なぜ今の仕事に
 高校の時には地学部と柔道部に所属.二つのクラブをかけ持ちするとは,のんびりした時代だったのかもしれない.その地学部で,淡路島にある鍾乳洞の調査をした.日本の鍾乳洞といえば,琉球列島のをのぞくと,古生代に堆積した石灰岩中にできているものがほとんどである.ところが淡路島の鍾乳洞は第三紀中新世の石灰岩の中にできたというめずらしいものだった(最近,この石灰岩を含む地層はもう少し古くて,第三紀始新世から漸新世にできたという説が有力になってきた).その調査に参加したことと,岩波新書の「日本列島」「地球の歴史」という2冊の本を読んだことで,大学で地質学をやってみようという気になった.なお私たちが調査した鍾乳洞は,「野島鍾乳洞」と命名した.「野島」は兵庫県南部地震で有名になった「野島断層」と同じく,淡路島の西海岸にある地区名に由来している.
 大学に入ってから,地質学の関連分野である古生物学に進んだ.ところが古生物学で就職できる職場などそんなに多くはない(博物館か大学くらい).そんなわけで,大学で選んだ専門分野から,なるべくしてなった学芸員ということになる.
 趣味のところに書いたように,子供の時から大の船好きだったので,船員になるという道もあったはずである.しかし,それには二つの大きな障害があった.
 乗り物に弱い:小学生の頃はバスに30分が限度だった.船にも弱かった.今でも.
 泳ぎが下手:海岸で育ったのに下手.体の比重が1以上?ある.だから潜るのは簡単.
これではどう考えても無理だった.


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