友の会読書サークルBooks

本の紹介「マンボウのひみつ」

「マンボウのひみつ」澤井悦郎著、岩波ジュニア新書、2017年8月、ISBN978-4-00-500859-9、1000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【西村寿雄 20171220】
●「マンボウのひみつ」澤井悦郎著、岩波ジュニア新書

 この本には、マンボウについてのくわしい解説と悪戦苦闘するマンボウ研究記が合わせて綴られている。初めには体のつくりのくわしい解説と系統的なマンボウの位置づけが書かれている。「V章マンボウの謎」からいよいよ著者のマンボウ研究歴の話が始まる。大学でマンボウ研究者になったとき運良く宮城県の漁船に乗りこみ巨体マンボウに遭遇して研究の熱が上がる。著者は「マンボウ」以外に別種として「ウシマンボウ」を命名する。そのことが魚類学雑誌などに載せられてウシマンボウの認知度は日本国中に広まった。仮説と検証をくりかえすマンボウ研究のおもしろさと苦労話を語る。バイオロギングなど新たな研究手法やマンボウと人がつむいできた歴史なども織り交ぜて楽しい読み物にしている。中高生以上向き。

 お薦め度:★★★  対象:生き物研究が好きな中学生から


[トップページ][本の紹介][会合の記録]