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本の紹介「クワガタクワジ物語」

「クワガタクワジ物語」中島みち著、偕成社文庫、2002年8月、ISBN4-03-550920-5、700円+税


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【和田岳 20040308】
●「クワガタクワジ物語」中島みち著、偕成社文庫

 小学2年生の男の子が、クワガタムシを採集し、飼育する様子が、それを暖かく見守る母親の視点から語られる。何種ものクワガタを飼育することになるが、中でも最初に採集したコクワガタの内の1匹は、3年もの間生存し、そのコクワガタがタイトルにもなっている。
 飼い始めたときのワクワク感。飼い慣れてきて世話が面倒になり、親に押しつけたりすること。死んでしまったときの悲しみ。ただの飼育日記みたいな話だが、小さい頃に生き物を飼った経験があれば、いろんな事を思い出すことだろう。
 ただし、前に付いている海外のクワガタの写真は本文とあまり関係なく、かえって本文の雰囲気を壊しかねないと思う。

 お薦め度:★★  対象:小さい頃、生きものを飼ったことのある人

【寺島久雄 20031220】
●「クワガタクワジ物語」中島みち著、偕成社文庫

 小学生の心をくすぐるクワガタムシの飼育を暖かく応援する母親の物語りである。
 外国の珍しいクワガタムシのカラー写真が美しい。そして、挿し絵が入って、物語りが盛り上がっている。
 小さい生きものを三夏も飼い続けて、愛情を感じ大切に思ふ心を子供達が感じ取ってくれればと思ふ。

 お薦め度:★★★  対象:小学生の昆虫入門書として

【六車恭子 20031218】
●「クワガタクワジ物語」中島みち著、偕成社文庫

 少年時代、男の子が断然憧れるのは「クワガタを自分で捕まえ、飼育すること!」 ではないだろうか。
 小学2年生の太郎くんはその夢を掴み、持続させ、その過程で多くのものを学んだ ようだ。見守る家族の視線も励ましとなる。単なる飼育記録で終わらなかったことが 作者のあとがきからうかがえる。太郎くんが少年の日にクワジを心から愛し守り慈し んだ物語は大勢の読者の中にもまた無数の「クワガタクワジ物語」があり得たこと伝 えてくれる。これがこの本がかくも長い間読み継がれた所以ではなかろんか。

 お薦め度:★★★  対象:小学生から大人まで

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