日記風覚え書き

2018年4月5月、6月

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●2018年6月30日 生まれたてのキリン、新鮮って意味ではなく

今までに3頭もキリンの皮剥きとかをしてきたので、けっこうキリンのことは知ってるつもりでいたけれど、まだまだキリンの世界は奥が深かった。
今回、扱ったのは、生まれたばかりのキリン。身長180cm、体重55kgと人間で言えばメッチャスリム。まだ蹄は全然すり減っておらず、保護パッドが付いている。臼歯も全然すり減っておらず、メッチャ尖っている。そして、これも何かしらが表面についてる感じ。それでいて、糞を持っている。小さいけどツブツブしていて偶蹄類らしい感じ。
ホネはまだまだ軟骨部分が多いのだろうけど、意外としっかりしている印象。ただ角の中にはホネはない。角というより余分な耳介のような感じ。全体にベルベットのような毛皮は、とても柔らかい。蹄の上あたりが一押し。

雄と雌、大人と子どもでずいぶん違うんだなぁ。と当たり前のことを改めて思った。


●2018年6月29日 読書サークル 第98回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今日の課題本は9冊。2冊繰り越しになったので、7冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「絶滅危惧の地味な虫たち」
(紹介文6つ、平均★数は3.5)
 裏山の奇人が、マイナーな昆虫を次々と紹介していくのは評判がよかった。ただ、奇人度が足らないというマニアの意見もあった。

●「小さな小さな虫図鑑」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 家の中の虫図鑑としての評価する声が目立った。タバコシバンムシを見て、これ我が家にいるやつだ!と妙に盛り上がってる人も。

●「クニマスは生きていた」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 田沢湖でのクニマス漁からその絶滅という、人とクニマスの歴史をたどった内容は、それなりに評価されていた。ただ、田沢湖の人にこだわるあまりに、研究者など再発見に関係した人達がまるで出てこないことに違和感が表明されていた。

●「ミツバチの世界へ旅する」
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
 学生時代から現在の研究者までの半生記を、順に紹介していく。というパターンは評判が悪い。自分の研究データの説明が細か過ぎて、多くの人は眠気をもよおした人も複数。ミツバチのダンスを紹介し、出巣時積載蜜量を調べた最後の2章は評判がよかった。最後の7章と8章を中心に、もっと短く仕立てればよかったかも。

●「海中を飛ぶ鳥」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
 肝心の海中を飛ぶウミスズメ類とペンギンが出てくるのは半ば以降。海中を飛ぶ話は、全40ページ中、6ページに過ぎない。と、タイトルに偽りがあるとの指摘が。

●「まちでくらすとり すずめ」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 スズメの子育ての様子はよくわかると評判は悪くなかった。が、スズメの正面顔がおかしいとか、公園の風景のページでスズメガ大きすぎる、といった絵についてのクレーム(?)があった。

●「学校のプールのヤゴのなぞ」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 写真は綺麗だし、学校のプールが大切なヤゴの生活場所になってるというテーマは評価されていた。が、構成がごちゃごちゃしていて、それ以上のことがよく分からなかった。という意見が大勢。プール以外にビオトープとか池とか河川が混じってくるし、学校のプールの季節変化を調べているようなのだけど、結果がどうなったのかよく分からない。とのこと。


●2018年6月28日 ウキゴリ採集顛末記

ウキゴリって魚を採ったらしい。本人は言われるまで気付かなかったが。いや、言われて、説明されても、よく判らなかった。判ったのは、ちょっと珍しい魚を採ってきて誉められたってこと。

ウキゴリを採ったらしいのは、昨日。場所は…。大阪府では準絶滅危惧としてレッドリストに載ってる希少種なので、場所は伏せることにしよう。ザクッと言えば、山に近いエリアのため池。水路から水が流れ込んでる辺りが浅くなっているので、覗いてみると底魚がいる。水網を持って岸からすくう。1匹すくえただけ。悔しいので、靴のまま水の中に入って、岸近くですくって回る。ヨシノボリ的な魚が採れた。最初に採れた小さいのではなく、4cmほどもある立派なのが採れた。鰭や体側に模様がはっきりあって、けっこう綺麗。嬉しくなってさらにすくって歩く。水路にもいるようで、水網を付けてヘラサギのように左右に振りながら進んでいくと、面白いように採れる。
20匹以上採れたけど、そんなにいらんから適当に4匹だけ持ち帰った。どんな基準で選んだかは覚えてないけど、はっきりした基準はなかったのは確か。ただ、小さいの1匹と大きいの3匹。大きいのは模様の多いのと少ないのを混ぜてみた。

それを今日、魚担当のハゼ屋に見せた。全部ヨシノボリ類だと思ってた。海との行き来はできないだろうしカワヨシノボリじゃない。となるとシマヒレヨシノボリなんだろう。
ところが、一目見たハゼ屋はヨシノボリじゃないのが入ってる。まじまじと見た上で、ウキゴリですね。え、ウキゴリって回遊魚なんじゃ? 陸封型もあります。へー。
で、なんとなく、大きい3匹がウキゴリなんだと思った。ウキゴリって、ため池や水路ではなく、もっと大きな河川の中下流域にいるんだとばかり思っていた。ネットでながめると、大阪府ではレッドリストに入ってるじゃないか。
で、またハゼ屋と話をするけど、なんかやり取りが食い違ってる気がする。しばらく話をしていてやっとわかった。4匹中、ウキゴリは1匹だけ。大きくて一番模様のない個体のことだった。改めてハゼ屋がウキゴリの見分け方を教えてくれる。ヨシノボリと全然顔が違うでしょう。ちょっとぼんやりさんな感じの顔で…。全然分からん。

一つだけ分かったのは、ウキゴリを持ち帰ったのは偶然ってこと。全然見分けてないんだし。教わっても分からんし。採って放した中にウキゴリがどのくらい混じってたかも不明。希少種ならきちんと再調査すべきかなぁ。


●2018年6月27日 キビタキの幼鳥、イソヒヨドリの幼鳥

かつてはキビタキの幼鳥ってのは9月や10月頃に見るもんだったのに、大阪府でも山で繁殖するようになり、丘陵の林でも繁殖するようになり、市街地周辺で夏に見られるようになってきて、妙に感慨深い。ってゆうか、まだ馴れてないので、軽く驚く。驚くと言えば、公園でイソヒヨドリに出会うのも驚く。

今日は、大阪府下の公園で繁殖する調査のために、河内長野市の公園へ行った。近頃は、キビタキやヤマガラが記録される公園が増えてきた。というわけで、キビタキとヤマガラをチェックするのが大きな課題。今日の公園ではヤマガラは確認出来なかったが、キビタキは1羽囀っていた。よしよしノルマは果たした。と思って歩いていたら、なんか軽やかに枝から枝を飛びまわる小鳥が1羽。見てみるとヒタキ類。キビタキの幼鳥やん。その姿は、秋の渡りで見るのと同じなんだけど、いまはまだ6月。近くでキビタキが繁殖してる証拠のようなもん。そして、キビタキが囀っているんだからいてもおかしくないんだけど、なんか変な感じがして仕方がない。

しばらく行くと、今度は木の枝に、ヒヨドリかムクドリのような鳥が、それが綺麗な声で鳴き出した。イソヒヨドリやん! よく見ると、雄の幼鳥だった。河内長野市は、早い段階から市街地周辺にイソヒヨドリが進出してきており、いまやかなり高い生息密度。でも、どっちかと言えばビル街や住宅地で、建物や電柱にのってる鳥。それが、緑地の樹にとまってるのは、とても変な感じ。
食性はムクドリとさほど変わらないんだから、市街地ではこうした緑地に幼鳥をつれてやってきても全然おかしくないんだけど、これまたなんか変な感じがして仕方がない。


●2018年6月26日 ハワイの鳥の図鑑

ハワイ帰りの萌蔵から、お決まりのマカダミアナッツチョコと鳥の図鑑をお土産にもらった。ハワイの鳥の図鑑はちょくちょくもらうけど、まだかぶったことがない。よほど色んな種類の図鑑があるんだなぁ。ちなみに今回もらったのは、『A Photographic Guide to the Birds of Hawai`i』。ハワイがHawaiiではなくHawai`iとなってるのがミソ。
ハワイの鳥の図鑑の見どころは、外来鳥類の多さ。パラパラとめくっただけで分かるのだけど、少し信憑性を高めるために、抜き出してみた。
5つの環境に分けて紹介されているので、順番に。

◆Urban Birds
 Alien:30種

◆Country Birds
 Alien:14種
 Endemic:1種
 Migrant:3種

◆Forest Birds
 Alien:8種
 Endemic:22種

◆Wetland Birds
 Endemic:5種
 Migrant:58種
 Indigenous:3種

◆Seabirds
 Endemic:3種
 Migrant:2種
 Indigenous:17種

市街地には外来鳥類しかおらん〜。林にもけっこう外来鳥類が入り込んでるのもショック。こうしてみると日本は外来鳥類が驚くほど少ない。
外来鳥類ともう一つ驚いたことに、陸鳥で渡り鳥が3種しかいないこと(チュウヒとミサゴとハヤブサ)。ってゆうか太平洋に浮かぶ海洋島なのに、水鳥に渡り鳥が多いことを驚くべきかもしれない。ガンカモ類、シギチドリ類、カモメ類の移動能力の高さは半端ない。
逆に固有種は、陸鳥はスズメ目とノスリのみ。これって日本でもありがちパターン。水鳥は、水辺ではハワイガンとハワイガモ、オオバン、バン、セイタカシギ。海鳥では、ウミツバメ、ミズナギドリ、アジサシが1種ずつ。固有種になるのとならないとの境目の微妙なさじ加減が面白い気がする。海洋島に到達できるけど、自由に行き来するほどではない種(群)って感じだろうか。


●2018年6月25日 魚をすくってため池巡り

今日は自転車で、松原市から堺市北東部のため池巡り。水鳥調査が目的だけど、この季節、鳥はあまりおらず退屈、そして時間的余裕がある。そして今日は、今年一番の暑さ。水に足を浸けて涼むのも兼ねて、魚をすくって回った。
暑い時に、足を水に浸けるだけで、本当に涼しくなる。もう水から出たくない。そして魚をすくうこと自体、とても楽しい。時間を忘れる勢い。ただ一つ問題は、鳥の調査は制限時間内に61ヶ所をすべて巡らなくてはならないこと。いくら鳥が少ないからといって、魚採りに夢中になっていては肝心の調査が終わらない。で、厳選された場所だけで魚採り、そして、適度に切り上げるというなかなかに欲求不満な展開。結局、4ヶ所でしか魚を捕れなかった。
(持って帰って魚屋さんに見てもらった結果)採った魚は、
・ヨシノボリだけ
・ヨシノボリ、フナ、モツゴ、カダヤシ
・ヨシノボリ、フナ、モツゴ
・ヨシノボリ、フナ、モツゴ
どうやら、このエリアで一番普通な淡水魚は、ヨシノボリらしい。本来のターゲットは、メダカ・カダヤシ。ついでにドジョウ・タウナギなんだけど。ターゲットは1ヶ所でしか採ってないし。来月も同じエリアでため池巡りをするので、これまた涼むのも兼ねて、別の厳選場所で、今度こそターゲットを狙う!


●2018年6月24日 鳥類とヒトにおけるヤマモモ果実とウワミズザクラに対する選好性の比較

今日は、富田林市の錦織公園に、公園で繁殖する鳥の調査に行った。本来は昨日を予定していたが、昨日は雨天中止。今日予定していた別の観察会が(雨天でもないのに)急きょ中止になったので、1日延期して、今日調査に出向いた。

錦織公園には、ヤマモモの木がいっぱいあって、ちょうど果実が熟し頃。手の届く範囲に熟した黒い果実を見つける度にパクパク食べた。他にも食べてる人が多いらしく、人通りの多い場所の木は、手の届く範囲にあまり熟した果実がない。棒を使って、背の高い人も使って、枝を下げて何とか熟した果実を食べる。さらに上の方にある熟した果実を見て、あれは酸っぱい果実に違いない。と、イソップのようなことを思ったり。
でも、ある木で下の方に熟した果実がいっぱいあって、喜んで食べたら、あまり美味しくない。ってゆうかむしろ酸っぱい。上の方にしか残っていない熟した果実こそが甘い果実で、下の方に残っている熟した果実こそが酸っぱい果実であった。イソップのキツネに教えてあげたい。
所々にウワミズザクラの木もあって、これまた熟し頃。これまた熟した黒い果実を食べる。甘くて美味しい。でも果実が小さい。むしろヤマモモの方が大きいし多いし、いっぱい楽しめる。とまあ、人間の間では、ヤマモモ果実の評価の方が高かった。

でも、人間がパクパク食べているヤマモモを食べに来ている鳥はほとんど見あたらない。食べられず落ちている果実も多い。公園の一番南で、ようやくムクドリの群れがヤマモモの果実を食べに来ていたが、他で食べている鳥は見あたらず。むしろ熟して落ちた後、タヌキなどの哺乳類に食べられて散布されているんじゃないかと思う。
一方、ウワミズザクラの果実は鳥達に大人気。あるウワミズザクラには、入れ替わり立ち替わりヒヨドリとメジロの群れがやってきて、熟した果実を選んでパクパク食べている。ヒヨドリが来るとメジロは退散するけど、様子を見て舞い戻ってきたり。ヒヨドリは苦手だけどウワミズザクラの果実は食べたい様子。メジロには少し大きい果実なんだけど、上手に呑み込んでいた。と、メジロじゃない小さめの鳥が来た。と思ったら、キビタキの幼鳥だった。キビタキやっぱり繁殖してるんだなぁ、と同時に、キビタキがこんな季節に果実を食べるんだなぁ。といろいろ印象的だった。


●2018年6月23日 高槻でのカエル観察会中止の顛末

この観察会は、梅雨時に設定するので、ただでさえ雨天中止になりやすい。100人近い、小さい子ども連れを連れて行くので、朝方まで雨が降って、足下が悪いという判断で中止したことすらある。そもそも安全マージン多めに実施している。おかげで、昨年は実施できたが、その前は3年連続で雨天中止。むしろ実施していることの方が少ない…。
そして、今年は雨天でもないのに中止の判断となった。それは6日前に大阪府北部地震が起きてしまったからである。地震があったからって、中止にする気はなかったのだけど、まあ安全マージンは確保せざるを得ない。

今年は、いつもとコースを少し変えてみることになっていた。そのため、早めに一度スタッフで下見をした。コースは楽になり、それでいて田んぼ周辺で、今までとは少し違う観察が出来そう。いいんじゃないかな。
ところが、6日前に地震があった。この時点で、カエルの観察会実施に黄信号。2日後、地元の共催相手の博物館さんと相談。バスは動いてるし、観察会のスタッフは問題なく動ける。地元ではまだガスや鉄道などに止まってるのもあるが、おおむねインフラは復旧した。被害の大きな部分ばかりが報道されているが、多数派は日常生活に戻っているし、むしろ妙な自粛ムードはぶっ飛ばす方がいいだろう。ただ、地震後の雨もあって、コースがどうなってるかが心配。ってことで、観察会前日に地元のTさんが直前下見に行ってくれることに。その結果を聞いてから実施か中止かの判断をすることになった。

そして、観察会前日の午前中。Tさんは打合せ通り、小雨の中、予定コースを歩いてくださった。歩けることは歩けるでー、との事ではあった。が、
・峡谷のコースの中で一番狭くなる所に、けっこう石が落ちてきている!
・スタートの公園から峡谷に下りるコースは、公園側からは何の表示もないのだけど、渓谷側に向けては、管理者による通行止めの表示がある!

