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本の紹介「世界遺産をシカが喰う」

「世界遺産をシカが喰う シカと森の生態学」湯本貴和・松田裕之編、文一総合出版、2006年3月、ISBN4-8299-1190-5、2400円+税


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【萩野哲 20060620】
●「世界遺産をシカが喰う」湯本貴和・松田裕之編、文一総合出版

 シカが全国的に増えており、森に大きな変化が起こっている。本書は2004年に開催されたシンポジウム「シカと森の『今』たしかめる」をもとにまとめられており、北海道、大台ケ原、屋久島等の過去から現在にいたる実例を踏まえて、シカの特性と増加原因、植生との関係、今後の予測と対策が述べられている。人の生活形態の変化がここでも大きな影響を与えていることが理解できる。また、必ずしも安定維持がよいとは限らないことや、理論通りにいかない実践の難しさを学ぶことができる。

 お薦め度:★★★  対象:人と野生生物との関わりに興味を持っている人

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