ。と思っていたら、台風は早朝に去ってしまい、観察会できるんじゃ? でも、雨も残ってるけど…。一転、難しい決断に迫られた今日一日を追ってみよう。

とにかく朝から降雨予想と睨めっこ。台風は行ってしまったけど、現場はグチョグチョに違いない。ツバメのねぐらがどうなってるのか判らん。それよりなにより、名残の雨が止むような降るような。近鉄は動いてるけど、JRは止まってる。もう少し悩もう。
午後1時になっても悩み中。とりあえず行事の資料は作ってみたけど、印刷はまだ。
午後1時30分。行事中止を決定。降水予想を朝からずーっと睨んでいたけど、奈良県北部はこれから雨がザーザー降りそう。集合時刻である午後6時過ぎにはやんでそうだけど、子ども多数で200人近くの観察会は難しいと判断。補助スタッフにメールで中止を伝え、留守電をセットして、Twitterでもつぶやいてみた。
行事は中止だけど、間違って来る人がいたらアカンので、とりあえず集合時刻に集合場所へ向かう。ついでにツバメの塒入りを見て帰ろう。雨の中だとどうなるんだろう?

近鉄はダイヤが乱れてるとの事なので、早めに出たら、特急に運休があるだけらしい。メッチャ早く着いてしまった。そして、午後5時前の奈良市はメッチャ晴れてる。集合時刻になっても雨は降っていない…。
そして観察会は雨天中止なのに11家族33人が集まった。あまりに晴れてたから中止の可能性を考えなかった人と、中止かどうかの確認方法を見逃した人と、中止と判って来た人が混じる。集まった人に、中止と宣言して解散。ただ、せっかくなので、みんなでツバメが集まるのを見て帰る事に。結局2万羽からのツバメの乱舞が見られた。
30人以上も集まって、一緒にツバメを見たら観察会とあまり変わらない。1時間近い待ち時間に、ツバメの集団ねぐらの解説を一通りしたし。観察会と違うのは、配布資料がないことくらい。友の会のパンフレットも忘れた…。こんなに来てしまうとは思わなかったからなぁ。

帰りの近鉄電車のダイヤはメッチャ乱れていた。20分ほど遅れて到着した急行にちょうど乗れてラッキー、と思ったのは間違いだった。信号待ちの繰り返しで、大阪に入ってから全然動かない。大和西大寺から鶴橋に着くのに1時間以上かかった。難波駅への道も険しいというアナウンスがあったので、JR に乗り換えた。駅には遅延証明書を求める長い列。


●2018年7月28日 鳥の調査の勉強会2018年度2回目

鳥の調査をしたい人が集まる企画。今年度2回目は、4月に発表した研究計画でに基づいて、データを取ったのをまとめてくる。春から初夏の調査結果の報告の場としては、このタイミングがいいんだけど。鳥の調査について植物園で考えるには、7月設定は変えた方がいい気がしてきた。植物園に鳥がおらんし。

・Nさん:カラ類に種間なわばりがあるかを調べたいという。種間なわばりを調べるスキームを確立して、いろんな組合せで調べていくと面白そう。テリトリーマッピングだと、種間なわばりを仮定した方が、分布を説明しやすいかどうかを検証ってパターン? プレイバック実験をする方が面白い気がする。どちらからの反応がより強いかとか、種間なわばりの非対称性も見いだせるかも。

・OさんM:アンテナで営巣するササゴイの続報。毎年するとは限らないらしい。

・OさんF:ムクドリの換羽の話。換羽の中断があった場合、中断した換羽をどこで再開するのか、再開しなかったら数年単位でのパターンはどうなるのか。と、いろいろ面白い展開がありそう。

・Uさん:春から夏は池にあまり水鳥がいない。これは冬にカモとオオバンを数える調査だなぁ。

・Iさん1つめ:羽根の散乱の出現パターンは、喰われる側の個体数変動にリンクしてるのかも。というのを伺わせるパターンだ出てる気がする。不思議じゃないけど、そんなもんなのかな? 捕食者の個体数変動も気になる。そもそもAccipiterがいない春から夏に少ないのはそのせいだよねぇ。

・Iさん2つめ:年によってスズメの個体数があんなに違ってたとは。王道は、砂浴び場所選択に、季節、気温、湿度、天候などがどう関係しているかを解析することだけど。砂浴び場所をめぐる個体間の干渉は重要な要素な気がする。でも、その頻度はどのくらいかなぁ。ビデオからデータ起こすの大変な事を言ってしまった…。

・Oくん:1回目と2回目の繁殖の感覚がやけに短い。1回目の巣立ちは失敗したのか? ヒナへの給餌の時間、どんなヒナに与えたか、どんな大きさのを与えたのか、といった事が気になるなら、ビデオを使うしかないかも。来年に向けて、今年気になったどの点を中心にテーマを絞るかを検討してもらおう。その前に、手持ちのデータ、とくに巣での給餌時間を見せてもらおう。複数の巣のデータが取れるようなテーマにならないかな。


●2018年7月27日 野生個体か、動物園で飼育されていた個体か、それが問題?

とある博物館から問合せがあった。標本化している哺乳類が、年間何個体あって。その内訳は、野生個体が何体で、動物園からの個体が何体か教えて欲しいとのこと。天然物か養殖物か、って訊ねられているのに似てるなぁ。そして、なんのための区別なのか、よく分からない。答えるついでに訊ねてみよう。
ちなみに、その博物館の方は、死体と言わずに検体、皮剥きと言わずに解剖と言われる。医学系なのだろうか??

とりあえず2017年度を数えてみた。皮剥き点数でカウント(皮処理とかホネ洗いではなく)、必然的に中型哺乳類以上になる(ネズミやモグラはそのまま液浸標本にしがち)。ネコは、明らかな飼育個体由来以外は野生動物と判断。
・なにわホネホネ団で処理したものをチェックすると、
  天然物:65体
  飼育物:11体
・その他で処理したものと言えば、クジラ・イルカ類(スナメリを除く)
  天然物:2体

というわけで、合わせると、
  天然物67体
  飼育物11体
飼育物は、1体を除けば動物園からのもので、大阪府の2つの動物園からがほぼすべて。


●2018年7月26日 夢洲のカワウのねぐら調査

年に3回の調査の夏編に行ってきた。たしか関西広域連合の調査の下請けに、引っ付いて行ったのが最初。今では下請けの戦力にカウントされている。お小遣いは出ないけど、普通入れない場所の鳥を調べられるのでありがたい。あと、駅から車で送迎してもらえるのもありがたい。

夏はカモの大群がいないから気楽。一方で、そろそろシギチドリ類が期待できるし、アジサシ類にも出会える。
でも、数年前までは、たくさんコアジサシの繁殖地だったが、整備が進んでコアジサシの繁殖はぜんぜん見られなくなってしまった。かつては堺7-3区のチュウヒが期待できたのだけど、もうチュウヒが来そうな環境もほとんどなくなった。南の大きな水たまりの水位は低く、周辺や真ん中は干上がっていて、北西端では埋め立て作業が行われている。この上、南の水たまりもなくなったら、大阪府の一番貴重な水鳥の渡来地が失われてしまう。なんとか出来ないものだろうか。