コースに問題がなければ実施、ってことは問題があれば中止やむなしって事だろうなぁ。少人数なら行ってもいいような気もしたけど、小さい子ども連れを100人近くの連れて行く観察会をするには、安全マージンが不充分。
直前下見の後も、しっかり雨が降っているので、さらに何か起きている可能性もある。そして間違いなく増水していて、足下は悪い。地震の影響がなくても実施するか悩むパターン。

というわけで、合わせ技めいてるけど、自粛ムードに乗っかってるようで悔しいけど、中止を決定。雨天でもないのに中止とは大変珍しい。でも地震のため中止とは言いたくないので、「コースの一部が通行禁止になったので中止にします」と参加予定者には案内。


●2018年6月22日 ヒトと動物のホネくらべ リベンジ編

ここ数年、8月初めに教員向けにホネの話をする機会がある。毎年、反省しつつ改善してる(?)のだけど、今年はお声がかからない。と思ってたら、このタイミングで教員向けにホネテーマに実習をという展開。昨年8月に40分で収めたプログラムを、今日は80分ほどやらせてもらえるらしい。
昨年8月4日に書いた日記を見返して、修正プログラムを検討。とりあえずの予定は、

1:概要説明(5分):各机の上や前の机の上に置いてあるホネの紹介と、このプログラムの進め方の説明。
2:ホネの基礎知識(20分):哺乳類(ネコと自分の体)を題材に、哺乳類のホネの似ている点、
 ・頭骨から尻尾にかけての脊柱と、四肢からなって構成を確認(似ているところ)。
 ・椎骨が分かれている。その区別の仕方
 ・四肢が付け根1本、次が2本の構成
 ・肩関節、肘関節、股関節の構造
 そして違っている点(歯や顎関節、鎖骨、爪やつま先立ちなど)を紹介。
2:肉食獣と草食獣の頭骨の比較(10分)
3:カエル、トカゲ、トリのホネ(30分):哺乳類以外の陸上脊椎動物のホネの概要を説明。ついでに魚はホネが多すぎてややこしいってことも説明。
 似ている点と違ってる点。トカゲで、哺乳類との違いを説明(哺乳類では歯や椎骨の役割分担がはっきりしてきている)して、カエルで跳躍に特化した特徴(尾骨の話や、前腕や下肢のホネの癒合)を紹介し、最後に飛行に特化した鳥類のホネを哺乳類と比較。哺乳類と鳥類のデザインの違いとしては、首のホネの数、箱状の胴体、しっかりした前肢の付け根。
4:まとめ(10分):改めて貸し出しキットやホネ展解説書の宣伝。ついでにホネホネ団の紹介。

各机に並べたのは、シカとアライグマの頭骨と、ネコの全身骨格。ニワトリ・フンボルトペンギン・オオトカゲ・ゴライアスガエルの全身骨格。
時間が余ったときのために、前の机にアライグマとトラの全身のバラバラ骨をスタンバイ。

――――――――――――――――――――――――――――――――

リベンジのはずがあまりうまくいかなかった。机の上のホネを触れといってもあまり触らないし、終わってから前のトラのホネを触っていいよといってもあまり触らないし。話はとっちらかってしまったし…。

気付いた問題点は、
・5つの机に4人ずつほど座っていたのだけど、各机に置いてあるホネが少ないせいか、牽制し合って、目の前のホネにあまり手を出さない。これが子どもなら取り合いしてでも触るだろうに。もっと触らなければならなくなるように、フリとか質問とかを投げかけた方が良さそう。投げかけても、4人に一つでは牽制しあいは納まらないかも。数を増やす?
・触れるのは、哺乳類のホネに限定せざるを得ない。他は前で説明することになるが、トカゲとカエルが相変わらずネタが少なくて困る。
・途中で言及したという意味では、魚類(肺魚?)、オオサンショウウオ、カメ(特殊化の例として)、飛ばない鳥(キーウィ)、首の長い鳥(カワウ?)、ペンギンの剥製(ホネとセットで)、キリンの頸椎、イルカの頸椎orスナメリの全身骨格、アシカの雌雄の頭骨などがあっても良かった。


●2018年6月21日 休みの日なのに子どもと会話

自分の子どもはいないので、仕事以外で子どもと話をする事は、まあない。子ども相手どころか、プライベートで他人と話をする事自体ほぼない。が、今日は休みの日なのに、調査中に子どもと会話した。極めて珍しい。まあ調査中なので、仕事中に限りなく近いが…。

東大阪市でオオクビキレガイ探し。ついでにナメクジをチェックして、ワラジムシも探して、ゴミムシも採集する。そもそもオオクビキレガイはナメクジがいるような場所にいることが多いので、農園とか田んぼ周りとかを主に狙う。
というわけで、田んぼ脇で枯れ草を引っ繰り返して、貝を探しゴミムシを採ってたら、近所で遊んでいた小学生が5人ほど集まってきた。なにしてんの?と訪ねて来る。説明しても気持ち悪がられるだけだろうなぁ、と思いつつも説明しないわけにもいかない。ちょうどゴミムシを捕まえたところだったので、虫採った。とパウチ袋に入ったゴミムシを見せる。きもっ!とか言われるかと思ったら、ちっちゃ!と言いつつ見ている。反応悪くないなぁ。というわけで、ゴミムシを採った場所の枯れ草をどけて、出てきた虫を、ゴミムシ、ハサミムシ、ナメクジ、オカチョウジガイと順に説明。なぜか冷やかしもなく、ちゃんと聞いてる。動く虫を見つけては、あれなに? あれは?と訊ねてくる。反応いいなぁ。
最初に見せたゴミムシが3mmほどのだったからか、1cmほどのゴミムシが出たら、大きい虫!と盛り上がってる。意外と虫好きなんやなぁ。ナメクジだけは、俺苦手!と言ってる子がいたけど、他の子は平気。テレビで見たアフリカマイマイからの病気の話をしてくれる。生き物好きやねんな。

という訳で、見知らぬ子どもたちとプライベートで仲よく会話。なんのために虫とってんの?と聞くから、博物館で調べてんねん。と言ったら納得してくれた。もう少し博物館の宣伝もすればよかったかも。


●2018年6月19日 ミイラの処理スタート

新鮮な死体は、皮を剥いて仮剥製に。でも腐った死体は悩ましい。とりあえずこれ以上腐らないように、冷凍。でも、あまりに溜め込み過ぎると、冷凍室がいっぱいになるから、ボチボチと処理する。可能な範囲で、羽根や皮を確保して、できれば内臓をみて性別チェック。そして、なにかしら皮を剥いて、ホネにする。いわゆる残骸処理である。
じゃあ、干からびてミイラと化した死体は、というと、冷凍しなくても大丈夫。なので常温でポイポイポイと箱に放り込む。既にミイラなので、急いで処理しなくても大丈夫。というわけで、長らくすっかり放置していた。
先日の館内ホネツアーで、これではいけないと反省し。でも、自分で処理するのは面倒なので、トリに押しつけた。トリさんありがとう〜。

で、今日から、トリのミイラ処理がスタート。ちゃんとデータがあって、種類が同定できて、頭骨あるいは全体のホネの大部分が残っていたら、受け入れて、骨格標本化。問題は、断片過ぎるミイラ。というか、ごくごく一部のホネだけが拾ってこられてるケース(脚のホネ1本とか)。採集データがあると、捨てるのは勿体ないけど、どうしたもんかなぁ。珍しい種なら、その種の記録として残す必要がある。でも山のように拾われるハシボソミズナギドリとか、シカのホネとかは、どうしたもんだか悩んだあげく。先送りな判断?


●2018年6月18日 二度目の地震の朝

あの日も月曜日の朝だった気がする。時間はもっと早かったけど。寝てたら揺れて、トースターが落ちた。テレビつけたら、真っ暗だったけど、地震だという音声だけ聞こえた。
当時、博物館に一番近い職員は自分で、自転車で通える所に住んでる学芸員も一人だけだった。一番乗りで博物館に着いて、収蔵庫と展示室を見て回って、ほとんど何も起きてないことを確認して、研究室を見回ったら、一部の部屋で積み上げてあった書類が落ちてた。まあたいした事なかったので、家に帰って二度寝した。
再び起きてテレビを付けて驚いた。高速道路が倒れて、ビルが倒壊。あちこちから煙が上がっていた…。

あれから23年、大阪辺りでは大地震は、月曜の朝と決まってるんだろうか。ただ今度は、近所の学芸員も4人と増えて、なぜか朝早くから来ている学芸員も2人いて、休館日で休日にしている学芸員がほとんど、という月曜の朝とは賑やかさ。今回も幸い、博物館に問題なく一安心。震度6以上でなくてよかった。
一つ分かったのは、事務職員は全員、電車通勤なので、電車が全部不通になったら誰も来れないってこと。いざという時は、近所の学芸員だけと覚悟した方が良さそう。


●2018年6月17日 今年の磯観察

今日は、年に一度の磯観察の日(中高生をつれて磯に行く日)。今年は4年ぶりに田倉崎。ここは平らな磯が広く出る。干潮が午後3時過ぎと遅く、着いたらさっさと昼食を喰って、引いていく潮を追いかけて、どんどん沖に移動しながら観察する感じ。
前回来た時は、タコを捕まえて盛り上がり、アメフラシを大量に集めてムラサキの池を作って、ウミウシ対決をしてた気がする。でも、今回はタコは見つからず、アメフラシも小さめ。やっぱり大量に集めてた奴はいたけど、あまりムラサキ色になってなかった。そしてやはりウミウシ対決をした。
ウミウシ対決はというと、今年はアオウミウシとか、クロシタナシウミウシとかがあまり見つからず。代わりにアカエラミノウミウシがいっぱいいて初めて採った。水から上げると、ただのオレンジの塊で、最初はウミウシとは思わなかった。他にオレンジ色のキヌハダウミウシとか、白いオトメウミウシとか採れて、対決はなんとなく引き分け。でも、某岸和田の兄さんはさらに色々とウミウシを採っていて、さすが専門家は違う感じ。彼を対決に混ぜなくて良かった。
個人的には、転石の裏にいる小さな珍しげな巻き貝をチェックして回った感じ。今日教わったのは、チグサガイ、ムギガイ、ボサツガイ、エビスガイとか。何度も採って質問してたのは、ヒラスカシガイ。小さくて、丸くて、柔らかい可愛いのを採った!と訊ねたら、アメフラシの子どもと言われた。
子どもたちは棘皮動物に惹かれる派と、魚好き派と、なにがなんでもタコ!に分かれてた感じ。ウニやヒトデやクモヒトデを大量に集めてる奴がチラホラいた。最後に海に逃がす時だろうか、ウニの刺が、指に刺さって採れなくなった子がいた。現場ではどうしてもとれず、帰ってから医者へ。医者は無理に取り出さず、化膿止めを処方したそうな。数日で採れたとか。


●2018年6月16日 6月半ばの夜の箕面公園

なんとなく箕面公園での日帰りナイトハイクを、ホタルもいるだろうし、と思って、6月半ばに設定した。間違ってた。ホタルごときで、あんなに目の色を変える人が多いとは、思ってもみなかった。今年は行事に失敗してばかり…。
日没時に、箕面駅に集合した時点で少しおかしいな、と思った。ガイドっぽい兄ちゃんが、大学生を数人連れて滝道の方へ。親子連れも何組か、滝道の方へ。みんなナイトハイクなのかなぁ?としか思わなかったのは、世間にうとすぎた。
日没時に駅を出発して、滝道に入って、暗くなってきてようやく気付いた。ホタル狩りの人々だった〜。昆虫館辺りから人が増えて、川面にライトを当てて、オオサンショウウオを探すのもはばかれる。寺を越えて、橋を渡って山道へ。普通、夜は誰もいない場所なのに、夜店でもやってるんですか?ってくらい人が多い。そして、ライトを付けてたら怒られる。面倒くさい。オオサンショウウオもヤマナメクジもオオゲジも探せないし、人通りが多すぎてヒキガエルが出てくるはずもない。そして他の団体に紛れてしまう恐れも高い。赤い橋まではとても自然観察ができる状態ではなかった。
ちなみに先頭だったので、気付かなかったが、虫網を持った子どももいる我が集団はあちこちで怒られてたらしい。昆虫館の前に立ってる人から、ホタルを捕るなと言われたり。ホタル愛護な人からも何か言われたり。
赤い橋を越えたら、人は減り、なんとか自然観察になった。フクロウはチラッと鳴いたし、オオゲジは見たし。ところが、大滝に近付くと再び人が増える。車で来て駐車場から降りてくる人々がいるらしい。でも、ここらはライトを消せとか、うるさい奴らはいなかった。

今年は、寺から大滝手前までの滝道が、昨年の台風のせいで通行止めになっていた。そのせいで、より一層混んでたのかもしれない。大量の人々は、日没後2時間を過ぎたら、かなり引いていた。以前、この時期にナイトハイクをしたこともあったが、もっと深夜にやってたから夜の混雑には気付かなかったらしい。下見の時は、ホタルシーズンに早かったから気付かなかったらしい。
というわけで、6月半ばの日没から2時間ほどの箕面公園には、ヘッドライトや虫網を持っていかない方が、面倒を避けられる。どこにでもいるホタル程度であんなに人がやってくるとは、ぜんぜん思わなかった。
もしホタルシーズンにするなら、お泊まり設定で深夜にすべき。来年は、秋の日没時の日帰りでどうかなぁ。再びシカを探してな感じで。


●2018年6月15日 ハンドウイルカのホネを回収

昨年9月に死体を入手。面倒なので、ほぼそのままブルーシートにくるんで砂場に放置すること約9ヶ月。今日、ホネをすべて回収した。といっても、頭と前肢と寛骨はさすがに切り離して、別途処理していて、既に回収済み。今日回収したのは、椎骨と肋骨とV字骨ってことになる。
砂場からの回収作業は、一人で約1時間でできた。その後の処理に4人で2時間。回収よりもその後の方が手間がかかる。肋骨は回収時にむしり取って、左右に分けて順番に並べてあったので、それに順にラベルを付けるだけだったが、椎骨はまだ引っ付いていたので、切り離してラベル付け。
9ヶ月も経ってるので、肉はとっくになくなっていたが。9ヶ月も経ってるのに、背側の皮はまだ残っていて、筋みたいなのもいっぱい付いてる。ってことで、ラベルを付けた後、今度は水漬け。1ヶ月もあれば出来上がるかな?
ちなみに、胸椎は13個、腰椎は15個、尾椎は20何個か。肋骨は胸椎の数と一緒。遊離肋骨があるところまでが胸椎っぽい。頸椎は、4つが癒合していて、個数としては4つ。

皮剥かずに丸ごと放置するのは楽でいいのだけど。頭と前肢と寛骨をはずすという判断もよかったけど。尾椎とV字骨がそれぞれ2個ずつ失ってしまったっぽい。尾ビレを切り落とした尾を、大きなタマネギ袋で包んでおけばよかった。遊離肋骨が片方しかないのは、もともとかもしれない。でも、片側の第1胸椎がないのは、カラスに持って行かれたっぽい。途中でカラスにブルーシートをめくられてたから…。あわてて、もう1枚シートをかけたけど。最初からもっと厳重にしておく必要があった。


