特別展「牧野富太郎と植物画展」の開催について 

 大阪市立自然史博物館では,6月9日(土)から7月22日(日)まで,花と緑と自然
の情報センター2階のネイチャーホールにおいて,特別展「牧野富太郎と植物画展」
を開催します.
 日本が世界に誇る植物学者・牧野富太郎博士は,95年の生涯のすべてを植物研究に
捧げました.全国の山野でフィールドワークを行い,2500もの新植物に名前をつけま
した.日本の「植物学の父」と呼ぶにふさわしい人です.
 牧野博士は,また,植物画の名手でもありました.精密かつ力強い筆使いで,植物
の「種」としての典型の表現をめざした図で,その画法は「牧野式」と呼ばれました
.植物を最もよく知る植物学者によって描かれた図には,みずみずしい生気が宿り,
学術的価値に加えて,美術的にも高く評価されています.
 本展は,高知県立牧野植物園が所蔵する牧野博士の植物画をはじめ,博士の植物画
コレクションの他,博士の遺品やエピソードを通じて,牧野富太郎の人間的魅力を紹
介します.清貧にあっても自由気ままに植物を愛し続け,植物研究に一生を捧げた牧
野博士の生き方は,現代の私たちに大きな感動を与えてくれることでしょう.

1.導入ギャラリー
2.牧野富太郎の生涯
3.牧野富太郎と関西
4.牧野式植物図を読み解く
・記載のために描く
・種の典型を描く
・正確に描く
・精密さ
・構成力
・筆による描法
・印刷へのこだわり
5.牧野式植物図の変遷
・本草風の図法の時代 明治11〜15(1878〜1882)年/16〜20歳
・西洋の影響 明治16〜23(1883〜1890)年/21〜28歳
・「牧野式植物図」の確立 明治24(1891)年/29歳
  ◇『日本植物志図篇』で「ムジナモ」の図を発表
・「牧野式植物図」の完成 明治33(1900)年/38歳
  ◇『大日本植物志』の刊行
6.画工の作品

【主な展示品】
1.牧野富太郎の植物図 約150点
2.関根雲停,山田壽雄,服部雪斎,渡邊鍬太郎など幕末から明治の画工たちの作品
 約50点
3.牧野富太郎の遺品や生涯を物語る資料 「臍の緒袋」から「愛用の採集用具,観
察用具」,「競売通知書」,「妻,壽衛との手紙のやりとり」など,約100点