ギャラリー > 屋久杉

鹿児島から約60Km南の島、屋久島には、スギの巨木が生えており、この大きなスギを屋久杉と呼んでいます。スギは生えている地方によって、少しづつその性質に差があり、それぞれの地方名で呼ばれています。屋久杉もそのような地方名のひとつです。大木ということでも、長寿ということでも、屋久杉は日本の樹木を代表するものと言えるでしょう。
ここに展示してある屋久杉の樹齢は、約1000年、長い径は1.8mあります。1000年前、平安時代に芽生えた種子は、年輪を重ね、太り、大きくなってきました。最初の200年間ほどは年輪の間隔がとても狭く、その後、急に年輪幅が広くなっています。おそらく上をおおっていた木が倒れ、太陽の光が直接にあたるようになったのでしょう。
中央の太い幹を取囲むように、細い木の断面が見られます。やがてそれぞれの年輪がつながり、全体が同じ年輪でつつまれていく様子がよくわかります。細い木の断面のように見えるものは、枝があるいは根元からでた萌芽が成長し、幹と合着したものです。この木が生きていたときには、幹は一本の太い木のようにみえていたことでしょう。