日本のハッカチョウ分布調査(情報募集中)

ハッカチョウの情報募集  日本のハッカチョウの分布情報

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 ハッカチョウは、ムクドリ科の鳥類で、ムクドリより少し大きく真っ黒です。食性や営巣場所、集団塒をつくるなどの生態は、ムクドリにとてもよく似ていますし、ムクドリと一緒にいることもあります。
 中国南部、台湾、東南アジアに自然分布します(日本でも沖縄県のハッカチョウは自然分布と考えられています)。日本で記録されるハッカチョウのうち、少なくとも本州・四国の個体は飼い鳥由来と考えられています。  日本で繁殖記録があるのは、東京都、神奈川県、滋賀県、京都府、奈良県、大阪府、兵庫県、岡山県、香川県(東京都と滋賀県は現在定繁殖・定着していません。京都府と奈良県では現在も繁殖している可能性があります。他に埼玉県と千葉県、もしかしたら高知県でも繁殖したことがあるかもしれません。また、和歌山県でも繁殖を始めた可能性があると考えています)。
 東日本では、少なくとも1970年代〜1980年代には東京都や埼玉県でも繁殖していたようですが、その後、繁殖分布は縮小し、現在は神奈川県でのみ繁殖・定着しています。
 一方、西日本では、1980年代に兵庫県、1990年代に香川県、2000年代に大阪府に繁殖・定着し、さらに2010年代に入って、岡山県に定着しました。そして、京都府や奈良県にも定着しつつあるようです。東日本とは違って、西日本のハッカチョウは分布を拡大し続けているようです。
 ハッカチョウの分布の変遷をできる限り把握すべく、下記の要領でハッカチョウの情報を集めています。ハッカチョウを見つけたら、あるい過去の記録をお持ちなら、記録が載ってる文献に心当たりがあれば、大阪市立自然史博物館の和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までお知らせ下さい。よろしくお願いします。

◆探し方
 姿を探すこともできます。とくに飛んでる時は見分けやすいので、ムクドリ大の鳥が飛んでいたら、要注目です。また馴れれば声で見つけるのが効率的です。

◆見分け方
 ムクドリより少し大きな真っ黒い鳥です(ムクドリより黒く、小さいカラスのような感じ)。とまっている時は、白っぽいくちばしと、上くちばし根元の逆立った羽根が特徴です。飛んでる時は、大きく白い斑がでます。いい声で囀りますが、どこかムクドリの声に似ています。少し変な感じのムクドリの声が聞こえたら要チェックです。

日本のハッカチョウの情報募集! 継続中です!

・調査範囲:日本全国。
・調査期間:2003年〜継続中(ずーっと継続することに決定!)
・調査対象:ハッカチョウ

◆ハッカチョウを見つけたら、以下の項目をお知らせ下さい。
・観察者名
・観察日
・観察時間
・観察場所(とっても詳しく、ピンポイントの緯度経度を)
・個体数と行動(囀り、その他繁殖に関連した行動)
・論文化する際の名前の公表の可否(情報提供者一覧としてお名前を載せる可能性があります。個々のどの情報の観察者かは公表しません)

◆以下に掲載のない情報が載っている文献情報もあつめています。とくに関東の情報に飢えています。

◆データの送付先:大阪市立自然史博物館の和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)。ハッカチョウかどうか自信がないときは、画像を添付して下さい。あるいは飛んだ時にどんな模様が見えたかなど、色や模様をお知らせ下さい。

◆データの取扱い
 頂いた情報は、大阪市立自然史博物館のデータベースに登録するほか、HPで公表し、展示に使うこともあります。外来生物調査プロジェクトProject Aの調査結果に盛り込みます。講演や論文で活用することもあります。

日本のハッカチョウの分布情報(大阪府神奈川県兵庫県香川県岡山県京都府奈良県 / 愛媛県滋賀県東京都千葉県その他の県

●大阪府
 大阪府では、1982年〜1984年頃に豊中市北東部や吹田市西部で観察され、1983年には繁殖が確認されました。しかし、その後、ハッカチョウはいったんいなくなり、1990年代にハッカチョウの記録はありません。
 2003年に高槻市野田、2005年に淀川長柄橋でと、相次いで繁殖が再確認されました。その後大阪府各地で記録されるようになりました。長柄橋での繁殖は2020年も継続しています。
 2013年に繁殖期の記録が急増したので、2014年に過去に記録のある場所を一通り調査し、状況を把握しました。
 2018年に再度、過去に記録のある場所すべてを確認しました。
 2019年以降も、ずーっと情報をあつめています。毎年分布図を作成したいと思いますので、すでに記録のある場所を含めて、ハッカチョウの情報をお知らせ下さい。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

