友の会読書サークルBooks

本の紹介「鳥たちに明日はあるか」

「鳥たちに明日はあるか 景観生態学に学ぶ自然保護」ロバート・A・アスキンズ著、文一総合出版、2003年6月、ISBN4-8299-2175-7、2400円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【和田岳 20030822】
●「鳥たちに明日はあるか」ロバート・A・アスキンズ著、文一総合出版

 アメリカ合衆国のさまざまな草原や林を取り上げ、そこに生息するどんな鳥が絶滅の危機にあるのか、何が原因なのか、どのような対策が必要かを、豊富な研究成果をもとに解説した本。最後には、日本の自然環境についての章もある。
 アメリカ合衆国の草原〜森林生態系を危機に陥れている原因として、伐採や開拓による面積減少や分断化、さらに環境が管理され適度な攪乱が生じなくなったことがある。火事によって維持される森林、ビーバーやプレーリードッグの活動によって維持される草原や低木林などが紹介される。
 日本の自然環境の保全を考える上でとても参考に、そして保全生態学の研究には刺激になる1冊。また、北アメリカの草原から森林生態系を知るにも役立つ。
 
 お薦め度:★★  対象:自然環境の保全や鳥類の生態に関心があり、日本の自然環境の現状や鳥類の生態についての知識がそれなりにある人

【寺島久雄 20030804】
●「鳥たちに明日はあるか」ロバート・A・アスキンズ著、文一総合出版

 大森林、大草原、サバンナの拡がる北中米の広大な自然が、自然の災害と人為による攪乱、そして修復の繰り返した生態系を、保全と攪乱のバランスを巧みにとる為に行われた調査、研究の成果を鳥たちの景観生態学の分野で提言されている。
 来日して調査、研究し、日本に就いてのアドバイスとして、環境の変化に順応出来る種と出来ない種の状態を詳しく述べられている。
 小鳥を中心としたもので大形の鳥、水鳥に就いてはあまりふれられていないのが物足りない。
 
 お薦め度:★★  対象:鳥が好きな人に

【早川友康 20030822】
●「鳥たちに明日はあるか」ロバート・A・アスキンズ著、文一総合出版

 1〜3章では、北米の草原地帯に生息していた鳥達の減少について、4〜7章では北米の氾濫原の鳥達を、9章ではホオジロシマアカゲラを、10章では景観生態学、11章では日本の鳥達の未来についてを写真や図を利用して紹介しています。
 
 お薦め度:★★★  対象:鳥類の減少に興味がある人

[トップページ][本の紹介][会合の記録]