そんな中でもいろいろ見られて楽しい。

立ち入り禁止エリアに入る前、午後3時頃。東端の電線にずらっとツバメが、200羽ほど並んでいた。南の水たまりの上も、50羽ほどが飛びまわっていた。日没時の様子は観察できなかったが、ツバメの小さめの集団ねぐらが出来てるかも。

南の水たまり中央の干出部には、100羽ちょっとのコアジサシが集まってた。コアジサシは飛べるようになった巣立ちビナを連れてきている様子。小さな魚をくわえて、そちらに向かう成鳥の姿が見られる。チィチィ、チリィチリィと言いながら、飛んでる謎の鳥がいるなぁ、と思ってたら、それがコアジサシの巣立ちビナらしい。親の後を追いかけたりしていた。
午後5時過ぎにコアジサシたちは、一斉に飛び立ち、南に向かって飛んで行く。が、強風に逆らうのでなかなか進まず、じっくり観察できた。おかげで6羽ほどのクロハラアジサシが混じってるのを確認。

南の水たまりの上を、100羽以上のシギチドリ類の群れが飛びまわるのが、何度か見られた。遠めなのでよく判らなかったが、近くに来た時にトウネンが入ってるのは気付いた。が、かなり大きなシギが2羽混じってるのにも気付く。嘴が反ってるけど、ソリハシシギじゃないなぁ。とか思ってたら、他に何が混じってるか確認し損ねた。他の人によるとシロチドリは入ってたという。
しばらくして、ふと目の前の浮きの上に、2羽の嘴の反ったシギがいるのに気付く。嘴は反ってる。胴体大きく横位置。脚はえらく短い。これって、珍しい鳥なんでは?? とりあえずカメラを持ってきた人が写真を撮ってたので、詳しい人が見たら判るだろう。

肝心のカワウのねぐらはと言うと、午後3時時点で200羽弱だったのがダラダラ増えて、450羽超えた位に終了。海なのでそこそこ風があり、午後5時からは強風が吹きまくり、午後6時ごろから雨がパラツキ、ザーザー降る前に終了できてよかった。
ちなみにほとんどのカワウは、西からやってきていたらしい。大阪府ではなく、兵庫県のカワウが集まってるんだろうか?
さらにちなみに、少なくとも午後3時時点で集まっていたカワウの内、幼鳥は約10%。なぜかユリカモメの幼鳥率に似ているのはなぜ?


●2018年7月25日 茨木市の山手の学校で標本レスキューミッション

今日は、朝から茨木市の山手の学校へ。先の大阪府北部地震で被害を受けた学校の標本を引き取る作業。地震がなくても引き取る話になっていたのだけど、地震の被害を受けて、半年ほど早まった感じ。当初は、地震直後の7月初めに予定していて、下見して、運送屋さんの手配まで済んでいたのに、西日本豪雨にピッタリ重なってしまって、延期して今日になった。今日は、驚くほどスムーズに、2時間半ほどで作業は完了。
作業は、学芸員6人(大阪5人、高槻1人)、学校の職員さん7人、当事者に近い生物部のOB2人で行った(ほぼ作業が終わってから来た学芸員OBがいたけどカウントしなくていいだろう、学校の職員さんのうち5人はずっていてくださったが、2人はいたりいなかったり。あと運送会社から2人、おもにトラックへの積み込み作業)。梱包作業は、2時間ほどで終わった。と思ったら、下見の時には完全に見逃していた引き出しから、新たに標本が発見されて、さらに30分ほど。という展開もあったけど、無事終了。あとは博物館に持ち帰ってからの作業。膨大な整理作業が待ってるので、帰ってからの方がかなり大変。といっても、瓶が割れたりしていた液浸標本は早めの処理が必要だけど、救出した昆虫標本や植物標本は燻蒸とかしないとだけど、自分が担当する剥製とホネはさほど急がなくても、さほど変化なし。余裕ができたら、整理しよう(数が少ないから、記憶だけでザッとリストは作れるけど…)。
今日標本をレスキューした学校は、代々けっこう有名な指導者がいて、以前から生物部の活動が盛んで、昆虫や液浸標本を大量に溜め込んでた。植物標本も含めて、その多くに採集データがちゃんと付けてあって、とても感心。紙包みのままの昆虫や、新聞にはさんだままの押し葉も多く、生物部OBが反省の言を吐いていたが(口だけっぽいが)、そんな状態にもかかわらず、意外と粉にならずに残っている。これは愛の成せるわざなんだろう。
一方、鳥や哺乳類はさっぱりデータがついていない。愛は少なそう。誇りかぶってるし、尾羽抜けて、嘴折れてる鳥の剥製が多数。データもなく展示にも使えないのは、思い切って置いてきた。一方、ホネはデータがなくても、頭骨などは普及用に使う機会があるので、一通り回収してきた。ウシ、イノシシ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、ウサギ。身近でいろんな食性の哺乳類頭骨がそろってるから、今時でも授業で使えるはずなんだけど、理科の先生たちはいらないそうな。使えるのになぁ。
昼過ぎに、学校で持って行ったお弁当を食べさせてもらって、現場は終了。作業する部屋は、地震で窓ガラスは割れてたけど、電気は来ていて、クーラーが入ったのがありがたかった。暑い部屋での作業を覚悟していたので、嬉しい誤算。その他、学校職員のみなさんはとても親切で、飲み物まで下さった。ありがとうございました。


●2018年7月24日 高校生に学芸員のキャリアパスを

学芸員のキャリアパスについて話せっていうから、学芸員になってからのスキルアップの話をするのか、それとも博物館を渡り歩く話かな?なんと思ってたけど、高校生が学芸員になりたいと思ったら、どうしたらいいか話せってことらしい。
平日5日連続で、入れ替わり立ち替わり高校生が来て、それを集めて、学芸員のお仕事と学芸員のなり方を30分ほどで話すというお仕事。最終日に担当が当たっているので、初日の今日、様子をうかがった。
学芸員が仕事の話をすると、博物館の説明になっちゃうけど、学芸員の仕事という角度に絞りこんだ方がいいように思った。もし自然史系博物館の学芸員になりたければ、どんな大学のどんな学部にいって、どんな勉強して、どんな資格を取っておいたらいいか、的な話をした方がよさそう。とは、初日担当者の談。

で、初日はパワポでしゃべっていたけど、博物館実習のオリエンテーションと同じように館報のコピーですますことに。学芸員の4つの仕事の紹介と、広報・出版などの情報発信、連携などの紹介して。学芸員を目指さずに研究者を目指して、その一つの選択肢として学芸員を考えた方がいいとか(とくに自然史系は)。それでいて、うちの博物館の場合、研究ができるだけより、普及とかができる、コミュニケーション能力が高い、声がでかい、接客経験、子どもの扱い、もしかしたら経理。なんかもできる方が望ましいとか。といった採用する側のニーズを読み切って、応募書類を作成して、面接に臨むのが吉とか。小さい博物館では、さらにいろんなスキルが求められる。とにかくいろんな事を経験しておくこと。と好き勝手にしゃべろう。


