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本の紹介「野外地質調査の基礎」

「野外地質調査の基礎」狩野謙一郎著、古今書院、2200円+税


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【瀧端真理子 20030601】
●「野外地質調査の基礎」狩野謙一郎著、古今書院

 フィールド調査の楽しさをしみじみと伝える本、あるいは地質学者の生態を読み取れる本。他分野の調査に役立つアイデアもさりげなく書かれていて好感が持てる。例えば事前調査。自身の調査をある程度進めてから、あるいはフィールド調査と平行して文献を読んだ方がいいとか、すでによく調査された関連他地域の文献を捜した方が役に立つ、など。スケールを取り込んだ写真の取り方や、歩測の練習、川への入り方などの実用知識から、調査地での雨天や夜間の過ごし方、写真の整理法などがユーモアたっぷりに描かれている。「野外地質調査を行う人の中には、調査後宿舎にもどったあとで、すぐにアルコール類をたしなむという私同様な悪癖をもつ人が実に多い」「前方にあるぬかるみやイバラ、つたなどの障害物には積極的に立ち向うべきだが」などなど、筆者の人柄がほのぼのと伝わってくる。
 
 お薦め度:★★★  対象:調査方法に思いをめぐらしている人

【中条武司 20030531】
●「野外地質調査の基礎」狩野謙一郎著、古今書院

 地質学を志すものが必ず(?)しなければならない地質調査とはどんなものか、その実際の調査方法を示したノウハウ本である。文章は軽快で読みやすく、実際のフィールド調査を多く経験している著者の経験談が多く書かれていて、地質調査ってこんなものかという手引きになるであろう。
 しかし、この本は地質学初心者に書かれたものということだが、これを読んで地質調査が出来るのであろうか。ここに書いてあることを納得できるのは、実際の調査を1〜2年やって調査の基礎が身についたものでなければしんどいように思う。また、地質図学については既刊のものに譲っているが、ルートマップの作成から地質図の作成までは手間はかかるが一連の作業であるので、ここまで書いたら図学の部分も書かなければならないと思う。図学の基本的なことを書いても、本の量は1〜2割増し程度だろう。そういえば著者の専門が構造地質学のせいか、柱状図の書き方も載ってない。
 そういう意味で、地質調査をしているものが基礎を再確認するためにはいい本だろうが、地質学初心者がこの本を読んでも調査には取りかかれないだろう。

 お薦め度:★★  対象:自分の地質調査法に行き詰まりを感じている人

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