いきもの いっぱい 大阪湾 開催概要

観覧料

大人500円、高校生・大学生 300円(30人以上団体割引あり)、中学生以下無料
※本館(常設展)とのセット券は、大人700円、高大生400円。
※障がい者手帳などをお持ちの方、市内在住の65歳以上の方(要証明)は無料。
※本館(常設展)、長居植物園への入場は別途料金が必要です(セット券を除く)

開館時間

午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日

毎週月曜日(ただし月曜日が休日の場合は翌日)

主  催
大阪市立自然史博物館
後  援
大阪府教育委員会、大阪湾再生推進会議、大阪府漁業協同組合連合会
協  力
船の科学館・海と船の博物館ネットワーク、日本財団助成
展示協力
泉佐野漁業協同組合青年会、稲本絵美、浦野信孝、大古場正、大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター、大阪府立中央図書館、大阪文化財研究所、音揃政啓、風間美穂、関西学院大学図書館、京都大学フィールド科学教育センター瀬戸臨海実験所、倉敷市立自然史博物館、国立国会図書館、小藤政子、篠山市教育委員会、樽野博幸、ドレクセル大学自然科学アカデミー、中村 進、鍋島靖信、花崎勝司、兵庫県立人と自然の博物館、福井市自然史博物館、細田龍介(五十音順・敬称略)

開催場所

大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール
(長居公園 花と緑と自然の情報センター2F)
〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23 
TEL06-6697-6221

アクセス

地下鉄御堂筋線「長居」3号出口・東へ約800m
JR阪和線「長居」東出口・東へ約1000m

画像:会場ご案内図
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特別展「いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」 みどころ

大阪湾の歴史

江戸時代から始まった干拓、明治以降の港湾の開発、そして現在の姿までを、絵図や海図等によって紹介します。

明治時代の海図(大阪府立中央図書館所蔵)

画像:明治時代の海図明治18年〜37年の測量に基づいて作られた大阪湾の海図です。大阪港の築港にともない、湾奥ではすでに埋め立てが始まっていますが、それ以外の沿岸域では開発はほとんど行われていません。当時、大阪湾では延々と砂浜が連なっていたことがわかります。 ※明治時代の海図の実物の展示期間は8月1日(木)から9月1日(日)までです(休館日を除く)。


大阪湾の基礎データ

大阪湾の地形、海流、水質、水温などの基本環境について、海底地形模型などを用いて解説します。

フジツボいろいろ

画像:塩分濃度の低い場所(内湾の河口等)で見られるタテジマフジツボ フジツボは幼生期を終えて岩などに付着すると、そこから一生動きません。種類によって好む水質が異なるので、水質環境の指標となります。この特別展ではいろいろなフジツボの実物標本を展示します(写真は塩分濃度の低い内湾の河口などで見られるタテジマフジツボ)。


沿岸の自然

海峡、干潟、砂浜、磯、再生自然環境といった沿岸の自然と、そこにすむ生き物1000種を実物標本と水槽展示で紹介します。

磯や干潟の生き物を水槽で展示

画像:干潟にすむアシハラガニ 大阪湾の南東岸、大阪府岬町から和歌山市加太には自然の岩礁海岸が残されているほか、淀川河口や男里川を始めとする泉南の河口には干潟があります。特別展ではこのような磯や干潟の生き物を水槽で飼育展示します(写真は干潟にすむアシハラガニ)。

岬町豊国崎で採集したワカメの押し葉標本

画像:岬町豊国崎で採集したワカメの押し葉標本 ワカメは北海道から九州の磯に生息する褐藻で、日本人にとって最もなじみ深い海藻です。大阪湾でも漁獲され出荷されています。売られているワカメは乾燥させたり塩づけになったりしていて元の姿がわかりにくくなっていますが、生きている時のワカメは大きくなると2メートルを超えることもあります。会場で背くらべしてみよう。


大阪湾の漁業

大阪湾で行われているいろいろな漁業について、実際の漁具や映像、写真で解説します。

岬町多奈川で使われていた素焼きのタコ壺

画像:岬町多奈川で使われていた素焼きのタコ壺隠れ家となるような空間を好むタコの性質を利用した「タコ壺漁」は、古くから各地で行われてきました。現在のタコ壺はほとんどがプラスチック製ですが、以前は素焼きのタコ壺が使われていました。1970年代以前に岬町多奈川で実際に使われていた素焼きのタコ壺も展示します。