●2018年6月14日 館内各所のホネ巡り

ホネの標本は、死体が届いたらまず冷凍室に入り。なんやかんやで処理されて、最終的には収蔵庫に収まる。そのはずなんだけど、その途中でとまってるものも多い。ある程度安定な状態まで処理しておけば、忘れてもとりあえず支障が無い。そして実際に忘れてしまう。そんなこんなが、何年にもわたって館内各所に堆積している。それを掘り起こして、処理を進めなくては! ということで、関係者で館内各所のホネ巡礼の旅に出た。
最初に行ったのは、収蔵庫。収蔵庫は処理が完成したホネの終着点。かと思いきや、ホネとしては完成していても、整理や箱詰めができていないのが積み上がっていたりするんだな。
次に行ったのは、冷凍室。これは言わずもがな。
そしてトラックヤード、旧トラックヤード、その裏の水漬け場所。こんなにあちこちに堆積しているとは!と自分でも驚いた。

でも、ほら某植物化石担当の遺物は、もっとあちこちに積み上げられてるから。


●2018年6月13日 大阪府でのオオクビキレガイの歴史を復習

年代知らんから、萌蔵から聞いた順番だけを並べると、
最初に見つかったのは堺市の埋立地。
次が和泉市北東部の保育所とか、泉北ニュータウンの団地。
そして、阪南市の新興住宅地。

で、現在の植え込み調査が始まった。
なぜか阿倍野区の公園で見つかり。高石市周辺でパカパカ見つかり出す。突然、東大阪市で見つかったと思ったら。堺市東部にけっこういるらしい事をネットで見つける。

高石市、堺市、和泉市は石津川水系と、その下流域周辺ということで、一つの分布域と見なせそう。あとは広がりを確認するだけ。それで分布拡大のパターンも語れるかも。というか河川や水路沿いに下流に分布を拡大するんじゃないかなぁ。
分からないのは、阪南市、阿倍野区、東大阪市の分布。ここも、とりあえず周辺にどの程度分布が広がっているか要確認。特に水系の下流方向。
で、こんな飛び地があるなら、さらなる未発見の産地がないかも探す必要があるけど、これがけっこう大変そう。でも、下流方向に拡がるなら、河川沿いをチェックしていくのが効率的?


●2018年6月12日 虫の日2018 展示室編

今日は虫の日だった。本来は、6月4日に虫のチェックをするから虫の日。暖かくなってきて、虫の行動が活発になる頃合いだから、ここで一発チェックしておこうという主旨。学芸員が展示室と収蔵庫に分かれて、主として標本を害する虫が発生していないかをチェックする。展示室の場合、同時に展示の不具合も確認し、場合によっては対応する。今年は展示室に行ってみた。学芸員は、日頃そんなに真面目に常設展を見たりしないから、けっこう新鮮だったりする。
主なチェックポイントは、昆虫や植物標本に虫が付いてる痕跡がないか。虫の死体が落ちていたり、粉が落ちていないかを目をこらす。ついでに展示がおかしくなっていないかとか、ほこりが溜まってないかもチェック。時には展示の間違いも見つかる。
今回盛り上がったのは、大阪の自然展示室。淀川コーナーでは、展示されてる魚の和名が古い。標本ラベルを修正したいけど、はめ殺しのケースで、開けられない。なんでこんな作り方なんや! 展示業者にメンテナンスや改訂という概念がないのはいつものこと。それより、将来的に魚類の分類が変わる可能性を考えなかった当時の担当者の問題かと。
大阪の自然展示室では、せっかく人手があるから、昆虫標本のナフタレンが切れてるので、人手がある間に補充しよう、ということになった。ナフタレン補充程度にどうして人手が? と思ったら、壁に並んだ展示ケースを取り外すのがとても難しい。なんかパズルのように順番に外さないと、目的のケースに届かない。それも不安定な姿勢での作業がいるので、とても1人ではできない。誰がこんな面倒な設定にしたんや! これは完全に、展示業者に配慮が足らないから。メンテナンスのことをなんにも考えてないって実例。


●2018年6月11日 夢の中へ

千里中央で降りて、改札を出る。セルシーを抜けて、歩道橋を渡る。左手に深谷池を見ながら阪急ホテルを通りすぎたら、右へ。植え込みの間を斜めに突っ切って、C-3の下を通り抜けたら、左に小さい広場、右手に我が家が見える。
小学2年生から中学、高校までここで暮らしていた。今でもときどき夢に出てくる風景。久しぶりに歩いて、あまりに覚えてる通りで驚いた。まるで夢の中に入った感じ。
子どもの頃の思い出がいっぱい浮かんでくるのも面白い。夢の中に来て、久しぶりに思い出したこともある。
駅からかつての我が家までは、ほとんど風景が変わっていないが、木が随分大きくなって、木陰が多く、視野が狭くなった感じがする。

家から今度は、よく行っていた公園に向かう。これは小中学校の登下校コースでもある。これまた懐かしい。夢の中で見る風景。が、途中にあった集会所とC-27は建て替えになるようで、更地となって、フェンスで囲われて入れない。みんなで遊んだ集会所がもうないのは少し寂しい。いつも前を歩いていた幼稚園、そして小学校は昔のまま。小学校もよく夢に出てくる。でも、周囲のA棟は、大きなマンションに建て替えられていて、風景はかつてと全然違う。これまた残念。
目的地の公園は、南の端っこの“あほんだらしし”と呼んでたエリアに体育館が建ってる。でも、他の場所は昔と変わってないらしい。ただ、これまた木々が成長していて、かつての開けた感じはなくなり、けっこう鬱蒼とした林になっている。面影が残っているのは、池とその横の竹林だろうか。この池を埋め立てる計画があったけど、残っててよかった。


●2018年6月10日 事情聴取の記録 長居植物園のオオタカ保護事件

今日は、山に行く行事の予定だったが雨天中止。一応集合場所に向かい、誰も来ないのを確かめて、せっかくなので帰り道にオオクビキレガイ調査。と、思ってたのだけど、職場から電話。植物園でカラスとタカみたいなのがつながって落ちている!とのこと。意味が分からん。とりあえず保護して、箱に入れておいてくれたら、見に行くわ。と言って、電話を切った。
30分ほどして再び電話。カラスは元気そうなので逃がした。タカはオオタカらしい。脚環とかが付いてるから、とりあえず箱に入れてある。どうしよう?とのこと。午後から見に行くわ、と言って、電話を切った。
2ヶ所でオオクビキレガイ調査をして、1ヶ所で目出度く(?)オオクビキレガイを見つけて。博物館に向かった。

博物館についてさっそく見せてもらった。箱に入っていたのは確かにオオタカだった。脚には切れたリードと脚環、尾羽は殆ど無く、初列風切の先もない。確実に飼育されていた個体。鳴かないし、足でつかんでもこない。弱ってる様子はないので、人にとても馴れているんだろう。箱を開けると出てこようとする。でも簡単に押し返せる。可愛い。これなら飼いたいかも。逆に、日本産の個体でない可能性が高いから(ちゃんと調べてないけど)、飛べそうでも放す訳にはいかない。ナンバー付きの金属足輪が付いてるから、それを調べれば持ち主は見つかるんじゃないかなぁ。
ってことで、東住吉警察署に拾得物として連絡。1時間ほどして、お巡りさんが引き取りに来てくれた。そこで事情聴取。事情聴取といっても、保護したんは私じゃないし。ってことで、保護した人達を呼んできて話してもらう。こうしたものでも、落とし主が現れないと、拾得者に権利が発生するらしい。で、施設で拾われた場合は、施設長ってことになるらしい。植物園園長かなぁ? 全然関知してないだろうけど。
オオタカの世話に仕方と、もし世話できなかった場合の対処について、釘を差した上で、連れて帰ってもらった。足輪のナンバーを調べると言ってたので、持ち主はあっさり見つかるかも。

ちなみに、オオタカが保護されたのは、午前10時頃。見つかった時点で、周りをカラスに囲まれていて。ちょっかいを出したと思しきカラス1羽は、オオタカの脚のリードに絡まっていたらしい。その場を見れなくて残念。

【追記】
翌日、警察から連絡があった。オオタカの落とし主が見つかったらしい。警察は親切だなぁ。めでたしめでたし。でも、二度と放すなよ!って感じ。


●2018年6月9日 なにわホネホネ団にお医者さんがやってきた

なぜか、なにわホネホネ団の鳥の日にお医者さんが2人やってきた。1人は団員、もう1人は見学。なにかと動物の体の内部に詳しい人が見てると、鳥の皮剥きをしながらの説明も、少し緊張気味。でも、割と怖くない人でよかった。
衛生上の問題を突っ込まれたらイヤだなと思ったけど、大学の研究者よりお医者さんらしく、大学はもっといい加減〜、とか言ってた(いいのか?)。貧乏なので、メスの刃は洗って再利用するし、手袋は破れない限り、その日は使い続けるのにも理解してくれた。

そのお医者さん2人は、解剖には詳しいけど、なにぶん詳しいのは人間だけ。鳥を剥いたりしながら、なにやら鳥の事を人間目線でとやかく言っていた。曰く、生殖口と排泄口をまとめて総排泄口って、すぐ感染症になりそう。赤血球に核があるって変〜。脊椎動物の中では、むしろ人を含む哺乳類が少数派やし!
お医者さんの片方は、マラリアの専門家さんだそうで、感染症話をいろいろ聞いた。鳥にもマラリアがあって、それは人にはうつらないけど。サルのマラリアは最近、人への感染が確認されたとか。マラリアのある地域から帰って、それっぽい症状が出たら、お医者さんにマラリアの可能性を言わなくちゃいけないとか。近頃、東アジアでもマラリアが出てる地域があるとか。
熱帯に行った後で、マラリアっぽい症状が出たら、お医者さんにその旨伝えるけど、温帯域帰りで、マラリアの可能性は思いつかないなぁ。そっちのルートから日本にマラリアがどんどん入ってくる可能性が高い気がする。


●2018年6月7日 ヌートリア2題

和歌山県の方から、自宅前でヌートリアを見たとの情報を頂いた。画像がないので、断定できないが、その記述はヌートリアっぽい。続報をお願いしておいた。
和歌山県にヌートリアが入ったとするなら、近畿地方は制覇されたんじゃないかな? ってゆうか、知らなかっただけで、以前から和歌山県にヌートリアは入ってたかな?

山口県のマスコミから電話。ヌートリアが、ため池や河川の土手に穴を開けることで、被害を出しているか調べているらしい。山口県で問題になってるのかな? 大阪府のことを熱く語るのに忙しくて、問い返すのを忘れてた〜。


●2018年6月6日 雨のカエル観察会 の下見

朝から雨だったけど、カエルの観察会の下見に行ってきた。昨日は昼前には雨は上がると言っていたのが、朝になると夕方まで降るに変わっていて、結局、夜になっても降り続いている。でもまあ、相手はカエルなんだから雨でも下見出来るだろう。それは正しくもあり、間違ってもいた。

モリアオガエルはもう産卵してる。雨だからか昼間から鳴いている。アマガエル、トノサマガエル、ツチガエルの声もした。雨の日は昼間っからカエルの声がいっぱい聞けていいなぁ。
しかし、河川は増水してて、カジカガエルは鳴いてない。探す気にもならない。雨の日は、河川のカエル観察には向かないなぁ。雨がザーザー降っていて、林床のタゴガエルとヤマアカガエルも探しにくい。ってゆうか探す気がおきない。いつも見られるトノサマガエルの姿も林床に見あたらない。これも、雨が降ってるせいかな? 林床では、かろうじてタゴガエルを見つけた程度。
田んぼのヌマガエルは雨だからか、けっこうウロウロしてた。でも、ザーザー降ってたら、見つけにくかったかも。道でイモリがひかれてた。雨で出てきて、車に轢かれてしまったっぽい。雨の日は両生類にとって、リスクも高いのかも。


●2018年6月5日 大阪市のレッドリスト等作成の際の反省

2018年に大阪市の生物多様性地域戦略が策定された。そこに多少なりと関わった経験から、おもにレッドリスト等の作成に関わる反省点・問題点を指摘する文章を書けとのお達し。でも、担当部局の悪口になってもアカンし、建設的に問題点を指摘って? 難しい…。
とりあえず問題点、ってゆうか次回には改善した方がいいと思うのは、

・自然史博物館という人材も情報も持っているリソースを充分に活かせてない。なんせ表だっては策定に関わっていない。
・事務局役が、あまり生き物が分かる人でなかった。そして、生き物が分からない上司のコメントがしばしば投入された。そのせいで、さまざまな局面で、面倒な調整局面が生じた。

それを都市の生物多様性地域戦略策定の一般論からの、自然史博物館の果たすべきor果たせる役割、そして局間の協力体制の必要性、といった感じで周囲からやんわり指摘といった構成。
できれば次回は、レッドリスト等の改訂部分に関しては、自然史博物館が中心になってとりまとめた方がいいと思う。でも、各局との調整が必要な部分は、自然史博物館では取りまとめられない。生き物が分かっていて、かつ役人を取りまとめられる人材が必要。新たな取り組みを含めて、戦略を策定するには、やる気のない局も動かざるを得ないような上意もいりそう。
次回も厳しいかも…。


●2018年6月4日 ハッカチョウツアー報告

過去2年以内にハッカチョウの記録のある場所、4ヶ所を巡った。短く報告すると、ハッカチョウは全然見つけられなかった…。季節も天気も悪くないはず。最初の2ヶ所は、昨年の情報がない場所か、単発の観察記録がある場所なので、見つからなくっても仕方がないかなと思う。けど、後の2ヶ所は、ここ数年毎年記録されてる場所なのに、どうしてどうして?
巡った場所は、
・東大阪市:池島治水緑地
・舞洲
・西九条駅周辺
・福島区海老江
今回のハッカチョウ探しは、「電車に乗ってオオクビキレガイ探し」のレギュレーションにのっとって、駅スタートで1時間探してみた。よほど高密度の生息地でない限り、パッと行って、サッと見つけるのはなかなか難しいのかもしれない。
じゃあ、さらに時間をかけたら見つかるかと言えば、そうとは思えない。どうしたもんだろう。


●2018年6月3日 河川敷から田んぼ周りの観察会

本来は外来生物調査の研修を兼ねた観察会で、どっちかと言えばおとな向けな観察会のはずだったんだけど、どんな案内したのか、小さい子どもがいっぱいで賑やかな観察会になった。

