ごあいさつ

大阪市立自然史博物館

 館長 那須孝悌

 この度,前館長の宮武さんのあとを受けて館長の仕事をする事になりました。重たい荷物がうまく背負えるかどうか判りませんが,なんとか頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 1973年3月1日に,当時靱公園にあった「自然科学博物館」に来てからもう25年になりました。着任早々に宿直当番があたってしまいましたが,戦火に焼け残った小学校の建物だったため,夜中に天井の塗装がバサッと落ちてきてびっくりさせられた事を思い出します。長居公園内の今の博物館に移転し,新たに自然史博物館としてピカピカの建物と新展示で開館したときには「ヤレヤレひと安心」と思ったものでした。しかしその後,一部の展示替えはしたものの,展示は古くなるし,標本は収蔵庫に入りきらずに溢れ出すし,いろいろな行事をしたくても担当する学芸員の分野が少ないしと,枚挙にいとまがないほどに不都合な事が目立つようになってしまいました。

 30年くらいはもつだろうと思って造った収蔵庫から標本が溢れ出すほどに増えたという事は,自然史博物館の活動が活発だった事と,とりわけ自然史博物館を盛りたててきてくださった皆さんの力が強く大きかった事を示しているのだと思います。靭公園での自然科学博物館時代には6名だった学芸員も、現在では、館長交代による欠員を回復すれば15名になっています。しかし多様な自然とつきあうためには、まだまだ足りません。今後、専門分野の数、つまり学芸員の人数も増やして、もっともっと充実した博物館にして行きたいと思います。

 溢れるほどに増えた貴重な標本を整理し保管することのできる広い収蔵庫を増築する仕事にも取り掛かれるようにしたいと思います。また、その豊富な標本資料を活かして、展示も新しくしたいものです。今後も頑張りたいと思いますのでよろしくお願い致します。


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