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本の紹介「♂♀のはなし 鳥」

「♂♀のはなし 鳥」上田恵介著、技報堂出版、1993年5月、ISBN4-7655-4391-9、1800円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までご連絡下さい。
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【六車恭子 20030819】
●「♂♀のはなし 鳥」上田恵介著、技報堂出版

 生き物の多様性はオスとメスのはなしを抜きには語れない。
 鳥は何故胎生でなく卵なのか?にはじまり、子育てにビジョンミルクを出すキジバト、オスでもミルクを出すというコウテイペンギン、ツカツクリのなかまには”温泉タマゴ”のように火山島の地熱を利用するものから、オスが堆肥の醗酵熱でタマゴの世話をするものまでいるという。縄張りを持つ父性社会では第一夫人は息子を産みわけて勝ち残る戦術をとったり、つがいでヒナの子育てをするペアーにもオスオス、メスメスのペアーがあったり、見えている世界の内実はなんとも不可思議だ。
 国内はもちろん海外の文献からも♂♀の鳥たちの面白いはなしが満載!軽妙な語りについ引き込まれてしまう。竹井氏のイラストもいい。
 
 お薦め度:★★★  対象:鳥ネタで楽しみたい人に

【寺島久雄 20030607】
●「♂♀のはなし 鳥」上田恵介著、技報堂出版

 きびしい自然の中にあって自然現象に対応する為に様々な適応的な習性を発達させて進化してきた鳥達。それはつまる処強くて良い子孫を残す為の性淘汰であり、精子競争にあると著者は言っている。
 ゴリラ等がやる子殺しは鳥でも行われ、一妻多夫、一夫一妻、一夫多妻、多夫多妻の鳥社会が知れて「鴛鴦の契」の神話が崩れてしまった。
 鳥の求愛行動には冠羽、飾り羽を持ったり、巣とその庭を花、羽、木の葉、果実、カタツムリ等の装飾品で飾る鳥達の美的な行動はほほえましい。
 人間社会の規範をもって鳥の社会を計るのは人の傲慢ではないかと思ったりします。

 お薦め度:★★★  対象:鳥をもっと知りたい人に

【早川友康 20030627】
●「♂♀のはなし 鳥」上田恵介著、技報堂出版

 本書ではオス、メスの繁殖に関する話題が中心に書かれています。第一章では「なぜ胎生の鳥がいないのか?」や「オス・メスどちらが子育てするのか?」等を。第二章では「求愛時のあでやかな姿」や「鳥たちの美しいさえずり」等を。第三章では、「鳥にも同性愛がある!?」等を。第四章では、「メスによるオスの選り好みや「鳥の世界にも結納があった!」等を。第五章では、「鳥の世界の不倫とそれに対するオスの対処」等を世界各地の鳥たちの多彩な行動を具体的にとり、美しいイラストとともに一部を人間と照らし合わせながら、おもしろおかしく紹介している。
 
 お薦め度:★★★★  対象:鳥の繁殖に興味のある人

【和田岳 20030627】
●「♂♀のはなし 鳥」上田恵介著、技報堂出版

 「一夫一妻の神話」「鳥はなぜ集まる」に続く、著者の一連の作品群の一つ。海外を含めた最新の研究例を紹介しながら、鳥の行動生態学の最先端をわかりやすく解説してくれる。テーマは、子育て、求愛とさえずり、つがい関係、メスによる選り好み、浮気と不倫と並ぶ。
 10年前の著作だが、今読んでもさほど古いとも感じない。日本語で、この分野(鳥のつがい関係や子育てに絡む行動生態学)を概観するにはお奨め。
 
 お薦め度:★★★  対象:鳥の生態に興味のある人

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