第2展示室 > 哺乳類の時代
C.二上山


二上山は、“サヌカイト”をはじめとする安山岩などの溶岩や凝灰岩、湖に堆積した地層などからできている。二上山の火山岩類は、千数百年前、第一瀬戸内海の時代に、激しい火山活動の結果、できたものである、この頃、愛知県設楽地方や瀬戸内海沿岸の各地でも一連の火山活動があった。
活動のおわった中新世の二上山は、長い地質時代のあいだ浸食され、火山としての姿を失った。その後の地殻変動は、二上山とその周辺一帯を隆起させた。花こう岩よりも浸食されにくい火山岩でできた二上山は、まわりからそびえ立つ山となった。


●鹿谷火山岩

二上山をつくる岩石や地層の中で、最初に噴火してかたまった火山岩である。激しい噴火で、火山灰、軽石、火山ガス、岩片まどがいりまじって噴きだした。たまった後も高温のままの場合は、それらがたがいにくっつきあって、かたい岩石(溶結凝灰岩)となる。そのさいに、軽石は押しつぶされてへん平になっている。古代には、この鹿谷火山岩を石棺の材料などに利用した。

●サヌカイト

サヌカイト(讃岐岩)は安山岩の一種で、たいへんちみつでまっ黒な岩石である。風化した表面は白くなっており、そこに溶岩が流れたことをしめす流理構造が、平行するすじとなって浮きぼりにされていることがある。たたき割るとするどい縁を持ったかけらができ、石器時代には、槍さきや矢じりなどのよい材料とされていた。