●2018年7月23日 猛暑日の池巡り

6時間コースで自転車でため池を巡った。死にそうに暑かった。でもまあ、猛暑日で気温が体温より高くなるのは予報されていたので、早起きして、午前7時半に調査スタート。いつもこの時間帯に調査すればいいんだな。それだと午後1時半に終わるので、割と適正な時刻に昼食が食べられる。それはさておき、今日の場合は、本気で暑くなる前に調査が終わる。調査が終わったら、昼食をかねて涼むために(ついでに本を買ったり、夕食の食材を買ったり)某イオンモールに飛び込む。涼しい〜。もう帰りたくない。
暑い6時間を乗り越えるために必要だったのは、ペットボトル4本。その内2本ともう1本は、冷凍ペットボトル。コンビニに立ち寄ること3回。そのたびに冷凍ペットボトルを買って、それを首に付けてなんとか暑さを堪えた(あとアイスキャンデー1本)。
めっちゃ暑いからなんだろう。カメも日向ぼっこに出ていない。かろうじて頭を出している個体はいるけど、大部分は水に潜って過ごすらしい。鳥もとても少ない。子連れのカイツブリがあちこちにいた以外は、カルガモ親子が1ヶ所にいたのと、アオサギとカワウがチョロチョロいたていど。カワウやアオサギの繁殖は完全に終わっていて、大津池で目立つのはコサギ。ヒナのいる巣が4巣ほどあった。
バンの姿をまったく見なかった。これは暑いからヨシ原に潜り込んでいるからか、そもそもバンが減ってるのか。気になるところ。


●2018年7月22日 冬虫夏草さがし

今年も中高生と冬虫夏草さがしに行った。というより、中高生に冬虫夏草をはじめ菌類を教えてもらいに行ったというのが正しい気がする。今年は菌類担当が超多忙なので、菌類担当は不在で、菌類観察会。採集物は、8月の標本同定会に持って行くように、という設定。というわけで、引率だけの役割で行った。キノコ好き1名、冬虫夏草好き1名、変形菌好きが2名来ていて、こちらよりはるかに詳しい。どの程度詳しいのか、全然詳しくないこちらは全然分からないけど、とにかく色々教えてもらえる。
乾燥していてキノコはあまり見つからず、一方、変形菌はけっこう見つかり、なかなかいいのも見つかったらしい。ムラサキホコリの仲間とか、タマホコリの仲間程度しか知らないので、細かい説明されても、さっぱり分からなかったけど。そして、冬虫夏草もなんか立派なのを1つ掘り出していた。けっこう珍しい感じのものらしい。
負けじと、自分でも冬虫夏草を探したのだけど、さっぱり見つからない。一度だけ、それっぽい立派なのを見つけて、これは冬虫夏草では?!とちょっと自慢げに見せたら、それはキツネノエフデ。冬虫夏草がそんなに太いわけないやん。と冷たく言われる。冬虫夏草探しの道は険しく厳しい。もっと難易度の低いクモタケとかを探しに行きたい。


●2018年7月21日 キノコ展の展示物を数える

野鳥の会はカウントが得意だろうという、いつの話や?というような先入観に基づき、今年も特別展の展示物の数を数えるよう言われた。まあ、動かないし、隠れないし、数えるのは簡単ではある。と思ったら、どう数えるのかが悩ましい。とくに今年は標本以外が多くて悩ましい。

とりあえず標本の点数は、
 キノコ 426点(1点だけ樹脂包埋、あとは凍結乾燥)
 キノコおしば 32点
 冬虫夏草 88点
 変形菌 57点
 地衣類 2点
 カビ類 6点
 植物 5点
 昆虫 304点
ということで、合計920点。これは標本ラベルの数(よく分からないのもあったけど、そこはえいや!と処理)。昆虫が入ると数は増えるといういつものパターン。菌類に限れば611点。
外来研究員にカビの大先生や地衣類の大先生がいるのに、展示されてる標本がさっぱり少ないのはどういうこと?

標本に負けないくらい展示面積を占めているのは、キノコの図譜とか図鑑とか。そこに研究ノートとかも混じってきて、とても数えにくい。ざくっと数えたら、
 図譜 168点(バラバラのんの額の数)
 手書きノート 15冊(冊子体で中身が分かる感じなの)
 手書きノートのバラバラページ 11点
なんかなぁ、200点くらい、そういう類いがある感じ。その他に、図鑑を中心にキノコの本が76冊並んでるんだけど、中身は図譜に限りなく近いのもあって、どうしたもんだか。

さらに
 キノコ模型 30点
 キノコ生品 3点
生品はシイタケとかが生えてくるらしい。あの乾燥した部屋で生えるかなぁ。


●2018年7月19日 特別展の内覧会前日

キノコ展の準備もいよいよ佳境。明日の午後は内覧会で、明後日朝からオープン。ってことは、その直前2日間は猫の手も借りたいほど忙しいだろう。ってことで、この2日間は予定を入れずに、博物館に出勤して、手伝えることを手伝おうという体制。まあ、他のたいていの学芸員もそうなので、館内に学芸員がいる率が異様に高い。
と、そんな中、昨日はリフトで上がって照明を追加するのを手伝っただけ。今日は、ケースを固定しただけ。やることがさっぱりない。人手がいりそうになれば、と思いながらデスクで仕事をしているんだけど、一向にお呼びがかからないし、時々見に行ってもすることはない。他の学芸員も多かれ少なかれ同じような感じで、たまたま仕事があるタイミングで、主担当に出くわすと、少し手伝うって感じ。
展示は完成していないのに、することがないのは、残ってる作業がとりあえず標本を並べるってことだから。キノコ分かってないとできないし、展示プラン知らないと自主的には動けない。そして、展示プランは主担当の頭の中だけにある。
例年だと、文字パネルの打ち出しや、標本につけるラベルの作成でてんやわんやだったりするのだけど。今年は、文字パネルは外注なので、すでに出来ていて、セットされてる。標本ラベルの作成は、主担当などキノコの種名がわかる人でないとできないのと、すでに打ち出し係が決まってるのと、意外と少ないのですぐに出来てしまう。
この2日間待機して、実働は2時間ほどしかない〜、とぼやくオカン。そう言えば、おいらもそんな感じ。展示出来てないけど、することないから帰ろう。と次々と学芸員が脱落。展示はオープンに間に合うんだろうか?
昨年は複数の学芸員が寄ってたかってつくる展示で、仕事が早い学芸員ばかりだったので、内覧会前日の夕方には完成していて、打ち上げに行った。これは新しいパターンだった。
今年は、展示は完成していないが、手伝うこともないという、これまた新しいパターン。
主担当は内覧会の午前中も準備できる、とかうそぶいている。明日は来ない学芸員が多いと思うんだけど、大丈夫なんだろうか。今晩に完成させようよ〜。


