クマゼミ予報(大阪)2016年

[ページ開設: 2016年6月28日]

 大阪市内のクマゼミ。2016年の発生状況について予報をお伝えします。

項目 予報/観測結果 備考
発生量  A:とても多い  A:とても多い/B:多い/C:少ない/D:とても少ない 
初鳴日  6月27日(観測済み:大阪管区気象台)  平年は7月8日。桜でいう「開花」。
梅雨明け  7月18日発表(観測済み)  平年は7月21日。 
うるさい始まり  7月18日ごろ 80デシベル以上目安。蝉しぐれ状態。桜でいう「見ごろ」。
ピーク 7月28日ごろ 平年は8月2日。桜でいう「満開」。
うるさい終わり  8月6日ごろ 桜でいう「散りはじめ」。
終鳴 8月28日ごろ 桜では最後の1輪が散った状態(誰も見てないが)。早い年ではお盆ごろには、静かになっていることがあります。 

クマゼミの鳴く時間

1.クマゼミの最もうるさい鳴く時間帯は?

 クマゼミは合唱型で、鳴く時間帯がかなり決まっているセミです。いつが最もうるさいか。騒音計をかけっぱなしにして計測してみると、だいたい8時半ごろが最も大きな値になります。通勤、通学のときに「うるさいなあ」と思われる方が多いでしょう。逆に、昼下がりなど、1匹も鳴いていない時間帯もあります。

 
騒音計での計測記録。X軸:0時→朝→昼→夜→0時。朝5時半から9時すぎまで 鳴いていることがわかる。

2.早起き? 

 朝早くから「ワシワシ・・・」と鳴き、これで起こされる方も多いでしょう。
 山間部や山地にすむヒグラシは早朝、少し明るくなったのを察知して一斉に鳴き始めます。8月前半でだいたい4:40ぐらいです。ニイニイゼミも早起きです。
 同じ時期、クマゼミの鳴き始める時間は、早くても5時です。すっかり明るくなってから鳴くセミです。朝早くに大阪市内で観察していると、夜が明けてしばらくして、かなり明るくなってから、あちこちで鳴き始める波がやってきて、やがて公園中がうるさくなる・・・、という感じです。


クマゼミと気象

1.クマゼミの初鳴日はどのように決まるか?

 要素は2つあります。春から初夏の気温推移と、その年のクマゼミの発生量です。
 気温が高めに推移すると、と地中のクマゼミ幼虫も、早く成長し、羽化が早まります。
 クマゼミ幼虫は春先には、その年に羽化するかどうかをすでに決断しています。その年の発生量はあらかじめ決まっていると言ってもよいでしょう。発生量が多いと、平均(ピーク)より早めに出現するセミが出てくることになります。ですから、仮にまったく同じ気温推移であったとしても、セミの発生量の多い年は、少ない年よりも、初鳴日は早まります。

 気温が低めに推移しても、発生量が多いと、初鳴が逆に早まる場合がある。

2.2016年の予報概要

 このような考え方を基にして、計算して予想されたのが上の表です。

 2016年の春から初夏の気温推移は高めでした。また発生量が多そうです。そのため、記録的な早さの、クマゼミ初鳴日となりました。大阪でのクマゼミ初鳴観測が始まった1976年以降では3番目に早い記録です。7月28日ごろのピーク時、クマゼミの音量は例年に比べ、たいへんうるさいことでしょう。

 年によってはお盆のころには、クマゼミの鳴き声がすっかり収まっていることもありますが、2016年は発生量が多いため、早くに始まり、遅くに終わる年になるでしょう。8月下旬までクマゼミの鳴き声が残っていることと思います。

3.梅雨明け vs. クマゼミ初鳴

 2016年は梅雨の最中にクマゼミが鳴き始めましたが、これは通常のことで、最近20年(1996年から2015年)では、だいたい平均して2週間ほど、クマゼミの初鳴のほうが、梅雨明けよりも早くなっています。
 気温の推移(>クマゼミの発生日に影響)と梅雨明け日は、さほど関係がありませんから、これが逆転することが稀ながら起こります。近年では2011年がそうでした。梅雨明けが早めの7月8日だったのに対し、気温の推移はさほど高くなく、クマゼミの初鳴きが7月11日だったので、この年は「梅雨が明けたのに、なぜクマゼミが鳴いていないの? 異常では?」との疑問が、たくさん寄せられることになりました。私自身も、梅雨明けの青空を眺めながら、クマゼミのまだ鳴いていない大阪市内の公園の状況を見て、奇妙な気持ちになりました。

4.2018年はクマゼミの静かな夏が来る?

 クマゼミの卵が成熟するには、ほぼちょうど1年の期間が必要です。卵がかえる(孵化)には水に反応する性質があるので、雨が降った状態が好適です。近年はクマゼミ成虫の発生=同産卵=前年の卵の孵化の時期、と梅雨が重なる部分が多くなったため、クマゼミが増えたのではないかという説があります。たしかに1970年代から80年代初めは、梅雨明けのほうがクマゼミ初鳴より早かったことがほとんどでした。カラカラの状態で、クマゼミの卵は孵化をしなくてはなりませんでしたから、あまり多くは幼虫にはなれなかったのでは?ということです。
 これと同じ状況だった2011年。この年に卵から孵化した幼虫は少なかったかもしれません。
 もしクマゼミの発生量が、1年の卵期間+7年程度の地中期間を基本としているのなら、2018年はたいへんクマゼミの少ない年になるのかもしれません。