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本の紹介「クモの巣図鑑」

「クモの巣図鑑 巣を見れば、クモの種類がわかる!」新海明著・谷川明男写真、偕成社、2013年2月、ISBN978-4-03-527990-7、1800円+税


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【萩野哲 20130627】【公開用】
●「クモの巣図鑑」新海明著・谷川明男写真、偕成社

 「クモの巣といえば円い形の巣を思いうかべるだろう」とは、この図鑑の冒頭に述べられている文章だが、円い形でもさまざまなバリエーションがあり、更にドーム形やシート形など、いろいろな形がクモの種によって決まっているのだ。クモが巣の上にいるのか、下にいるのか、上を向いているのか、下を向いているのか、それで種を知ることができる。よく似た種でも、巣の形状やそれがかけられた場所などが異なっているのだ。巣を作る動物はその動物の体だけでなく、巣やその周囲も含めての生命であるというけれど、クモの巣を見てあらためでそれを認識することができる。クモの体のつくりや糸の不思議、更には観察方法についても豊富な図で解説されており、クモの観察にいきたくなるような本である。

 お薦め度:★★★  対象:少しでもクモに興味がある人

【冨永則子 20130628】
●「クモの巣図鑑」新海明著・谷川明男写真、偕成社

 雨上がり、街中でも水滴を一面につけてきらめくクモの巣を見つけることが出来る。小さな体で見事な幾何学模様を作り出すクモ。芸術作品のようなクモの巣を鑑賞したら、次は「科学の目」で詳しく観察しよう。
 巣の形がクモの種類によって決まっているとは知らなかった。巣の形を観察すればクモの種類が分かってしまうなんて、何とも便利!
 本書では、巣の形を円形、ドーム型、ハンモック型、シート型など分かりやすい例えで7種類に分類している。インデックスを付けて、図鑑としても見やすいレイアウトで野外観察でも役立ちそうだ。
 ただ、装丁がハードカバーなので、野外に持ち出すには不便かな? 野外観察用にはソフトカバーでもう少し小ぶりのものが欲しい。

 お薦め度:★★★★  対象:クモの好きな人に、クモの巣に興味のある人に、クモの名前が知りたい人に

【西村寿雄 20130617】
●「クモの巣図鑑」新海明著・谷川明男写真、偕成社

 野外ではクモにもよくお目にかかるが、その区別はなかなか昆虫のようにはいかない。多数の小さなクモを何で区別するか、その目の付け所は〈巣〉にあるという。「なるほど」、巣に目をつければいいのか。たしかに、クモの巣をよく見ると、同じようで同じでない。
 「芸術品のようなクモの巣を鑑賞したら、こんどは「科学の目」で、くわしく観察してみよう。巣の形や構造は、クモの種類によってちがっている」
とある。クモの巣を芸術品と見、幾何学模様と見るところに親しみがわく。
 この本では、クモの巣の形を「円形の巣」「おまけ付の円形の巣」「一部が欠けた円形の巣」などと分けている。一口に〈円形〉と言っても、整然としたものやアバウトなものとさまざまである。巣のまん中にゴミ捨て場のある巣や、身を隠す〈かくれ帯〉をつけた巣もある。小さなクモも多種多様だ。
 「ほめてくれる人が誰ひとりいなくても、クモはせっせと巣をはり、ひっそりと生きている」
 スプレ―を持ってクモの巣を観察しよう。たくみに生きている小さなクモたちの姿にふれることができる。

 お薦め度:★★★★  対象:クモ好きの小学生から

【森住奈穂 20130701】
●「クモの巣図鑑」新海明著・谷川明男写真、偕成社

 それは昨年夏のこと。草むらに踏み込んだわたしの足もとから大きなバッタが飛び出した。まっしぐらに向かうその先には…「あっ、クモの巣!」でも、バッタにそれは見えなかったようだ。網にからまったバッタに向かって、これまた大急ぎで駆けつけてきた巣の主。あれよあれよという間にバッタは糸でぐるぐる巻きに、そして身動きがとれなくなった相手を抱きかかえるように巣の主は…。身近なクモの巣。ホラー映画を見るようにクモの巣観察をするのもいいけれど、たとえそこに主人公の姿が見えなくても、巣の形や大きさ、場所などを観察することで、見えてくるものがたくさんありますよ、というお話し。そこには様々な種類のクモの賢い戦略があるのです。クモの巣観察、楽しそう!

 お薦め度:★★★  対象:

【和田岳 20130627】
●「クモの巣図鑑」新海明著・谷川明男写真、偕成社

 おおむね見開き2ページで1種、39種+aのクモの巣が紹介される。円形の巣、おまけ付きの円形の巣、一部が欠けた円形の巣、ドーム形の巣、ハンモック形の巣、シート形の巣、その他の巣と分類して、分かりやすくクモの巣を紹介。でも「巣を見れば、クモの種類がわかる!」というのは、ちょっと言い過ぎ。
 この本を持っていても、巣だけからクモの種類が分かるようにはならない。でも、クモの巣って面白いなと、クモに興味を持つきっかけにはなるかもしれない。クモの巣だけでなく、クモ自身や糸についての解説もいっぱい。最後にクモ観察会への案内も載っている。

 お薦め度:★★  対象:クモが苦手でなければ

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