●2018年7月18日 都道府県別ハッカチョウの歴史

沖縄県の与那国島とかでのハッカチョウは、自力で飛んで来たんだろう。って考えられているけど、九州以北は人が持ち込んだと考えられている。いわゆるかご脱けの鳥は、バードウォッチャーにあまり愛されないこともあって、その記録はいまひとつ曖昧。今日時点で確認出来た限りの、日本の各都道府県でのハッカチョウの歴史を記録しておこう。
もし漏れてる情報があれば、是非お知らせ下さい。

鹿児島県:1981年9月に出水市で記録されている(所崎聡・山元幸夫(1999)鹿児島県産鳥類リスト.鹿児島県立博物館研究報告18:21-42)。その他の記録は見つけてない。単発の観察記録で、繁殖例はなさそう。

愛媛県:個人のブログに愛媛県で2015年4月に撮影したハッカチョウが出ている(https://blog.goo.ne.jp/jmayumi_6/e/0c7079d9ad71d52b0494e0967734da84)。詳しい場所は不明。その他の記録は見つけていない。香川県のハッカチョウについての矢本賢(2011)にも四国中央市に拡がっているとの記述がある。繁殖しているかどうかは不明だが、おそらく東部では繁殖していると思われる。

香川県:1993年11月に高松市での記録されたのが最初。その後、丸亀市をはじめ観音寺市から東かがわ市までの、比較的海岸に近いエリアに広く分布するようになっている。旧「レオマワールド」からの篭脱け個体由来と考えられている(矢本賢(2011)「香川の外来生物はいま 野鳥編」(www.geocities.jp/wbsjkagawa/gairaishinnpo.pdf))。

岡山県:1998年4月に笠岡市六島で記録されている(島岡浩恵(1998)ハッカチョウを見ました.しぜんくらしき(26):13)。その他の記録は見つけてない。いまのところ繁殖例はないようだが、すぐ東の兵庫県赤穂市に定着しているので、岡山県にも分布を拡大していてもおかしくない。

兵庫県:1982年に姫路市で繁殖したのが最初。その後、姫路市から明石市、神戸市西部に分布を拡大した。2004年に東端の伊丹市軍行橋での繁殖が始まった。西は相生市や赤穂市にも定着しており、南部の海岸に近いエリアに広く分布している。現時点では、北の方にはあまり分布を拡大しておらず、把握している限りでは小野市や三田市が北限。

大阪府:1983年に豊中市で繁殖したのが最初。これは単発で、その後、1990年代はいったん記録は途絶える。2003年に高槻市で繁殖し、2005年には長柄橋での繁殖が始まり、定着した。2010年代に入って、分布が拡大しつつある。

京都府:1970年代に京都市で繁殖したのが最初らしい。その後、2006年頃に八幡市での記録がある。2015年や2016年には長岡京市や大山崎町でも繁殖した。その他に2006年に桂川、2013年12月に鴨川で冬の記録があるが、まだ定着したとは言いにくい状況。

滋賀県:2006年4月に西浅井町、2007年1月に大津市での記録があったが、繁殖例は見つけていなかった。しかし、2007年(もしかしたら2006年も)に大津市雄琴で繁殖したらしい(http://nionoumikara.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_67d8.html)。

和歌山県:1983年6月に那智勝浦町で記録されている(和歌山県鳥類目録2009)。その他の記録は見つけてない。これ自体は、単発の観察記録で、繁殖例はなさそう。現在はむしろ大阪府に近いエリアに侵入する可能性が高い。

愛知県:繁殖記録はないが、確認例はあるらしい(国立環境研究所侵入生物データベース)。詳細な情報は見つけていない。ちなみに愛知県の外来生物リスト(ブルーリスト)には、ハッカチョウは上がっていない。

神奈川県:横浜市では、1976年に初めて野外で観察され、1980年に港南区で繁殖が確認されたのが最初(三科康人(2011)住宅地における人工物を利用したハッカチョウの集団営巣.Strix 27:31-40)。その後、横浜市中区、磯子区、港南区、南区、保土ヶ谷区、戸塚区で繁殖が確認されている。周辺にどのくらい拡がっているかは不明。ちなみに横浜市に定着したきっかけは、戸塚駅近くのペットショップが火事になって逃げ出したことだという。

東京都:1990年代以前の繁殖例があるらしい(成末雅恵(1992)帰化鳥.Urban Birds 9:78-81)。詳細な情報は見つけていない。現在は繁殖定着していないんじゃないかと思うが、よく分からない。

千葉県:確認例はあるらしい(成末雅恵(1992)帰化鳥.Urban Birds 9:78-81)のだが、なぜか国立環境研究所侵入生物データベースには出てこない。詳細な情報は見つけていない。

栃木県:繁殖記録はないが、確認例はあるらしい(国立環境研究所侵入生物データベース)。詳細な情報は見つけていない。

福島県:繁殖記録はないが、確認例はあるらしい(国立環境研究所侵入生物データベース)。詳細な情報は見つけていない。


●2018年7月16日 ゾウの皮をしまう

この冬に入手したゾウの皮。もらってすぐに頑張って処理して、あとは乾かして。と思って放置して忘れてしまっていた。気付くとまた湿ってたので、乾かさなきゃ、と思いつつも雨にあったりして乾かせず。また忘れる。これを繰り返して、何回目かに思い出したのは梅雨時。梅雨が明けたら、きちんと乾かして片付けよう。
というわけで、梅雨があけた先週から乾かし作業。放置していた間に、皮やブルーシートの間にクモやゴキブリが入り込み、残った肉を食べにたくさんのカツオブシムシが潜り込んでいる。クモを追い出して、ゴキブリを踏みつぶし、カツオブシムシを払いながらの作業。生乾きの皮は臭い。でも、皮はでかくて重いので、動かすにも、ひっくり返すにも、折り曲げるにも全力がいる。作業時にはいていたズボンやTシャツは臭くなり、そのまま着て帰るのもためらう感じ。
梅雨があけて、ここ数日は幸い夕立もなく、カンカン照りが続いてくれたので、皮は気持ちよく乾いてきた。乾いて軽くなってきて、皮をひっくり返すのもずいぶん楽になった。大きな皮を三つ折りにするのにも成功。なんとか袋に入れてしまえそう。いまだにもぐ込んでるカツオブシムシが残ってるらしく、ひっくり返すたびに転がりでてきて、それを捨てるという作業が付いてるが…。
で、今日の夕方、袋に入れた。あとは、冷凍室に入れて虫を殺して、収蔵庫へ。一気にそこまで行きたいけど、大きすぎて冷凍室に入れるには、冷凍室の片付けがいる…。

ちなみに、どのくらいのサイズの袋が必要だったかと言うと、
・尻尾は、90Lの袋から少しはみ出す。折り曲げれば入る。
・頭は、1100×2000mmの袋にほぼピッタリ。ただし鼻を曲げて。
・頭と脚を除いた胴体は、三つ折りにして1300×1700mmの袋に入った。
作業は2人がかり。


