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マサカカツオブシムシ
Thylodrias contractus
情報
情報のあて先は〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23 
大阪市立自然史博物館・昆虫研究室 初宿(しやけ)あて
電子メール:shiyake@mus-nh.city.osaka.jp
電話:06-6697-6221 FAX: 06-6697-6225
左がオス,右がメス.ともに大阪府産.
 マサカカツオブシムシThylodrias contractusはちょっと変わった,とても小さなカツオブシムシです.これまで国内では名古屋や京都などからしか知られていませんでしたが,最近になって,大東市,西淀川区,東住吉区など大阪近辺で次々に見つかり始めています.あなたの家にこのような虫はいませんか? ぜひ探してみてください.

どのような虫か?
●[形態] カツオブシムシ科に属していますが,他のなかまと比べると似ても似つかない形態をしている.雌雄とも左右の複眼の間に単眼を持つ.
 オス♂:体長1.8-2.5mm.淡黄色.体型は細長く,触角と脚は長い.上翅は通常の状態でも先端部2/3は接合しない.一見,小さなジョウカイボン類に似ており,実際にジョウカイボン科に属していた時代もあった.なお,本種の飛翔を目撃した人によれば,ちょうどユスリカが飛んでいるように見えるそうである.
 メス♀:淡褐色.前,後翅を欠く楕円形の幼虫型で,♂とは全く違った形態.(国内からは冨永1998が初めて記録)
 幼虫:よく見られるヒメマルカツオブシムシの幼虫に類似するが,腹部末端の毛束と背面の長い毛を欠く.各節末端に剛毛列をそなえ,前胸のそれは棍棒状となる.
●[分布] 国内ではこれまで京都,名古屋で記録があったが,大阪でも各地で見つかり始めている.これらの記録から,都市部に特異的に見られ,近年になって各地に拡がり始めているのではないかと予想している.なお,国外ではロシア,欧州,北米(帰化)に分布する.
●[食性] 他のカツオブシムシ類と同様,乾燥した動物質に広くつくと考えられており,絹,毛,モスリンなどの衣類のほか,昆虫標本や陸貝標本への食害も記録されている.
●[発生消長] 成虫になるには通常1年かかると見られている.幼虫は3〜4年絶食しても死なないといわれる.

参考文献
  • 大林延夫1985.カツオブシムシ科.原色日本甲虫図鑑第3巻,保育社.
  • 冨永修1998.まさかと思った日本初記録のマサカカツオブシムシのメス.Nature Study 44(6): 6.
  • 初宿成彦1998.最近都市部で増えているマサカカツオブシムシ.第25回特別展「都市の自然」解説書.大阪市立自然史博物館.
  • Hinton, H. E. 1945. A monograph of the beetles associated with stored products. Volume 1. British Museum (Natural History).
  • 吉道 俊一,加藤 敦史(環境衛生薬品−環境生物検査室),初宿 成彦(大阪市立自然史博物館)(1999.10).マサカカツオブシムシ(カツオブシムシ科)の大阪における追加分布記録と発生消長.日本環境動物昆虫学会(奈良女子大学)講演要旨.
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