2003年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)

※以下は年代別の分布図(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)

    2003年〜2009年          2011年〜2013年

        2014年           2015年〜2017年

        2018年               2019年

      2020年           2021年(5月31日まで)

※2017年度までに大阪府内でハッカチョウが記録されたエリア一覧(40ヶ所)→この40ヶ所を2018年にチェックした。
 地点名と確認年を示す。近くの場所で確認されたものはまとめて1地点としている。
・池田市木部町、新町:猪名川 / 2015年、2017年
・池田市豊島南2-6:箕面川沿い / 2014年
・豊中市新千里東町:千里中央公園 / 1983年
・吹田市南正雀2-50-1:淀川右岸域下水道安威川左岸ポンプ場 / 2014年
・摂津市三島2丁目:安威川右岸(鶴野橋下流側) / 2013年
・高槻市堤町:芥川(芝生大橋) / 2005年
・高槻市西之川原1丁目:西之川原バス停付近 / 2015年
・高槻市野田、宮野町:大和サニーハイツ高槻 / 2003年
・高槻市上牧町4-55-1:淀川右岸 / 2016年
・交野市:京阪交野線郡津駅 / 2013年
・交野市私部西:イズミヤ・交野市駅周辺 / 2013年〜2014年
・寝屋川市大谷町畑内、寝屋川公園:寝屋川公園 / 2011年、2014年
・門真市宮野町11 / 2013年
・門真市北島 / 2013年
・東大阪市西石切町:新石切駅周辺 / 2013年〜2014年
・大阪市東淀川区相川1丁目:神崎川(阪急京都線鉄橋) / 2015年
・大阪市東淀川区柴島、西中島、淀川区木川、十三東:淀川右岸 / 2005年、2011年〜2017年
・大阪市西淀川区花川:淀川右岸(JR塚本鉄橋付近) / 2017年
・大阪市都島区毛馬町:淀川左岸(赤川鉄橋周辺) / 2016年〜2017年
・大阪市北区中津4丁目:淀川左岸 / 2018年
・大阪市此花区高見1-10-8:海老江下水処理場付近 / 2017年
・大阪市此花区北港白津1丁目:舞洲 / 2017年
・大阪市此花区:西九条駅周辺、朝日橋公園、梅香1丁目:六軒屋川 / 2014年〜2015年
・大阪市中央区:大阪城公園(梅園周辺) / 2006年
・大阪市生野区巽南3-2 / 2012年
・大阪市住吉区苅田、東住吉区矢田、公園南矢田、長居東、長居公園 / 2011年〜2015年、2017年
・柏原市国分:大和川(国豊橋〜石川合流) / 2015年
・羽曳野市野:大座間池 / 2015年
・富田林市喜志新家町 / 1989年
・富田林市錦織東1-20-3:ヤマト運輸錦織宅急便センター / 2014年
・河内長野市西之山町2-4:マクドナルド外環河内長野店 / 2015年
・堺市:大泉緑地 / 2007年
・泉大津市:汐見埋立地 / 2008年
・岸和田市春木:岸和田中央公園 / 2008年
・泉佐野市:りんくうタウン駅、りんくう公園 / 2013年〜2014年
・泉佐野市羽倉崎2丁目:東洋薬局駐車場 / 2007年
・田尻町嘉祥寺:田尻漁港周辺 / 2013年〜2015年
・泉南市:岡田浦漁港 / 2015年
・阪南市:南海箱作駅近く / 2008年
・岬町多奈川谷川:谷川橋交差点付近 / 2015年


●神奈川県
 1976年に横浜市で初めて記録され、1980年には繁殖が確認されました。横浜市南部に主に定着しています。
 手元にある横浜市の情報は、戸塚区より南が中心ですが、横浜市北部(緑区、佐伯区)の記録もあり、藤沢市や鎌倉市からの記録もあります。今後、どのように分布が拡大していくかが気になるところです。戸塚駅周辺を除けばまだまだ情報が少ないので、横浜市及び周辺のハッカチョウ情報を是非お知らせ下さい。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