●2018年7月15日 冷蔵庫が壊れた

職場の冷凍室や冷凍ストッカーが壊れたら大事で、中身を救うべく走り回ることになる。今回壊れたのは、幸か不幸か我が家の冷蔵庫。中身を救うべく頑張るのは一緒だけど、規模がかなり小さい。
昨日、夜に帰宅して冷蔵庫を開けたら、あまり冷えてない気がした。あわてて牛乳を飲み干す。目盛りを強にして、しばらくしてまた開けたけど冷えてない。なんとなくコンピューターの不具合への対処のように、一度コンセントを抜いてみた。1時間ほどして、再びコンセントを差してみる。冷えない。冷蔵庫壊れたらしい(ちなみに約一日コンセントを抜いた後、今日の夜にも再度コンセントを差してみた。やっぱり冷えない。本当に壊れたらしい)。
冷蔵室は飲み干した牛乳以外にすぐ傷むものはあまり入ってない。一番気になるのはぬか床だけど、これは塩を利かせて、小まめにケアすればなんとかなるだろう。
一方、冷凍室は、死屍累々。開けてみたら、半日ちょっとしか経ってないのに、すでにすべて解凍されている。肉はすべてダメになっていた。魚は意外と大丈夫で、鮭のパックと冷凍小魚を救えた。あとはタッパーに入った肉味噌とか。

小魚はいそいで佃煮に、鮭はとりあえず糠床に浸けて大量の塩を追加。肉味噌は、冷蔵庫にあった葱と茄子と炒めて、夕食の麻婆茄子に。一度に食べきれなかった小魚と鮭がたくさんあるので、当面夕食の献立は同じになりそう。
傷んだ物はシンクに並べる。翌日が燃えるゴミの日なので、袋に詰める。

冷蔵庫は復活しそうにない。でも買いに行くのは面倒。ってことで、当面は冷蔵庫なし生活をしようと思う。ぬか床は小まめにケア(再掲)。野菜は使い切り+漬け物に。肉や魚はその日の内に食べる。蛋白源としては卵や豆腐などを活用。それでだいたい何とかなりそうな気がしてきた。牛乳を買いにくいのだけが不便かも。


●2018年7月14日 低密度エリアのオオクビキレガイを偶然見つけるパターン

今日、久々にオオクビキレガイを見つけた。電車に乗ってオオクビキレガイ探し、的に言えば、近鉄石切駅で。
高密度エリアのオオクビキレガイは、狙って、見つけられる。農園や田んぼ周りに死に殻が、散乱してるから。しかし、低密度エリアのオオクビキレガイを見つけるのは、偶然に他ならない。でも、見つけたパターンを検討していけば、偶然を必然に近づけられる。かもしれない。なんて事を思いつつ、偶然オオクビキレガイを見つけた時の事をまとめておこう。
今までに偶然オオクビキレガイを見つけたのは、東羽衣駅、新石切駅、萩原天神駅、石切駅の4回。

◆東羽衣駅
初めてオオクビキレガイを探した場所。最初に見つけてしまったので、その後も続いているんだろうなぁ、と思う。見つけたのは浜寺公園。浜寺公園で探すこと自体、そして見つけれたことも完全にビギナーズラック。効率よく見つかるとおぼしき場所がだいたいイメージできてきた今となっては、こんな場所は探さないだろう。って場所で見つけた。
浜寺公園はとにかくマツ林だらけ。マツの落ち葉の下を探しても、オカダンゴムシすら少ないので、公園の端っこの広葉樹の落ち葉のたまってる場所を探すことにした。で、ふと見ると、アキニレの根元に落ち葉がたまってる。そこをひっくり返すとオカダンゴムシに加えて、キセルガイ類が見つかって、少し楽しくなった。で、反対側の根元の落ち葉をかき分けたら、あっ、オオクビキレガイ。落ち葉の下に大きなのが2つ転がっていた。周囲にナメクジどころか、オカダンゴムシもいない。かなり乾燥した感じ。その後見つけた場所と比べると、こういう場所にいるのは異例。

◆新石切駅
本当はハッカチョウを探しに行った。ついでにオオクビキレガイも探そうとしたけど、そもそも探す場所が見つからない。宅地化が進んでいて、その間に残された農園は柵で囲われていて入れない…。とにかく湿った感じの場所で、ひっくり返せる石がある場所。と思って目に入ったのがとある駐車場。きちんと舗装されていなくて、周辺には草が生えて、石も転がっている。その下を見るとキセルガイ類やゴミムシがいる。楽しくなって、反対側に行ってみる。駐車場とその北側の水路の間に段があって、段の下にひっくり返せそうな石がいくつかある。で、喜んでひっくり返してみた。あっ、オオクビキレガイ。大量のチャコウラナメクジに混じって大きな個体が1匹転がっていた。よく見ると半ば潜ってる個体も1匹。

◆萩原天神駅
初芝駅の方にいるという話を聞いていたので、できるだけ西の方にいるんだろう。と辺りをつけて、駅近くでのチェックはそこそこに西に向かう。が、西に行くと住宅地になって探す場所がない…。住宅地を抜けて、ようやく農園を見つけた。とりあえず何かの下をチェック。と思ってしいてあるカーペット状のものをめくったら、あっ、オオクビキレガイ。ただ、大きな個体だったが死に殻。生きた個体を見つけなくちゃ、と農園を探し回るが見つからず。近くの他の農園もチェックするが見つからず。死に殻すらもう落ちていない。で、元の場所に戻ってきて考える。これって農園じゃなくって、隣接する人家の庭から来てるんじゃ? めっちゃ植木鉢やプランターだらけで湿った感じがいい感じ。庭には入り込めないので、庭沿いの外側をチェックする。幼貝でもいいから生きたのを見つけないと、と思ったら予定通り孵って1ヶ月程度の幼貝が見つかった。信じれば見つかるらしい。

◆石切駅
新石切駅で見つかったんだから、見つかるんじゃないかな。と思ってチェックに行った。でも、住宅地だらけで、探す場所があまりない。庭のような畑のような場所に行き当たり。ここをチェックしないと、もうチェックする場所ないかも。と思いながら植え込みの下を見たら、あっ、オオクビキレガイ。大きな死に殻が1つ落ちていた。とたんにやる気が湧いて、周辺を探すが見つからず。でも生きたのを見つけないと。で、死に殻が落ちていた直近のプランターの下をのぞく。とりあえずチャコウラナメクジがたくさん。でも、よーく見ると、小さなオオクビキレガイもいくつか転がっていた。意外と目につかないもんだ。

というわけで、4つに共通するパターンは、散々探して見つからない〜、という末に、ぜんぜん期待せずにめくった下にオオクビキレガイは転がっている感じ。
東羽衣駅での例を除けば、オオクビキレガイはナメクジと一緒にいる。だからそういう湿った場所を探すのが良さそう。
生息密度の多い場所では、死に殻を見つけるのが効果的だけど、低密度の場所ではあまり期待できない。それでも石切駅での例のように死に殻があるかもしれないので、心に留めておくのは大切。
ってことで、検討を祈る。


