日本鳥学会2001年度大会の講演要旨
■■ポスター発表■■
ポスタートーク(*印) :10月6日13:00−14:00 A会場(E30)
ポスター展示コアタイム :10月6日14:00−17:30 P会場(人間・環境学研究科)

●P45* 三宅島と横浜で鳥が運んだ種子

○藤田 薫1・高橋 剛2・高橋 睦2
(1. 日本野鳥の会サンクチュアリセンター,2. 横浜自然観察の森友の会)


 鳥類が被食型散布する植物を明らかにするために,鳥類のフンを収集し,水洗いした.出てきた種子を同定し,種,季節変化,年変化などを調べた.また,少しではあるが,噴火後の三宅島でフンを採集し,鳥類の食物を調べた.


フンの収集方法:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1. 横浜で,1992年〜1998年の7年間,冬,塒箱からシジュウカラのフンを収集した.
 
2. 三宅島と横浜で,1995年10月〜1996年10月,ほぼ月に1回,林縁のアスファルト道路250mに落ちている鳥類のフンを収集した.

3. 2000年に噴火した後の三宅島で,2001年夏,2と同所ではないが,中〜大型鳥類のフンを収集した.

結 果:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
              
  未同定の種子もまだあるが,現在確認できたのは,

1.横浜のシジュウカラのフンから出た種子は16種であった.サルナシのように,少数ではあるが毎年食べられる種や,キブシのように,大量に食べられる年もあるが,毎年食べられるわけではない種があった(図).

2.横浜の1年で20種,三宅島の1年で11種であった.キブシのように,両所で食べられる時期の違う種子もあった.

3.噴火1年後の三宅島の鳥類のフンの中には,タブなどの種子と昆虫類が含まれていた.骨片も,僅かであるが見つかった.