おすすめグッズ

 「昆虫の捕獲」(虫とり)や飼育、観察に必要な道具としては、捕虫網(ネット)、三(四)角紙、毒びんなどが思い浮かびますが、特別な道具がなくても、虫とりは簡単にできます。ここでは、最低限必要な道具や、あったら便利な道具と使い方を紹介していきます。

 
 フィルムケース

 大きなチョウ・ガ,カブトムシなどを除く,ほとんどの虫を捕獲したり,観察するのに使える便利なグッズです.どこへ行くときにもバッグの中に2,3個はしのばせておきたいものです.一時は小さな虫では飼育ケースの代わりにもなります.写真屋さんがただでくれる場合が多いので,行きつけの店にきいてみましょう.フジのネガカラーのフィルムケースが透明に近くて,最もよかったのですが,最近のものは白く濁っていて,とった虫が見えにくい欠点があります.コダックのものは黒くて,中に入れた虫が見えにくいので不適当です.容積が小さくてむれやすいので,日にあてないように注意します.ピンセットなどでフタに穴をあけておくとむれなくてよいようです.二つをお尻合わせにして毒ビン(標本をつくるために虫を殺す入れもの)を作ったり,吸虫管(小さくてつかみにくい虫を,吸って捕獲する道具)の材料にすることもできます.

 どうしても透明なものがほしいという方は,理化学機器屋さんに問い合わせてみるといいでしょう.1個30円くらいでいろいろなサイズのものがあるようです.


 ポリ袋

 最も入手しやすいものでしょう.チョウ・ガなどの幼虫を捕獲するときに食草ごとほうり込みます.透明なものを洗って干しておきます.潜葉性小昆虫(幼虫が葉に潜る小さな昆虫で,ハモグリガ類,ハモグリバエ類を指す)の観察では,そのまま飼育したりしますが,できたら家でカップなどに移したいところです.なんにでも使えますが,つぶれてしまう欠点があります.日光にあてると,むれて虫が死んでしまうので,布製のバッグの中に入れて持ち帰ります.


 アイスクリームカップ

 アイスクリームでなくてもよく,スーパーなどで売っている惣菜のカップが透明でかえってよいでしょう.洗って干して使います.できればアルコールや,耐熱品であれば加熱して,殺菌しておきたいところです.丈夫なものであれば,野外に持っていって直接幼虫などを入れます.丈夫でないものは家で飼育観察に使います.地中や地上におりて落葉の間などで蛹になる蛾類のためには,加熱殺菌した砂や土を入れてあげます.その他の昆虫では,古新聞紙を切って入れておくと,糞を掃除しやすいし,湿気の調節にもなります.


 油性フェルトペン

 いわゆるマジックペンのことです.細書き用と少し太く書けるものが両方そろった「ゼブラマッキー極細」や「サクラペンタッチ」などが使いやすいと思います.フィルムケース,ポリ袋,アイスクリームカップを使い捨てにする場合には,容器の外側に捕獲データ(どこで,いつ,誰が捕獲したか)を直接書いておきます.また洗って使用する場合には,紙に書いて中に入れます.色は黒色でよいでしょう.

 移動距離や寿命などを調査するために,アサギマダラなどのチョウのハネにマークをつける際にも使えます.マーキングでは赤色の方が目立つでしょう.


 ネット

 捕虫網のことです.これがなくても多くの昆虫を捕獲することはできますが,チョウなどのよく飛ぶ虫を捕まえるためには,どうしても必要になります.雑貨屋さんで売っているものは安価なので,初めのうちはよいかもしれません.口径が小さくて,捕獲効率がよくありませんので,こわれたら別なものを考えましょう.ネットの口径は直径38センチくらいはほしいところです.大きな釣具屋さんにある玉網の柄と枠を買ってきて,市販のナイロンネットをつける方法が,少し安価ですが,本気でスイーピング(木の枝先をなでるようにネットをふって,昆虫を捕獲する方法.カマキリの飼育などのために,小さなハエやハチを効率よく捕獲することができる)すると,柄か枠が折れてしまいます.ネットを本格的に使うようになったら,昆虫採集用具屋さん(大阪博物,城東区今福西)か,阪急百貨店などの大きなデパートで初夏にオープンする専門店で,市販品を手にとって確かめて買った方が長持ちします.ちなみに私は,にょい棒+鋼鉄四折+ナイロンネットを使っています.合計で1万円前後ですか.
 

 フィールドノート

 野帳のことです.昆虫を観察したときには,すぐメモをとっておかないと,時間がたつにつれて記憶があいまいになります.ポケットに入るサイズで縦長のものがよいでしょう.表紙がかたいと,下敷きがわりになっていいようです.ちょうどよいものが,当館友の会からオリジナルグッズとして販売されています.自然史博物館に来れる方は普及センターで購入してください.

 デジタルグッズが普及してきていますので,フィールドノートもデジタル化したところです.私もいろいろ試してみましたが,効率のよい方法はまだないようです.ペンで入力できる小型の情報端末で,手書きメモ(いわゆるビットマップ)入力するか,テキスト形式で入力するかというところでしょう.ザウルスなどではレポート用フォームがいろいろあり,さらに自由形式のフォームもあるし,自分で作成して登録することできますので,入力に時間をかければ不可能ではありません.帰宅してからパソコンに取り込むこともできます.


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最終更新日:1998年7月30日