SF関係の本の紹介(2007年上半期分)

【★★★:絶対にお勧め、★★:けっこうお勧め、★:読んでみてもいい、☆:勧めません】

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●「大久保町は燃えているか」田中哲弥、ハヤカワ文庫JA、2007年6月、ISBN978-4-15-030892-6、760円+税
20070628 ☆

 ナチスに支配されている大久保町に、なぜか潜入してしまった主人公。あとは、レジスタンスとナチスとの戦いに巻き込まれて。とまあ、とにかくほぼ巻き込まれて成り行きで、ハッピーエンド。ありがちな脳天気な物語。SFではない。

●「擬態」ジョー・ホールドマン、早川書房、2007年5月、ISBN978-4-15-208818-5、1900円+税
20070625 ★

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●「進化論」芝田勝茂、講談社、2004年6月、ISBN-06-212465-3、950円+税
20070604 ☆

 特殊な能力を持った子どもが、子ども達が生まれる。やがて日本は、子ども達を排斥しようとするグループと、守ろうとするグループに分かれて内乱状態に。いわば超人類たる子ども達のリーダー格を産んだ女性と、その子どもの父親役をすることになった主人公のラブストーリーでもある。
 超能力を持った子どもが生まれるという形で、一世代で生じるという人類の進化のイメージの根強さには驚く。その上、新たに進化した個体を抹殺するように、遺伝的にプログラムされているかのようなフレーズもあちこちに出てくる。こういったのを進化論と称して、書名に付けるところで、すでに付いていけない。馬鹿げた進化的な説明を排除すれば、もう少しましだっただろう。

●「地球の静止する日」中村融編、創元SF文庫、2006年3月、ISBN4-488-71502-8、1000円+税
20070510 ★

 中村融が、日本未訳や現在入手困難、あるいは古くに紹介されたきりの作品を中心に編んだSFアンソロジーシリーズの第2弾。あまり知られていない映画の原作6編を集めたアンソロジー。「趣味の問題」は、結局どんなにいい奴でもクモは嫌われるというショートストーリー。「ロト」は、先見の明のある主人公が、大災害を避けて避難する話。でも、結局愛していたのは娘だけだったらしい。「殺人ブルドーザー」はタイトル通り。機械に入り込む宇宙人って発想は珍しいかも。「主人への告別」は、そのオチが目的だったか〜、という話。「月世界征服」、勝手に月世界旅行に行ってしまう話。

●「眠れる人の島」エドモンド・ハミルトン、創元SF文庫、2005年12月、ISBN4-488-63704-3、980円+税
20070507 ☆

 幻想小説5編を収めた短編集。墓荒らしって危険「蛇の女王」、究極の夢オチ「眠れる人の島」、過去のない男の正体は異世界の神様だった「神々の黄昏」、悪魔と契約した邪眼の男と戦うヒーロー登場「邪眼の家」、アフリカ奥地へ長寿の秘薬を求めて行ったら「生命の湖」。印象的な作品もあるけど、全体に古くさく、SF的要素はほとんどなし。

●「Project BLUE 地球SOS」(1〜2)東野司、ハヤカワ文庫JA、(1)2006年9月(2)2006年10月、(1)ISBN4-15-030860-8(2)ISBN4-15-030864-0、(1)640円+税(2)640円+税
20070502 ☆

 宇宙人の侵略にさらされる地球。それに対抗する地球防衛組織「迷宮機関」。そこを舞台に、優秀な少年少女達が大活躍。60年近く前に小松崎茂によって書かれた「地球SOS」のリメイク。リメイクしても基本設定が古くさいのはやむを得ない。
 アニメならいまだにこんなのがあるから耐えられるかもしれないけど、小説として今読まされても…。いわゆる昔のジュヴナイルSFの雰囲気。小学生の頃なら楽しめただろうな〜。

●「ゆらぎの森のシエラ」菅浩江、創元SF文庫、2007年3月、ISBN978-4-488-72401-6、660円+税
20070501 ★

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●「銀河おさわがせ執事」ロバート・アスプリン&ピーター・J・ヘック、ハヤカワ文庫SF、2007年4月、ISBN978-4-15-011607-1、760円+税
20070501 ☆

 休暇に出た執事、追いかける中隊長、基地にはうるさい上司の視察。例によって愉快なドタバタの末に、なぜかハッピーエンド。楽しく読めるけど、SFではない。

●「火星ノンストップ」山本弘編、早川書房、2005年7月、ISBN4-15-208651-3、1700円+税
20070405 ★

 編者お気に入り作品7編を収めたアンソロジー。1960年代から1970年代にSFマガジンに掲載された海外作品から選ばれている。古くさいけど、パワーあふれた作品を選んでいるらしい。
 不思議な困った状況を、よくわからない科学で切り抜ける。たしかにSFの原点なのかも。確かに古くさい。でもけっこう読める。

●「アラビアの夜の種族」古川日出男、角川書店、2001年12月、ISBN4-04-873334-6、2700円+税
20070326 ★

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●「老人と宇宙」ジョン・スコルジー、ハヤカワ文庫SF、2007年4月、ISBN978-4-15-011600-2、840円+税
20070320 ★