最初は河川沿い。ヌートリアはいるエリアだけど、観察会で見つかる可能性はまずない。出番はなさそうなので、一番後ろをケアすることに。出だしから、外来の植物はいっぱいあるので、植物担当の周りはアダルトな感じで人だかり。最初に河川に降りれる場所で、みんなで水の中に入って、魚とり。あまり採れないけど、子どもらは楽しそう。立派なウナギが見つかって、岸沿いに逃げるのをみんなで追い回して、結局逃げられる。小さい子どもは、低水敷と高水敷の間にたまってる砂が気になるようで、生き物そっちのけで、砂で遊んでいたりする。
その後は、昼食場所まで河川敷をがんがん歩く。砂で遊んでる小さい子どもが動かないので、最後尾はかなり遅れる。ようやく追いついたら、みんなでケリのヒナを観察していた。数少ない出番なのに、説明しそこねた。仕方がないので、クズにやたら付いてるムネアカオオクロテントウを説明したり。
昼食場所では、さっさと昼飯を喰って、あちこちを子どもらとウロウロ。低水敷のヨシ原の探検が一番盛り上がったかも。
午後は、田んぼ周りへ。水路で子どもと一緒にタイワンシジミ採りに盛り上がる。萌蔵が真面目に説明している中、水網でごそっと上げた死に殻の中に、生きたタイワンシジミがないかを探す。晩飯はシジミ汁〜、とか言いながら。水網が楽しそうに見えたらしく、取り合って妹が泣き出してみたり。
駅前の河川で、植物担当がオオバナミズキンバイの説明してるのを、まだ終わらないかなぁ、と子どもらと言いながら待って、今日の観察会は終了。鳥と哺乳類担当は、担当の外来生物の説明をまったくしなかった。初対面に近い子ども達の相手をした。新しい小さなお友だちが何人もできた一日。


●2018年6月1日 アイヌ語で自然かんさつ図鑑

楽しげな本を手に入れた。アイヌ語でも、カッコウはkakkok。これは明らかに鳴き声に基づくネーミング。カッコウの鳴き声は、すべての人類に同じように聞こえているらしい。しかし、キジバトはkusuyep。これも鳴き声から来ていて、キジバトの声はクスイェプ トゥトゥと聞くらしい。なんか大阪のキジバトの声と違う気がする。聞き方や表記の違いなのか、実際に鳴き声が違うのかが気になる。
春を告げる鳥で、この鳥が鳴くと畑を耕すというのも新鮮。大阪では1月2月でも鳴いてるなぁ。


●2018年5月31日 5月のまとめ 外来生物調査本格化

5月に何があったと言えば、ハッカチョウ探しに取り組みつつ、ついでと思って始めたオオクビキレガイ探しにはまった感じ。そして魚もすくって、まだ季節が早いけど薄くムネアカオオクロテントウも探す。そんな5月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。カラスの巣チェックはそろそろフェイドアウト。
外来生物調査プロジェクトの新年度の調査は、ハッカチョウ調査がメイン。たぶん。過去に記録のある場所をチェックして回る。ついでに、駅中心のオオクビキレガイ探し。できれば水網を持って歩き、機会があれば魚もすくう。タケクマバチがどんな場所にいるか、見せてもらってようやく分かったけど、野外でそこまで目が行かない…。
繁殖期の調査として、大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査もスタート。分担しての調査だけど、担当多めにしてあちこちにいくように。で、ついでにオオクビキレガイを探す。

標本作りは、ゴールデンウィークのホネホネ団の活動日だけ。
動物園から微妙な大物が届いたが、冷凍室に入れてしまった。

普及行事は、地域自然史行事程度。
自然史オープンセミナーは担当じゃなかったけど、アンケートの手配と、他の外来生物調査プロジェクトの動向を確認に参加。外来生物のミニ展示を作った。
原稿は今月も書けなかったし、査読もしてない。講演は他団体向けに1本。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系1冊と、SF15冊。
完全休養日は1日しか確保できなかった。フィールドシーズンに入ると厳しい。


●2018年5月30日 ヒキガエルの夜

2週間後の箕面公園での日帰りナイトハイクの下見に行ってきた。雨上がりで湿度が高い夜だった。道端の木にも手すりにもカタツムリがいっぱい。おもにコベソマイマイとクチベニマイマイかなぁ。キセルガイやコウガイビルもいたし、ミミズやサワガニも目につく。そして何より盛り上がったのは、ヒキガエル。行きと帰りで12匹もいた。
かつては、よくヒキガエルに出会えたコースなのだけど、ここ数年はまったく出会えず。シカのせいで林が乾燥したからかと思っていた。
今日出会ったヒキガエルは、繁殖しそうな大きな個体から、去年産まれっぽい小さな個体まで、様々。という事は、ちゃんと繁殖個体群が維持されてるってことで一安心。ただ、じゃあどうして、ここ数年出会えなかったのか不思議だけど…。やっぱりヒキガエルの個体群は小さくなってるんだろうなぁ。


●2018年5月29日 吸虫と吸虫博士の不思議な生態

今日は吸虫を研究する吸虫博士のお話を聞いた。吸虫も吸虫博士も、とても面白い。

今日は吸虫博士に、オオサンショウウオやビワコオオナマズが終宿主の吸虫の話を聞いた。終宿主がけっこう決まってる以上に、最初の宿主である貝が一種だけとか妙に厳しい。それでいて次の中間宿主の魚は割と何でもOKで不思議。小さい幼虫は対応出来る環境が限られる?
と、吸虫は宿主への要求が厳しいのに、外来のカワヒバリガイと一緒に日本に連れて来られた吸虫が、日本でビワコオオナマズという新たな終宿主を見つけた奇跡は、ラブソングに乗せて歌えそうだけど、日本の魚達にとっては、あまり目出度たくない。
オオサンショウウオの吸虫の遺伝子型の地理的変異が、オオサンショウウオの地理的変異とシンクロしてる感じなのは納得するとして。それならカワニナの地理的変異にも同調してほしい気がする。そして、それを瀬戸内海のかつての水系で、地史的に説明したら良さそうな展開。吸虫博士は言わなかったけど。

吸虫博士は就職後、食卓の魚介類の寄生虫を調べてるそう。アニサキスと、近縁のシュードテラノバ・アザラシは、冷凍か加熱でないと死なないらしい。痛そう。生の内臓は避けよう。古いと内臓から筋肉に移動するらしいので、新鮮なのを食べよう。一方、魚たちの口からのぞく、様々なウオノエ類は可愛い。
吸虫博士は、スーパーで寄生虫の付いた魚を見つけては、買って帰って調べてるらしい。店頭での行動が怪しすぎる。でも、サンマだけでも、丸い痕のサンマウオジラミ、細長く伸びるサンマヒジキムシ、赤いラジカリンクス、そして内臓にはアニサキス。かなり賑やかで楽しそう。今度探してみよう。

今日の話を本にするだけで、吸虫博士は、その筋でブレイクできるんじゃないかな?


●2018年5月27日 懺悔の和泉葛城山

今日は行事の下見を兼ねて和泉葛城山に行ったのだけど、大きな失敗が二つ。今日一日をやり直したい。
まず失敗は、登り道を間違えたこと。すなおにハイキングコースを歩けば良かったのだけど、ふと気が向いて林道沿いを歩いてみようと思った。日陰だし道幅があって、暑い季節の観察会にはこっちの方がいいかもと思ってしまった。実は、もう一つ先の林道に入ったつもりだったんだな。まさか手前にもう一つ林道があったとは…。そしてその林道は、ほぼ行き止まりだった。でもその先に踏み跡が続いていたのが罠だった。踏み跡をたどっていくと、かなり登ってから道が消えた…。そこからは道無き道の急斜面を登ることに。1人でなら、まあありがちなことなんだけど、今日は10数人を従えていた…。すみません。
なんとか通常の道の出たら、帰りに通る予定の牛滝に下りる道だった。しんどかった上に、遠回り…。なんとか頂上まで行って、遅い昼食。周囲をホトトギスが鳴きながら飛びまわっていて、少し楽しかった。しかし、帰り道に再び失敗。
牛滝に下りたらバスがなかった…。この4月にダイヤ改定があって、久米田駅行きがなくなり、本数も減っていた。確認してなかった…。とりあえず、みなさんに再びお詫び。

牛滝に下りてバスがなかった時、その場で思いついた道は4つあった。
・午後8時前の最終バスを待つ。
・温泉に入って、温泉施設の無料送迎バスに乗る。
・温泉施設でタクシーを呼んでもらう。
・水間観音駅まで2時間ほど歩く。
温泉に入った人、タクシー呼んだ人、歩いた人に分かれた。余計なお金を使わせて済みません。
ちなみにもう少し早ければ、
・塔原からのバスに乗る、という第5の道もあったが、ちょっと間に合わず。
また現地では気付かなかったが、
・成合まで歩いてバスに乗る(便数が増えるので)
という道もあったらしい。

とにかく、二度と牛滝には下りない!


●2018年5月26日 スズメアパート新展開

博物館本館の入口前のポーチには、屋根がかかり、クジラの骨格が3体ぶら下がっている。で、そこはスズメたちの巣があちこちに。ってだけでなく、新たな展開をしていることに、今日気付いた。
今年の4月に3体目のザットンがぶら下がった。ナガスケがぶら下がってから、スズメが営巣するまでには数年かかった。マッコがぶら下がってから、スズメが入るにももう少し時間がかかったと思うけど。ザットンは3月にぶら下げて、4月にはスズメが入っていた。
とくにザットンの頭骨は人気。数日前、尻尾がスズメの巣がぶら下がってると言ってたので、なんのことかな?と思っていたのだけど、今日見て分かった。なぜかは知らないけど、ザットンの頭骨の穴の中に巣をつくるだけでなく、顎の付け根の上に巣を載せている。そこから巣材の一部が垂れ下がっている。テグスか何かに引っかかって、枯れ草がぶら下がってるらしい。人の手も届きそう。なんかあるといかんので、ぶら下がってる部分だけでも取り除かないと。と、少ししてから言ってみたら、もうテグスはぶら下がってない。スズメが引っ張り上げた?
ともかく、骨の中ならともかく、丸見えの巣は不格好なので、繁殖期が終わったら取り除こう。

【追記】
と思ってたのだけど、数日後、再びみたら、もう頭骨の上に巣は載ってない。落ちた? カラスが落とした? ともかく、何かが解決したらしい。


●2018年5月25日 広報部に電話してみた

すべての始まりは、とある署名サイト。某電鉄会社が、会社の方針として駅のツバメをすべて排除することにした。そんなことせずにツバメと駅の共存の道をさぐってください。というお願いの署名。
会社の方針云々という話が正しければ、署名に協力するのはやぶさかで無い。もし会社の方針でなくっても、ツバメの巣を落とすようになった駅があるのは確からしい。というわけで、署名に協力しようと、ツイートしてみた。それがバズって、恐ろしいほどの勢いでリツイートされていく。
中に、会社に電話をして事実関係を確かめる奴が出てきた。その言によると、そんな方針はないとのこと。間違った情報を拡散するとはけしからん、とか、偉そうに言ってくる。面倒だけど、何かしらリアクションは必要。どっかの知らん奴が確認したと称するのを鵜呑みにするのは、同じ轍を踏んでるに等しい。仕方がないから、自分で電話してみることにした。

ドキドキしながら電話してみた。
電話は午前9時15分から15分ほど。質問事項を書きだして、メモを取りながらやりとりした。すべてのやり取りと推察できる事を書くわけにはいかないけど、ザクッと記録しておこう。

Q:駅のツバメと適切に共生をお願いします、という署名サイトが立ち上がっているのはご存じですか?
A:知っています。

Q:そこに「2018年より全駅を対象に、駅からツバメを追い出すという取り組みが始められた」ありますが事実ですか? 会社の方針でなくても、エライ人からの通達や指示はありましたか?
A:そんな取り組みはないし、通達や指導もありません。

Q:つまり、ツバメと共生する方向、と考えていいですか?
A:客の動線の上は取り除く方針。そうでない場所は、カバーできれば対応していく。ツバメの巣と共生の方向である。

Q:駅のツバメの巣にどう対応するかは、誰が決定しているのですか?
A:現場で決めるのは駅長。

Q:ツバメの巣については、クレームの方が多いのですか?
A:両方の意見があるが、クレームの方が多いのは事実。今回の件で、ツバメに好意的な人がかなりいることが可視化されたとは思う。

Q:署名サイトの人にはどう対応する予定か?
A:今のやり取りの方向での回答を準備中。

Q:以上のやり取りをSNSに書き込んでも大丈夫でしょうか?
A:仕方ないでしょう。

Q:拡散させるのに手を貸したのだが、対応した方がいいですか?
A:放置でかまいません。

てな感じ。対応したのは、広報課のかなり年配の男性。以上の先方の回答は、あくまでも広報課のその人の個人的な見解かもしれない。きっとそうなんだろうなぁ。と思いつつも、忖度してあげる必要はないので、結果を拡散して、以前の署名呼びかけもそのまま放置。


●2018年5月24日 泉北に拡がるオオクビキレガイ?

今日は、高石市から泉大津、和泉市辺りで、オオクビキレガイを探した。簡単に見つかった。次々見つかる。農園を探せばいいらしい。
最初に見つけたのは、南海北助松駅周辺。最初は植え込みとか公園とかをチェックしていたけど、さっぱり見つからず。富木駅での研修は農園に見に行くと聞いていたので、目に入った農園をチェックに行った。なにげに農園に入って、すぐに見つかって驚いた。湿った畝の間に、大きなオオクビキレガイの死に殻がゴロゴロ落ちてる。いっぱいおるやん!
引き続きJR北信太駅周辺も調査。味を占めたので、農園を狙う。2ヶ所チェックして2ヶ所とも見つかった。とにかく死に殻を探す。表面に落ちてるとは限らないけど、ちょっと引っ繰り返して回ると簡単に見つかる。畑仕事をしてるおっちゃんに声かけられて、説明した。この辺りの農園に拡がってるらしい。と言うと、ここら一帯は、信太山の大野池からの水が入る場所だから、そっちから流れてくるのかもと教えてもらった。水系単位で拡がるというのはあるかも。
だとしたら、信太山の北西側一帯にいるのかもね。と、JR和泉府中駅にも行ってみた。予定通り見つかった。すでに泉北には広く生息している感触。大津川を超えて、岸和田市にまで進出しているのかが、次のポイントかも。


●2018年5月23日 ※※電鉄さん、全駅のツバメの巣や巣作り中の泥付けを撤去せず、適切に共生をお願いします

関西の某私鉄が駅のツバメの巣を撤去する方針を決めた。という話を聞かされたのは先月のことだろうか。その方は、駅のツバメの調査のサイトを見て、相談のメールを下さった。なんとかできないものかなぁ、と思ったままになっていたが、その方はちゃんと動ける方だった。
昨日、追い出すのではなく、共生の道を図って欲しいとの署名サイトを立ち上げたから、署名とともに、拡散をお願いします。と依頼された。関西の駅のツバメを調べた者としては、対応しない訳にはいかない。ってことで、とりあえず署名して、一緒に調査をした大阪鳥類研究グループのメーリングリストに転送。そして、Twitterでの拡散を図った。

一夜明けて驚いた。けっこうバズっている。その勢いは止まらず。約24時間で、リツイートが1802、いいねが1109。駅のツバメの注目度の高さが判る。署名サイトの署名の数も、約24時間で約1200。リツイートしてくれた方の2/3が署名してくれたイメージだろうか。

同時にいろんな人からのコメントも目にすることになった。
一つ気になったのは、この特定の※※電鉄さんをディスるコメントがあること。確かに駅のツバメ排除という決定が事実なら、それなりに問題はあるけど、
・一つには同じ問題は、他の電鉄会社の駅も抱えていること。電鉄会社単位で守ろうとしているケースは、少なくとも関西ではないし、個々の駅を見るとツバメを追い払っているケースはけっこう目にする。
・もう一つは、ツバメが嫌いな人、ツバメの巣を不潔と思っている人は、少なからずいること。そういう人は、駅員にクレームを入れがちだろう。一方で、駅のツバメを愛でている人もたくさんいるだろうけど、そういう人は駅員に何かしら意見表明をすることは少なそう。としたら、電鉄会社はクレームに対応してツバメを追い払う方向になるのはやむを得ないとも言える。必要なのは、駅のツバメを守りたい人が声を上げること。