※手元にある横浜市北部の情報は以下の通り。
・横浜市都筑区佐江戸町:2021.4.23、2021.4.28
・横浜市緑区上田:2021.2.3
※手元にある横浜市以外の情報は以下の通り。
・藤沢市亀井野:1983.11.29、1983.12.14
・藤沢市鵠沼東12 奥田公園:2018.9.25
・藤沢市片瀬海岸3-1 西浜公園:2019.7.4
・藤沢市柄沢:2021.1.25
・鎌倉市腰越 腰越駅前:2020.2.13、2020.5.6
・鎌倉市大船:2020.6.12

2008年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●兵庫県
 1982年に、兵庫県姫路市で繁殖したのが、関西周辺で確実な最初のハッカチョウの繁殖記録のようです。以降、兵庫県では姫路市から明石市の海岸部を中心に定着し、その後赤穂市から伊丹市・尼崎市まで、兵庫県南部(淡路島を除く)の瀬戸内海に近いエリアに広がりました。内陸の方に、どの程度分布が広がっているかは、不明な部分が少なくありません淡路島にいないのかも気になります。内陸であるかに関わらず、ハッカチョウ情報を募集しています。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

※内陸部での記録としては、次のものがあります。
・小野市王子町:2012.5.25
・神崎郡福崎町西田原:2015.9.28、2019年、2020年、2021.4.29、2021.5.6、2021.5.11
・三田市三輪:2016年
・三田市川除:2020.5.20、2020.5.21、2020.6.1
・三田市狭間が丘:2020.6.25
・三田市駅前町:2021.6.5
・加東市社:2021.1.29
・三木市大村:2021.5.4

2003年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●香川県
 1993年に、高松市多肥下町での確認が最初です。その後、主に丸亀市周辺に定着しました。現在は、観音寺市から東かがわ市まで広く分布していますが、東かがわ市の情報は少ないようです。
 丸亀市と高松市以外の情報は、あまり手元にありません。香川県のハッカチョウの情報があればお知らせ下さい。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

2011年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●岡山県
 1998年4月に笠岡市六島での記録があります。その後、長らく記録はありませんでしたが、2013年以降、南部の平野部を中心に記録が点在しています。赤磐市では継続して確認されており、営巣も確認され、少数が定着していると考えられます。
 手元の情報に、日本野鳥の会岡山県支部支部報「野鳥おかやま」に掲載された情報を加えて作製した分布図は以下の通りです。この他に、2015年に津山市での記録があります(「岡山の野鳥たち」(2015年、倉敷市立自然史博物館))。

※手元にある情報は次の通り。
・赤磐市松木:旧赤磐郡熊山町庁舎、2017.5.11、2019.4.22
・赤磐市馬屋:山陽自動車道高架、2016.6.4、2019.4.22
・岡山市中区 百間川:2020.11.13、2020.11.26

2013年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●京都府
 1970年代に京都市で繁殖したのが、西日本で最初のハッカチョウの繁殖例といいます。しかし、元の詳細情報は確認できていません。その後、2015〜2016年に長岡京市や大山崎町で繁殖していたようで、2015年6月4日の京都新聞に大山崎町円明寺の小泉川沿いのハッカチョウが掲載されています。2020年以降は宇治川沿いで繁殖が確認されています。
  その他、2006年頃に八幡市、2015年に京都市中京区、2017年に巨椋干拓地、2018年に竹田駅、2019年に宇治川でも記録があると聞きました。具体的な情報を求めています。古い情報を含めて、京都府のハッカチョウ情報を探しています。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

※手元にある情報は次の通り。
・京都市右京区西京極西中島町:2006.1.7
・京都市伏見区深草西川原町 鴨川左岸(十条通下流):2013.12.22
・京都市南区上鳥羽勧進橋町 鴨川右岸(竹田街道下流):2013.12.22
・長岡京市下海印寺:2015.5.22、2016.5.18
・長岡京市奥海印寺火ノ尾:2018.5.16
・久御山町東一口:2020.4.15、2020.5.23、2020.5.28、2020.6.29、2020.7.21、2020.7.27、2021.5.23
・久御山町西一口:2020.12.5
・久御山町大橋辺北島:2020.5.28
・宇治市莵道車田:2020.6.14
・宇治市槇島町郡:2021.5.6

2013年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●奈良県
 2018年に大和郡山市で繁殖したらしく、エサ運びが観察されています。2019年以降も周辺で観察されています。定着したのかどうか、今後の動向を注目しているところです。
 手元にある情報に基づく分布図は以下の通りです。