●2018年7月13日 外来魚性バイアス

外来生物調査の魚班の一員として、近頃はカダヤシやタウナギといった魚を狙っている。どこにいくにも水網を持っていって、河川や水路やため池を見つけて、すくえそうであれば水網を入れて魚をすくう。エビはオーダーが出ていないので無視して、ひたすら魚を狙う。
ヨシノボリやフナ類やモツゴが採れることの方が多い。とくにヨシノボリはどこにでもいる魚で、ヨシノボリしか採れない場所も多い。そんな中、カダヤシっぽいのが採れたら嬉しい。外来生物調査なので、なんでもカダヤシと思って採ってくるんだけど、ミナミメダカと言われることもしばしば。見分け方は習ってるはずなんだけど、ろくに見ずにカダヤシと思ってる節がある。大きな個体はそれなりに見て、これはメダカかも?と思ったりはしてるのだけど…。
先日なんぞは、タウナギ!と思って採ってきたら、ニホンウナギと言われ、ちょっとショックを受けた(絶滅危惧種なのにゴメンナサイ)。いくらなんでもタウナギとウナギの違いくらい知ってるんだけど、小さい個体の場合、よーく見ないと胸ビレがあるのか、頭の形がどうなのかも分からないし。採るのは好きだけど、見るのはさほど好きではないのか、あまり見ずにタウナギ!と思い込んでいた。
なんでも外来生物と思ってるあたりは、なにかしら認知にバイアスができているように思う。ってゆうか、ヨシノボリと思って採ってきたら、ウキゴリと言われたこともあるので、単に普通種バイアスがあるだけかもしれない。一種の正常性バイアスだな。


●2018年7月11日 鳥の調査が出来る間

人間は歳をとると、耳がだんだん聞こえなくなるんだそう。目が見えなくなるのは老眼鏡でなんとかできるにしても、耳が聞こえなくなるのはなかなかフォローしがたい感じ。補聴器ってあまり一般に広まってないし。
鳥の調査には目と耳の両方が必要な訳で、もちろん目が見えにくいとバードウォッチングができない訳で、鳥の調査もできないのは当たり前。でも、少なくとも鳥を効率よく見つけなくてはならない調査においては、耳が悪くなるのもかなり大きなダメージ。姿はあまり見えない山での鳥の調査は、おもに声で鳥の存在を把握することになるから、耳が重要なのはいうまでもない。双眼鏡とか持って無くてもいいから、良い耳が欲しい。でも、けっこう鳥の姿が見られる都市公園での調査でも、耳が聞こえないのは重大な影響を与える。ってことを、この繁殖期にみんなで分担して行ってる公園の鳥の調査で実感した。
都市公園でなら鳥の姿をけっこう見られると言っても、その存在に気付くには、声がとても重要らしい。声で存在に気付いてこそ、姿を見つけられる。とくにカラ類をはじめとする小さい鳥は、その傾向が高いみたい。近頃、耳が聞こえにくくなってきて…、と言われている方は、軒並みシジュウカラやメジロ、エナガ、コゲラなどの発見率が下がっている。というか軒並み見逃している。
というのも、シジュウカラも出ないのはおかしいから、再調査して欲しい。と言われて見に行くと、シジュウカラ余裕で見つかるし、エナガもメジロもコゲラも見つかる。そういうことなんだ…。

耳が聞こえにくくなってきたな、というのが、少なくとも林の鳥の調査の引退時らしい。まあ、声関係なくできる調査もあるから、そちらに集中すればいいけど。センサスやカウント系の調査で言えば、水鳥カウントとか洋上センサスとかタカの渡りの調査とか。
鳥の発見効率が落ちたら、調査に限らずバードウォッチングの楽しみも減りそう。なので、歳をとったら水辺へ!


●2018年7月10日 千里ニュータウンで繁殖する鳥

大阪府の公園で繁殖する鳥の調査で、昨日は万博記念公園、今日は千里南公園と千里北公園。ちょっと前には千里中央公園にも行った。これで千里ニュータウンの10ha以上の公園は全部見たことになる。一度行ったくらいでは、当然見逃しもあるだろうけど、千里ニュータウンの緑地で繁殖する鳥について何かしら語れそう。

子どもの頃、千里ニュータウンの千里中央公園に近い場所に住んでいたけど、毎日のように見る鳥は、スズメ、ヒヨドリ、キジバト、モズ、カワラヒワ、ドバト、ハシボソガラスといった面々だった。その後、ムクドリとハシブトガラスが加わり、コシアカツバメがいなくなった。という辺りで引越。その頃と比べると、モズはほぼ姿を消したが、むしろ加わった種の方が多い。
その後加わった林で繁殖する種を4つの公園でどう出現したかを並べると、
・シジュウカラ:千里中央公園、千里南公園、千里北公園、万博記念公園
・メジロ:千里中央公園、千里南公園、千里北公園、万博記念公園
・コゲラ:千里南公園、千里北公園、万博記念公園
・エナガ:千里中央公園、千里南公園、千里北公園
・ヤマガラ:万博記念公園
・キビタキ:なし
・ウグイス:千里中央公園、千里北公園、万博記念公園
・イカル:千里中央公園、千里北公園、万博記念公園
・センダイムシクイ:千里北公園

千里ニュータウンの公園の鳥の調査で難しいのは、緑が多いこと。林で繁殖する鳥たちは、公園に集中するのではなく、周辺を含めた一帯を行き来して暮らしている。千里中央公園では調査時にコゲラやヤマガラを記録できなかったが、公園のすぐ外でコゲラを記録し、別の日にはヤマガラも確認されている。万博記念公園や千里北公園で今回は記録できなかったが、キビタキは生息している。千里北公園にはヤマガラも繁殖している可能性がある。
とはいえ、調査時にたまたま見つけられなかったというのは、生息密度の低さを表しているといってもいいだろう。ということで言えば、キビタキとヤマガラはまだまだ千里ニュータウンへの進出の途上にあるってところだろうか。
気になるのは千里北公園で記録されたセンダイムシクイ。3羽以上の群れで、家族群っぽい。繁殖したのかも? そして、これから分布を拡大していくのかが、注目。


●2018年7月8日 トラとライオンの頭骨の違い

トラとライオンの頭骨なんて見分けられる訳はない。と勝手に思い込んでいたんだけど、動物園の獣医さんが、見分けたいねん〜。と言って、ライオンの頭骨と、トラかライオンか分からん頭骨を持ってきたので、手持ちのトラの頭骨を2つ出してきて、見比べてみた。ライオン1点、トラ2点だけで結論を出すなんてあり得ないけど、そこはまあ良いことにして。なんとなく、トラとライオンの頭骨は見分けられるような気がした。

