雌をなわばりから追い払うイトヨの雄

(5.5MB, 00:00:22)
撮影日:2005/06/15
撮影場所:福井県大野市糸魚町 本願清水
種類
イトヨ(淡水型)
Gasterosteus aculeatus (freshwater type)

キーワード
なわばり
卵食い
繁殖期



佐藤ミチコ
(Michiko SATO)
2005/07/16登録


動物界 >脊索動物門 >硬骨魚綱 >トゲウオ目 >トゲウオ科 >イトヨ属 >

一般的になわばりを形成する雄は、他の雄(繁殖可能な個体)が侵入してきた時に、攻撃を仕掛けたり、追い払ったりするが、イトヨの雄は雌に対してもこのような行動を示すことがある。

イトヨの雄は繁殖期になるとなわばりを形成し、水底に巣を作る。
雌は雄が作った巣に産卵するが、卵が孵化し、稚魚が巣立つまでの世話は全て雄が行う。
雌にとって、他個体が産んだ卵は栄養価の高い餌となるので、しばしば雌がなわばり雄の巣に侵入して、その中の卵を食べてしまうことがある。
そのため、巣内にすでに世話をしている卵が多くあり、それ以上産卵を受け入れられる状態ではない場合、たとえ雌であってもなわばり外へ追い払う行動が見られる。

この映像ではまず画面左の雄(口先から鰓蓋の部分が赤い個体)が画面右の雌(地味な色・産卵間近で腹部が膨れている)をつついて追い払い、次に別の雌(腹部はほとんど膨れていない)を追い払い、同じ雌がUターンしてきたところをもう一度つついて追い払う。
その後、雄は巣に戻り、ファンニング(ヒレを動かし、巣内の卵に新鮮な水を送り込む行動)を始める。

(この映像は福井市自然史博物館友の会「イトヨの教材映像撮影プロジェクト」により制作されたものです・http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/friends/itoyo/)

(データ番号:momo050714ga03b)