今回の署名サイトの立ち上げは、単にこの電鉄会社向けに留まらず、いいキッカケなんだと思う。クレームじゃない側がどんどん声を上げていく仕組みが大切なんだなぁ、と思った次第。
それはもっと広い意味で、社会全体をよくしていく上でも重要だろう。少数のクレーマーに幅を効かさせないための良い仕組みができるといいなぁ。

【2018年5月24日の追記】
午後7時時点、すなわち約48時間で、リツイートが3718、いいねが2056。嬉しいというより気持ち悪くて、怖い。署名も2300を超えている。
で、ご親切にも件の電鉄会社の広報部に確認の電話を入れた人がいるらしい。で、広報部から事実無根との返事をもらったとのレスが付いた。
私が聞かされた情報や駅での状況からすると確度の高い話と思って拡散に協力したけど、確かに自分で事実関係を確認はしていなかった。本当に事実無根なら大変申し訳ない話。萌蔵と相談した結果、明日にでも自分でも広報部に電話して、確認することになった。
事実無根で、これからもツバメの巣を暖かく見守ってくれるなら、その方がいいよね。事実無根を拡散したことを謝って、広めなくては。


●2018年5月22日 カエラー来館

カエラ(というと木村さんのようだ)ではなく、カエラー。安室が好きならアムラー、カエルが好きならカエラー。名付けた人の年代が判りそうな気がする。で、今日来たカエラーは、京都から。けろったの友人らしい。けろった、って言えば、ちょくちょくテレビで見る、あのカエル。
で、けろった達は、あちこちのカエルイベントに顔を出しつつ、自分たちでもカエルイベントをするらしい。今度、大阪でカエルイベントをするから、何か一緒にできないか、面白いアイデアはないか、って話だった。
で、そんな話はそっちのけで、カエル話題やカエルグッズで盛り上がる。と同時に、カエルイベントにダメだし。カエルイベントはいいけど、カエルキャラクターやカエルグッズのイベントになっていて、生物であるカエルについての普及が弱い。日本のカエルの生態や現状をもっとイベントの中で普及する必要がある!と力説。じゃあ、講演をと言われたけど、すでに土日の日程は空いてない…。で、誰か心当たりを当たる羽目に。
返す刀で、11月の大阪自然史フェスティバルの宣伝。そして、カエルの分布図がでている大和川と淀川の特別展の解説書を売りつける。
なんか判らんけど、楽しかった。


●2018年5月20日 岡田浦漁港日曜朝市

朝市があるというので、観察会の前に行くのを楽しみにしていた。楽しみにしていたけど、迂闊にも弁当を買ってきてしまったことはさておき。昨日は天気は良かったが、風が強かったから、漁に出なかったらしい。おかげで、今日の朝市は閉まってる店も多く、地元大阪湾の新鮮な魚にはありつけなかった…。残念。
それでも、いろいろ売っていて、それなりに楽しい。タココロッケ買って喰って。弁当持ってるのに思わずタコ飯を買ってしまった。お土産には、いろんな大きめチリモンが混じったチリメンの釜揚げと、タコの内臓を炊いたん。昼食にはタコ飯を食べつつ、他の人が買ったガッチョの唐揚げを食べる。
なぜかペットのハリネズミ置いてる店があって、触らせてもらった。

今度機会があったら、漁に出た翌日の朝市に行ってみたい。


●2018年5月19日 服部緑地今昔

今昔と言っても、5年前と比べて、変わった〜、ってだけだけど。あと一緒に行った人に、5年前も一緒の人がいて、その時の事をよく覚えていて驚いた。

なにより変わったのは、山ヶ池。北の方にあったヨシ原がなくなり、水面が見える。明るく、つまらない池になってしまった。待ってたらバンが出てきて、楽しい池だったのに。
若竹池も変わった。釣り堀じゃなくなったのは、随分前だけど、その名残の杭や板が残っていて、底で鳥が休息していた。それが、すっかり無くなり、なんにもいないつまらない池になってしまった。

池の環境ではないけど、中池の南岸の木にあったカワウの巣は、まったくない。枝が白くもなってないから、カワウのたまり場ですらなくなったらしい。新宮池の端のアオサギコロニーも、より池よりに場所が変わっていた。どちらも何らかの撹乱があったのかもしれない。端的に言えば、追い払われたとか?

5年前と比べるなら、ヌートリアが割と普通に見られるようになったのも変わった一つかもしれない。
次に行くのは、また5年後かも。今度はどうなってるのかな。


●2018年5月18日 過去にハッカチョウの記録のある場所めぐり

なぜか平野から丘陵部に散らばっているから、大阪府の山地以外の各地に行くことになる。つまりそれは、ハッカチョウが山林以外に広く散らばってるってことだろうか。ただ市街地だらけの都心部には少なく、どっちかと言えば田んぼの残ってるエリアや、河川沿い、海岸部によく出ているようではある。
で、2017年までに記録のある場所40ヶ所中、18ヶ所を巡って、1ヶ所でしか見つからず…。確実にいるのが判ってる場所を他の人に譲ったから、勝率が下がってるのは確か。でも、他にも勝率が高くならない理由があるように思う。

そもそもあまり移動性が高くなく、むしろ定着性の高い鳥のようなのだけど、大阪府で見つかっているのは、1ヶ所1つがいといった低密度な場所が多い気がする。なので、
・そういう場所では、たとえ生息していても、たまたまチェックしに行った時に見逃す可能性も高い。
・定着性が高いとは言え、少し巣場所やなわばりの範囲がシフトしたら、見つけにくい。

定着性が高いとは言え、ある範囲で、営巣場所orなわばり範囲をフラフラ変えている可能性はけっこう高いんじゃないかと思う。なんとなれば、ある年or数年だけしか見つかっていない場所がけっこう多いのに対して、大阪市此花区とか、富田林市南部から河内長野市北部とか、りんくうタウンから岡田浦といった具合にまとめると、けっこう安定して記録があるかのようになる。長居公園南東部では2011年からハッカチョウが繁殖しているが、その営巣地はだんだん西に移動しているようでもある。
と仮定するなら、過去に記録のある場所のチェックも、かなり広い範囲を見てまわる必要があるかも。でも、それはかなり大変〜。


●2018年5月17日 外来生物調査プロジェクト 鳥班のサイト立ち上げ

コブハクチョウ、ソウシチョウ、ハッカチョウのサイトを作ってみた。情報募集をしていたのに、うっかりサイトを立ち上げるのを忘れていて、集まった情報のフィードバックを怠っていた。反省。

みんなで調べる外来生物は、大阪人が多い以上、大阪でそこそこ見つかるターゲットでないと楽しくない。となると、鳥班として選択肢は限られる。なんとなれば大阪府で繁殖する外来鳥類は、かつてはベニスズメやコウカンチョウ、ときにはブンチョウまでいたけど、今はいなくなってしまった。いや別に残念じゃないけど。
今も大阪府内で繁殖している外来鳥類は、コジュケイ、コブハクチョウ、アイガモ、ドバト、ハッカチョウ、ソウシチョウの6種だけ。山手に広くいるコジュケイと、市街地に広くいるドバトの調査はなんかあんまり楽しくない。そして、それなりに分布は判ってる。となると、ターゲットはおのずと限られる訳で。
大阪発だけど、コブハクチョウとハッカチョウは、日本全体で調べたいなぁ。でもソウシチョウを全国区で展開するのは大変そうなので大阪府限定で。といろいろ配慮しつつの3つのターゲット。
すでに大阪府のソウシチョウの分布調査は2015-2016年におおむね終わっていて、あとはその後の展開を追うだけ。
コブハクチョウは日本中に広くいるから、ネットでの盛り上げとかが必要で、いちいち自分で調査に行くのは難しそう。
というわけで、一番力が入るのはハッカチョウ。日本全体でも繁殖・定着しているのは、神奈川県、大阪府、兵庫県、香川県くらい。これなら全部をカバーできそう。そしてまさに今、大阪府での分布が動いているのも刺激的。やる気が出るわぁ。やっぱり分布拡大フェイズで調査すると楽しい。外来生物が拡がる話なので、脳天気に喜んでられないけど…。


●2018年5月16日 オオクビキレガイ発見個人的2例目

5月に入ってから3回目の、駅周辺でのオオクビキレガイ探しの植え込み調査。4月から数えると、今日の2駅を入れて20駅を調べた事になる。で、オオクビキレガイを見つけたのは、2ヶ所目。他の貝殻に入った貝類(つまりナメクジ以外)は、ウスカワマイマイ6ヶ所、キセルガイ類が3ヶ所、オカチョウジガイ類が4ヶ所、ウスイロオカチグサ1ヶ所。ついでにコウガイビル類は3ヶ所で見つかってる。とくにオオクビキレガイが特に少ないって訳じゃなく、そもそも陸貝はあまり見つかってない気がする…。

それはさておき、今日、近鉄新石切駅の北でオオクビキレガイを見つけた。前回見つけたのは、JR東羽衣駅、ってゆうか浜寺公園。でも、見つかった環境は、随分違う。
浜寺公園は、エノキの根元の落ち葉の堆積の下で見つかった。多少湿ってはいるけど、オカダンゴムシはいるけど、ナメクジ類がいるような環境ではなかった。
今日、新石切駅で見つけた場所は、駐車場の端っこの瓦礫の下。とても湿っていて、他にオカダンゴムシもいたけど、むしろチャコウラナメクジがいっぱいいたのが印象的。むしろナメクジがいるような、けっこう湿った場所を探した方がいいのかもしれない。

今日のオオクビキレガイでもう一つ重要なのは、その位置。今まで大阪府で見つかっていた場所は、堺市や高石市、和泉市など大阪府南部に偏っていた。それが東大阪市で見つかった訳で、予想以上に大阪府内にオオクビキレガイが拡がっている可能性が出てきたかも。
ってことで、やる気が増えてきたので、今週中にもう一度、探しに出かけよう。


●2018年5月15日 都市公園でコサメビタキの繁殖?

長居植物園をウロウロした。もう春の渡りは一段落して、林はすっかり静かで、メジロやシジュウカラの囀りが聞こえ、ヒヨドリがウロウロしている程度。サンコウチョウも含めてヒタキ類はもういなくなったなぁ。キビタキが残って繁殖してくれるかもと思っていたのに残念。と思っていたら、4ヶ所でコサメビタキが囀っていた。
ネットを開くと、あちこちでコサメビタキはすでに営巣してる様子。コサメビタキは5月半ばには営巣を開始するイメージなので、こんなもんだと思う。だとしたら、まだ長居植物園にいるコサメビタキは? もしかして、ここで繁殖するつもりあり??

それにしても、昔はコサメビタキを公園で見かけるのはもっぱら秋の渡りばかりで、春にはあんまりいなかったと思うけど、近頃春の記録が増えた気がする。ってことで、過去の記録を見返してみた。
うーん。過去20年ほどを見返すと、昔から春にもコサメビタキは記録されてるなぁ。ただ、春に記録されるのは、ほとんどが4月の話。5月上旬までは時に記録されているが、5月中下旬に記録されたのは、この20年で2006年のみ。やはり例年になくコサメビタキを遅くまでいるといってもいいらしい。繁殖の期待が高まるなぁ。

けっこう立派な落葉樹林が形成されてきてるし、営巣場所も食物も充分あるので、コサメビタキは充分、長居植物園で繁殖できるように思うんだなぁ。オスがその気になってくれているのなら、あとはメスが来てくれるかどうかだけかも。


●2018年5月14日 第一回大阪府ハッカチョウツアー顛末

今日、ついに第一回大阪府ハッカチョウツアーとして、過去にハッカチョウが記録された事のある7ヶ所を巡ってみた。天王寺駅を起点として、JR 環状線、JR 学研都市線、京阪交野線、京阪本線、大阪モノレール、阪急京都線、地下鉄御堂筋線を駆使して一周という見事なコース設定。唯一問題と言えなくもないのは、ハッカチョウが全然見つからなかったこと…。
外来生物の分布が拡がっては困る。という立場からすれば、ハッカチョウが見つからなかったのはいいことなんだけど。そして、調査を実施するという立場からすれば、いなかったというデータが集まることが充分意味がある。しかし、ハッカチョウを探しに行ってると、やはり見つかった方が嬉しい。
これからもハッカチョウ探しに行く訳で、探しに行ったけど、ハッカチョウが見つからなかった原因を検討しておこう。

確認にいった場所と確認年は、
・寝屋川公園(寝屋川市) / 2011年、2014年
・交野市駅周辺(交野市) / 2013年〜2014年
・京阪郡津駅(交野市) / 2013年
・門真市宮野町11 / 2013年
・安威川鶴野橋下流側(摂津市) / 2013年
・淀川右岸域下水道安威川左岸ポンプ場南側(吹田市) / 2014年
・神崎川阪急京都線鉄橋(大阪市東淀川区) / 2015年

いずれも確認されたのは少し古い。繁殖地をけっこうシフトするということかもしれない。多くの場合、1ペアが見つかってるだけなので、少し移動されるだけで見つけにくくなる。
また、吹田市と東淀川区は、非繁殖期の記録地点なので、繁殖期とはまた違うかも。そもそも河川敷や公園は採食に来たところを観察しただけの可能性も高いので、同じ場所で簡単に観察できると期待する方が無理があるかも。
一応、周辺を1時間ウロウロしてきたんだけどなぁ。


●2018年5月13日 企画書 ハッカチョウ探しミステリーツアー

いいか、今まで大阪府でハッカチョウが見つかった地点は、ざくっとまとめると40地点ある。そのリストが知りたければ、昨日の日記を見てもらうとして、ここで提案するのは、その40ヶ所を巡って、できるだけ多くの地点でハッカチョウを見つけるというツアー企画だ。巡った地点数でポイントが入ると共に、すべても巡るとボーナスポイントが得られる。さらにハッカチョウを見つけると加点される。このハッカチョウ加点は大きいので、各地点ではそれなりに時間を使って、ハッカチョウを探すことをお薦めする。
ちなみにこの40地点以外でハッカチョウを見つけた場合は、ボーナス点ももらえる。ただし、大阪府外に出るのは禁止だ。明石とか姫路に行ったらあちこちで、いっぱい見つかるからな。大阪府内では、柴島から十三にかけての淀川右岸周辺は、けっこう広いけど、これまた1地点とカウントされる。ここは大阪府で一番簡単にハッカチョウが見つかるけど、このエリアでハッカチョウを何羽、何度見つけても1回見つけたとしか評価されない。
なお、効率的にハッカチョウを見つけるには、ハッカチョウの声を覚えて、声で探す事を推奨する。ムクドリっぽい声だけど、けっこういい声を出す。慣れれば地鳴き一声でも聞き分けられるけど、慣れないうちは囀りを探せばいいだろう。基本はギュルギュルをアレンジしたような声だ。大阪の市街地周辺で、こんな大きな美声を出す鳥は少ないからあまり間違える相手はいないが、近頃はイソヒヨドリが増えているから、そこは要注意。どちらも駅前とか市街地周辺で鳴いてることが多いしな。