ザクッと言えば、トラの方が丸顔で、ライオンは面長で鰓が張ってる感じ。頭蓋で、その違いが顕著なのは、
・頬骨の張り出しが、トラは丸いのに対して、ライオンは前方が直線的で、後ろの方が角張り気味。
・鼻骨は、トラが前後に丸く、短めで、あまり盛り上がってない。ライオンは、長めで盛り上がり気味。

あと、下顎骨では、
・下顎枝の筋突起が、トラはあまり目立たないのに対して、ライオンはとても目立つ。

各部の名称は、「カラーアトラス獣医解剖学 上巻」(チクサン出版社)を参照にしたけど、あってんのかなぁ。


●2018年7月6日 決断はしないのは臨時休館

兵庫県の某学芸員さんが名言を吐いていた。「博物館を開館するのに決断はいらないけど、臨時休館するには決断がいる」。そして決断しなくてもいい臨時休館は暴風警報が出た時だけ。大雨洪水警報が出ようが、各地で土砂崩れの恐れが高まって、氾濫しそうな河川があちこちにあろうが、交通網が寸断されようが。よほどの決断しなければ、博物館は通常通り開館ということになる。総務課や学芸課のスタッフは、電車が止まると来れなくなる人が続出するけど、外注に出ているカウンタースタッフ、掃除のスタッフ、警備員は、(おそらく受注した会社が交通費をけちるために)徒歩か自転車で来れる人ばかりなので、通常の開館業務に支障はあまりなかったりする。
開館してもこんな日に来館者はないだろう。と思ったら、意外に来館者がある。大阪市内の学校は休校になってないから小学生以上の子どもはいないけど、なぜか未就学児を連れた親子連れが目立つ。会社が臨時で休みになって、時間ができた近所の人が子どもを連れてやって来る? あるいは幼稚園や保育所が閉まってる? 来てくれるのは嬉しいけど、行き帰りが危険ではないだろうか? 途中から電車がとまって帰れなくなったりしないだろうか? そこまで配慮して、臨時休館するかの決断をすべきではないかなぁ。
もっと言えば、これでは巨大地震が来ても、河川があふれまくって周囲が水没しても、開館してるってことになりそう。おかしなもんだなぁ。

なんて思ってたら近在の博物館施設がすべて同じ問題を抱えていて、この非常時に、いずこも通常通り開館してる。とネットで盛り上がっていた。兵庫も、滋賀も、伊丹も、高槻も。兵庫は鉄道網が寸断されて、陸の孤島になってるし。高槻は避難勧告出てるのになぁ。
ついでに面白かったのは、兵庫も滋賀も、うちと同じように雨漏りしてるってところだったりする。ダメなところはいずこも同じ。


●2018年7月5日 カラスの蟻浴と煙浴と火浴と果実浴???

カラスの蟻浴と煙浴の原稿を書こうと思い立って、軽く調べたけど、とても楽しい。日本で蟻浴と言えば、カラスとムクドリの専売特許みたいな扱いだけど、文献を検索すると飼育下のクロツグミでも記録されている。へー、クロツグミで。と思いながら、海外の文献も調べてみると、蟻浴はもっと広い範囲の分類群で記録されている。タカ目やキジ目など非スズメ目でも記録されているけど、多くはスズメ目。なかでもよく蟻浴が記録されているのは、ラス科、ムクドリ科、ムクドリモドキ科、アトリ科、ハタオリドリ科、ツグミ科、チメドリ科だそう(Simmons, K.E.L.(1957)A review of the anting-benaviour of passerine birds.British Birds 50:401-424)。北アメリカで集められた蟻浴の記録で多かったのは、ホシムクドリとコマツグミ。なるほどムクドリ科とツグミ科だぁ(Potter, E.F.(1970)Anting in wild birds,its frequency and probable pupose.Auk 87:692-713)。日本でも探せば、もっと見つかりそう。

それに引き替え、煙浴は日本でだけで知られてる行動なんだろうか? とりあえずカラスの煙浴が知られてるけど、検索すると飼育下だけどオナガもヒットする。そして、このオナガの論文(堀関夫(1961)オナガの火浴.鳥16:424-425)は、ものすごく気になることが書いてある。
まずは、タイトルにある火浴というのが、とても不思議な行動。「焚火が終って,かまどの残り火を外にかき出すことがある。するとこの火のまじっている,あつい灰のなかにオナガが勢よく飛んで来てころげまわ」「もえのこりの小枝をくわえて行き,火の部分で翼の内部をこするのである」。なんでしょう。お灸を据える感じ?
そして、この論文には出だしにさりげなく、よく分からないことが書いてある。「オナガが蟻浴することや,その他小さな木の実,草の実をからだにすりつけることは既に知られているが,私が親しく何度も見た火浴を報告したい」なに? その果実浴みたいな行動は??? 聞いたことないんですけど…。


●2018年7月4日 京都府とか近畿のハッカチョウの40年ほど

近畿地方で(もしかしたら日本で?)最初にハッカチョウが繁殖したのは、1970年代の京都市でのことらしい。そのこと自体は、『近畿地区・鳥類レッドデータブック』にも載ってるし、国立環境研究所の「侵入生物データベース」にも載ってる。でも、具体的なデータが見つけられずに困ってたり。みんな出典を明記しろ! 『わたしたちの自然』の最新号には、その京都市のハッカチョウの画像が載ってるのに、撮影日も撮影場所も載っていない。なんかデータについての意識を薄すぎ。

とにもかくにも近畿地方のハッカチョウの歴史は、1970年代に京都市内で繁殖したことに始まるらしい。しかしその後、京都府のハッカチョウ情報は一旦途切れる。2006年に八幡市での繁殖例があるらしいが、詳細は知らない。2006年までにもハッカチョウ情報があるようだが、それもよく分からない。2013年には冬期ではあるが京都市内で記録がある。そして、2015年以降、長岡京市や大山崎町で見られるようになり、どうやら現在に至る。
ついで1982年に兵庫県姫路市で繁殖。姫路市のハッカチョウはこのまま定着して、周辺に分布を順調に拡大していった感じ。現在では赤穂市から伊丹市・尼崎市までの兵庫県南部に広くハッカチョウは分布。とくに姫路市から明石市のエリアの生息密度は高い。内陸にどの程度分布が拡大しているかは謎。
続いて、1983年に和歌山県那智勝浦町で記録されているが、繁殖したのかどうかは不明。そして、その後は記録されていない。
同じく1983年に大阪府豊中市で繁殖が確認された。でも、大阪府のハッカチョウの記録は、1989年に大阪府富田林市で記録された後、一旦消える。次に記録されるのは、2003年に高槻市野田、2005年に淀川長柄橋北詰での繁殖が確認され、分布を拡大しつつ現在に至る。
滋賀県でも、2006年や2007年に大津市などで非繁殖期に確認されているが、繁殖記録があるかは不明。その後の情報も見あたらない。
奈良県では、今のところハッカチョウ情報を見つけていない。

