アサギマダラ

 アサギマダラは,マダラチョウ科に属する前翅長40〜60mmの可憐なチョウである.春の北上,秋の南下を繰り返す「渡り」をするチョウとしても知られている.夏には標高1000m付近の高地帯をさまようことが最近の調査でわかってきたが,北上から「さまよい」,そして南下の行動を解発する刺激要因がまだわかっていない.2000年に台湾台北市北部の陽明山でマークされた2個体が,鹿児島県と滋賀県でそれぞれ再捕獲され,この蝶の移動範囲が日本周辺の国外にも及ぶことが明らかになった.しかし,その移動の範囲の全貌はまだ明確でなく,謎の蝶と言える.他のマダラチョウと同様に擬態現象の主役であり,食草中のアルカロイドの防御物質への転用のメカニズムが生化学分野で注目されている.オスは吸蜜植物からピロリヂディンアルカロイドを摂取しないと成熟できず,ヒヨドリバナ属などの花に強く誘引される.各地の調査結果では,性比に著しい偏りがあり,行動学における配偶戦略の材料としても興味深い.




ヨシノアザミ?で吸蜜するマークされたオス成虫
(マークは山本博子氏による)




サクラランを食べる終齢幼虫
(桂孝次郎氏撮影)




羽化が近い蛹


最終更新日:2000年11月11日
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