長さ100メートルのバッチ網

画像:長さ100メートルのバッチ網バッチ網とは、カタクチイワシやイカナゴのシラス(魚の子ども)をとる網です。袋の形をした網の両側にそで網がついていて、写真のような2隻の船で引っ張って魚の群れを狙います。形がパッチ(ももひき)に似ていることからこの名前があります。会場では長さ100メートルのイカナゴ用バッチ網を展示します。


昔の大阪湾

浮世絵、絵図、昔の絵はがきや写真などにより、江戸〜昭和にかけての大阪湾の原風景を紹介します。

兵庫県漁具図解(関西学院大学図書館所蔵)

画像:イカナゴ地曳網使用図(明石郡垂水村ノ内塩屋村)1897(明治30)年に神戸の和楽園で開催された第2回水産博覧会に出展するために、大日本水産会兵庫支会が編集・刊行した資料です。兵庫県下の地域ごとの漁具・漁法について、それらを彩色で図解するとともに、魚種・漁期、漁具新調にかかる経費、使用法などを調査・記録した貴重な資料です。今回の特別展では、大阪湾沿岸の各地域(尼崎、神戸、明石、淡路島東岸)が含まれる巻の実物を展示するとともに、原図の高精細デジタル画像を来場者が自由に拡大閲覧できる展示を設けます(写真は「イカナゴ地曳網使用図(明石郡垂水村ノ内塩屋村)」。 ※資料保護のため、実物は展示替えを行います。

浮世絵や絵図にみる江戸時代の大阪湾

画像:浮世絵や絵図にみる江戸時代の大阪湾各地の名所を描いた浮世絵の出版が江戸時代に流行しました。大坂でもいくつか出版され、その中には大阪湾の原風景がかいま見えるものもあります。例えば江戸後期に刷られた大坂の名所百選を描いた「浪花百景」の中の「住吉高とうろう」(写真)では、住吉の門前に広がる浜と、潮干狩りを楽しむ人々が描かれています。

大阪湾の昔の絵はがき(風間コレクション)

画像:舞子海岸の絵はがき(昭和初期)明治時代の写真の普及とともに、各地で絵はがきが発行されるようになりました。昔の風景や景観を知るうえで、絵はがきはとても参考になる資料です。この特別展では明治~昭和期に発行された大阪湾沿岸の各地の絵はがきを紹介します(写真は昭和初期の舞子海岸の絵はがき)。

大阪湾の昔の写真

画像:大阪湾の昔の写真この写真は1958(昭和33)年当時の浜寺(大阪府堺市)の様子です(写真提供:浦野信孝氏)。戦後の高度経済成長期に湾岸の開発で埋め立てが始まるまで、大阪府下でもこのような自然の渚が広く見られました。会場では市民の皆さんから募集した大阪湾の古い写真を展示します。


外海とのつながり

大阪湾は広大な外海とつながっている海です。そのつながりは外洋の生物の訪問で知ることができます。

マッコウクジラ全身骨格標本

画像:堺泉北港に漂着したマッコウクジラ(全身骨格標本) 画像:ダイオウイカの歯(大きい方)2010(平成22)年5月、体長9.1mのメスのマッコウクジラが大阪府の堺泉北港に死亡漂着しました。自然史博物館ではこのマッコウクジラを回収し、解体して骨格標本として収蔵しました。今回の特別展では、この骨格標本を生きている時の姿に復元(全身骨格標本)して展示します。
また、マッコウクジラはイカを食べることで知られており、解体時に胃から大量のイカ類の歯(顎板)を回収しました。そのうち、種類のわかった10数種を展示します。写真は約2900個の歯の中から1個だけみつかったダイオウイカの歯(大きい方)です(小さい方はスーパーで買ってきたスルメイカの歯)。


大阪湾の抱える問題

自然海岸の消失、富栄養や赤潮、貧酸素水塊と青潮、外来生物など、大阪湾が抱える様々な問題を標本や写真で解説します。また、大阪湾の環境調査や自然保護に取り組む各地の市民団体の活動を紹介します。

大阪湾から消えた生き物

画像:ハマグリかつて大阪湾の沿岸には、河口部を中心に広大な干潟が広がっていました。しかしながら、昭和以降の沿岸部の開発と埋め立てにより、多くの干潟が失われました。それに伴い、ハマグリなど大阪湾から消えた生き物もいます。写真は大阪の貝類研究家・吉良哲明氏(1888-1965)のコレクション(当館蔵)にある摂津住吉(大阪市住之江区)産のハマグリの標本です。他にも明治から昭和初期にかけて大阪湾で採集され、国内・海外の博物館に収蔵されている貴重な標本を紹介します。


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