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「ホネホネサミット2009」プレスリリース
本展では、ミンククジラ、ジュゴン、ダチョウ、アホウドリ、アカウミガメなど、大阪市立自然史博物館で所蔵する標本を中心に、多数のホネの標本を展示します。

単にホネの標本を並べるだけでなく、ホネを使って学んだり、ホネを楽しんだり、ホネを見る視点を提案します。同時にホネとかかわるさまざまな団体や専門家の紹介も行います。

ホネには一般的に不吉なイメージがありますが、その形に魅了される人も数多くいます。2005年秋から2006年夏にかけて、INAXギャラリーで開催された「小さな骨の動物園」展は、大阪、名古屋、東京の3会場でたいへん好評を博しました。この展示会での骨格標本の約8割は、大阪市立自然史博物館の所蔵標本で、生物の構造に興味を持った美術関係者も多数来場し、この展示によって、骨はその形の面白さから、多くの人に訴える力を持つことが明らかになりました。

大阪市立自然史博物館では、2003年より「なにわホネホネ団」というサークル活動を続けています。動物の死骸を、皮と骨の標本にする活動団体です。こうした動物の標本作りに興味を持つ人は多く、子どもたちを含め、年々活動の輪は拡がっています。
この特別展を通じて、より広い人々にホネの魅力を伝え、博物館を中心にしたホネの輪を広げていきたいと考えています。
アカウミガメの頭骨
アカウミガメの頭骨は大きく、恰好の良い形をしている。 特別展では、このアカウミガメの全身骨格を展示。
キツネの全身骨格
キツネはイヌ科なので、ホネで見るとイヌのように見える。

7月26日(日) 午後2時〜4時
自然史博物館本館 講堂
「一学者、死体と闘う」遠藤秀紀(東京大学総合研究博物館)
 ”死体と闘うことが、私の仕事だ、死体は人類がまだ手にしていない真実を隠しもつ。死体を見て、死体に触れて、死体を切って、死体に真実を語らせて、最後にそれを未来へ引き継ごう。それが私にできる唯一の闘いだ。”



<講師自己紹介>
 東京台東区は下谷・根岸が故郷。1965年生まれ。林家三平(もちろん先代)師匠をまぶしく仰ぎ見、朝顔市を一年で最高の楽しみに思いながら育った。人生の大半を都心で暮らし、生物学のセンスは豊かな自然に育まれた子供が品行方正に身につけるものというよくある作り話を、木っ端微塵に打ち砕く。実際の子供の僕は、鶯谷駅の脇から北行きのディーゼルカーや蒸気機関車を間近に見る毎日。将来は国鉄の人になって夢のある鉄道車輌を作りたかったが、願いかなわず。いまは東京大学総合研究博物館(http://www.um.u-tokyo.ac.jp/people/faculty_endo.html)に禄を食む。少し前まで、国立科学博物館の研究員や京都大学霊長類研究所の教授をしていたこともあった。最近では、自分の仕事を、「遺体科学」と呼ぶ。何をするかといえば、死体集めだ。動物の死体を無制限無目的に集め、メスとピンセットを手に、自分の眼と指先で死体と対決する。五感をもって発見を成し遂げ、人類に新しい知をもたらすのだ。今流に合理的に説明づけられない徹底した収集と解剖は、だがしかし、恥ずかしくないいくばくかの知見を得る。ニワトリの肢、アリクイの顎、パンダの掌、イルカの気管、エイの心臓などを眺めながら、あれっと思うたびに、発見を世に送る。死体を注視しながら、からだの歴史についてぼんやりと考えている時間が、何より好きなのである。そして最後には、遺体現物を未来に残す。説明責任とかいう行革マニアのアリバイ作りが伴う収蔵庫建設は、自分の性に合わない。好きな死体を有無を言わせずできるだけたくさん残すのが、未来の文化へのもっとも正しい貢献だと信じつつ、今日も死体を担ぐ。結局、死体に隠された進化の謎を追い、死体を文化の礎として未来へ引き継ぐべく駆けずり回る毎日が、楽しい。本屋へ行くと、「人体 失敗の進化史」(光文社新書)、「パンダの死体はよみがえる」(ちくま新書)、「解剖男」(講談社現代新書)などが並んでいるが、本当は小説を書いていたいのだ。実は獣医師だが、もちろん動物の命を救うことはない。イヌやネコの命を救う手技自体は、営業とはなり得ても、科学とは関係が乏しいからだ。それよりも、死と現代社会の間柄を斬りながら、日々を生きよう。今日はそんな自分の毎日を皆さんと語り合えれば嬉しく思う、だけどやはり、解剖より、鉄道模型や東宝特撮や純文学の方が得意かも。

8月22日(土)〜23日(日)
 2003年より、「なにわホネホネ団」が大阪市立自然史博物館を舞台に活動を始めました。当初は、ほんの数名が細々と活動していたが、現在では登録団員100名を超える大所帯になっています。「なにわホネホネ団」の主な活動内容は、博物館に集まった動物の死体を、博物館で保存するために標本化することです。しかしそれ以外に、各地のイベントに出掛けていって、動物の死体を標本として残すことの意義の普及にも努めていますし、なによりこうした標本の製作活動の楽しさを広めようとしてきました。
 「なにわホネホネ団」以外にも、日本各地の自然史系博物館周辺には、動物の死体を標本として保存しようと活動してい方々がいます。日本各地にホネの魅力にとりつかれ、個人で骨格標本を作製している方がいます。こうした同好の士が一同に集まって、それぞれの技術を伝えあったり、さまざまな情報交換をしてみたいと考え、今回、ホネホネサミットを企画しました。ホネに興味のある方の参加をお待ちしています。

主催:なにわホネホネ団、大阪市立自然史博物館、NPO法人大阪自然史センター
「ホネホネサミット2009」プレスリリース 
ホネホネサミット2009 WEBサイト(準備中)
アクセス
地下鉄御堂筋線長居駅から東へ約800m
JR阪和線長居駅から東へ約1km
「花と緑と自然の情報センター」入口からご入場下さい。植物園ゲートからご入場されますと植物園観覧料が別途必要になります。
交通地図公園地図