ツアーに制限時間はないから、何日かけても大丈夫。ただし、このツアー企画は4月から7月しか実施していないから、そこは注意してくれ。
参加者は、とくに申込みをしなくてもかまわない。巡った地点と日付、ハッカチョウ確認の有無を、事務局まで知らせてくれれば、自動的にポイントが加算されていく。ポイントに応じて、豪華な賞品が与えられるが、賞品の詳細は発送されてくるのをお楽しみに。えっ?発送先の住所は知らせなくていいのかって?それはあまり興味ないなぁ。


●2018年5月12日 大阪府でハッカチョウが確認されたことのある場所

手元に集まった情報で、2017年までに大阪府内でハッカチョウが確認された地点を数えてみた。一つの産地の考えられる近傍の地点をまとめると、40ヶ所になった。2018年になって、新たな場所が3ヶ所見つかっているけど、それはさておき。この40ヶ所に今もハッカチョウが生息しているのかを、この2年で(できれば今年だけで!)確認したい。
で、下に40ヶ所の産地/確認年を示します。もし該当する場所に行く機会があったら、ハッカチョウがいるかどうか注意してみて、いてもいなくても結果をお知らせ下さい。よろしくお願いします。

池田市木部町、新町:猪名川 / 2015年、2017年〜2018年
池田市豊島南2-6:箕面川沿い / 2014年
豊中市新千里東町:千里中央公園 / 1983年
吹田市南正雀2-50-1:淀川右岸域下水道安威川左岸ポンプ場南側 / 2014年
摂津市三島2丁目:安威川右岸(鶴野橋下流側) / 2013年
高槻市堤町:芥川(芝生大橋) / 2005年
高槻市西之川原1丁目:西之川原バス停付近 / 2015年
高槻市野田、宮野町:大和サニーハイツ高槻 / 2003年
高槻市上牧町4-55-1:淀川右岸 / 2016年
交野市:京阪交野線郡津駅 / 2013年
交野市私部西:イズミヤ・交野市駅周辺 / 2013年〜2014年
寝屋川市大谷町畑内、寝屋川公園:寝屋川公園 / 2011年、2014年
門真市宮野町11 / 2013年
門真市北島 / 2013年
東大阪市西石切町:新石切駅周辺 / 2013年〜2014年
大阪市東淀川区相川1丁目:神崎川(阪急京都線鉄橋) / 2015年
大阪市東淀川区柴島、西中島、淀川区木川、十三東:淀川右岸 / 2005年、2011年〜2017年
大阪市西淀川区花川:淀川右岸(JR塚本鉄橋付近) / 2017年〜2018年
大阪市都島区毛馬町:淀川左岸(赤川鉄橋周辺) / 2016年〜2017年
大阪市北区中津4丁目:淀川左岸 / 2018年
大阪市此花区高見1-10-8:海老江下水処理場付近 / 2017年
大阪市此花区北港白津1丁目:舞洲 / 2017年
大阪市此花区:西九条駅周辺、朝日橋公園、梅香1丁目:六軒屋川 / 2014年〜2015年、2018年
大阪市中央区:大阪城公園(梅園周辺) / 2006年
大阪市生野区巽南3-2 / 2012年
大阪市住吉区苅田、東住吉区矢田、公園南矢田、長居東、長居公園 / 2011年〜2015年、2017年
柏原市国分:大和川(国豊橋〜石川合流) / 2015年
羽曳野市野:大座間池 / 2015年
富田林市喜志新家町、喜志町 / 1989年、2018年
富田林市錦織東1-20-3:ヤマト運輸錦織宅急便センター / 2014年
河内長野市西之山町2-4:マクドナルド外環河内長野店 / 2015年
堺市:大泉緑地 / 2007年
泉大津市:汐見埋立地 / 2008年
岸和田市春木:岸和田中央公園 / 2008年
泉佐野市:りんくうタウン駅、りんくう公園 / 2013年〜2014年
泉佐野市羽倉崎2丁目:東洋薬局駐車場 / 2007年
田尻町嘉祥寺:田尻漁港周辺 / 2013年〜2015年
泉南市:岡田浦漁港 / 2015年
阪南市:南海箱作駅近く / 2008年
岬町多奈川谷川:谷川橋交差点付近 / 2015年


●2018年5月11日 植え込み調査三昧

植え込み調査、それはすなわちオオクビキレガイ調査。駅の周囲1kmで1時間探す。見つかれば1時間は短いが、見つからない1時間は長い。大抵、なかなか見つからなくって心が折れるので、ついでに他の動物も探してみる。それでそれなりに盛り上がることもあるけど、やっぱりターゲットが見つからないと、心が折れる…。外来生物調査なので、見つからない方がいいに違いないのだけど、それは判っているけど、やはり見つけたい…。
今日、調査したのは、5駅。道明寺駅、駒ヶ谷駅、富田林駅、川西駅と4駅探して、ぜんぜんオオクビキレガイは見つからず、ついでに探しているハッカチョウも見つからず。心が折れた。で、帰る途中で、今年のハッカチョウの情報のある千代田駅に、最後に寄ってみた。駅の西側であっさりハッカチョウを発見。最近の情報があるので、いて当然といえば当然なんだけど、少し心は持ち直した。その後、やっぱりオオクビキレガイは見つからず…。
植え込み調査は、あまり欲張らず。1日に3駅程度にしておいた方がいいんじゃないかと思う。


●2018年5月10日 外来生物ミニ展示のケースセット

来年の特別展のテーマは、外来生物。その一年前なので、勢いをつけるためにも、ミニ展示をしてみることになった。で、今日はケースのセットの日。これで分担する展示ケースが決まる。当初は、展示ケース2台の予定だったが、諸般の大人の事情で、というか展示ケースを運ぶのが面倒なので、大きめ展示ケース1台に変更。当然ながら、展示内容もそれに合わせて変更。大物は断念して、文字パネル多めかなぁ。展示するデータはあるけど、展示する標本が少ないような。ってゆうか、そもそもあるかなぁ?
展示は今までの外来生物の分布調査の成果発表(つまり分布図)と、さらなる情報募集。となると、解説パネルは2枚で1組。3組+少ししか展示できないなぁ。


●2018年5月9日 セミモンとバッタモン

チリメンモンスター略してチリモン。ちょっと意味が違うけど、食べ物に色んなんが混じってるのを、見分けて選び出すから。混ざったセミをソートするからセミモン、混ざったバッタをソートするからバッタモン。モンスターは関係ないけど…。
昆虫を食べてみようって行事なので、ここではセミもバッタも食べ物。


●2018年5月8日 河口の植物観察

観察会の下見で、泉南市の樫井川へ。河川敷から河口の砂浜へと、植物を見ながら歩く。河川敷も砂浜も花の季節で綺麗だが、その中身が随分違う。
河川敷というか、その高水敷は外来植物だらけ。オオキンケイギク、ナルトサワギク、シロバナマンテマ、コマツヨイグサ、ヒルザキツキミソウ、セイヨウヒキヨモギ、イヌコモチナデシコ、メリケントキンソウ、オッタチカタバミ、セイヨウミヤコグサ。イネ科以外の草本で、在来植物はヨモギくらい。イネ科でもシナダレスズメガヤが目立ち、在来種はチガヤ程度??
一方、砂浜は、コウボウムギ、コウボウシバ、ハマヒルガオ、ハマダイコン、ハマゴウ、ハマエンドウ、ツルナ、テリハノイバラ、ハマボウフウ。目立つ花の大部分は在来の海浜植物、ここは、大阪府で一番といっていいほど、海浜植物が賑やか。ここでもシロバナマンテマやコマツヨイグサ、ナルトサワギクが生えているけど、在来植物の方が目立ってる。

同じように綺麗な花が咲いてるのに、河川高水敷は外来植物だらけで、海浜は在来植物がいっぱい。地元の人と何を観察してるのか少し説明したけど、その違いに驚いてもらえた。


●2018年5月5日 今日の長居公園の人口密度

セレッソの試合があって、肉フェスがあって、恐竜の卵展もやってるし、四つ葉のクローバーを探している親子連れも多数。とにかく今日の長居公園は人が多かった。
その中で、一番人口密度が低かったのは、恐竜の卵展。まあ人は来てるけど、混んでるという程ではない。植物園や公園の芝生には、下見てしゃがみ込んでる親子連れが目立った。昨日の夜、探偵ナイトスクープで四つ葉のクローバー、どころか五つ葉や、六つ葉、七つ葉、とにかくいっぱい葉の付いたクローバーをやってたので、そのせいではないかと思う。セレッソの試合にはもちろん人がたくさんきていたけど、それ以上に人が多いのは肉フェス。柵で囲まれたエリア内には、芋の子を洗うかのように人が密集。入場料取られた上に、それぞれの肉料理もけっこうお高いのに、こんなに人が来るんだなぁ。


●2018年5月3日 赤狼の不思議

キツネ+オオカミ=アカオオカミ。
アジアに広く、こんな動物が生息していたなんて、うっかり知らずにいた。分布からしたら、日本にもいた可能性があるんじゃないかなぁ。と思ってたら、ふと見た樺太の哺乳類リスト、アカオオカミが入っている。絶対、日本にもいたやろ。
それにしてもアカオオカミは、とてもイヌ臭かった。肉球はさほど臭くなく、尻尾周辺が臭い感じ。足跡はキツネのような縦長。吻が短くて、頭骨はあまりキツネっぽくないけど、他は大きな尻尾の黒っぽいキツネのよう。思ったより鎖骨が大きかった。
アカオオカミ=ドール。ドールって哺乳類の名前は知っていたけど、東アジアに普通にいたものだとは知らなかった。


●2018年5月2日 ミサゴが増えた訳

高圧線の鉄塔に営巣するすべを見出したからではないかと。でも、瀬戸内海東部でも、伊勢湾でも同じような展開したのはどうしてかな? 他の地域でも同じようにミサゴは増えて、高圧線の鉄塔に営巣するようになってるのかな? 少なくとも前半の疑問は、いまバードリサーチが中心になって実施している繁殖分布調査で判りそう。
ってゆうか、巣場所は分からないけど、ミサゴは大阪湾を始め、瀬戸内海沿岸にごく普通になっている。知らぬ間に、あちこちの高圧鉄塔に営巣していたんだろうか? だとしたら、電力会社は知っていただろう。あるいは、別の巣場所で増えて、ごく最近になって、一部で高圧鉄塔の利用が増えたんだろうか? いろいろ不思議。


●2018年5月1日 砂場から オキゴンドウを 回収す

昨年7月に淡路島から拾ってきたオキゴンドウ。約9ヶ月間、砂場に置いてブルーシートをかけて、虫に喰って頂いていたが、そろそろいいかなと回収してみた。と言っても、頭部と前肢はすでに別途回収してあったので、今日はその他の部分を回収してきただけ。椎骨、肋骨、V字骨が主なターゲット。砂場から運び出すのに約1時間、それを洗うのに、ナンバー付けや後片付けも入れて、8人で約4時間かかった。


●2018年4月30日 2018年4月のまとめ 新年度に入ったと思ったら

あっという間に一月経ってしまった。なんにもしてない気がする。いやそれでも何かしたはず。そんな4月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。カラスの巣チェックは継続中。後半少しサボり気味。
外来生物調査プロジェクトの新年度の調査がスタート。ハッカチョウ調査を兼ねて、ぼちぼちオオクビキレガイ調査に参加。今まで見たことの無かった街の自然に出会えて面白いけど、あまり成果は多くない。魚の調査にも参加しようと思っているが、来月から頑張ろう。

標本作りは、月末に入って、ホネホネ団の活動日が2日。この勢いでゴールデンウィークは6日連続活動の予定。
鳥の仮剥製や哺乳類の皮を冷凍燻蒸からの収蔵庫へ。少し部屋が片付いた。

普及行事は、鳥の調査の勉強会や鳥類フィールドセミナー、ジュニア自然史クラブのスタート。最後の週末には、ここ数年4月恒例の活動報告会。からの懇親会。
自然史オープンセミナーで、外来生物調査プロジェクトの話題提供。原稿は今月も書けなかったが、査読を2本こなした。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系8冊と、SF9冊。
今月は完全休養日は4日も確保した。


●2018年4月29日 これからの自然史博物館をみんなで考える

ってゆう企画を昨日やってみた。
身近な4人に要望を語ってもらったけど、まあ博物館と仲の良いみなさんが、厳しいお言葉をくれるはずもなく。褒めてもらっただけに近い。でも、その中に考えなくてはならないポイントもチラホラあったので、まあやって良かったとは思う。

1人目は高校生のIさん。パワポ使って力入ってる〜。博物館の魅力は、自然好きの仲間ができる、色んな専門的話が聞ける、調査研究の世界に触れれる。将来、動物生態学を学びたい!という宣言。あては誉め殺しかのように、博物館を誉めてくれた〜。
2人目は、若め大人、学校教員枠でIさん。博物館の足らない点を重点的にとリクエスト。博物館の活動やスタッフは面白いのに広報が不充分。フラッと立ち寄れる参加したくなる、さほど興味のない人でも参加したくなる仕掛けが欲しい。楽しく過ごせる居場所になって欲しい。と、リクエストに応えたコメントをくださった。
3人目は、若手じゃない、家族連れ属性で、Kさんから。家族で行事に参加すると、子どもが楽しんでる姿が見れるのが楽しい。博物館のいいところは、学芸員が子どもにもフレンドリー。でも、自然をあまり知らない人への普及がまだ足りない。学芸員をサポートする人がいりそう。学芸員だけでは全ては出来ないと分かってるコメント。
最後は、博物館と一緒に活動してる団体からという事で、自然史センターのKさん。事業の連携をもっと進めたい。一緒に若手の人材育成を進めたい。一緒に博物館コミュニティを担う形を作りたい感じかな。博物館への要望というより、決意表明的な。

いまは博物館をあまり関わりを持っていない人に、どうアプローチして、どう普及していくか、というのがけっこう共通した問題意識であった。そのためにもっと博物館コミュニティを楽しく育成をと。
自然史とか博物館とか、漢字が並びまくっている名前が、とっつきにくい。自生き物好きでない子ども達も、ネコカフェやフクロウカフェには行って楽しんでる。行きさえすれば、自然史博物館も負けないくらい楽しいのに。なまえが敷居を高くしてる。っていう教員さんからの指摘が印象に残った。それは行事名や特別展タイトルにも通じそう。


●2018年4月28日 読書サークル 第97回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今日の課題本は9冊。1冊繰り越しになり、前回からの繰り越しが2冊あったので、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「カラスと人の巣づくり協定」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
 鳥に詳しい人は、変わったことを調べてるカラス本だという印象をもって。昆虫好きは、アカマダラハナムグリのことが知りたくて読んでた。むしろ、山形の稲作地域や果樹園周辺のカラスの様子は、大阪とはぜんぜん違うところが印象的。

●「溺れる魚,空飛ぶ魚,消えゆく魚」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 アジアの淡水魚の危機的状況とか、持続可能な淡水魚とのつき合い方としての"水田漁労"とか、興味深い部分はあるのだけど、そこへの掘り下げが足らない。全体的に紹介が雑という印象を持った人が多かった。

