第2展示室 > 哺乳類の時代
E.グリーンタフ変動


新第三紀に入ると、それまでアジア大陸の東のへりを形づくっていた日本列島の日本海側やフォッサ・マグナ地域では、火山活動をともなったはげしい陥没と沈降がおこった。そして、そこへ海が入りこみ、まず厚い火山の噴出物が、ひきつづき泥岩と砂岩の厚い地層が堆積した。海底に蓄積した火山噴出物は変質して、グリーンタフ(緑色凝灰岩)とよばれる岩石になった。
この約2000万年前にはじまる地殻変動(グリーンタフ変動)によって、日本海が生まれ、日本列島は大陸から切り離されて、弧状列島として生まれかわった。
現在グリーンタフが分布する地域には、豊富な金属鉱床をはじめ石油や天然ガスが埋もれているが、それらもこの時つくられたものである。


●グリーンタフ地域と日本の火山

日本は火山の多い国である。活火山と休火山が60あまり、死火山もふくめると約200の火山がある。このような私たちが火山とよんでいる山は、すべて第四紀の火山活動によってできたものである。
火山の分布をみると、グリーンタフの分布とよく似ている。第四紀の火山は第三紀の火山活動をひきつぎ、ほぼ同じ地域に噴出した。中新世のはじめ、グリーンタフ変動をもたらした地下深くの構造が、今日までも影響をおよぼしているのである。