第3展示室 > わたしたちはどこから
A.せぼねをもつ動物

せぼね(背骨)をもつ動物は、脊椎動物とよばれている。下等なものをのぞくと、体の内部にかたい骨があり、骨がつらなって骨格を形づくっている。この骨に筋肉がつき、体を自由に動かすことができる。体は左右対称で、頭・くび・胴体・尾とつながり、これに運動器官として前足(つばさ・むなびれ)と後足(しりびれ)がついている。
下の表にある動物はみな、共通の祖先から分れて今の姿に進化してきた。無顎類の特別なグループから顎のある魚が生まれ、魚のうちの特別なグループが両生類的な段階をへて、陸上生活をする爬虫類へと進化した。での鰓のあった部分は、自由に動く首となった。爬虫類のあるものから、羽毛をもつ鳥類が生まれた。体毛のある哺乳類も、爬虫類のなかの獣形類から発展してきたものである。そして私たちも、その一員である。
いま、地球上にすむ脊椎動物は、次ぎの7つに大きくわけられる。
・無顎類(ヤツメウナギなどの円口類)
・軟骨魚類(エイやサメなど)
・硬骨魚類(ふつうの魚)
・両生類(カエル・イモリなど)
・爬虫類(ヘビ・トカゲ・カメ・ワニなど)
・鳥類(鳥)
・哺乳類(けものとヒト)
脊椎動物の進化は、彼らが、誕生した海のゆりかごを離れ、淡水生活を経て、厳しい陸上生活へ適応してきた過程である。その中で、彼らは体のつくりや生活の仕方を変化させ、より高度な活動能力を備えるようになった。そしてもうひとの重要な側面として、親と子のきずながしだいに強まってゆくことがあげられる。


魚類: 魚は水の中で卵を生む。卵はゼラチン質に包まれていたり、ねばりけのある物質で付着したり、ばらばらで水中をただよったりする。

両生類: 卵は淡水の中へ生みつけられる。卵はゼラチン質に包まれているが、水の乾きには弱い。オタマジャクシも水中で生活し、変態してようやく陸上生活ができる。

爬虫類: 石灰質の殻をもつ卵を、陸上へ生む。生れてくる子供(胚)は卵殻内の羊水に浮んだ状態で大きくなる。胚の出す尿は尿のうにためられる。卵の発育が陸上で可能になり、完全な陸上生活ができるようになった。

鳥類: 卵殻のなかの白味(卵白)と黄味(卵黄)は、胚のための栄養分である。胚は羊水につかり、卵黄の上に乗っている。親鳥は卵をあたため、ひながかえると餌を運んで育てる。

哺乳類: 母親の子宮の内側に、受精卵がくっつき、そこに胎盤ができる。胎児へは、血液をなかだちにして栄養が運ばれ、老廃物が運び出される。生み出された子は、母親の乳をのんで育ち、長期間にわたって親の保護を受ける。


しかしながら、このような脊椎動物の分け方は、進化の段階をあらわすもので、真のしんるい関係をあらわしたものではない。それは、系統図にしめされた、爬虫類と呼ばれる動物たちのしんるい関係を見るとよくわかる。(柴田)