●「汽水域に生きる巻貝たち」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
 取り上げている種が偏っている。自分たちのデータの紹介に留まっている。そのため、今一つ汽水域の巻き貝の生態の全体像がつかめない。と言う点が指摘された。あと、巻き貝の本なのに、カラーページに二枚貝がたくさん並ぶ。登場する巻き貝が足らなかったんだろうとの邪推。

●「歌う鳥のキモチ」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 自分のデータを中心に、鳥の囀りに関連した話が次々と繰り出される。初心者は少し圧倒されるらしい。このテーマに多少詳しくても、充分勉強になり、いろいろ考えられる一冊。

●「ドローンで迫る伊豆半島の衝突」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 ドローンで、伊豆半島周辺の地形の迫力有る画像をいっぱい紹介した本らしい。すごいなぁ、と言って眺める本で、さほど説明はないとのこと。

●「我々はなぜ我々だけなのか」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
 近年次々と新たな発見がもたらされたアジアの原人について、研究者を取材して最新の情報までを分かりやすく紹介した一冊。読んだ人が辛口揃いだったことからすれば、高く評価されたと言って良いだろう。

●「チョウのふゆごし」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
 身近なチョウが、どんな状態(卵、幼虫、成虫)で、どんな場所で越冬するかを描いてあって、まあまあ悪くないという評価が多い中。一人だけ、同じ公園を舞台に描いているのに、ページ毎の風景に整合性がない!と強く指摘。言われてみれば確かにそうだった。

●「ざざ虫」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 虫を食べる〜、という点でインパクトがある本のようだが、読んだ人はそこは知ってたから、むしろ取り方とか地元での愛され方が印象に残った様子。給食で出るってよ。

●「サルは大西洋を渡った」
(紹介文3つ、平均★数は4.0)
 全員が最高点。20世紀後半から21世紀初めにかけて、生物地理学の流れを分かりやすく紹介してくれていて、その中身が意外性いっぱいなのが評価された様子。常識が覆る話は楽しいってことかと。

●「うつも肥満も腸内細菌に訊け!」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
 比較的評判はよかったが、評価ポイントは様々。健康本として評価した人もいれば、生態学あるいは複雑系への興味から評価した人もいた。今回読んだ人は、たまたま小難しい遺伝子名や物質名を読み飛ばせる人だったが、そこに引っかかる人はいそう。


●2018年4月25日 助成金をもらうコツ

もちろん、助成金によって基準はいろいろだけど、共通するポイントも多いように思った。まず、申請書は、審査員とのコミュニケーションツールであるという意識が大切。すなわち読みやすくないとね、そして読んで楽しくないとね。中身が理解しやすいように、具体的に。目的と方法を明確に。そして、両者がきちんと連携していること。予算の積算は必然性が分かるように。

とにかく面白い!って思ってくれる審査員を確保すること。多少欠点があっても、面白い!結果を知りたい!って思えば、推してみる気になる。採択の理屈は後からで、どうにでもなる。面白い研究はなんとかサポートしたいと思うもの。審査員の多くは、大部分の申請に対して、比較的中立的なので、1人でも強く推せば通る可能性が高くなる。
不思議なことに、こんな研究実現できるのかなぁ? という内容でも、とにかく面白ければ、失敗してもいいから結果を見たい。というサポート、あるいは納得すらあり得る。

強力なサポーターがいない場合、何かしらマイナスポイントを探すことも多い。申請資格は? 助成のテーマとして適当か? 書類に不備はないか? とくに助成金がどういう研究を対象としたものかは、頭にとめておいた方がいい。
あとは、申請書に書いていないことは、審査員が持ってる情報に基づいて、推定されることも重要。それはある種の不備でもあるんだろう。

要約すると、敵を知り己を知れば、って話。


●2018年4月24日 2017年度の普及行事のまとめ

2017年度が終わり、2017年度の活動内容をまとめた館報の締め切りが、先週末。で、今日の会議で、2017年度の普及行事のまとめが出ていた。普及行事の評価ポイントは決して、その回数でも、参加者数でもないが、でもたくさんやったなぁ、という感慨ぐらいはしてもいいだろう。
 2017年度の博物館行事は、大小合わせて162。参加者数はのべ30176人だそうな。この中には約2万人の大阪自然史フェスティバルも含まれているから、それを除けば人数は1万人ちょっとになる。
 ちなみに2016年度は、行事数が186で、参加者数はのべ30300人だったそうな。減ってるやないか!と思われるかもしれないけど、行事数は意図して減らしたもの。毎週行事が目白押しで、学芸員の負担が大きくなりすぎ。普及教育効果が出来るだけ下がらないように、それでいて学芸員の負担が減る方法はないかと、話し合った結果、少々減らしてみたって次第。2016年度と2017年度を比べると、行事数は14ほど減って(月1回分くらいか)、参加者数は120人ほどの減少。感じとしてはそれほど減ってない。ってゆうか、フェスティバルの参加者数の誤差に含まれる程度の数字と言えなくもない。

 ちなみに学芸員は博物館行事だけでなく、別枠で設定される友の会行事にももれなく関わっている。2017年度の友の会行事は41、参加者数は約1800人。
 博物館行事と合わせると、年間約200の行事をして、フェスティバルを除いてものべ約12000人と交流してるってことになる。もっとも年間10回や20回行事に参加する人はざらにいるし。100回以上行事に参加してる強者もいる。実際に行事に参加してる人の数は、評価は難しいけど1200人くらいかなぁ。


●2018年4月22日 サハリンの自然を予習

なかなか難しい質問を頂いた。この夏にサハリンに行くんだけど、せっかくなので自然について予習しておきたい。地質とか、植物とか、動物とか。どうやって予習したらいいか、とっかかりでいいから、教えて欲しい。
サハリンの資料なんてあるかなぁ。とりあえず時間を稼がなくては! 2時間後にもう一度来て頂いて良いですか? というわけで、2時間で、なにかしら結果を出さねば。
地学と植物と昆虫は他の学芸員に押しつけて、とりあえず陸上脊椎動物だけでもなんとかしなくっちゃ。で、いろいろ文献を探してみる。意外と面白い。

サハリンのいろんな場所の鳥のリストを見たいなら。
・藤巻裕蔵・松尾武芳(1996)サハリン中・南部の鳥類.帯広畜産大学学術研究報告19:231-242.
が手頃かも。ネットでダウンロードできるし。鳥類相は北海道に似てるけど、カラフトムシクイ、カラフトムジセッカ、シマゴマがばんばん出て楽しそう。

サハリンの哺乳類のリストなら、
・吉倉眞(1991)サハリン(樺太)の陸棲哺乳類相の研究史.哺乳類科学30(2):221-233.
アカオオカミ、クズリ、オオヤマネコ、トラ、ユキヒョウ、トナカイ、ジャコウジカと並んでて盛り上がる。なんで北海道まで来なかったかなぁ。or生き残らなかったかなぁ。ユキヒョウって本当かなぁ?

サハリンの両生爬虫類相に関しては、
・疋田努(1982)日本とその周辺地域の両生爬虫類相.43・44:87-98.
にこうある。「極東の両生爬虫類の大部分の種の分布北限はアムール川流域よりも南に存在する」例外は、コモチカナヘビ、クサリヘビ、キタサンショウウオ、アムールアカガエルの4種。この4種だけってことやね。


●2018年4月21日 ヘビイチゴとヤブヘビイチゴ

ヘビイチゴの話をいろいろ聞いた。

ヘビイチゴは、花弁がハート形で、幅広
ヤブヘビイチゴは、花弁が細長め

ヘビイチゴは、中国語で台湾蛇苺
ヤブヘビイチゴは、蛇苺
日本語と中国語がややこしくなってる。牧野富太郎が間違えよった。
ヤブヘビイチゴの和名をヘビイチゴにして、ヘビイチゴの和名を別のにすればよかった(ヒナタヘビイチゴとか?)。

ヘビイチゴの名前の由来は、いろいろあって、80近い図鑑などを調べたけど、50近くは、ヘビが食べる、あるいは食べそうだからと書いてあった。肉食のヘビがイチゴを食べるはずがない。ヘビのように地面を這うからじゃないかと思う。

日本の図鑑にはヘビイチゴの果実は無毒と書いてあるけど、中国では有毒と書いてあって、死亡例もあるという。日本と中国で違うのか、食べてる量が違うのか。ドンブリいっぱいのヘビイチゴの実を食べてみれば判るかも。

ヘビイチゴは、鳥などに喰われて種子が散布されるが、エライオソームもあって、アリ散布もある。ヨーロッパでは、ナメクジが種子散布するという話があって、実際にカタツムリが花托を食べているのは見たことがある。

ヘビイチゴとヤブヘビイチゴは、しばしば交雑する。交雑個体の染色体数にはいくつかパターンがある。北陸では交雑個体が15-20%程度はいるのに、愛知県では少なく、香川県では見つからない。栽培して交雑個体を作ろうとしても、うまくいかない。よく分からない。

などなど、鳴橋節の2時間だった。


●2018年4月20日 ゾウと出会った人たち

今日、とある動物園の人が来られた。寄贈する死体を運んできて下さったのだが、ついでにゾウの骨格標本を見たいと言われる。以前、飼育担当だったそう。こんな展開は、ゾウについてだけ起きる。
カバやサイやキリンなど大型草食動物、ライオンやトラやオオカミとった肉食動物、コアラやレッサーパンダといった人気者。いろんな哺乳類の死体を動物園から引き取ってきたけど、ゾウ以外の飼育担当者が、標本に会いたいと言ってきたことは無い。歯のすり減り具合を確認したいとキリンの頭骨を見に来た獣医さん達はいたけど、ゾウ関係者は調査研究に関係なく、会いたいと言ってくる。今まで3頭のゾウの死体を引き取って標本にしたけど、全部、会いに来た人がいる。
直接の飼育係に限らない。飼育に少し関わっただけの人、看取った獣医さん、そして取材していた記者までが会いに来る。そして、出会って時として涙している。標本の出来が悪いとかではなく、死んだ家族に会いに来てるような雰囲気。ゾウってそういう動物なんだなぁ。


●2018年4月19日 初オオクビキレガイ

見せてもらった事はあるから、どんなんなは知ってたけど、野外で見るのは初めて。自分で見つけるのも初めて。
先日のお試しに続いて、いよいよ本格的にオオクビキレガイ調査に参戦。岸和田に行く途中にどこかに立ち寄ろう。お試しでは、オカダンゴムシがいる場所を見つけるのに苦労したから、近くに大きめ公園のあるところに行こう。ということで、浜寺公園の近くの駅に決定。事実上、浜寺公園を調査する。
で、結局、なんとオオクビキレガイを見つけてしまった。大きな公園とは言っても、浜寺公園は大部分がマツ林。マツの落ち葉がたまってる下をかき回しても、オカダンゴムシはあまりいない。そもそも掃除が行き届きすぎて、落ち葉もあまりない。仕方が無いから、公園の縁の落ち葉を狙う。オカダンゴムシはいるけど、オオクビキレガイはいない。ふと広葉樹の根元に落ち葉がたまってるのに気付いて、引っ繰り返してみる。オカダンゴムシの他にキセルガイもいる。ちょっと楽しくなって、反対側の落ち葉を引っ繰り返したら、なんとオオクビキレガイが転がっていた〜。あまりにさりげなかったので、一瞬遅れて驚いた。
そうか〜、こういう感じの場所にいるのかぁ。広葉樹の根元の落ち葉の下やな。1回見つけただけで、一般化するのはビギナーの悪い癖。岸和田からの帰り道。今度は、岸和田中央公園を狙った。せっせと木の下の落ち葉を引っ繰り返したけど、オオクビキレガイは見つからず。二匹目のドジョウはいなかった。ドジョウ自体がいなかったのか、ドジョウの探し方が悪かったのかはよく分からない。もう少し修行を積むことにしよう。


●2018年4月17日 家にツバメを呼びたい〜

家にツバメが巣をつくって楽しみにしていたのだけど、一昨日の早朝にカラスに巣を壊されてしまいました! ツバメにもう一度来てもらうにはカラス除けをした方がいいでしょうか?と。泉南方面の方から助けを求める電話。けっこう長く話してしまった。
営巣に失敗したら、他所にいってしまう可能性が高いですねぇ。でも、戻ってくるかもしれない。巣をつくりやすい台とかがあれば、戻る可能性が高まるかもしれません。カラスが巣にアクセスできないように、テグスとかを張るのはどうでしょう?と問われたので、きっちり張ればカラス除けにはなるかもしれませんね。でも、中途半端に張ったら、かえってカラスの注意を引いてしまうかも。
ただ、テグスを張るといった物理的に捕食者を排除する方法は、カラス相手ならできるけど、ツバメと同じような大きさのイソヒヨドリは除けれない。とイソヒヨドリの説明をしたら、その鳥は家の前でよく囀っていると…。カラスを除けてもイソヒヨドリにやられるだけかもしれんね。まあ、イソヒヨドリも可愛いよ。イソヒヨドリを愛でたらどうかな?


●2018年4月16日 「歌う鳥のキモチ」を読んだキモチ

「歌う鳥のキモチ」を読んだ。クロツグミから入った、鳥の囀り大好き研究者が、、鳥の囀り全般になわばりを拡げ、鳥の囀りについてのいろいろを紹介。マル得情報をいっぱい盛り込んでくれた一冊。
本業のクロツグミの話はもちろん面白いのだけど、クロツグミ以外の鳥でテーマを決めて、チョコチョコととってみせてくれるデータが、どれもかなり面白い。ノビタキの歌の日周リズム、キセキレイの2つの歌、飛ながら歌うビンズイ、エゾムシクイの囀りのモード、クロツグミと区別できないカラアカハラの囀り、夜明けのノジコはアオジのように囀る。
鳥の囀りだけで、こんなにいろいろ考えて、楽しめるんだなぁ。そして、失礼ながら、著者はこんなに器用なアイデアマンだったんだなぁ。もちろん囀り中心のクロツグミの繁殖生態の話も面白い。というわけで、第2章と第3章はアイデアにあふれていて、超お勧め。鳥の囀りを聞いて色々考えるのに最適。これを読んで、鳥の繁殖生態研究に興味を持つ人もいそう。っていうか、時間があれば自分でも囀り研究してみたくなった。


●2018年4月15日 オオクビキレガイ調査を試してみた

オオクビキレガイの調査は、駅周辺を1時間歩き回って、見つかるかどうかを記録する。という、電車に乗って調査に行こうパターンだというので、ついでにハッカチョウも探して見つけても見つからなくても報告を!と勝手に乗っかった。人の企画に乗っかった手前、自分も調査に参加しなくちゃ示しが付かない。ってことで、観察会の帰り道、途中下車して、オオクビキレガイ調査を試してみた。
オカダンゴムシがいるような場所を探せという指令だった。例えば植え込みとか、って話だった。ということで、オカダンゴムシを探そうとするのだけど、市街地ではなかなか手強い。植木をけっこう育てている人の家の庭なら絶対いそうだけど、勝手に入り込めないし。もう少し公共的な性格で、オカダンゴムシがいそうな場所を探す。これって、オオクビキレガイを探してる時間より、探せそうな場所を探してる時間の方が長いぞ。
多少なりと公共的な感じのする駐車場とか病院とか公民館とか公園とか遊歩道とかを狙う。学校も狙いたいけど、人家なみに不審者認定されそうなので断念。なんとかオカダンゴムシは見つかるけど、オオクビキレガイは見つからない。ってゆうか、陸貝自体あまり見つからない。何も見つからないと、つまらない。時々でも、何か見付けたい、捕まえたい。
仕方が無いので、勝手に外来っぽいワラジムシを採ってみる。このデカイのはクマワラジムシだろうか? ついでに見かけたゴミムシも採ってみる。チャコウラナメクジはいいとして、ウスカワマイマイって外来生物だっけ? というわけで、めったに見つからないオオクビキレガイでは、なかなかこの調査を頑張ろうという意欲を維持するのは難しそうに思った。
それはオオクビキレガイに限らない。ハッカチョウも見つからない…。ハッカチョウの記録のある駅を選んだのに〜。で、暇なのでムクドリとイソヒヨドリの個体数も記録することにした。1時間駅周辺をウロウロしてカウントした個体数は、何かしら定点カウントめいたデータとして処理できるんじゃないだろうか?