※手元にある情報は次の通り。
  →この他に2020年6月頃に近鉄平端駅周辺で観察された可能性があります。
・大和郡山市下三橋町:2018.6.15、2019.6月
・大和郡山市美濃庄町 平和小学校周辺:2019.9.21、2019.11.11、2020.6.1、2021.1.3、2021
・大和郡山市大江町 的場古池公園周辺:2021.4.5、2021.5.3

2018年〜2021年5月の情報(赤●:4〜7月、白○:8〜3月)


●滋賀県
 2006年〜2007年には大津市の雄琴〜堅田に定着していたらしく、繁殖記録もああります(日本野鳥の会滋賀「におのうみ」に2007年雄琴での繁殖記録。他にネットにも近くの別の場所での画像がアップされています)。2008年以降、消失したようです。しかし、また記録される可能性があります。

※手元にある情報は次の通り。
・伊香郡西浅井町大浦、2016.4.14
・大津市衣川1丁目:琵琶湖岸、2007.1.9、2007.8.1
・大津市本堅田2丁目:堅田港、2006.1.6、2007.1.9
・大津市雄琴:雄琴川河口付近、2007.2.28、2007.3.3、2007.4.11、2007.4.19、2007.6.7
・大津市雄琴3-600-1:滋賀建機(株)雄琴営業所、2007.6.13、巣に出入り


●愛媛県
 1995年2月に四国中央市(当時の川之江市)で記録されたのが、唯一の記録でした。しかし、2015年4月に四国中央市で確認記録をいただきました。今後、香川県に隣接する四国中央市で可能性がありそうです。愛媛県でのハッカチョウ情報があればお知らせ下さい。

※手元にある情報は次の通り。
・四国中央市土居町津根:2015.4.23


●東京都
 手元には、1982年の武蔵村山市の情報があるのみですが、1970年代から1980年代には、立川市や日野市、昭島市、湾岸部などで繁殖していたといいます。しかし、詳細は把握していません。2000年以降は生息情報もないようです。具体的な情報、あるいは報告が載っている文献に心当たりがあれば是非お知らせ下さい。

※手元にある情報は次の通り。
・武蔵村山市本町1-70:1982.8.8
・武蔵村山市学園5丁目 東京経済大学武蔵村山キャンパス付近:1982.12.13


●千葉県
 木更津市で記録があります。小櫃川河口で記録があり、数年間生息していたとも聞きました。その他、繁殖記録もあると聞いたのですが、これまた詳細は不明です。
 勝浦市から情報を頂きましたが、定着繁殖しているのか不明です。勝浦市周辺をはじめ、千葉県のハッカチョウ情報があればお知らせ下さい。かつての木更津市の具体的な記録も探しています。

※手元にある情報は次の通り。
・勝浦市:2020.6.18


●その他の県
 【沖縄県】与那国島などで記録があります。自然分布と考えられています。
 【鹿児島県】1981年9月に出水市で記録されているのみ。自然分布として扱われることがあります。
 【長崎県】2018年6月に長崎市で記録されています。
 【高知県】1970年代後半から1980年代前半に、南国市の高知大学農学部(物部キャンパス)付近に数年間生息してました。
 【山口県】1996年に下関市での記録があります。
 【広島県】2008年12月と2009年3月に広島市佐伯区で記録があります。1997年以前にも記録されているようなのですが、詳細は不明です。その他に、呉市で見たという記述を見たことがあります。
 【和歌山県】1983年6月に那智勝浦町で記録されて以降、記録はなかったのですが、2019年3月に田辺市で記録されました。田辺市では複数個体が観察されているので、繁殖・定着している可能性があります。
 【新潟県】1980年8月に小千谷市での記録があります。
 【埼玉県】1970年代〜1980年代には各地で見られ、繁殖もしていたようです。1994年に行田市、1997年に鴻巣市での記録があるようですが、詳細は把握していません。
 【山形県】2019年7月に鶴岡市で観察されています。繁殖しているかは不明です。

 その他、国立環境研究所の侵入生物データベースには、愛知県、栃木県、福島県でも記録があるとされています。しかし詳細な情報は判りません。また、1989年に長野県佐久市の記録があると聞きましたが詳細は不明です。情報が載っている文献に心当たりがあれば、是非お知らせ下さい。