ついでに周辺地域について言えば、
岡山県では、1998年に笠岡市六島で観察されている。他の情報は見つけてない。
香川県では、1993年に高松市で繁殖したのが最初。その後、丸亀市にも分布を拡大し、現在では観音寺市から東かがわ市まで広く分布しているが、生息密度が高いのは高松市から丸亀市の辺り。この分布パターンは兵庫県に似ている。

大阪府以外の近畿地方のハッカチョウ情報の課題は、
・大阪府や兵庫県の周辺にどの程度分布が拡大しているかを探る。
・京都府での過去のハッカチョウ情報の収集に努める。
という感じかと。


●2018年7月3日 大阪府でのハッカチョウの35年

大阪府で最初にハッカチョウの繁殖が確認されたのが、1983年。今年35年目を迎えて、今までにハッカチョウが記録されたことのある40ヶ所すべてを見に行って、今もハッカチョウがいるかを確認。という調査を実施中。今日とりあえずすべての場所のチェックが一通り終わった。
40ヶ所のうち、ハッカチョウを確認出来たのは10ヶ所だけ。1回見に行っただけで、そんなに簡単にハッカチョウが見つかるとは限らない。とくに生息が1つがいかそこらの低密度の場合、少し営巣場所を移動されると、それだけで見つけられない可能性も高い。そういう意味では、見逃しがたくさんあると考えないといけないが、一度観察されてもそこにずっとハッカチョウが生息してるとは限らないとは言えるかも。

ごく近所に引越したのを、たまたま見つけられたケースもある。たとえば河内長野市北部。
逆に、同じ地点ではハッカチョウを見つけられなかったが、比較的近い場所に新たな生息地が見つかってるケースがある。たとえば此花区では、西九条周辺には見つからなかったが、千鳥橋に見つかった。たとえば淀川を挟んで、海老江では見つからなかったが、対岸の姫島で見つかった。摂津市三島では見つからなかったが、摂津市一津屋で見つかった。神崎川沿いでは、相川で見つからなかったが、西淡路で見つかった。などなど。
本当に引っ越したのかは分からないけど、あるエリアないで移動を繰り返している感じがしてならない。どうしたら、それを明らかにできるかなぁ。

あと、比較近年繰り返し確認されてるエリアなのに、今回見つかっていない場所は、本当にいなくなったのか再調査して確認したい。とくに気になるのは、
・交野市:交野駅周辺、郡津駅周辺
・東大阪市:新石切駅周辺
・大阪市住吉区苅田、東住吉区矢田周辺


●2018年7月2日 地震の爪跡

今日は、阪急茨木市駅から無料送迎バスに乗って、茨木市の山手にある某大学へ。茨木市駅に近付くと、屋根にブルーシートを載せた家がポツポツと目立つ。瓦屋根がけっこうダメージを受けている様子。瓦屋さんや屋根修理の業者は大忙しっぽい。みんな急いで欲しいだろうし、大変そう。

バスから降りたら迎えがいて、連れて行かれたのは大学に併設されている高校の旧校舎。かなり地震の影響が出ているようで、生徒は立ち入り禁止。我々もヘルメットを渡されて、理科室へ。
理科室には代々の先生や生徒がためこんだ標本がいっぱいあるらしい。その一部はすでに博物館に寄贈されていたのだけど、年末頃に整理して寄贈をという段取りを考えていた標本群が、今回の地震でダメージを受けた。そこで、前倒しして博物館で引き取ることになった。
標本群は、液浸標本と昆虫標本が中心。他に植物標本と、剥製、骨格標本がある。地震のダメージを一番受けたのが液浸標本。ケースの中で倒れて、割れて、辺りはほんのりホルマリン臭。早く回収しないと、標本自体もダメージを受けそう。ただ、問題はケースのガラス扉に大量の標本瓶が倒れかかってること。そーっと開けても、いっぱい落ちそう。ガラスを切ったり割ったりするのはどうだろう? ということで、写真をガラス屋さんに見てもらうことに。ガラスを割る段取りを考えるのも学芸員の仕事のうちとは知らなかった。
液浸標本の大部分にはちゃんと採集データが付いていて、40-50年前の北摂の魚類標本などがいっぱいあって、なかなか貴重。昆虫標本や植物標本にもけっこう採集データが付いている。しかし、30点弱ある鳥の本剥製は、数点だけとはいえ哺乳類の本剥製、これまた数点の骨格標本にはまったく採集データがついていない。どうしてかなぁ。採集データがない以上、展示や実習で使えるかどうかなんだけど、骨格標本はともかく、本剥製は埃まみれで傷みまくっている。嘴が折れたり、尾がなくなっているのが多数。完品は5点程度かと。とても貴重な鳥の本剥製も2点あったんだけど、これにも採集データがないのは本当に残念。

標本のあった建物の外には割れたガラスがいっぱい落ちていた。上を見ると窓が割れまくっている。壁が剥がれ落ちていたり。建物にひびが入ったり、グランドに地割れができてたりもしたらしい。
ろくに耐震工事されていない古い建物がどうなるのかは、他人事ではない。旧校舎はこのまま供用停止と聞いた。もともと解体予定だった点を含めて、千里セルシーとよく似た展開。うちの古い建物はどうなるのか心配。


●2018年7月1日 2018年6月のまとめ 行事はトラブルだらけ

6月は季節もいいので、毎週末観察会を企画していたのだけど、失敗やトラブルがやたら多かった。
6月10日の和泉葛城山で鳥のさえずりを聞く会は、雨天中止。その下見では道に迷ったあげく、下りてきたらバスがなかった…。6月16日の箕面公園でのナイトハイクは、ホタルシーズンにぶつけてしまい、やたらと人が多い中、虫網などを持って歩いていると怒られたり。そもそも人通りが多すぎて、ゆっくり観察しにくかった。6月17日の和歌山県での中高生向け磯観察では、ウニのトゲを指に刺して保険適用になったり、帰りに二手に分かれてしまったり。6月24日の高槻市でのカエル観察会は、直前の地震でコースが通行止めになって中止。行事の準備不足や馴れによる気の緩みが原因だとは思うが、地震で行事が中止になるとは、もしかして呪われてるんじゃないかと。
そんな6月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。カラスの巣チェックはフェイドアウトした。
5月に続き、外来生物調査プロジェクトの調査にはまる。ハッカチョウをチェックしつつ、駅中心のオオクビキレガイ探し。機会があれば魚もすくう。
大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査も順調に進行中。7月初めには完了できそう。

標本作りは、ホネホネ団の活動日だけ。先月届いた動物園の大物を処理。と思ったら別の動物園からヒツジが到着。これも処理。

普及行事は、とにかく失敗や中止ばかり。自分が主担当で、感慨でまともにできた行事がない…。
原稿は今月も書けなかったし、査読もしてない。講演は、教員研修にホネの話が1本。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系5冊と、SF12冊。本があまり読めなかったのは、後半の夜はワールドカップを見まくっていたから。
完全休養日は確保できなかった。休みはフィールドに出て忙しかった。


和田の鳥小屋のTOPに戻る