●2018年4月14日 駅の周辺で貝を探す調査、のついでにハッカチョウもよろしく

今日は2年前からやってる市民参加の外来生物調査プロジェクトの中間発表会第1弾。貝、鳥、魚の今までの成果を報告して、今年度の調査方針を発表。
人家周辺のいろんな場所にいそうで、ターゲットを絞りにくいオオクビキレガイを探すのに、駅の周辺を1時間調査!と貝屋さんが宣言した。ちょうどいいので、同じくどこにいてもおかしくなくって、どこを調査するか絞りにくいハッカチョウ調査も、それに便乗することにした。オオクビキレガイは、ダンゴムシがいるような植え込みとかを探すそうなので、植え込みから植え込みの移動の時にはハッカチョウを探そう!と勝手にかぶせる。報告もオオクビキレガイと一緒に〜、とデータ整理まで押しつけようと算段?


●2018年4月13日 大阪府のハッカチョウの分布の変遷

ハッカチョウは外来鳥類で、1980年代に一度繁殖したけど、すぐ消失。2000年代に再び繁殖し、その後継続している。外来生物が定着を始めたら、徐々に分布拡大なんてのを期待することになる。昆虫や植物はそんな感じだし、大阪府に入ってきたヌートリアもそんなプロセスが見て取れた。が、大阪府のハッカチョウはなんか変。点々と生息記録が、繁殖地が点在して、そこからさほど拡がらず、また別の場所で見つかる。点在しながら、場所が変わりながら、それでも徐々に記録される地点が増える感じ。分布拡大を分布域という面で示せないので、どう示すかがなかなか難しい。どうしたもんじゃろうの。
一方、兵庫県や香川県のハッカチョウは、たいていの植物や昆虫と同じように面状に分布を拡大しているように見える。なにか違うんだろう? 鳥類はやたらと移動能力があるから、巣立った後の分散傾向が強いから。では、説明できないように思う。どうなってるんじゃろうの。


●2018年4月12日 昔使った図鑑たち

去年できた小さいお友達が、なぜか鳥の図鑑好きで、鳥の図鑑をいろいろ持ってきて見せてくれる。今時の図鑑もチェックしているけど、古本とかで古い図鑑もけっこう持っていて、懐かしい昔使っていた図鑑や、こちらも見たことがない図鑑までも見せてくれる。
お友達と話していて、自分が昔使っていた図鑑をいろいろ思い出した。今度、鳥の図鑑を紹介する機会があるので、手持ちの図鑑をいろいろ引っ張り出してみた。

・最初に使っていたのは、保育社の『原色日本鳥類図鑑』。日本の鳥すべてが載ってる図鑑はそれしか知らなかったから。重かった。
・次に使ったのは、小学館の『日本の野鳥』。こんなにコンパクトに日本の鳥がまとまった図鑑が!と喜んだ。高野さんの絵も気に入った。ただ、すぐにページがバラバラになる…。
・その次は、日本鳥類保護連盟の『野鳥図鑑』。絵はアレだけど、識別ポイントがいっぱい載ってるのが嬉しかった。
・そしてついに、日本野鳥の会の『フィールドガイド日本の野鳥』。やっと日本でもフィールドガイドが出た〜。と喜んだ。今でもこの図鑑が一番思い入れが強いかも。
・と同時に使っていたのは、日本野鳥の会の『野鳥識別ハンドブック』。識別ポイントがいっぱい載ってるから。

使っていた図鑑はその時々に可能な選択肢の中で、中身と値段と大きさ、そこに本についての知識と求めている内容を絡めて選んだ結果。というわけで、今見るといろんな意味で誰にでも薦められるベストチョイスではない。
今、図鑑をオススメする際も、そうした要素を絡めての、各人のベストチョイスを見つけられるようにしないとだなぁ。


●2018年4月11日 子ども祭りの11年

大学生のボランティアなサポートスタッフが、企画、準備、運営する。3月末の子ども向けワークショップ。それが「子ども祭り」。毎年だいたい3班に分かれて、3つのプログラムを提供している。それが11年ほど続いているのだから、プログラムは33個あるはず。それを全部整理しておけば、貴重な記録になるし、今後に何かと役立つだろうって話になった。
ってことは11年前からのことを思い出せってこと? それは大変だぁ。

最初の年は覚えてる。人数が多くて、男子1人で他は女子。女子同士が何かと牽制しあって、なかなか話がまとまらない。なんとかやることは決まったけど、当日の段取りも導入の原稿もなし。危機感を抱いた男子が、1人で準備してきて、ほぼ1人でやりきった。
チョウがテーマで、内容はチョウの展示の説明してから、チョウ型の厚紙に色を塗って、ヒモを通して2階から動かして遊ぶ感じ。遊ぶ仕掛けありきのワークショップだった。

2年目は…。なんだっけ?


●2018年4月10日 カラスのきもち 古巣と古巣材と古巣場所

カラスは、新しく巣をつくることもあるけど、古巣利用もする。そんな鳥はけっこういるけど、カラスが面白いのは、古巣を壊してわざわざ同じ場所に新しい巣をつくったり、古巣の巣材を使って新たに巣をつくったり。単なる古巣利用ではなく、古い巣材の再利用と、古い巣場所の再利用を、分けて考えることができるのが面白い。

今日、新しい巣をつくってるのを確認したとあるハシブトガラスのペアは、もともとあった古巣を壊して、同じ場所に新しい巣をつくった。隣にあったもう一つの古巣の巣材を使って。いやいや、それなら古巣をそのまま(補強してもええけど)使えばよかっただけでは?


●2018年4月8日 研究計画の日2018

今日は4月恒例。鳥の調査研究をしてみたいみんなが集まって、研究計画を言い合う日。充分まとまった調査企画や、すでにデータを持ってる人には、調査方法やまとめ方への助言。何をしたらいいか固まっていない人には、いろいろ聞き出した上で、なんとなく実行可能な方向へ誘導。今回は8人に対応しただけなのだけど、2時間半。子どもが4人という斬新な構成で、興味のある方向性を聞き出すのに手間取った。
 その結果、決まったテーマをざっと並べると
・センサス調査でヒヨドリの資源利用を明らかに。というなら、出来るだけ姿を押さえられる調査地・調査ルートを選定して、行動も記録する方向で。
・エサ台を置いて、どんなエサだとどんな鳥がくるのかを調べてみる。何を明らかにするか、どんなデータを取るか、詳細は固まってないけど、まあ試してみよう。
・河川と堤外の鳥類相の関わりはどんなデータが出てくるか興味がある。
・ため池の水鳥の観察を、とりあえず2年分たまって、少し楽しげになってきた。もう1年続ける。
・公園での羽根拾いはデータ取るのは、もう1年続けてみよう。スズメの砂浴びは、天候や季節の影響も検討してみることに。
・同じ公園で、同じように羽根拾いはバッティングするので、頻度低くていいので、他の公園でやってみて比べてみよう。
・だから同じ公園で、同じように羽根の散乱がある場所を調べるのはバッティングしてるから、他の公園でやってみて比べてみよう。
・ツバメの巣の観察。おもに雌雄の給餌頻度の違いと繁殖成功との関連を考えてみよう。ヒナの成長のデータを交えるといいかも。イソヒヨドリの影響は気になるなぁ。ツバメの巣の周辺でイソヒヨドリの行動も記録しておくと面白くなるかも。


●2018年4月7日 大阪のハッカチョウの分布拡大状況調査の研究計画

明日、研究計画を発表しないといけないので、急ぎ研究計画を立ててみた。といってもザッとしたもんだけど。大阪府内を行きまくり、ついでに兵庫県や神奈川県にも行くって書いたけど、時間あるかなぁ。
とりあえず研究の前置きはさておいて、調査方法は、
──────────────────────────────
 調査は2018年と2019年の4月〜7月に実施する。
 大阪府を中心に、ハッカチョウの情報を、広く呼びかけて集める。大阪府以外にも、兵庫県、香川県、神奈川県といったハッカチョウの定着が確認されている県や、岡山県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県などハッカチョウの情報が断片的にある府県の情報も集める。
 2013年から2017年に、大阪府内でハッカチョウが記録された場所すべてに行き、ハッカチョウの有無を確認すると共に、確認地点の周辺エリア(およそ半径1 km)においてセンサス調査を行い、ハッカチョウ、ムクドリ、イソヒヨドリの分布と個体数を把握する。
 大阪府でのハッカチョウの分布パターンと比較するために、兵庫県と神奈川県のハッカチョウが面状に分布している地点を数ヶ所選び同様のセンサス調査を行う。
──────────────────────────────

どう転んでも、大阪府における2013-2014年と、2018-2019年の分布の変化は把握できる。そして、日本でのハッカチョウの繁殖分布もある程度把握できる。
そして、うまくいけば、
・大阪府と、兵庫県・神奈川県の、あるいは地点毎の周辺の分布パターンの違いを明らかにできる。
分布パターンというより、生息密度の違いかも。そして夢を語るなら、
・さらにうまく行けば、外来鳥類が分布を拡大していく際のパターンを考える糸口がつかめるかもしれない。たとえば、大阪府と兵庫県・神奈川県の分布パターンの違いは、分布拡大のフェイズの違いかもしれない。さらに細かく、地点毎の繁殖を始めてからの時間に応じての周辺への広がり方を何かを示すかもしれない。
最後は、意味不明に夢を見すぎやね。


●2018年4月6日 花と動物の関係

虫屋の議論では、花が丸ごと喰われる。というのを、しばしば無視してるのが、鳥屋的には気になる。虫は花を喰わないらしく、虫と花の関係は、蜜や花粉を食べに来て、花粉を媒介するというストーリー。だもんで、花に来る鳥もコウモリも、蜜や花粉を求めて来て、花粉を媒介するというストーリーに落とし込まれる。
でも、少なくとも鳥は、蜜もなめるが、しばしば花も喰う。花に来ても花粉媒介者ではなく、花捕食者になりうるってこと。これは、種子散布者と種子捕食者の関係にも似てる。そして、虫屋が思いつかない花と動物との関係は、まだまだ研究されていない気もする。送粉シンドロームにしても、花をまるごと喰われる可能性を盛り込んだら、違った視点に出会わないだろうか? と書いていて、花を喰うのは、盗蜜と同等かもと思いつく。だとしたら、虫屋の議論にそのまま通じるかも…


●2018年4月5日 近頃のアトリとヒレンジャクの暮らし

4月に入ったというのに、地元の公園には、いまだに40羽以上のアトリと、40羽以上のヒレンジャクがいる。ヒレンジャクの中に数羽のキレンジャクが混じっていそうだけど、ここんところは確認出来ていない。
数年に一度は、アトリが越冬にやってくるが、この冬は個体数が多い。そして、4月に入ってもこんなに残っているのは珍しい。
毎年、ヒレンジャクは記録されるが、たいていは数日滞在するだけ。1日だけでいなくなることも少なくない。ところが今年は1ヶ月以上滞在している。その上、個体数もやたら多い。キレンジャクが混じるのも珍しい。
ソメイヨシノが咲き終わり、落葉樹が展葉をはじめて、公園はすっかり春。そんな時のアトリやヒレンジャクの様子を観察できるのは珍しいので、ちゃんと記録しておいた方がいいんじゃないかと思うくらい。


●2018年4月4日 哺乳類の菌類食

哺乳類や鳥類がどの程度、キノコを食べるか勉強しなくてはならなくなった。で、少し調べたのでメモメモ。

●辻野・湯本(2014)霊長類をめぐる生物間関係と生態系における役割.霊長類研究30:79-93
「霊長類はマイナーな品目であるキノコを採 食する場合もある。南米産の小型霊長類ゲル ジモンキー(Callimico goeldii)は採食時間の 63%を費やしているものの,キクラゲなど 4
種類の限られたキノコのみを採食している (Hanson et al., 2003)。<中略>菌類を採食 することが知られている 22 種の霊長類のうち ほとんどが採食時間の 5%未満しか費やしてい
ない(Hanson et al., 2003)。 <中略>キノコ食はあまり研究 されていない。もしかしたら,キノコは林床 の茶色い色合いの中で赤や黄,白,紫などの 色合いで目立つことで,霊長類に発見されや すくしているのかもしれない。」

●澤田(2014)霊長類のキノコ食行動 -今後の課題と可能性-.霊長類研究30:5-21
「キノコ食行動をとる生物は, ハエ Drosophila sp. やナメクジ Philomycus sp. といった無脊椎動物をはじめ,齧歯類(ネズ ミ Peromyscus sp.,リス Eutamias sp. など)や 有袋類(アカネズミカンガルー Aepyprymns rufescens,オグロワラビー Wallabia bicolor な ど),さらには大型哺乳類(アメリカエルク Cervus canadensis,ハイイログマ Ursus arctos horribilis など)まで多岐にわたる(Maser & Maser, 1987, 1988; Launchbaugh & Urness, 1992; Ruddell et al., 1997; Guevara & Dirzo, 1999; Claridge et al., 2001; Keller & Snell, 2002; Mattson et al., 2002)。霊長類でもキノコ食行動が報告 されているが,残念ながら,キノコ食行動に 焦点を当てた研究は非常に限られているのが 現状である。」

キノコを食べる哺乳類と言えば、アナグマとかを思い浮かべたが、上記の論文では(霊長類研究という雑誌だからもあるけど)サルとカンガルーのキノコ食の報告例が多そう。


●2018年4月1日 鳥類と哺乳類の標本点数 2017年度の状況

年度が替わったら、すぐに動き出すのが館報の製作。昨年度の活動をまとめて、冊子にして、宣伝できるように準備する。で、年度末時点の標本点数をチェックする。っていうか、この一年の間に増えた分をチェックして、一年前の数字に足す。今年も鳥類と哺乳類の標本点数の増加分を数えてみた。
昨年、10年後の2027年に鳥類標本一万点、哺乳類標本五千点に向けての計画を立てたので、その途中経過の確認でもある。

昨年度末時点での鳥類標本は7864点、哺乳類標本は3322点。増加分は、鳥類201点と哺乳類139点。これでは、残る9年の間に目標を達成できない…。このペースだと鳥類標本一万点は11年後の2029年に、哺乳類標本五千点は12年後の2030年。ペースアップが必要〜。

ちなみに2017年度に自分で皮を剥いた鳥は、39点。ここ2年は50点を超えていたのに…。というわけで、少なくとも鳥類標本に関しては、自分のペースアップが必要な気がする。


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