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●「反逆者の月」デイヴィッド・ウェーバー、ハヤカワ文庫SF、2007年2月、ISBN978-4-15-011601-9、900円+税
20070317 ☆

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●「沈黙のフライバイ」野尻抱介、ハヤカワ文庫JA、2007年2月、ISBN978-4-15-030879-7、600円+税
20070313 ★

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●「神は沈黙せず」山本弘、角川書店、2003年10月、ISBN4-04-873479-2、1900円+税
20070309 ★★

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●「逆境戦隊バツX」(1〜2)坂本康宏、ハヤカワ文庫JA、(1)2006年11月(2)2006年12月、(1)ISBN4-15-030868-3(2)ISBN4-15-030874-8、(1)620円+税(2)620円+税
20070225 ★

 食品会社に勤めるダメな研究員が、戦隊物のヒーローみたいなのに変身できるようになってしまう。一方で、親友が化け物に変身し、会社のマドンナに求愛され、主人公の周辺で異常な出来事が起き始める。
 戦隊物のパロディのような、と思っていたら意外とSF的な骨格が明らかになる。でもまあ、そんなに感心するほどでもなく…。

●「囚われの女提督」(上・下)デイヴィッド・ウェーバー、ハヤカワ文庫SF、2006年10月、(上)ISBN4-15-011587-7(下)ISBN4-15-011586-9、(上)820円+税(下)820円+税
20070221 ☆

 「紅の勇者オナー・ハリントン」シリーズの第7弾。敵にとらえられた主人公が、見事に敵をやっつけて脱出。

●「明日への誓い」エリザベス・ムーン、ハヤカワ文庫 SF、2006年11月、ISBN4-15-011591-5、1000円+税
20070219 ☆

 「栄光への飛翔」「復讐への航路」に続く、「若き女船長カイの挑戦」シリーズの第3弾。一族の裏切り者から取りかえした武装船に乗って、一族の復讐のために動き始める。って感じ。
 貨物船を手に入れ、武装船を手に入れ、次は武装船団。巻をおうごとに財産が増えていく。とりあえず毎巻、船を1隻ずつ増やしてるし。

●「イリアム」ダン・シモンズ、早川書房、2006年7月、ISBN4-15-208749-8、3000円+税
20070131 ★★

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●「カズムシティ」アレステア・レナルズ、ハヤカワ文庫 SF、2006年7月、ISBN4-15-011571-0、1440円+税
20070122 ★

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●「火星縦断」ジェフリー・A・ランディス、ハヤカワ文庫 SF、2006年5月、ISBN4-15-011562-1、940円+税
20070115 ★

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●「アイアン・サンライズ」チャールズ・ストロス、ハヤカワ文庫 SF、2006年12月、ISBN4-15-011593-1、1000円+税
20070114 ★

 「シンギュラリティ・スカイ」に続くシリーズ第2弾。第1弾の主人公が再び登場するが、主役は今度は故郷を失った若い女性。何ものかがある恒星を超新星化して、その恒星系の多くの住民を殺戮。それを逃れた主人公が、犯人達から狙われて…。というストーリー。
 フェスティバルという謎の存在がなく、エシャトンの正体が明らかな中で展開する話は、恒星間宇宙舞台にしているものの、ただのスパイ物。犯人探しも、簡単に予想できる程度。最後は、続く、といった終わり方。というわけで、質的には第一弾よりかなり落ちるかと。

●「ベータ2のバラッド」サミュエル・R・ディレイニーほか、国書刊行会、2006年5月、ISBN4-336-04739-1、2400円+税
20070113 ★

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●「グラックの卵」ハーヴェイ・ジェイコブズほか、国書刊行会、2006年8月、ISBN4-336-04738-3、2400円+税
20070112 ★

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●「デス博士の島その他の物語」ジーン・ウルフ、国書刊行会、2006年2月、ISBN4-336-04736-7、2400円+税
20070111 ★

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●「トゥモロー・ワールド」P・D・ジェイムズ、ハヤカワ・ミステリ文庫、2006年10月、ISBN4-15-076617-7、760円+税
20070110 ★

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●「最後のウィネベーゴ」コニー・ウィリス、河出書房新社、2006年12月、ISBN4-309-62197-X、1900円+税
20070108 ★

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●「ページをめくれば」ゼナ・ヘンダースン、河出書房新社、2006年2月、ISBN4-309-62188-0、1900円+税
20070107 ★

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●「子供たちの午後」R・A・ラファティ、青心社、2006年12月、ISBN4-87892-323-7、1600円+税
20070106 ★

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●「ひとりっ子」グレッグ・イーガン、ハヤカワ文庫 SF、2006年12月、ISBN4-15-011594-X、820円+税
20070105 ★★

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●「アイの物語」山本弘、角川書店、2006年5月、ISBN4-04-873621-3、1900円+税
20070103 ★★

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●「エンド・ゲーム」恩田陸、集英社、2006年1月、ISBN4-08-774791-3、1500円+税
20070102 ★

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●「削除ボーイズ0326」方波見大志、ポプラ社、2006年10月、ISBN4-591-09472-3、1400円+税
20070101 ★

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