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本の紹介「寄生虫館物語」

「寄生虫館物語 可愛く奇妙な虫たちの暮らし」亀谷了著、文春文庫PLUS、2001年2月、ISBN4-16-766009-16、524円+税


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【西川裕子 20040423】
●「寄生虫館物語」亀谷了著、文春文庫PLUS

 率直な感想。おもしろい!でも気持ち悪い!
 最近はめっきり認識度の低くなった寄生虫。だが、よくよく知ってみると興味深いことこの上なし。正しい宿主に寄生すれば害を及ぼさない、寄生したとたん不要な器官を捨ててしまう種類、千年前の医学書にも載っている寄生虫たち。
 本の前半が面白い半面、後半は寄生虫が引き起こす病気の話となり気持ち悪さに拍車がかかります。
 衛生管理の示唆にも富む分、生活のためにもなる一冊。ただし、うぞうぞに耐えられることが条件。

 お薦め度:★★  対象:ぎょう虫検査にひっかかったことがある人

【和田岳 20040422】
●「寄生虫館物語」亀谷了著、文春文庫PLUS

 著者は、目黒寄生虫館の創立者にして、寄生虫専門の臨床医。而してその実体は、寄生虫マニア。その著者が、寄生虫についてのあれやこれやを、そして最後には寄生虫館の歴史を語った一冊。
 とにかく、半世紀にもわたって寄生虫と付き合ってきただけあって、寄生虫についての知識は極めて豊富。寄生虫の多彩な暮らしぶりはとても楽しい。ただ、寄生虫を含め生物の進化や生態学の理屈に絡んだ部分は、あまり信用しない方がいいだろう。
 これを読めば、寄生虫との正しいつきあい方の参考にもなる。とりあえず肉や魚にはよく火を入れて、生野菜をよく洗う事にしよう…。

 お薦め度:★★  対象:不思議な生き物の暮らしに興味のある人

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